JP2008205937A - 移動体通信システム、移動体通信機及び移動体通信方法 - Google Patents

移動体通信システム、移動体通信機及び移動体通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 医療機器を装着している利用者などでも移動体通信機を利用できるよう、特定の移動体通信機の送信電力を選択的に抑制する。
【解決手段】 移動体通信機10が通信を行うセルを複数のセルの中から選択する基地局20と、特定の移動体通信機10を識別する基地局制御装置30とを備える。基地局20は、基地局制御装置30により特定の移動体通信機10と識別された移動体通信機10が通信を行うセルとして、複数のセルの中から比較的通信量が少ないセルを選択する。これにより、特定の移動体通信機10の送信電力を抑制することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、移動体通信システム、移動体通信機及び移動体通信方法に関する。
現代社会においては、多くの人々が移動体通信機を使用している。しかし、例えば、心臓ペースメーカをはじめとする医療機器を装着している利用者、または電磁波過敏症をはじめとする大量な電磁波に接触できない利用者は移動体通信機を利用できないのが現状である。ところが、現代社会における移動体通信機は単なる通信機ではなく、GPS(Global Positioning System)をはじめとする位置特定システムを利用した迷子対策や防犯システム、非常時における警察署や消防署との緊急呼通報、病院との間で行う遠距離医療など、さまざまな利用者にとって極めて重要な役割を果たすものとなっている。
なお、本発明に関連する先行技術文献としては、例えば、特許文献1の技術がある。特許文献1には、通信を行うための通常の送信電力を出力する第1の出力モードと、医療機器への悪影響を与えない予め設定され抑制された送信電力を出力する第2の出力モードと、送信電力を無出力にする第3の出力モードとを使い分けるための病院・電車モード設定部を備える無線電話端末が開示されている。
特開2002−159069号公報
上記のような事情から、送信電力を好適に抑制することにより、医療機器を装着している利用者や、電磁波過敏症をはじめとする大量な電磁波に接触できない利用者などであっても、移動体通信機を利用できるようにする技術が望まれている。
特許文献1の技術では、上記の構成であるため、無線電話端末の出力モードを切り替えることにより、医療機器を装着している利用者などであっても利用することが可能となる。
しかしながら、特許文献1の技術では、例えば、通信を行うための通常の送信電力を出力する第1の出力モードに設定しているときに着信があった場合には、送信電力の抑制ができないという問題(第1の問題)などがあった。
このため、本発明は、第1の問題を解決できる移動体通信システム、移動体通信機及び移動体通信方法を提供することを目的とする。
ところで、移動体通信機においては、送信電力が大きいと、消費電力も多くなってしまい、例えば電池残量が少ないときに大きな送信電力で通信を行うと、短時間で電池切れとなってしまうという問題(第2の問題)もあった。
また、例えば、消防署、警察署或いは病院などとの間で通信を行う移動体通信機は、緊急性の高い用件で通信を行っている可能性が高く、仮に電池切れとなってしまうと、極めて深刻な事態となる虞があるという問題(第3の問題)もあった。
そこで、本発明は、上記の第1の問題を解決するための特徴を利用して、第2の問題或いは第3の問題を解決できる移動体通信システム、移動体通信機及び移動体通信方法を提供することをも目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の移動体通信システムは、移動体通信機が通信を行うセルを複数のセルの中から選択するセル選択手段と、特定の移動体通信機を識別する特定通信機識別手段と、を備え、前記セル選択手段は、前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機が通信を行うセルとして、前記複数のセルの中から比較的通信量が少ないセルを選択することを特徴としている。
また、本発明の移動体通信システムは、移動体通信機が通信を行うセルを複数のセルの中から選択するセル選択手段と、特定の移動体通信機を識別する特定通信機識別手段と、を備え、前記複数のセルには、特定の移動体通信機の通信用に専用のセルが含まれ、前記セル選択手段は、前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機が通信を行うセルとして、前記複数のセルの中から、特定の移動体通信機の通信用に専用のセルを選択することを特徴としている。
また、本発明の移動体通信システムは、移動体通信機が通信を行うセルを複数のセルの中から選択するセル選択手段と、特定の移動体通信機を識別する特定通信機識別手段と、移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する電波環境判定手段と、を備え、前記セル選択手段は、前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機のうち、前記電波環境判定手段により電波環境が悪いと判定された移動体通信機が通信を行うセルとして、前記複数のセルの中から比較的通信量が少ないセルを選択することを特徴としている。
また、本発明の移動体通信システムは、移動体通信機が通信を行うセルを複数のセルの中から選択するセル選択手段と、特定の移動体通信機を識別する特定通信機識別手段と、移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する電波環境判定手段と、を備え、前記複数のセルには、特定の移動体通信機の通信用に専用のセルが含まれ、前記セル選択手段は、前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機のうち、前記電波環境判定手段により電波環境が悪いと判定された移動体通信機が通信を行うセルとして、前記複数のセルの中から、特定の移動体通信機の通信用に専用のセルを選択することを特徴としている。
本発明の移動体通信システムにおいては、前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の呼種を制限する呼種制限手段を更に備えることが好ましい。
本発明の移動体通信システムにおいては、前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の通信レートを制限する通信レート制限手段を更に備えることが好ましい。
また、本発明の移動体通信システムは、特定の移動体通信機を識別する特定通信機識別手段と、前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の呼種を制限する呼種制限手段と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の移動体通信システムは、特定の移動体通信機を識別する特定通信機識別手段と、前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の通信レートを制限する通信レート制限手段と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の移動体通信システムは、特定の移動体通信機を識別する特定通信機識別手段と、移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する電波環境判定手段と、前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機のうち、前記電波環境判定手段により電波環境が悪いと判定された移動体通信機の呼種を制限する呼種制限手段と、を備えることを特徴としている。
本発明の移動体通信システムにおいては、前記特定の移動体通信機からの発信要求があった場合に、前記呼種制限手段により呼種を制限する際には、電波環境が悪いために呼種を制限する旨を当該特定の移動体通信機に通知することが好ましい。
本発明の移動体通信システムにおいては、前記特定の移動体通信機への着信要求があった場合に、前記呼種制限手段により呼種を制限する際には、電波環境が悪いために呼種を制限する旨を当該特定の移動体通信機に対する発信を行った通信機に通知することが好ましい。
また、本発明の移動体通信システムは、特定の移動体通信機を識別する特定通信機識別手段と、移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する電波環境判定手段と、前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機のうち、前記電波環境判定手段により電波環境が悪いと判定された移動体通信機の通信レートを制限する通信レート制限手段と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の移動体通信システムは、特定の移動体通信機を識別する特定通信機識別手段と、移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する電波環境判定手段と、前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機のうち、前記電波環境判定手段により電波環境が悪いと判定された移動体通信機の通信開始タイミングを、電波環境が改善するまで遅らせる通信タイミング制限手段と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の移動体通信システムは、特定の移動体通信機を識別する特定通信機識別手段と、移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する電波環境判定手段と、前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機のうち、前記電波環境判定手段により電波環境が悪いと判定された移動体通信機の通信を禁止する通信禁止手段と、を備えることを特徴としている。
本発明の移動体通信システムにおいては、前記特定の移動体通信機からの発信要求があった場合に、前記通信禁止手段により通信を禁止する際には、電波環境が悪いために発信を禁止する旨を当該特定の移動体通信機に通知することが好ましい。
本発明の移動体通信システムにおいては、前記特定の移動体通信機への着信要求があった場合に、前記通信禁止手段により通信を禁止させる際には、電波環境が悪いために発信を禁止する旨を当該特定の移動体通信機に対する発信を行った通信機に通知することが好ましい。
本発明の移動体通信システムにおいては、前記特定通信機識別手段は、特定の移動体通信機に対して割り当てられた識別番号を用いて特定の移動体通信機を識別することが好ましい。前記識別番号は、例えば、IMEI又はIMSIである。
本発明の移動体通信システムにおいては、前記特定通信機識別手段は、特定の移動体通信機であると認識させるための特定の信号を発信した移動体通信機を、特定の移動体通信機と識別することも好ましい。
本発明の移動体通信システムにおいては、前記特定の信号は、利用者が移動体通信機に対して特定の操作を行うことにより、該移動体通信機から発信されることが好ましい。
或いは、本発明の移動体通信システムにおいては、前記特定の信号は、移動体通信機が電源として備える電池の電力残量が所定値未満となった場合に、当該移動体通信機から発信されることも好ましい。
本発明の移動体通信システムにおいては、前記特定通信機識別手段は、緊急呼を行う移動体通信機を特定の移動体通信機と識別することも好ましい。
本発明の移動体通信システムにおいては、前記特定通信機識別手段は、特定の通信相手と通信を行う移動体通信機を特定の移動体通信機と識別することも好ましい。
本発明の移動体通信システムにおいては、前記特定の通信相手には、警察、消防及び病院のうちの少なくとも何れか1つが含まれることが好ましい。
また、本発明の移動体通信機は、無線通信を行う通信手段と、利用者の操作を受け付ける操作部と、を備える移動体通信機において、前記操作部に対して特定の操作がなされた場合に、当該移動体通信機が送信電力の抑制を必要とする特定の移動体通信機であることをネットワーク側に認識させるため、特定の信号を前記通信手段に発信させる特定信号発信手段を備えることを特徴としている。
また、本発明の移動体通信機は、無線通信を行う通信手段と、電源としての電池と、前記電池の電力残量を検出する電力残量検出手段と、を備える移動体通信機において、前記電力残量検出手段による検出結果が、所定値未満の電力残量である場合に、当該移動体通信機が送信電力の抑制を必要とする特定の移動体通信機であることをネットワーク側に認識させるため、特定の信号を前記通信手段に発信させる特定信号発信手段を備えることを特徴としている。
また、本発明の移動体通信方法は、特定の移動体通信機を識別する第1の過程と、前記第1の過程により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機が通信を行うセルとして、複数のセルの中から比較的通信量が少ないセルを選択する第2の過程と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の移動体通信方法は、特定の移動体通信機を識別する第1の過程と、前記第1の過程により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機が通信を行うセルとして、複数のセルの中から、特定の移動体通信機の通信用に専用のセルを選択する第2の過程と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の移動体通信方法は、特定の移動体通信機を識別する第1の過程と、前記第1の過程により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する第2の過程と、前記第2の過程により電波環境が悪いと判定された移動体通信機が通信を行うセルとして、複数のセルの中から比較的通信量が少ないセルを選択する第3の過程と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の移動体通信方法は、特定の移動体通信機を識別する第1の過程と、前記第1の過程により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する第2の過程と、前記第2の過程により電波環境が悪いと判定された移動体通信機が通信を行うセルとして、複数のセルの中から、特定の移動体通信機の通信用に専用のセルを選択する第3の過程と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の移動体通信方法は、特定の移動体通信機を識別する第1の過程と、前記第1の過程により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の呼種を制限する第2の過程と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の移動体通信方法は、特定の移動体通信機を識別する第1の過程と、前記第1の過程により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の通信レートを制限する第2の過程と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の移動体通信方法は、特定の移動体通信機を識別する第1の過程と、前記第1の過程により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する第2の過程と、前記第2の過程により電波環境が悪いと判定された移動体通信機の呼種を制限する第3の過程と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の移動体通信方法は、特定の移動体通信機を識別する第1の過程と、前記第1の過程により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する第2の過程と、前記第2の過程により電波環境が悪いと判定された移動体通信機の通信レートを制限する第3の過程と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の移動体通信方法は、特定の移動体通信機を識別する第1の過程と、前記第1の過程により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する第2の過程と、前記第2の過程により電波環境が悪いと判定された移動体通信機の通信開始タイミングを、電波環境が改善するまで遅らせる第3の過程と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の移動体通信方法は、特定の移動体通信機を識別する第1の過程と、前記第1の過程により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する第2の過程と、前記第2の過程により電波環境が悪いと判定された移動体通信機の通信を禁止する第3の過程と、を備えることを特徴としている。
本発明によれば、特定の移動体通信機の通信を比較的通信量が少ないセルで行うようにでき、当該移動体通信機の送信電力を抑制することができる。
或いは、本発明によれば、特定の移動体通信機の通信を、特定の移動体通信機の通信用に専用のセルで行うようにでき、当該移動体通信機の送信電力を抑制することができる。
或いは、本発明によれば、特定の移動体通信機のうち、電波環境が悪い移動体通信機の通信を、比較的通信量が少ないセルで行うようにでき、当該移動体通信機の送信電力を抑制することができる。
或いは、本発明によれば、特定の移動体通信機のうち、電波環境が悪い移動体通信機の通信を、特定の移動体通信機の通信用に専用のセルで行うようにでき、当該移動体通信機の送信電力を抑制することができる。
或いは、本発明によれば、特定の移動体通信機の呼種を制限することにより、当該移動体通信機の送信電力を抑制することができる。
或いは、本発明によれば、特定の移動体通信機の通信レートを制限することにより、当該移動体通信機の送信電力を抑制することができる。
或いは、本発明によれば、特定の移動体通信機のうち、電波環境が悪い移動体通信機の呼種を制限することにより、当該移動体通信機の送信電力を抑制することができる。
或いは、本発明によれば、特定の移動体通信機のうち、電波環境が悪い移動体通信機の通信レートを制限することにより、当該移動体通信機の送信電力を抑制することができる。
或いは、本発明によれば、特定の移動体通信機のうち、電波環境が悪い移動体通信機の通信開始タイミングを、電波環境が改善するまで遅らせることにより、当該移動体通信機の送信電力を抑制することができる。
或いは、本発明によれば、特定の移動体通信機のうち、電波環境が悪い移動体通信機の通信を禁止させることにより、当該移動体通信機の通信を大きな送信電力にて行うことを回避させることができる。
よって、たとえば、心臓ペースメーカをはじめとする医療機器の装着により従来方式では移動体通信機を利用できなかった利用者でも移動体通信機を利用することが可能になる。また、電磁波過敏症をはじめとする大量な電磁波に接触できない利用者でも移動体通信機を利用できるようになる。また、消防署、警察署、病院との緊急呼通話をより高い品質のものにでき、さらに、移動体通信機の電池寿命も延ばすことができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態について説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は第1の実施形態に係る携帯電話通信システム(移動体通信システム)100の構成を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係る携帯電話通信システム100は、携帯電話機(移動体通信機)10の使用者が加入している通信事業者Hの通信システムであり、携帯電話機10との間で通信を行う基地局20と、基地局を制御する基地局制御装置30と、携帯電話交換機40と、関門交換機50と、データベース90と、を備えて構成されている。
また、通信事業者Hの通信網は、関門交換機50を介して、その他の通信事業者の通信網60、固定電話網70、及び、警察、消防、病院をはじめとする特定利用者(特定の通信相手)80に接続可能となっている。
データベース90には、各携帯電話機10が特定のものかどうかを示す情報が記憶保持されている。
基地局制御装置30は、データベース90に対してアクセスし、その記憶内容を参照できるようになっている。
本実施形態の場合、基地局制御装置(特定通信機識別手段)30は、データベース90の記憶内容を参照することにより、各携帯電話機10が特定の携帯電話機であるか否かを識別する。
また、基地局(セル選択手段)20は、携帯電話機10が通信を行うセルを複数のセルの中から選択する。
本実施形態の場合、基地局20は、基地局制御装置30により特定の携帯電話機であると識別された携帯電話機10が通信を行うセルとして、複数のセルの中から比較的通信量が少ないセルを選択する。
図2は本実施形態に係る携帯電話機10の構成を示す模式図である。
図2に示すように、携帯電話機10は、一般的な携帯電話機が備えている各種の構成要素を備えている。
すなわち、携帯電話機10は、アンテナ11と、このアンテナ11を用いて基地局20との間で無線電波の送受信を行う無線部12と、各種の制御動作を行う制御部13と、各種のデータを記憶するメモリ部14と、各種の表示動作を行う表示部15と、ユーザによる操作を受け付ける操作部16と、当該携帯電話機10の電源としての電池17と、この電池17の電力の残量を検出する電力残量検出部18と、を備えて構成されている。
本実施形態の通信方式は、特定の通信方式に限らないが、以下では、CDMA方式(符号分割多重通信方式)を一例として説明を行う。
図3は典型的なCDMA方式の基地局のセル構成を示す模式図である。
図3に示すように、1基の基地局20がカバーできる面積は、複数(図3に示すように、例えば3つ)のセルにより分割されている。
各セルは、それぞれの通信方式特有の手段により区別される。例えば、CDMA方式ではスクランブリングコード(Scrambling code)というコードにより、各セルが区別される。
さらに、1基の基地局20は一般的に複数(図3に示すように、例えば3つ)の周波数での通信機能を同時に担うことができ、周波数軸上でも複数のセルに分割されている。
一例として、図3では空間的に3分割、周波数的に3分割で、合計9個(3×3)のセルが、1基の基地局20に対して存在する。
次に、CDMA方式の原理について説明する。
CDMA方式は携帯電話機10毎に拡散符号を割り当て携帯電話機10から送信信号を拡散符号で広帯域の信号に拡散して伝送する通信方式である。基地局20では該当の携帯電話機10の拡散符号で受信信号を逆拡散すれば他の携帯電話機10の信号が単にノイズに見えるため該当の携帯電話機10の信号を取り出すことができる。以上の説明は携帯電話機10から基地局20への通信(いわゆる上りリンク通信)の説明であるが、基地局20から携帯電話機10への通信(いわゆる下りリンク通信)でも全く同様なことが言える。
ここで特に注目すべきところは、上りリンクにおいて、同一セル(例えば図3のcell f1_c1)において通信中の携帯電話機10の数が多ければ多いほど、基地局20に届く携帯電話機10の信号が多くなり、携帯電話10からの信号どうしの干渉量が増えてしまう。よって、基地局20は、所望の通信品質を実現するために、携帯電話機10に対して送信電力の増大を要求することになる。逆に同一セルにおける通信中の携帯電話機10が少なければ少ないほど、干渉のノイズが減り、携帯電話機10がより少ない送信電力で通信することができる。
以上のような事情を踏まえ、本実施形態の要部を以下に説明する。
従来の通信システムにおいては、基地局が特定の携帯電話機の認識及び区別をせずに携帯電話機の送信電力の制御及び携帯電話機と通信する周波数の選択を行って来た。これに対し、本実施形態では基地局20が特定の携帯電話機10(例えば心臓ペースメーカを装着する利用者が保持する携帯電話機10)を他の携帯電話10と区別し、特定の携帯電話機10を優先的により通信量の少ない周波数のセルでの通信に移行(例えば図3のcell f1_c1からcell f3_c1に移行)させる。このような制御によって、特定の携帯電話機10の通信に際しての信号の干渉量が減る結果として、当該特定の携帯電話機10の送信電力がより少なくて済むようになる。
次に、動作を説明する。
本実施形態の動作は大きく分けて主に2つの過程から構成される。
1つ目の過程(第1の過程)は、基地局20を制御する基地局制御装置30が、基地局20の通信相手の携帯電話機10が特定の携帯電話機であるか否かを識別し、その識別結果を基地局20に通知する過程である。
2つ目の過程(第2の過程)は、上記第1の過程の後で、基地局20が特定の携帯電話機10との通信を確立する際に、特定の携帯電話機10を他の携帯電話機10と区別して送信電力を抑制する過程である。
まず、上記第1の過程について説明する。ここでは、第1の過程の具体例として、3つの具体例を順に説明する。
<第1の過程の第1の具体例>
第1の過程の第1の具体例では、基地局制御装置30は、IMEI(International Mobile Equipment Identity)を用いて特定の携帯電話機10を識別する。
IMEIは個々の携帯電話機10に固有の識別番号であり、個々の携帯電話機10によって一意的に決まる。
IMEIを用いて特定の携帯電話機10を識別するためには、通信事業者Hは、例えば、心臓ペースメーカをはじめとする医療機器を装着している利用者が購入した携帯電話機10、または電磁波過敏症の利用者をはじめとする大量な電磁波に接触できない利用者が購入した携帯電話機10、或いはこれらの利用者への販売用に開発された携帯電話機10に、特殊なIMEI番号を書き込み、さらに上記特殊なIMEI番号をデータベース90に記録する。或いは、通信事業者Hは、特殊なIMEI番号を用いる代わりに、該当のIMEI番号が特定の利用者の携帯電話機10のものである旨をデータベース90に記録する。
ネットワーク側の基地局20がある携帯電話機10と通信を開始する時に、該携帯電話機10からIMEIを取得し、このIMEIを基地局制御装置30に転送し、該基地局制御装置30がデータベース90に照合して当該IMEIが特定の携帯電話機10のものか否かを判定することにより、当該IMEIが特定の携帯電話機10のものである場合には、基地局20の通信相手の携帯電話機10が特定の携帯電話機10であると識別することができる一方で、当該IMEIが特定の携帯電話機10のものでない場合には、基地局20の通信相手の携帯電話機10が特定の携帯電話機10ではないと識別することができる。また、基地局制御装置30は、識別の結果を(基地局20の通信相手の携帯電話機10が特定の携帯電話機であるか否か)を基地局20に通知する。
これにより、特定の携帯電話機10をどの利用者が利用しても、ネットワーク側の基地局20及び基地局制御装置30は他の一般ユーザと区別でき、その後で、後述する第2の過程を実行することにより、特定の携帯電話機10の送信電力を抑制することができる。
<第1の過程の第2の具体例>
第1の過程の第2の具体例では、基地局制御装置30は、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)を用いて特定の携帯電話機10を識別する。
IMSIは個々の携帯電話機10に挿入されるSIM(Subscriber Identity Module)固有の識別番号であり、通信事業者Hから利用者に提供されるSIMによって一意的に決まる。
IMSIを用いて特定の携帯電話機10を識別するためには、通信事業者Hは、利用者が通信事業者Hから携帯電話機10を購入する時の申請に基づき、当該利用者のSIMのIMSIとして特殊なIMSI番号を書き込み、この特殊なIMSI番号をデータベース90に保存する。或いは、通信事業者Hは、特殊なIMSI番号を用いる代わりに、該当のIMSI番号が特定の利用者の携帯電話機10のものである旨をデータベース90に記録する。
これにより、IMEIを用いる場合(上記第1の具体例の場合)と同様に、ネットワーク側の基地局20がある携帯電話機10と通信を開始する時に、該携帯電話機10からIMSIを取得し、このIMSIを基地局制御装置30に転送し、該基地局制御装置30がデータベース90に照合して当該IMSIが特定の携帯電話機10のものか否かを判定することにより、当該IMSIが特定の携帯電話機10のものである場合には、基地局20の通信相手の携帯電話機10が特定の携帯電話機10であると識別することができる一方で、当該IMSIが特定の携帯電話機10のものでない場合には、基地局20の通信相手の携帯電話機10が特定の携帯電話機10ではないと識別することができる。また、基地局制御装置30は、識別の結果を(基地局20の通信相手の携帯電話機10が特定の携帯電話機であるか否か)を基地局20に通知する。
これにより、特定の携帯電話機10をどの利用者が利用しても、ネットワーク側の基地局20及び基地局制御装置30は他の一般ユーザと区別でき、その後で、後述する第2の過程を実行することにより、特定の携帯電話機10の送信電力を抑制することができる。
<第1の過程の第3の具体例>
第1の過程の第3の具体例では、携帯電話機10とネットワークの通信信号を利用して特定の携帯電話機10を認識する。すなわち、例えば、利用者が携帯電話機10の操作画面から当該携帯電話機10が特定の利用者によって利用されている旨を設定する操作を行うことにより、当該携帯電話機10がネットワーク側の基地局20と通信を行ってその旨を基地局20に通知(特定の携帯電話機10であると認識させるための特定の信号の送信)し、基地局20及び基地局制御装置30は当該携帯電話機10を特定の携帯電話機10として認識できる。
一般的に、このように携帯電話機10から基地局20へのアクセスにより、携帯電話機10から送信された情報を基地局20が認識する段階では、携帯電話機10の位置登録がもうすでに終わっているので、既に携帯電話機10に対してTMSI或いはP−TMSI(Temporary Mobile Subscriber Identity、Packet−Temporary Mobile Subscriber Identity、携帯電話機10を識別するためにネットワーク側が割り当てるIMSIよりも短い一時的な管理番号)が割り当てられている。
TMSI或いはP−TMSIは、一時的なものであるが、ネットワーク側ではIMSI或いはIMEIと対応付けて認識される。従って、ネットワーク側の基地局制御装置30が該当のTMSI或いはP−TMSIと対応するIMSI或いはIMEIを、特定の携帯電話機10のものとしてデータベース90に記憶することにより、該当の携帯電話機10の電源がオフされTMSI或いはP−TMSIが無効になった後でも、ネットワーク側の基地局制御装置30は、IMSI或いはIMEIを用いてデータベース90に照合することにより、上記の第1の具体例或いは第2の具体例の場合と同様の動作によって、該当の携帯電話機10を特定の携帯電話機10として識別することができる。
通信を開始する時の運用方法としては、上記の第1及び第2の具体例と同様にネットワーク側の基地局20がある携帯電話機10と通信を開始する時に、基地局制御装置30がデータベース90に照合することによって、当該携帯電話機10が特定の携帯電話機10かどうかを識別することができる。また、基地局制御装置30は、識別の結果を(基地局20の通信相手の携帯電話機10が特定の携帯電話機であるか否か)を基地局20に通知する。
これにより、特定の携帯電話機10をどの利用者が利用しても、ネットワーク側の基地局20及び基地局制御装置30は他の一般ユーザと区別でき、その後で、後述する第2の過程を実行することにより、特別に送信電力を抑制することができる。
上記の第1乃至第3の3つの具体例をまとめると、ネットワーク側はIMEI、IMSI、TMSI、P−TMSIのいずれかを用いて携帯電話機10を認識及び管理しており、かつ、IMEI、IMSI、TMSI、P−TMSIはお互いに対応付けられており携帯電話機10によって一意的に決まる。よって、特定の携帯電話機10は、通信を開始するときに、自らが特定の携帯電話機10である旨をIMEI、IMSI、TMSI、P−TMSIのいずれかをネットワーク側の基地局20に送信することにより通知すれば良い。そして、ネットワーク側の基地局20は、携帯電話機10から送信された(取得した)IMEI、IMSI、TMSI、P−TMSIを基地局制御装置30に転送し、基地局制御装置30は、このIMEI、IMSI、TMSI、P−TMSIを用いてデータベース90に照合し、特定の携帯電話機10を識別する。
上記の3つの具体例の何れかによりネットワーク側で特定の携帯電話機10を識別できた後、上記第2の過程、すなわち、特定の携帯電話機10の通信を比較的通信量の少ないセルで行わせることにより、当該携帯電話機10の送信電力を抑制する制御動作を行う。
次に、図4のフローチャートを参照して、一連の動作を説明する。
先ず、ネットワーク側の基地局20では、携帯電話機10への着信、携帯電話機10からの発信、或いは携帯電話機10からの位置登録要求(携帯電話機10が所定時間間隔で、或いは利用者の操作に応じて位置登録を要求する動作)があるか否かを判定する(ステップS11)。
携帯電話機10への着信、携帯電話機10からの発信或いは位置登録要求があると(ステップS11のYes)、ネットワーク側の基地局20が携帯電話機10との通信を確立する。
ネットワーク側の基地局20がある携帯電話機10との通信を確立する過程では、先ず、携帯電話機10が自らをネットワークに認識してもらうために、IMEI、IMSI、TMSI、P−TMSIのいずれかをネットワーク側の基地局20に送信する。この動作は発信時でも着信時でも或いは位置登録時でも同じである。
次に、ネットワークが携帯電話機10に対し、通信を確立するためのセル及びチャンネルを指定する。この際にネットワーク側では、例えば上記の第1乃至第3の具体例で説明した何れかの動作により、該当の携帯電話機10が特定の携帯電話機10であるか否か識別し(ステップS12)、該当の携帯電話機10が特定の携帯電話機10であると判断した場合は(ステップS13のYes)、基地局制御装置30はその旨を基地局20に通知し、基地局20は、当該携帯電話機10との通信をより比較的通信量の少ないセルに移行する(ステップS14)。これにより、特定の携帯電話機10の送信電力を抑制することができる。
なお、基地局20では、当該基地局20がカバーする複数のセル(例えば、図3に示すように9つのセル)の各々における通信量の多寡を常に計測及び認識しており、この認識結果に基づいて、特定の携帯電話機10が通信を行うセルとして、比較的通信量の少ないセルを選択することができる。
また、通信事業者Hのネットワーク設計により、特定の携帯電話機10との通信に専用の特別なセルを用意することも可能である。この場合、基地局制御装置30が携帯電話機10を特定の携帯電話機10であると判断すると(ステップS13のYes)、基地局制御装置30はその旨を基地局20に通知し、基地局20は当該携帯電話機10との通信を特定の携帯電話機10との通信用の特別なセルに移行する(ステップS14)。これにより、特定の携帯電話機10の送信電力を抑制することができる。
また、該当の携帯電話機10が特定の携帯電話機10ではないと判断した場合は(ステップS13のNo)、該当の携帯電話機10との通信をそのまま維持するか或いは一般的な利用者が利用するセルに移行させる。
以上のような第1の実施形態によれば、特定の携帯電話機10の通信を比較的通信量が少ないセル、又は、特定の携帯電話機10の通信用に専用のセルで行うようにでき、当該携帯電話機10の送信電力を抑制することができる。
よって、たとえば、心臓ペースメーカをはじめとする医療機器の装着により従来方式では移動体通信機を利用できなかった利用者でも移動体通信機を利用することが可能になる。また、電磁波過敏症をはじめとする大量な電磁波に接触できない利用者でも移動体通信機を利用できるようになる。
〔第2の実施形態〕
第2の実施形態では、電池17(図2)の電力残量が少なくなった携帯電話機10の送信電力を抑制し、その電池寿命を延長する例を説明する。
また、図5は第2の実施形態の動作の流れを示すフローチャートである。
以下、主に図2及び図5を参照し、本実施形態を説明する。
図2に示すように、携帯電話機10は、当該携帯電話機10の電源としての電池17と、この電池17の電力の残量を検出する電力残量検出部18と、を備えている。
電池17は、例えば、充電可能な二次電池からなる。
また、電力残量検出部18は、例えば、電池17から出力される電圧値に基づいて電力の残量を検出し、その検出結果を制御部13に出力する。
制御部13は、電力残量検出部18から出力される電力の残量の検出値を監視し、その検出値が所定値未満となった場合には、電池の残量が少ない旨を通知する信号を無線部12から基地局20に送信させる制御を行う。なお、制御部13は、電池の残量が少ない旨を通知する信号と併せて、携帯電話機10を識別するための情報、すなわち、例えば、IMEI、IMSI、TMSI、P−TMSIのいずれかも基地局20に送信させる。
ネットワーク側では、基地局20が携帯電話機10から電池の残量が少ない旨を通知する信号と、IMEI、IMSI、TMSI、P−TMSIのいずれかと、を受けると(図5のステップS21のYes)、これらを基地局制御装置30に転送し、基地局制御装置30は、基地局20から転送されたIMEI、IMSI、TMSI、P−TMSIのいずれかを、一時的に、電池の残量が少ない携帯電話機10のものであるとして、データベース90に登録する(図5のステップS22)。
なお、以下では、便宜的に、「電池の残量が少ない携帯電話機」を「特定の携帯電話機」と読み替えて、説明を続ける。
このように、特定の携帯電話機(電池の残量が少ない携帯電話機)10と対応するIMEI、IMSI、TMSI、P−TMSIのいずれかがデータベース90に登録された後では、上記の第1の実施形態と同様に、特定の携帯電話機10との通信を、比較的通信量の少ないセル、又は、特定の携帯電話機との通信用の専用のセルで行わせることにより、該特定の携帯電話機10の送信電力を抑制することができ、特定の携帯電話機10の電池の寿命を延長させることができる。
また、電池17が充電される或いは電池17が交換されることによって、電池17の電池残量が所定値以上まで回復したと制御部13が認識した場合には、制御部13は、電池残量が回復した旨を通知する信号を無線部12から基地局20に送信させる制御を行う。なお、制御部13は、電池残量が回復した旨を通知する信号と併せて、携帯電話機10を識別するための情報、すなわち、例えば、IMEI、IMSI、TMSI、P−TMSIのいずれかも基地局20に送信させる。
ネットワーク側では、基地局20が携帯電話機10から電池残量が回復した旨を通知する信号と、IMEI、IMSI、TMSI、P−TMSIのいずれかと、を受けると(図5のステップS23のYes)、これらを基地局制御装置30に転送し、基地局制御装置30は、基地局20から転送されたIMEI、IMSI、TMSI、P−TMSIのいずれかを、データベース90から削除する(図5のステップS24)。これにより、電池残量が回復した旨を通知する信号を送信した携帯電話機10は、特定の携帯電話機から除外される。
以上のような第2の実施形態によれば、電池17の電力残量が少なくなった携帯電話機10を一時的に特定の携帯電話機として登録し、この携帯電話機10の通信を送信電力を抑制して行うことができるので、この携帯電話機10の電池17の寿命を延長させることが可能となる。
なお、上記の第2の実施形態では、電池17の電力残量が少なくなった携帯電話機10からその旨の通知が自動的にネットワーク側に対して行われる例を説明したが、電池17の電力残量が少なくなった旨を認識した利用者が特定の操作を行うことにより、電池17の電力残量が少なくなった旨の通知がネットワーク側に対して行われるようにしても良い。なお、一般的な携帯電話機10では、電池17の電力残量が示すインジケータが表示部15に表示されるようになっており、利用者は容易に電力残量を認識することができる。
〔第3の実施形態〕
特定の通信相手との通信、具体的には、例えば、消防署、警察署或いは病院との間で行う緊急呼には高い通信品質が要求される。また、緊急呼を発信した携帯電話機10が山中などすぐに電池17を充電できる環境にいないことも容易に想定できる。すなわち、緊急呼を発信した携帯電話機10には高い通話品質と共になるべく電池寿命を延長させることが要求される。
そこで、第3の実施形態では、特定の通信相手(例えば、消防署、警察署、病院など)との間で通信(緊急呼など)を行う携帯電話機10を、一時的に特定の携帯電話機として認識し、当該携帯電話機10の送信電力を抑制することにより、その通信品質を確保し、又、その電池寿命を延長する例を説明する。
図6は第2の実施形態の動作の流れを示すフローチャートである。
本実施形態の場合、先ず、ネットワーク側の基地局20では、携帯電話機10への着信、又は、携帯電話機10からの発信があるか否かを判定する(ステップS31)。
携帯電話機10への着信、又は、携帯電話機10からの発信があると(ステップS31のYes)、ネットワーク側の基地局20が携帯電話機10との通信を確立する。
ネットワーク側の基地局20が携帯電話機10との通信を確立する過程において、基地局制御装置30は、当該携帯電話機10の通信相手は特定の通信相手(例えば、消防署、警察署、病院など)であるか否かを判定し、その判定結果を基地局20に通知する(ステップS32)。
なお、ステップS32の判定は、予め、例えば、電話番号と利用者の属性(消防署であるか、警察署であるか、病院であるか、など)とを対応付けてデータベース90に記憶しておけば、基地局制御装置30がデータベース90に照合することにより容易に行うことができる。
次に、基地局20は、携帯電話機10の通信相手が特定の通信相手(例えば、消防署、警察署、病院など)であった場合には(ステップS32のYes)、当該携帯電話機10を一時的に特定の携帯電話機として認識し、当該携帯電話機10との通信を比較的通信量の少ないセルに移行させるか、或いは、専用のセルに移行させる(ステップS14)。これにより、携帯電話機10の送信電力を抑制することができる。
以上のような第3の実施形態によれば、消防署、警察署或いは病院などの特定の通信相手との間で通信を行う携帯電話機10の送信電力を抑制することができるので、その通信(緊急呼など)をより高い品質のものにでき、さらに、携帯電話機10の電池寿命も延ばすことができる。
〔第4の実施形態〕
第4の実施形態では、上記の第1乃至第3の実施形態で説明した制御動作にそれぞれ優先順位をつけ、優先順位の高い制御動作を優先させる例を説明する。
具体的には、例えば、心臓ペースメーカをはじめとする医療機器を装着している利用者の携帯電話機10の送信電力を抑制させる制御動作(上記の第1の実施形態で説明した制御動作)の優先順位を1番とし、緊急呼通話中の携帯電話機10の送信電力を抑制させる制御動作(上記の第3の実施形態で説明した制御動作)の優先順位を2番、電池寿命を延長したい一般利用者の携帯電話機10(上記の第2の実施形態で説明した制御動作)の送信電力を抑制させる制御動作の優先順位を3番とする。
そして、優先順位が1番の制御動作は、該当する携帯電話機10の通信時に無条件で行う。
また、優先順位が2番の制御動作は、該当する携帯電話機10の通信時において、優先順位が上位(例えば、1番)の制御動作の妨げにならない場合に限り行う。同様に、優先順位が3番の制御動作は、該当する携帯電話機10の通信時において、優先順位が上位(例えば、1番及び2番)の制御動作の妨げにならない場合に限り行う。
なお、本実施形態を実現するためには、データベース90上において、心臓ペースメーカをはじめとする医療機器を装着している利用者の携帯電話機10を識別するための情報(例えば、IMEI、IMSI、TMSI、P−TMSIのいずれか)と、電池寿命を延長したい一般利用者の携帯電話機10を識別するための情報(例えば、IMEI、IMSI、TMSI、P−TMSIのいずれか)と、を優先順位を互いに区別して記憶する必要がある。
第4の実施形態によれば、上記の第1乃至第3の実施形態で説明した制御動作にそれぞれ優先順位をつけ、優先順位の高い制御動作を優先させるので、限られた通信資源を用いる中で、より切実に送信電力を抑制する必要がある携帯電話機10から優先的に、送信電力を抑制することができる。
〔第5の実施形態〕
一般的に、高速なデータ通信であればある程高い送信電力が要求される。それは単位データをより短い時間内に送る必要があるため、高い送信電力で通信を行ってノイズの影響を小さくする必要があるからである。よって、同じ電波環境においてテレビ電話が音声電話より高い送信電力を要求し、また、パケット通信においては通信レートが高ければ高い程高い送信電力が要求される。
従って、ネットワーク側で携帯電話機10の呼種(携帯電話機10の利用により受けることができる通信サービスの種類)或いは通信レートを制限すれば、携帯電話機10の送信電力を抑制することができる。
そこで、第5の実施形態では、特定の携帯電話機10の呼種、通信レート、或いは、呼種及び通信レートの双方を制限することより、当該特定の携帯電話機10の送信電力を抑制する例を説明する。
具体的には、例えば、特定の携帯電話機10と識別された携帯電話機10については、音声呼は音声電話のみとし、テレビ電話の利用を不可にすることにより、当該携帯電話機10の送信電力を制限することができる。
また、特定の携帯電話機10と識別された携帯電話機10については、電子メールを始めとするパケット通信では、例えば一番低い通信レートに固定することによって送信電力を抑制することができる。
これらの呼種制限や通信レート制限は発信のみでなく着信にも適用することにより、着信時の送信電力を抑制できる。
なお、本実施形態の場合において、特定の携帯電話機10であるか否かの識別の仕方は、例えば、上記の第1乃至第3の実施形態と同様である。
次に、動作を説明する。
図7は、本実施形態の場合の動作の流れを示すフローチャートである。なお、図7に示すのは、特定の携帯電話機10であるか否かの識別の仕方が、上記の第1又は第2の実施形態と同様である場合の動作である。
先ず、ネットワーク側の基地局20では、携帯電話機10への着信、又は、携帯電話機10からの発信があるか否かを判定する(ステップS41)。
携帯電話機10への着信、又は、携帯電話機10からの発信があると(ステップS41のYes)、ネットワーク側の基地局20が携帯電話機10との通信を確立する。
ネットワーク側の基地局20がある携帯電話機10との通信を確立する過程では、先ず、携帯電話機10が自らをネットワークに認識してもらうために、IMEI、IMSI、TMSI、P−TMSIのいずれかをネットワーク側の基地局20に送信する。この動作は発信時でも着信時でも同じである。
次に、ネットワークが携帯電話機10に対し、通信を確立するためのセル及びチャンネルを指定する。この際にネットワーク側では、例えば上記の第1の実施形態における第1乃至第3の具体例で説明した何れかの動作により、該当の携帯電話機10が特定の携帯電話機10であるか否か識別し(ステップS42)、該当の携帯電話機10が特定の携帯電話機10であると判断した場合は(ステップS43のYes)、基地局制御装置30から基地局20にその旨を通知し、基地局20は当該携帯電話機10の呼種或いは通信レートを制限する(ステップS44)。これにより、特定の携帯電話機10の送信電力を抑制することができる。
なお、ステップS44を実行する結果として、利用者が希望する呼種が利用できないときには、基地局20から発信側の端末(特定の携帯電話機10、或いは、特定の携帯電話機10に対して発信した通信機)に対し、呼種を制限する必要があるため希望の呼種が利用できない旨の通知(ガイダンス)を送信することが好ましい。
第5の実施形態によれば、特定の携帯電話機10の呼種或いは通信レートを制限することにより、当該携帯電話機10の送信電力を抑制することができる。
なお、上記の第1乃至第4の実施形態のように、特定の携帯電話機10の通信を通信量の少ないセル、又は、専用のセルで行わせる場合にも、特定の携帯電話機10の呼種或いは通信レートを制限して良いのは勿論である。
〔第6の実施形態〕
上記の第1の実施形態では、特定の携帯電話機10の通信に専用の特別なセルを用意することについて説明したが、このような特別なセルが用意されていない場合、通信事業者Hのネットワーク設計によっては、どのセルの通信量も多く、通信量の少ないセルに通信を移行させることができないことができないことも想定される。
そこで、第6の実施形態では、どのセルの通信量も多く、通信量の少ないセルに通信を移行させることができない場合に、上記の第5の実施形態で説明したような呼種或いは通信レートの制限を行う例について説明する。
図8は本実施形態の動作の流れを示すフローチャートである。
先ず、ネットワーク側の基地局20では、携帯電話機10への着信、又は携帯電話機10からの発信があるか否かを判定する(ステップS51)。
携帯電話機10への着信、又は、携帯電話機10からの発信があると(ステップS51のYes)、ネットワーク側の基地局20が携帯電話機10との通信を確立する。
ネットワーク側の基地局20がある携帯電話機10との通信を確立する過程では、先ず、携帯電話機10が自らをネットワークに認識してもらうために、IMEI、IMSI、TMSI、P−TMSIのいずれかをネットワーク側の基地局20に送信する。この動作は発信時でも着信時でも同じである。
次に、ネットワークが携帯電話機10に対し、通信を確立するためのセル及びチャンネルを指定する。この際にネットワーク側では、例えば上記の第1の実施形態における第1乃至第3の具体例で説明した何れかの動作により、該当の携帯電話機10が特定の携帯電話機10であるか否か識別する(ステップS52)。
該当の携帯電話機10が特定の携帯電話機10であると判断した場合は(ステップS53のYes)、基地局20は、送信電力を抑制できる程度に通信量の少ないセルがあるか否かを判定する(ステップS54)。
送信電力を抑制できる程度に通信量の少ないセルがある場合(ステップS54のYes)、基地局20は当該携帯電話機10との通信を通信量の少ないセルに移行させる(ステップS55)。これにより、特定の携帯電話機10の送信電力を抑制することができる。
他方、どのセルも通信量が多く、送信電力を抑制できる程度に通信量の少ないセルが存在しない場合(ステップS54のNo)、基地局20は当該携帯電話機10の呼種或いは通信レートを制限する(ステップS56)。これにより、特定の携帯電話機10の送信電力を抑制することができる。
なお、ステップS56を実行する結果として、利用者が希望する呼種が利用できないときには、発信側の端末(特定の携帯電話機10、或いは、特定の携帯電話機10に対して発信した通信機)に対し、呼種を制限する必要があるため希望の呼種が利用できない旨の通知(ガイダンス)を送信することが好ましい。
第6の実施形態によれば、送信電力を抑制できる程度に通信量が少ないセルが存在しない場合、特定の携帯電話機10の呼種或いは通信レートを制限することにより当該携帯電話機10の送信電力を抑制することができる。
なお、本発明は、上記の各実施形態で説明した態様に限らず、以下に説明するような態様で適用することもできる。
例えば、基地局(電波環境判定手段としての機能を備える)20にて計測及び判定する電波環境が悪い場合、特定の携帯電話機10の通信を、比較的通信量の少ないセル、又は、専用のセルで行わせるようにしても良い。
また、例えば、基地局20にて計測及び判定する電波環境が悪い場合、特定の携帯電話機10の呼種或いは通信レートを制限することも好ましい。更に、この場合、電波環境が悪いために利用者が希望している呼種が利用できない時は、特定の携帯電話機10に対し「現在の電波環境では安全な送信ができませんので、電波環境が改善するまでしばらくお待ちください」などのガイダンス(アナウンス)を基地局20から送信することも好ましい。或いは、逆に、電波環境が悪いために特定の携帯電話機10の呼種を制限しているときに、該特定の携帯電話機10あての着信があった場合には、その発信元の通信機に対し、「お掛けした通話先は特定携帯電話機であるため電波環境が改善するまでしばらく待ってからお掛け直しください」などのガイダンス(アナウンス)を基地局20から送信することも好ましい。
また、特別なセルが用意されていない場合において、どのセルの通信量も多く、特定の携帯電話機10の通信を通信量の少ないセルに移行させることができない場合(すなわち基地局20が特定の携帯電話機10の電波環境が悪いと判定した場合)、携帯電話機10の通信を一時的に禁止するとともに、特定の携帯電話機10から発信する場合は、「現在の電波環境では安全な送信ができませんので、電波環境が改善するまでしばらくお待ちください」などのガイダンスを基地局20から特定の携帯電話機10に通知しても良い。また、特定の携帯電話機10に着信があった場合は、同様に「お掛けした通話先は特定携帯電話機であるため電波環境が改善するまでしばらく待ってからお掛け直しください」などのガイダンスを基地局20から発信側の通信機に通知しても良い。
また、電波環境が悪いときの電子メールの送受信については、メール送信する場合は一旦送信メールを特定の携帯電話機10内のメモリ部14に、メール着信する場合は一旦着信メールをネットワーク側のメールサーバ(図示略)に保存し、電波環境が改善してから送受信を開始する。すなわち、基地局20が電波環境が特定の携帯電話機10の電波環境が悪いと判定した時は、電波環境が改善するまで電子メールの送受信開始のタイミングを遅らせることにより、送信電力の抑制を行うことができる。
更に、心臓ペースメーカをはじめとする医療機器を装着している利用者や、電磁波過敏症をはじめとする大量な電磁波に接触できない利用者でも携帯電話機10を安全に利用できるようにするために、携帯電話機10を、その送信部を備える第1部分と、マイクやスピーカを備える第2部分と、に分割された分割構造とするとともに、これら第1部分と第2部分とを例えばBluetooth或いはその他の近距離無線通信により相互に通信できるように構成し、送信部を備える第1部分をなるべく心臓や頭部(脳部)から離して用いるようにすることも好ましい。
また、上記においては、移動体通信機として、携帯電話機10を例示したが、本発明は、例えば、PHS或いはその他の、携帯電話機以外の移動体通信機についても同様に適用可能である。
実施形態に係る携帯電話通信システムの構成を示すブロック図である。 携帯電話機の構成を示すブロック図である。 1つの基地局がカバーする複数のセルを説明する模式図である。 第1の実施形態の動作の流れを示すフローチャートである。 第2の実施形態の動作の流れを示すフローチャートである。 第3の実施形態の動作の流れを示すフローチャートである。 第5の実施形態の動作の流れを示すフローチャートである。 第6の実施形態の動作の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
100 携帯電話通信システム(移動体通信システム)
10 携帯電話機(移動体通信機)
12 無線部(通信手段)
13 制御部(特定信号発信手段)
16 操作部
17 電池
18 電力残量検出部(電力残量検出手段)
20 基地局(セル選択手段、電波環境判定手段、呼種制限手段、通信レート制限手段、通信タイミング制限手段、通信禁止手段)
30 基地局制御装置(特定通信機識別手段)

Claims (36)

  1. 移動体通信機が通信を行うセルを複数のセルの中から選択するセル選択手段と、
    特定の移動体通信機を識別する特定通信機識別手段と、
    を備え、
    前記セル選択手段は、前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機が通信を行うセルとして、前記複数のセルの中から比較的通信量が少ないセルを選択することを特徴とする移動体通信システム。
  2. 移動体通信機が通信を行うセルを複数のセルの中から選択するセル選択手段と、
    特定の移動体通信機を識別する特定通信機識別手段と、
    を備え、
    前記複数のセルには、特定の移動体通信機の通信用に専用のセルが含まれ、
    前記セル選択手段は、前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機が通信を行うセルとして、前記複数のセルの中から、特定の移動体通信機の通信用に専用のセルを選択することを特徴とする移動体通信システム。
  3. 移動体通信機が通信を行うセルを複数のセルの中から選択するセル選択手段と、
    特定の移動体通信機を識別する特定通信機識別手段と、
    移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する電波環境判定手段と、
    を備え、
    前記セル選択手段は、前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機のうち、前記電波環境判定手段により電波環境が悪いと判定された移動体通信機が通信を行うセルとして、前記複数のセルの中から比較的通信量が少ないセルを選択することを特徴とする移動体通信システム。
  4. 移動体通信機が通信を行うセルを複数のセルの中から選択するセル選択手段と、
    特定の移動体通信機を識別する特定通信機識別手段と、
    移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する電波環境判定手段と、
    を備え、
    前記複数のセルには、特定の移動体通信機の通信用に専用のセルが含まれ、
    前記セル選択手段は、前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機のうち、前記電波環境判定手段により電波環境が悪いと判定された移動体通信機が通信を行うセルとして、前記複数のセルの中から、特定の移動体通信機の通信用に専用のセルを選択することを特徴とする移動体通信システム。
  5. 前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の呼種を制限する呼種制限手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の移動体通信システム。
  6. 前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の通信レートを制限する通信レート制限手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の移動体通信システム。
  7. 特定の移動体通信機を識別する特定通信機識別手段と、
    前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の呼種を制限する呼種制限手段と、
    を備えることを特徴とする移動体通信システム。
  8. 特定の移動体通信機を識別する特定通信機識別手段と、
    前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の通信レートを制限する通信レート制限手段と、
    を備えることを特徴とする移動体通信システム。
  9. 特定の移動体通信機を識別する特定通信機識別手段と、
    移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する電波環境判定手段と、
    前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機のうち、前記電波環境判定手段により電波環境が悪いと判定された移動体通信機の呼種を制限する呼種制限手段と、
    を備えることを特徴とする移動体通信システム。
  10. 前記特定の移動体通信機からの発信要求があった場合に、前記呼種制限手段により呼種を制限する際には、電波環境が悪いために呼種を制限する旨を当該特定の移動体通信機に通知することを特徴とする請求項9に記載の移動体通信システム。
  11. 前記特定の移動体通信機への着信要求があった場合に、前記呼種制限手段により呼種を制限する際には、電波環境が悪いために呼種を制限する旨を当該特定の移動体通信機に対する発信を行った通信機に通知することを特徴とする請求項9又は10に記載の移動体通信システム。
  12. 特定の移動体通信機を識別する特定通信機識別手段と、
    移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する電波環境判定手段と、
    前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機のうち、前記電波環境判定手段により電波環境が悪いと判定された移動体通信機の通信レートを制限する通信レート制限手段と、
    を備えることを特徴とする移動体通信システム。
  13. 特定の移動体通信機を識別する特定通信機識別手段と、
    移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する電波環境判定手段と、
    前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機のうち、前記電波環境判定手段により電波環境が悪いと判定された移動体通信機の通信開始タイミングを、電波環境が改善するまで遅らせる通信タイミング制限手段と、
    を備えることを特徴とする移動体通信システム。
  14. 特定の移動体通信機を識別する特定通信機識別手段と、
    移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する電波環境判定手段と、
    前記特定通信機識別手段により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機のうち、前記電波環境判定手段により電波環境が悪いと判定された移動体通信機の通信を禁止する通信禁止手段と、
    を備えることを特徴とする移動体通信システム。
  15. 前記特定の移動体通信機からの発信要求があった場合に、前記通信禁止手段により通信を禁止する際には、電波環境が悪いために発信を禁止する旨を当該特定の移動体通信機に通知することを特徴とする請求項14に記載の移動体通信システム。
  16. 前記特定の移動体通信機への着信要求があった場合に、前記通信禁止手段により通信を禁止させる際には、電波環境が悪いために発信を禁止する旨を当該特定の移動体通信機に対する発信を行った通信機に通知することを特徴とする請求項14又は15に記載の移動体通信システム。
  17. 前記特定通信機識別手段は、特定の移動体通信機に対して割り当てられた識別番号を用いて特定の移動体通信機を識別することを特徴とする請求項1乃至16の何れか一項に記載の通信システム。
  18. 前記識別番号はIMEI又はIMSIであることを特徴とする請求項17に記載の通信システム。
  19. 前記特定通信機識別手段は、特定の移動体通信機であると認識させるための特定の信号を発信した移動体通信機を、特定の移動体通信機と識別することを特徴とする請求項1乃至16の何れか一項に記載の通信システム。
  20. 前記特定の信号は、利用者が移動体通信機に対して特定の操作を行うことにより、該移動体通信機から発信されることを特徴とする請求項19に記載の通信システム。
  21. 前記特定の信号は、移動体通信機が電源として備える電池の電力残量が所定値未満となった場合に、当該移動体通信機から発信されることを特徴とする請求項19に記載の通信システム。
  22. 前記特定通信機識別手段は、緊急呼を行う移動体通信機を特定の移動体通信機と識別することを特徴とする請求項1乃至16の何れか一項に記載の通信システム。
  23. 前記特定通信機識別手段は、特定の通信相手と通信を行う移動体通信機を特定の移動体通信機と識別することを特徴とする請求項1乃至16の何れか一項に記載の通信システム。
  24. 前記特定の通信相手には、警察、消防及び病院のうちの少なくとも何れか1つが含まれることを特徴とする請求項23に記載の通信システム。
  25. 無線通信を行う通信手段と、
    利用者の操作を受け付ける操作部と、
    を備える移動体通信機において、
    前記操作部に対して特定の操作がなされた場合に、当該移動体通信機が送信電力の抑制を必要とする特定の移動体通信機であることをネットワーク側に認識させるため、特定の信号を前記通信手段に発信させる特定信号発信手段を備えることを特徴とする移動体通信機。
  26. 無線通信を行う通信手段と、
    電源としての電池と、
    前記電池の電力残量を検出する電力残量検出手段と、
    を備える移動体通信機において、
    前記電力残量検出手段による検出結果が、所定値未満の電力残量である場合に、当該移動体通信機が送信電力の抑制を必要とする特定の移動体通信機であることをネットワーク側に認識させるため、特定の信号を前記通信手段に発信させる特定信号発信手段を備えることを特徴とする移動体通信機。
  27. 特定の移動体通信機を識別する第1の過程と、
    前記第1の過程により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機が通信を行うセルとして、複数のセルの中から比較的通信量が少ないセルを選択する第2の過程と、
    を備えることを特徴とする移動体通信方法。
  28. 特定の移動体通信機を識別する第1の過程と、
    前記第1の過程により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機が通信を行うセルとして、複数のセルの中から、特定の移動体通信機の通信用に専用のセルを選択する第2の過程と、
    を備えることを特徴とする移動体通信方法。
  29. 特定の移動体通信機を識別する第1の過程と、
    前記第1の過程により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する第2の過程と、
    前記第2の過程により電波環境が悪いと判定された移動体通信機が通信を行うセルとして、複数のセルの中から比較的通信量が少ないセルを選択する第3の過程と、
    を備えることを特徴とする移動体通信方法。
  30. 特定の移動体通信機を識別する第1の過程と、
    前記第1の過程により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する第2の過程と、
    前記第2の過程により電波環境が悪いと判定された移動体通信機が通信を行うセルとして、複数のセルの中から、特定の移動体通信機の通信用に専用のセルを選択する第3の過程と、
    を備えることを特徴とする移動体通信方法。
  31. 特定の移動体通信機を識別する第1の過程と、
    前記第1の過程により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の呼種を制限する第2の過程と、
    を備えることを特徴とする移動体通信方法。
  32. 特定の移動体通信機を識別する第1の過程と、
    前記第1の過程により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の通信レートを制限する第2の過程と、
    を備えることを特徴とする移動体通信方法。
  33. 特定の移動体通信機を識別する第1の過程と、
    前記第1の過程により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する第2の過程と、
    前記第2の過程により電波環境が悪いと判定された移動体通信機の呼種を制限する第3の過程と、
    を備えることを特徴とする移動体通信方法。
  34. 特定の移動体通信機を識別する第1の過程と、
    前記第1の過程により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する第2の過程と、
    前記第2の過程により電波環境が悪いと判定された移動体通信機の通信レートを制限する第3の過程と、
    を備えることを特徴とする移動体通信方法。
  35. 特定の移動体通信機を識別する第1の過程と、
    前記第1の過程により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する第2の過程と、
    前記第2の過程により電波環境が悪いと判定された移動体通信機の通信開始タイミングを、電波環境が改善するまで遅らせる第3の過程と、
    を備えることを特徴とする移動体通信方法。
  36. 特定の移動体通信機を識別する第1の過程と、
    前記第1の過程により特定の移動体通信機と識別された移動体通信機の電波環境の良し悪しを判定する第2の過程と、
    前記第2の過程により電波環境が悪いと判定された移動体通信機の通信を禁止する第3の過程と、
    を備えることを特徴とする移動体通信方法。
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