JP2008205552A - レンズ鏡胴及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮像素子を移動させる手振れ補正と、撮像素子の傾き調整の可能なレンズ鏡胴において、光軸方向の投影面積及び光軸方向の寸法が大型化しないレンズ鏡胴を得ること、及び、該レンズ鏡胴を備えることにより小型の撮像装置を得ること。
【解決手段】撮像光学系と、撮像素子と、撮像光学系を保持する主胴と、撮像素子の裏面側に配置され撮像素子を保持すると共に主胴に対し傾き調整が可能となされた調整板と、を有するレンズ鏡胴において、調整板には、3箇所の穴部が形成され、該穴部に挿入された調整ネジの螺合量を変化させることにより、調整板及び前記撮像素子の傾きが調整されるよう構成され、調整ネジが、頭部が最大径を有すると共に、該頭部に六角穴の形成された段付きネジであるレンズ鏡胴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、撮像素子を移動させて手振れ補正を行う機能を有するレンズ鏡胴及び該レンズ鏡胴を備えた撮像装置に関するものである。
近年では、銀塩フィルムを使用するカメラに換わり、撮像素子により被写体画像を光電変換した後、所定の処理を施してデジタルデータとして画像を記録する、所謂デジタルカメラが一般的となっている。デジタルカメラは撮像面が小面積であるため、被写体画像を得る撮像光学系も比較的小型にすることができるため、より高機能化が進められ、種々の変倍比のズームレンズが搭載されたカメラが市場に供給されている。
また、撮像素子の高画素化と高変倍化に伴い、移動するレンズ群の微小なシフトやティルトによる像面の傾きを補正し、撮像素子の光電変換面と撮像光学系の結像面を正確に合致させるために撮像素子面の傾きを調整することも行われている。
一方、撮影時の手振れによる画像のズレを補正し、鮮明な画像を得る手振れ補正技術が実用化されている。この手振れ補正技術のうち、光学補正方式としては、撮像光学系の一部を移動させて補正するものと、撮像素子を移動させて補正するものと、撮像光学系全体を移動させるものがある。
これらのうち、撮像素子を移動させて手振れ補正をおこなうものとして、例えば、以下の(特許文献1)に記載された撮像装置が知られている。
特開2003−110929号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の撮像装置は、撮像素子を保持する部材を懸架し所定の方向に移動させる第1の移動機構を設け、更に、第1の移動機構を懸架しつつ、第1の移動機構で移動させる方向と直交する方向に移動させる第2の移動機構とで構成されている。このような構成は、光軸方向の投影面積を大きくしてしまう問題がある。
また、撮像素子に接続する基板は、撮像素子が負荷なく移動できるように、充分に余裕を有した弛みが必要であると共に、移動した撮像素子の位置を検出するための位置センサや、移動させるためのアクチュエータを効率良く配置しないと、光軸方向の投影面積を大きくしてしまう問題がある。
更に、撮像素子面の傾きの調整には、撮像素子を懸架した部材を3点支持し、3点の高さをネジを用いて変化させ、調整するのが一般的であるが、ネジの頭部の高さ方向の寸法分が光軸方向に長くなってしまう問題がある。
本発明は上記問題に鑑み、撮像素子を移動させる手振れ補正と、撮像素子の傾き調整の可能なレンズ鏡胴において、光軸方向の投影面積及び光軸方向の寸法が大型化しないレンズ鏡胴を得ることを目的とし、該レンズ鏡胴を備えることにより小型の撮像装置を得ることを目的とするものである。
上記の目的は、下記に記載する発明により達成される。
1.被写体の画像を形成する撮像光学系と、該撮像光学系により形成された画像を光電変換する撮像素子と、前記撮像光学系を保持する主胴と、前記撮像素子の裏面側に配置され前記撮像素子を保持すると共に前記主胴に対し傾き調整が可能となされた調整板と、を有するレンズ鏡胴において、前記調整板には、3箇所の穴部が形成され、該穴部に挿入された調整ネジの螺合量を変化させることにより、前記調整板及び前記撮像素子の傾きが調整されるよう構成され、前記調整ネジが、頭部が最大径を有すると共に、該頭部に六角穴の形成された段付きネジであることを特徴とするレンズ鏡胴。
2.被写体の画像を形成する撮像光学系と、該撮像光学系により形成された画像を光電変換する撮像素子と、前記撮像光学系を保持する主胴と、前記主胴の揺れを検出する揺れ検知センサと、前記撮像素子を前記撮像光学系の光軸に直交する面内で移動させる駆動手段と、を有し、前記揺れ検知センサの出力に基づいて前記駆動手段により前記撮像素子を移動させて手振れ補正を行うレンズ鏡胴において、前記撮像素子の裏面側には隙間が形成され、前記隙間に前記撮像素子と接続される可撓性のプリント基板を弛ませて配置したことを特徴とするレンズ鏡胴。
3.前記撮像素子の位置を検出する位置センサを構成するマグネットを、前記隙間の前記プリント基板を避けた位置に配置したことを特徴とする2に記載のレンズ鏡胴。
4.前記駆動手段は圧電素子の伸縮の緩急を用いる二つのアクチュエータであって、略長方形の調整板に固定され、前記調整板の対角部のうち3箇所に穴部が形成され、該穴部に挿入された調整ネジの螺合量を変化させることにより、前記調整板及び前記撮像素子の傾きが調整されるよう構成され、前記調整板の短辺側の2箇所の前記穴部の間に前記アクチュエータの一つを配置したことを特徴とする2又は3に記載のレンズ鏡胴。
5.1〜4のいずれかに記載のレンズ鏡胴を備えたことを特徴とする撮像装置。
本発明によれば、光軸方向の投影面積及び光軸方向の寸法を大型化させることなく、撮像素子を移動させる手振れ補正と、撮像素子の傾き調整の可能なレンズ鏡胴を得ることが可能となり、該レンズ鏡胴を備えることにより小型の撮像装置を得ることが可能となる。
以下、実施の形態により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本実施の形態に係る撮像装置100の主要構成ユニットの内部配置の一例を示す図である。同図は、撮像装置100を被写体側から見た斜視図である。
同図に示すように、撮像装置100は、変倍可能な屈曲撮像光学系を内包したレンズ鏡胴50が図示の如く右側に配置され、開口部51が被写体光束を取り込むよう配置されている。この開口部51には、開口部51を露呈する開状態と開口部51を覆う閉状態とする不図示のレンズバリアが設けられている。
52はフラッシュ発光窓であり、53はフラッシュ発光窓の後方に配置された反射傘、キセノン管、その他メインコンデンサ、回路基板等で構成されるフラッシュユニットである。54はカード型の画像記録用メモリである。55は電池であり、本撮像装置の各部へ電源を供給する。画像記録用メモリ54及び電池55は、図示しない蓋部から挿脱が可能となっている。
撮像装置100の上面には、レリーズ釦56が配置され、その1段目の押し込みにより撮影準備動作、即ち焦点合わせ動作や測光動作が行われ、その2段目の押し込みにより撮影露光動作が行われる。57はメインスイッチであり、撮像装置を動作状態と非動作状態に切り替えるスイッチである。メインスイッチ57により動作状態に切り替えられると、不図示のレンズバリアは、開状態にされると共に、各部の動作が開始される。また、メインスイッチ57により非動作状態に切り替えられると、不図示のレンズバリアは、閉状態にされると共に、各部の動作を終了させる。
撮像装置100の背面には、LCD或いは有機EL等で構成され、画像やその他文字情報等を表示する画像表示部58が配置されている。また、図示していないが、ズームアップ、ズームダウンを行うズーム釦、撮影した画像を再生する再生釦、画像表示部58上に各種のメニューを表示させるメニュー釦、表示から所望の機能を選択する選択釦等の操作部材が配置されている。
また、不図示であるが、これら主要構成ユニットの間には、各部を接続すると共に、各種電子部品が搭載された回路基板が配置され、各主要構成ユニットの駆動及び制御を行うようになっている。同様に、不図示であるが、外部入出力端子、ストラップ取り付け部、三脚座等を備えている。
なお、本実施の形態では、変倍可能な屈曲撮像光学系を用いて説明するが、光軸が屈曲していない撮像光学系や単焦点の撮像光学系等であってもよい。
図2は、本実施の形態に係る撮像装置100の概要を示すブロック図である。
同図に示すように、レンズ鏡胴50内の撮像光学系40は、第1モータ20と第2モータ21により所定のレンズ群を移動させるようになっており、変倍及び焦点調節がなされる。更に、レンズ鏡胴50内には、図1に示すヨー方向及びピッチ方向の像移動を打ち消す方向に、撮像素子6を移動させる2つのアクチュエータ61が設けられている。撮像素子6の移動は、第1の駆動アクチュエータ61Pと第2の駆動アクチュエータ61Yにより行われる。なお、アクチュエータ61を構成する独立した第1及び第2の駆動アクチュエータ61P、61Yは、駆動方向がピッチ方向とヨー方向に合致していなくともよく、2つのアクチュエータによる合成で、任意の方向に撮像素子を移動させることができればよい。
また、アクチュエータ61による撮像素子6の移動位置を検出するセンサ62が設けられており、ピッチ方向の位置はピッチ方向位置センサ62P、ヨー方向の位置はヨー方向位置センサ62Yにより行われる。
アクチュエータ61は、制御部30により制御されたドライバ63により駆動される。また、第1モータ20、第2モータ21も制御部30により制御されたドライバ22、23によりそれぞれ駆動される。
揺れを検知する揺れ検出センサ64は、レンズ鏡胴50の揺れを検出する。具体的には、揺れ検出センサ64Pは、ピッチ方向の角速度(詳細には、慣性角速度(対地角速度))を検出し、揺れ検出センサ64Yは、ヨー方向の角速度を検出する。
揺れ検出センサ64P、64Yからの信号は、揺れ検出回路65で増幅され且つフィルタリング処理が施され、「揺れ」を示す信号として検出され、例えばマイクロコンピュータで構成される制御部30に入力されるようになっている。
本例においては、揺れ検出センサ64(揺れ検出センサ64P及び、揺れ検出センサ64Y)は、ゲル状のシート材に挟持されて、レンズ鏡胴50に固定されている。
制御部30では、ROM81に記憶された所定のソフトウェアプログラムが実行されて、各部の機能が実行される。例えば、制御出力部35は、揺れ検出回路65からの信号に基づいてピッチ方向及びヨー方向における現在角度を求め、この現在角度と目標角度との差を少なくするようなサーボ制御系の出力値を求める。即ち、揺れ検出回路65により検出された揺れを抑制するように撮像素子6を面内変位駆動するための制御指令値を生成する。制御出力部35は、生成した制御指令値をドライバ63に出力する。
ドライバ63は、制御指令値に基づいて第1の駆動アクチュエータ61P及び第2の駆動アクチュエータ61Yを駆動する。これにより、撮像素子6は面内変位し、手振れが補正される。ピッチ方向位置センサ62Pとヨー方向位置センサ62Yは、アクチュエータ61により面内変位駆動される撮像素子6の位置を検出し、撮像素子6の変位駆動をフィードバック制御するためのセンサである。
EEPROM82には、撮像光学系40の変倍時のズームポジション、フォーカスレンズの無限遠合焦位置等の個体データに加え、手振れ補正の制御に関わる調整データが記憶される記憶手段であり、揺れ検出センサ64、アクチュエータ61、位置センサ62等と共にレンズ鏡胴50のユニット側の回路内に配置されていることが好ましい。
EEPROM82をレンズ鏡胴50のユニット側の回路内に配置することにより、ユニット状態で、レンズ鏡胴50の個体毎のレンズ位置データや、手振れ補正の制御に関わる調整データ等の、レンズ鏡胴50の全ての機能を予め記憶させることができ、カメラ本体に組み付け後の調整を省略することが可能となる。
また、撮像装置100には、撮像素子6により得られた画像を扱う処理部として信号処理部71、A/D変換部72、画像処理部73、及び画像メモリ74が設けられている。撮像素子6により取得されたアナログ信号の画像は信号処理部71を介してA/D変換部72でA/D変換され画像処理部73により所定の画像処理がなされた後、画像メモリ74に一時的に格納される。画像メモリ74に格納された画像は、記録用画像としてメモリカード54に記録されたり、所望の処理を行ってライブビュー表示用画像として画像表示部58に表示される。
制御部30には、十字キーボタン、ズーム操作ボタン、モード選択ダイアル、モード設定ボタン群等の操作スイッチ群150が接続され、使用者の操作により撮像装置100が該操作に基づき動作するようになっている。
また、上記のブロック図は撮像素子6を移動させて手振れ補正を行う場合のものであるが、撮像光学系40内の少なくとも一部のレンズを移動させて手振れ補正を行う場合には、ピッチ方向位置センサ62P、ヨー方向位置センサ62Y、第1の駆動アクチュエータ61P、第2の駆動アクチュエータ61Yが、撮像光学系40内の移動するレンズに配置される。
なお、揺れ検出回路65、信号処理部71、ドライバ22、23、63も、レンズ鏡胴50側の回路内に配置されていてもよい。
以下に、レンズ鏡胴50を、より詳しく説明する。
図3は、本実施の形態に係るレンズ鏡胴50の断面図である。同図は、屈曲前の光軸OA及び屈曲後の光軸OBを含む面の断面図である。
同図に示す、1は第1レンズ群であり、第1レンズ群1は、光軸をOAとし被写体に向けて配置されたレンズ11と光軸OAを略直角方向に折り曲げる反射部材であるプリズム12と、プリズム12により折り曲げられた光軸OBを光軸として配置されたレンズ13により構成されている。この第1レンズ群1は、主胴10に固定されたレンズ群である。
2は第2レンズ群であり、第2レンズ群鏡枠2kに組み込まれている。第2レンズ群2は、変倍(以下、ズーミングとも言う)時に第2レンズ群鏡枠2kと共に、一体的に移動するレンズ群である。
3は第3レンズ群であり、主胴10に固定されている。この第3レンズ群3は、移動しないレンズ群である。
Sは絞り及びシャッタの少なくとも一方を有したユニットである。このユニットSは主胴10に固定されている。
4は第4レンズ群であり、第4レンズ群鏡枠4kに組み込まれている。第4レンズ群は、変倍時に第4レンズ群鏡枠4kと共に、一体的に移動すると共に、単独で移動して焦点調節(以下、フォーカシングとも言う)をも行うレンズ群である。
第2レンズ群2と第4レンズ群4は、広角時には第3レンズ群3と大きく離間した位置にあり、長焦点側への変倍に伴って、第3レンズ群3に接近する方向に移動する。
5は赤外光カットフィルタやオプティカルローパスフィルタを積層した光学フィルタである。6は撮像素子であり、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等が用いられる。
撮像素子6は撮像素子保持板41に保持されている。この撮像素子保持板41と一体的でかつ隙間を有した状態の移動板42が、光軸OBに直交する面内を移動可能となされた状態で、調整板43上のアクチュエータ61上に取り付けられている。アクチュエータ61により、移動板42、撮像素子保持板41及び撮像素子6は一体で、光軸OBに直交する面内で移動させられる。即ち、図2に示す、第1の駆動アクチュエータ61P、第2の駆動アクチュエータ61Yが駆動手段に相当する。
第1の駆動アクチュエータ61P、第2の駆動アクチュエータ61Y及びピッチ方向位置センサ62Pとヨー方向位置センサ62Yは、可撓性のプリント基板FPC1に接続されている。また、撮像素子6は可撓性のプリント基板FPC2に接続されている。更に、プリント基板FPC1には、揺れ検出センサ64である、ピッチ方向の揺れを検知する揺れ検出センサ64Pと、ヨー方向の揺れを検知する揺れ検出センサ64Yが接続されている。
図示の如く、撮像素子6の裏面側の撮像素子保持板41と移動板42の間には隙間が形成され、この隙間に撮像素子6と接続される可撓性のプリント基板FPC2が弛みを有して配置されている。このようにすることで、撮像素子6が手振れ補正時に移動しても、基板による移動時の抵抗負荷を低減することができる。
揺れ検出センサ64は、図示の如く、防振性を有するシート材31a及び31bにより、挟まれて保持されている。更に、このシート材31a及び31bを、主胴10の側壁と蓋部材33で挟んで保持している。即ち、揺れ検出センサ64は、防振性を有するシート材31a、31bを介してレンズ鏡胴50に組み付け固定されている。
この防振性を有するシート材には、例えば、シリコーンを主原料とするゲル状のシリコーンゲル材料で形成されたものを用いることが望ましい。
このように、揺れ検出センサ64を防振性を有するシート材31a及び31bで挟み、防振性を有するシート材31a及び31bを主胴10の側壁と蓋部材33で挟んで保持することにより、手振れ以外の原因による振動はシート材に吸収させ、真の手振れによる揺れのみを揺れ検出センサ64により検出することが可能になる。
このような構成とすることにより、揺れ検出センサ64を鏡胴に組み付け固定することができるようになり、鏡胴の基準線と揺れ検出センサ64の基準線を正確に合致させることができ、正確な手振れ補正動作を行うことが可能となる。
また、蓋部材33は、プリント基板FPC1及びFPC2がレンズ鏡胴50の外側に引き出されるための開口部10kを覆うように形成されている。これにより、レンズ鏡胴50の内部へのゴミの侵入を防止することができる。
更に図示のごとく、プリント基板FPC1は、揺れ検出センサ64と開口部10kの間の位置で、防振性を有するシート材32a及び32bにより挟まれると共に、シート材32a及び32bを主胴10の側壁と蓋部材33で挟んで保持することが好ましい。このようにすることにより、揺れ検出センサ64の出力をより正確なものとすることができる。
以下に、レンズ鏡胴50の撮像素子6周辺の構造について説明する。
図4は、本実施の形態に係るレンズ鏡胴50に取り付けられる撮像素子6を含む撮像素子ユニット90の構造を示す分解斜視図である。
同図に示すように、調整板43には、撮像素子を移動させる駆動手段である第1の駆動アクチュエータ61Pが2つの折り曲げ部43kを用いて固定され、第1の駆動アクチュエータ61Pはスライダ66と係合している。
移動板42には、撮像素子を移動させる駆動手段である第2の駆動アクチュエータ61Yが2つの折り曲げ部42kを用いて固定され、第2の駆動アクチュエータ61Yもスライダ66と係合している。
スライダ66は、それぞれのアクチュエータに対し、アクチュエータの軸方向に相対変位可能であり、それぞれのアクチュエータを駆動制御することで、調整板43に対する移動板42の相対位置を変化させることができるようになっている。これにより、移動板42に一体的に組み付けられた撮像素子6を光軸に直交する面内で移動させて手振れ補正を行うようになっている。
また、移動板42には、2つの柱状部材67、68を介して撮像素子保持板41が固定される。この柱状部材67、68により、移動板42と撮像素子保持板41の間に隙間が形成され、この隙間に撮像素子6と接続されたプリント基板FPC2が弛みを有して配置される。このようにすることで、撮像素子6が手振れ補正時に移動しても、移動時のプリント基板の抵抗負荷を低減することができる。
第1の駆動アクチュエータ61P及び第2の駆動アクチュエータ61Yは共に、通電により伸縮する圧電素子の一方の端部に錘、他方の端部には軸が接着されたものである。この軸に対し所望の摩擦力が付与された状態でスライダ66が係合されている。即ち、第1及び第2の駆動アクチュエータ61P、61Yの伸縮を駆動制御することで、移動板42即ち撮像素子6を調整板43に対し、任意の方向にスライドさせることができる。
また、移動板42には、撮像素子6の位置を検出する位置センサ62を構成するマグネット62mが、この隙間を利用して且つプリント基板FPC2と干渉しない位置に配置されている。また、位置センサ62を構成するホール素子62hは、プリント基板FPC1に接続されて、調整板43に一体的に固定されている。
このように、マグネット62mを移動板42と撮像素子保持板41の間の隙間で、かつプリント基板FPC2を避けた位置に配置することで、大きなスペースを占有するマグネット62mを効率よく組み込むことができるようになる。
なお、SPは引っ張りコイルバネであり、調整板43と撮像素子保持板41が離間するのを防止するバネである。
以上の構成により、撮像素子ユニット90は、第1、第2の駆動アクチュエータ61P、61Yを駆動することにより、撮像素子6が調整板43に対してスライド移動させることができる。これにより、移動板42に組み付けられたマグネット62mも一体的に移動し、この移動をホール素子62hで検知することで、撮像素子6の位置を検知することができる。
図5は、撮像素子ユニット90を主胴10に組み付ける際の構成を示す分解斜視図である。
同図に示すように、主胴10には、調整板43の3箇所の穴部に対応して、3箇所に台座10a、10b、10cが形成されており、該台座に形成された穴に支柱45が挿入固定される。
更に、支柱45には、それぞれ圧縮コイルバネ46が組み込まれ、調整板43の3箇所の穴部を段付きの調整ネジ47が貫通して、支柱45に形成された雌ネジ部と螺合させられる。この調整ネジ47のそれぞれの螺合量を調整することで、主胴10に対する調整板43の傾き、即ち撮像素子6の光電変換面の傾きを調整することができるようになっている。
図6は、本実施の形態に係るレンズ鏡胴に用いられる調整ネジ47の形状を示す斜視図である。
同図に示すように、本実施の形態の調整ネジ47は段付きネジであり、頭部が最大径を有するよう形成されると共に、頭部には六角穴が形成され、該六角穴に適合する六角レンチを挿入して回転させるようになっている。従来の十字形状のビットでなく、六角穴としてあるのは以下の理由による。
調整ネジ47は回転により移動する。このため、従来の十字形状のビットの場合は、ドライバを移動に追従させて移動させる必要がある。一方、六角穴とすれば、六角レンチと六角穴の嵌合長内の移動の場合、六角レンチを移動に追従させる必要がなく治具を簡単なものとすることができる。
図7は、図6に示す調整ネジ47を用いた場合と、従来のフランジ付き六角穴ネジを用いた場合の比較図である。同図(a)は本実施の形態の調整ネジ47を用いた場合の断面図であり、同図(b)は従来のフランジ付き六角穴ネジNを用いた場合の断面図である。
同図(a)に示すように、調整ネジ47を用いた場合は頭部で圧縮コイルバネ46に付勢された調整板43を受け、頭部より径の小さい腰部で調整板43の穴と嵌合している。
このように調整ネジ47を形成することで、同図(b)に示す従来のフランジ付き六角穴ネジNを用いた場合に比べ、図示tの分だけ高さを低くすることができる。即ち、頭部が最大径を有し、六角穴の形成された段付きネジとすることで、図示tの分だけ光軸OB方向の長さを短く形成することができる。
また、図4に示すように、調整ネジ47が挿入される調整板43の短辺側に形成された2つの穴部の間に第1又は第2の駆動アクチュエータの一つ(図示では、第2の駆動アクチュエータ61Y)を配置することにより、効率的な配置ができ、光軸OB方向の投影面積を小さくすることができる。
本実施の形態に係る撮像装置の主要構成ユニットの内部配置の一例を示す図である。 本実施の形態に係る撮像装置の概要を示すブロック図である。 本実施の形態に係るレンズ鏡胴の断面図である。同図は、屈曲前の光軸OA及び屈曲後の光軸OBを含む面の断面図である。 本実施の形態に係るレンズ鏡胴に取り付けられる撮像素子を含む撮像素子ユニットの構造を示す分解斜視図である。 撮像素子ユニットを主胴に組み付ける際の構成を示す分解斜視図である。 本実施の形態に係るレンズ鏡胴に用いられる調整ネジの形状を示す斜視図である。 図6に示す調整ネジを用いた場合と、従来のフランジ付き六角穴ネジを用いた場合の比較図である。
符号の説明
1 第1レンズ群
2 第2レンズ群
3 第3レンズ群
4 第4レンズ群
10 主胴
31a、31b シート材
32a、32b シート材
33 蓋部材
50 レンズ鏡胴
61 アクチュエータ
62 位置センサ
64 揺れ検出センサ
90 撮像素子ユニット
100 撮像装置
FPC1 プリント基板
FPC2 プリント基板

Claims (5)

  1. 被写体の画像を形成する撮像光学系と、該撮像光学系により形成された画像を光電変換する撮像素子と、前記撮像光学系を保持する主胴と、前記撮像素子の裏面側に配置され前記撮像素子を保持すると共に前記主胴に対し傾き調整が可能となされた調整板と、を有するレンズ鏡胴において、
    前記調整板には、3箇所の穴部が形成され、該穴部に挿入された調整ネジの螺合量を変化させることにより、前記調整板及び前記撮像素子の傾きが調整されるよう構成され、
    前記調整ネジが、頭部が最大径を有すると共に、該頭部に六角穴の形成された段付きネジであることを特徴とするレンズ鏡胴。
  2. 被写体の画像を形成する撮像光学系と、該撮像光学系により形成された画像を光電変換する撮像素子と、前記撮像光学系を保持する主胴と、前記主胴の揺れを検出する揺れ検知センサと、前記撮像素子を前記撮像光学系の光軸に直交する面内で移動させる駆動手段と、を有し、前記揺れ検知センサの出力に基づいて前記駆動手段により前記撮像素子を移動させて手振れ補正を行うレンズ鏡胴において、
    前記撮像素子の裏面側には隙間が形成され、前記隙間に前記撮像素子と接続される可撓性のプリント基板を弛ませて配置したことを特徴とするレンズ鏡胴。
  3. 前記撮像素子の位置を検出する位置センサを構成するマグネットを、前記隙間の前記プリント基板を避けた位置に配置したことを特徴とする請求項2に記載のレンズ鏡胴。
  4. 前記駆動手段は圧電素子の伸縮の緩急を用いる二つのアクチュエータであって、略長方形の調整板に固定され、前記調整板の対角部のうち3箇所に穴部が形成され、該穴部に挿入された調整ネジの螺合量を変化させることにより、前記調整板及び前記撮像素子の傾きが調整されるよう構成され、前記調整板の短辺側の2箇所の前記穴部の間に前記アクチュエータの一つを配置したことを特徴とする請求項2又は3に記載のレンズ鏡胴。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴を備えたことを特徴とする撮像装置。
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