JP2008208332A - インクセット、インク容器、液体噴射装置、インクジェット記録方法及び記録物 - Google Patents

インクセット、インク容器、液体噴射装置、インクジェット記録方法及び記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的安価な金属材料としてアルミニウムに着目し、高い金属鏡面光沢を有するインク組成物を含むインクセットを構成することにより、印刷物上に金属光沢を有する塗膜を形成することが可能なインクセットを提供することを目的とする。
【解決手段】金属顔料を含む油性インク組成物と、有彩色顔料を含む有彩色インク組成物、黒色顔料を含む黒色インク組成物、白色顔料を含む白色インク組成物からなる群から選択された少なくとも1種以上の水性インク組成物と、を備えたインクセット。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクセット、インク容器、液体噴射装置、インクジェット記録方法及び記録物に関し、特に、金属光沢を有する塗膜の形成が可能なインクセット、インク容器、液体噴射装置、インクジェット記録方法及び記録物に関する。
従来、印刷物上に金属光沢を有する塗膜を形成するためには、真鍮、アルミニウム微粒子等から作成された金粉、銀粉を顔料に用いた印刷インキや金属箔を用いた箔押し印刷、金属箔を用いた熱転写方式等が用いられている。
しかしながら、金粉、銀粉を用いた印刷インキによる塗膜は、使用される金属粉の平均粒子径が10μmから30μmと大きく、つや消し調の金属光沢は得られるが、鏡面光沢を得ることは難しいものであった。また、金属箔を使用する箔押し又は熱転写では、印刷媒体に接着剤を塗布し、その上に平滑な金属箔を押し付け、記録媒体と金属箔を密着させ加熱し、金属箔と記録媒体を熱融着させるといった方法をとる。そのため、比較的良好な光沢は得られるが、製造工程が多くなり製造工程中で圧力や熱が加わるため、記録媒体に関して、熱や変形に強い記録媒体などに限られるという制限があった。
近年、印刷におけるインクジェットの応用例が数多く見受けられ、その中の一つの応用例として、メタリック印刷がある。例えば、特開2002−179960号公報には、プラスチックの球形粒子表面に金属皮膜を形成し、その顔料を含むインク組成物をインクジェット印刷にて印字処理するという技術が開示されている(特許文献1)。しかしながら、高い金属光沢を得るためには、その球体を変形させ扁平にして、表面を平滑にする必要があり、この技術ではローラーによるプレス処理と加熱処理を同時に行う必要があるとされている。従って、この点で装置や製造工程が複雑になることが避けられず、また記録媒体も制限を受けてしまう。
また、特開2003−292836号公報には、金、銀等の貴金属コロイドを分散したインク組成物を用いる技術も開示されている(特許文献2及び3)。しかしながら、貴金属コロイドは分散安定性を優先して粒子径を数nm〜数十nmまで小さくすると、プラズモン吸収に由来する発色が発現し、インク組成物として金属光沢は得られない。この場合には、塗膜を乾燥した後、加熱処理することでコロイド粒子を融着させることにより良好な金属光沢が得られる。加えて、これら技術では金属光沢が得られても、20度、60度、85度鏡面光沢度がそれぞれ200、200、100を超えるような高い金属の鏡面光沢をムラのない均一な面で得ることは困難であった。また、金属光沢を優先し粒子径を大きくした場合には、分散安定性が低下し、凝集や沈降の問題が避けられなくなり、インク組成物の保存寿命が著しく低下する。また、自明のことながら、貴金属を材料とすることはインク組成物のコストを大きく押し上げるため、付加価値の高い用途にしか使用できず、コスト面で不利である。
そして従来のメタリックインク組成物は、金属顔料と色材を混合して一つのインク組成物として用いる方法が見られたが、この方法では印刷した場合に金属顔料と色材が分離する、インク組成物の保存中に金属顔料のみが沈降して凝集するといった不具合があり、色材のみが記録媒体中に吸収されて、金属顔料だけが表面に残る色抜けやムラのある不均一な画像形成といった印刷不良の原因となっていた。
特開2002−179960号公報 特開2003−292836号公報 特開2003−306625号公報
本発明は、比較的安価な金属材料としてアルミニウムに着目し、高い金属鏡面光沢を有するインク組成物を含むインクセットを構成することにより、印刷物上に金属光沢を有する塗膜を形成することが可能なインクセットを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を行ったところ、特定の金属顔料を用いた金属顔料分散液、インク組成物、インクジェット記録方法及び記録物により、従来は不可能であった高い鏡面光沢度を有する印刷物が得られるとの知見を得た。本発明はかかる知見に基づきなされたものであり、以下の発明を提供するものである。
本発明は、金属顔料を含む油性インク組成物と、有彩色顔料を含む有彩色インク組成物、黒色顔料を含む黒色インク組成物、白色顔料を含む白色インク組成物からなる群から選択された少なくとも1種以上の水性インク組成物と、を備えたインクセットである。
好ましくは、金属顔料が、平板状粒子であり、該平板状粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZとした場合、該平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであり、かつ、R50/Z>5の条件を満たす金属顔料である。例えば、金属顔料は、アルミニウム又はアルミニウム合金である。
好適には、油性インク組成物が、金属顔料と、有機溶剤と、樹脂と、を含有する。例えば、油性インク組成物の金属顔料の濃度は0.1〜3.0重量%である。また、有機溶剤は、常温常圧下で液体であるアルキレングリコールエーテルを1種類以上含むことが好ましく、さらに好ましくは、有機溶剤は、アルキレングリコールジエーテル、アルキレングリコールモノエーテル及びラクトンの混合物である。また、樹脂は、ポリビニルブチラール、セルロースアセテートブチレート、ポリアクリルポリオールからなる群から選択された少なくとも1種以上である。
好適には、有彩色インク組成物、黒色インク組成物、白色インク組成物は、少なくとも水不溶性の顔料と、水と、水溶性有機溶剤と、界面活性剤と、を含む。また、水溶性有機溶剤は、アルキレングリコール、アルキレングリコールエーテル、アルカノール、アルカンジオール、グリセリン、ポリアルキレングリコール、ラクトンからなる群から選択された1種以上であることが好ましい。さらに、界面活性剤は、アセチレンジオール系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、ポリエステル変性シリコーン系界面活性剤からなる群から選択された1種以上であることが好ましい。
好適には、有彩色インク組成物が、C.I.ピグメントイエロー74,93,110,120,128,129,138,150,151,155,180,213からなる群から選択された少なくとも1種以上を含むイエローインク組成物;C.I.ピグメントレッド122及び/又はC.I.ピグメントバイオレット19を含むマゼンタインク組成物;C.I.ピグメントブルー15:3,15:4,60からなる群から選択された少なくとも1種以上を含むシアンインク組成物であり、黒色インク組成物が、C.I.ピグメントブラック7を含む黒色インク組成物であり、白色インク組成物が、C.I.ピグメントホワイト6及び/又は中空白色エマルジョンを含む白色インク組成物である。この場合には、有彩色インク組成物として、イエローインク組成物と、マゼンタインク組成物と、シアンインク組成物と、C.I.ピグメントレッド117を含むレッドインク組成物、C.I.ピグメントグリーン7を含むグリーンインク組成物、C.I.ピグメントオレンジ43及び/又は242を含むオレンジインク組成物、から選択された少なくとも1種以上と、を備えていることが好ましい。また、有彩色インク組成物として、更に、イエローインク組成物と同種の顔料を含むライトイエローインク組成物、マゼンタインク組成物と同種の顔料を含むライトマゼンタインク組成物、シアンインク組成物と同種の顔料を含むライトシアンインク組成物、から選択された少なくとも1種以上を備えていることが好ましい。
また、本発明は、インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、上述したインクセットを用いて画像を形成するものである。
好適には、上記のインクジェット記録方法において、油性インク組成物と、有彩色インク組成物、黒色インク組成物、白色インク組成物からなる群から選択された少なくとも1種以上と、を同時に吐出して画像を形成する。油性インク組成物を用いて画像を形成した後に、有彩色インク組成物を用いて任意の色調の画像を形成することが好ましい。例えば、記録媒体を加熱して印刷する。また、加熱は、印刷する前及び/又は印刷と同時に及び/又は印刷した後に行えばよい。
また、本発明は、上述したインクジェット記録方法により記録された記録物である。また、本発明は、上述したインクセットを収容したインク容器である。さらに、本発明は、このようなインク容器を備える液体噴射装置である。
本発明のインクセット、インク容器、液体噴射装置、インクジェット記録方法及び記録物によれば、金属顔料を含むインク組成物を用いることで、記録媒体上に、高い金属光沢(いわゆるメタリック光沢)を有する画像の形成が可能となり、更に、有彩色インク組成物、黒色インク組成物、白色インク組成物とを組み合わせてインクセットを構成することにより、従来のインクセットでは実現できなかった画像、即ち任意の色調の金属光沢を有する画像を形成することができる。
[インクセット]
(第1実施形態)
第1実施形態に係るインクセットは、既述のとおり、金属顔料を含む油性インク組成物と、有彩色顔料を含む有彩色インク組成物、黒色顔料を含む黒色インク組成物、白色顔料を含む白色インク組成物からなる群から選択された少なくとも1種以上の水性インク組成物と、を備えている。これにより、有彩色顔料、黒色顔料及び白色顔料の色調が加味されたメタリック調の画像を形成することが可能となる。
金属顔料(メタリック顔料ともいう)は、平板状粒子であり、該平板状粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZとした場合、該平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであり、かつ、R50/Z>5の条件を満たす金属顔料であることが好ましい。
「平板状粒子」とは、略平坦な面(X−Y平面)を有し、かつ、厚み(Z)が略均一である粒子をいう。平板状粒子は金属蒸着膜を破砕して作成されたものであるため、略平坦な面と、略均一な厚みの金属粒子を得ることができる。従って、この平板状粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZと定義することができる。
「円相当径」は、メタリック顔料の平板状粒子の略平坦な面(X−Y平面)を、当該メタリック顔料の粒子の投影面積と同じ投影面積を持つ円と想定したときの当該円の直径である。例えば、メタリック顔料の平板粒子の略平坦な面(X−Y平面)が多角形である場合、その多角形の投影面を円に変換して得られた当該円の直径を、そのメタリック顔料の平板粒子の円相当径という。
平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50は金属光沢、印字安定性の観点から0.5〜3μmであることがより好ましく、0.75〜2μmであることがさらに好ましい。
また、円相当径の50%平均粒子径R50と厚みZとの関係においては高い金属光沢を確保する観点からは、R50/Z>5であることが好ましい。
メタリック顔料は、コストの観点及び金属光沢を確保する観点から、アルミニウム又はアルミニウム合金であることが好ましい。アルミニウム合金を用いる場合、アルミニウムに添加されうる別の金属元素または非金属元素としては、金属光沢を有するものであれば特に限定されるものではないが、銀、金、白金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタン、銅等を挙げることができ、これらの単体又はこれらの合金及びこれらの混合物の少なくとも一種が好適に用いられる。
メタリック顔料の製造方法は、例えば、シート状基材面に剥離用樹脂層と金属又は金属化合物層とが順次積層された構造からなる複合化顔料原体の金属又は金属化合物層と剥離用樹脂層の界面を境界としてシート状基材より剥離し粉砕し微細化して平板状粒子を得る。そして、得られた平板状粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZとした場合、該平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであり、かつ、R50/Z>5の条件を満たすものを分取する。
メタリック顔料(平板状粒子)の平面上の長径X、短径Y及び円相当径は、粒子像分析装置を用いて測定することができる。粒子像分析装置としては、例えば、シスメックス株式会社製のフロー式粒子像分析装置FPIA−2100、FPIA−3000、FPIA−3000Sを利用することができる。
金属又は金属化合物層は、真空蒸着、イオンプレーティング又はスパッタリング法によって形成されることが好ましい。
金属又は金属化合物層の厚さは、20nm以上100nm以下で形成される。これにより、平均厚みが20nm以上100nm以下の顔料が得られる。20nm以上にすることで、反射性、光輝性に優れ、メタリック顔料としての性能が高くなり、100nm以下にすることで、見かけ比重の増加を抑え、メタリック顔料の分散安定性を確保することができる。
複合化顔料原体における剥離用樹脂層は、金属又は金属化合物層のアンダーコート層であるが、シート状基材面との剥離性を向上させるための剥離性層である。この剥離用樹脂層に用いる樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、セルロース誘導体、ポリビニルブチラール、アクリル酸重合体又は変性ナイロン樹脂が好ましい。
上記の一種又は二種以上の混合物の溶液を記録媒体に塗布し、乾燥等を施して層が形成される。塗布後は粘度調節剤等の添加剤を含有させることができる。
剥離用樹脂層の塗布は、一般的に用いられているグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布、ディップ塗布、スピンコート法等により形成される。塗布・乾燥後、必要であれば、カレンダー処理により、表面の平滑化を行う。
剥離用樹脂層の厚さは、特に限定されないが、0.5〜50μmが好ましく、より好ましくは1〜10μmである。0.5μm未満では分散樹脂としての量が不足し、50μmを超えるとロール化した場合、顔料層と界面で剥離しやすいものとなってしまう。
シート状基材としては、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、66ナイロン、6ナイロン等のポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセテートフィルム、ポリイミドフィルム等の離型性フィルムが挙げられる。好ましいシート状基材としては、ポリエチレンテレフタレートまたはその共重合体である。
これらのシート状基材の厚さは、特に限定されないが、10〜150μmが好ましい。10μm以上であれば、工程等で取り扱い性に問題がなく、150μm以下であれば、柔軟性に富み、ロール化、剥離等に問題がない。
また、金属又は金属化合物層は、保護層で挟まれていてもよい。該保護層としては、酸化ケイ素層、保護用樹脂層が挙げられる。
酸化ケイ素層は、酸化ケイ素を含有する層であれば特に制限されるものではないが、ゾル−ゲル法によって、テトラアルコキシシラン等のシリコンアルコキシド又はその重合体から形成されることが好ましい。
上記シリコンアルコキシド又はその重合体を溶解したアルコール溶液を塗布し、加熱焼成することにより、酸化ケイ素層の塗膜を形成する。
保護用樹脂層としては、分散媒に溶解しない樹脂であれば特に限定されるものではないが、例えばポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドまたはセルロース誘導体等が挙げられるが、ポリビニルアルコール又はセルロース誘導体から形成されることが好ましい。
上記樹脂一種または二種以上の混合物の水溶液を塗布し、乾燥等を施した層が形成される。塗布液には粘度調節剤等の添加剤を含有させることができる。
上記酸化ケイ素および樹脂の塗布は、上記剥離用樹脂層の塗布と同様の手法により行われる。
上記保護層の厚さは、特に限定されないが、50〜150nmの範囲が好ましい。50nm未満では機械的強度が不足であり、150nmを超えると強度が高くなりすぎるため粉砕・分散が困難となり、また金属又は金属化合物層との界面で剥離してしまう場合がある。
また、「保護層」と「金属又は金属化合物層」との間に色材層を有していてもよい。
色材層は、任意の着色複合顔料を得るために導入するものであり、本発明に使用するメタリック顔料の金属光沢、光輝性に加え、任意の色調、色相を付与できる色材を含有できるものであれば特に限定されるものではない。この色材層に用いる色材としては、染料、顔料のいずれでもよい。また、染料、顔料としては、公知のものを適宜使用することができる。
この場合、色材層に用いられる”顔料”とは、一般的な顔料化学の分野で定義される、天然顔料、合成有機顔料、合成無機顔料等を意味し、本発明の”複合化顔料”等の、積層構造に加工されたものとは異なるものである。
この色材層の形成方法としては、特に限定されないが、コーティングにより形成することが好ましい。
また、色材層に用いられる色材が顔料の場合は、色材分散用樹脂をさらに含むことが好ましく、該色材分散用樹脂としては、顔料と色材分散用樹脂と必要に応じてその他の添加剤等を溶媒に分散又は溶解させ、溶液としてスピンコートで均一な液膜を形成した後、乾燥させて樹脂薄膜として作成されることが好ましい。
なお、複合化顔料原体の製造において、上記の色材層と保護層の形成がともにコーティングにより行われることが、作業効率上好ましい。
複合化顔料原体としては、剥離用樹脂層と金属又は金属化合物層との順次積層構造を複数有する層構成も可能である。その際、複数の金属又は金属化合物層からなる積層構造の全体の厚み、即ち、シート状基材とその直上の剥離用樹脂層を除いた、金属又は金属化合物層−剥離用樹脂層−金属又は金属化合物層、又は剥離用樹脂層−金属又は金属化合物層の厚みは5000nm以下であることが好ましい。5000nm以下であると、複合化顔料原体をロール状に丸めた場合でも、ひび割れ、剥離を生じ難く、保存性に優れる。また、顔料化した場合も、光輝性に優れており好ましいものである。
また、シート状基材面の両面に、剥離用樹脂層と金属又は金属化合物層とが順次積層された構造も挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シート状基材からの剥離処理法としては、特に限定されないが、複合化顔料原体を液体中に浸漬することによりなされる方法、また液体中に浸漬すると同時に超音波処理を行い、剥離処理と剥離した複合化顔料の粉砕処理を行う方法が好ましい。
上記のようにして得られる顔料は、剥離用樹脂層が保護コロイドの役割を有し、溶剤中での分散処理を行うだけで安定な分散液を得ることが可能である。また、該顔料を用いたインク組成物においては、剥離用樹脂層由来の樹脂は紙等の記録媒体に対する接着性を付与する機能も担う。
本実施形態のインクセットに用いられる油性インク組成物は、上述したメタリック顔料と、有機溶剤と、樹脂と、を含有するものである。
メタリック顔料のインク組成物中の濃度は、0.1〜3.0重量%であることが好ましい。
メタリック顔料のインク組成物中の濃度が0.1重量%以上1.5重量%未満の場合、印刷面を十分にカバーしきれないインク量を吐出することでハーフミラー様の光沢面、即ち光沢感は感じられるが、背景も透けて見えるような風合いを印刷可能となり、印刷面をカバーするに十分なインク量を吐出することで高光沢の金属光沢面を形成することができる。そのため、例えば、透明記録媒体においてハーフミラー画を形成する場合や高光沢の金属光沢面を表現する場合に適している。また、メタリック顔料のインク組成物中の濃度が1.5重量%以上3.0重量%以下の場合、金属顔料が印刷面にランダムに配列する為、高光沢は得られず、マット調の金属光沢面を形成することができる。そのため、例えば、透明な記録媒体において遮蔽層を形成する場合に適している。
有機溶剤としては、好ましくは極性有機溶媒、例えば、アルコール類(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、又はフッ化アルコール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、又はシクロヘキサノン等)、カルボン酸エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、又はプロピオン酸エチル等)、又はエーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、又はジオキサン等)等を用いることができる。
特に、有機溶剤は、常温常圧下で液体であるアルキレングリコールエーテルを1種類以上含むことが好ましい。
アルキレングリコールエーテルは、メチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、ヘキシル、そして2−エチルヘキシルの脂肪族、二重結合を有するアリル並びにフェニルの各基をベースとするエチレングリコール系エーテルとプロピレングリコール系エーテルがあり、無色で臭いも少なく、分子内にエーテル基と水酸基を有しているので、アルコール類とエーテル類の両方の特性を備えた、常温で液体のものである。また、片方の水酸基だけを置換したモノエーテル型と両方の水酸基を置換したジエーテル型があり、これらを複数種組み合わせて用いることができる。
特に、有機溶剤は、アルキレングリコールジエーテル、アルキレングリコールモノエーテル、及びラクトンの混合物であることが好ましい。
アルキレングリコールモノエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
アルキレングリコールジエーテルとしては、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
またラクトンとしては、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
このような好適な構成とすることにより、本発明の目的をより一層達成することができる。
油性インク組成物に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ロジン変性樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、繊維素系樹脂(例えば、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシプロピルセルロース)、ポリビニルブチラール、ポリアクリルポリオール、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等が挙げられる。
また、非水系のエマルジョン型ポリマー微粒子(NAD=Non Aqueous Dispersion)も樹脂として用いることができる。これはポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルポリオール樹脂等の微粒子が有機溶剤中に安定に分散している分散液のことである。例えば、ポリウレタン樹脂では三洋化成工業社製のサンブレンIB−501、サンブレンIB−F370が挙げられ、アクリルポリオール樹脂でハリマ化成社製のN−2043−60MEX、N−2043−AF−1が挙げられる。
樹脂は、記録媒体への顔料の定着性を一層向上させるため、インク組成物中、0.1重量%以上10重量%以下添加することが好ましい。
油性インク組成物は、少なくとも1種類以上のグリセリン、ポリアルキレングリコール、又は糖類を含むことが好ましい。これら1種類以上のグリセリン、ポリアルキレングリコール、又は糖類の合計量は、インク組成物中0.1重量%以上10重量%以下添加されることが好ましい。
このような好ましい構成とすることにより、インクの乾燥を抑え、目詰まりを防止しつつ、インクの吐出を安定化し、記録物の画像品質を良好にすることができる。
ポリアルキレングリコールとしては、主鎖中にエーテル結合の繰り返し構造を有する線状高分子化合物であり、例えば環状エーテルの開環重合等によって製造される。
ポリアルキレングリコールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の重合体、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体およびその誘導体等が挙げられる。共重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、交互共重合体等のいずれの共重合体も用いることができる。
ポリアルキレングリコールの好ましい具体例として、下式で表されるものが挙げられる。
HO−(CnH2nO)m−H
(上記式中、 nは、1〜5の整数を表し、 mは、1〜100の整数を表す)
なお、上記式中、(CnH2nO)mは、整数値nの範囲内において、一の定数または二種以上の数の組み合わせであってよい。例えば、nが3の場合は(C36O)mであり、nが1と4との組み合わせの場合は(CH2O−C48O)mである。また、整数値mは、その範囲内において、一の定数または二種以上の数の組み合わせであってよい。例えば、上記の例において、mが20と40との組み合わせの場合は(CH2O)20−(C24O)40であり、mが10と30の組み合わせの場合は(CH2O)10−(C48O)30である。さらに、整数値nとmとは上記の範囲内で任意に組み合わせてもよい。
糖類としては、ペントース、ヘキトース、ヘプトース、オクトース等の単糖類、あるいは二糖類、三糖類、四糖類 といった多糖類、またはこれらの誘導体である糖アルコール、デオキシ酸といった還元誘導体、アルドン酸、ウロン酸といった酸化誘導体、グリコセエンといった脱水誘導体、アミノ酸、チオ糖等が挙げられる。多糖類とは広義の糖を指し、アルギン酸やデキストリン、セルロース等の自然界に広く存在する物質も含む。
油性インク組成物は、少なくとも1種類以上のアセチレングリコール系界面活性剤及び/又はシリコーン系界面活性剤を含むことが好ましい。該界面活性剤は、インク組成物中の顔料の含有量に対して、0.01重量%以上10重量%以下添加されることが好ましい。
このような好適な構成とすることにより、油性インク組成物の記録媒体へのぬれ性が改善され、速やかな定着性を得ることがきる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、サーフィノール465(商標)、サーフィノール104(商標)(以上商品名、Air Products and Chemicals, Inc. 社製)、オルフィンSTG(商標)、オルフィンE1010(商標)(以上商品名、日信化学社製)等が好適に挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーンを用いることが好ましい。具体例としては、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、BYK−UV3510、BYK−UV3530、BYK−UV3570(ビックケミー・ジャパン株式会社)が挙げられる。
油性インク組成物は、公知の慣用方法によって調製することができる。例えば、最初に、前述したメタリック顔料、分散剤、及び液媒を混合した後、ボールミル、ビーズミル、超音波、又はジェットミル等で顔料分散液を調製し、所望のインク特性を有するように調整する。続いて、バインダー樹脂、液媒、及びその他の添加剤(例えば、分散助剤や粘度調整剤)を撹拌下に加えて顔料インク組成物を得ることができる。
その他、複合化顔料原体を、一旦液媒中で超音波処理して複合化顔料分散液とした後、必要なインク用液媒と混合しても良く、また、複合化顔料原体を直接インク用液媒中で超音波処理してそのままインク組成物とすることもできる。
油性インク組成物の物性は特に限定されるものではないが、例えば、その表面張力は好ましくは20〜50mN/mである。表面張力が20mN/m未満になると、インク組成物がインクジェット記録用プリンタヘッドの表面に濡れ広がるか、又は滲み出してしまい、インク滴の吐出が困難になることがあり、表面張力が50mN/mを越えると、記録媒体の表面において濡れ広がらず、良好な印刷ができないことがある。
次に、本実施形態のインクセットに用いられる有彩色インク組成物、黒色インク組成物、白色インク組成物について説明する。これら有彩色インク組成物、黒色インク組成物、白色インク組成物は、少なくとも水不溶性の顔料と、水と、水溶性有機溶剤と、界面活性剤を含むことが好ましい。
有彩色インク組成物は有彩色顔料を含むインク組成物である。「有彩色」とは、白から灰色を経て黒に至る系列の色(無彩色)以外のすべての色をいう。具体的には、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、2、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、16、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、73、74、75、81、83(ジスアゾイエローHR)、93、94、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、128、129、138、139、150、153、154,155、180、185、213、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、7、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、101(べんがら)、104、105、106、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、209、219、C.I.ピグメントヴァイオレット19、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、22、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36等が使用できる。
なお、カラーインデックスに記載されていない顔料であっても水に不溶であればいずれも使用できる。
有彩色顔料の配合量は、適宜決定されてよいが、インク組成物中、0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜12重量%である。
黒色インク組成物は黒色顔料を含むインク組成物である。黒色顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅酸化物、鉄酸化物(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられるがインクジェット用としては比重が比較的低く水中で沈降しにくいカーボンブラックが好ましい。これらは1種又は2種の混合物として用いてもよい。
黒色顔料の配合量は、適宜決定されてよいが、インク組成物中、インク組成物中、0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜12重量%である。
白色インク組成物は白色顔料を含むインク組成物である。白色顔料としては、二酸化チタン、二酸化ジルコニア等の第IV族元素酸化物が挙げられる。その他にも、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸バリウム、シリカ、アルミナ、カオリン、クレー、タルク、白土、水酸化アルミ、炭酸マグネシウム、白色中空樹脂エマルジョン等が挙げられ、好ましくはこれらからなる群から選択される1種又は2種以上の混合物である。
白色顔料の一次粒子径は、白色度の観点から、好ましくは1μm以下である。
ここで、「一次粒子径」とは、単結晶又はそれに近い結晶子が集まって形成している粒子の大きさをいう。顔料の一次粒子径の測定は、電子顕微鏡法による。これは電子顕微鏡写真から顔料粒子の大きさを計測するもので、顔料を有機溶媒に分散し、支持膜に固定して透過型電子顕微鏡写真から画像処理し計測することにより、より信頼性がある値を求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、その一次粒子の面積と等しい円の直径を算術的に求めそれを一次粒子径とし、一定の視野から50個以上の顔料粒子をランダムに選択して平均値を求める。他の測定法でも同等の信頼性が得られれば差し支えないが、数値に実質的な差がある場合は上記の方法で求めた値を採用する。
白色顔料の含有量は、白色度の観点から、好ましくは1.0重量%以上、より好ましくは5.0重量%以上、更に好ましくは10重量%以上20重量%以下である。
本実施形態のインクセットに使用されるインク組成物は、着色剤として顔料を使用するとともに、該顔料を分散するための分散剤を含有するものが好ましい。分散剤は、この種の顔料インクに使用可能であるものを特に制限なく用いることができ、例えば、カチオン性分散剤、アニオン性分散剤、ノニオン性分散剤や界面活性剤等が挙げられる。
アニオン性分散剤の例としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等が挙げられる。
ノニオン性分散剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリプロピレングリコール、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
分散剤としての界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド等のノニオン性界面活性剤、が挙げられる。特に、顔料の分散安定性を高める観点から、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を用いることが好ましい。
本実施形態のインクセットに使用される有彩色インク組成物、黒色インク組成物、及び白色インク組成物は、バランスとして水を含有することが好ましい。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間に亘ってカビやバクテリアの発生が防止されるので好ましい。
水の添加量は、水性インク組成物中、50重量%以上であることが好ましい。水の含有量を50重量%以上にすることで、紙をベースにした印刷用紙上での印刷適性(発色、浸透性)を向上させることができる。
本実施形態のインクセットに使用される有彩色インク組成物、黒色インク組成物、及び白色インク組成物は、更なる発色性(色濃度)向上の観点から水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。
水溶性有機溶剤としては、アルキレングリコール、アルキレングリコールエーテル、アルカノール、アルカンジオール、グリセリン、ポリアルキレングリコール、ラクトンからなる群から選択された1種以上であることが好ましい。これらの水溶性有機溶剤と選択することで、水性インク組成物の表面張力を適切な範囲に調整するとともに、インクの乾燥性が向上し、連続印刷及び高速印刷が可能になる。
アルキレングリコールとしては、1,2−アルキレングリコールであることがより好ましい。1,2−アルキレングリコールとしては、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオールが好ましい。これらは単独で用いることも同時に用いることもできる。1,2−アルキレングリコールの添加により印刷の乾燥性が向上し、連続して印刷しても前の印刷部分が次の媒体の裏面に転写されることがなくなるため、特にインクジェット記録にあっては高速印刷が可能となる。
アルキレングリコールの炭素数は4〜10であることが好ましい。アルキレングリコールの中で炭素数が3以下のものは浸透性の向上の効果が低い。炭素数が15を超えると水溶性が低いので本実施形態において用いられる水性インクでは可溶化剤を添加する必要があるが、可溶化剤を添加すると粘度が上昇するため、エチレンオキシを付加した構造やスルホン酸基、燐酸基などの水溶性基を導入する必要が生じる。炭素数が4以上の場合はこのような水溶性基を導入した構造でも構わず、そうすると炭素数は30以下であればよい。
アルキレングリコールの添加量は15%以下であることが好ましい。15%を超えると浸透性も頭打ちになりそれ以上添加しても印字品質向上の効果がなく、逆に粘度が増加するので印字乱れが生じ易い。
1,2−ペンタンジオールの添加量は3〜15%が好ましい。3%未満のものは浸透性の向上の効果が低く、炭素数が15%を超えると水溶性が低いので本実施形態において用いられる水性インクでは可溶化剤を添加する必要があるが、可溶化剤を添加すると粘度が上昇するため、上記の水溶性基を導入する必要が生じる。
1,2−ヘキサンジオールの添加量は0.5〜10%が好ましい。0.5%未満のものは浸透性の向上の効果が低く、炭素数が10を超えると水溶性が低いので本実施形態において用いられる水性インクでは可溶化剤を添加する必要があるが、可溶化剤を添加すると粘度が上昇するため、上記の水溶性基を導入する必要が生じる。
アルカノールとしては、C4〜C6のアルカノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール等を挙げることができる。アルカノールの添加量は、0.05〜0.5重量%であることが好ましい。
なお、アルキレングリコールエーテル、アルカンジオール、グリセリン、ポリアルキレングリコール、ラクトンについては、油性インク組成物に使用されるものと同じものを使用することができる。
本実施形態のインクセットに使用される有彩色インク組成物、黒色インク組成物、及び白色インク組成物は、アセチレンジオール系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、ポリエステル変性シリコーン系界面活性剤からなる群から選択された1種以上を含むことが好ましい。これら界面活性剤の種類、添加量等については、油性インクセットに添加する界面活性剤と同様である。
各インク組成物には、更に必要に応じて、水溶性ロジン類等の定着剤、安息香酸ナトリウム等の防黴剤・防腐剤、アロハネート類等の酸化防止剤・紫外線吸収剤、キレート剤、酸素吸収剤、pH調整剤等の添加剤を含有させることができ、これらの1種又は2種以上が用いられる。
pH調整剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン等を挙げることができる。pH調整剤の添加量は目的とするpHに応じて決定される。
(第2実施形態)
第2実施形態に係るインクセットは、金属顔料を含む油性インク組成物と、有彩色顔料を含む有彩色インク組成物、黒色顔料を含む黒色インク組成物、白色顔料を含む白色インク組成物からなる群から選択された少なくとも1種以上の水性インク組成物と、を備えたインクセットであって、有彩色インク組成物が、C.I.ピグメントイエロー74,93,110,120,128,129,138,150,151,155,180,213からなる群から選択された少なくとも1種以上を含むイエローインク組成物;C.I.ピグメントレッド122及び/又はC.I.ピグメントバイオレット19を含むマゼンタインク組成物;C.I.ピグメントブルー15:3,15:4,60からなる群から選択された少なくとも1種以上を含むシアンインク組成物であり、黒色インク組成物が、C.I.ピグメントブラック7を含む黒色インク組成物であり、白色インク組成物が、C.I.ピグメントホワイト6及び/又は中空白色エマルジョンを含む白色インク組成物である。
金属顔料を含む油性インク組成物の成分や製法については、第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
次に、本実施形態のインクセットに用いられる有彩色インク組成物、黒色インク組成物、白色インク組成物について説明する。本実施形態のインクセットは、有彩色顔料を含む有彩色インク組成物、黒色顔料を含む黒色インク組成物、白色顔料を含む白色インク組成物からなる群から選択された少なくとも1種以上の水性インク組成物と、を備えている。
本実施形態のインクセットに用いられる有彩色インク組成物は、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物及びシアンインク組成物が挙げられる。ここで、「有彩色」とは、白から灰色を経て黒に至る系列の色(無彩色)以外のすべての色をいう。
イエローインク組成物に含まれる顔料は、C.I.ピグメントイエロー74,93,110,120,128,129,138,150,151,155,180,213からなる群から選択された少なくとも1種以上である。
マゼンタインク組成物に含まれる顔料は、C.I.ピグメントレッド122及び/又はC.I.ピグメントバイオレット19である。
シアンインク組成物に含まれる顔料は、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4,60からなる群から選択された少なくとも1種以上である。
有彩色インク組成物は、少なくとも4種類を組み合わせることが好ましい。具体的には、イエローインク組成物と、マゼンタインク組成物と、シアンインク組成物と、中間色インク組成物とを用いることが好ましい。
中間色インク組成物としては、例えば、C.I.ピグメントレッド117を含むレッドインク組成物、C.I.ピグメントグリーン7を含むグリーンインク組成物、C.I.ピグメントオレンジ43又は242から選択された少なくとも1種以上を含むオレンジインク組成物、から選択された少なくとも1種以上が挙げられる。
このように、イエロー、マゼンタ、シアンの各インク組成物と中間色インク組成物とを組み合わせることにより、高発色、高精細な光沢画像を形成することができる。
中間色インク組成物における各顔料の含有量は、印字濃度とインクジェット記録用インクとしての信頼性とのバランスの観点から、それぞれ、インク全重量に対して、好ましくは2〜10重量%、更に好ましくは2〜6重量%である。
有彩色インク組成物は、更に、ライトインク組成物を用いて、少なくとも5種類を組み合わせることがより好ましい。有彩色インク組成物としてライトインク組成物を用いることにより、階調性に優れた光沢画像を形成することができる。
ライトインク組成物としては、例えば、イエローインク組成物と同種の顔料を含むライトイエローインク組成物、マゼンタインク組成物と同種の顔料を含むライトマゼンタインク組成物、シアンインク組成物と同種の顔料を含むライトシアンインク組成物、から選択された少なくとも1種以上が挙げられる。
ライトインク組成物における各顔料の含有量は、階調性の観点から、2.0重量%未満〜0.1重量%以上であることが好ましく、1.5重量%未満〜0.25重量%以上であることがより好ましく、1.25重量%未満〜0.5重量%以上であることが更に好ましい。
黒色インク組成物に含まれる顔料は、C.I.ピグメントブラック7である。黒色インク組成物に含まれる顔料の含有量は適宜決定されてよいが、インク組成物中、インク組成物中、0.1〜30重量%、好ましくは1.0〜12重量%である。
黒色インク組成物は、黒色顔料の濃度が異なる少なくとも2種以上の黒色インク組成物を用いることが好ましい。具体的には、黒色顔料の濃度が、4.0重量%以上のマットブラック、4.0重量%未満〜2.0重量%以上のブラック、2.0重量%未満〜0.5重量%以上のグレイ又は0.5重量%未満のライトブラックのうち、少なくとも2種類以上を用いることが好ましい。
このように、顔料濃度の異なる複数の黒色インク組成物を有することにより、モノクロ画像の高品質化が図れるとともに、明度の低い部分の階調性がよくなり、グレーバランスが安定してばらつきが減少するという効果が得られる。
白色インク組成物に含まれる顔料は、C.I.ピグメントホワイト6及び/又は中空白色エマルジョンである。好ましくはC.I.ピグメントホワイト6又は中空白色エマルジョンのいずれかを選択する。ここで、「中空白色エマルジョン」とは、特開2006−274214号公報に開示されている水性インク用白色顔料を含むエマルジョンであって、酸化チタンよりも比重の小さい材料からなるコア粒子と、そのコア粒子の表面に被覆された酸化チタン層とを備え、粒径が0.05〜5μmである顔料を含むエマルジョンをいう。
白色インク組成物に含まれる顔料の含有量は、白色度の観点から、好ましくは1.0重量%以上、より好ましくは5.0重量%以上、更に好ましくは10重量%以上20重量%以下である。
上述した有彩色インク組成物、黒色インク組成物、白色インク組成物は、少なくとも水不溶性の顔料と、水と、水溶性有機溶剤と、界面活性剤を含むことが好ましい。水、水溶性有機溶剤、界面活性剤の種類および添加量等については、第1実施形態と同様である。
本実施形態のインクセットに使用される水性インク組成物は、着色剤として顔料を使用するため、該顔料を分散するための分散剤を含有するものが好ましい。分散剤は、この種の顔料インクに使用可能であるものを特に制限なく用いることができ、例えば、カチオン性分散剤、アニオン性分散剤、ノニオン性分散剤や界面活性剤等が挙げられる。分散剤については第1実施形態で説明したものと同様のものを用いることができる。
各インク組成物には、更に必要に応じて、水溶性ロジン類等の定着剤、安息香酸ナトリウム等の防黴剤・防腐剤、アロハネート類等の酸化防止剤・紫外線吸収剤、キレート剤、酸素吸収剤、pH調整剤等の添加剤を含有させることができ、これらの1種又は2種以上が用いられる。pH調整剤の種類については、第1実施形態と同様である。
上述したインクセットはインク容器に収容され、このインク容器がインクジェットヘッドを備える液体噴射装置にセットされる。したがって、上述したインクセットを収容したインク容器の形態も本発明に含まれる。また、当該インク容器を備えた液体噴射装置の形態も本発明に含まれる。
[インクジェット記録方法]
本実施形態のインクジェット記録方法は、インクジェットヘッドを駆動させてインク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法において、上述のインクセットを用いて画像を形成するものである。
上述した金属顔料を含む油性インク組成物は、単独で用いた場合、JIS Z8741にて規定された20度、60度、85度鏡面光沢度の測定値がそれぞれ同時に200、200、100以上の数値を示す金属光沢を有する画像を形成することができる。この油性インク組成物を用いることで、マット調の画像からグロス調の画像まで、所望の金属光沢を有する画像を形成することができる。
具体的には、JIS Z8741にて規定された20度、60度、85度鏡面光沢度の測定値がそれぞれ同時に200以上400未満、200以上400未満、100以上の数値を示す画像を形成した場合、つや消し調(マット調)の金属光沢を有する画像とすることができる。
また、JIS Z8741にて規定された20度、60度、85度鏡面光沢度の測定値がそれぞれ同時に400以上600未満、400以上600未満、100以上の数値を示す画像は、形成した画像に映りこんだ物体が若干判別できるほどの、つやのある金属光沢とすることができる。
さらに、JIS Z8741にて規定された20度、60度、85度鏡面光沢度の測定値がそれぞれ同時に600以上、600以上、100以上の数値を示す金属光沢を有する画像は、鮮鋭性を有し、形成した画像に映りこんだ物体が明確に判別できるほどの光沢、いわゆる「鏡面光沢」を有する金属光沢とすることができる。
金属顔料を含む油性インク組成物と、有彩色インク組成物、黒色インク組成物、白色インク組成物からなる水性インク組成物とは、同時に吐出して画像を形成することができる。これにより、有彩色顔料、黒色顔料及び白色顔料の色調にメタリック調の色調を付与することができる。
油性インク組成物と、水性インク組成物とを別々に吐出する場合は、例えば、油性インク組成物を用いて金属光沢を有する画像を形成した後に、有彩色インク組成物を用いて画像を形成することが好ましい。メタリック顔料は、記録媒体がインク受理層を有するか否かにかかわらず、インク受理層には浸透しにくく、記録媒体上に付着した状態となる。これに対して水性インク組成物に含まれる顔料(特に有彩色顔料及び黒色顔料)は、インク受理層を有する記録媒体上に吐出した場合、そのインク受理層中に浸透しやすい。このため、まずメタリックインク組成物を吐出して記録媒体上にメタリック顔料の付着層を形成し、その上に水性インクの顔料を付着させると、水性インク組成物の顔料の色彩をより鮮明に発色させることが可能となる。
インク組成物を吐出する方法としては、以下に説明する方法が挙げられる。
第一の方法としては、静電吸引方式があり、この方式はノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印加し、ノズルからインクを液滴状で連続的に噴射させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する方式、またはインク滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して噴射させる方式である。
第二の方法としては、小型ポンプでインク液に圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方式である。噴射したインク滴は噴射と同時に帯電させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する。
第三の方法は圧電素子(ピエゾ素子)を用いる方式であり、インク液に圧電素子で圧力と印刷情報信号を同時に加え、インク滴を噴射・記録させる方式である。
第四の方式は熱エネルギーの作用によりインク液を急激に体積膨張させる方式であり、インク液を印刷情報信号に従って微小電極で加熱起泡させ、インク滴を噴射・記録させる方式である。
以上のいずれの方式も本実施形態のインクジェット記録方法に使用することができるが、高速印刷対応の観点からは、インク組成物を吐出する方式が、非加熱方式であることが好ましい。即ち、上記第一の方法、第二の方法又は第三の方法を採用することが好ましい。
記録媒体としては、特に制限はなく、例えば、普通紙、インクジェット専用紙(マット紙、光沢紙)、ガラス、塩ビ等のプラスチックフィルム、基材にプラスチックや受容層をコーティングしたフィルム、金属、プリント配線基板等の種々の記録媒体を用いることができる。
記録媒体がインク受容層を有している場合は、熱ダメージを与えないという観点から、記録媒体を非加熱で印刷することが好ましい。
一方、記録媒体がインク受容層を有していない場合は、乾燥速度を高め、高光沢が得られるという観点から、記録媒体を加熱して印刷することが好ましい。
加熱は、記録媒体に熱源を接触させて加熱する方法、赤外線やマイクロウェーブ(2,450MHz程度に極大波長を持つ電磁波)などを照射し、または熱風を吹き付けるなど記録媒体に接触させずに加熱する方法などが挙げられる。
加熱は、印刷する前及び/又は印刷と同時に及び/又は印刷した後に行うことが好ましい。換言すれば、記録媒体の加熱は、印刷の前に行っても、同時に行っても、後に行ってもよく、印刷を行っている間を通して加熱してもよい。加熱温度は記録媒体の種類によるが、30〜80℃が好ましく、40〜60℃がより好ましい。
[記録物]
本実施形態の記録物は、先述のインクセットを用いて、上記インクジェット記録方法により記録が行われたものである。この記録物は、先述のインクセットを用いて上記インクジェット記録方法により得られたものであるため、任意の色調を帯びたメタリック調の画像を有する記録物を得ることができる。
1.油性インク組成物(メタリックインク組成物)
(1)メタリック顔料分散液の調製
膜厚100μmのPETフィルム上に、セルロースアセテートブチレート(ブチル化率35〜39%、関東化学社製)3.0重量%及びジエチレングリコールジエチルエーテル(日本乳化剤社製)97重量%からなる樹脂層塗工液をバーコート法によって均一に塗布し、60℃、10分間乾燥する事で、PETフィルム上に樹脂層薄膜を形成した。
次に、真空蒸着装置(真空デバイス社製VE−1010型真空蒸着装置)を用いて、上記の樹脂層上に平均膜厚20nmのアルミニウム蒸着層を形成した。
次に、上記方法にて形成した積層体を、ジエチレングリコールジエチルエーテル中、VS−150超音波分散機(アズワン社製)を用いて剥離・微細化・分散処理を同時に行い、積算の超音波分散処理時間が12時間であるメタリック顔料分散液を作成した。
得られたメタリック顔料分散液を、開き目5μmのSUSメッシュフィルターにてろ過処理を行い、粗大粒子を除去した。次いで、ろ液を丸底フラスコに入れ、ロータリーエバポレターを用いてジエチレングリコールジエチルエーテルを留去した。これにより、メタリック顔料分散液を濃縮し、その後、そのメタリック顔料分散液の濃度調整を行い、5重量%濃度のメタリック顔料分散液1を得た。
また、蒸着条件及び/又は超音波分散時間を変化させたメタリック顔料を有するメタリック顔料分散液2及び3を得た。
そして、粒子径・粒度分布測定装置(シスメックス社製FPIA−3000S)を用いて、各メタリック顔料の長径(X方向)−短径(Y方向)平面の円相当径の50%平均粒子径R50、平均膜厚Zを測定し、さらに、得られたR50とZの測定値に基づき、R50/Zを算出した。結果を表1に示す。
Figure 2008208332
(2)メタリックインク組成物の調製
上記方法にて調製したメタリック顔料分散液を用いて、表2に示す組成にてメタリック顔料インク組成物を調製した。溶媒及び添加剤を混合・溶解し、インク溶媒とした後に、メタリック顔料分散液をそのインク溶媒中へ添加して、更に常温・常圧下30分間マグネティックスターラーにて混合・撹拌して、メタリック顔料インク組成物とした。
表2中、ジエチレングリコールジエチルエーテル(DEGDE)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDM)は日本乳化剤社製のものを用いた。また、γ−ブチロラクトンは関東化学社製のものを用いた。また、N−2043−AF−1(樹脂エマルジョン)およびN−2043−60MEXはハリマ化成社製のものを用い、BYK−3500(界面活性剤)はビックケミー・ジャパン社製のものを用いた。なお、単位は重量%である。
Figure 2008208332
2.水性インク組成物
(1)顔料分散液の調製
a 黒色顔料分散液の調製
黒色顔料にはカーボンブラック(PBk7)である米国キャボット社製モナーク880を用いた。攪拌機、温度計、還流管および滴下ロートをそなえた反応容器を窒素置換した後、パラクミルフェノキシエチレングリコールアクリレート65部、ベンジルアクリレート10部、アクリル酸2部、t―ドデシルメルカプタン0.3部を入れて70℃に加熱し、別に用意したパラクミルフェノキシエチレングリコールアクリレート150部、アクリル酸15部、ブチルアクリレート5部、t−ドデシルメルカプタン1部、メチルエチルケトン20部およびアゾビスイソバレロニトリル1部を滴下ロートに入れて4時間かけて反応容器に滴下しながら分散ポリマーを重合反応させた。次に、反応容器にメチルエチルケトンを添加して40%濃度の分散ポリマー溶液を作成した。
また、上記分散ポリマー溶液40部とカーボンブラックであるモナーク880(キャボット社製)30部、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液100部、メチルエチルケトン30部を混合し、超高圧ホモジナイザー(株式会社スギノマシン製アルティマイザーHJP−25005)を用いて200MPaで15パスして分散した。その後、イオン交換水を300部添加して、さらに1時間攪拌した。そして、ロータリーエバポレーターを用いてメチルエチルケトンの全量と水の一部を留去して、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムで中和してpH9に調整した。その後、0.3μmのメンブレンフィルターでろ過し、固形分(分散ポリマーとカーボンブラック)が20%である黒色顔料分散液(分散液1)とした。
b シアン顔料分散液の調製
シアン顔料として、ピグメントブルー15:3を用いた以外は、黒色顔料分散液と同様に調製し、シアン顔料分散液(分散液2)を得た。
c マゼンタ顔料分散液の調製
マゼンタ顔料として、ピグメントヴァイオレット19を用いた以外は、黒色顔料分散液と同様に調製し、マゼンタ顔料分散液(分散液3)を得た。
d イエロー顔料分散液の調製
イエロー顔料として、ピグメントイエロー74を用いた以外は、黒色顔料分散液と同様に調製し、イエロー顔料分散液(分散液4)を得た。
e ホワイト顔料分散液の調製
チタン含有鉱石を硫酸で溶解して硫酸チタン溶液を得た。この硫酸チタン溶液を加水分解して得た含水酸化チタンに、TiO2換算での100重量部に対してリン酸アンモニウムを0.50重量部、硫酸カリウムを0.30重量部、硫酸アルミニウムを0.30重量部添加し、含水酸化チタンを生成物温度が1020℃になるまで実験室用回転マッフル炉内で加熱した。生成した二酸化チタン微粒子を室温に冷却し、透過型電子顕微鏡写真で観測したところ、平均一次粒子径が0.13μmであるアナターゼ型であることが判った。
上記のように処理された白色顔料としての二酸化チタン微粒子15重量部、分散剤としてのポリオキシアルキレン付加ポリアルキレンアミン(第一工業製薬社製ディスコールN−518)5重量部、エチレングリコールモノアリルエーテル80重量部を混合し、サンドミル(安川製作所製)でジルコニウムビーズ(1.0mm径)をスラリーの1.5倍量を充填し、2時間分散させた後、ビーズを取り除き、二酸化チタン微粒子の60重量%モノマー分散液(分散液5)を得た。
(2)水性インク組成物の調製
以下の組成で、ブラックインク組成物、シアンインク組成物、マゼンタインク組成物、イエローインク組成物の各水性インク組成物を調製した。特に示さない限り、表3中の数値は重量%を意味する。なお、顔料分散液(分散液1〜4)の添加量はその量(固形分濃度:顔料と分散ポリマーの合計量)を重量で換算したものとして示す。また、表3中の残量のイオン交換水は、インクの腐食防止のためトップサイド240(パーマケムアジア社製)を0.05重量%、インクジェットヘッド部材の腐食防止のためベンゾトリアゾールを0.02重量%、インク系中の金属イオンの影響を低減するためにEDTA(エチレンジアミン四酢酸)・2Na塩を0.04重量%それぞれイオン交換水に添加したものを用いた。
Figure 2008208332
3.印刷試験
(1)試験方法
メタリックインク組成物1と、上記水性インク組成物(ブラックインク組成物、シアンインク組成物、マゼンタインク組成物、イエローインク組成物及びホワイトインク組成物)を組み合わせてインクセット(インクセット1)を構成し、インクジェットプリンタPM−4000PX(セイコーエプソン社製)を用いて、ブラックインク組成物、シアンインク組成物、マゼンタインク組成物、イエローインク組成物はそれぞれ対応するカラー列に、メタリックインク組成物1はライトシアン列にホワイトインク組成物はライトマゼンタ列に充填し、インク受容層を有する同社製写真用紙<光沢>(型番:KA450PSK)上に常温でベタ印刷を行った。得られた画像の光沢度は光沢度計(コニカミノルタ社製 MULTI Gloss 268)を用いて行った。同様に、メタリックインク組成物1に換えて、メタリックインク組成物2を用いたもの(インクセット2)、メタリックインク組成物3を用いたもの(インクセット3)、メタリックインク組成物4を用いたもの(インクセット4)、メタリックインク組成物5を用いたもの(インクセット5)についても同様の印刷を行った。
(2)印刷パターン
インクセット(1〜5)を用いた印刷パターンは以下のとおりである。
a.印刷パターン1
メタリックインク組成物のみを吐出
b.印刷パターン2
メタリックインク組成物と有彩色インク組成物を同時に吐出
c.印刷パターン3
メタリックインク組成物を吐出した後、有彩色インク組成物を吐出
d.印刷パターン4
メタリックインク組成物を吐出した後、ホワイトインク組成物を吐出
(3)官能評価
得られた印刷物につき、下記の評価基準に基づいて、印刷物の官能評価を行った。結果を表4に示す。
AA:映りこんだ物体が明確に判別できるほどのメタリック調光沢が得られた。
A :画像に映りこんだ物体が若干判別できる程度のメタリック調光沢が得られた。
B :つや消し調(マット調)のメタリック調光沢が得られた。
C :メタリック調の光沢は得られなかった。
Figure 2008208332
表4に示すように、上記のインクセットを用いた上記インクジェット記録方法により、任意の色調を帯びたメタリック調の画像を有する記録物を得ることができた。
1.油性インク組成物(メタリックインク組成物)
(1)メタリック顔料分散液の調製
膜厚100μmのPETフィルム上に、セルロースアセテートブチレート(ブチル化率35〜39%、関東化学社製)3.0重量%及びジエチレングリコールジエチルエーテル(日本乳化剤社製)97重量%からなる樹脂層塗工液をバーコート法によって均一に塗布し、60℃、10分間乾燥する事で、PETフィルム上に樹脂層薄膜を形成した。
次に、真空蒸着装置(真空デバイス社製VE−1010型真空蒸着装置)を用いて、上記の樹脂層上に平均膜厚20nmのアルミニウム蒸着層を形成した。
次に、上記方法にて形成した積層体を、ジエチレングリコールジエチルエーテル中、VS−150超音波分散機(アズワン社製)を用いて剥離・微細化・分散処理を同時に行い、積算の超音波分散処理時間が12時間であるメタリック顔料分散液を作成した。
得られたメタリック顔料分散液を、開き目5μmのSUSメッシュフィルターにてろ過処理を行い、粗大粒子を除去した。次いで、ろ液を丸底フラスコに入れ、ロータリーエバポレターを用いてジエチレングリコールジエチルエーテルを留去した。これにより、メタリック顔料分散液を濃縮し、その後、そのメタリック顔料分散液の濃度調整を行い、5重量%濃度のメタリック顔料分散液を得た。
そして、粒子径・粒度分布測定装置(シスメックス社製FPIA−3000S)を用いて、各メタリック顔料の長径(X方向)−短径(Y方向)平面の円相当径の50%平均粒子径R50、平均膜厚Zを測定し、さらに、得られたR50とZの測定値に基づき、R50/Zを算出した。その結果、メタリック顔料分散液中のメタリック顔料は、50%平均粒子径R50が1.13μm、平均膜厚Zが0.02μm、R50/Z56.5であることが判明した。
(2)メタリックインク組成物の調製
上記方法にて調製したメタリック顔料分散液を用いて、下記に示す組成にてメタリックインク組成物を調製した。調製方法は、溶媒及び添加剤を混合・溶解し、インク溶媒とした後に、メタリック顔料分散液をそのインク溶媒中へ添加して、更に常温・常圧下30分間マグネティックスターラーにて混合・撹拌して、メタリックインク組成物1とした。
メタリック顔料分散液(顔料固形分) 1.0重量%
ジエチレングリコールジエチルエーテル 61.8重量%
γ−ブチロラクトン 15.0重量%
テトラエチレングリコールジメチルエーテル 18.0重量%
N−2043−AF−1(樹脂エマルジョン) 4.0重量%
BYK−3500(界面活性剤) 0.2重量%
2.水性インク組成物
(1)有彩色インク組成物の調製
表5に示す組成で、シアンインク組成物、マゼンタインク組成物、イエローインク組成物、オレンジインク組成物、レッドインク組成物、バイオレットインク組成物及びグリーンインク組成物を調製した。特に示さない限り、表5中の数値は重量%を意味する。
Figure 2008208332
(2)黒色インク組成物の調製
表6の組成で、ブラックインク組成物を調製した。特に示さない限り、表6中の数値は重量%を意味する。
Figure 2008208332
(3)白色インク組成物の調製
表7に示す組成で、ホワイトインク組成物を調製した。ここで、中空白色エマルジョンは特開2006−274214号公報に開示されている製造方法に従い調製した。なお、特に示さない限り、表7中の数値は重量%を意味する。
Figure 2008208332
3.インクセット
表8に示すインク組成物の組み合わせでインクセットを構成した。
Figure 2008208332
4.評価試験
(1)印刷方法
各インクセットを用い、インクジェットプリンタPX−G920(商品名、セイコーエプソン社製)を使用した。なお、本機は同時に7色までしか印刷できないため、8色を超えるインクセットについては2度に分けて印刷を行った。そして、マットブラックインク組成物、ブラックインク組成物、シアンインク組成物、マゼンタインク組成物、イエローインク組成物、レッドインク組成物、ブルーインク組成物はそれぞれ対応するカラー列に充填した。メタリックインク組成物はグロスオプティマイザ列に充填した。ホワイトインク組成物は、もう一台準備したインクジェットプリンタの任意の列に充填した。更に、オレンジインク組成物を使用する際には、このもう一台のインクジェットプリンタのマゼンタ列に充填した。グレイ、ライトブラックインク組成物も、このインクジェットプリンタのマットブラック列とブラック列に充填した。
そして、インク受容層を有する同社製写真用紙<光沢>(型番:KA450PSK)上に常温でベタ印刷を1440×720dpiにて、2台のインクジェットプリンタを用いて合計2回の印刷処理を行った。このとき、メタリックインクを印字した後に各色インクを印刷した。
(2)印刷物の官能評価
得られた画像の光沢度は下記の評価基準に基づき、目視にて印刷物の官能評価を行った。結果を表9に示す。
AA:映りこんだ物体が明確に判別できるほどのメタリック調光沢が得られた。
A :画像に映りこんだ物体が若干判別できる程度のメタリック調光沢が得られた。
B :つや消し調(マット調)のメタリック調光沢が得られた。
C :メタリック調の光沢は得られなかった。
Figure 2008208332
表9に示すように、上記のインクセットを用いた上記インクジェット記録方法により、任意の色調を帯びたメタリック調の高金属光沢を示す画像を有する記録物を得ることができた。

Claims (22)

  1. 金属顔料を含む油性インク組成物と、
    有彩色顔料を含む有彩色インク組成物、黒色顔料を含む黒色インク組成物、白色顔料を含む白色インク組成物からなる群から選択された少なくとも1種以上の水性インク組成物と、
    を備えたインクセット。
  2. 前記金属顔料が、平板状粒子であり、該平板状粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZとした場合、該平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであり、かつ、R50/Z>5の条件を満たす金属顔料である、請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記金属顔料が、アルミニウム又はアルミニウム合金である、請求項1又は2に記載のインクセット。
  4. 前記油性インク組成物が、前記金属顔料と、有機溶剤と、樹脂と、を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクセット。
  5. 前記油性インク組成物の金属顔料の濃度が0.1〜3.0重量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクセット。
  6. 前記有機溶剤が、常温常圧下で液体であるアルキレングリコールエーテルを1種類以上含む、請求項4又は5に記載のインクセット。
  7. 前記有機溶剤が、アルキレングリコールジエーテル、アルキレングリコールモノエーテル及びラクトンの混合物である、請求項4又は5に記載のインクセット。
  8. 前記樹脂が、ポリビニルブチラール、セルロースアセテートブチレート、ポリアクリルポリオールからなる群から選択された少なくとも1種以上である、請求項4〜7のいずれか1項に記載のインクセット。
  9. 前記有彩色インク組成物、前記黒色インク組成物、前記白色インク組成物が、少なくとも水不溶性の顔料と、水と、水溶性有機溶剤と、界面活性剤と、を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクセット。
  10. 前記水溶性有機溶剤が、アルキレングリコール、アルキレングリコールエーテル、アルカノール、アルカンジオール、グリセリン、ポリアルキレングリコール、ラクトンからなる群から選択された1種以上である、請求項9に記載のインクセット。
  11. 前記界面活性剤が、アセチレンジオール系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、ポリエステル変性シリコーン系界面活性剤からなる群から選択された1種以上である、請求項9又は10に記載のインクセット。
  12. 前記有彩色インク組成物が、C.I.ピグメントイエロー74,93,110,120,128,129,138,150,151,155,180,213からなる群から選択された少なくとも1種以上を含むイエローインク組成物;
    C.I.ピグメントレッド122及び/又はC.I.ピグメントバイオレット19を含むマゼンタインク組成物;
    C.I.ピグメントブルー15:3,15:4,60からなる群から選択された少なくとも1種以上を含むシアンインク組成物であり、
    前記黒色インク組成物が、C.I.ピグメントブラック7を含む黒色インク組成物であり、
    前記白色インク組成物が、C.I.ピグメントホワイト6及び/又は中空白色エマルジョンを含む白色インク組成物である、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載のインクセット。
  13. 前記有彩色インク組成物として、前記イエローインク組成物と、前記マゼンタインク組成物と、前記シアンインク組成物と、
    C.I.ピグメントレッド117を含むレッドインク組成物、
    C.I.ピグメントグリーン7を含むグリーンインク組成物、
    C.I.ピグメントオレンジ43及び/又は242を含むオレンジインク組成物、から選択された少なくとも1種以上と、
    を備えた、請求項12に記載のインクセット。
  14. 前記有彩色インク組成物として、更に、
    前記イエローインク組成物と同種の顔料を含むライトイエローインク組成物、
    前記マゼンタインク組成物と同種の顔料を含むライトマゼンタインク組成物、
    前記シアンインク組成物と同種の顔料を含むライトシアンインク組成物、
    から選択された少なくとも1種以上を備えた、請求項12又は13に記載のインクセット。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載のインクセットを収容したインク容器。
  16. 請求項15に記載のインク容器を備える液体噴射装置。
  17. インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法において、
    請求項1〜14のいずれか1項に記載のインクセットを用いて画像を形成する、インクジェット記録方法。
  18. 前記油性インク組成物と、
    前記有彩色インク組成物、前記黒色インク組成物、前記白色インク組成物からなる群から選択された少なくとも1種以上と、
    を同時に吐出して画像を形成する、請求項17に記載のインクジェット記録方法。
  19. 前記油性インク組成物を用いて画像を形成した後に、前記有彩色インク組成物を用いて任意の色調の画像を形成する、請求項17に記載のインクジェット記録方法。
  20. 前記記録媒体を加熱して印刷する、請求項17〜19のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  21. 前記加熱は、印刷する前及び/又は印刷と同時に及び/又は印刷した後に行う、請求項20に記載のインクジェット記録方法。
  22. 請求項17〜21のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法により記録された、記録物。
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