JP2008205478A - レジスト吐出方法およびレジスト吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】粒子が凝固することや半導体リソグラフィーにおいて用いられるノズルの先端で蓄積することを実質的に緩和し、あるいはこれらを防止しさえする方法を提供する。
【解決手段】半導体ウェハ上にリソグラフィー・レジストを吐出するレジスト吐出方法は、以下を具備する。第1ノズルから第1ダミー吐出容器へとレジストが吐出される。前記第1ノズルから前記第1ダミー吐出容器へのレジストの吐出が停止される。前記第1ノズルから半導体ウェハ上にレジストが吐出される。前記第1ダミー吐出容器から第1流体輸送経路に沿ってレジストが前記第1ノズルへと戻される。
【選択図】図2
【解決手段】半導体ウェハ上にリソグラフィー・レジストを吐出するレジスト吐出方法は、以下を具備する。第1ノズルから第1ダミー吐出容器へとレジストが吐出される。前記第1ノズルから前記第1ダミー吐出容器へのレジストの吐出が停止される。前記第1ノズルから半導体ウェハ上にレジストが吐出される。前記第1ダミー吐出容器から第1流体輸送経路に沿ってレジストが前記第1ノズルへと戻される。
【選択図】図2
Description
本発明は流体吐出システムに関する。
半導体製造の際、微細リソグラフィーが用いられて、半導体ウェハ上に集積回路が形成される。このリソグラフィー工程において、紫外線光のような放射エネルギーの形体が、マスクまたはステンシル・マスクを通過して、半導体ウェハ上に投射される。マスクは、所望のパターンに形成された不透明および透明領域を有する。例えば、半導体ウェハ上に、間隔を有する平行の導電線を規定するために、格子パターンが用いられる。紫外線光に反応する薬液層がウェハの表面に付されることができる。紫外線による露光によって、ウェハ上に形成された薬液層にパターンが顕わにされる。次いで、このパターンは、イオン注入またはエッチングのような、後続の半導体製造工程において用いられることが可能である。
紫外線光がウェハに投射される前または後に、薬液が半導体ウェハの表面上に付され、また、多様な薬液が製造工程の色々な時点で用いられ得る。これらの様々な薬液は、一般に、ウェハ表面に亘って一様にこの薬液を塗布するように設計および配置されたノズルによって、ウェハ上に塗布される。所定量の薬液がウェハ表面上に塗布される場合、ノズルを通る薬液の流れは、別のウェハの薬液の塗布に対する準備が整うまで、遮断される。ノズルがウェハ表面上に薬液を吐出していない間、薬液の粒子が乾燥したりノズルの先端で凝固したりすることを防ぐことが望ましい。このような粒子は、蓄積されて、薬液をウェハ上に正確に吐出することの妨げとなる。
図1は、半導体リソグラフィー工程において、粒子が蓄積することを緩和するための従来のシステムの図である。半導体製造において用いられる2つの異なる液体薬液117、118が容器102、103に貯蔵されている。容器102からの流体117は、ポンプ104によって、フィルタ106を介してノズル108まで送られる。同様に、容器103からの流体118は、ポンプ105によって、フィルタ107を介してノズル109まで送られる。ノズル108、109は、薬液を半導体ウェハ120上に吐出するために、リソグラフィー工程の間の様々な時点で用いられるのだが、ノズル108、109は、図1では、リソグラフィー工程中の潜伏中の期間について、すなわち半導体ウェハが薬液の吐出に対して準備が整っていない間の状態で示されている。
吐出システムのノズル108、109は、1つの共用ノズル槽の上方に配置される。これらのノズル内で粒子が凝固することを緩和するために、溶剤112が接続され、また溶剤の流れ114がノズル槽110へと導かれる。溶剤の流れ114の蒸気は、ノズル108、109の周囲の空気へと染み入り、ノズル108、109の先端において粒子が蓄積することを防ぐことを意図されている。また、ノズル108、109からノズル槽110への薬液の「ダミー吐出」が時々行なわれて、ノズル108、109から粒子が流し出される。
こうして、ノズル槽110は、ノズル108によって吐出された物質と、ノズル109によって吐出された物質と、溶剤112の混合物となっている。結果得られるこの混合物は、使うことができず、ドレン116を介して廃棄される。よって、ノズル108、109から薬液をダミー吐出する度に、非常に高価な薬液になり得る廃棄物が形成される。例えば、レジストは、1ガロン当たり最大で10,000ドルになり得る。よって、時々ダミー吐出することであっても、多大の損失が生じる結果となる。また、上記の方法は、粒子が凝固することやノズル108、109の先端で蓄積することを無くすのにあまり効果的ではなく、後に半導体ウェハ上に薬液を吐出する際に、これが不完全になる結果となる。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
特開2000-176352号公報
よって、粒子が凝固することや半導体リソグラフィーにおいて用いられるノズルの先端で蓄積することを実質的に緩和し、あるいはこれらを防止しさえする、改善された方法に対する要望が依然としてある。
本発明の一態様よる、半導体ウェハ上にリソグラフィー・レジストを吐出するレジスト吐出方法は、第1ノズルから第1ダミー吐出容器へとレジストを吐出し、前記第1ノズルから前記第1ダミー吐出容器へのレジストの吐出を停止し、前記第1ノズルから半導体ウェハ上にレジストを吐出し、前記第1ダミー吐出容器から第1流体輸送経路に沿ってレジストを前記第1ノズルへと戻す、ことを具備する、
本発明の一態様によるレジスト吐出装置は、半導体ウェハ上にレジストを吐出するように構成された第1ノズルと、前記第1ノズルによって吐出された前記レジストを回収するように構成されたダミー吐出容器と、前記ダミー吐出容器から前記第1ノズルへとレジストを戻すように構成された流体輸送経路と、を具備する
本発明の一態様によるレジスト吐出装置は、半導体ウェハ上にレジストを吐出するように構成された第1ノズルと、前記第1ノズルによって吐出された前記レジストを回収するように構成されたダミー吐出容器と、前記ダミー吐出容器から前記第1ノズルへとレジストを戻すように構成された流体輸送経路と、を具備する
上記の背景を踏まえて、本開示の側面は、半導体リソグラフィーにおいて用いられる吐出ノズルにおいて粒子が蓄積することを緩和することである。本開示の一側面において、半導体リソグラフィーにおいて用いられる薬液レジストのような流体が、表面への吐出に備えて、レジスト容器からノズルへとポンプで送られる。この流体は、ノズルから、専用のダミー吐出容器へと吐出される。流体は、ダミー吐出容器から回収され、再利用に向けてもとの容器へとポンプによって戻される。この流体が、表面、例を挙げると半導体リソグラフィー工程の一部としてのウェハ表面に吐出されるのに必要となった場合、ダミー吐出容器へのダミー吐出が停止されて、ノズルはウェハ表面の上方に配置される。ウェハ表面上への吐出の後、ノズルは、ダミー吐出を再開するためにダミー吐出容器の上方へとその位置を戻される。
本開示の別の側面によれば、第2流体が、第2の専用ダミー吐出容器に向って吐出される。この流体、例を挙げると半導体リソグラフィーで用いられるARCは、この流体を半導体ウェハの表面上へ吐出するために向けてARC容器からノズルへとポンプで送られる。ARCは、ウェハ表面上に吐出されない間、ノズルから、ARCを回収してARC容器へと戻すこと専用の第2ダミー吐出容器へと吐出される。これらの専用ダミー吐出容器は、異なる薬液が混ざり合うことを防ぐために別々のものとされるとともに独立しており、各薬液の再利用が可能になる。本開示の別の側面では、同じ薬液を吐出する複数のノズルが通っていて、同じダミー吐出容器へとダミー吐出する。
本開示の別の側面によれば、ダミー吐出容器内で溶剤を用いることは、ノズルの先端で粒子が凝固するのを緩和するのに必須ではなくなり得る。ノズルから専用のダミー吐出容器へとダミー吐出することによって、溶剤によってノズル先端の粒子を砕くことを必要とすることなく、粒子の凝固が緩和され得る。さらに、専用のダミー吐出容器には、溶剤または薬液の混合物が含まれないので、このような容器によって、薬液を再利用することが可能となる。よって、さらなる薬液および薬液の廃棄についての多大なる費用を回避できる。
本開示のこれらの、および他の側面は、以下の、説明用の実施形態の詳細な説明を熟考することによって、明らかとなるであろう。
こうして、本発明が概略的な形で記載された。添付の図面に対する説明は、図面の簡単な説明においてなされている。図面は、必ずしもスケール通りには描かれていない。
次に、説明用の実施形態が添付の図面を参照して、より完全に説明される。本明細書に記載の実施形態は、限定的なものと見られるべきではなく、むしろこれらの実施形態は本明細書に開示の概念の例を提示しているに過ぎない。
図2を参照すると、説明用の吐出システムについての概略図が示されている。図2において、半導体製造において用いられる薬液217は、容器202内に貯蔵されている。例えば、薬液217は、レジスト、つまり半導体リソグラフィー工程で一般に用いられる感光性物質である。何らかの表面に付されているレジストのあるタイプのものは、露光されると、この表面に後に付されるフォトレジスト現像液に対して比較的溶解し易くなり(ポジ型レジスト)、一方、別のタイプのレジストは比較的溶解し難くなる(ネガ型レジスト)。ポジ型レジストとネガ型レジストには、両方とも多くの種類があり、1つのリソグラフィーにおいて複数の様々なレジストが一般に用いられる。反射防止膜(ARC)薬液も、このような半導体製造において用いられる。ARCは、ポリマーを基礎とする液体であって、リソグラフィー中のシリコンウェハに当たる光の量を制御するためや、工程中のウェハ表面の形状の起伏を実質的に平坦にするために用いられる。説明用の実施形態は、レジストおよびARCを吐出するものとして説明されるが、本開示は、このような使用法に限定されない。例えば、溶剤およびエッチング薬液が、本明細書に開示の実施形態を用いてウェハ表面に塗布される。
図2において、本例ではレジストである薬液217は、ポンプ204を用いて、容器202からノズル208へと送られる。同様にARC218は、ポンプ205を用いて、容器203からノズル209へと送られる。供給源容器202、203は、薬液217、218をそれぞれ貯蔵するように構成された、あらゆる開口型または密閉型の容器である。実施形態によっては、ポンプ204、205は、高精度ポンプである。このような高精度ポンプは、一般に、薬液217、218の量および広がりをより良く制御するために、半導体リソグラフィーにおいて好まれる。また、フィルタ206、207が、容器202、203と、ノズル208、209との間にそれぞれ設けられ得る。その目的は、薬液がウェハ表面上に吐出される前に、薬液から不純物または粒子を除去することである。ノズル208、209が半導体製造工程において用いられて、薬液217、218、レジスト、ARCが、例えば表面、例を挙げると半導体チップのウェハ220に塗布される。ノズル208、209は、従来技術において知られているように、薬液が正確に塗布されるように、慎重に設計および製造されている。既に詳しく述べたように、吐出工程においては、どのような液垂れや染みであっても、薬液217、218内またはノズル208、209内のどのような凝固した粒子であっても、望ましくないとともに製造工程に悪影響を与え得る。
図2において、ポンプ204、205、フィルタ206、207は、薬液容器202、203をノズル208、209にそれぞれ接続する別々の流体輸送経路の一部である。別の説明用の実施形態において、これらの流体輸送経路は、フィルタまたはポンプを用いず、流体217、218をノズル208、209へと輸送することを可能にする、要素のあらゆる組合せである。
図2では、ノズル208、209は、半導体製造工程の潜伏中の状態で示されている。すなわち、この状態では、ノズル208、209はウェハ表面220上にレジスト217またはARC218を吐出していない。ノズル208、209は、吐出と吐出の間であって、ノズル208、209の一方または両方がウェハ220上に薬液217、218を吐出する次のリソグラフィー段階を待っているところである。ノズル208、209は、相互に独立して動作し得ること、同じ表面上に吐出することは必須ではないこと、また同じ時刻に吐出することは必須ではないことに留意されたい。
吐出作業を待っている間、ノズル208はダミー吐出容器210の上方で保持され、他方、ノズル209は、別のダミー吐出容器211の上方で保持される。ダミー吐出容器は、例えば、半導体リソグラフィーにおいて一般に使われているものと同様であるが、独立の溶剤ノズル注入口を必要としない専用のノズル槽である。ダミー吐出容器は、また、ノズルの下方で液体の溜まりを受ける単なる貯留器であってもよい。さらなる実施形態では、ダミー吐出容器は、ノズル槽または貯留器ではなく、例えば流体を受けるとこれを保持するのではなく即座にこれを搬送する漏斗またはパイプである。
各ダミー吐出容器は、ただ1つだけの吐出ノズルと関連を有している。さらなるノズルおよびダミー吐出容器が用いられてもよい。この場合、各容器は、特定のノズル専用である。例えば、第3のノズルが、この同じ製造工程において用いられ、別の薬液容器から供給されて、自身用の別個のダミー吐出容器を有する。よって、ダミー吐出容器210内の薬液は、ダミー吐出容器211内の異なる薬液から分けられた状態に維持される。ダミー吐出容器筐体219は、ダミー吐出容器210、211を囲む単一構造である。ドレン212、213は、それぞれ、ダミー吐出容器210、211の中身を空にする。ポンプ214、215は、それぞれ、薬液217、218を、ダミー吐出容器210、211からドレン212、213を介して抜き出し、これらの薬液を再利用に向けて容器202、203に戻す。
図2の説明用の実施形態では、別々の流体輸送経路によって、薬液217、218は、ポンプ214、215を用いて容器202、203に戻される。しかしながら、これらの返却流体輸送経路、つまりフィードバック経路は、薬液217、218をノズル208、209へと運ぶ流体輸送経路に結合されてもよい。このような実施形態では、容器202、203は、フィードバック経路から切り離されて、別々の流体輸送経路が1つの往復経路となるように結合される。例えば、薬液217、218は、ダミー吐出容器210、211から、ポンプ204、205によって、ノズル208、209へと直接送られる。よって、以前は分離されていた流体経路は、概念的には、各薬液用の1つのフィードバック経路となっている。いずれの場合でも、ダミー吐出容器210、211によって回収される薬液は、1つ以上の流体輸送経路を介して送り返され、結果、再利用に向けてノズル208、209へと戻っていく。
製造工程においてダミー吐出容器210、211からの薬液を再利用することによって、本明細書に開示の実施形態は、製造業者が相当の費用を抑えることを可能にする。この費用は、実施形態無しでは使用済みの薬液や薬液の容器を頻繁に保守すること、例を挙げると容器の取替えおよび補充に対してかかるはずの費用である。また、製造業者は、ダミー吐出容器からの使用済み薬液にかかる時間、費用、法的にクリアすべき事項を回避し得る。これらの潜在的な利点は、1つのダミー吐出容器が薬液1つだけの貯留専用とされているが故に実現される。以前の方法とは違って、ダミー吐出容器は、再利用が不可能な、別々のタイプの薬液の混合物や溶剤を収容しない。
コントローラ221は、本吐出工程における別々の構成要素間の相互動作およびタイミングを調整するために用いられ得る。コントローラ221は、例えば、コンピュータである。このコンピュータは、薬液の吐出の進行具合を監視するとともにこれらの構成要素が取る行動を開始させ、制御し、また/または終了させるために、様々な構成要素に接続され且つこれらへの通信経路を有する。この例では、コントローラ221は、ポンプ204、205と通信を行なって、薬液217、218のノズル208、209への流れを制御する。コントローラ221は、また、ノズル208、209、ウェハ220と通信を行なって、ノズル208、209の位置を、ダミー吐出容器210、211とウェハ220の表面との間で移動させる調整を行なう。コントローラ221は、また、ノズル208、209からの吐出のタイミングを調整する。こうして、ウェハ220への吐出を適切なものとし、そうであることが適切な場合は、ノズルの移動中に吐出が起こらないようにする。コントローラ221は、さらに、ダミー吐出容器210、211を監視し、薬液217、218をそれぞれ容器202、203へと戻す必要に応じてポンプ214、215を作動/停止する。コントローラ221は、また、半導体ウェハ220を保持したり移動したりするために用いられる装置と通信する。その目的は、薬液217、218がウェハ220の表面上に吐出される前および後にウェハ220を適切に移動することである。例えば、コントローラ221は、レジストを被覆することに対して半導体ウェハ220が準備できていることを示す信号を受信し、この信号に応答して、レジストをダミー吐出容器へと吐出することを停止し、吐出ノズル208をウェハ220の上方に位置させ、レジストをウェハ220の表面上に吐出する。さらに、コントローラ221は、半導体ウェハ220の表面上の薬液217、218を一層平坦に塗布するために、ウェハ220の回転を制御する。
実施形態によっては、ポンプ214、215は、低精度ポンプであり得る。高精度ポンプ204、205と対照的に、薬液217、218をウェハ220の表面上に吐出するために幾つかの実施形態で用いられて、薬液217、218をダミー吐出容器210、211から容器202、203へと戻すのに同じ精度は必ずしも必要ではない。実際、実施形態によっては、低精度ポンプ214、215は、薬液217、218をダミー吐出容器210、211から容器202、203へと送るための、重力によって生み出される流れ、真空による流れ、または他の非動力型の機構を含んでいたり、これらに取って代わられたりしてよい。また別の実施形態では、薬液容器202、203は、それぞれ、ダミー吐出容器210、211と同じ物理的な容器である。このような構成では、ポンプ214、215、および/または各フィードバック経路は不要である。薬液217、218が、ポンプ204、205によって、ダミー吐出容器210、211から直接取り出されるからである。換言すれば、薬液容器およびダミー吐出容器は同一である。
図3を参照すると、図2の流体吐出システムの動作中に実行され得る説明用のステップを示すフローチャートが示されている。図3のフローチャートは、1つのノズル、例を挙げるとノズル208が、半導体ウェハ表面220上へのレジスト吐出217を1回実行することについての動きを描いている。
ステップ301において、ノズルは、ダミー吐出容器の上方に配置され、またレジストまたは他の薬液の連続的な噴霧をダミー吐出容器内に吐出する。このような噴霧を行なうことは、薬液は吐出されるのだがウェハ220の表面上ではないことから、本明細書では、「ダミー吐出」と称される。この噴霧の特性、例を挙げると噴霧の強度および幅は、レジストが乾燥したりノズルの先端で凝固粒子を形成したりすることを防ぐように構成され得る。実施形態によっては、ダミー吐出噴霧は、ウェハ220の表面上へ流体を吐出するために用いられるのと同じ強度および幅を有する。ノズル208または209の、ダミー吐出用容器210、211内で蓄積する薬液217または218の「溜まり」の上方での高さは、ノズル208、209の先端が薬液217または218の溜まりに接しないように、十分な高さになっている。ノズルが溜まりに浸ることや、溜まりからノズルの外側へと跳ね返ることは、ノズルの位置が薬液の溜まりに近過ぎる場合またはダミー吐出噴霧が強すぎる場合に起こり得る。ノズルが浸ることや薬液の跳ね返りは、ノズル208、209の外側に付着しているどんな流体であっても後続の吐出の際にウェハ220の表面に滴下し得る故に、望ましくない。実施形態によっては、ダミー吐出容器210または211内の現在の薬液の溜まりの高さの程度は、監視され、またノズル208または209の溜まりの上方での空中での高さを制御したり、または流体217または218をダミー吐出容器210または211から取り除く任を負うポンプ214または215を作動させたりするために用いられる。
ステップ302において、この時点まで継続していたダミー吐出が一時的に停止される。この停止することは、次の半導体ウェハ220がこのノズルからのレジストの吐出に対して準備ができているまたはじきにできることを示す信号がコントローラ221から受信されることによって行なわれる。ダミー吐出は、ノズルをダミー吐出容器から取り除く前、例を挙げると後続の表面への吐出になるべく近い時刻に停止される。その目的は、粒子がノズル先端で凝固する可能性を減じることである。次に、ステップ303において、ノズルは、ウェハまたは他の所望の表面の上方に配置される。このステップは、ノズルの1つを搭載する機械的アーム(図示せず)によって行なわれ得る。この機械的アームは、ノズルを表面の上方に直接配置できるように、表面の近くに移動する。または、ウェハ220が固定されたノズルの下方へと移動させられ、ダミー吐出容器も移動させられる。
ステップ304において、ノズルは、製造工程の仕様に従って、ウェハ220の表面上に、制御しながら流体を吐出する。例えば、半導体リソグラフィー工程において、半導体ウェハ220が紫外線光格子パターンに晒される直前に、半導体ウェハ220は、レジスト層によって一様に被覆される。このように一様に被覆することを補助するために、ウェハ220は、レジストまたは他の薬液が吐出されている間、回転する。
ステップ305において、ノズルは、ダミー吐出容器の上方に、その位置を戻され、ステップ306において、ダミー吐出容器に向けた流体のダミー吐出噴霧が再開される。このダミー吐出では、次なる表面への吐出の直前まで、ノズルからダミー吐出容器へ連続的且つ不断に噴霧が形成される。または、ダミー吐出噴霧は、例えば、定期的に噴出される等、非連続的なものである。例えば、非連続的なダミー吐出では、ノズルがウェハ220の表面の上方に配置される直前に1回だけ行なわれる。こうして、流れを伴わない薬液がノズルの先端に存在している時間が短くなる。
また、ダミー吐出の強度は、粒子の蓄積を減じるように制御される。例えば、ダミー吐出は、ウェハ220の表面の上方に薬液を吐出するのに用いられるものより高い強度で行なわれて、ノズル先端から粒子を「破裂させる」。この強度は、また、連続的または定期的なダミー吐出の間に亘って定期的に変化し得、またノズル吐出強度を上下させて粒子がノズル先端で蓄積することを減じるのを援助する。上記のあらゆる説明用の実施形態において、ダミー吐出噴霧によって、薬液が乾燥したりノズル先端で凝固したりするのを防ぎ、これによって、流体内の蓄積した粒子によって後続の表面への吐出の質が低下することを緩和しまたは防ぎさえする。
図4は、複数のノズル群を示している。各ノズル群は、別々の専用のダミー吐出容器に対して吐出を行なう。この例では、ノズル402、404は、同じ薬液を吐出する。この結果、これらのノズルは、異なる薬液が混ざり合うことなく、よって吐出された薬液が使用不能になることなしに、1つのダミー吐出容器406に吐出する。これらのノズル402、404は、同じ薬液容器から、または同じ薬液を貯蔵する別々の容器から薬液の供給を受ける。同様に、ノズル410、412は、ダミー吐出容器414に薬液を吐出する。この例では、ノズル410、412は、両方とも、同じ薬液を吐出する。しかしながら、この薬液は、ノズル402、404によって吐出される薬液とは異なり得る。ダミー吐出容器414は、ダミー吐出容器406から独立している。その結果、各ダミー吐出容器は、1つの薬液専用となっている。ノズル群が1つのダミー吐出容器へと同じ薬液を吐出する実施形態では、異なる薬液を分離したことに由来する上記の潜在的な利点が得られながら、さらに製造業者が費用抑制の利点を得られる可能性がある。このような実施形態によって、ダミー吐出容器、ドレン、ポンプ、他の関連する装置の数が減少することが可能になる。
グループ・ダミー吐出容器406の中身は、ドレン408を介して空にされ、また、ポンプによって、1つの薬液容器へと戻される。同様に、ダミー吐出容器414の中身は、ドレン416を介して空にされ、また、ポンプによって別の薬液容器へと戻される。または、ダミー吐出容器406または414からの排液の流れは、分割され、同じ薬液の複数の容器へとポンプによって送られる。実施形態によっては、ダミー吐出容器から抜き取られた薬液をどこへ送るかを決定することは、薬液容器の数、各容器内の残存量、各容器の予想される将来の用途に基づく。例えば、コントローラ221は、同じ薬液の2つの別々の容器の中の残存量を比較して、それに従ってダミー吐出容器406の中身を量の最も少ない容器へと戻す。このような実施形態によって、製造業者は、複数の容器が空になるタイミングを調整することが可能になり、ひいては同時に、補充を行なったり同様の容器を取り替えたりするスケジュールを立てることが可能になる。
上記の説明および関連する図面は、半導体リソグラフィー工程に関わっているが、多くの変更や他の実施形態は、提示される教示の利益を享受する当業者が思い浮かぶことであろう。本明細書に記載の説明用の実施形態は、流体薬液を吐出することを必要とするあらゆる製造工程に適用可能である。
また、この発明は以下の実施態様を取り得る。
(1)第1ノズルから第1ダミー吐出容器へとレジストを吐出し、前記第1ノズルから前記第1ダミー吐出容器へのレジストの吐出を停止し、前記第1ノズルから半導体ウェハ上にレジストを吐出し、前記第1ダミー吐出容器から第1流体輸送経路に沿ってレジストを前記第1ノズルへと戻す、ことを具備する、半導体ウェハ上にリソグラフィー・レジストを吐出するレジスト吐出方法。
(2)前記第1ノズルが前記半導体ウェハの表面の上方に位置するように、記第1ノズルおよび前記半導体ウェハの少なくとも一方を配置するする工程をさらに具備する、(1)のレジスト吐出方法。
(3)前記第1流体輸送経路は、レジストを前記第1ノズルへと戻すように構成されたパイプの少なくとも一部と少なくとも1つのポンプとを具備する、(1)のレジスト吐出方法。
(4)前記レジストを戻す工程は、レジストを前記第1ダミー吐出容器からレジスト貯蔵容器へと第1ポンプで送り、レジストを前記レジスト貯蔵容器から前記第1ノズルへと第2ポンプで送る、ことを具備する、(1)のレジスト吐出方法。
(5)前記レジストを前記レジスト貯蔵容器から前記第1ノズルへと送ることは、前記ダミー吐出容器から前記レジスト貯蔵容器へとレジストをポンプで送る場合よりも高い精度で行なわれる、(4)のレジスト吐出方法。
(6)第2ノズルから第2ダミー吐出容器へとARCを吐出し、前記第2ノズルから前記第2ダミー吐出容器への前記ARCの吐出を停止し、前記第2ノズルから前記半導体ウェハ上にARCを吐出し、前記第2ダミー吐出容器から第2流体輸送経路に沿ってARCを前記第2ノズルへと戻す、ことをさらに具備する、(1)のレジスト吐出方法。
(7)前記第1ダミー吐出容器および前記第2ダミー吐出容器は、分離されており、またそれぞれ吐出される薬液に対して専用である、(6)のレジスト吐出方法。
(8)前記第1ノズルから前記第1ダミー吐出容器へのレジストの吐出を停止することは、コントローラからの信号に応答して行なわれ、前記信号は、前記半導体ウェハがレジストの塗布に対して準備できていることを示す、(1)のレジスト吐出方法。
(9)半導体ウェハ上にレジストを吐出するように構成された第1ノズルと、前記第1ノズルによって吐出された前記レジストを回収するように構成されたダミー吐出容器と、前記ダミー吐出容器から前記第1ノズルへとレジストを戻すように構成された流体輸送経路と、を具備する装置。
(10)前記流体輸送経路は、レジストを前記第1ノズルへと戻すように構成されたパイプの少なくとも一部と少なくとも1つのポンプとを具備する、(9)の装置。
(11)前記流体輸送経路は、レジスト貯蔵容器と、前記ダミー吐出容器からレジスト貯蔵容器へとレジストを輸送するように構成された第1ポンプと、前記レジスト貯蔵容器から前記第1ノズルへとレジストを輸送するように構成された第2ポンプと、を具備する、(9)の装置。
(12)前記第1ノズルからの前記レジストの吐出を制御するように構成され且つ前記第1ノズルの前記半導体ウェハに対する位置を制御するように構成されたコントローラをさらに具備する、(9)の装置。
(13)前記コントローラは、前記半導体ウェハがレジストの塗布に対して準備できていることを示す信号に応答して、前記ダミー吐出容器への前記レジストの吐出を停止するとともに前記第1ノズルを前記半導体ウェハの表面の上方に配置するように構成される、(12)の装置。
(14)第1流体を半導体ウェハ上に吐出するように構成された第1ノズルと、前記第1ノズルから吐出された前記第1流体を回収するように構成された第1容器と、前記第1容器から前記第1ノズルへと前記第1流体を戻すように構成された第1フィードバック経路と、第2流体を半導体ウェハ上に吐出するように構成された第2ノズルと、前記第2ノズルから吐出された前記第2流体を回収するように構成された第2容器と、前記第2容器から前記第2ノズルへと前記第2流体を戻すように構成された第2フィードバック経路と、を具備する装置。
(15)前記第1フィードバック経路および前記第2フィードバック経路は、パイプの少なくとも一部と接続された少なくとも1つのポンプを具備する、(14)の装置。
(16)第1流体貯蔵容器と、前記第1容器から前記第1流体貯蔵容器へと前記第1流体を輸送するように構成された第1ポンプと、前記第1流体貯蔵容器から前記第1ノズルへと前記第1流体を輸送するように構成された第2ポンプと、第2流体貯蔵容器と、前記第2容器から前記第2流体貯蔵容器へと前記第2流体を輸送するように構成された第3ポンプと、前記第2流体貯蔵容器から前記第2ノズルへと前記第2流体を輸送するように構成された第4ポンプと、をさらに具備する、(14)の装置。
(17)前記第1流体貯蔵容器はレジストを収容し、前記第2流体貯留容器はARCを収容する、(16)の装置。
(18)前記第2ポンプおよび前記第4ポンプは、各々、前記第1ポンプおよび前記第3ポンプの各々より高い精度で流体を輸送するように構成される、(16)の装置。
(19)前記第1ノズルからの前記第1流体の前記吐出と、前記第2ノズルからの前記第2流体の前記吐出と、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルおよび前記半導体ウェハの間の相対的な位置合わせと、を制御するように構成されたコントローラをさらに具備する、(14)の装置。
(20)前記コントローラは、前記半導体ウェハが、前記第1および第2流体の少なくとも一方の塗布に対して準備できていることを示す信号を受信し、前記信号に応答して前記第1および第2容器の少なくとも一方への前記流体の前記吐出を停止する、ように構成される、(19)の装置。
Claims (5)
- 第1ノズルから第1ダミー吐出容器へとレジストを吐出し、
前記第1ノズルから前記第1ダミー吐出容器へのレジストの吐出を停止し、
前記第1ノズルから半導体ウェハ上にレジストを吐出し、
前記第1ダミー吐出容器から第1流体輸送経路に沿ってレジストを前記第1ノズルへと戻す、
ことを具備する、半導体ウェハ上にリソグラフィー・レジストを吐出するレジスト吐出方法。 - 前記第1流体輸送経路は、レジストを前記第1ノズルへと戻すように構成されたパイプの少なくとも一部と少なくとも1つのポンプとを具備する、請求項1のレジスト吐出方法。
- 前記レジストを戻す工程は、
レジストを前記第1ダミー吐出容器からレジスト貯蔵容器へと第1ポンプで送り、
レジストを前記レジスト貯蔵容器から前記第1ノズルへと第2ポンプで送る、
ことを具備する、請求項1のレジスト吐出方法。 - 半導体ウェハ上にレジストを吐出するように構成された第1ノズルと、
前記第1ノズルによって吐出された前記レジストを回収するように構成されたダミー吐出容器と、
前記ダミー吐出容器から前記第1ノズルへとレジストを戻すように構成された流体輸送経路と、
を具備するレジスト吐出装置。 - 前記流体輸送経路は、
レジスト貯蔵容器と、
前記ダミー吐出容器からレジスト貯蔵容器へとレジストを輸送するように構成された第1ポンプと、
前記レジスト貯蔵容器から前記第1ノズルへとレジストを輸送するように構成された第2ポンプと、
を具備する、請求項4のレジスト吐出装置。
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