JP2008208613A - 居住用空間を有する球形構造体とその製造方法 - Google Patents

居住用空間を有する球形構造体とその製造方法 Download PDF

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【課題】本発明は、人が住んだり、荷物を収めたり、雨風をしのいだりする等建物として使用できる比較的狭小な球形の居住空間を手軽に提供できる球形構造体とその製造方法に関する。
【解決手段】形成しようとする球形の軸極となる部分に一対の輪状開口基材を、その球形の直径寸法の直径寸法の間隔だけ離して相対応するように配設し、その相対応するように配設した開口基材の間に可堯性を有する長尺板材を交差アーチ状に架構するとともに、当該交差アーチの中間部に長尺板材により球軸と直角方向に周回する赤道部交差アーチ材を架構して2つの開口部を有する球形フレームを形成し、その球形フレームの外周に曲面状の外壁材又は曲面状に変形し得る外壁材を取り付けて2つの開口部を有する球形ドームを構築し、当該球形ドーム内に床面を形成するとともに、開口部の一方を出入口となし他方の開口部を窓となるように構造的に形成したことを特徴とする居住用空間を有する球形構造体である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、人が住んだり、荷物を収めたり、雨風をしのいだりする等建物として使用できる比較的狭小な球形の居住空間を手軽に提供できる球形構造体とその製造方法に関する。
建物は、直方体、円錐、円筒、球など様々な立体を組み合わせて空間を囲い形造られるものである。その建物の形は、建物の用途、デザイン、環境との調和などによって決められるが、現実には建て易さと、コスト等の理由から、そのほとんどは直方体を基本として造られていることが多い。
しかし、理論的には、球形の建物が自然界の法則に合った理想的な建物とされている。なぜなら、球形が、同じ体積の空間を最も小さな表面積で囲うことができる合理的な立体であり、構造力学的にも強いうえ、その内部の球形空間は省エネルギー、高断熱性、高気密性など住環境を整えるに適した機能性に富んでいるからである。
しかし、人が使う建物として実際球形を採用しているのはまれであり、特に小型の全球形の建物というのは殆ど見当たらない。従来より建物として外観上屋根構造を球面様にしたドーム状建造物や、屋根だけを部分的にアーチ状にしたアーチ状建造物が各地で建設されている。しかし、当該ドーム状建造物は決まって大型の大空間構造物であり、アーチ状建造物は、屋根の部分だけアーチ状に形成して円筒形状の壁面とを組合わせた円塔状建物であることが多い。しかもそれらドーム状建造物は正確には球曲面ではなく、多数の三角形、五角形、六角形等の平面の集合体という近似的球面構造物であることが多い。実際のドーム状建造物がこのように平面の集合体である近似的球面構造物なっているのは、球面構造を平面では形成出来ないこと、球面構造を設計するのがややこしくて複雑なこと、球形を造るために資材を適正な曲線や曲面状に加工するのに手間がかかり大変だからである。
建築家R・バックミンスター・フラー博士は、このような球形建物のすばらしさに着目しながら、その製造の困難性と力学的強度を考慮して、直線と平面(三角形)を使って球に近い形を造れれば簡単に効率よく建造できることを提案した。このような近似的な球体形成方法を一般には、「フラードーム(フラー博士の提案したドーム)」または「Geodesic Dome(測地線ドーム)」と称されている。当該「フラードーム」または「Geodesic Dome(測地線ドーム)」とは、球面上の任意の3点を頂点とする三角形で構成された球に内接する多面体構造物である(以下フラードームと称する)。
当該「フラードーム」の原理は、図16に示すように、すべての面が同じ形をしている立体で、できるだけ球形に近い空間を造るために、正三角形多面体にするというものである。具体的には、図16(イ)に示すように当該正20面体を近似的球形の基本形としたのである。なぜなら、正20面体の場合、すべての面に無駄が無く、外力に対して最も強い形である「正三角形」で構成できているからである。しかも、当該正20面体は、オルタネート分割(辺に平行な線で分割する方法)又はトリアコン分割(頂点と辺をつなぐ線で分割する方法)によって、すべての面を多数の正三角形の正多面体に分割することができる特性がある。図16(ロ)は、正180面体にオルタネート分割したものであり、図16(ハ)は、正340面体にオルタネート分割したものである。このように三角形多面体の分割数を多くすればするほど、球形に近い形状にすることができるのが特徴である。しかも図16(二)に示すように、半曲面ドームにしたり、接続している正三3角形毎に開口部を穿設することも容易であり、多様な態様での応用が可能であるため、「フラードーム」の原理を利用したドーム状建造物が各地で採用され普及している。
従来の特許情報としても、ほぼ全球形状の建物というのは少なく、ほとんどが球体の一部曲面をカットして使用するドーム屋根構造物である。しかもこれらのドーム屋根構造物は、フラードームの構築方法を応用した三角形や五角形や六角形のブロックを基本資材として、これを集合させ球形近似の多面体構造物に構築されている場合がほとんどである。このように多面体構造物である場合、隣接する各ブロックの厚みのある継ぎ目部分の防水を実現することが難しく、これが施工時に解決しなければならない大きな技術的課題となっている。
例えば、特許公開平11−62003号のドームの構築方法は、ドームの構築方法に関するものであって、曲面を有し、同じ辺長の六角形ブロックAと五角形ブロックBを組み合わせて、球体近似構造物を構築することを特徴とする、ドームの構築方法である。これは、簡単な方法により、作業性の良い安価なドームの構築方法である(図17)。しかし、この方法もブロック集合体方式のものであり、前もって各ブロックに適切な球曲面を形成した資材を製造しておかなければならないのが技術的に非常に難しいうえ、集合する際の各ブロックの接合部を防水処理するのに手間がかる等の難点がある。
特許公開平8−333892号は、外周面が、球体構造物の半径に対応した半径の円弧面状に形成されたフレーム状組立式型枠支持材Cと、これを使用して球体構造物を構築する施工方法である(図18)。当該先行発明は、球形のコンクリート打設をするためのフレーム状組立式型枠支持材Cが記載されているだけである。その効果は、打設したコンクリートが硬化した後、当該フレーム状組立式型枠支持材Cを分解し易くするためのものである。この先行発明は、設計の難しい円弧面状を前もって形成しておく必要があり、多数のフレーム状組立式型枠支持材Cを組立てることにより球形型枠を構築するだけのものである。しかもこの球形型枠自体は建物自体の構造物の一部になるのではなく、コンクリート打設するための型枠であって、本質的に異なる技術思想である。
特許公表2002−542410号は、半円球形状のドーム構造物で、その支持構造が記載されている。これは少なくとも一つの上部リング部材Dと当該上部リング部材の直径よりも大きい直径を有する下部基礎Eと、上部リング部材Dから下方に延在する初めは真直ぐな複数の構造部材F,Fとからなり、当該構造部材F,Fのそれぞれが上部リング部材Dと下部基礎Eとの間に固設されている。この細長い構造部材F,Fは、初めは真っ直ぐに固設されているが、後でこれを弾性変形して、上部部材と下部基礎との間でほぼS字型の格子形状をなすものである(図19)。しかし、これは球形空間を造るものではなく、曲面をもった笠形の建物やドーム構造物を構築するにすぎない。
その他、前記フラードームの理論を応用したドーム構造屋根を構築する先行技術例として、特許公表2000−517015号「二重網状組織ドーム構造」(図20)などがある。これはドーム構造の屋根を有する構造物を構築するものであるが、屋根の部分だけ曲面Gで構成されているが、側面部や下面部まで曲面状になっているものではなく、本発明のように全球形状のものでもない。しかも、これらの発明は球形類似の三角形(平面)が集合した多面体構造物Hであって円滑な球形構造物ではない。
特許資料
特許公開平11−62003号
特許公表2002−542410号
特許公表2000−517015号
特許公開平6−26103号
前述したように、理論的には、球形の建物が自然界の法則に合った理想的な建物とされているが、それは次のような特徴を有しているからである。
(1)球形の建物は、最小限の建築材料で、最も広い居住空間を確保できる。従って、少ない建築材料で軽量に構築することができるし、経済的に効率よく広い空間を構築することができる。
(2)球形の建物は、力学的に強い強度をもち、耐候性と耐震性に優れている。つまり、球形の建物は、上から潰そうとする垂直方向の圧力に強いだけでなく、地震や風圧など横方向の外力に対しても強いうえ、基礎に大きな力がかかることもない。また、雪が積った時のように部分的に加わる圧力もその多くの力を周囲に分散伝達して耐えるため、力学的に強い強度をもち、厳しい自然環境の変化にも耐え得る堅牢なものとなる。
(3)球形空間は、住環境の快適性を得ることができる機能性に優れている。球形空間は、表面積が小さく内部ボリュームが大きいのでエネルギー消費を30%〜50%節約でき、夏涼しく冬暖かい優れた省エネルギー効果を発揮するし、開放的な室内空間は音響効果も優れている。また、接合部が少なく高機密なため、内部の熱が逃げにくいメリットがある。このように球形空間は、住環境の快適性を得るのに優れた機能を有しているといえる。
にもかかわらず、建物として実際球形を採用しているのはまれであり、特に小型の球形建物というのは殆ど見当たらない。なぜなら理論上球体面を平面では形成出来ないこと、その球面構造を設計するのがややこしくて複雑なこと、球形を造るための資材を適正な曲線や曲面に加工しなければならないが、これには手間がかかり大変なうえ、建設コストも高くなるからである。更に、球形構造体に開口を設けた場合構造的に大きく弱化するため、建物としての耐候性や耐震性に不安が生じる虞があるからである。
本発明は、前記のような技術的課題を解決して、美しいデザインの球形構造体であっても、厳しい自然環境に耐えられる堅牢さを備えており、住環境にすぐれた比較的狭小な球形居住空間を、簡単に且つ経済的に提供せんとするものである。
また、本発明者は、このような狭小な球形の居住空間を独立した建物として提案することにより、これをプライベートな個室として使ったり、小人数での会合や食事や仕事の場として小室的に使ったり、物を収納する小屋として使ったりして、新しい生活習慣や居住環境やサービス提供環境ができることを目指している。
本発明者は、上記の目的を達成するために、まず第1に、円滑な球曲面を形成するために可堯性を有する長尺板材を用いてこれを湾曲させるとともに捩れさせることにする。第2に、開口部を確保するために一対の輪状開口基材を用いることにより、構造的弱化を最小限に抑えた入口や窓などの開口を有する球面体とする。第3に、一対の輪状開口基材の間に前記可堯性を有する長尺板材をアーチ状に湾曲しながら架構固定する。第4に、当該長尺板材は交差アーチ状に架構して力学的強度を高める。第5に、基準軸体に一対の開口基材用軸着部材を、形成しようとする球形フレームの直径寸法の間隔だけ離して軸着し、球形フレーム用組立冶具を用いることにより簡単に球形ドームを構築することができるようにする。第6に、球形ドーム内に床面を形成し、前記開口部の一方を出入口となし、他方の開口部を窓となるようにして、簡単に居住用空間を有する球形構造体を構築することができるようにする。上記のような基本的発想により本発明を完成させたものである。
特許を受けようとする第1発明は、形成しようとする球形の軸極となる部分に一対の輪状開口基材を、その球形の直径寸法の間隔だけ離して相対応するように配設し、その相対応するように配設した輪状開口基材の間に可堯性を有する長尺板材を交差アーチ状に架構して軸極部分に一対の開口部を有する球形フレームを形成し、その球形フレームの外周に曲面を有する外壁材又は曲面状に変形し得る外壁材を取り付けて2つの開口部を有する球形ドームを構築し、当該球形ドーム内に床面を形成するとともに、前記開口部の一方を出入口となし、他方の開口部を窓となるように構造的に形成したことを特徴とする居住用空間を有する球形構造体である。
当該第1発明は、居住用空間を有する球形構造体の基本発明である。当該球形構造体は、自然に適合する美しいデザインであり、風雨や雪や地震などの厳しい自然環境に耐えられる堅牢さを備えているうえ、球形空間は省エネルギー、高気密性、音響効果の優秀性など住環境に優れていることから望ましい居住空間であるとされている。特に、本発明は、従来のドーム構造物のように大型空間を形成するためのものではなく、比較的小型の球形をした狭小の居住空間を提供することができるのである。具体的には、直径約2m〜10m位の球形構造体にするのが望ましいと考えている。
球形構造体は、小型になればなるほど球曲面の曲がりが大きくなってその円滑で美しい球形を構築するのが難しくなる。そこで本発明者は、球形構造体を造るのに従来のようにブロックの集合体方式ではなく、可堯性を有する長尺板材を捻りながら湾曲させて球曲面を形成しながら複数本の長尺板材を交差アーチ状に架構して球形フレームを形成する方式を想起した。なぜなら、可堯性を有する板材は、それ自体加工成形が容易で単純な線材であり、これを並べれば2次元平面を造ることができるうえ、これに曲げと捻りを加えれば、容易に3次曲面の構成部材とすることができるからである。このように、可堯性を有する板材のもつ機能を最大限引き出すことにより、従来考えることのできなかった力学的に充分な強度を維持しながら出入口や窓などの開口を有する球面構造体を造ることが可能であると考えたからである。
つまり、その球形フレームの外周面に曲面を有する外壁材又は曲面状に変形し得る外壁材を取り付けるだけで簡単に全球形状の建造物を構築することができる。しかも、このようにして出来る全球形状の建造物は、外殻面を構成する基本部分が凹凸のない滑らかな曲面となるため、防水工事が簡単になるうえ、薄肉梁により構築された球形構造体となるため、広い球形空間を形成できる。その結果、本発明により簡単にデザイン的に美しく、堅牢で、効率的に居住空間を構築することができることとなった。
尚、可堯性を有する長尺板材としては、木質製板材、合板材、集成材、金属製板材などのいずれでも良い。当該長尺板材は、使用前は平面状の細長い薄板材となっているため、軽量なうえ揃えて纏めれば小形となり持ち運びも簡単になるし、アーチ状に捻り湾曲させる度合いも簡単に調整できるので取り扱いや加工が簡単となる。
また、当該長尺板材を交差アーチ状に架構したのは、球面上で交差させることにより菱形網目構造を構成し、力学的強度を強めて耐力を向上させるためである。
更に、一対の輪状開口基材を用いたのは、球形構造体に出入口と窓を構成するためである。構築された比較的小さな球形構造体に開口部を設けると、外力を分散して支持しようとする球形においては力学的強度が大きく減衰してしまうので、強度を維持しながら開口部を形成することは難しい。そこで、長尺板材をアーチ架構して固定する部材を当初より開口部の有する輪状開口基材とし、その開口部を塞がないように固定することにより、耐久力を強めることはあっても低下させることのない開口部を確実に形成することができるようにしたものである。
本発明により、美しく、堅牢で、居心地の良い比較的狭小な球形居住空間を、簡単且つ経済的に提供することができることになった。
特許を受けようとする第2発明は、形成しようとする球形の軸極となる部分に一対の輪状開口基材を、その球形の直径寸法の間隔だけ離して相対応するように配設し、その相対応するように配設した開口基材の間に可堯性を有する長尺板材を交差アーチ状に架構するとともに、当該交差アーチの中間部に長尺板材により球軸と直角方向に周回する赤道部交差アーチ材を架構して2つの開口部を有する球形フレームを形成し、その球形フレームの外周に曲面を有する外壁材又は曲面状に変形し得る外壁材を取り付けて2つの開口部を有する球形ドームを構築し、当該球形ドーム内に床面を形成するとともに、開口部の一方を出入口となし他方の開口部を窓となるように構造的に形成したことを特徴とする居住用空間を有する球形構造体である。
当該第2発明は、第1発明に係る居住用空間を有する球形構造体に長尺板材により球軸と直角方向に周回する赤道部交差アーチ材を追加架構して、力学的強度の強化と正確な設計上の球形寸法の保持を具現化したものである。本発明の場合、一対の輪状開口基材は、球形の直径寸法の間隔だけ離して相対応するように配設してあるので軸心方向の寸法は正確に確保されているが、赤道方向への直径寸法を正確に確保することが難しい。そこで、当該交差アーチの中間部に長尺板材により球軸と直角方向に周回する赤道部交差アーチ材を追加することにより、赤道方向への直径寸法を明確にし、これに接触交差させながら長尺板材を交差アーチ状に架構するだけで正確な赤道方向の寸法を確保するとともに、出来る球形フレームの力学的強度を強化するようにしたのである。
特許を受けようとする第3発明は、外壁材の概念を明確にしたものである。本発明における外壁材とは、断熱材と防水被膜と保護材とが組み合わされたもの、または防水被膜と保護材だけからなるもののいずれかであり、当該保護材とは、曲面を有する窯業系保護部材、可堯性を有し曲面を形成するように変形し得る木質系保護部材、可堯性を有し曲面を形成するように変形し得る金属系保護部材、可堯性を有し曲面を形成するように変形し得る合成樹脂系保護部材、可堯性を有し曲面を形成するように変形し得るシート状保護部材又はこれらの組合せ部材のいずれかであることを特徴とする第1発明又は第2発明に記載する居住用空間を有する球形構造体である。
外壁材の構成は、断熱材と防水被膜と保護材とが組み合わされたもの、または防水被膜と保護材だけからなるもののいずれであっても良い。即ち、断熱材は、気温が低く過ぎたり暑過ぎたりする場合にだけ必要な構成部材である。保護部材の種類を具体的に例示すると、窯業系保護部材とは、タイル、セラミック、レンガ、などで製造されたものであり、木質系保護部材とは、板材、合板、竹製などの有機系材料を主体にして製造されたものであり、金属系保護部材とは、鋼板、鉄板、合金などの金属製材を主体にして製造されたものであり、合成樹脂系保護部材とは、合成樹脂製材を主体にして製造されたものであり、シート状保護部材とは、布製、合成樹脂製シート、テント用シートなどである。更に、これら各種材質のものを組み合わせて製造された保護材であっても良いこと勿論である。
特許を受けようとする第4発明は、可堯性を有する長尺板材とは、長尺な木質板材、長尺な集成材、長尺な金属製板材、長尺な合板材いずれかであることを特徴とする第1発明又は第2発明に記載する居住用空間を有する球形構造体である。
当該第4発明は、第1発明又は第2発明の構成部材である長尺板材の概念を明確にしたものである。
特許を受けようとする第5発明は、2つの輪状開口基材と、設計上必要な本数の可堯性を有する長尺板材と、固定用部品と、基準軸体と当該基準軸体に着脱自在な2つの開口基材用軸着部材と赤道部交差アーチ材用軸着部材とからなる球形フレーム用組立冶具とを用意しておき、前記基準軸体に2つの開口基材用軸着部材を、形成しようとする球形フレームの直径寸法の間隔だけ離して軸着して球形フレーム用組立冶具を組立る。そのうえで、当該球形フレーム用組立冶具の2つの前記開口基材用軸着部材には前記輪状開口基材を相対応するように装着し、前記相対応するように装着配設された輪状開口基材の間に可堯性を有する長尺板材を捻り湾曲しながら交差アーチ状に架構し、これを固定用部品で固定して、2つの開口部を有する球形フレームを形成する。その後、当該球形フレームの外周に曲面を有する外壁材又は曲面状に変形し得る外壁材を取り付けて2つの開口部を有する球形ドームを構築する。その上で、当該球形ドーム内に床面を形成するとともに、2つの開口部を出入口と窓に構造的に形成したことを特徴とする居住用空間を有する球形構造体の製造方法である。
当該第5発明は、球形フレーム用組立冶具を用いた居住用空間を有する球形構造体の製造方法である。当該球形フレーム用組立冶具は、交差アーチ状に2つの輪状開口基材と、設計上必要な本数の可堯性を有する長尺板材と、固定用部品とからなる資材と、組み立て自在な球形フレーム用組立冶具とを用意する。当該組み立て自在な球形フレーム用組立冶具は、基準軸体と当該基準軸体に着脱自在な2つの開口基材用軸着部材と赤道部交差アーチ材用軸着部材とからなる。この球形フレーム用組立冶具は、基準軸体を中心として軸着構成されているので、この基準軸体を回転しながら長尺板材を交差アーチ状に架構作業をすることができる。このように本発明は、足場を造ることなく簡単に球形フレームを形成することができる。同様に基準軸体を回転しながら外壁材を取り付けることができるので、簡単に球形ドームを構築することが可能である。更に、あらかじめ堅牢な開口部の形成されている輪状開口基材を使用しているので、当該開口部に出入口や窓を構造的に形成することが簡単にできるし、当該開口部を介して内部の床面形成や、内装工事を容易に施工することもできる。
本発明は、建物構築のために常識となっている足場を築いたり用意すること無く、第1発明に係る居住用空間を有する球形構造体を簡単に製造することができるという利点がある。
特許を受けようとする第6発明は、2つの輪状開口基材と、設計上必要な本数の可堯性を有する長尺板材と、赤道部交差アーチ材と、固定用部品と、基準軸体と当該基準軸体に着脱自在な2つの開口基材用軸着部材と赤道部交差アーチ材用軸着部材とからなる球形フレーム用組立冶具とを用意しておき、まず、前記基準軸体に2つの開口基材用軸着部材を、形成しようとする球形フレームの直径寸法の間隔だけ離して軸着するとともに、赤道部交差アーチ材用軸着部材を軸着して球形フレーム用組立冶具を組立てておく。そのうえで当該球形フレーム用組立冶具の2つの前記開口基材用軸着部材には前記輪状開口基材を相対応するように装着するとともに、赤道部交差アーチ材用軸着部材には可堯性を有する長尺板材にて形成された赤道部交差アーチ材を装着し、前記相対応するように装着配設された一対の輪状開口基材の間に可堯性を有する長尺板材を捻り湾曲しながら交差アーチ状に架構し、固定用部品で固定するとともに、当該交差アーチ状に架構したフレームと赤道部交差アーチ材とも交差するように架構し、固定用部品で固定するとともに、2つの開口部を有する球形フレームを形成する。
その後、球形フレームの外周に曲面を有する外壁材又は曲面状に変形し得る外壁材を取り付けて2つの開口部を有する球形ドームを構築し、当該球形ドーム内に床面を形成するとともに、開口部を出入口と窓に構造的に形成したことを特徴とする居住用空間を有する球形構造体の製造方法である。
当該第6発明は、第5発明と同様に球形フレーム用組立冶具を用いた第2発明に係る居住用空間を有する球形構造体の製造方法である。本発明に係る球形フレーム用組立冶具は、基準軸体に当該赤道部交差アーチ材用軸着部材が軸着されている点が特徴である。また、本発明はその球形フレーム用組立冶具を利用して赤道部交差アーチ材を追加固定架構するようにした点が第5発明と相違する特徴点である。その相違により、より設計通りの寸法的に正確で、堅牢な球形構造体を簡単に且つ確実に製造することができるようになった。
当該第6発明も、第5発明と同様に、建物構築のために常識となっている足場を築いたり用意すること無く、第2発明に係る居住用空間を有する球形構造体を簡単に製造することができるのである。
第1発明、第2発明は、可堯性を有する長尺板材を用いてこれを湾曲させることにより円滑な球曲面を有する球形を形成することができ、輪状開口基材を用いることにより堅牢な開口部を確保することができ、また、一対の輪状開口基材の間に前記可堯性を有する長尺板材をアーチ状に捻り湾曲しながら架構固定するだけで、製造の困難な小形の球形構造体を簡単に形成することがでる。しかも、こうして出来た球形構造体は、長尺板材を交差アーチ状に架構固定し、菱形網目構造を形成することにより力学的強度を高めることができるようにした居住用空間を有する球形構造体を具現化できた。
その結果、第1発明、第2発明は、自然に適合する美しいデザインの全球形構造体である。しかも、この球形構造体は、雨・風・雪に耐えることができ、温度変化に対応できるなどの耐候性があり、地震にも強いなど、厳しい自然環境に耐えられる堅牢さを備えており、その内部にできる球形空間は、省エネルギー、高気密性、音響効果の優秀性など住環境にすぐれた比較的狭小な居住空間を有する球形構造体である。
本発明は、このような狭小な球形の居住空間を独立した建物として提案することにより、これをプライベートな個室として使ったり、小人数での会合や食事や仕事の場として小室的に使ったり、物を収納する小屋として使ったりして、新しい生活習慣や居住環境やサービス提供環境を具現化できる。
第5発明、第6発明は、簡単な構造の球形フレーム用組立冶具をもちいることにより、簡単に第1発明や第2発明に係る球形構造体を構築することができる製造方法である。特に、球形フレーム用組立冶具をもちいることにより、足場を築いたり用いたりしないでも良いので、大きな経済性がある製造方法である。
形成しようとする球形の軸極となる部分に一対の輪状開口基材を、その球形の直径寸法の直径寸法の間隔だけ離して相対応するように配設し、その相対応するように配設した輪状開口基材の間に可堯性を有する長尺板材を捻り湾曲しながら交差アーチ状に架構するとともに、当該交差アーチの中間部に長尺板材により球軸と直角方向に周回する赤道部交差アーチ材を架構して2つの開口部を有する球形フレームを形成し、その球形フレームの外周に曲面状の外壁材又は曲面状に変形し得る外壁材を取り付けて2つの開口部を有する球形ドームを構築し、当該球形ドーム内に床面を形成するとともに、開口部の一方を出入口となし他方の開口部を窓となるように構造的に形成したことを特徴とする居住用空間を有する球形構造体である。
以下、本発明に係る居住用空間を有する球形構造体とその製造方法 を図示実施例に基づいて説明する。まず、本発明の図示実施例を示す図面について説明する。
図1は、本発明に係る居住用空間を有する球形構造体を台座に設置した状態を示す前方の斜視図であり、図2は、同球形構造体を台座に設置した状態を示す後方の斜視図であり、図3は、同球形構造体を台座に設置構築した状態を示す正面図である。
図4は、本発明に係る球形構造体を形成するための球形フレームを台座に設置した状態を示す側面図であり、図5は、本発明に係る球形構造体を形成するための球形フレームの斜視図である。
図6は、本発明に係る居住用空間を有する球形構造体の他実施例を台座に設置した状態を示す前方の斜視説明図であり、図7は、図6に示した居住用空間を有する球形構造体を台座に設置した状態の構成を示す縦断説明図である。
図8は、本発明に係る球形構造体を形成するための球形フレームの構成を示す正面図である。
図9は、球形フレームを組み立てるための球形フレーム用組立冶具と、主要部材である一対の輪状開口基材と、複数の可堯性を有する長尺板材とを示す斜視図である。
図10は、球形フレーム用組立冶具を用いて、球形フレームを組み立てている状態を示す斜視図であり、図11は、球形フレーム用組立冶具を用いて、球形フレームの他実施例を組み立てている状態を示す斜視図であり、図12は、図11で示した球形フレームに外壁材を取り付けて完成された本発明に係る球形構造体の実施例を示す斜視図である。
図13は、本発明に係る球形構造体の実施例を係止索条で固設した状態を示す前方斜視図であり、図14は、本発明に係る球形構造体の実施例を係止索条で固設した状態を示す側方斜視図である。図15は、本発明に係る球形構造体を使用している状態を示す説明図である。
図16(イ)〜(ニ)は、フラードームの原理と態様を示す説明図であり、図17は、特許文献の特許公開平11−62003号の発明内容を示す説明図であり、図18は、特許文献の特許公表2002−542410号の発明内容を示す説明図であり、図19は、特許文献の特許公表2000−517015号の発明内容を示す説明図であり、図20は、特許文献の特許公開平6−26103号の発明内容を示す説明図である。
本発明は、球形の軸極となる部分に一対の開口部2,2を有する球形フレーム1を形成し、当該球形フレーム1の外周に曲面状の外壁材を取り付けて一対の開口部2,2を有する球形ドーム3を構築し、当該球形ドーム3内に床面4を形成するとともに、開口部2,2の一方を出入口2aとなし他方を窓2bとなるように構造的に形成したことを特徴とする居住用空間を有する球形構造体4である。
本発明は、球形フレーム1を一対の輪状開口基材5,5と可堯性を有する長尺板材6を用いて、球形状に組み立てたものである。これは従来の球形状建造物と称されている多面体構造物で構成されているフラードーム原理を応用した擬似球形体とは相違し、曲面が滑らかでデザイン的に美しいものであった。
本発明は、このように可堯性を有する長尺板材6,6,…をアーチ状に捻り湾曲させることにより面を構成する基本部分が凹凸のない滑らかな曲面を造ることができることに着目し、相対応するように配設した輪状開口基材5,5の間に当該可堯性を有する長尺板材6,6,…を交差アーチ状に架構するようにして、球形フレーム1を形成するようにしたものである。
ここで長尺板材6,6,…を交差アーチ状に架構するとは、図5、図8に示すように相対応するように配設した輪状開口基材5,5の間に左右両側に対称的に所定の角度を維持しながら架設するものである。このため、架設された複数の長尺板材6,6,…は、互いに交差しあって、複数の菱形網目構造が形成され、凹凸の殆どない滑らかな球面を有する球形フレーム1が形成されることになる。更に当該交差アーチの中間部に長尺板材6,6,…により球軸と直角方向に周回する赤道部交差アーチ材6aを架構することにより、湾曲によって形成される球形の赤道部の直径を設計通りに確保するようにしたものである。
尚、長尺板材6,6,…の交差部分を固定用部品9により固定すると、形成された菱形網目構造や球形フレーム1を固定化させることが望ましい。このように球形の曲面に菱形網目構造を形成することにより、球形フレーム1の物理的強度を高めるとともに、そのまま薄肉梁の構造体となるようにして、建造物の構造体として充分機能するようにしたものである。
本実施例においては、可堯性を有する長尺板材6,6,…として木質積層板(集成材)を採用した。このように木質積層板(集成材)を採用した理由は、次のような利点があるからである。(イ)木質積層板は、可堯性を有しており、簡単に捻り湾曲しながらアーチ状に湾曲させることができる。(ロ)木材はその力学的性質として、軽量で単位重量当りの強度が鉄や、コンクリートより強く、建物の軽量化が可能で、運搬や施工も容易になるので、取り扱い易く、コストダウンが可能となる。(ハ)木材は、断熱性に優れ、夏は涼しく、冬暖かいうえ、調湿能力に優れており、湿度の高い時は水分を吸収し、温度の変かがあっても結露を防ぐので、建築材料として日本の気候風土に適している。(二)木材は、人間の不快感を伴う高音部と低音部を吸収する働きがあり、程よい音響空間をつくるうえ、木材の有するやわらかさは心を落ち着かせてきれるので、居心地を良好にしてくれる。(ホ)木質は、塩分、薬品に強く、管理に留意すれば古代建築で実証するように半永久的な耐久性を実現することが可能である。(ヘ)集成材は、厚み、長さ、方向に自由に接着調整できるため、長大材や湾曲材を製造することができ、自由なデザインを必要とする強度の部材を容易に供給できる。(ト)積層材は、天然木が有する大節、割れなどの欠点を除き、積層することにより、品質を均一化し、強度性能を高めることができる。(チ)湾曲集成材用としてひき板を長尺板材として採用する場合は、湾曲部の最小曲率半径から10〜40mmの厚さが利用可能である。尚、利用度の高い比較的小径の球形面を作るのには15〜20mm程度の厚さのものが適している。
前記のように組み立て製造した球形フレーム1の外周に曲面状の外壁材7又は曲面状に変形し得る外壁材7を取り付けて一対の開口部2,2を有する球形ドーム3を構築する。図示実施例における外壁材7は、防水被膜と保護材部材と断熱材とを組み合わせたものである。具体的には、球形フレーム1の外周に断熱材を巻き付け、その外面に防水性を有するシート状保護材を取り付けて球形ドーム3にしたものである。
当該球形ドーム3内には、床面8を水平に形成するとともに、一対の開口部2,2の一方を出入口2aとなし他方の開口部2を窓2bとなるように構造的に形成して居住用空間を有する球形構造体4を完成した。
このようにして、製造された居住用空間を有する球形構造体4を嵌合できる凹部を有する台座14に設置固定することにより、人々に球形の居住空間を提供することができるようにした。この球形構造体4は、デザイン的に美しい球形となっているだけでなく、厳しい自然環境に耐えられる耐候性と堅牢さとを備えており、しかも住環境にすぐれた比較的狭小な球形居住空間となっている。図15は、このようにしてできた球形の居住空間を、茶室として使用している事例を示したものである。
次に、実施例1で示した居住用空間を有する球形構造体4の製造方法について説明する。
第一工程:図9に示すように、構成資材として、一対の輪状開口基材5,5と、設計上必要な本数の可堯性を有する長尺板材6,6,…と、赤道部交差アーチ材6aと、固定用部品9とを用意し、球形フレーム用組立冶具10として、基準軸体11と当該基準軸体11に着脱自在な一対の開口基材用軸着部材12と赤道部交差アーチ材用軸着部材13とを用意する。
第二工程:当該球形フレーム用組立冶具10は、基準軸体11に一対の開口基材用軸着部材12,12を、形成しようとする球形フレーム1の直径寸法の間隔だけ離して相対応するように軸着するとともに、その中間部には、赤道部交差アーチ材用軸着部材13を軸着して球形フレーム用組立冶具10を組立てておく。
第三工程:当該球形フレーム用組立冶具10の一対の前記開口基材用軸着部材12には前記輪状開口基材5,5を相対応するように装着するとともに、赤道部交差アーチ材用軸着部材13には可堯性を有する長尺板材にて形成された赤道部交差アーチ材6aを装着しておく。
第四工程:前記相対応するように装着配設された輪状開口基材5,5の間に可堯性を有する長尺板材6,6,…を捻り湾曲しながら交差アーチ状に架構し、固定用部品9で固定するとともに、赤道部交差アーチ材6aとも交差するように架構し固定用部品9で固定する。図示実施例の場合には、長尺板材6,6,…を輪状開口基材5,5に開口部を塞がないようにしながら右と左に所定の角度をもって架設する。具体的には、図8に示した一対の相対応する輪状開口基材5,5に対して最短方向の直角ではなく、所定の角度の付いた放射状に長尺板材6,6,…を架構したものである。図示実施例の場合は、一対の相対応する輪状開口基材5,5に取付け位置が18箇所ある場合に、左右ともそれぞれ5/18ずつずらした取付け位置に長尺板材6,6,…を架構固定することにより、交差アーチ状を形成するようにした。これによって、一対の口部2,2を有する球形フレーム1が形成されることになった。こうして出来る球形フレーム1は、滑らか球曲面の下地となる湾曲した薄肉梁により菱形網目構造を構成する構造体となっている。
第五工程:その後図11に示すようにデザインに応じてヒサシ用構造部材16を固定するとともに、外周に断熱材7aを装着し、その表面に外壁材を取り付けて、滑らかな球形ドーム3を構築する。
第六工程:その上で当該球形ドーム3内に床面8を形成するとともに、開口部2,2を出入口2aと窓2bに構造的に形成することにより居住用空間を有する球形構造体4を完成させる。尚、図7の17は、床面8を形成するための基礎部である。このようにして製造された居住用空間を有する球形構造体4を凹所を有する台座14に嵌合設置するか、図13、図14に示したように固定用索条15によって、地面に固定設置する。
本発明は、上記のように容易に組み立て可能な球形フレーム用組立冶具10を用いることにより、無足場で簡単に且つコストも安価に小型の球形構造体4を製造できることになった。こうして出来た小型の球形構造体4は、美しいデザイン性を有しながら、地震に強く、風雨や雪などの厳しい自然環境に耐えることのできる堅牢さを備えているので、多様な目的に利用できる居住空間(活動領域)を具現化できる。当該球形構造体4は、最小の面積で最大の容積を有する無駄のない居住空間であり、その球形空間は省エネルギー、高気密性、音響効果の優秀性に優れた住み心地の良い空間となる。このような特性をもった居住用空間を有する球形構造体4は、例えば、茶室、勉強部屋、プライベート小部屋、物置、キャンプ小屋、狭小住宅などアイデアにより多様な使い方ができるものである。
本発明に係る居住用空間を有する球形構造体を台座に設置した状態を示す前方の斜視図である。 本発明に係る居住用空間を有する球形構造体を台座に設置した状態を示す後方の斜視図である。 本発明に係る居住用空間を有する球形構造体を台座に設置構築した状態を示す正面図である。 本発明に係る球形構造体を形成するための球形フレームを台座に設置した状態を示す側面図である。 本発明に係る球形構造体を形成するための球形フレームの斜視図である。 本発明に係る居住用空間を有する球形構造体の他実施例を台座に設置した状態を示す前方の斜視説明図である。 図6に示した居住用空間を有する球形構造体を台座に設置した状態の構成を示す縦断説明図である。 本発明に係る球形構造体を形成するための球形フレームの構成を示す正面図である。 球形フレームを組み立てるための球形フレーム用組立冶具と、主要部材である一対の輪状の開口基材と、複数の可堯性を有する長尺板材とを示す斜視図である。 球形フレーム用組立冶具を用いて、球形フレームを組み立てている状態を示す斜視図である。 球形フレーム用組立冶具を用いて、球形フレームの他実施例を組み立てている状態を示す斜視図である。 図11で示した球形フレームに外壁材を取り付けることにより完成された本発明に係る球形構造体の実施例を示す斜視図である。 本発明に係る球形構造体の実施例を係止索条で固設した状態を示す前方斜視図である。 、本発明に係る球形構造体の実施例を係止索条で固設した状態を示す側方斜視図である。 本発明に係る球形構造体を使用している状態を示す説明図である。 (イ)〜(ニ)は、フラードームの原理と態様を示す説明図である。 、特許文献の特許公開平11−62003号の発明内容を示す説明図である。 特許文献の特許公表2002−542410号の発明内容を示す説明図である。 特許文献の特許公表2000−517015号の発明内容を示す説明図である。 特許文献の特許公開平6−26103号の発明内容を示す説明図である。
符号の説明
1:球形フレーム
2:開口部
2a:出入口
2b:窓
3:球形ドーム
4:球形構造体
5:輪状開口基材
6:長尺板材
6a:赤道部交差アーチ材
7:外壁材
7a:断熱材
8:床面
9:固定用部品
10:球形フレーム用組立冶具
11:基準軸体
12:開口基材用軸着部材
13:赤道部交差アーチ材用軸着部材
14:台座
15:固定用索条
16:ヒサシ用構成部材
17:基礎部

Claims (6)

  1. 形成しようとする球形の軸極となる部分に一対の輪状開口基材を、その球形の直径寸法の間隔だけ離して相対応するように配設し、その相対応するように配設した輪状開口基材の間に可堯性を有する長尺板材を交差アーチ状に架構して軸極部分に一対の開口部を有する球形フレームを形成し、その球形フレームの外周に曲面状の外壁材又は曲面状に変形し得る外壁材を取り付けて2つの開口部を有する球形ドームを構築し、当該球形ドーム内に床面を形成するとともに、前記開口部の一方を出入口となし、他方の開口部を窓となるように構造的に形成したことを特徴とする居住用空間を有する球形構造体。
  2. 形成しようとする球形の軸極となる部分に一対の輪状開口基材を、その球形の直径寸法の間隔だけ離して相対応するように配設し、
    その相対応するように配設した輪状開口基材の間に可堯性を有する長尺板材を交差アーチ状に架構するとともに、当該交差アーチの中間部に長尺板材により球軸と直角方向に周回する赤道部交差アーチ材を架構して2つの開口部を有する球形フレームを形成し、その球形フレームの外周に曲面状の外壁材又は曲面状に変形し得る外壁材を取り付けて2つの開口部を有する球形ドームを構築し、当該球形ドーム内に床面を形成するとともに、開口部の一方を出入口となし、他方の開口部を窓となるように構造的に形成したことを特徴とする居住用空間を有する球形構造体。
  3. 外壁材とは、断熱材と防水被膜と保護材とが組み合わされたもの、または防水被膜と保護材だけからなるもののいずれかであり、前記保護材とは、曲面を有する窯業系保護部材、可堯性を有し曲面を形成するように変形し得る木質系保護部材、可堯性を有し曲面を形成するように変形し得る金属系保護部材、可堯性を有し曲面を形成するように変形し得る合成樹脂系保護部材、可堯性を有し曲面を形成するように変形し得るシート状保護部材又はこれらの組合せ部材のいずれかであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載する居住用空間を有する球形構造体。
  4. 可堯性を有する長尺板材とは、長尺な木質板材、長尺な集成材、長尺な金属製板材、長尺な合板材いずれかであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載する居住用空間を有する球形構造体。
  5. 2つの輪状開口基材と、設計上必要な複数本の可堯性を有する長尺板材と、固定用部品と、基準軸体と当該基準軸体に着脱自在な2つの開口基材用軸着部材と、赤道部交差アーチ材用軸着部材とからなる球形フレーム用組立冶具とを用意しておき、
    前記基準軸体に2つの開口基材用軸着部材を、形成しようとする球形フレームの直径寸法の間隔だけ離して軸着して球形フレーム用組立冶具を組立て、
    当該球形フレーム用組立冶具の2つの前記開口基材用軸着部材に前記輪状開口基材を相対応するように装着し、
    前記相対応するように装着配設された輪状開口基材の間に可堯性を有する長尺板材を交差アーチ状に架構し固定用部品で固定して、2つの開口部を有する球形フレームを形成し、
    その後、当該球形フレームの外周に曲面状の外壁材又は曲面状に変形し得る外壁材を取り付けて2つの開口部を有する球形ドームを構築し、
    当該球形ドーム内に床面を形成するとともに、開口部を出入口と窓に構造的に形成したことを特徴とする居住用空間を有する球形構造体の製造方法。
  6. 2つの輪状開口基材と、設計上必要な複数本の可堯性を有する長尺板材と、赤道部交差アーチ材と、固定用部品と、基準軸体と当該基準軸体に着脱自在な2つの開口基材用軸着部材と赤道部交差アーチ材用軸着部材とからなる球形フレーム用組立冶具とを用意しておき、
    前記基準軸体に2つの開口基材用軸着部材を、形成しようとする球形フレームの直径寸法の間隔だけ離して軸着するとともに、当該軸着した2つの開口基材用軸着部材の中間部に赤道部交差アーチ材用軸着部材を軸着して球形フレーム用組立冶具を組立て、
    当該球形フレーム用組立冶具の2つの前記開口基材用軸着部材に前記輪状開口基材を相対応するように装着するとともに、赤道部交差アーチ材用軸着部材には可堯性を有する長尺板材にて形成された赤道部交差アーチ材を装着し、
    前記相対応するように装着配設された輪状開口基材の間に可堯性を有する長尺板材を交差アーチ状に架構して固定用部品で固定するとともに、当該交差アーチ状に架構したフレームと赤道部交差アーチ材とが交差するように架構しこれを固定用部品で固定して、2つの開口部を有する球形フレームを形成し、
    その後、前記球形フレームの外周に曲面状の外壁材又は曲面状に変形し得る外壁材を取り付けて2つの開口部を有する球形ドームを構築し、
    当該球形ドーム内に床面を形成するとともに、開口部を出入口と窓に構造的に形成したことを特徴とする居住用空間を有する球形構造体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR200466045Y1 (ko) * 2011-04-28 2013-03-26 안종원 외기둥 고정 방갈로

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