JP2008207470A - 多層延伸フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】延伸加工性に優れ、安定した高い収縮率が得られる多層延伸フィルムを提供する。
【解決手段】エチレンから誘導される構成単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンから誘導される構成単位を含むエチレン−α−オレフィン共重合体であって、流動の活性化エネルギーが50kJ/mol以上であり、メルトフローレート(MFR;単位はg/10分である。)と190℃の剪断速度100rad/secにおける溶融粘度(η;単位はPa・secである。)とが下記式(1)の関係を満たすエチレン−α−オレフィン共重合体を含む層(A)とプロピレン系樹脂からなる層(B)から少なくとも構成される多層延伸フィルムとする。
η<1550×MFR−0.25−420 式(1)
【選択図】なし

Description

本発明はエチレン−α−オレフィン共重合体からなる多層延伸フィルムに関する。
エチレン−α−オレフィン共重合体からなる層とプロピレン系樹脂からなる層から構成される多層延伸フィルムは、食品、雑貨等のシュリンク包装用フィルムとして広く用いられている。特に二軸延伸して得られるフィルムは収縮特性に優れ、透明性も良好であるため、かかる用途において好適に利用されている(例えば特許文献1参照)。また、ホットタック性、カット性、および、耐衝撃性を改良することを目的とした、密度が890〜950kg/cm3であり、活性化エネルギーが35kJ/mol以上であり、メルトフローレートレイシオが30以上であり、分子量分布が5〜25であるエチレン−α−オレフィン共重合体(A1)と、(A1)以外のエチレン系重合体(B1)とを特定比率で含有する層を有するラミネート用フィルムが提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開平5−329995号公報 特開2005−314654号公報
該多層延伸フィルムには加熱によって高い収縮性を発現する特性が求められるが、その特性の実現のためには、延伸加工工程における正確な加熱条件が必要となる。しかしながら、一般に延伸工程における温度管理の精度には限界があり、延伸温度に不均一が生じる場合がある。そうした場合、得られる多層延伸フィルムにおいて十分な収縮性が発揮されない問題があった。なお、延伸工程における加工性を考慮すると、より低い延伸倍率でより高い収縮性を得られることが望ましいことは言うまでもない。
すなわち本発明は、エチレンから誘導される構成単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンから誘導される構成単位を含むエチレン−α−オレフィン共重合体であって、流動の活性化エネルギーが50kJ/mol以上であり、メルトフローレート(MFR;単位はg/10分である。)と190℃の剪断速度100rad/secにおける溶融粘度(η*;単位はPa・secである。)とが下記式(1)の関係を満たすエチレン−α−オレフィン共重合体を含む層(A)とプロピレン系樹脂からなる層(B)から少なくとも構成される多層延伸フィルムに関するものである。
η* < 1550×MFR-0.25−420
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体からなる層とプロピレン系樹脂層から少なくとも構成される多層延伸フィルムは延伸加工性に優れ、安定した高い収縮率が得られる。
本発明で用いるエチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンから誘導される構成単位と炭素数3〜20のα−オレフィンから誘導される構成単位を含むエチレン−α−オレフィン共重合体である。
エチレンから誘導される構成単位とは、単量体であるエチレンから誘導され、エチレン−α−オレフィン共重合体に含有される単位である。炭素数3〜20のα−オレフィンから誘導される構成単位とは、単量体である炭素数3〜20のα−オレフィンから誘導され、エチレン−α−オレフィン共重合体に含有される単位である。炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。より好ましくは、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンである。
エチレンから誘導される構成単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量(100重量%)に対して、通常50〜99重量%である。炭素数3〜20のα−オレフィンから誘導される構成単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量(100重量%)に対して、通常1〜50重量%である。
本発明で用いるエチレン−α−オレフィン共重合体は、上記のエチレンから誘導される構成単位および炭素数3〜20のα−オレフィンから誘導される構成単位以外の他の単量体から誘導される構成単位を含有していてもよい。他の単量体としては、例えば、共役ジエン(例えばブタジエンやイソプレン)、非共役ジエン(例えば1,4−ペンタジエン)、アクリル酸、アクリル酸エステル(例えばアクリル酸メチルやアクリル酸エチル)、メタクリル酸、メタクリル酸エステル(例えばメタクリル酸メチルやメタクリル酸エチル)、酢酸ビニル等が挙げられる。
本発明で用いるエチレン−α−オレフィン共重合体として好ましくは、エチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体であり、より好ましくは、エチレンと炭素数5〜10のα−オレフィンとの共重合体であり、さらに好ましくは、エチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体である。例えば、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体等が挙げられ、好ましくはエチレン−1−ヘキセン共重合体である。また、エチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンと1−ブテンとの3元共重合体も好ましく、例えばエチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体等が挙げられ、より好ましくはエチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体である。
本発明で用いるエチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレート(MFR、単位はg/10分である。)は、通常0.01〜100であり、好ましくは0.05〜20であり、より好ましくは0.1〜5であり、さらに好ましくは0.1〜2である。
本発明において、メルトフローレート(MFR;単位はg/10分である。)は、JIS K7210−1995に規定された方法に従い、190℃において、荷重21.18N(2.16Kg)で測定された値である。そして、上記のメルトフローレートの測定には、予め酸化防止剤を1000ppm配合した重合体を用いる。
本発明で用いるエチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、通常、890〜970kg/m3であり、JIS K6760−1981に規定された方法に従って、測定された値である。上記の密度として、好ましくは、本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体から得られるフィルムの剛性と衝撃強度のバランスの観点から、905〜940kg/m3であり、より好ましくは907〜930kg/m3である。
本発明で用いるエチレン−α−オレフィン共重合体は、長鎖分岐を有するような溶融張力に優れたエチレン−α−オレフィン共重合体であり、このようなエチレン−α−オレフィン共重合体は従来から知られている通常のエチレン−α−オレフィン共重合体に比べて、流動の活性化エネルギーがより高い。
このようなエチレン−α−オレフィン共重合体の流動の活性化エネルギー(Ea、単位はkJ/molである。)は、通常50kJ/mol以上である。従来から知られている通常のエチレン−α−オレフィン共重合体の流動の活性化エネルギーは、通常50kJ/mol未満であり、このような重合体を押出し成形に用いた場合には、押出機負荷の上昇や加工安定性の不良を招き、延伸加工に対しても悪影響を及ぼす。
本発明で用いるエチレン−α−オレフィン共重合体の流動の活性化エネルギー(Ea)として、より好ましくは55kJ/mol以上であり、さらに好ましくは60kJ/mol以上である。また、高温で溶融粘度を低下させずに十分な成形性を得るという観点や、外観良好なフィルムが得られるという観点から、Eaは、好ましくは100kJ/mol以下であり、より好ましくは90kJ/mol以下である。
エチレン−α−オレフィン共重合体の流動の活性化エネルギー(Ea)は、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて、190℃での溶融複素粘度(単位:Pa・sec)の角周波数(単位:rad/sec)依存性を示すマスターカーブを作成する際のシフトファクター(aT)からアレニウス型方程式により算出される数値であって、以下に示す方法で求められる値である。すなわち、130℃、150℃、170℃、190℃、210℃の温度の中から、190℃を含む4つの温度について、夫々の温度(T、単位:℃)におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線を、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて、各温度(T)での溶融複素粘度−角周波数曲線毎に、190℃でのエチレン系共重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせた際に得られる各温度(T)でのシフトファクター(aT)を求め、夫々の温度(T)と、各温度(T)でのシフトファクター(aT)とから、最小自乗法により[ln(aT)]と[1/(T+273.16)]との一次近似式(下記(I)式)を算出する。次に、該一次式の傾きmと下記式(II)とからEaを求める。
ln(aT) = m(1/(T+273.16))+n (I)
Ea = |0.008314×m| (II)
T :シフトファクター
Ea:流動の活性化エネルギー(単位:kJ/mol)
T :温度(単位:℃)
上記計算は、市販の計算ソフトウェアを用いてもよく、該計算ソフトウェアとしては、Rheometrics社製 Rhios V.4.4.4などがあげられる。
なお、シフトファクター(aT)は、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線を、log(Y)=−log(X)軸方向に移動させて(但し、Y軸を溶融複素粘度、X軸を角周波数とする。)、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせた際の移動量であり、該重ね合わせでは、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線は、角周波数をaT倍に、溶融複素粘度を1/aT倍に移動させる。
また、130℃、150℃、170℃、190℃、210℃の中から190℃を含む4つの温度でのシフトファクターと温度から得られる一次近似式(I)式を最小自乗法で求めるときの相関係数は、通常、0.99以上である。
上記の溶融複素粘度−角周波数曲線の測定は、粘弾性測定装置(例えば、Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800など。)を用い、通常、ジオメトリー:パラレルプレート、プレート直径:25mm、プレート間隔:1.2〜2mm、ストレイン:5%、角周波数:0.1〜100rad/秒の条件で行われる。なお、測定は窒素雰囲気下で行われ、また、測定試料には予め酸化防止剤を適量(例えば1000ppm)配合することが好ましい。
本発明で用いるエチレン−α−オレフィン共重合体は、温度190℃、角周波数100rad/secでの溶融複素粘度をη*(単位:Pa・sec)とし、JIS K7210−1995に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定されるメルトフローレートをMFR(単位:g/10分)として、下記式(1)を充足する。
η* < 1550×MFR-0.25−420 式(1)
また、加工性を高める観点から、下記式(1−2)を充足することがより好ましく、
η* < 1500×MFR-0.25−420 式(1−2)
下記式(1−3)を充足することが更に好ましく、
η* < 1450×MFR-0.25−420 式(1−3)
下記式(1−4)を充足することが特に好ましい。
η* < 1350×MFR-0.25−420 式(1−4)
溶融複素粘度η*は、エチレン−α−オレフィン共重合体の流動の活性化エネルギー(Ea)を求めるために行われる測定のうち、190℃の溶融複素粘度−角周波数の測定において得られた、角周波数100rad/secにおける溶融複素粘度である。
本発明で用いるエチレン−α−オレフィン共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、加工性等を高める観点から、好ましくは6以上であり、より好ましくは7以上である。また、該Mw/Mnは、機械的強度を高める観点から、好ましくは25以下であり、より好ましくは20以下であり、更に好ましくは17以下である。なお、該分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ測定によってポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とを求め、MwをMnで除した値(Mw/Mn)である。
本発明で用いるエチレン−α−オレフィン共重合体は、成形性、機械的強度を高める観点から、JIS K7210−1995に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定されるメルトフローレートをMFR(単位:g/10分)とし、190℃における溶融張力をMT(単位:cN)として、下記式(2)を充足することが好ましい。
2×MFR-0.59 < MT < 20×MFR-0.59 式(2)
加工性を高める観点から、エチレン−α−オレフィン共重合体は、下記式(2−2)を充足することがより好ましく、
2.2×MFR-0.59 < MT 式(2−2)
下記式(2−3)を充足することが更に好ましい。
2.5×MFR-0.59 < MT 式(2−3)
また、機械的強度を高める観点から、エチレン−α−オレフィン共重合体は、下記式(2−4)を充足することがより好ましく、
MT < 10×MFR-0.59 式(2−4)
下記式(2−5)を充足することが更に好ましい。
MT < 5×MFR-0.59 式(2−5)
エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレート比(MFRR)は、通常40〜300である。該MFRRは、加工性等をより高める観点から、好ましくは50以上であり、より好ましくは55以上である。また、該MFRRは、機械的強度をより高める観点から、好ましくは250以下であり、より好ましくは200以下である。なお、該MFRRは、JIS K7210−1995に規定された方法において、試験荷重211.83N、測定温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(MFR−H、単位:g/10分)を、JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18Nおよび温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(MFR)で除した値である。
前記したエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の製造方法は、下記のメタロセン系オレフィン重合用触媒を用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合する方法である。
該エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の製造に用いられるメタロセン系オレフィン重合用触媒は、助触媒担体(A)、架橋型ビスインデニルジルコニウム錯体(B)、有機アルミニウム化合物(C)および電子供与性化合物(D)を接触させて得られる触媒であり、前記助触媒担体(A)はジエチル亜鉛(a)、2種類のフッ素化フェノール(b)と(c)、水(d)、無機化合物の粒子(e)およびアルキルジシラザン(f)を接触させて得られる担体である。
2種類のフッ素化フェノール(b)と(c)として、好ましくはペンタフルオロフェノール、トリフルオロフェノールである。
無機化合物の粒子(e)として、好ましくはシリカゲルである。
アルキルジシラザン(f)として、好ましくは1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンである。
上記(a)、(b)、(c)、(d)各化合物の使用量は特に制限はないが、各化合物の使用量のモル比率を(a):(b):(c):(d)=1:x:y:zのモル比率とすると、x、yおよびzが下記の式(7)を満足することが好ましい。
|2−(x+y)−2z|≦1 式(7)
上記の式(7)における(x+y)として好ましくは0.01〜1.99の数であり、より好ましくは0.10〜1.80の数であり、さらに好ましくは0.20〜1.50の数であり、最も好ましくは0.30〜1.00の数である。
また、(a)に対して使用する(e)の量としては、(a)と(e)との接触により得られる粒子に含まれる(a)に由来する亜鉛原子が、得られる粒子1gに含まれる亜鉛原子のモル数にして、0.1mmol以上となる量であることが好ましく、0.5〜20mmolとなる量であることがより好ましい。(e)に対して使用する(f)の量としては、(e)1gにつき(f)0.1mmol以上となる量であることが好ましく、0.5〜20mmolとなる量であることがより好ましい。
架橋型ビスインデニルジルコニウム錯体(B)として、好ましくはラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシドである。
また、有機アルミニウム化合物(C)として、好ましくはトリイソブチルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウムである。
また、電子供与性化合物(D)として、好ましくはトリエチルアミン、トリノルマルオクチルアミンである。
架橋型ビスインデニルジルコニウム錯体(B)の使用量は、助触媒担体(A)1gに対し、好ましくは5×10-6〜5×10-4molである。また有機アルミニウム化合物(C)の使用量として、好ましくは、架橋型ビスインデニルジルコニウム錯体(B)のジルコニウム原子モル数に対する有機アルミニウム化合物(C)のアルミニウム原子のモル数の比(Al/Zr)で表して、1〜2000である。
また、電子供与性化合物(D)の使用量は、有機アルミニウム化合物(C)のアルミニウム原子のモル数に対して、0.1〜10mol%である。
重合方法として、好ましくは、エチレン−α−オレフィン共重合体の粒子の形成を伴う連続重合方法であり、例えば、連続気相重合、連続スラリー重合、連続バルク重合であり、好ましくは、連続気相重合である。
気相重合反応装置としては、通常、流動層型反応槽を有する装置であり、好ましくは、拡大部を有する流動層型反応槽を有する装置である。反応槽内に攪拌翼が設置されていてもよい。
該エチレン−α−オレフィン共重合体の製造に用いられるメタロセン系オレフィン重合用触媒の各成分を反応槽に供給する方法としては、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で供給する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で供給する方法が用いられる。触媒の各成分は個別に供給してもよく、任意の成分を任意の順序にあらかじめ接触させて供給してもよい。
また、本重合を実施する前に、予備重合を実施し、予備重合された予備重合触媒成分を本重合の触媒成分または触媒として使用することが好ましい。
重合温度としては、通常、共重合体が溶融する温度未満であり、好ましくは0〜150℃であり、より好ましくは30〜100℃である。
また、共重合体の溶融流動性を調節する目的で、水素を分子量調節剤として添加してもよい。そして、混合ガス中に不活性ガスを共存させてもよい。
前記したような方法で重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、次の連続押出造粒方法で混練する方法によって、ペレットにすることができる。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)をペレットにする方法の一つは、米国特許5、451、106号公報に記載されているUtracki等が開発した伸長流動混練(EFM)ダイを備えた押出機を用いて連続的にストランドを成形し、そのストランドを連続的にカットし、ペレットとして製造する方法である。また、他の方法としては、ギアポンプを有する異方向二軸スクリューを備えた押出機を用いて連続的にストランドを成形し、そのストランドを連続的にカットし、ペレットとして製造する方法が挙げられる。後者は、スクリュー部からダイまでの間に滞留部があることが好ましい。
本発明で用いるエチレン−α−オレフィン共重合体には、公知の添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、無滴剤、顔料、フィラー等が挙げられる。
本発明で用いるプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン結晶構造を有する熱可塑性のプロピレン重合体を意味し、プロピレンから誘導される繰り返し単位を過半量以上含有する熱可塑性のプロピレン重合体樹脂であって、プロピレンの単独重合体、プロピレン50重量%超と炭素数2〜10のαオレフィン(但し、プロピレンを除く)50重量%未満との共重合体、およびこれらの混合物が好ましい。該オレフィンとしてエチレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1を例示することができる。他のモノマーとして共役ジエン(例えばブタジエンやイソプレン)を例示することができる。
プロピレン系樹脂として、より好ましくは、プロピレンの単独重合体、プロピレン50重量%超と、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1等で例示される少なくとも1種の炭素原子数2〜10のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く)50重量%未満との共重合体、およびこれらの混合物を挙げることができる。
本発明で用いるプロピレン系樹脂としては、延伸加工性の観点から、示唆走査熱量測定による最高融解ピーク温度が125℃〜160℃の範囲のものが好ましく、130〜150℃の範囲のものがさらに好ましい。
本発明で用いるプロピレン系樹脂としては、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、またはプロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体がより好ましい。
本発明で用いるプロピレン系樹脂のMFRはフィルム加工性、延伸性の観点から0.1〜20g/10分が好ましく、0.5〜5g/10分がさらに好ましい。MFRは、JIS K6758に規定された方法により測定される。
本発明のフィルムは、エチレン−α−オレフィン共重合体を含む層(A)と、プロピレン系樹脂からなる層(B)とから少なくとも構成される多層延伸フィルムである。本明細書でいう多層延伸フィルムとは、層(A)と層(B)のいずれもが延伸加工処理を受けているものをいう。該多層フィルムの層の構成としては、(A)/(B)、(B)/(A)/(B)、(B)/(A)/(B)/(A)/(B)などの多層構成が挙げられる。好ましくは、(B)/(A)/(B)である。
本発明のフィルムの製造方法としては公知の方法を適用可能であり、例えば、共押出Tダイ法によって原反フィルムを得た後、テンター装置によって延伸加工する方法、共押出インフレーション法によってチューブ状原反フィルムを得た後、チューブラー延伸法によって延伸する方法等が挙げられる。
原反フィルムの製造は共押出法、ラミネート法のいずれであってもよいが、共押出法が好ましい。
延伸加工は一軸延伸、二軸延伸のいずれであってもよいが、収縮特性の縦横バランスの観点から二軸延伸法が好ましい。二軸延伸法としては逐次二軸法、同時二軸法のいずれでもよいが、同時二軸法が好ましい。
すなわち、本発明の多層延伸フィルムの製造方法としては、チューブラー延伸法がより好ましい。
原反フィルムの厚みは通常100μm〜800μmであり、好ましくは200μm〜500μmである。
原反フィルムは冷却水による直接冷却、すなわち水冷方式によって製造されることが好ましい。
延伸加工温度は、通常70℃から130℃であり、好ましくは80℃〜120℃である。原反フィルムを加熱する方法は、オーブンによる雰囲気加熱でもよく、赤外線等による直接加熱でもよい。延伸加工時の延伸倍率は好ましくは、MD方向、TD方向それぞれ2〜5倍であり、より好ましくは2.5〜4倍である。MD方向とTD方向の倍率は同等であってもよく、異なっていてもよい。このようにして得られる二軸延伸フィルムの厚みは、通常7μm〜50μmであり、好ましくは12μm〜30μmである。また本発明の二軸延伸フィルムの加熱収縮率は、110℃で加熱した際に20%〜60%であることが好ましく、25%〜60%であることがさらに好ましい。
次に、本発明を実施例によって説明する。
[1]評価方法
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18N、温度190℃の条件で測定した。
(2)密度(d、単位:kg/m3)
密度は、JIS K7112−1980に規定された方法に従って測定した。
(3)流動の活性化エネルギー(Ea、単位:kJ/mol)
粘弾性測定装置(Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800)を用いて、下記測定条件で130℃、150℃、170℃および190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線を測定し、次に、得られた溶融複素粘度−角周波数曲線から、Rheometrics社製計算ソフトウェア Rhios V.4.4.4を用いて、活性化エネルギー(Ea)を求めた。
<測定条件>
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:25mm
プレート間隔:1.2〜2mm
ストレイン :5%
角周波数 :0.1〜100rad/秒
測定雰囲気 :窒素下
(4)溶融複素粘度(η*、単位:Pa・sec)
上記の(3)流動の活性化エネルギーを測定した際に得られた190℃での溶融複素粘度−角周波数の測定結果から、角周波数が100rad/secにおける190℃の溶融複素粘度を求めた。
(5)溶融張力(MT、単位:cN)
東洋精機製作所製 メルトテンションテスターを用いて、温度が190℃の条件で、9.5mmφのバレルに充填した溶融樹脂を、ピストン降下速度5.5mm/分で、径が2.09mmφ、長さ8mmのオリフィスから押出し、該押し出された溶融樹脂を、径が150mmφの巻き取りロールを用い、40rpm/分の巻き取り上昇速度で巻き取り、溶融樹脂が破断する直前における張力値を測定した。この値が大きいほど溶融張力が大きいことを示す。
(6)メルトフローレート比(MFRR)
JIS K7210−1995に規定された方法において、試験荷重211.83N、測定温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(MFR−H、単位:g/10分)を、JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18Nおよび温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(MFR)で除した値を、MFRRとした。
(7)収縮率
MD方向、TD方向ともに90mmである正方形試片を用意し、これを所定の温度に保ったオイルバスに5秒間浸漬し、MD方向、TD方向の寸法変化率を求めた。収縮方向の変化率を正の値とした。
収縮率(%)=〔(90−S)/90〕×100
S:オイルバス浸漬後の二軸延伸フィルムの寸法(mm)
[実施例1]
[触媒成分の調製]
(1)シリカの処理
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、トルエン24kgおよび窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;平均粒子径=55μm;細孔容量=1.67ml/g;比表面積=325m2/g)2.8kgを入れて、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン 0.91kgとトルエン 1.43kgの混合溶液を反応器の温度を5℃に保ちながら33分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間、95℃で3時間攪拌した。その後、得られた固体生成物をトルエン 21kgで6回、洗浄を行った。その後、トルエンを 6.9kg加え、一晩静置した。
(2)助触媒担体(A)の合成
上記で得られたスラリーに、50wt%のジエチル亜鉛のヘキサン溶液 2.05kgとヘキサン 1.3kgを投入し、攪拌した。その後、5℃に冷却した後、ペンタフルオロフェノール 0.77kgとトルエン 1.17kgの混合溶液を、反応器の温度を5℃に保ちながら61分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間、40℃で1時間攪拌した。その後、H2O 0.11kgを反応器の温度を5℃に保ちながら1.5時間で滴下した。滴下終了後、5℃で1.5時間、55℃で2時間攪拌した。その後、室温にて50wt%のジエチル亜鉛のヘキサン溶液 1.4kgとヘキサン 0.8kgを投入した。5℃に冷却した後、3,4,5−トリフルオロフェノール 0.42kgとトルエン 0.77kgの混合溶液を、反応器の温度を5℃に保ちながら60分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間、40℃で1時間攪拌した。その後、H2O 0.077kgを反応器の温度を5℃に保ちながら1.5時間で滴下した。滴下終了後、5℃で1.5時間、40℃で2時間、更に、80℃で2時間攪拌した。攪拌を停止し残量16Lまで上澄み液を抜き出しトルエン 11.6kgを投入し、攪拌した。95℃に昇温し、4時間攪拌した。得られた固体生成物をトルエン 20.8kgで4回、ヘキサン 24リットルで3回、洗浄を行った。その後、乾燥することで助触媒担体(A)を得た。
[予備重合触媒の調製]
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブに、上記助触媒担体(A)0.55kgを投入し、常温常圧の水素として3リットルと、ブタン80リットルを仕込んだ後、オートクレーブを30℃まで昇温した。さらにエチレンをオートクレーブ内のガス相圧力で0.02MPa分だけ仕込み、系内が安定した後、トリイソブチルアルミニウム165mmolとラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド55mmolを投入して重合を開始した。32℃へ昇温するとともに、エチレンと水素を連続で供給しながらさらに50℃まで昇温し、合計で4時間の予備重合を実施した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素ガスなどをパージして残った固体を室温にて真空乾燥し、上記助触媒担体(A)1g当り16gのエチレン−1−ブテン共重合体が予備重合された予備重合触媒成分を得た。
[重合]
上記で得た予備重合触媒成分を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ブテンと1−ヘキセンの3元共重合を実施した。重合条件は、温度75℃、全圧2MPaエチレンに対する水素モル比は0.9%、エチレンに対する1−ヘキセンモル比は1.9%で、重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。上記予備重合済触媒成分とトリイソブチルアルミニウムを連続的に供給し、流動床の総パウダー重量80kgを一定に維持するよう、平均重合時間4hr、21kg/hrの生産効率でエチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体パウダーを得た。得られたエチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体の物性値を表1に示す。
Figure 2008207470
[樹脂組成物]
上記で得たエチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体パウダーを、神戸製鋼所社製LCM50押出機を用いて、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃条件で造粒することによりペレットを得た。
[フィルムの製造]
実施例1
多層フィルムの中間層(層(A))用樹脂として上記のエチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体を用い、多層フィルムの表面層(層(B))用樹脂としてプロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体(ザ・ポリオレフィン・カンパニー社製FS6612,MFR=5,融点=135℃)を用いた。
住友重機械モダン社製2種3層共押出Tダイフィルム加工機を用いて、上記プロピレン−エチレン共重合体をφ40mm、L/D=32の表面層押出機へ供給し、上記エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体をφ50mm、L/D=32の中間層押出機にそれぞれ供給して、それぞれ230℃で溶融混練し、230℃に温度調調したTダイから共押出して、引取速度5m/分の条件で冷却ロールで引き取り、厚み構成が表面層/中間層/表面層の順に75μm/150μm/75μmの2種3層原反フィルムを得た。
該原反フィルムをMD方向90mm、TD方向90mmの正方形にカットし、東洋精機製卓上延伸装置で同時二軸延伸を行った。延伸倍率を縦方向、横方向ともに3.5倍とし、延伸温度は90℃、100℃、110℃の水準とした。また、延伸前予熱時間はいずれも3分間とした。
得られた多層延伸フィルムの厚みは20μmであった。このフィルムについて加熱収縮率の測定を行った。結果を表2に示す。
比較例1
中間層樹脂としてエチレン−1−オクテン共重合体(ダウケミカル社製 ダウレックス2045G,MFR=1(g/10min)、密度=921(kg/m))を用いた他は実施例1と同様に多層延伸フィルムを得た。このエチレン−1−オクテンの物性を表1に示す。このフィルムの厚みは20μmであった。加熱収縮率の測定結果を表2に示す。
Figure 2008207470

Claims (2)

  1. エチレンから誘導される構成単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンから誘導される構成単位を含むエチレン−α−オレフィン共重合体であって、流動の活性化エネルギーが50kJ/mol以上であり、メルトフローレート(MFR;単位はg/10分である。)と190℃の剪断速度100rad/secにおける溶融粘度(η*;単位はPa・secである。)とが下記式(1)の関係を満たすエチレン−α−オレフィン共重合体を含む層(A)とプロピレン系樹脂からなる層(B)から少なくとも構成される多層延伸フィルム。
    η* < 1550×MFR-0.25−420 式(1)
  2. 層構成が(B)/(A)/(B)の3層構成であることを特徴とする請求項1記載の多層延伸フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012133074A (ja) * 2010-12-21 2012-07-12 Sumitomo Chemical Co Ltd 位相差フィルムの製造方法

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