JP2008209666A - 光学積層体の製造方法、及び画像表示装置 - Google Patents

光学積層体の製造方法、及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract


【課題】 本発明の課題は、リオトロピック液晶性化合物を含む塗膜を含む光学積層体に於いて、該塗膜の厚みを略均一に作製できる光学積層体の製造方法を提供することである。
【解決手段】 基材と塗膜とを有する光学積層体の製造方法であって、基材上に、1種以上のリオトロピック液晶性化合物を含む溶液を塗布し、塗膜を形成する工程を有し、溶液のリオトロピック液晶性化合物の濃度が、等方相−液晶相転移濃度よりも低いものを用いる。この溶液のリオトロピック液晶性化合物の濃度としては、(CIN−18)質量%〜(CIN−1)質量%である。ただし、CINは、等方相−液晶相転移濃度を表す。
【選択図】 なし

Description

本発明は、画像表示装置などに使用される光学積層体の製造方法、及び該光学積層体の用途に関する。
液晶表示装置は、液晶分子の電気光学特性を利用して、文字や画像を表示する装置である。液晶表示装置などの画像表示装置の構成部材には、特定の偏光を取り出すことができる偏光素子(偏光子、偏光フィルムなどとも呼ばれる)や、所定の位相差をもたらす位相差素子(位相差フィルム、光学補償層などとも呼ばれる)が用いられている。
かかる偏光素子や位相差素子は、通常、ポリマーフィルム、液晶性化合物を含むフィルムなどが用いられている。液晶性化合物のうちリオトロピック液晶性化合物を用いた偏光素子や位相差素子が知られている(特許文献1及び2)。
リオトロピック液晶性化合物は、溶液状態で液晶相を示すため、液晶相に調製した化合物溶液を適当な基材上に塗布し乾燥することによって、高分子フィルムに比して薄層の塗膜を形成することができる。該塗膜は、偏光素子、位相差素子などの用途に利用される。
特開2002−277636号公報 特開2002−241434号公報
しかしながら、リオトロピック液晶性化合物の溶液から形成した塗膜は、光学的に見て厚みバラツキが大きく、光学的均一性に劣っている。従って、偏光素子や位相差素子などの光学的用途として相応しくないので、その改善が求められる。
そこで、本発明の目的は、リオトロピック液晶性化合物を含む塗膜を含む光学積層体に於いて、該塗膜の厚みを略均一に作製できる光学積層体の製造方法を提供することである。
本発明者らは、従来の塗膜が厚みのバラツキを生じる原因について鋭意検討したところ、基材上に溶液を塗工する際、該溶液が略均一に塗工されていないことが原因であると推定し、本発明を完成した。
本発明は、基材と塗膜とを有する光学積層体の製造方法であって、基材上に、1種以上のリオトロピック液晶性化合物を含む溶液を塗布し、塗膜を形成する工程を有し、前記溶液のリオトロピック液晶性化合物の濃度が、等方相−液晶相転移濃度よりも低いものを用いることを特徴とする。
上記光学積層体の製造方法は、等方相−液晶相転移濃度よりも低い濃度のリオトロピック液晶性化合物の溶液を、基材上に塗布・乾燥することにより、液晶性化合物が配向した塗膜を形成できる。
等方相−液晶相転移濃度よりも低い上記溶液の粘度は、液晶相状態に於ける溶液の粘度に比して低くなる。このため、上記溶液は、従来法に比して、基材上に略均一に塗布することができる。従って、得られた塗膜は、厚みバラツキが極めて小さく、光学的用途として好適に利用できる。
なお、従来、リオトロピック液晶性化合物を含む溶液を用いた塗膜の形成方法は、液晶相を示す状態に溶液を調製した上で、該溶液を塗布しており、このように液晶相状態の溶液を用いなければリオトロピック液晶性化合物が配向しないと考えられていた。この点、本発明者らは、等方相−液晶相転移濃度よりも低い濃度(すなわち、液晶相を示さない濃度)に調製した溶液を用いても、リオトロピック液晶性化合物が良好に配向した塗膜を形成することができることを見出した。かかる知見は、本発明者らが初めて見出した事項である。
本発明の好ましい態様の製造方法は、上記溶液のリオトロピック液晶性化合物の濃度が(CIN−18)質量%〜(CIN−1)質量%である。ただし、CINは、等方相−液晶相転移濃度を表す。
さらに、本発明の他の好ましい態様の製造方法は、上記溶液のリオトロピック液晶性化合物の濃度が1質量%〜18質量%である。
また、本発明の他の好ましい製造方法は、上記塗膜の屈折率楕円体がnx≧nz>nyの関係を示すものである。
さらに、本発明の他の好ましい態様の製造方法は、上記基材がポリマーフィルム又はポリマーフィルムと配向膜とを含む積層体である。
また、本発明の他の好ましい製造方法は、上記配向膜がポリイミドである。
また、本発明の他の好ましい態様の製造方法は、上記リオトロピック液晶性化合物が芳香環及び/又は複素環を2個以上有する多環式化合物である。
さらに、本発明の他の好ましい態様の製造方法は、上記リオトロピック液晶性化合物が分子構造中に−SOM基及び/又は−COOM基(ただし、Mは対イオンを表す)を有する。
また、本発明の他の好ましい態様の製造方法は、上記リオトロピック液晶性化合物が下記式(I)で表される多環式化合物を含む。
Figure 2008209666
式(I)中、Mは、対イオンを表す。k、l、m及びnは、置換数(k及びlは、0〜4の整数、m及びnは、0〜6の整数)を表す。ただし、k、l、m及びnは、同時に0でない。
また、本発明は、上記いずれかの製造方法によって得られた光学積層体を有する画像表示装置を提供する。
本発明の光学積層体の製造方法によれば、厚みバラツキが極めて小さく、厚み分布の均一性に優れた塗膜を形成することができる。
本発明の光学積層体の製造方法は、基材上に、等方相−液晶相転移濃度よりも低い濃度に調製されたリオトロピック液晶性化合物の溶液を塗布し、塗膜を形成する工程を有し、該塗膜を乾燥することにより、均一な厚みの塗膜を形成できる。
以下、本発明について、具体的に説明する。
<本発明の光学積層体>
本発明の製造方法によって得られる光学積層体は、基材と、リオトロピック液晶性化合物を含む塗膜と、を有する。
該光学積層体は、図1(a)に示すように、基材2と塗膜3とからなる2層の積層体1であってもよいし、図1(b)に示すように、基材2と塗膜3の他に、他の層4をさらに含む3層以上の積層体1であってもよい。他の層4としては、例えば、位相差フィルム、偏光子、接着剤層等が挙げられる。
(基材)
上記基材は、リオトロピック液晶性化合物を含む溶液を均一に展開するために用いられる。該基材としては、前記溶液を均一に展開できるものであれば特に限定されず、例えば、合成樹脂フィルム(一般にシートと言われるものを含む意味である)、ガラス板などを用いることができる。好ましい実施形態においては、基材は、単独のポリマーフィルムであり、好ましい他の実施形態においては、ポリマーフィルムを含む積層体である。このポリマーフィルムを含む積層体は、好ましくはポリマーフィルムに配向膜をさらに含む。
上記ポリマーフィルムとしては、特に限定されないが、透明性に優れているもの(例えば、ヘイズ値5%以下)が好ましい。
ポリマーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系;ポリカーボネート系;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等のスチレン系、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状又はノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系;塩化ビニル系;ナイロン、芳香族ポリアミド等のアミド系;ポリイミドなどのイミド系;ポリエーテルスルホン系;ポリエーテルエーテルケトン系;ポリフェニレンスルフィド系;ビニルアルコール系;塩化ビニリデン系;ビニルブチラール系;アクリレート系;ポリオキシメチレン系;エポキシ系などのポリマーフィルムや、これらの2種以上の混合物を含むポリマーフィルム等が挙げられる。また、ポリマーフィルムは、2以上のポリマーフィルムの積層体を用いることもできる。
これらポリマーフィルムは、好ましくは延伸フィルムが用いられる。
上記基材の厚みは、強度等に応じて適宜に設計しうるが、一般的には薄型軽量化の観点から、好ましくは300μm以下、より好ましくは5〜200μm、特に好ましくは10〜100μmである。
上記基材が配向膜を含む場合、この配向膜は、好ましくは配向処理が施されたものである。上記配向処理としては、ラビング処理などの機械的配向処理、光配向処理などの化学的配向処理等が挙げられる。
機械的配向処理は、基材の一面(または基材の一面に形成された適宜な塗工膜の一面)に、布などで一方向にラビングすることにより実施できる。これにより、基材の一面に配向膜を形成できる。また、延伸処理を施した延伸フィルムを用いることもできる。ラビング処理又は延伸処理などを行う基材又は塗工膜は、特に限定されず、上記基材用のフィルムとして例示したポリマーなどを用いることができる。配向膜は、液晶性化合物の配向効率の点から、好ましくはイミド系ポリマーである。
化学的配向処理は、基材の一面に、配向剤を含む光配向膜を形成し、該配向膜に光を照射することにより実施できる。これにより、基材の一面に配向膜を形成できる。配向剤としては、例えば、光異性化反応、光開閉環反応、光二量化反応、光分解反応、光フリース転移反応などの光化学反応を生じる光反応性官能基を有するポリマーなどが挙げられる。上記光配向膜は、配向剤を適用な溶媒に溶解させて溶液状にし、これを基材に塗布することによって形成できる。
(リオトロピック液晶性化合物)
本発明に用いられるリオトロピック液晶性化合物は、基材に塗布し、乾燥後、塗膜を形成できるものであれば、特に制限なく使用できる。該リオトロピック液晶性化合物は、成膜後、位相差素子となる材料であってもよいし、或いは、成膜後、偏光素子となる材料であってもよい。
上記リオトロピック液晶性化合物は、好ましくは多環式化合物である。該多環式化合物は、芳香環及び/又は複素環を2個以上有し、好ましくは芳香環及び/又は複素環を4個〜8個含むものである。また、多環式化合物の基本骨格は、少なくとも複素環を有するものが好ましく、該複素環は窒素原子を含むものがより好ましい。さらに、上記リオトロピック液晶性化合物は、そのが分子構造中に−SOM基及び/又は−COOM基(ただし、Mは下記一般式(I)と同じ)を有するものが好ましい。
(位相差素子を形成するリオトロピック液晶性化合物)
上記リオトロピック液晶性化合物が、位相差素子を形成できる材料である場合、該リオトロピック液晶性化合物は、好ましくは分子構造中にキノキサリン誘導体単位を含む。該リオトロピック液晶性化合物は、より好ましくは、分子構造中にアセナフト[1,2−b]キノキサリン誘導体単位を含み、特に好ましくは、−SOM基及び−COOM基の少なくとも何れか一方を有するアセナフト[1,2−b]キノキサリン誘導体単位を含むものである。
上記キノキサリン誘導体としては、下記一般式(I)で表されるアセナフト[1,2−b]キノキサリン誘導体が挙げられる。式(I)中、k、lはそれぞれ独立して0〜4の整数であり、m、nはそれぞれ独立して0〜6の整数であり、Mは、対イオンを表す。ただし、k、l、m、及びnは、同時に0ではない。
上記Mは、好ましくは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、金属イオン、又は置換若しくは無置換のアンモニウムイオンである。金属イオンとしては、例えば、Ni2+、Fe3+、Cu2+、Ag、Zn2+、Al3+、Pd2+、Cd2+、Sn2+、Co2+、Mn2+、Ce3+等が挙げられる。
Figure 2008209666
上記アセナフト[1,2−b]キノキサリン誘導体は、例えば、下記式(a)に示すように、アセナフト[1,2−b]キノキサリン又はそのカルボン酸を、硫酸、発煙硫酸、又はクロロスルホン酸などでスルホン化することによって得ることができる。式(a)中、k、l、m、n及びMは、一般式(I)と同様である(ただし、k,nは、同時に0でない)。
Figure 2008209666
また、上記アセナフト[1,2−b]キノキサリン誘導体は、例えば、式(b)に示すように、ベンゼン−1,2−ジアミンのスルホ及び/又はカルボキシ誘導体と、アセナフトキノンのスルホ及び/又はカルボキシ誘導体とを縮合反応させて得ることもできる。式(b)中、k、l、m、n及びMは、一般式(I)と同様である(ただし、k,l,m,nは、同時に0でない)。
Figure 2008209666
上記アセナフト[1,2−b]キノキサリン誘導体は、所定濃度の溶液状態で液晶相(すなわち、リオトロピック液晶)を示すものである。なお、この液晶相は、配向性に優れるという点で、好ましくはネマチック液晶相である。このネマチック液晶相は、超分子を形成し、その形成体がネマチック状態にあるものも含まれる。
上記アセナフト[1,2−b]キノキサリン誘導体を含む溶液を製膜することによって、位相差素子を作製できる。上記アセナフト[1,2−b]キノキサリン誘導体を用いれば、高い面内複屈折率を有し、可視光の領域で吸収がないか又は小さい、透明な位相差素子を作製できる。
上記溶液を製膜することにより得られる位相差素子は、塗布によって作製されるので、厚みを薄くできる。さらに、上記位相差素子は、屈折率楕円体がnx≧nz>ny(nx>nz>ny又はnx=nz>ny)の関係を満足し、且つ、高い面内の複屈折率を示すため、従来の複屈折性フィルムに比べて、格段に薄い厚みで、所望の位相差値を得ることができる。なお、本明細書に於いて、「nx=nz」とは、nxとnzが完全に同一である場合だけでなく、実質的に同一である場合も含まれる。nxとnzが実質的に同一である場合とは、例えば、Rth[590]が−10nm〜10nmであり、好ましくは−5nm〜5nmである。
ここで、本明細書に於いて、「nx」,「ny」は、面内で直交する方向の屈折率(但し、nx≧ny)を、nzは、面に対して鉛直方向の屈折率を、表す。
上記位相差素子の波長590nmにおける透過率は、好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。位相差素子の厚みは、好ましくは0.05μm〜5μmであり、より好ましくは0.1μm〜5μmである。
位相差素子の波長590nmにおける面内の複屈折率(Δnxy[590]=nx−ny)は、好ましくは0.01以上であり、さらに好ましくは0.05以上であり、特に好ましくは0.1〜0.5である。なお、上記Δnxy[590]は、多環式化合物の分子構造により、上記範囲に、適宜、調整することができる。
また、位相差素子の波長590nmにおける面内の位相差値(Re[590])は、目的に応じて、適切な値に設定され得る。このRe[590]は、10nm以上であり、好ましくは20nm〜300nmである。なお、面内の位相差値(Re[λ])は、23℃で波長λ(nm)における面内の位相差値をいう。Re[λ]は、厚みをd(nm)としたとき、Re[λ]=(nx−ny)×dによって求めることができる。
上記位相差素子のRth[590]は、屈折率楕円体がnx≧nz>nyの関係を満足する範囲で、適切な値に設定され得る。位相差素子の波長590nmにおける面内の位相差値(Re[590])と厚み方向の位相差値(Rth[590])との差(Re[590]−Rth[590])は、好ましくは10nm〜200nmであり、さらに好ましくは20nm〜200nmである。なお、厚み方向の位相差値(Rth[λ])は、23℃で波長λ(nm)における厚み方向の位相差値をいう。Rth[λ]は、厚みをd(nm)としたとき、Rth[λ]=(nx−nz)×dによって求めることができる。
上記位相差素子のNz係数は、好ましくは−0.1〜0.9であり、さらに好ましくは0〜0.9であり、特に好ましくは0.1〜0.7である。Nz係数が上記の範囲であれば、位相差素子は、様々な駆動モードの液晶セルの光学補償に利用することができる。なお、Nz係数とは、Rth[590]/Re[590]から算出される値である。
また、上記位相差素子の波長分散値(D)は、好ましくは1.05以上であり、さらに好ましくは1.06〜1.15である。なお、波長分散値(D)は、式:D=Re[480]/Re[550]から算出される値である。
(偏光素子を形成するリオトロピック液晶性化合物)
上記リオトロピック液晶性化合物が、偏光素子を形成する材料である場合、該リオトロピック液晶性化合物は、その分子構造中に、アゾ誘導体単位、アントラキノン誘導体単位、ペリレン誘導体単位、インダンスロン誘導体単位、及び/又はイミダゾール誘導体単位を含むものが好ましい。
また、偏光素子を形成するリオトロピック液晶性化合物は、下記一般式(1)で表されるリオトロピック液晶性の二色性色素を用いることが好ましい。
式(1):(クロモゲン)(SOM)(但し、Mは、カチオンを示す)
式(1)のMとしては、水素イオン、Li、Na、K、Csのような第一族金属のイオン、アンモニウムイオンなどが好ましい。
また、クロモゲン部位としては、アゾ誘導体単位、アントラキノン誘導体単位、ペリレン誘導体単位、インダンスロン誘導体単位、及び/又はイミダゾール誘導体単位を含むものが好ましい。
上記一般式(1)で表される二色性色素は、溶液中に於いてアゾ化合物や多環式化合物構造などのクロモゲンが疎水性部位となり、且つスルホン酸及びその塩が親水性部位となり、両者のバランスによって疎水性部位同士及び親水性部位同士が集まり、全体としてリオトロピック液晶相を発現するものである。
一般式(1)で表される二色性色素の具体例としては、下記一般式(2)〜(8)で表される化合物などが例示される。
Figure 2008209666
式(2)中、Rは水素又は塩素であり、Rは水素、アルキル基、ArNH又はArCONHである。このアルキル基としては炭素数が1〜4のアルキル基が好ましく、中でもメチル基やエチル基がより好ましい。アリール基(Ar)としては置換又は無置換のフェニル基が好ましく、中でも無置換又は4位を塩素で置換したフェニル基がより好ましい。また、Mは上記一般式(1)と同様である。
Figure 2008209666
式(3)〜(5)において、Aは、式(A)又は(B)で表されるものであり、nは2又は3である。AのRは水素、アルキル基、ハロゲン又はアルコキシ基、Arは置換又は無置換のアリール基を示す。アルキル基としては炭素数が1〜4のアルキル基が好ましく、中でもメチル基やエチル基がより好ましい。ハロゲンは臭素又は塩素が好ましい。また、アルコキシ基は炭素数が1又は2個のアルコキシ基が好ましく、中でもメトキシ基がより好ましい。アリール基としては置換又は無置換のフェニル基が好ましく、中でも無置換あるいは4位をメトキシ基、エトキシ基、塩素若しくはブチル基で、又は3位をメチル基で置換したフェニル基が好ましい。Mは、上記一般式(1)と同様である。
Figure 2008209666
式(6)において、nは3〜5であり、Mは上記一般式(1)と同様である。
Figure 2008209666
式(7)において、Mは上記一般式(1)と同様である。
Figure 2008209666
式(8)において、Mは上記一般式(1)と同様である。
上記リオトロピック液晶性化合物を含む溶液を製膜することによって、偏光素子を作製できる。上記リオトロピック液晶性化合物を用いれば、高い偏光度を有する位相差素子を作製できる。
上記溶液を製膜することにより得られる偏光素子は、塗布によって作製されるので、厚みを薄くできる。
得られた偏光素子の偏光度は、好ましくは99%以上、より好ましくは99.5%以上である。また、偏光素子の単体透過率は、好ましくは40%以上、より好ましくは42%以上である。
<本発明の光学積層体の製造方法>
本発明の光学積層体の製造方法は、好ましくは下記工程A〜工程Cを有する。
工程A:基材上に、1種以上のリオトロピック液晶性化合物を含む溶液を塗布し、塗膜を形成する工程。
工程B:前記塗膜を乾燥する工程。
工程C:工程Bで乾燥させた塗膜の表面に、アルミニウム塩、バリウム塩、鉛塩、クロム塩、ストロンチウム塩、及び分子内に2個以上のアミノ基を有する化合物塩からなる群から選択される少なくとも1種の化合物塩を含む溶液を接触させる工程。
上記基材は、溶液を塗布する側に配向処理が施されていてもよい。
なお、以下、用語を区別するため、本発明のリオトロピック液晶性化合物を含む溶液を「塗工溶液」、塗工溶液の塗布によって形成される塗膜を「ウェット塗膜」、ウエット塗膜を乾燥させた状態の塗膜を「乾燥塗膜」、と言う場合がある。
(工程A)
工程Aは、リオトロピック液晶性化合物を含む溶液を上記基材に塗布し、基材上にウェット塗膜を形成する工程である。基材は、上記で例示したものを用いることができる。
工程Aに於いて用いられるリオトロピック液晶性化合物を含む溶液は、1種以上の上記リオトロピック液晶性化合物と溶媒とを含み、該溶媒は、好ましくは水を含む。リオトロピック液晶性化合物は、上記のものから適宜選択でき、1種単独で、または2種類以上を用いることができる。
塗工溶液におけるリオトロピック液晶性化合物の濃度は、等方相−液晶相転移濃度よりも低い濃度に調製される。該濃度は、塗工溶液が液晶相を示さない濃度である。
等方相−液晶相転移濃度は、偏光顕微鏡で観察される溶液の光学模様によって確認することができる。
塗工溶液のリオトロピック液晶性化合物の濃度は、好ましくは(CIN−18)質量%〜(CIN−1)質量%であり、さらに好ましくは(CIN−10)質量%〜(CIN−2)質量%である。ここで、CINは、等方相−液晶相転移濃度を表す。
具体的には、塗工溶液のリオトロピック液晶性化合物の濃度は、好ましくは0.1質量%〜18質量%であり、さらに好ましくは1質量%〜18質量%であり、特に好ましくは5質量%〜18質量%である。また、該塗工溶液の粘度は、好ましくは 0.1mPa・s〜30mPa・sであり、より好ましくは0.5mPa・s〜3mPa・sである。ただし、粘度は、レオメーター(Haake社製、製品名:レオストレス600。測定条件:ダブルコーンセンサー shear rate 1000(1/s))で測定した値である。
本発明の塗工溶液は、比較的低濃度のものを用いるため、溶液の流動性に優れ、更に、塗布機(例えばコータ等)の最適塗工粘度範囲に調製することも簡易に行え得る。従って、上記塗工溶液を用いれば、均一な塗膜を形成することができる。
塗工溶液の溶媒として水を用いる場合、水の電気伝導率は、好ましくは20μS/cm以下(下限値は0μS/cm)、より好ましくは0.001μS/cm〜10μS/cmであり、特にが好ましは0.01μS/cm〜5μS/cmである。水の電気伝導率を上記の範囲とする溶液を用いることにより、均一性に優れた塗膜を形成できる。なお、当該電気伝導度は、溶液電導率計(京都電子工業(株)、製品名:CM−117)を用いて測定できる。
なお、上記塗工溶液は、溶媒として水以外に、任意の適切な溶媒を含んでいてもよい。上記溶媒は、例えば、アルコール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、セロソルブ類等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で、又は2種類以上を混合して用いてもよい。
また、上記塗工溶液は、好ましくはpH4〜10程度、更に好ましくはpH6〜8程度に調整される。
さらに、上記塗工溶液には、添加剤が添加されていてもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、相溶化剤、架橋剤、および増粘剤などが挙げられる。これら添加剤の添加量は、好ましくは0を超え10質量%以下である。また、塗工溶液には、添加剤として界面活性剤が添加されていてもよい。界面活性剤は、多環式化合物の基材表面へのぬれ性や塗布性を向上させるために使用される。界面活性剤は、好ましくは、非イオン界面活性剤である。該界面活性剤の添加量は、好ましくは0を超え5質量%以下である。
塗工溶液を基材の一面に塗布する方法としては、例えば、適切なコータを用いた塗布方法が採用され得る。該コータとしては、例えば、リバースロールコータ、正回転ロールコータ、グラビアコータ、ロッドコータ、スロットダイコータ、スロットオリフィスコータ、カーテンコータ、ファウンテンコータなどが挙げられる。
(工程B)
工程Bは、基材上に塗布した塗膜を乾燥する工程である。
上記ウェット塗膜は、適宜、適切な方法によって乾燥される。乾燥方法は、例えば、熱風又は冷風が循環する空気循環式恒温オーブン、マイクロ波もしくは遠赤外線などを利用したヒーター、温度調節用に加熱されたロール、ヒートパイプロール又は金属ベルトなどの乾燥手段が挙げられる。
乾燥させる温度は、溶液の等方相転移温度以下であり、低温から高温へ徐々に昇温して乾燥させることが好ましい。上記乾燥温度は、好ましくは10℃〜80℃であり、さらに好ましくは20℃〜60℃である。かかる温度範囲であれば厚みバラツキの小さい乾燥塗膜を得ることができる。
乾燥させる時間は、乾燥温度や溶媒の種類によって、適宜、選択され得るが、厚みバラツキの小さい乾燥塗膜を得るためには、例えば1分〜30分であり、好ましくは1分〜10分である。
上記ウェット塗膜は、乾燥する過程で濃度が高くなり、それに伴いリオトロピック液晶性化合物が配向し、その状態で固定される。
得られた乾燥塗膜の厚みは、好ましくは0.05μm〜10μmであり、さらに好ましくは0.1μm〜5μmである。乾燥塗膜の残存溶媒量は、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下である。
(工程C)
工程Cは、乾燥塗膜の表面(基材の接合面と反対面)に、耐水性を付与する工程である。
具体的には、上記工程Bで形成された乾燥塗膜の表面に、アルミニウム塩、バリウム塩、鉛塩、クロム塩、ストロンチウム塩、及び分子内に2個以上のアミノ基を有する化合物塩からなる群から選択される少なくとも1種の化合物塩を含む溶液を接触させる。
上記化合物塩としては、例えば、塩化アルミニウム、塩化バリウム、塩化鉛、塩化クロム、塩化ストロンチウム、4,4’−テトラメチルジアミノジフェニルメタン塩酸塩、2,2’−ジピリジル塩酸塩、4,4’−ジピリジル塩酸塩、メラミン塩酸塩、テトラアミノピリミジン塩酸塩などが挙げられる。このような化合物塩の層を形成することにより、乾燥塗膜の表面を水に対して不溶化又は難溶化させることができる。よって、乾燥塗膜に、耐水性を付与できる。
上記化合物塩を含む溶液に於いて、その化合物塩の濃度は、好ましくは3質量%〜40質量%であり、より好ましくは5質量%〜30質量%である。
乾燥塗膜の表面に、上記化合物塩を含む溶液を接触させる方法としては、例えば、該塗膜の表面に上記化合物塩を含む溶液を塗布する方法、該塗膜を上記化合物塩を含む溶液に浸漬する方法など、任意の方法が採用され得る。これらの方法を採用する場合、乾燥塗膜の表面は、水又は任意の溶剤で洗浄し乾燥することが好ましい。
<光学積層体の用途>
本発明の光学積層体の用途は、特に制限はないが、代表的には、液晶表示装置のλ/4板、λ/2板、視野角拡大フィルム、偏光子などが挙げられる。
1つの実施形態において、本発明の光学積層体が位相差素子である場合、これに偏光子を積層して、偏光板として用いてもよい。以下、この偏光板について説明する。
上記偏光板は、本発明の光学積層体と偏光子とを少なくとも備える。この偏光板は、他の光学積層体、他の位相差素子、任意の保護層などを含んでいてもよい。実用的には、上記偏光板の、構成部材の各層の間には、任意の適切な接着層が設けられ、各層が貼着される。
偏光子としては、自然光又は偏光を直線偏光に変換するものであれば、適切なものが採用され得る。上記偏光子は、好ましくは、ヨウ素又は二色性染料を含有するポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする延伸フィルムである。上記偏光子の厚みは、通常、5μm〜50μmである。
上記接着層は、隣り合う部材の面と面とを接合し、実用上十分な接着力と接着時間で、一体化させるものであれば、任意の適切なものが選択され得る。上記接着層を形成する材料としては、例えば、接着剤、粘着剤、アンカーコート剤が挙げられる。上記接着層は、被着体の表面にアンカーコート剤層が形成され、その上に接着剤層または粘着剤層が形成されたような多層構造であってもよいし、肉眼的に認知できないような薄い層(ヘアーラインともいう)であってもよい。偏光子の一方の側に配置された接着層と他方の側に配置された接着層は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
他の実施形態において、本発明の光学積層体が偏光素子である場合、これに位相差素子を積層して、偏光板として用いてもよい。この偏光板に於いても、他の光学積層体、他の位相差素子、任意の保護層などを含んでいてもよい。
本発明の製造方法によって得られた光学積層体の用途は、特に限定されないが、好ましくは、該光学積層体は、画像表示装置の構成部材として使用できる。
本発明の画像表示装置は、液晶表示装置、有機ELディスプレイ、及びプラズマディスプレイ等を含み、その好ましい用途はテレビ(特に、画面サイズ40インチ以上の大型テレビ)である。画像表示装置が液晶表示装置の場合には、その好ましい用途は、パソコンモニター、ノートパソコン、コピー機などのOA機器、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機などの携帯機器、ビデオカメラ、電子レンジなどの家庭用電気機器、バックモニター、カーナビゲーションシステム用モニター、カーオーディオなどの車載用機器、商業店舗用インフオメーション用モニターなどの展示機器、監視用モニターなどの警備機器、介護用モニター、医療用モニターなどの介護・医療機器等である。
本発明について、以上の実施例および比較例を用いて更に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例で用いた各分析方法は、以下の通りである。
(1)nx、ny、nz及びRe[590]、Rth[590]、Nz係数の測定方法:
王子計測機器(株)製、商品名「KOBRA21−ADH」を用いて、23℃で測定した。なお、平均屈折率は、アッベ屈折率計[アタゴ(株)製、製品名「DR−M4」]を用いて測定した値を用いた。
(2)単体透過率及び偏光度の測定方法:
分光光度計[村上色彩技術研究所(株)製、製品名「DOT−3」]を用いて、23℃の条件で測定した。なお、偏光度及び単体透過率の測定値は、波長550nmを基準とした。
単体透過率は、JlS Z 8701−1995の2度視野に基づく、三刺激値のY値である。
偏光度は、平行透過率(H)および直交透過率(H90)を測定し、式:偏光度(%)={(H−H90)/(H+H90)}1/2×100より求めることができる。平行透過率(H)は、測定対象である光学積層体2枚を互いの吸収軸が平行となるように重ね合わせて作製した平行型積層体の透過率の値である。直交透過率(H90)は、測定対象である光学積層体2枚を互いの吸収軸が直交するように重ね合わせて作製した直交型積層体の透過率の値である。なお、これらの透過率は、JlS Z 8701−1982の2度視野(C光源)により、視感度補正を行ったY値である。
(3)厚み及び厚みバラツキの測定:
試料の膜厚は、アルバック社勢の触針式表面形状測定器(DEKTAK)を用いて測定した。膜厚の測定は、水を含んだウエスで塗工膜の一部を拭い取り、段差を測定した。
厚みバラツキは、試料の面内(12cm×12cm)の中から縦方向に3箇所、横方向に3箇所の計9箇所(各点の間隔3cm)を任意に選び、その最大値と最小値の差を厚みバラツキとした。
[合成例1]
<アセナフト[1,2−b]キノキサリンの合成>
攪拌機を備えた反応容器に、5Lの氷酢酸と精製した490gのアセナフテンキノンを添加し、窒素バブリング下で15分間攪拌し、アセナフテンキノン溶液を得た。同様に攪拌機を備えた別の反応容器に7.5Lの氷酢酸と275gのo−フェニレンジアミンを添加し、窒素バブリング下で15分間攪拌し、o−フェニレンジアミン溶液を得た。その後、窒素雰囲気下で攪拌しながらo−フェニレンジアミン溶液をアセナフテンキノン溶液に1時間かけて徐々に添加し、その後3時間攪拌を続けることで反応させた。得られた反応液にイオン交換水を添加した後、沈殿物をろ過して、粗生成物を得た。この粗生成物は、熱氷酢酸で再結晶を行い精製した。
[合成例2]
<アセナフト[1,2−b]キノキサリン−2,5−ジスルホン酸の合成>
下記反応経路に示すように、合成例1に従い得られるアセナフト[1,2−b]キノキサリンを300g取り、これに30%発煙硫酸(2.1L)を加えて24時間室温で攪拌後、130℃に加熱し、32時間攪拌し、反応させた。得られた溶液を40℃〜50℃に保ちながら、4.5Lのイオン交換水を加えて希釈し、さらに3時間攪拌した。沈殿物をろ過し、硫酸で再結晶を行い、下記式(c)に示すアセナフト[1,2−b]キノキサリン−2,5−ジスルホン酸を得た。
この反応物を、30Lのイオン交換水(電気伝導度:0.1μS/cm)に溶解し、さらに水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和した。得られた水溶液は、供給タンクに入れ、日東電工(株)社製の逆浸透膜フィルター(商品名「NTR−7430フィルターエレメント」)を備えた高圧ROエレメント試験装置を用いて、液量が一定となるように逆浸透水を加えながら循環ろ過し、廃液の電気伝導度が13.6μS/cmとなるまで、残存硫酸除去を行った。
Figure 2008209666
[合成例3]
<アセナフト[1,2−b]キノキサリン−2−スルホン酸の合成>
下記反応経路に示すように、合成例1に従い得られるアセナフト[1,2−b]キノキサリンを300g取り、これに30%発煙硫酸(2.1L)を加えて室温で48時間攪拌し、反応させた。得られた溶液を40℃〜50℃に保ちながら、4.5Lのイオン交換水を加えて希釈し、さらに3時間攪拌した。沈殿物をろ過し、下記式(d)に示すアセナフトキノキサリン−2−スルホン酸を得た。
この反応物を、30Lのイオン交換水(電気伝導度:0.1μS/cm)に溶解し、さらに水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和した。得られた水溶液は、供給タンクに入れ、日東電工(株)製 逆浸透膜フィルター 商品名「NTR−7430フィルターエレメント」を備えた高圧ROエレメント試験装置を用いて、液量が一定となるように逆浸透水を加えながら循環ろ過し、廃液の電気伝導度が8.1μS/cmとなるまで、残存硫酸除去を行った。
Figure 2008209666
[参考例]
<アセナフト[1,2−b]キノキサリン−2,5−ジスルホン酸およびアセナフト[1,2−b]キノキサリン−2−スルホン酸の混合物の水溶液の作製>
上記合成例2で得られたアセナフト[1,2−b]キノキサリン−2,5−ジスルホン酸と、上記合成例3で得られたアセナフト[1,2−b]キノキサリン−2−スルホン酸の固形分の混合比率が65質量部:35質量部となるように、上記合成例2及び合成例3で得られた水溶液を混合した。次に、この水溶液をロータリーエバポレーターを用いて、水溶液中の前記キノキサリン化合物(2種類の計)の濃度が25質量%となるようにして、塗工溶液を調製した。ここで、この溶液を偏光顕微鏡観察すると、23℃でネマチック液晶相を示した。
[実施例]
アクリルガラス(松浪ガラス工業(株)製、縦×横:45mm×50mm、厚み0.7mm)の両面を、超音波洗浄器を用いて洗浄した。該超音波洗浄は、最初アセトン中で3分間、その後イオン交換水中で5分間行った。洗浄後のアルカリガラスの表面に、スピンコーターを用いて、ポリイミドを塗布し、乾燥・焼成することで配向膜を形成した。塗布条件は、最初1000rpmで5秒間、その後3000rpmで20秒間である。乾燥・焼成条件は、最初120℃で30分間、次に280℃で60分間である。
次に、この配向膜の表面を、ラビング布で一方向に5回擦って、ラビング処理を施した。その後、ラビング処理したアルカリガラスの表面を、さらにコロナ処理機でコロナ放電処理を施した。コロナ処理条件は、速度3m/分、出力0.14kW、放電量155.6W分/mである。
次に、上記参考例で得られた水溶液に更にイオン交換水を加えて、リオトロピック液晶性化合物の濃度が15質量%となるように塗工溶液を調製した。この水溶液の35℃における等方相−液晶相転移濃度は19質量%であり、15質量%では液晶相を示さない。
上記水溶液を、バーコータ[BUSCHMAN社製 商品名「mayer rot HS1.5」]を用いて23℃の恒温室内で、配向膜上に厚み4.1μmに塗布し、自然乾燥させた。
このようにして得られた乾燥塗膜は、位相差素子であり、屈折率楕円体はnx>nz>nyの関係を示した。
また、得られた乾燥塗膜の厚みは、620nmであり、その厚みバラツキは、±50nmであった。
また、塗膜の波長590nmにおける単体透過率は、95.6%であり、波長590nmにおける面内の位相差値(Re[590])は、203.6であり、波長590nmにおける厚み方向の位相差値(Rth[590])は、53.2であり、Nz係数(Rth[590]/Re[590])=0.25であった。
[比較例]
参考例1で調製した溶液(すなわち、リオトロピック液晶化合物の濃度が25質量%であるもの)をそのまま塗工溶液として用いたこと以外は、実施例と同様の方法で、塗膜を作製した。
得られた塗膜の厚みは、620nmであり、その厚みバラツキは、±150nmであった。
本発明の光学積層体の層構成の一例を示す断面図。
符号の説明
1…光学積層体、2…基材、3…塗膜、4…他の層

Claims (11)

  1. 基材と塗膜とを有する光学積層体の製造方法であって、
    基材上に、1種以上のリオトロピック液晶性化合物を含む溶液を塗布し、塗膜を形成する工程を有し、
    前記溶液のリオトロピック液晶性化合物の濃度が、等方相−液晶相転移濃度よりも低いことを特徴とする光学積層体の製造方法。
  2. 前記溶液のリオトロピック液晶性化合物の濃度が、(CIN−18)質量%〜(CIN−1)質量%である請求項1に記載の光学積層体の製造方法。
    ただし、CINは、等方相−液晶相転移濃度を表す。
  3. 前記溶液のリオトロピック液晶性化合物の濃度が、1質量%〜18質量%である請求項1または2に記載の光学積層体の製造方法。
  4. 前記塗膜の屈折率楕円体が、nx≧nz>nyの関係を示す請求項1〜3のいずれかに記載の光学積層体の製造方法。
  5. 前記基材が、ポリマーフィルム、又はポリマーフィルムと配向膜とを含む積層体である請求項1〜4のいずれかに記載の光学積層体の製造方法。
  6. 前記配向膜が、ポリイミドである請求項5に記載の光学積層体の製造方法。
  7. 前記リオトロピック液晶性化合物が、芳香環及び/又は複素環を2個以上有する多環式化合物である請求項1〜6のいずれかに記載の光学積層体の製造方法。
  8. 前記リオトロピック液晶性化合物が、分子構造中に−SOM基及び/又は−COOM基を有する請求項1〜7のいずれかに記載の光学積層体の製造方法。
    ただし、Mは、対イオンを表す。
  9. 前記リオトロピック液晶性化合物が、下記式(I)で表される多環式化合物を含む請求項1〜8のいずれかに記載の光学積層体の製造方法。
    Figure 2008209666
    式(I)中、Mは、対イオンを表す。k、l、m及びnは、置換数(k及びlは、0〜4の整数、m及びnは、0〜6の整数)を表す。ただし、k、l、m及びnは、同時に0でない。
  10. 前記溶液が水を含む請求項1〜9のいずれかに記載の光学積層体の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法によって得られた光学積層体を有する画像表示装置。
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