JP2008210000A - 接近警告装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】視覚障害者などの歩行者が車両の接近を確実に認識して、車両との接触を回避可能とする接近警告装置。
【解決手段】人工網膜装置12は、CCDカメラ14の映像からエッジ検出、輪郭生成を行い、CCDカメラの映像に応じたイメージが得られるように振動ピン26による刺激パターンを設定する。また、接近警告処理装置40は、車両36の車両用情報送信装置38から送信される位置情報を受信し、GPSユニット48によって取得した位置情報を比較することにより、人工網膜装置の装着者に接近する対象車両36Aを設定し、対象車両が装着者に接近すると、対象車両の接近を警告する刺激パターンを設定する。また、対象車両が極めて接近したときには、退避方向を示す刺激パターンを設定し、振動ピンを駆動する。これにより、退避方向を確実に認識して、対象車両との接触を回避することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、歩行者に車両などの対象物が接近していることを警告する接近警告装置に関する。
人工感覚器には、人工眼(人工視覚、人工網膜など)があり、この人工眼を用いることにより、失明した人の視覚の再建が可能となる。これにより、視覚障害者であっても、前方の構造物や車両などを視覚的に把握しながらの歩行が可能となる。
一方、近年の車両としては、走行用の駆動源としてエンジンに加えて電気モータを備えたハイブリッド車、エンジンに換えて電気モータを用いる電気自動車などが普及しており、これらの車両では、電気モータで走行することにより、走行音の低減が図られる。また、車両に用いられタイヤでは、ロードノイズの抑制が図られ、これにより、近年の車両では、走行中の車室内の静粛性のみならず、走行中に車両が周囲に発する走行音が低減されている。
ところで、歩行者などは、車両が発するエンジン音やロードノイズなどを聞き取ることで車両が接近していることを認識するが、走行音が低減された車両に対しては、その接近が認識しづらくなっている。
ここから、特許文献1では、車両の走行開始時、走行中に、進行方向へ向けて、走行速度に応じた音響を発するように提案している。これにより、車両の進行方向の前方側の歩行者が、車両の接近を確実に認識することができるようにしている。
しかしながら、車両から発せられる音響は、歩行者などが車両を認識するまでは、接近警告の意味を持つが、車両の接近を認識すると、車両から発せられる騒音と感じられてしまう可能性がある。
また、視覚障害者では、車両の走行音と異なる音響であると、車両から発せられたものと認識しづらく、接近警告の意味を持たなくなってしまう。
一方、人工眼や人工網膜など(以下、総称して人工網膜装置とする)は、最終的に、高精度の画像を認識可能となることを目標とされているが、現状の網膜装置では、電光掲示板に画像を表示したときのように、比較的粗いドット配列で、対象物の外形を認識可能な程度となっており、視覚障害者が人工網膜装置を装着して車両を見ても、車両の接近を認識しづらく、また、接近車両に対する退避方向までの正確な判断ができないことが多い。
特開2004−136831号公報
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、視覚障害者などの歩行者が車両などの対象物の接近を確実に認識して、対象物との必要以上の接近を回避可能とする接近警告装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、被警告者に対象物の接近を警告する接近警告装置であって、前記対象物の位置情報及び、前記被警告者の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段によって取得される前記対象物の前記位置情報及び前記被警告者の前記位置情報に基づいて、被警告者に接近する対象物を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された前記対象物が所定以上に接近すると予測されたときに、該対象物の接近が前記被警告者にイメージされるように被警告者の知覚神経を刺激する出力手段と、を含むことを特徴とする。
この発明によれば、対象物の位置情報と被警告者の位置情報を取得して、被警告者に接近する方向に移動する対象物を特定し、特定した対象物が、例えば、被警告者と接触するなどの所定状態に至ることが予測されたときに、出力手段が、被警告者の知覚神経を刺激する。
このときに、出力手段は、被警告者に対象物の所定以上に接近する可能性のある対象物があることをイメージされるように知覚刺激を行う。
これにより、例えば、対象物を車両としたときに、対象物にクラクションなどの音を出力させることなく、被警告者と対象物の接近を的確に認識することができる。
請求項2に係る発明は、前記位置情報取得手段が、前記対象物に設けられて対象物の位置情報を取得する第1の位置情報取得手段と、前記第1の位置情報特定手段によって取得された前記位置情報を含む対象物情報を送信する送信手段と、前記送信手段から送信される前記対象物情報を受信する受信手段と、前記被警告者の位置情報を取得する第2の位置情報取得手段と、を含むことを特徴とする。
この発明によれば、対象物に第1の位置情報取得手段及び送信手段を設け、被警告者側に受信手段及び第2の位置情報取得手段を設ける。これにより、被警告者と対象物の相対位置を的確に把握でき、また、相対位置を時系列的に把握することにより、対象物の相対的な移動方向を把握することができる。
請求項3に係る発明は、前記対象物の前記所定以上の接近を回避可能とする前記被警告者の退避方向を設定する退避設定手段を含み、前記出力手段が前記退避設定手段によって設定された前記退避方向が、前記被警告者にイメージされるように知覚刺激を行う、ことを特徴とする。
この発明によれば、対象物が所定以上に被警告者に接近するときに、この接近を回避可能とするための被警告者の移動方向を退避方向として設定し、被警告者が退避方向をイメージするように知覚刺激を行う。
これにより、被警告者に退避方向を確実に伝達して、例えば、車両と歩行者の接触などを、歩行者が回避できるようにすることができる。
請求項4に係る発明は、前記出力手段が、マトリックス状に配置されたそれぞれが電気信号によって駆動されることにより前記知覚神経を刺激する電気刺激素子を含むときに、前記被警告者が前記イメージを得られるように前記電気刺激素子の配列を設定する配列設定手段と、前記配列設定手段によって設定された前記配列に基づいて前記電気刺激素子を駆動する駆動制御手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、マトリックス状に配置した電気刺激素子を用い、それぞれの電気刺激素子が駆動されることにより、知覚刺激を与えることができる出力手段を用いる。このときに、電気刺激素子をドットとして、イメージに応じた電気刺激素子の配列を設定する。
この配列に基づいて知覚刺激を行うことにより、該当イメージを被警告者に伝えることができる。
請求項5に係る発明は、前記退避方向が設定されたときに、前記配列設定手段が、前記駆動制御手段によって駆動される前記電気刺激素子が該退避方向に沿って移動されるように配列を設定することを特徴とする。
この発明によれば、退避方向が設定されたときに、電気刺激素子によって退避方向に流れる知覚刺激を行う。これにより、被警告者が、退避方向を的確にイメージすることが可能となり、円滑に、かつ、確実な退避が可能となる。
また、本発明は、前記被警告者の視界内と想定される領域の映像を撮像可能とする撮像手段と、前記出力手段によって出力したときに前記撮像手段によって撮像される映像がイメージされるように前記撮像手段によって撮像された前記映像に対する画像変換を行う画像変換手段と、前記画像変換手段の変換結果に基づいて前記出力手段を制御すると共に、前記退避方向が設定されたときに、前記変換結果に前記退避方向を含ませて出力する出力制御手段と、を含むことを特徴とする。
この発明によれば、撮像手段によって撮像された映像をイメージするように出力手段が知覚神経を刺激する。このときの知覚神経は、視覚神経系、触覚神経系を適用でき、これにより、人工眼、人工知覚、人工網膜などの人工網膜装置が形成され、この人工網膜装置を用いて、退避方向がイメージされるようにする。
これにより、被警告者が視覚障害者であっても、対象物の接近を確実にイメージすることができる。
請求項7に係る発明は、前記特定手段によって特定された前記対象物を、前記撮像手段によって撮像された映像から抽出する抽出手段を含み、前記出力制御手段が前記抽出手段によって抽出された前記対象物が強調されるように前記出力手段を制御する、ことを特徴とする。
この発明によれば、撮像手段によって撮像された映像に、被警告者に接近する対象物が含まれるときに、この対象物が強調されるように出力手段が制御される。
これにより、被警告者に接近する対象物を、周囲の環境などの雰囲気を含めて的確にイメージすることができる。
請求項8に係る発明は、前記出力手段が、マトリックス状に配置されたそれぞれが電気信号によって駆動されることにより前記知覚神経を刺激する電気刺激素子を含むときに、前記画像変換手段が、前記撮像手段によって撮影された映像内の物体の輪郭画像を生成する輪郭生成手段と、前記輪郭生成手段によって生成された輪郭画像に基づいた前記電気刺激素子の配列と前記退避方向に基づいた前記電気刺激素子の配列を合成して電気刺激素子の配列を設定する配列設定手段と、を含み、前記出力制御手段が、前記配列設定手段によって設定された配列に基づいて前記電気刺激素子を駆動する、ことを特徴とする。
この発明によれば、電気刺激素子をマトリックス状に配置して形成した出力手段を用い、個々の電気刺激素子が、イメージのドットを形成するようにしている。これにより、撮像手段によって撮像された映像及び、接近する対象物を示すときの電気刺激素子の配列の設定が容易となると共に、的確にそのイメージを被警告者へ伝えることができる。
請求項8に係る発明は、前記出力手段が、前記特定手段によって特定された前記対象物を強調するときに、前記電気刺激素子の駆動強度を変更することを特徴とする。
この発明によれば、対象物が強調されるように被警告者に対して電気刺激素子による刺激を行う。これにより、撮像手段によって撮影された映像中の対象物を的確に把握することができる。
請求項10に係る発明は、前記退避方向が設定されたときに、前記配列設定手段が、前記駆動制御手段によって駆動される前記電気刺激素子が該退避方向に沿って移動されるように配列を設定することを特徴とする。
この発明によれば、退避方向へ流れるように電気刺激素子による刺激が与えられるので、退避方向を的確にイメージして、退避方向への円滑な退避が可能となる。
以上説明したように本発明によれば、退避方向がイメージされるように知覚神経を刺激するので、対象物が走行音の低い車両であったり、周囲の騒音が大きくとも、的確に退避して、対象物との接触などを回避することができるという優れた効果が得られる。
また、本発明では、人工網膜装置を出力手段として用いるので、視覚障害者であっても、対象物の周囲の雰囲気を含めて対象物を的確に認識して、対象物との接触などを確実に防止することができる。
以下に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1には、本発明の第1の実施の形態に係る接近警告システム10の概略構成を示している。第1の実施の形態に係る接近警告システム10は、警告出力手段として、視覚障害者などが人工感覚器として用いる人工網膜装置12を適用しており、人工網膜装置12の装着する人(以下、装着者とする)が被警告者なる。
失明した人の視覚を再建する人工感覚器として、人工眼、人工視覚、人工網膜など(以下、総称して人工網膜とする)があり、この人工網膜を用いた人工網膜装置12は、視覚障害者の目として用いられる。
視覚は、角膜から入った光が視細胞が集まった網膜に結像され、視細胞によって色や明暗が感じ取られる。このときの色や明暗は、視細胞によって神経信号に変換され、視神経によって脳の視覚野へ伝達されることにより、この視覚野で映像として認識される。
人工網膜(人工眼、人工視覚)は、網膜で受光されるべき光を電気的に処理して、これにより得られる電気信号に基づいた刺激を、視神経等を介して脳に伝達し、網膜で受光される光に応じたイメージが得られるようにしている。このような人工網膜としては、網膜下、網膜上又は脈絡膜上を電気的に刺激する網膜刺激型、網膜から視床へ繋がる視神経を刺激する視神経刺激型、大脳皮質の視覚野を刺激する脳刺激型及び、その他に大別される。また、その他に大別される人工網膜には、触覚神経などの知覚神経系を用いるものがある。
本実施の形態では、一例として、触覚神経などを刺激することにより、視界内の視覚情報に対応する映像情報を、白黒などのモノトーンの映像としてイメージ可能とする人工網膜装置12を適用している。なお、出力手段として適用する人工網膜装置は、これに限らず、カラー映像でイメージ可能とするものであっても良く、また、触覚神経系に限らず、他の知覚神経系を用いるものであっても良い。また、人工網膜装置は、前記した人工眼、人工視覚などのように視覚神経系に電気刺激などを加える構成であっても良く、視野内の映像を適切にイメージ可能な構成であれば任意の構成を適用することができる。
人工網膜装置12は、撮像手段とするCCDカメラ14、CCDカメラ14によって撮影される映像(画像データ)に対して所定の画像処理を施す画像処理部16及び、画像処理部16での処理によって得られた画像データに応じた刺激を加える刺激デバイス部18を備え、前記映像に応じた刺激を刺激デバイス部18によって加えることにより、該当映像に応じたイメージが得られるようにしている。
また、図1及び図2に示されるように、人工網膜装置12は、本体20、アイマスク22及びデバイスシート24を含んでおり、アイマスク22及びデバイスシート24が、本体20に接続されている。人工網膜装置12は、画像処理部16が本体20に収容され、CCDカメラ14がアイマスク22に取り付けられ、刺激デバイス部18がデバイスシート24に設けられている。
図2に示されるように、この人工網膜装置12を装着するときには、アイマスク22をかけると共に、例えば額などの予め設定された部位にデバイスシート24を貼付し、人工網膜装置12を使用するときには、アイマスク22及びデバイスシート24が接続された本体20を携帯する。
図3(A)に示されるように、デバイスシート24には、電気刺激素子として電気信号に基づいた刺激を発生する多数の振動ピン26が設けられ、これらの振動ピン26が二次元マトリックス状に配置されている。デバイスシート24は、各振動ピン26が皮膚に密着されるように貼付される。
振動ピン26は、電気信号(駆動信号)が入力されることにより、駆動信号に応じた周期(周波数)及び強度(振幅)で振動する。この振動ピン26の振動が、表皮を介して触覚神経を刺激することにより、刺激が入力されたことが認識される。ここで、装着者は、複数の振動ピン26が振動されることにより、その振動ピン26の配列パターンがイメージされる。
人工網膜装置12では、駆動する振動ピン26の配列(以下、刺激パターンとする)を、CCDカメラ14によって撮影した映像に基づいて設定するようにしており、これにより、CCDカメラ14の映像に応じた画像のイメージが可能となるようにしている。
なお、デバイスシート24は、矢印Uを上下方向の上方、矢印Dを上下方向の下方、矢印Lを左右方向の左方、矢印Rを左右方向の右方となるように装着される。また、図3(A)では、一例として白丸で非振動状態の振動ピン26を示し、黒丸で振動状態の振動ピン26を示している。
このデバイスシート24に設ける振動ピン26の数(行数及び列数)は、任意の数を適用することができるが、解像度から見ると行数及び列数が多いことが好ましく、解像度、全体のサイズ及び触覚神経の識別間隔などを考慮した配列であることがより好ましい。さらに、刺激の入力は、振動ピン26に限らず、電極アレイ26を用いた電気刺激の入力は、公知の方法を適用することができ、ここでは詳細な説明を省略する。また、電気刺激を入力する素子としては、電極アレイを用いて電流を流すことにより触覚神経を刺激するものであっても良い。
一方、アイマスク22には、CCDカメラ14が取り付けられている。このCCDカメラ14の取り付け位置は、アイマスク22を装着したときに、眉間位置(目の間)、眉間の上方位置などの所定位置となっており、これにより、人工網膜装置12では、CCDカメラ14によって健常者の視野と同等の目線及び視野の映像が得られるようになっている。
図1に示されるように、画像処理部16には、エッジ検出部28及び輪郭生成部30が設けられている。画像処理部16では、CCDカメラ14で撮影される映像(映像データ)を所定の時間間隔で読み込むと、映像データに対して所定の画像処理を施す。このとき、エッジ検出部28では、映像内の車両、樹木、建築物、人などの物体のエッジを検出する。また、輪郭生成部30では、エッジ検出部28で検出した各物体のエッジから、該エッジを輪郭とする輪郭画像を生成する。
また、画像処理部16には、刺激パターン設定部32及びデバイス駆動部34が設けられている。刺激パターン設定部32では、輪郭生成部30で生成した輪郭画像に基づいて刺激を加える振動ピン26を設定する。すなわち、輪郭画像に応じた輪郭を形成するように選択した振動ピン26の配列を、CCDカメラ14の映像に応じた配列(以下、刺激パターンとする)に設定する。
デバイス駆動部34は、刺激パターン設定部32で設定された刺激パターンに基づいて振動ピン26を駆動することにより、振動ピン26の振動が、人工網膜装置12の装着者に刺激として入力されるようにする。このときの刺激によって、刺激パターンに応じたイメージが得られるようにしている。
これにより、例えば、CCDカメラ14の映像から図3(A)に示されるごとき刺激パターンが設定されると、この刺激パターンに基づいて振動ピン26が駆動されることにより、装着者が該当刺激パターンに応じた映像、すなわち、CCDカメラ14の映像をイメージできるようにしている。したがって、視覚障害者であっても、人工網膜装置12を装着することにより、少なくとも前方の視界の概略を把握することが可能となっている。
ところで、図1に示されるように、接近警告システム10は、接近を警告する対象物の一例として車両36を適用している。この車両36としては、走行用の駆動源としてエンジンに加えて電気モータを備えたハイブリッド車、バッテリに蓄積された電力によって駆動される電気モータによって走行する電気自動車、燃料電池によって発電した電力によって駆動される電気モータによって走行する燃料電池車などの低騒音化が図られた車両を適用している。なお、車両36としては、これに限らず、従来からあるエンジンを駆動源とする車両であっても良い。
接近警告システム10では、この車両36に車両用情報送信装置38が設けられると共に、人工網膜装置12側に接近警告処理装置40が設けられる。すなわち、接近警告システム10は、装着者側に設けられる人工網膜装置12と接近警告処理装置40と、各車両36側に設けられる車両用情報送信装置38とによって構成されている。
車両用情報送信装置38は、第1の位置情報取得手段として設けられたGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)ユニット42及び、送信手段として設けられた情報送信部44を備えている。GPSユニット42は、車両36の位置情報(緯度、経度など)を検出し、検出した位置情報を情報送信部44へ出力する。情報送信部44は、GPSユニット42で取得された車両36の位置情報、車両36と特定する車両IDなどの識別情報を含む車両情報を、所定の時間間隔で送信する(時系列的に送信)。
車両36側から送信される車両情報としては、少なくとも車両36の位置情報、車両36を特定する識別情報(車両ID)を含むものであればよく、これに加えて、車両36の車種、ハイブリッド車や電気自動車などであるか否かの情報、速度情報などの各種の情報を含むものであっても良い。
これにより、車両用情報送信装置38から送信される車両情報を受信することにより、車両36の正確な位置などの把握が可能となる。また、車両36の位置情報が所定の時間間隔で送信されることにより、位置情報を時系列的に取得することができるので、位置情報の変化から、車両36の進行方向、走行速度などの把握が可能となる。
なお、GPSユニット42は、ジャイロセンサを備え、車両36の正確な位置情報の取得が可能となっている。また、車両36の位置検出は、GPSユニット42を特別に設けずに、例えば、ナビゲーションシステムで取得する位置情報を用いても良く、また、これらに限らず、車両36の位置を把握できるものであれば、任意の構成を適用することができる。
一方、接近警告処理装置40は、受信手段として設けられた情報受信部46、第2の位置情報取得手段として設けられたGPSユニット48及び、車両判定部50を備えている。情報受信部46は、車両36の車両用情報送信装置38(情報送信部44)から送信される車両情報を受信する。
GPSユニット48は、本体20の位置情報、すなわち、人工網膜装置12の装着者の位置情報を取得する。また、GPSユニット48は、人工網膜装置12のアイマスク22に取り付けられたジャイロセンサ52を備えている。これにより、GPSユニット48では、装着者の正確な位置情報の取得が可能となると共に、CCDカメラ14の向き、すなわち、装着者の顔の向いている方向を正確に把握可能となっている。
情報受信部46で受信された車両36の位置情報及び、GPSユニット48で取得された装着者の位置情報は、車両判定部50に入力される。車両判定部50は、入力された双方の位置情報を比較することにより、車両36と装着者の相対位置を取得する。また、車両判定部50は、車両36と装着者の相対位置の変化から、装着者に対する車両36の進行方向及び走行速度の判定が可能となっている。なお、車両判定部50では、車輌IDに基づいて車両36ごとに進行方向及び走行速度の判定を行なう。
ここで、車両判定部50では、車両36の進行方向が装着者に向けて相対移動しているか否から、装着者に接近する車両36を予測し、装着者に接近する車両36であると予測されるときには、該当車両36を、警告を発する対象車両(以下、対象車両36Aとする。図3(B)参照)に設定する。
接近警告処理部40には、警告設定部54及び対象画像判定部56が設けられている。警告設定部54では、対象車両36Aが設定されると、先ず、警告を発する必要があるか否かを判定する。すなわち、対象車両36Aが歩行者に接近して、装着者と接触する可能性が高くなったか否かを予測する。
この判定(予測)は、例えば、装着者と対象車両36の距離Dが予め設定している距離Dsに達したとき、又は、対象車両36Aとの接近速度Vと距離Dから対象車両36Aが装着者に到達するまでの時間Tが予め設定した時間Tsを切ったか否かに基づいて行い、距離Dが距離Ds以下(D≦Ds)となったとき、又は、時間Tが時間Tsを切ったとき(T≦Ts)に、対象車両36Aが接近していることを警告するように設定する。
対象画像判定部56は、輪郭生成部32から輪郭画像が入力されることにより、それぞれの輪郭画像に対して車両の輪郭画像であるか否かを判定する。すなわち、対象画像判定部56は、車両の輪郭画像の抽出が可能となっている。
また、対象画像判定部56では、対象車両36Aの接近を警告するように設定されると、輪郭生成部30で生成された輪郭画像から、対象車両36Aの輪郭画像を判定する。このとき、対象車両36Aの位置、GPSユニット48によって検出する装着者の移動方向、ジャイロセンサ52によって検出されるCCDカメラ14の向きなどから、対象車両36AがCCDカメラ14の映像に含まれるか否かを判定し、対象車両36Aが映像に含まれるときには、該当する輪郭画像を特定する。
対象画像判定部56は、判定結果を刺激パターン設定部32へ出力する。刺激パターン設定部32では、輪郭生成部30で生成された輪郭画像に対象車両36Aが含まれるときに、対象車両36Aの輪郭を形成する振動ピン26に印加する電気信号を変更する。このときに、例えば、振動ピン26の振動数(周波数)を通常よりも高くしたり、振動ピン26の駆動電圧を高くすることにより振幅を大きくして、対象車両36Aの画像が強調されるようにする。
これにより、図3(B)に示されるように、装着者に接近する対象車両36Aが、CCDカメラ14の映像に含まれるときに、装着者に該当車両36Aを明確にイメージさせて注意を喚起することができるようにしている。なお、図3(B)では、強調した振動ピン26の色を通常の振動ピン26の刺激よりも黒色を濃くして示している。
これに対して、対象車両36Aに該当する輪郭画像内に無いとき、すなわち、対象車両36AがCCDカメラ14の映像外である時には、ジャイロセンサ52によって検出されるCCDカメラ14の向きと、対象車両36Aの接近方向から、CCDカメラ14の向きに対して、どちら側から接近しているかを判定し、この判定結果に基づいて、対象車両の接近を知らせる警告を含む刺激パターンを設定する。
図4には、一例としてCCDカメラ14の向きに対して左側又は後方の左寄り(左後方側)から対象車両36Aが接近しているときの刺激パターンを示している。このときには、視界の左端の1列又は複数列の振動ピン26による電気刺激を強調するように刺激パターンを設定する。なお、アイマスク22に取り付けられたCCDカメラ14の向きに対して、対象車両36Aが右側や後方の右側よりから接近しているときには、デバイスシート24の右側に配置されている振動ピン26を駆動するように刺激パターンを設定すれば良い。
一方、接近警告処理装置40には、退避警告設定部58が設けられている。退避警告設定部58は、装着者と対象車両36Aの距離Dが、予め設定した距離Dw(Dw<Ds、例えば数m)まで接近するか、最接近するまでの時間Tが予め設定した時間Tw(Tw<Ts、例えば、2〜3秒)に達すると、対象車両36Aとの接触を回避するために、装着者が退避する必要があると判定する。すなわち、対象車両36Aが装着者と接触する可能性が極めて高くなったか否かを予測し、極めて高くなったと予測されるときには、退避警告設定部58で、退避警告を行うように設定する。
また、退避警告設定部58では、退避警告を設定すると、対象車両36の位置、接近方向などから、装着者が対象車両36から離れる方向を退避方向に設定し、退避方向を示す刺激パターンを刺激パターン設定部32へ出力する。
ここで、退避方向に対する刺激パターンが予め設定されており、退避警告設定部58では、退避方向に基づいて設定した刺激パターンを刺激パターン設定部32へ出力する。
刺激パターン設定部32では、退避警告設定部58から退避方向を示す刺激パターンが入力されると、輪郭画像(CCDカメラ14の映像)に基づいた刺激パターンと、退避方向を示す刺激パターンとを合成する。デバイス駆動部34は、合成された刺激パターンに基づいて振動ピン26を駆動する。これにより、人工網膜装置12の装着者は、接触する可能性が極めて高くなった対象車両36Aに対する退避方向がイメージすることができる。
退避方向に対する刺激パターンは、退避方向が左右方向である場合、1列又は複数列の振動ピン26を1ブロックとして、1ブロック又は複数ブロックを順に退避方向側へ移動する。また、前後方向に退避するときの刺激パターンは、1行又は複数行の振動ピン26を1ブロックとして、1ブロック又は複数ブロックを順に退避方向へ移動する。
図5(A)から図5(D)には、一例として、右方向へ退避するときの刺激パターンの概略を示している。ここでは、上下方向に連続する1列分の振動ピン26を1ブロックとして、左右方向を所定間隔で設定した2つのブロックB、Bが、左から右方向へ順に移動するように刺激パターンを設定する。
すなわち、図6(A)から図6(F)に示されるように、予め設定している原位置の列Lから、所定の時間Δt(例えばΔt=0.2sec)の間隔(時間t、t、t、・・・t、・・)で、刺激を加える振動ピン26の列(列LS+1、LS+2、LS+3、・・・)を順に移動する。これにより、図5(A)から図5(D)に示される刺激パターンの変化を得ることができる。なお、図6(A)〜図6(F)では、振動ピン26の作動をONとし、振動ピン26の作動堂停止をOFFとして示している。
このような変化の刺激パターンを用いることにより、装着者に、左から右への流れをイメージさせて、右方向へ退避すべきであることを明確に認識させることができるようにしている。
また、左方向への退避を促すときには、右側から左方向へ刺激パターンを移動する。また、前方側への退避を促すときには、下側から上方へ刺激を加える振動ピン26の行を移動し、後方への退避を促すときには、刺激を加える振動ピン26の行が上側から下へ移動するように設定する。
ここで、第1の実施の形態に適用した接近警告システム10での処理を説明する。接近警告システム10は、視覚障害者が歩行するときに装着することにより、視界をイメージすることができる。すなわち、人工網膜装置12では、アイマスク22にCCDカメラ14が設けられており、これにより、装着者の顔が向く方向、すなわち、装着者が歩行中の前方の映像が撮影され、この映像に基づいて設定した刺激パターンで、額に装着したデバイスシート24の振動ピン26から刺激が加えられる。これにより、装着者は、CCDカメラ14の映像を前方の視界としてイメージすることができる。
図7には、この人工網膜装置12での処理の概略を示している。人工網膜装置12では、最初のステップ100で、CCDカメラ14の映像を取り込むと、先ず、ステップ102で、この映像の画像データに基づいて視界内の対象物のエッジ検出を行う。この後、ステップ104では、検出されたエッジから対象物の輪郭画像を生成する。このような、画像のエッジ検出及び、エッジに基づいた輪郭の生成は、公知の処理を適用することができる。
輪郭画像を生成すると、ステップ106では、輪郭画像に合わせて刺激を加える振動ピン26を設定する。これにより、CCDカメラ14の映像に応じた刺激パターンが設定される。
この後、ステップ108では、接近している対象車両36Aが設定されると共に、対象車両36Aの接近警告を行うように設定されているか否かを確認し、ステップ110では、退避警告、すなわち退避方向が設定されているか否かを確認する。
このときに、対象車両36Aが設定されていないか、対象車両36Aが設定されていても接近を警告するように設定されていなければ、ステップ108、110で否定判定してステップ112へ移行し、刺激パターンに基づいてデバイスシート24の振動ピン26を駆動して、刺激パターンに基づいた電気刺激を行う。
これにより、人工網膜装置12の装着者が、歩行中の前方の視界をイメージすることができる。
ところで、接近警告システム10では、車両36に車両用情報送信装置38を設け、この車両用情報送信装置38から所定の時間間隔で、車両36の位置情報を含む車両情報を送信するようになっており、接近警告処理装置40は、人工網膜装置12を用いて、車両情報に基づく接近警告を行う。すなわち、接近警告システム10では、人工網膜装置12を装着している歩行者(装着者)に対して、車両36の接近警告及び、衝突回避のための退避警告を行う。
図8には、このときの接近警告処理装置40での処理の概略を示している。なお、このフローチャートは、所定の時間間隔で実行され、最初のステップ130では、車両情報の送信があるか否かを確認する。すなわち、装着者の周囲に位置情報を含む車両情報を送信する車両36があるか否かを確認する。
ここで、車両情報が送信されているときには、ステップ130で肯定判定してステップ132へ移行し、送信されている車両情報を受信する。この後、ステップ134で、受信した車両情報から発信元の車両36の位置情報を取得する。このとき、車両36を特定する車両IDなどの情報も合わせて取得する。また、接近警告処理装置40では、車両情報を所定の時間間隔で受信することにより、車両36ごとの位置情報を時系列的に保持する。
次のステップ136では、受信した車両36の位置情報から、装着者と車両36との距離D、装着者に対する車両36の進行方向及び相対速度Vを算出し、ステップ138では、車両36が装着者に向けて移動しているか否かを確認する。すなわち、車両36の相対的な進行方向が装着者に向かう方向であるか否かを確認する。
このときに、該当車両36が装着者に向けて移動していると、ステップ138で肯定判定してステップ140へ移行し、接近を警告する対象車両36Aに設定する。
次のステップ142では、装着者と対象車両36Aとの間の距離Dが、接近を警告する距離Dsに達しているか否かを判定する。また、ステップ144では、距離Dsと相対速度Vに基づいて、対象車両36Aが装着者に最接近するまでの時間Tを演算し、ステップ146で、時間Tが予め設定している時間Tsを切っているか否かを確認する。
ここで、距離Dが距離Dsに達して(D≦DS)、ステップ142で肯定判定されるか、時間Tが時間Tsを切って(T≦Ts)、ステップ146で肯定判定されると、ステップ148へ移行し、対象車両36の接近を警告するように設定する。
これにより、ステップ150は、人口網膜装置12で生成された輪郭画像を読み込んで、輪郭画像から車両を示す輪郭画像を抽出し、抽出した輪郭画像が対象車両36Aであるか否かを判定することにより、CCDカメラ14の映像に対象車両36Aが含まれるか否かを確認する。
ここで、対象車両36AがCCDカメラ14の映像に含まれるときには、ステップ150で肯定判定してステップ152へ移行し、対象車両36Aの輪郭画像が強調されるように設定する。
また、対象車両36AがCCDカメラ14の映像に含まれないときには、ステップ150で否定判定してステップ154へ移行する。このステップ154では、対象車両36Aの位置と、CCDカメラ14の向きから、装着者に対する対象車両36Aの方向を特定し、これに基づいて、映像外に接近車両があることを警告する刺激パターンを設定する(ステップ156)。
一方、人工網膜装置12では、ステップ108で対象車両36Aの接近警告が設定されているか否かを確認しており、接近警告処理装置40で、対象車両36Aに対する接近警告が設定されると、ステップ108で肯定判定してステップ114へ移行し、対象車両36AがCCDカメラ14の映像内にあるか否かを確認する。すなわち、対象車両36Aを強調するように設定されているか、対象車両36Aの方向を示す刺激パターンが設定されているか否かを確認する。
ここで、対象車両36Aを強調するように設定されているときには、ステップ114で肯定判定してステップ116へ移行し、対象車両36Aの輪郭画像を強調するように刺激パターンを設定する。
また、対象車両36Aの接近方向を示す刺激パターンが設定されているときには、ステップ114で否定判定してステップ118へ移行し、CCDカメラ14の映像に基づいた刺激パターンと対象車両36Aの接近方向を示す刺激パターンとを合成する。
このようにして設定された刺激パターンに基づいて電気刺激を行うことにより、CCDカメラ14の映像内に対象車両36Aがある時には、例えば、図3(B)に示されるように、周辺環境を含めて対象車両36Aが明確となるようにイメージされる。したがって、装着者は、周辺環境を含めて対象車両36Aを的確に把握することができる。
また、対象車両36AがCCDカメラ14の映像外であれば、図4に示されるように、対象車両36Aがイメージされていない状態であっても、装着者は、接近車両と接近方向を迅速に認識することができる。
このようにして、装着者へ向けて移動する車両36(対象車両36A)があることを警告することにより、対象車両36A(車両36)がハイブリッド車や電気自動車などの走行音の極めて低い車両であったり、周囲の騒音が大きく走行音を聞き取ることができなくても、その車両36(対象車両36A)の接近を確実に認識することができる。
一方、図8のフローチャートでは、ステップ158で対象車両36Aと装着者の距離Dが、退避の必要な距離Dwまで接近しているか否かを確認し、ステップ160では、対象車両36Aが最接近するまでの時間Tが、退避警告を行う時間Twに達したか否かを確認する。
ここで、距離Dが距離Dwに達してステップ158で肯定判定されるか、時間Tが予め設定している時間Twに達してステップ160で肯定判定されると、ステップ162へ移行して、退避方向を設定し、設定した退避方向に基づいた刺激パターンを生成する(ステップ164)。
図7のフローチャートでは、ステップ110で退避方向が設定されたか否かを確認しており、退避方向が設定されると、ステップ110で肯定判定してステップ120へ移行し、退避方向に基づいた刺激パターンを読込み、読み込んだ刺激パターンと、CCDカメラ14の映像から得られた輪郭画像の刺激パターンを合成する。
これにより、例えば、図5(A)から図5(D)に示されるごとき、電気刺激が人工網膜装置12の装着者に加えられ、人工網膜装置12の装着者は、接近している車両36が接触する可能性が高いことを認識できると共に、接触を回避するための退避方向を確実に把握することができる。
このときに、電気刺激によって退避方向に流れるイメージが得られるので、的確な方向へ、円滑な動作で遅滞なく退避することができる。
このように、接近警告システム10では、ハイブリッド車や電気自動車などの走行音の極めて低く、また、走行音が従来のエンジン駆動と異なる音の車両36であっても、歩行者がこの車両36と接触してしまうのを確実に防止することができる。また、接近警告システム10では、人工網膜装置12を用いて、車両36の接近警告や退避方向の指示を行うことにより、視覚障害者であっても、安心した歩行が可能となる。
〔第2の実施の形態〕
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、第2の実施の形態において、前記した第1の実施の形態と同等の構成には、同一の符号を付与してその説明を省略する。
図9及び図10には、第2の実施の形態に係る接近警告システム60の概略構成が示されている。図9に示されるように、この接近警告システム60は、車両36に設けられる車両情報送信装置38と、歩行者が装着する接近警告装置62によって構成されている。また、図9及び図10に示されるように、接近警告装置62は、本体64と、デバイス部66を備えている。
図11に示されるように、このデバイス部66には、多数の振動ピン26がマトリックス状に配置されたデバイスシート68を備えている。図10に示されるように、このデバイスシート68は、歩行者が予め設定された部位に装着して使用される。図10では、好ましい一例としてデバイスシート66を胸部に貼付した状態を示している。このとき、デバイスシート68は、貼付される部位と共に、向きが予め設定された向きで貼付されるようになっており、図11では、デバイスシート68が貼付されるときの向きを矢印D、U、L、Rで示している。
なお、デバイスシート68は、人(歩行者)の額、胸部、腹部などの前面側に貼付されるが、これに限らず、背中、腰などの背面側であっても良い。また、デバイスシート68は、皮膚に直接貼付されることが好ましいが、これに限らず、適用される電気刺激素子に応じた装着方法を適用することができる。
第2の実施の形態に適用した接近警告システム60は、少なくとも車両36の接近と退避方向を認識可能とするものであり、ここから、デバイスシート66上の振動ピン26の配列は、前記したデバイスシート24上での配列と比較して、粗くても良く、また、振動ピン26の数が少なくとも良い。
また、接近警告システム60は、デバイスシート68が本体64に接続されており、使用者(以下、歩行者とする)がこの本体64を携帯する。
図9に示されるように、接近警告装置62には、車両情報送信装置38から送信される車両情報を受信する情報受信部46、歩行者の位置情報を取得するGPSユニット70及び、車両判定部50が設けられている。車両判定部50は、車両36の位置情報とGPSユニット70によって取得される歩行者の位置情報に基づいて、歩行者に対する車両36の相対位置、相対速度及び、歩行者に対する車両36の相対的な移動方向を判定する。また、車両判定部50では、車両36が歩行者に向け相対移動しているときに、該当車両36を、警告を発する対象車両36Aに設定する。
また、接近警告装置62には、警告設定部72及び退避警告設定部74、刺激パターン設定部76及びデバイス駆動部78が設けられており、デバイス駆動部78に、デバイスシート68の各振動ピン26が接続されている。
警告設定部72は、対象車両36Aが設定されると、対象車両36Aと歩行者の距離Dを演算し、距離Dが退避警告を発する距離Dwに達したか否かを確認する。また、警告設定部72は、距離Dと相対速度Vに基づいて、対象車両36Aが歩行者に最接近するまでの時間Tを演算し、この時間Tが予め設定している時間Twを切ったか否かを確認する。これにより、距離Dが距離Dw以下となるか、時間Tが時間Twを切ると、警告設定部72は、歩行者に退避警告を発するように設定する。
退避警告設定部74は、退避警告を発するように設定されると、対象車両36Aの接近方向に基づいて、歩行者の退避方向を設定し、設定した退避方向に基づいて、デバイスシート68に設けている振動ピン26による刺激パターンを設定する。
接近警告装置62では、振動ピン26を列単位又は行単位で駆動して、歩行者の退避方向を示すようにしており、退避警告設定部74では、退避方向が左右方向であると、1行分または複数行を1ブロックとして、列方向(左右方向)へ移動するように刺激パターンを設定する。また、退避警告設定部74では、退避方向が前後方向であると、1列または複数列を1ブロックとして、行方向(上下方向)へ移動するように刺激パターンを設定する。このとき、上方(矢印U方向)が前後方向の前方側を示し、下方(矢印D方向)が前後方向の後方側を示すようにしている。
図12(A)から図12(D)には、一例として退避方向を右方向としたときに設定される刺激パターンの一例を示している。なお、ここでは、2列分の振動ピン26を一つのブロックとしている。
右方向への退避を促すときには、最初に左端側のブロック分の振動ピン26を駆動するように刺激パターンを設定し、所定時間(例えば、時間Δt)の間隔で、駆動される振動ピン26が右方向へ移動されるように刺激パターンを設定する。
デバイス駆動部78は、退避警告設定部76で設定された刺激パターンに基づいてデバイスシート68上の振動ピン26を駆動する。これにより、歩行者が、右方向へ流れるように刺激を感じ、右方向へ退避すれば良いことを明瞭に感じさせることができるようにしている。
次に、図13を参照しながら、第2の実施の形態の作用として、接近警告システム60を形成する接近警告装置62の処理の概略を説明する。なお、接近警告システム60では、車両36の車両用情報送信装置38が、所定の時間間隔で位置情報及び車両IDを含む車両情報を送信する。また、図13では、前記した第1の実施の形態と同等の処理に対しては、図7又は図8で対応するステップ番号を併記している。
接近警告装置62は、車両36から車両情報が送信されると、ステップ170で肯定判定してステップ172へ移行し、車両情報を受信する。次に、ステップ174では、車両情報から車両36ごとの位置情報を取得し、ステップ176では、車両36の位置情報と、GPSユニット70によって取得する位置情報に基づいて、歩行者に対する車両36の距離D、相対速度V及び歩行者に対する車両36の移動方向を判定する。
この後、ステップ178では、車両36の相対的な移動方向から歩行者に向かって移動しているか否か、すなわち、歩行者に接近している車両36であるか否かを確認する。
ここで、歩行者に接近する方向へ移動する車両36であると、ステップ178で肯定判定してステップ180へ移行し、該当車両36を、警告を発する対象車両36Aに設定する。
次のステップ182では、距離Dが予め設定されている距離Dwに達したか否かを確認する。また、ステップ184では、距離Dと相対速度Vから、対象車両36Aが歩行者に最接近するまでの時間Tを演算し、ステップ186では、この時間Tが時間Twを切ったか否かを確認する。
ここで、距離Dが距離Dwに達して(D≦Dw)、ステップ182で肯定判定されるか、時間Tが時間Twを切って(T≦Tw)、ステップ186で肯定判定されると、退避警告を行なうためにステップ188へ移行する。
このステップ188では、歩行者に対する対象車両36Aの接近方向に基づいて、歩行者が対象車両36Aの接触を回避するための退避方向を設定する。また、ステップ190では、設定した退避方向に基づいて刺激パターンを設定する。
この後、ステップ192では、設定された刺激パターンに基づいてデバイスシート68の振動ピン26を駆動する。
これにより、歩行者がデバイスシート68から退避方向へ向けって流れるように変化する刺激を受け、この刺激によって接近している車両36(対象車両36A)があることを認識できると共に、退避する方向を的確に判断することができる。
したがって、対象車両36Aが走行音の低かったり、周囲の騒音によって走行音が聞き取りにくい状態であっても、歩行者は、対象車両36Aの接近を確実に認識できると共に、退避方向を的確に判断して、円滑な退避が可能となる。
このために、歩行者が視認しづらい後方からの接近する対象車両36Aがあっても、この対象車両36Aとの接触を確実に回避することができる。
また、例えば、左右の見通しの悪い交差点に出るとき、左右方向からその交差点に接近する車両があっても、歩行者が、その車両36と接触してしまうのを防止することが可能となる。
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではない。例えば、車両36には、位置情報を含む車両情報を送信する車両用情報送信装置38を設け、接近警告処理装置40、接近警告装置62には、情報受信部46とGPSユニット48又はGPSユニット70を用いたが、車両36の位置情報の取得及び、歩行者(人工網膜装置の装着者を含む)の位置情報の取得の構成はこれに限るものではない。
例えば、携帯電話は、GPS機能及びインターネットなどのネットワークへの接続機能を備えており、この携帯電話を用いるようにしてもよい。このときには、車両36側で携帯電話を用いて位置情報を取得し、この位置情報を、ネットワーク機能を介して歩行者側の携帯電話から取得可能とすると共に、歩行者側では、自身の携帯電話で位置情報を取得する。これにより、歩行者側で、自身の位置情報と共に車両36の位置情報を取得することができる。
また、本実施の形態では、対象物として車両36を例に説明したが、対象物は、これに限るものではなく、任意の移動体を対象物として適用することができる。
第1の実施の形態に適用した接近警告システムの概略構成図である。 第1の実施の形態に接近警告システムを形成する人工網膜装置の装着状態を示す概略図である。 (A)はデバイスシートによって得られるイメージに相当する刺激パターンの一例を示す概略図、(B)は対象車両を強調した状態を示すイメージに相当する刺激パターンの概略図である。 対象車両がCCDカメラの映像外にある時のイメージに相当する刺激パターンの一例を示す概略図である。 (A)から(D)は、(A)から(D)へ向けて変化されることにより退避方向を含めたイメージに相当する刺激パターンを示す概略図である。 (A)から(F)は退避方向をイメージ可能とするための刺激パターンの設定に適用されるタイミングチャートであり、(A)から(F)は時間変化を示し、それぞれの横軸が刺激する振動ピンの行又は列を示している。 第1の実施の形態に係る人工網膜装置での処理の一例を示す流れ図である。 第1の実施の形態に係る人工網膜装置を用いて接近警告を行うとき接近警告処理の一例を示す流れ図である。 第2の実施の形態に適用した接近警告システムの概略構成図である。 第2の実施の形態に接近警告システムを形成する接近警告装置の装着状態を示す概略図である。 第2の実施の形態に係るデバイスシートを示す概略図である。 (A)から(D)は、(A)から(D)へ向けて変化されることにより退避方向を含めたイメージに相当する刺激パターンを示す概略図である。 第2の実施の形態に係る接近警告処理の概略を示す流れ図である。
符号の説明
10、60 接近警告システム(接近警告装置)
12 人工網膜装置(接近警告装置)
14 CCDカメラ(撮像手段)
16 画像処理部(画像変換手段)
18、66 デバイス部(出力手段)
22 アイマスク
24、68 デバイスシート(出力手段)
26 振動ピン(出力手段、電気刺激素子)
28 エッジ検出部
30 輪郭生成部
32 刺激パターン設定部
34、78 デバイス駆動部
36 車両(対象物)
36A 対象車両(対象物)
38 車両用情報送信装置(位置情報取得手段、第1の位置情報取得手段)
40 接近警告処理装置(接近警告装置)
42 GPSユニット(第1の位置情報取得手段)
44 情報送信部(送信手段)
46 情報受信部(受信手段)
48、70 GPSユニット(第2の位置情報取得手段)
50 車両判定部(特定手段)
54、72 警告設定部
56 対象画像判定部(抽出手段)
58、74 退避警告設定部(配列設定手段)

Claims (10)

  1. 被警告者に対象物の接近を警告する接近警告装置であって、
    前記対象物の位置情報及び、前記被警告者の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
    前記位置情報取得手段によって取得される前記対象物の前記位置情報及び前記被警告者の前記位置情報に基づいて、被警告者に接近する対象物を特定する特定手段と、
    前記特定手段によって特定された前記対象物が所定以上に接近すると予測されたときに、該対象物の接近が前記被警告者にイメージされるように被警告者の知覚神経を刺激する出力手段と、
    を含むことを特徴とする接近警告装置。
  2. 前記位置情報取得手段が、
    前記対象物に設けられて対象物の位置情報を取得する第1の位置情報取得手段と、
    前記第1の位置情報特定手段によって取得された前記位置情報を含む対象物情報を送信する送信手段と、
    前記送信手段から送信される前記対象物情報を受信する受信手段と、
    前記被警告者の位置情報を取得する第2の位置情報取得手段と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の接近警告装置。
  3. 前記対象物の前記所定以上の接近を回避可能とする前記被警告者の退避方向を設定する退避設定手段を含み、前記出力手段が前記退避設定手段によって設定された前記退避方向が、前記被警告者にイメージされるように知覚刺激を行う、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接近警告装置。
  4. 前記出力手段が、マトリックス状に配置されたそれぞれが電気信号によって駆動されることにより前記知覚神経を刺激する電気刺激素子を含むときに、
    前記被警告者が前記イメージを得られるように前記電気刺激素子の配列を設定する配列設定手段と、
    前記配列設定手段によって設定された前記配列に基づいて前記電気刺激素子を駆動する駆動制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の接近警告装置。
  5. 前記退避方向が設定されたときに、前記配列設定手段が、前記駆動制御手段によって駆動される前記電気刺激素子が該退避方向に沿って移動されるように配列を設定することを特徴とする請求項4に記載の接近警告装置。
  6. 前記被警告者の視界内と想定される領域の映像を撮像可能とする撮像手段と、
    前記出力手段によって出力したときに前記撮像手段によって撮像される映像がイメージされるように前記撮像手段によって撮像された前記映像に対する画像変換を行う画像変換手段と、
    前記画像変換手段の変換結果に基づいて前記出力手段を制御すると共に、前記退避方向が設定されたときに、前記変換結果に前記退避方向を含ませて出力する出力制御手段と、
    を含むことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の接近警告装置。
  7. 前記特定手段によって特定された前記対象物を、前記撮像手段によって撮像された映像から抽出する抽出手段を含み、前記出力制御手段が前記抽出手段によって抽出された前記対象物が強調されるように前記出力手段を制御する、ことを特徴とする請求項6に記載の接近警告装置。
  8. 前記出力手段が、マトリックス状に配置されたそれぞれが電気信号によって駆動されることにより前記知覚神経を刺激する電気刺激素子を含むときに、
    前記画像変換手段が、前記撮像手段によって撮影された映像内の物体の輪郭画像を生成する輪郭生成手段と、前記輪郭生成手段によって生成された輪郭画像に基づいた前記電気刺激素子の配列と前記退避方向に基づいた前記電気刺激素子の配列を合成して電気刺激素子の配列を設定する配列設定手段と、を含み、
    前記出力制御手段が、前記配列設定手段によって設定された配列に基づいて前記電気刺激素子を駆動する、ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の接近警告装置。
  9. 前記出力手段が、前記特定手段によって特定された前記対象物を強調するときに、前記電気刺激素子の駆動強度を変更することを特徴とする請求項8に記載の接近警告装置。
  10. 前記退避方向が設定されたときに、前記配列設定手段が、前記駆動制御手段によって駆動される前記電気刺激素子が該退避方向に沿って移動されるように配列を設定することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の接近警告装置。
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