JP2008211602A - オーディオ装置及び音声信号提供方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、S/N比の良好な送信音声信号を提供することができる。
【解決手段】本発明は、マイクロコンポ2は、複数の音声出力機器にそれぞれ対応させた複数の音量調整レベルを記憶部であるフラッシュメモリ10Aに記憶し、有線ヘッドフォン6を接続する又は無線通信ボタンを押下することによるユーザの操作に応じて選定された選定出力機器に対応する音量調整レベルに基づいて、当該選定出力機器に応じた調整信号レベルを決定し、所定の信号レベルでなる入力音声信号を調整信号レベルに調整することにより調整音声信号を生成し、調整音声信号を所定の増幅率で増幅して選定出力機器に送出することにより、当該選定出力機器に音声を出力させるようにする。
【選択図】図14

Description

本発明は、オーディオ装置及び音声信号提供方法に関し、例えばワイヤレスヘッドフォンを用いたオーディオ装置に適用して好適なものである。
従来、例えばマイクロコンポーネント・ステレオ(以下、これをマイクロコンポと呼ぶ)などのオーディオ装置としては、スピーカから音声を出力するだけでなく、ワイヤレスヘッドフォンとの間で無線通信を行って当該ワイヤレスヘッドフォンを介して音声を出力することにより、当該マイクロコンポから一定範囲内の場所にいるユーザに音楽を鑑賞させるようになされたものがある(例えば、特許文献1参照)。
このマイクロコンポでは、CD(Compact Disc)やチューナなどから入力された音声信号から、ユーザによって設定された音量レベルに応じた信号レベルでなる調整音声信号を生成し、これを送信音声信号として無線で送信するため、この音量レベルが低く設定されていた場合には、送信音声信号のS/N比が悪化してしまう。
そこで、信号送信装置が音声信号に対してユーザによって設定された音量レベルを表す音量情報を付加し、パケット情報として受信機に送信するようになされたものがある(特許文献2参照)。
特表2001−514918公報 特開2004−207932公報
ところで上述した特許文献2の構成では、受信機となるワイヤレスヘッドフォンがパケット情報を時間軸方向に並べ替えて音声信号を復元し、当該音声信号の信号レベルを音量情報に基づいて調整して調整音声信号を生成しなければならず、ワイヤレスヘッドフォンの構成が複雑になるという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、受信機側の構成を複雑にすることなくS/N比の良好な音声信号を提供し得るオーディオ装置及び音声信号提供方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、複数の音声出力機器にそれぞれ対応させた複数の音量調整レベルを記憶する記憶部と、複数の音声出力機器のうち、ユーザの操作に応じて選定された選定出力機器に対応する音量調整レベルに基づいて、当該選定出力機器に応じた調整信号レベルを決定する決定部と、所定の信号レベルでなる音声信号を選定出力機器に応じた調整信号レベルに調整することにより調整音声信号を生成する信号調整部と、調整音声信号を所定の増幅率で増幅して選定出力機器に提供することにより選定出力機器に音声を出力させる送出部とを設けるようにした。
これにより、選定出力機器に応じた調整信号レベルの調整音声信号を生成することができるため、増幅後における調整音声信号の品質を適切にすることができる。
複数の音声出力機器のうち、ユーザの操作に応じて選定された選定出力機器に対応する音量調整レベルに基づいて、当該選定出力機器に応じた調整信号レベルを決定する決定ステップと、所定の信号レベルでなる音声信号を選定出力機器に応じた調整信号レベルに調整することにより調整音声信号を生成する信号調整ステップと、調整音声信号を所定の増幅率で増幅して音声出力機器に提供することにより音声出力機器に音声を出力させる送出ステップとを設けるようにした。
これにより、選定出力機器に応じた調整信号レベルの調整音声信号を生成することができるため、増幅後における調整音声信号の品質を適切にすることができる。
本発明によれば、選定出力機器に応じた調整信号レベルの調整音声信号を生成することができるため、増幅後における調整音声信号の品質を適切にすることができ、かくして受信機側の構成を複雑にすることなくS/N比の良好な音声信号を提供し得るオーディオ装置及び音声信号提供方法を実現できる。
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)音楽鑑賞システムの全体構成
図1に示すように、1は全体として音楽鑑賞システムを示しており、スピーカ3及び本体部4からなるマイクロコンポーネント・ステレオ(以下、これをマイクロコンポと呼ぶ)2と、ワイヤレスヘッドフォン5と、有線ヘッドフォン6とから構成されている。
音楽鑑賞システム1では、例えばBluetooth(登録商標)方式で無線通信し、マイクロコンポ2から送信される音声信号に基づく音声をワイヤレスヘッドフォン5から出力することにより、ユーザ(図示しない)に音楽などを鑑賞させる。
また音楽鑑賞システム1では、図2(A)に示すように、スピーカ3から音声を出力したり、図2(B)に示すように、マイクロコンポ2に接続された有線ヘッドフォン6から音声を出力し、ユーザ(図示しない)に音楽などを鑑賞させるようになされている。
図3に示すように、マイクロコンポ2は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びフラッシュメモリ10Aから構成されるマイクロコンピュータ(以下、これをマイコンと呼ぶ)10がマイクロコンポ2の全体を統括的に制御するようになされている。マイコン10は、ROMなどに格納されている各種基本プログラムや音声信号提供プログラム等をRAMに展開することによって、これらのプログラムに基づいて各種処理や後述するペアリング処理及び調整条件決定処理を実行するようになされている。
すなわちマイコン10は、ユーザの操作部11に対する操作入力に応じて音声信号提供処理を実行する旨の要求信号が操作部11から供給されると、接続可能な状態にある複数の音声出力機器から、音声の出力先である選定出力機器を選定する。
マイコン10は、ユーザによって操作部11の図示しない無線通信ボタンが押下された場合には、ワイヤレスヘッドフォン5を選定出力機器に選定する。
一方マイコン10は、無線通信ボタンが押下されていない場合には、有線HPインターフェース20に対して有線ヘッドフォン6が接続されているか否かについて確認し、接続されていた場合には有線ヘッドフォン6を選定出力機器に選定する。
これに対してマイコン10は、無線通信ボタンが押下されておらず、かつ有線ヘッドフォン6が接続されていなかった場合には、スピーカ3を選定出力機器に選定する。
そしてマイコン10は、調整条件決定処理(詳しくは後述する)を実行し、イコライジング処理に使用する周波数特性テーブル及び音声信号を調整する際に使用する調整信号レベルを選定出力機器に応じた調整条件として決定する。
マイコン10は、CDプレーヤ12、チューナ13又は外部インターフェース14から入力音声信号がオーディオIC15に供給されると、当該オーディオIC15によって当該調整条件に従って入力音声信号の信号レベル及び周波数特性を調整して調整音声信号を生成し、スピーカアンプ16及び切替スイッチ17に供給する。
スピーカアンプ16は、調整音声信号を所定のスピーカ用増幅率で増幅して出力音声信号を生成し、スピーカ3に送出する。切替スイッチ17は、調整音声信号の送出先を有線HPアンプ18又は無線通信処理部21のいずれか一方に切り替える。
有線HPアンプ18は、所定の有線ヘッドフォン用増幅率で増幅して出力音声信号を生成し、ミュート部19を介して有線HPインターフェース20に送出する。
そしてマイコン10は、選定出力機器をスピーカ3に決定した場合には、スピーカアンプ16を動作させて出力音声信号をスピーカ3に供給する。同時にマイコン10は、切替スイッチ17を有線HPアンプ18に切り替えると共に、ミュート部19を動作させて有線HPアンプ18から供給される出力音声信号を減衰させ、当該出力音声信号を有線HPインターフェース20に供給しないようにする。
この結果マイコン10は、スピーカアンプ16に出力音声信号をスピーカ3へ送出させることができ、図2(A)に示したように、出力音声信号に基づく音声をスピーカ3から出力させるようになされている。
一方マイコン10(図3)は、選定出力機器を有線ヘッドフォン6に決定した場合には、切替スイッチ17を有線HPアンプ18に切り替えると共に、ミュート部19の動作を停止させることにより、有線HPアンプ18によって生成される出力音声信号を有線HPインターフェース20に供給する。一方マイコン10は、スピーカアンプ6の動作を停止させることにより、スピーカ3に出力音声信号を供給しないようにする。
この結果マイコン10は、有線HPアンプ18にミュート部19を介して出力音声信号を有線HPインターフェース20へ供給させることができ、図2(B)に示したように、当該出力音声信号に基づく音声を有線HPインターフェース20に接続された有線ヘッドフォン6から出力させるようになされている。
他方マイコン10は、選定出力機器をワイヤレスヘッドフォン5に決定した場合には、スピーカアンプ6の動作を停止させることにより、スピーカ3に出力音声信号を供給しないようにすると共に、切替スイッチ17を有線HPアンプ18から無線通信処理部21に切り替えて調整音声信号を無線通信処理部21に送出する。
無線通信処理部21は、調整音声信号に量子化処理などを施してデジタル信号でなるデジタル調整音声信号に変換し、これをワイヤレスヘッドフォン5に対して無線で送信する。
ワイヤレスヘッドフォン5の無線通信処理部31は、無線通信処理部21からデジタル調整音声信号を受信すると、当該デジタル調整音声信号をアナログ信号でなる受信調整音声信号に変換し、無線HPアンプ32に送出する。
このワイヤレスヘッドフォン5が音量調整機能を有し、音量操作部33としての音量操作ボタン33A(図1)が設置されている場合、ワイヤレスヘッドフォン5(図3)は、ユーザによる当該音量操作部33に対する操作入力に応じて、無線HPアンプに設定される無線HP用可変増幅率を変化させる。無線HPアンプ32は、現在設定されている無線HP用可変増幅率で音声出力信号を増幅し、音声出力部34に送出する。
なおワイヤレスヘッドフォン5が音量調整機能を有していない場合(図示せず)には、当該ワイヤレスヘッドフォン5は音量操作部33を有さず、無線HPアンプ32によって所定の無線HP用固定増幅率で調整音声信号を増幅し、出力音声信号として音声出力部34に送出する。
この結果マイクロコンポ2のマイコン10は、図1に示したように、出力音声信号に基づく音声をワイヤレスヘッドフォン5の音声出力部34から出力させるようになされている。
(2)ペアリング処理
上述したようにマイクロコンポ2及びワイヤレスヘッドフォン5は、Bluetooth(登録商標)による無線通信によって上述した音声信号提供処理を実行している。ここでマイクロコンポ2及びワイヤレスヘッドフォン5は、マイクロコンポ2とワイヤレスヘッドフォン5との間で初めて無線通信を実行する際に、お互いを新規接続認証するいわゆるペアリング処理を実行するようになされている。次に、このペアリング処理について説明する。
図4に示すように、マイクロコンポ2の操作部11としてのリモートコントローラ11Aの操作ボタンがユーザによって押下されたことにより、ワイヤレスヘッドフォン5を新規認証する旨の要求信号が操作部11から供給されると、マイコン10は、ユーザに対してワイヤレスヘッドフォン5が有する認証IDの入力を例えば図示しない表示部を介してユーザに要求する。この認証IDは、ワイヤレスヘッドフォン5に固有のIDであり、例えば当該ワイヤレスヘッドフォン5の購入時に付属する取扱説明書などに記載されている。
マイコン10は、ユーザのリモートコントローラ11Aに対する操作入力により、認証IDが入力されると、認証IDの送信を要求する要求信号を生成し、これを予め記憶しているワイヤレスヘッドフォン5と共通の初期化キーを用いてワイヤレスヘッドフォン5に送信する。
マイコン10は、要求に応じたワイヤレスヘッドフォン5から認証IDを受信すると、ユーザによって入力された認証IDとワイヤレスヘッドフォン5から受信した認証IDとが一致するか否かを判別し、一致しなかった場合、マイコン10は、認証IDが一致しなかった旨をユーザに通知し、当該認証IDの再度の入力をユーザに対して要求する。
これに対して認証IDが一致した場合、マイコン10はワイヤレスヘッドフォン5をペアリング済機器として認証し、当該ワイヤレスヘッドフォン5に対して接続設定パラメータを表すリンクキーを通知すると共に、当該リンクキーを自身に設定することにより、当該リンクキーを用いて以降のワイヤレスヘッドフォン5との無線通信を実行し得るようになされている。
マイコン10は、ワイヤレスヘッドフォン5に対して、自己が生成する調整音声信号が最大レベルであるときの最大信号レベルと共に、ワイヤレスヘッドフォン5が当該最大信号レベルよりもどの程度まで大きい信号レベルを増幅可能であるかを表すヘッドルーム値HR及び音量調整機能の有無を表す音量調整機能情報TFの送信を要求する要求信号をワイヤレスヘッドフォン5に送信する。
マイコン10は、要求に応じたワイヤレスヘッドフォン5からヘッドルーム値HR及び音量調整機能情報TFを受信すると、これをワイヤレスヘッドフォン5の認証IDに対応付けてフラッシュメモリ10Aに記憶することにより、当該ワイヤレスヘッドフォン5をペアリング済機器と認証し、ペアリング処理を終了する。
この結果マイコン10のフラッシュメモリ10Aには、ペアリング済機器として認証された全ての音声出力機器についてのヘッドルーム値HR及び音量調整機能情報TFが記憶される。例えば図5に示すようにマイコン10は、これまでにペアリング済機器として認証されたワイヤレスヘッドフォン5A、5B、5Cについてのヘッドルーム値HR(それぞれ「1」、「1」、「2」)及び音量調整機能情報TF(それぞれ「なし」、「あり」、「あり」)を記憶している。なおこのヘッドルーム値HRは、10段階で表されるマイクロコンポ2の調整信号レベルに対応する値で示されている。
このようにマイクロコンポ2は、ワイヤレスヘッドフォン5をペアリング済機器として認証すると共に、当該ワイヤレスヘッドフォン5からヘッドルーム値HR及び音量調整機能情報TFを取得するようになされている。
(3)調整条件決定処理
(3−1)周波数特性テーブルの選定
マイクロコンポ2は、各音声出力機器(スピーカ3、ワイヤレスヘッドフォン5、有線ヘッドフォン6)から音声を出力する際に、所定の信号レベルでなる入力音声信号に対して周波数特性及び信号レベルを調製して調整音声信号を生成し、これを出力先として選定された選定出力機器に送出することによって音声を出力する。このときマイクロコンポ2は、選定出力機器に応じた調整条件で入力音声信号の周波数特性及び信号レベルを調製するようになされている。次に、この調整条件を決定する調整条件決定処理について説明する。
マイコン10は、ユーザの操作入力部11に対する操作入力により、音声を出力する旨の要求がなされると、上述したように選定出力機器を選定し、調整条件決定処理を開始する。
図6に示すようにマイクロコンポ2のマイコン10は、右側チャンネル及び左側チャンネルにそれぞれ対応する周波数特性情報である周波数特性テーブルFCを複数対有している。図7及び8に示すように、この周波数特性テーブルFCは音声信号を殆ど調整しない「FLAT」における1000[Hz]の値を基準値としたときの周波数ごとの信号レベルの増減値(以下、これを周波数増減値と呼ぶ)が登録されている。
なお「ROCK」、「POP」及び「JAZZ」は対応する音楽ジャンルでなる音楽を出力する際に各音楽ジャンルに対して最適の音声で出力するように周波数増減値が登録されており、「DSGX−ON」は重低音を重視するように周波数増減値が登録されている。
さらにマイコン10は、選定出力機器がスピーカ3である場合に使用するスピーカ用周波数特性テーブルFCs(図6(A))と、選定出力機器がワイヤレスヘッドフォン5及び有線ヘッドフォン6である場合に使用するヘッドフォン用周波数テーブルFCh(図6(B))を有している。
このスピーカ用周波数特性テーブルFCsは、音声をスピーカ3で出力する際に最適の音声で出力するように、当該スピーカ3の特性に応じた周波数増減値が登録されている。一方、ヘッドフォン用周波数特性テーブルFChは、音声をワイヤレスヘッドフォン5及び有線ヘッドフォン6から出力する際に最適の音声で出力するように、当該ワイヤレスヘッドフォン5及び有線ヘッドフォン6の特性に応じた周波数増減値が登録されている。
マイコン10は、スピーカ3を選定出力機器に選定した場合、スピーカ用周波数特性テーブルFCsからユーザの操作部33への操作入力に応じた一対(右側チャンネル及び左側チャンネル)の周波数特性テーブルFCを選択する。
一方マイコン10は、ワイヤレスヘッドフォン5及び有線ヘッドフォン6を選定出力機器に選定した場合、ヘッドフォン用周波数特性テーブルFChからユーザの操作部11への操作入力に応じた一対の周波数特性テーブルFCを選択する。
この結果マイコン10は、選択された周波数特性テーブルFCに従ってオーディオIC15に入力音声信号の周波数特性を調整する、いわゆるイコライジング処理を実行させることにより、選定出力機器に応じて入力音声信号の周波数特性を調整し得るようになされている。
図9及び図10は、スピーカ用周波数特性テーブルFCsをそれぞれグラフ化したものであり、左チャンネル用のスピーカ用周波数特性テーブルFCsを図9に、右チャンネル用のスピーカ用周波数特性テーブルFCsを図10に示している。また、ヘッドフォン用周波数特性テーブルFChのうち、「JAZZ」について太線で示している。
この「JAZZ」についてのヘッドフォン用周波数特性テーブルFChでは、「JAZZ」についてのスピーカ用周波数特性テーブルFCsと比較して中央付近における周波数増減値はほぼ同一であるが、300[Hz]以下の低音領域に対して大きい周波数増減値が登録されている一方、20[kHz]以上の高音領域に対して小さい周波数増減値が登録されている。また図示しないが、他のヘッドフォン用周波数特性テーブルFChについても同様である。
このためマイコン10は、音声出力部34の振動板が小さいために低音領域の音量が小さく、高音領域の音量が小さくなり易いという特性を有するワイヤレスヘッドフォン5及び有線ヘッドフォン6の特性を補正するように調整音声信号の周波数特性を調整することができるため、当該ワイヤレスヘッドフォン5及び有線ヘッドフォン6から周波数特性が最適な音声を出力させ得るようになされている。
(3−2)調整信号レベルの決定
ところで一般的にマイクロコンポ2では、図3を用いて説明したように、オーディオIC15によって入力音声信号の信号レベルを調整、すなわち減衰させ、これを調整音声信号としてスピーカアンプ16及び切替スイッチ17へ送出するようになされている。
図11(A)及び(B)に示すように、調整音声信号の信号レベルS(以下、これを調整信号レベルと呼ぶ)が大きい場合(図11(A))であっても小さい場合(図11(B))であっても同量のノイズNが当該調整音声信号に混入するため、図11(C)及び(D)に示すように、調整音声信号を同一の信号レベルSに増幅して出力音声信号を生成すると、調整信号レベルが大きい調整音声信号に基づく出力音声信号のS/N比(図11(C))は、調整信号レベルの小さい調整音声信号に基づく出力音声信号(図11(D))よりも良好となる。なお図11においてtは時間軸を表している。
また図12に示すように、調整音声信号をデジタル調整音声信号に変換する際、調整信号レベルが大きい場合(図12(B))には、調整信号レベルが小さい場合(図12(A))と比較して量子化数を増大することができるため、量子化ノイズを相対的に小さくすることができる。
上述したように、ワイヤレスヘッドフォン5には音量調整機能を有しているもの(以下、これを有調整WLヘッドフォンと呼ぶ)があり、当該有調整WLヘッドフォンでは音量を自由に調整することができるため、出力される音声の音量を調整信号レベルが決定するわけではない。
従って本実施の形態のマイクロコンポ2では、選定出力機器が有調整WLヘッドフォンである場合、音量調整機能を考慮し、比較的大きい調整信号レベルでなる調整音声信号を生成することにより、当該調整音声信号のS/N比を上昇させるようになされている。
図13に示すように、マイクロコンポ2のマイコン10は、音量調整レベルとして、有線用レベルILと、無調整WL用レベルNLと、有調整WL用レベルTLとを有しており、調整音声信号の信号レベルを10段階に振り分けた値として、「0」〜「10」までの値がそれぞれ設定されるようになされている。
マイコン10は、操作入力部11を介したユーザの操作入力によって音声出力が要求され、かつ無線送信ボタン(図示しない)が押下されたと認識した場合には、ワイヤレスヘッドフォン5を選定出力機器に選定し、当該ワイヤレスヘッドフォン5に対応する音量調整レベルに基づいて調整信号レベルを決定する。
具体的にマイコン10は、認証IDの送信を要求する要求信号を生成し、これをワイヤレスヘッドフォン5に対して送信する。
マイコン10は、要求信号に応じたワイヤレスヘッドフォン5から認証IDを受信すると、認証IDに対応するワイヤレスヘッドフォン5を特定し、当該ワイヤレスヘッドフォン5に対応する音量調整機能情報TF及びヘッドルーム値HRを読み出す。
マイコン10は、選定出力機器が有調整WLヘッドフォンであった場合、音量調整レベルとして当該有調整WLヘッドフォンに対応する有調整WL用レベルTLを選択する。この有調整WL用レベルTLは、初期値として「8」に設定されている。
マイコン10は、ワイヤレスヘッドフォン5から受信した最大信号レベル「10」よりもどの程度まで大きい信号レベルを受信可能であるかを表すヘッドルーム値HRの例えば50%に相当する値をこの有調整WL用レベルTL「8」に加算し、これを調整信号レベルとする。またマイコン10は、算出された調整信号レベルが「9」を超える場合には、調整信号レベルの値を「9」とする。
例えばマイコン10は、図14(A)に示すように、選定出力機器がワイヤレスヘッドフォン5Cであった場合には、当該ワイヤレスヘッドフォン5Cが音量調整機能を有しており、ヘッドルーム値HRが「2」であると認識する。そしてマイコン10は、有調整WL用レベルTLの「8」に対してヘッドルーム値HRに基づく「1」を加算することにより、調整信号レベルを算出するようになされている。
この結果マイコン10は、オーディオIC15によってイコライジング処理が施された入力音声信号の信号レベルを当該オーディオICによって調整信号レベルに調整することにより、調整音声信号を生成するようになされている。
これによりマイコン10は、有調整WLヘッドフォンに対して常に「8」以上の比較的大きい調整信号レベルでなる調整音声信号を生成することができるため、オーディオIC15(図3)によって当該調整音声信号が生成されてから無線通信処理部21によってデジタル化されるまでの間に混入するノイズの影響を小さくすることができると共に、無線調整処理部21における量子化ノイズを小さくすることができ、デジタル音声信号が表す調整音声信号(すなわち受信調整音声信号)のS/N比を良好にし得るようになされている。
またマイコン10は、ワイヤレスヘッドフォン5の無線通信処理部31によって生成される受信調整音声信号の信号レベルを大きくすることができ、無線ヘッドフォンアンプ32における当該受信調整音声信号の増幅率を低下させて出力音声信号のS/N比を良好にし得るようになされている。
ここでマイコン10は、仮に調整信号レベルが最大信号レベル「10」に設定された場合には、上述した周波数特性テーブルを用いたイコライジング処理を施したときに音声調整音声信号の一部が最大信号レベルを超えることになり、無線通信処理部21における増幅可能な信号レベルの限界を超え、選定出力機器において音割れを発生させる危険性を生じさせてしまう。
マイコン10は、有調整WL用レベルTLの最大値を「9」に設定したことにより、常に大きい調整信号レベルを確保しつつ、イコライジング処理を実行できるだけの余裕を調整音声信号に残すようになされている。
また、有調整WL用レベルTLの初期値を「8」に設定し、当該有調整用レベルTLに対して各ワイヤレスヘッドフォン5が有するヘッドルーム値HRに応じた値HRsを加算した加算値を調整信号レベルとすることにより、各ワイヤレスヘッドフォン5が有する無線ヘッドフォンアンプ32の能力の限界近くまで受信調整音声信号の信号レベルを上昇させることができ、当該受信調整音声信号のS/N比を最大限まで上昇させることができる。
そしてマイコン10は、設定された音量調整条件に応じてオーディオIC15を制御することにより、周波数の調整された入力音声信号を減衰させて調整音声信号を生成し、当該調整音声信号に基づくデジタル調整音声信号をワイヤレスヘッドフォン5に送信する。
この結果マイコン10は、調整音楽信号の調整信号レベルが高く、かつ量子化ノイズが抑制された状態のデジタル調整音声信号をワイヤレスヘッドフォン5に送信することができるため、ワイヤレスヘッドフォン5にS/N比の良好な音声出力信号に基づく音声を出力させることができ、かくしてユーザに良好な音声を聴取させ得るようになされている。
このとき例えワイヤレスヘッドフォン5から出力される音声が大きすぎた場合であっても、ユーザは当該ワイヤレスヘッドフォン5に設置されている音量操作ボタン33A(図1)を操作することにより、迅速に音量を調整して品質の良好な音声を聴取させることができる。
またマイコン10は同一のワイヤレスヘッドフォン5に対して毎回同じ調整信号レベルでなる調整音声信号に基づいてデジタル調整音声信号を送信するため、ワイヤレスヘッドフォン5が最後に設定された音量レベルを記憶する機能を有していれば、次回以降には最初から適度な音量でなる音声を当該ワイヤレスヘッドフォン5からユーザに聴取させることができる。
なお有調整用レベルTLは、ユーザの操作部11を介した操作要求により増減され、マイクロコンポ2の図示しない電源がOFFされた場合や、選定出力機器が変更された場合に初期値にリセットされるようになされている。これにより、マイクロコンポ2で調整音声信号の調整信号レベルを調整できるため、有調整WLヘッドフォンの音量調整機能が故障した場合であっても、ワイヤレスヘッドフォン5にユーザの好みに応じた音量で音声を出力させ得るようになされている。
これに対してマイコン10は、選定出力機器が音量調整機能を有していないワイヤレスヘッドフォン5(以下、これを無調整WLヘッドフォンと呼ぶ)であった場合、無調整WL用レベルNLをそのまま調整信号レベルに決定する。
この有線用レベルILは、無調整WLヘッドフォンが使用されているときに最後に設定されていた調整信号レベルが記憶されているものであり、ユーザの操作部11を介した操作に応じて逐次変更される。
なおマイコン10は、例えばヘッドルーム値HRが「−1」、音量調整レベルが最大の「10」であるように、音量調整レベルが無調整WLヘッドフォンの最大受信可能な調整信号レベル(すなわち「9」)を超えている場合には、調整信号レベルを「9」以下に決定することにより、無調整WLヘッドフォンにおいて音割れが生じるのを防止し得るようになされている。
そしてマイコン10は、周波数の調整された入力音声信号を減衰させることにより調整信号レベルでなる調整音声信号を生成し、当該調整音声信号に基づくデジタル調整音声信号をワイヤレスヘッドフォン5に送信する。
例えばマイコン10は、図14(B)に示すように、ワイヤレスヘッドフォン5が音量調整機能を有していないワイヤレスヘッドフォン5Aの場合には、無調整WL用レベルNL(例えば「3」)と同一の調整信号レベルでなる調整音声信号を生成する。
この結果マイコン10は、無調整WLヘッドフォンに対しては、当該無調整WLヘッドフォンの使用時にユーザが最後に設定した無調整WL用レベルNLでなる調整音声信号に基づくデジタル調整音声信号を送信することができるため、最初から適度な音量でなる音声をユーザに聴取させ得るようになされている。
他方マイコン10は、操作入力部11を介したユーザの操作入力によって音声出力が要求され、かつ無線送信ボタン(図示しない)が押下されなかったと認識した場合には、選定出力機器をスピーカ3又は有線ヘッドフォン6に決定し、有線用レベルILをそのまま調整信号レベルに決定する。
この有線用レベルILは、スピーカ3又は有線ヘッドフォン6のいずれかが使用されているときに最後に設定されていた調整信号レベルが記憶されており、ユーザの操作部11を介した操作に応じて逐次変更される。
この結果マイコン10は、前回のスピーカ3又は有線ヘッドフォン6の使用時に最後にユーザが設定していた音量レベルで音声を出力することができるため、ユーザの好みに応じた音量でスピーカ3又は有線ヘッドフォン6から音声を出力し得るようになされている。
このようにしてマイクロコンポ2のマイコン10は、出力先となる選定出力機器に応じて調整条件である周波数特性テーブルFC及び調整信号レベルを決定し、当該調整条件に従って調整音声信号を生成することにより、選定出力機器に応じた最適の調整音声信号に基づく音声を各選定出力機器から出力させ得るようになされている。
(4)音声信号提供処理手順
次に、音声信号提供プログラムに従って実行される音声信号提供処理手順RT1について、図15に示すフローチャートを用いて説明する。
マイクロコンポ2のマイコン10は、ユーザから音声を出力する旨の要求がなされると、音声信号提供処理手順RT1を開始し、ステップSP1に移る。
ステップSP1において、マイコン10は、無線送信ボタン(図示しない)が押下されたか否かについて判別し、肯定結果が得られた場合には、出力先となる選定出力機器をワイヤレスヘッドフォン5に決定し、次のステップSP2へ移る。
ステップSP2において、マイコン10は、ワイヤレスヘッドフォン5に対して問い合わせを行うと、次のステップSP3へ移る。
ステップSP3において、マイコン10は、問い合わせに応じたワイヤレスヘッドフォン5から認証IDを取得すると、次のステップSP4に移り、取得した認証IDが既に登録されているか否かについて判別する。
ここで否定結果が得られた場合、このことは問い合わせに応じたワイヤレスヘッドフォン5を未だ認証していないことを表しており、このときマイコン10はユーザに対してカップリング処理を実行する必要がある旨のエラーメッセージを通知し、終了ステップに移って処理を終了する。
これに対してステップSP4において肯定結果が得られた場合、このことは問い合わせに応じたワイヤレスヘッドフォン5を既に認証済みであることを表しており、このときマイコン10は、次のステップSP6へ移る。
ステップSP6において、マイコン10は、カップリング処理の際にワイヤレスヘッドフォン5と対応付けて記憶した音量調整機能情報TF及びヘッドルーム値HRを読み出すとステップSP7へ移り、問い合わせに応じたワイヤレスヘッドフォン5が音量調整機能を有しているか否かについて判別する。
ここで否定結果が得られた場合、このことは問い合わせに応じたワイヤレスヘッドフォン5が無調整WLヘッドフォンであり、マイクロコンポ2側で音量調整を実行する必要があることを表しており、このときマイコン10は、次のステップSP9へ移り、音量調整条件として無調整WL用レベルNLを使用することを決定し、次のステップSP18へ移る。
これに対してステップSP7において肯定結果が得られた場合、このことは問い合わせに応じたワイヤレスヘッドフォン5が有調整WLヘッドフォンであり、マイクロコンポ2側で音量調整を実行する必要がないことを表しており、このときマイコン10は、次のステップSP10へ移る。
ステップSP10において、マイコン10は、問い合わせに応じたワイヤレスヘッドフォン5のヘッドルーム値HR及び有調整HP用レベルTLに基づいて調整信号レベルを算出すると、次のステップSP18へ移る。
これに対してステップSP1において否定結果が得られた場合、このことは選定出力機器が有線で接続されたスピーカ3又は有線ヘッドフォン6であることを表しており、このときマイコン10は、次のステップSP15へ移る。
ステップSP15において、マイコン10は、有線用レベルILをそのまま調整信号レベルとして使用することを決定し、次のステップSP16へ移る。
ステップSP16において、マイコン10は、選定出力機器がスピーカ3であるか否かを判別し、肯定結果が得られると次のステップSP17へ移り、スピーカ用周波数特性テーブルFCsからユーザの操作入力に応じた一対の周波数特性テーブルFCを選択し、次のステップSP19へ移る。
一方、ステップSP16において否定結果が得られた場合、マイコン10は、選定出力機器が有線ヘッドフォン6であると認識し、次のステップSP18へ移る。
ステップSP18において、マイコン10は、ヘッドフォン用周波数特性テーブルFChからユーザの操作入力に応じた一対の周波数特性テーブルFCを選択すると、次のステップSP19へ移り、決定された調整条件(調整信号レベル及び周波数テーブルFC)に従って生成した調整音声信号を選定出力機器に応じた増幅率で増幅して選定出力機器に提供することにより、入力音声信号に基づく音声の出力を開始すると、終了ステップに移って処理を終了する。
(5)動作及び効果
以上の構成において、マイクロコンポ2は、複数の音声出力機器にそれぞれ対応させた複数の音量調整レベルを記憶部であるフラッシュメモリ10Aに記憶し、有線ヘッドフォン6を接続する又は無線通信ボタンを押下することによるユーザの操作に応じて選定された選定出力機器に対応する音量調整レベルに基づいて、当該選定出力機器に応じた調整信号レベルを決定し、所定の信号レベルでなる入力音声信号を調整信号レベルに調整することにより調整音声信号を生成し、調整音声信号を所定の増幅率で増幅して選定出力機器に提供することにより、当該選定出力機器に音声を出力させるようにした。
これによりマイクロコンポ2は、各音声出力機器である無調整WLヘッドフォン、有調整WLヘッドフォン並びにスピーカ3及び有線ヘッドフォン6にそれぞれ適した音量調整レベルに基づいて調整音声信号を生成できるため、マイクロコンポ2側で音量調整する必要がある音声出力機器(スピーカ3、有線ヘッドフォン6、無調整WLヘッドフォン)に対してはユーザの好みに応じた音量で音声を出力できるような信号調整レベルの調整音声信号を生成する一方、マイクロコンポ2側で音量調整をする必要がない音声出力機器(有調整WLヘッドフォン)に対しては増幅後の調整音声信号におけるS/N比が向上するような信号調整レベルの調整音声信号を生成することができる。
またマイクロコンポ2は、選定出力機器から取得した音量調整機能情報TFに基づいて音量調整機能の有無を判別することにより、ユーザになんら操作をさせることなく自動的に選定出力機器に応じた適切な信号調整レベルでなる調整音声信号を生成することができる。
さらにマイクロコンポ2は、音量調整機能を有する選定出力機器である有調整WLヘッドフォン(ワイヤレスヘッドフォン5B及び5C)に対応する音量調整レベルである有調整用レベルTLに対して、有調整WLヘッドフォンの増幅可能な最大信号レベルを表すヘッドルーム値HRを考慮して信号調整レベルに決定することにより、有調整WLヘッドフォンの増幅処理能力に応じて調整信号レベルを限界一杯まで大きくして、増幅後の調整音声信号におけるS/N比を上昇させることができる。
またマイクロコンポ2は、複数の音声出力機器に対応させた複数の周波数特性情報である周波数特性テーブルFCを記憶し、選定出力機器に対応する周波数特性テーブルFCに従って入力音声信号の周波数特性を調整するようにしたため、選定出力機器に応じた最適な周波数特性を有する調整音声信号を生成することができる。
以上の構成によれば、マイクロコンポ2は、ワイヤレスヘッドフォン5から取得した音量調整機能情報TFに基づいて選定出力機器の音量調整機能の有無を判別し、当該選定出力機器が音量調整機能を有している場合には、当該音量調整機能を考慮して調整信号レベルを決定することにより、受信機側の構成を複雑にすることなく、音量調整機能を有する選定出力機器に対してS/N比の良好な音声信号を提供し得るオーディオ装置及び音声信号提供方法を実現できる。
(6)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、マイクロコンポ2が調整音量レベルとして、有線用レベルIL、無調整WL用レベルNL及び有調整WL用レベルTLを有するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば音量調整機能の有無に応じた2つの調整音量レベルを有するようにしても、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、音声出力機器ごとに調整音量レベルを有するようにしても良く、これにより音声出力機器ごとに最適な調整信号レベルでなる調整音声信号を生成することができる。
また上述の実施の形態においては、マイクロコンポ2がワイヤレスヘッドフォン5の音量調整機能の有無にそれぞれ対応した音声調整レベルを有するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば無線通信又は有線通信にそれぞれ対応した音声調整レベルを有するようにしても良い。これにより、10[m]程度の比較的遠距離で通信することが想定されるため、ユーザの手元で音量変更ができるように音量調整機能を有することが多い無線の音声出力機器に対してはS/N比が上昇するように調整音声信号を生成する一方、1〜2[m]程度の比較的近距離で通信することが想定されるため音量調整機能を有さない有線の音声出力機器に対してはユーザの好みに応じた調整信号レベルの調整音声信号を生成することが可能となる。
さらに上述の実施の形態においては、マイクロコンポ2が有調整WL用レベルに対してヘッドルーム値HRに基づく値HRsを加算した加算値を有調整WLヘッドフォンに対応する信号調整レベルに決定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、有調整WL用レベルをそのまま有調整WLヘッドフォンに対応する信号調整レベルに決定するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、マイクロコンポ2がヘッドフォン(ワイヤレスヘッドフォン5A、5B及び5C、並びに有線ヘッドフォン6)又はスピーカ3にそれぞれ対応する周波数特性テーブルを有するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他にもイヤホンや耳元を密閉状態にしないオープンタイプのヘッドフォンに対応する周波数テーブルFCを有するようにしても良い。この場合マイクロコンポ2は、選定出力機器の種類(ヘッドフォン、スピーカ、イヤホン、オープンタイプのヘッドフォン)に応じて周波数特性テーブルFCを選択する。また周波数特性テーブル自体を有していなくても良い。
さらに上述の実施の形態においては、ワイヤレスヘッドフォン5からヘッドルーム値HRを取得するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば増幅可能な最大の信号レベルとして、増幅可能な受信調整音声信号の信号レベルを表す増幅可能値を取得するようにしても良い。この場合マイクロコンポ2は、当該増幅可能値を「0.8」倍した乗算値と、有調整WL用レベルTLとを比較し、大きい方を調整信号レベルに決定する。
さらに上述の実施の形態においては、マイクロコンポ2は、有調整WL用レベルTLに基づいて有調整WLヘッドフォンに対する信号調整レベルを決定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、単に増幅可能値を例えば「0.8」倍した乗算値を調整信号レベルに決定するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、ワイヤレスヘッドフォン5に対する無線通信の際に本発明を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば無線接続可能なスピーカに対する無線通信に本発明を適用するようにしても良い。この場合であっても上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに上述の実施の形態においては、受信機としてのワイヤレスヘッドフォン5に対して本発明を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、受信機として音声調整機能を有する有線ヘッドフォンに対して本発明を適用するようにしても良い。この場合であっても上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに上述の実施の形態においては、音量調整機能を有していない選定出力機器に対して最後に設定された値を音量調整レベルにするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば常に同一の値を設定するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、マイコン10がCPU、ROM、RAM及びフラッシュメモリ10Aから構成されるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ROM、RAM及びフラッシュメモリ10Aがマイコン10とは別構成であるようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、記憶部としてのフラッシュメモリ10Aと、決定部としてのマイコン10と、信号調整部としてのオーディオICと、送出部としてのスピーカアンプ16、有線HPアンプ18及び有線HPインターフェース20、並びに無線通信処理部21とによってオーディオ装置としてのマイクロコンポ2を構成ようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる記憶部と、決定部と、信号調整部と、送出部とによって本発明のオーディオ装置を構成するようにしても良い。
本発明は、例えば多種の音声出力機器を有線及び無線で接続可能な各種オーディオ装置に利用することができる。
音楽鑑賞システムの構成を示す略線図である。 スピーカ及び有線ヘッドフォンを用いた音楽鑑賞の説明に供する略線図である。 マイクロコンポ及びワイヤレスヘッドフォンの構成を示す略線図である。 ペアリング処理の説明に供する略線図である。 音量調整機能情報及びヘッドルーム値の記憶の説明に供する略線図である。 周波数特性テーブルを示す略線図である。 周波数特性テーブルの具体例(1)を示す略線図である。 周波数特性テーブルの具体例(2)を示す略線図である。 周波数特性の調整(1)の説明に供する略線図である。 周波数特性の調整(2)の説明に供する略線図である。 調整音声信号と出力音声信号のS/N比の説明に供する略線図である。 量子化ノイズの説明に供する略線図である。 音量調整レベルを示す略線図である。 ワイヤレスヘッドフォンに対する送信の説明に供する略線図である。 音声提供処理手順の説明に供するフローチャートである。
符号の説明
1……音楽鑑賞システム、2……マイクロコンポ、3……スピーカ、4……本体部、5、5A、5B、5C……ワイヤレスヘッドフォン、6……有線ヘッドフォン、10……マイコン、10A……フラッシュメモリ、11……操作部、15……オーディオIC、11……スピーカアンプ、17……切替スイッチ、18……有線ヘッドフォンアンプ、19……ミュート部、20……有線ヘッドフォンインターフェース、21……無線通信処理部、31……無線通信処理部、32……無線ヘッドフォンアンプ、33……音量操作部、33A……音量操作ボタン、34……音量出力部、TF……音量調整機能情報、HR……ヘッドルーム値、FC……周波数特性テーブル、FCs……スピーカ用周波数特性テーブル、FCh……ヘッドフォン用周波数特性テーブル。

Claims (8)

  1. 複数の音声出力機器にそれぞれ対応させた複数の音量調整レベルを記憶する記憶部と、
    上記複数の音声出力機器のうち、ユーザの操作に応じて選定された選定出力機器に対応する上記音量調整レベルに基づいて、当該選定出力機器に応じた調整信号レベルを決定する決定部と、
    所定の信号レベルでなる音声信号を上記選定出力機器に応じた調整信号レベルに調整することにより調整音声信号を生成する信号調整部と、
    上記調整音声信号を所定の増幅率で増幅して上記選定出力機器に提供することにより上記選定出力機器に音声を出力させる送出部と
    を具えることを特徴とするオーディオ装置。
  2. 上記決定部は、
    上記選定出力機器から取得した音量調整機能情報に基づいて音量調整機能の有無を判別し、上記選定出力機器が上記音量調整機能を有している場合、当該音量調整機能を考慮して上記調整信号レベルを決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のオーディオ装置。
  3. 上記決定部は、
    上記選定出力機器から取得した当該選定出力機器において増幅可能な最大の信号レベルを考慮して、上記調整信号レベルを決定する
    ことを特徴とする請求項2に記載のオーディオ装置。
  4. 上記記憶部は、
    上記複数の音声出力機器にそれぞれ対応させた複数の周波数特性情報を記憶し、
    上記決定部は、
    上記複数の周波数特性情報のうち、上記選定出力機器に対応する周波数特性情報を選択し、
    上記信号調整部は、
    上記選択された周波数特性情報に従って、上記音声信号の周波数特性を調整する
    ことを特徴とする請求項1に記載のオーディオ装置。
  5. 上記決定部は、
    上記選定出力機器がヘッドフォン又はスピーカのいずれであるかに応じて、上記周波数特性情報を選択する
    ことを特徴とする請求項4に記載のオーディオ装置。
  6. 上記決定部は、
    上記音声出力機器が有線又は無線のいずれに接続されているかに応じて、上記音量調整レベルを選択する
    ことを特徴とする請求項1に記載のオーディオ装置。
  7. 上記選定出力機器が上記音量調整機能を有していない場合には、当該選定出力機器に対して最後に設定された値を上記音量調整レベルとして使用する
    ことを特徴とする請求項2に記載のオーディオ装置。
  8. 複数の音声出力機器のうち、ユーザの操作に応じて選定された選定出力機器に対応する音量調整レベルに基づいて、当該選定出力機器に応じた調整信号レベルを決定する決定ステップと、
    所定の信号レベルでなる音声信号を上記選定出力機器に応じた調整信号レベルに調整することにより調整音声信号を生成する信号調整ステップと、
    上記調整音声信号を所定の増幅率で増幅して上記音声出力機器に提供することにより上記音声出力機器に音声を出力させる送出ステップと
    を具えることを特徴とする音声信号提供方法。
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