JP2008208958A - 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 リンクのピッチ長が1水準とされるとともに、その騒音の低減が図られた動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供する。
【解決手段】 リンク11のピッチ長は、1水準とされており、無段変速機のプライマリープーリ2の巻掛け長さをLp、セカンダリープーリ3の巻掛け長さをLs、直線部の長さをL1として、リンク11のピッチ長Pについて、以下の関係が満たされている。
Lp+L1≠nPかつLs+L1≠mP(n、mは自然数)。
【選択図】 図4

Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンおよび動力伝達装置に関する。
自動車用無段変速機として、図5に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたプライマリープーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたセカンダリープーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するものが知られている。
動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされているとともに、複数のリンクとして、ピッチ長が異なるリンクを使用することが提案されている。
特開2005−233275号公報
上記特許文献1に示されている動力伝達チェーンでは、ピッチ長が異なる複数のリンクを組み合わせることによって騒音を低減することができるが、リンクの種類の増加は、加工や組立ての手間の増加につながるので、リンクのピッチ長を1水準として、騒音を低減することが望まれている。
この発明の目的は、リンクのピッチ長が1水準とされるとともに、その騒音の低減が図られた動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンは、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、無段変速機の1対のプーリ間に掛け渡される動力伝達チェーンにおいて、リンクのピッチ長は、1水準とされており、無段変速機のプライマリープーリの巻掛け長さをLp、セカンダリープーリの巻掛け長さをLs、直線部の長さをL1として、リンクのピッチ長Pについて、以下の関係が満たされていることを特徴とするものである。
Lp+L1≠nPかつLs+L1≠mP(n、mは自然数)
巻掛け長さは、プーリとチェーンが接触している部分の長さであり、大径側では、その周長の半分よりも大きく、小径側では、その周長の半分よりも小さくなる。Lp+L1=nPの場合、プライマリープーリ側でピンが衝突した際、同じタイミングでセカンダリープーリ側でもピンが衝突する。Ls+L1=mPの場合も同様に、プライマリープーリ側でピンが衝突した際、同じタイミングでセカンダリープーリ側でもピンが衝突する。このように、同じタイミングで両方のプーリにおいてピンが衝突すると、実車走行状態で不快な音となる。ピッチ長が2水準以上あってそれがランダムに配置されていると、チェーンが1周する間すべてにわたってLp+L1=nPまたはLs+L1=mPが起こらないように設計することは非常に難しいものとなるが、ピッチ長を1水準とすることで、Lp+L1≠nPかつLs+L1≠mP(n、mは自然数)という条件を満たすことが容易となる。ここで、Lp+L1≠nPまたはLs+L1≠mPでもよいが、Lp+L1≠nPかつLs+L1≠mPとすることにより、プライマリープーリ側およびセカンダリープーリ側の両方で同じタイミングでピンが衝突する可能性を確実に排除することができる。これにより、チェーンで発生する音の原因のうち、主要因であるチェーン回転時のピンとプーリとの衝突(打撃)音が低減され、実車でのチェーン音を低減することができる。
上記条件は、少なくとも、無段変速機がオーバードライブ状態時において、満たされる必要があり、アンダードライブからオーバードライブまでの全変速比において満たされることがより好ましい。そのために、例えば、無段変速機がオーバードライブ状態時において、(n+0.3)<(Lp+L1)/P<(n+0.7)かつ(m+0.3)<(Ls+L1)/P<(m+0.7)とされていることが好ましい。
リンクのピッチ長は、1水準とされるが、他の構成、例えば、第1ピンおよび第2ピンの転がり接触面形状については、第1ピンと第2ピンとの接触位置の軌跡がインボリュート曲線とされかつそのインボリュートの基礎円半径が2水準とされることが好ましい。これに加えて、プーリに接触するピンの端面形状を2種類とし、プーリに接触する位置が2水準となるようにしてもよい。
第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部の前側部分に設けられたピン固定部に固定されかつ他のリンクの後挿通部の前側部分に設けられたピン可動部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部の後側部分に設けられたピン可動部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部の後側部分に設けられたピン固定部に固定されていることが好ましい。
ピン固定部へのピンの固定は、例えば、機械的圧入によるピン固定部内縁とピン外周面との嵌合固定とされるが、これに代えて、焼き嵌めまたは冷やし嵌めによってもよい。嵌合固定は、ピン固定部の長さ方向に対して直交する部分の縁(上下の縁)で行われるのが好ましい。この嵌合固定の後、予張力付与工程において予張力が付与されることにより、リンクのピン固定部(ピン圧入部)に均等にかつ適正な残留圧縮応力が付与される。上記騒音低減条件は、この予張力付与後のチェーン寸法に基づいて設定される。
この発明による動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
第1ピンおよび第2ピンは、例えば、いずれか一方の接触面が平坦面とされ、他方の接触面が相対的に転がり接触移動可能なインボリュート曲面に形成される。また、第1ピンおよび第2ピンは、それぞれの接触面が所要の曲面に形成されるようにしてもよい。第2ピンは、第1ピンよりも幅が狭い形状とされることが好ましく、この場合、第2ピンの上下縁部に突出縁部が設けられることがある。
なお、この明細書において、リンクの長さ方向の一端側を前、同他端側を後としているが、この前後は便宜的なものであり、リンクの長さ方向が前後方向と常に一致することを意味するものではない。
上記の動力伝達チェーンは、いずれか一方のピン(インターピース)が他方のピン(ピン)よりも短くされ、長い方のピンの端面が無段変速機のプーリの円錐状シーブ面に接触し、この接触による摩擦力により動力を伝達するものであることが好ましい。各プーリは、円錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ面を有する可動シーブとからなり、両シーブのシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シーブを油圧アクチュエータによって移動させることにより、無段変速機のシーブ面間距離したがってチェーンの巻き掛け半径が変化し、スムーズな動きで無段の変速を行うことができる。
この発明による動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備えたもので、動力伝達チェーンが上記に記載のものとされる。
この動力伝達装置は、自動車等の車両の無段変速機としての使用に好適なものとなる。
この発明の動力伝達装置によると、リンクのピッチ長が1水準とされていることで、部品数の低減および組立効率の向上が可能となる。そして、同じタイミングで両方のプーリにおいてピンが衝突することで生じる不快な音が確実に排除され、これにより、チェーンで発生する音の原因のうち、主要因であるチェーン回転時のピンとプーリとの衝突(打撃)音が低減され、実車でのチェーン音を低減することができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図2の上下をいうものとする。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。インターピース(15)は、ピン(14)よりも短くなされ、両者は、インターピース(15)が前側に、ピン(14)が後側に配置された状態で対向させられている。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列とリンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
図2に示すように、ピン(14)は、インターピース(15)に比べて前後方向の幅が広くなされている。インターピース(15)の上下縁部には、ピン(14)側にのびる突出縁部(15a)(15b)が設けられている。リンク(11)の前挿通部(12)と後挿通部(13)との間には、柱部(21)が介在させられており、リンク(11)の前挿通部(12)は、ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15)が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)が固定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(19)からなる。
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
リンク(11)のピン固定部(18)とインターピース可動部(19)との境界部分には、インターピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なりピン固定部(18)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、インターピース固定部(17)とピン可動部(16)との境界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なりインターピース固定部(17)に固定されているインターピース(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされており、この実施形態では、ピン(14)の接触面が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、インターピース(15)の接触面が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から曲線部分へまたは曲線部分から直線部分へと移行する際、前挿通部(12)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその接触面がインターピース(15)の接触面に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(16)内を移動し、後挿通部(13)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(19)内を固定状態のピン(14)に対してその接触面がピン(14)の接触面に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。なお、図2において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチである。
この動力伝達チェーン(1)は、図3に示すV型プーリ式CVTで使用されるが、この際、プーリ軸(2e)を有するプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)にインターピース(15)の端面が接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。ピン(14)の端面およびプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)は、いずれも所定角度(通常11°)傾斜している。
図3において、実線で示した位置にあるプライマリープーリ(2)の可動シーブ(2b)を固定シーブ(2a)に対して接近・離隔させると、チェーン(1)の巻き掛け径は、同図に鎖線で示すように、接近時には大きく、離隔時には小さくなる。セカンダリープーリ(3)では、図示省略するが、その可動シーブがプライマリープーリ(2)の可動シーブ(2b)とは逆向きに移動し、プライマリープーリ(2)の巻き掛け径が大きくなると、セカンダリープーリ(3)の巻き掛け径が小さくなり、プライマリープーリ(2)の巻き掛け径が小さくなると、セカンダリープーリ(3)の巻き掛け径が大きくなる。この結果、変速比が1:1である状態(初期値)を基準にして、プライマリープーリ(2)の巻き掛け径が最小で、セカンダリープーリ(3)の巻き掛け径が最大であるアンダードライブ(U/D)状態が得られ、また、プライマリープーリ(2)の巻き掛け径が最大で、セカンダリープーリ(3)の巻き掛け径が最小のオーバードライブ(O/D)状態が得られる。
図4において、ピン(14)は、プライマリープーリ(2)に第1の位置P1において噛み込み、セカンダリープーリ(3)に第2の位置P2において噛み込む。このとき、ピン(14)とプーリ(2)(3)との衝突音が発生するが、この衝突音が同じタイミングで両方のプーリ(2)(3)で発生すると、実車走行状態で不快な音となる。
そこで、この発明による動力伝達チェーン(1)では、リンク(11)のピッチ長は、1水準とされており、プライマリープーリ(2)の巻掛け長さをLp、セカンダリープーリ(3)の巻掛け長さをLs、直線部の長さをL1として、ピッチ長Pについて、Lp+L1≠nPかつLs+L1≠mP(n、mは自然数)の関係が満たされている。
これにより、プライマリープーリ(2)側でピン(14)がプーリ(2)に衝突したとき、同時にセカンダリープーリ(3)側でピン(14)がプーリ(3)に衝突する可能性が確実に排除されている。
より好ましい設計は、無段変速機がオーバードライブ状態において、nおよびmを任意の自然数として、(n+0.3)<(Lp+L1)/P<(n+0.7)かつ(m+0.3)<(Ls+L1)/P<(m+0.7)とすることである。ここで、(Lp+L1)/Pおよび(Ls+L1)/Pが自然数であれば、プライマリープーリ(2)とセカンダリープーリ(3)に同時にピン(14)が接触することになり、実車で不快な音が発生する。これを避けるには、(Lp+L1)/Pがn+0.5(nは自然数)および(Ls+L1)/Pがm+0.5(mは自然数)とすることが確実である。ただし、実際の設計では種々の制約があり、n(m)+0.5ずばりの値で設計できることは稀である。そのため、n(m)+0.3からn(m)+0.7の範囲と設定することで、2つのプーリ(2)(3)で同時に打撃音が発生することが防げる。オーバードライブ状態という制約をつけているのは、実車の走行状態で最も長い時間となる条件であり、かつ高速走行で比較的音が気になる状態であるためである。すなわち、この状態で前記の条件を満たすピッチPで設計することで、実車での不快な音の発生を防止できる。
この動力伝達チェーン(1)は、必要な数のピン(14)およびインターピース(15)を組立て治具上に垂直状に保持した後、リンク(11)を1つずつあるいは数枚まとめて圧入していくことにより製造される。この圧入は、ピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部とピン固定部(18)およびインターピース固定部(17)の上下縁部との間において行われており、その圧入代は0.005mm〜0.1mmとされている。こうして、組み立てられたチェーン(1)には張力が付与(予張)される。
上記の動力伝達チェーン(1)では、ピンの上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされていることにより、ピンおよびインターピースの接触面がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
また、プライマリープーリ(2)側およびセカンダリープーリ(3)側の両方で同じタイミングでピン(14)が衝突する可能性が確実に排除されていることにより、チェーン(1)で発生する音の原因のうち、主要因であるチェーン回転時のピン(14)とプーリ(2)(3)との衝突(打撃)音が低減され、実車でのチェーン音をより一層低減することができる。
そして、CVTで使用された場合、ピン(14)とインターピース(15)とは、上述のように、各可動部(16)(19)に案内されて転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確保される。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、リンクの拡大側面図である。 図3は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図4は、騒音低減原理を説明するための模式図である。 図5は、無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(2a)(3b) 固定シーブ
(2b)(3a) 可動シーブ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(11) リンク
(12) 前挿通部
(13) 後挿通部
(14) ピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)

Claims (3)

  1. ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、無段変速機の1対のプーリ間に掛け渡される動力伝達チェーンにおいて、
    リンクのピッチ長は、1水準とされており、無段変速機のプライマリープーリの巻掛け長さをLp、セカンダリープーリの巻掛け長さをLs、直線部の長さをL1として、リンクのピッチ長Pについて、以下の関係が満たされていることを特徴とする動力伝達チェーン。
    Lp+L1≠nPかつLs+L1≠mP(n、mは自然数)
  2. 無段変速機がオーバードライブ状態時において、(n+0.3)<(Lp+L1)/P<(n+0.7)かつ(m+0.3)<(Ls+L1)/P<(m+0.7)とされている請求項1の動力伝達チェーン。
  3. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが請求項1または2に記載の動力伝達装置。
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