JP2008208817A - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】環状に配置された複数の噴孔から、燃料噴射弁の長手方向の軸線に対して傾斜させて燃料を噴射する燃料噴射弁において、噴孔が環状に配置された部位の内側領域でデポジットの成長を抑制する。
【解決手段】燃料噴射弁1は、燃料噴射弁1の長手方向の軸線Aに対して噴霧Bの中心軸Cを傾斜させて燃料を噴射する燃料噴射弁1であって、燃料を噴射する5個ないし15個のいずれかの個数の噴孔31−38が、一重の環状に配置された噴孔形成部23を備え、隣接する噴孔31−38の出口31a−38aの間隔P1を互いに略等しく配置させる。これにより、噴孔が環状に配置された部位の内側領域でデポジットの成長を抑制できる。
【選択図】図5
【解決手段】燃料噴射弁1は、燃料噴射弁1の長手方向の軸線Aに対して噴霧Bの中心軸Cを傾斜させて燃料を噴射する燃料噴射弁1であって、燃料を噴射する5個ないし15個のいずれかの個数の噴孔31−38が、一重の環状に配置された噴孔形成部23を備え、隣接する噴孔31−38の出口31a−38aの間隔P1を互いに略等しく配置させる。これにより、噴孔が環状に配置された部位の内側領域でデポジットの成長を抑制できる。
【選択図】図5
Description
本発明は、燃料噴射弁の長手方向の軸線に対して傾斜させて複数の噴孔から燃料を噴射させる燃料噴射弁に関するものである。
複数の噴孔から、燃料噴射弁の長手方向の軸線に対して傾斜させて燃料を噴射させる燃料噴射弁が開示されている(特許文献1を参照)。
具体的に、燃料を噴射する複数の噴孔が環状に噴孔形成部に形成され、燃料噴射弁の長手方向の軸線に対して傾斜させて燃料を噴射する。これにより、直線状に同じ個数の噴孔を同一面積内で配置する場合と比較して噴孔同士の間隔を大きくできるため、噴孔が形成されている噴孔形成部の強度を高めることができる。このため、噴孔形成部の厚みを薄くすることが可能になり、噴孔加工が容易なプレス加工等が可能になる。
また、複数の噴孔が形成されているため、各噴孔の噴射方向を変えることによって、種々の噴霧形状を形成する自由度が高くなる。
これにより、燃料噴射弁の軸線に対して傾斜させつつ噴霧が拡がるように燃料を噴射させることが可能になり、点火プラグを避け内燃機関に対して斜めに燃料噴射弁を組み付けた場合でも、燃焼室に適切に燃料を噴射できる。
特開2004−76723号公報
特許文献1には記載されていないが、噴孔が燃焼室内の高温に曝される環境にあるため、燃料噴射後に噴孔の周囲に吹き残った残留燃料が、デポジット(炭素系の化合物)として噴孔の周囲に生じる。デポジットは、残留燃料が燃焼以外の化学反応を起こしたり、この残留燃料中の不純物が析出したりして生じる。このデポジットが成長して、噴孔内部にまで侵入すると、燃料噴射量が低下もしくは変動する場合がある。
ここで、環状に配置された複数の噴孔は、噴霧が拡がるように形成されているため、噴孔が環状に配置された部位(環状部位)の外側へ傾斜させて各噴孔から燃料噴射される。これにより、噴孔からの燃料噴射によって外側へ向かって残留燃料を吹き飛ばすため、環状部位の外側領域からデポジットが成長して噴孔内部にまで侵入する可能性と比較して、環状部位の内側領域からデポジットが成長して噴孔内部にまで侵入する可能性が高いと考えられる。
また、環状に配置された複数の噴孔から燃料が噴射されるため、噴射時に内側領域が負圧になり、外側領域から内側領域に噴霧の一部や残留燃料が引き込まれることが予測され、内側領域においてデポジットの成長が促進される懸念がある。したがって、デポジットが噴孔内部にまで侵入することを抑えるために、内側領域でデポジットの成長を抑制する必要がある。
また、環状に配置された複数の噴孔から、燃料噴射弁の長手方向の軸線に対して傾斜させて燃料を噴射する燃料噴射弁では、各噴孔の入口と出口を結ぶ噴孔線が、軸線に対して傾斜するように形成される。さらには、燃焼室に適切に燃料を噴射するために、軸線に対する噴孔線の傾斜角と傾斜方向とが各噴孔において異なるように形成される。このため、複数の噴孔において入口の配置と出口の配置が互いに相似な配置関係から外れ、複数の噴孔が複雑な配置関係になっている。
したがって、環状に配置された複数の噴孔が複雑な配置関係にある燃料噴射弁において、デポジットが噴孔内部にまで侵入するのを抑えるために、噴孔が環状に配置された部位の内側領域でデポジットの成長を抑制することは容易でない。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、環状に配置された複数の噴孔から、燃料噴射弁の長手方向の軸線に対して傾斜させて燃料を噴射する燃料噴射弁において、噴孔が環状に配置された部位の内側領域でデポジットの成長を抑制することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の燃料噴射弁は、燃料噴射弁の長手方向の軸線に対して噴霧の中心軸を傾斜させて燃料を噴射する燃料噴射弁であって、燃料を噴射する5個ないし15個のいずれかの個数の噴孔が、一重の環状に配置された噴孔形成部を備え、隣接する噴孔の出口の間隔を互いに略等しく配置させることを特徴とする。
この構成では、燃料噴射弁の長手方向の軸線に対して噴霧の中心軸を傾斜させて燃料を噴射するため、噴孔の配置関係が複雑になっている。しかし、この構成では、5個ないし15個のいずれかの個数の噴孔を一重の環状に配置し、隣接する噴孔の出口の間隔を互いに略等しく配置させている。このため、デポジットが生じる噴孔の出口側において、噴孔が環状に配置された部位(環状部位)の内側領域の全外周を、間隔が互いに略等しい出口からの噴霧によって取り囲むことができる。
したがって、内側領域の全外周を、燃料噴射時に噴孔から噴射されている噴霧によって環状部位の外側領域から遮断できる。これにより、噴霧の一部や残留燃料が外側領域から内側領域に引き込まれることを抑制でき、内側領域でデポジットの成長を抑制できる。
請求項2に記載の燃料噴射弁は、隣接する噴孔の入口を互いに重ねないことを特徴とする。これにより、隣接する噴孔からの噴霧同士の干渉を抑えて、燃料を良好に噴射できる。
請求項3に記載の燃料噴射弁は、隣り合う噴孔間における出口の間隔が、噴孔の内径値に対して1.8倍から2.2倍の間に設定されることを特徴とする。この構成では、出口の間隔を噴孔の内径値に対して2.2倍以下とすることによって、噴霧の一部や残留燃料が外側領域から内側領域に引き込まれることを抑制し、出口の間隔を噴孔の内径値に対してと1.8倍以上とすることによって噴孔形成部の強度を確保する。
請求項4に記載の燃料噴射弁は、噴孔形成部が、内面に弁座を有する弁ボディと一体的に形成されていることを特徴とする。これにより、構成を簡素化できる。
本発明の一実施形態による燃料噴射弁を、燃料、特にガソリンをエンジンの燃焼室に直接噴射するための燃料噴射弁を例にして図面に基づいて説明する。
燃料噴射弁1は、図1に示すように、シリンダヘッド11に取り付けられ、シリンダブロック10の内周面と、シリンダヘッド11の内周面と、ピストン12の上端面とで形成される燃焼室14に、燃料噴射弁1の長手方向の軸線Aに対して噴霧Bの中心軸Cを傾斜させて燃料を噴射する。これにより、点火プラグ13、あるいは燃焼室14を形成するピストン12およびシリンダブロック10の内壁面に噴霧Bが付着し液状となることを抑制している。
燃料噴射弁1は、図2に示すように、筒部材4、弁ハウジング2、およびコイル7等を備える。筒部材4は弁ハウジング2の反噴孔側内周壁に挿入され、溶接により弁ハウジング2に固定される。筒部材4は、噴射側から第1磁性筒部41、非磁性筒部42および第2磁性筒部43を備え、非磁性筒部42は、第1磁性筒部41と第2磁性筒部43との磁気的短絡を防止する。
可動コア6は磁性材料で円筒状に形成され、ノズルニードル5の反噴孔側の端部51と溶接により固定され、ノズルニードル5と共に往復移動する。可動コア6の筒壁を貫通する流出孔61は、可動コア6の筒内外を連通する燃料通路を形成する。固定コア62は磁性材料で円筒状に形成され、筒部材4内に挿入されて、筒部材4と溶接により固定される。固定コア62は、可動コア6に対し反噴孔側に設置され可動コア6と対向する。
アジャスティングパイプ64は、固定コア62に圧入され、内部に燃料通路を形成する。スプリング63は、一端部でアジャスティングパイプ64に係止され、他端部で可動コア6に係止される。アジャスティングパイプ64の圧入量を調整することによって可動コア6に加わるスプリング63の荷重を変更し、スプリング63の付勢力により可動コア6およびノズルニードル5は、下方(後述する弁座22(図3))に向けて付勢される。
ターミナル72は、コネクタ73にインサート成形され、スプール71に巻回されているコイル7と電気的に接続される。コイル7に通電することによって、可動コア6と固定コア62との間に磁気吸引力が働き、スプリング63の付勢力に抗し可動コア6は固定コア62側に吸引される。
フィルタ8は、固定コア62の燃料上流側に設置され、燃料噴射弁1に供給される燃料中の異物を除去する。フィルタ8を通して固定コア62内に流入した燃料は、アジャスティングパイプ64内の燃料通路、可動コア6内の燃料通路、流出孔61、弁ハウジング2の内周壁とノズルニードル5の外周壁との間を順次通過する。弁ボディ20は、弁ハウジング2の燃料噴射側端部内壁に溶接によって固定され、弁ハウジング2の内周壁とノズルニードル5の外周壁との間を通過した燃料は、弁ボディ20の先端側から10MPa(メガパスカル)から20MPaで噴射される。
弁ボディ20は、図3に示すように有底筒状に形成され、燃料流れ方向(図3において下側の方向)に向けて縮径する内面である円錐面21を有し、ノズルニードル5が着座可能な弁座22が円錐面21に形成される。また、弁ボディ20において弁座22に対し燃料流れの下流側に、燃料を噴射する8個の噴孔31−38が形成された噴孔形成部23が、弁ボディ20の底部として板厚Tが0.3mm(ミリメートル)から0.5mmで形成される。即ち、噴孔形成部23は、円錐面21に弁座22を有する弁ボディ20と一体的に形成される。
コイル7に通電しないとスプリング63の付勢力によってノズルニードル5が、弁座22に向けて付勢され、これによって、ノズルニードル5が弁座22に着座して噴孔31−38からの燃料噴射が遮断される。一方、コイル7に通電すると可動コア6と固定コア62との間に磁気吸引力が働き、スプリング63の付勢力に抗し可動コア6が固定コア62側に吸引される。これによって、ノズルニードル5が弁座22から離座して噴孔31−38からの燃料噴射が許容され、燃料が噴射される。
燃焼室14に適切に燃料を噴射するために、即ち、図3で示す噴霧Bの形状を得るために、図3と図5に示すように、噴孔形成部23において8個の噴孔31−38を複雑な配置関係で配置する。具体的に、図3と図5に示すように、各噴孔31−38の入口31b−38bと出口31a−38aを結ぶ各噴孔線を、軸線Aに対して傾斜するように形成し、軸線Aに対する噴孔線の傾斜角と傾斜方向とが各噴孔31−38において異なるように形成する。したがって、図5に示すように、8個の噴孔31−38において入口31b−38bの配置と出口31a−38aの配置が互いに相似な配置関係から外れ、8個の噴孔31−38が複雑な配置関係になっている。
ここで、図6に基いて、「各噴孔線(図6中の矢印Fに対応する)を軸線Aに対して傾斜する」を詳述する。軸線(中心軸)Aを通過する面AAに対して1方向に傾斜する傾斜角θa−θdで、即ち、各噴口31−38における面AAと平行な仮想面AAa−AAdに対する傾斜角θa−θdで、θa<θb<θc<θdとなるように、各噴孔線を図6の紙面内において傾斜させる。また、複数の噴口31−38の出口31a−38aをつなぐ環状円の大きさを、複数の噴口31−38の入口31b−38bをつなぐ環状円の大きさよりも大きく設定することにより、軸線Aから径方向に向けて傾斜する方向へ、即ち、軸線Aに対して傾斜する方向へ各噴孔線を傾斜させる。
したがって、「各噴孔線を軸線Aに対して傾斜する」とは、各噴孔線を図6の紙面内において傾斜させる傾斜角θa−θdと、軸線Aに対して傾斜する方向へ各噴孔線を傾斜させる傾斜角とが組み合わされた方向へ、各噴孔線を傾斜することをいう。
噴孔31−38の形状は、真円または楕円のいずれでも可能であり、8個の噴孔31−38は、一重の環状に配置され、プレス加工、レーザ加工または放電加工により形成される。噴孔31−38は、その内径値Dが0.1mmから0.3mmで形成され、隣接する噴孔31−38の出口31a−38aの間隔P1を互いに略等しくさせ、且つ、隣接する噴孔31−38の入口31b−38bを互いに重ねないようにさせる。
具体的に、噴孔31−38の内径値Dに対して1.8倍から2.2倍の範囲内で、間隔P1を互いに略等しくさせる。また、入口31b、38bを干渉する直前まで近接させ、出口31a、38aの間隔P1を小さくして、隣接する噴孔31−38の出口31a−38aの間隔P1を互いに略等しくさせ、且つ、隣接する噴孔31−38の入口31b−38bを互いに重ねないようにさせる。尚、図5においては、出口31a、38aの間隔P1と、出口34a、35aの間隔P1のみ示し、他の出口31a、32aの間隔P1等は、図面を見易くするため省略している。
次に、本実施形態において図5に示す噴孔31−38配置によるデポジット成長の抑制効果を、図7に示す比較例と比較して、図3および図5から図8に基いて説明する。
図5に示す噴孔31−38配置の噴孔形成部23では、図3で示す噴霧Bの形状を得るために、図6に示すように、一重の環状に配置された8個の噴孔31−38から矢印F方向へ燃料を噴射させる。即ち、噴孔31−38が環状に配置された部位(環状部位)の外側へ傾斜させて各噴孔31−38から燃料を噴射させる。この環状部位の外側領域ではデポジット領域DP1が生じ、環状部位の内側領域ではデポジット領域DP2が生じる。図6からわかるように、デポジット領域DP1とデポジット領域DP2は、この環状部位によって分離されている。
一方、図7に示す比較例では、隣接する噴孔310−380の入口310b−380bの間隔P2を互いに略等しくさせる。尚、図7においては、入口310b、380bの間隔P2と、入口340b、350bの間隔P2のみ示し、他の入口310b、320bの間隔P2等は、図面を見易くするため省略している。
上述したように、図3で示す噴霧Bの形状を得るために、8個の噴孔310−380が複雑な配置関係になっている。このため、間隔P2を互いに略等しくさせることによって、隣接する噴孔310−380の出口310a−380aの間隔が略等しい状態でなくなる。具体的に、図7に示すように、出口310a、380aの間隔P11が、出口34a、34aの間隔P12に比較して大きくなっている。
図7に示す噴孔310−380配置の噴孔形成部230でも、図3で示す噴霧Bの形状を得るために、図8に示すように、一重の環状に配置された8個の噴孔310−380から矢印F方向へ燃料を噴射させる。即ち、噴孔310−380が環状に配置された部位(環状部位)の外側へ傾斜させて各噴孔310−380から燃料を噴射させる。この環状部位の外側領域ではデポジット領域DP10が生じ、環状部位の内側領域ではデポジット領域DP20が生じる。
図8からわかるように、外側領域では、燃料を噴射させる矢印F方向へデポジットが形成されてない領域が延びている。これは、噴孔310−380からの燃料噴射によって矢印F方向へ向かって残留燃料を吹き飛ばすためと考えられる。したがって、デポジット領域DP10からデポジットが成長して噴孔310−380内部にまで侵入する可能性と比較して、デポジット領域DP20からデポジットが成長して噴孔310−380内部にまで侵入する可能性が高いと考えられる。したがって、デポジットが成長して噴孔310−380内部にまで侵入することを抑えるためには、デポジット領域DP20の成長を抑制する必要がある。
また、図6と図8との比較からわかるように、内側領域では、デポジット領域DP20は、デポジット領域DP2より大きくなっている。また、デポジット領域DP1とデポジット領域DP2が環状部位によって分離されているのに対して、デポジット領域DP10とデポジット領域DP20は、大きい間隔P11の出口310a、380a間の領域を通してつながっている。
これは、各噴孔310−380から燃料が噴射されるため、燃料噴射時に内側領域が負圧になり、隣接する噴孔310−380の出口310a−380aの間隔が大きい領域(図7と図8において出口310a、380a間の領域)を通して噴霧Bの一部や外側領域に付着している残留燃料が外側領域から内側領域に引き込まれたためと考えられる。これによって、デポジット領域DP10とデポジット領域DP20が出口310a、380a間の領域を通してつながると共に、内側領域でデポジットの成長が促進され、デポジット領域DP20がデポジット領域DP2より大きく成長したものと考えられる。
これらの結果、図7に示す比較例では、大きい間隔P11の出口310a、380a間の領域を通してデポジット領域DP20の成長が促進され、デポジット領域DP20からデポジットが成長して噴孔310−380内部にまで侵入することが懸念される。
これに対して、本実施形態による図5に示す噴孔31−38配置では、噴霧Bの一部等が内側領域に引き込まれることを抑制するために、隣接する噴孔31−38の間隔P1を大きくしないようにしている。即ち、8個の噴孔31−38を一重の環状に配置し、隣接する噴孔31−38の出口31a−38aの間隔P1を互いに略等しくさせている。このため、デポジットが生じる噴孔31−38の出口31a−38a側において、内側領域の全外周を、間隔P1が互いに略等しい出口31a−38aからの噴霧によって取り囲むことができる。
したがって、内側領域の全外周を、燃料噴射時に噴孔31−38から噴射されている噴霧によって環状部位の外側領域から遮断できる。これにより、噴霧の一部や残留燃料が外側領域から内側領域に引き込まれることを抑制でき、内側領域でデポジットの成長を抑制できる。つまり、デポジット領域DP2をデポジット領域DP20より小さくできる。
具体的に、噴孔31−38の内径値Dに対して1.8倍から2.2倍の範囲内で、間隔P1を互いに略等しくさせ、内径値Dに対して2.2倍以下に間隔P1を抑えて、噴霧Bの一部等が内側領域に引き込まれることを抑制している。また、内径値Dに対して1.8倍以上に間隔P1を設定して、噴孔形成部23の強度を確保している。
また、隣接する噴孔31−38の入口31b−38bを互いに重ねないようにさせているため、隣接する噴孔31−38からの噴霧同士の干渉を抑えて、燃料を良好に噴射できる。
(変形例)
上述の例では、噴孔形成部23を、弁ボディ20の底部として弁ボディ20と一体的に形成したが、これに限らない。噴孔形成部23の代わりに、噴孔31−38が形成された有底筒状の噴孔プレートを、弁ボディ20と別体で設け、噴孔プレートを、弁ハウジング2と弁ボディ20との間に挟持される構成とすることも可能である。
上述の例では、噴孔形成部23を、弁ボディ20の底部として弁ボディ20と一体的に形成したが、これに限らない。噴孔形成部23の代わりに、噴孔31−38が形成された有底筒状の噴孔プレートを、弁ボディ20と別体で設け、噴孔プレートを、弁ハウジング2と弁ボディ20との間に挟持される構成とすることも可能である。
また、上述の例では、噴孔31−38を8個としたが、5個ないし15個のいずれかの個数とすることが可能である。
また、上述の例では、噴孔形成部23を平板状に形成したが、燃料噴射側へ若干凸状に湾曲する形状とすることも可能である。
以上、本実施形態による燃料噴射弁1は、燃料噴射弁1の長手方向の軸線Aに対して噴霧Bの中心軸Cを傾斜させて燃料を噴射する燃料噴射弁1であって、燃料を噴射する5個ないし15個のいずれかの個数の噴孔31−38が、一重の環状に配置された噴孔形成部23を備え、隣接する噴孔31−38の出口31a−38aの間隔P1を互いに略等しく配置させる。これにより、環状に配置された複数の噴孔から、燃料噴射弁の長手方向の軸線に対して傾斜させて燃料を噴射する燃料噴射弁において、噴孔が環状に配置された部位の内側領域でデポジットの成長を抑制できる。
尚、上述した例に限らないで、これらの組み合わせや、他の種々の変形例が考えられる。
1 燃料噴射弁、2 弁ハウジング、20 弁ボディ、21 円錐面(内面)
22 弁座、23 噴孔形成部、31−38 噴孔、31a−38a 出口
31b−38b入口、4 筒部材、41 第1磁性筒部、42 非磁性筒部
43 第2磁性筒部、5 ノズルニードル、51 端部、6 可動コア
61 流出孔、62 固定コア、63 スプリング、64 アジャスティングパイプ
7 コイル、71スプール、72 ターミナル、73コネクタ、8 フィルタ
10 シリンダブロック、11 シリンダヘッド、12 ピストン、13 点火プラグ
14 燃焼室、A 軸線、B 噴霧、C 中心軸、D 内径値
DP1、DP2、DP10、DP20 デポジット領域、AA 面
AAa−AAd 仮想面、θa−θd 傾斜角
22 弁座、23 噴孔形成部、31−38 噴孔、31a−38a 出口
31b−38b入口、4 筒部材、41 第1磁性筒部、42 非磁性筒部
43 第2磁性筒部、5 ノズルニードル、51 端部、6 可動コア
61 流出孔、62 固定コア、63 スプリング、64 アジャスティングパイプ
7 コイル、71スプール、72 ターミナル、73コネクタ、8 フィルタ
10 シリンダブロック、11 シリンダヘッド、12 ピストン、13 点火プラグ
14 燃焼室、A 軸線、B 噴霧、C 中心軸、D 内径値
DP1、DP2、DP10、DP20 デポジット領域、AA 面
AAa−AAd 仮想面、θa−θd 傾斜角
Claims (4)
- 燃料噴射弁の長手方向の軸線に対して噴霧の中心軸を傾斜させて燃料を噴射する燃料噴射弁であって、
燃料を噴射する5個ないし15個のいずれかの個数の噴孔が、一重の環状に配置された噴孔形成部を備え、
隣接する前記噴孔の出口の間隔を互いに略等しく配置させることを特徴とする燃料噴射弁。 - 隣接する前記噴孔の入口を互いに重ねないことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
- 隣り合う前記噴孔間における前記出口の間隔は、前記噴孔の内径値に対して1.8倍から2.2倍の間に設定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料噴射弁。
- 前記噴孔形成部が、内面に弁座を有する弁ボディと一体的に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
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DE200810000316 DE102008000316A1 (de) | 2007-02-28 | 2008-02-15 | Kraftstoffinjektor |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007048593A JP2008208817A (ja) | 2007-02-28 | 2007-02-28 | 燃料噴射弁 |
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---|---|
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DE (1) | DE102008000316A1 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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