JP2008205286A - 被膜除去方法と基板処理装置と、これら方法及び装置に用いる赤外線照射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板に被着した被膜のうち、基板の端縁部の被膜を除去しても、基板上に良好な端面形状を有する被膜を残すことができる被膜除去方法と基板処理装置と、これら方法及び装置に用いる赤外線照射装置を提供する。
【解決手段】レジスト膜Cが被着された基板Wの端縁部に溶解液を供給するエッジノズル13と、赤外線を照射してレジスト膜Cを加熱する赤外線照射部31とを備えている。そして、溶解液の供給に先立って赤外線照射部31が端縁部のレジスト膜Cを予め加熱し、端縁部のレジスト膜Cに含まれるレジスト溶媒を蒸発させる。これにより、端縁部のレジスト膜Cを溶解する際にその端面が変形することがない。したがって、最終的に得られる基板W上のレジスト膜Cは良好な端面形状を有する。また、赤外線照射部31は赤外線を照射して加熱するので、端縁部以外のレジスト膜Cの膜厚がばらつくおそれがない。
【選択図】図1
【解決手段】レジスト膜Cが被着された基板Wの端縁部に溶解液を供給するエッジノズル13と、赤外線を照射してレジスト膜Cを加熱する赤外線照射部31とを備えている。そして、溶解液の供給に先立って赤外線照射部31が端縁部のレジスト膜Cを予め加熱し、端縁部のレジスト膜Cに含まれるレジスト溶媒を蒸発させる。これにより、端縁部のレジスト膜Cを溶解する際にその端面が変形することがない。したがって、最終的に得られる基板W上のレジスト膜Cは良好な端面形状を有する。また、赤外線照射部31は赤外線を照射して加熱するので、端縁部以外のレジスト膜Cの膜厚がばらつくおそれがない。
【選択図】図1
Description
この発明は、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、単に「基板」と称する)に被着された被膜のうち、基板の端縁部の被膜を除去する被膜除去方法と基板処理装置と、これら方法及び装置に用いる赤外線照射装置に関する。
従来、基板上に処理液を塗布して基板に被膜を被着する処理の後に、基板の端縁部に被着された被膜を除去する処理を行う。この処理は、エッジ・ビード・リムーバブル(EBR:edge bead removal)処理と呼ばれている。レジスト膜を被着する場合を例にとって具体的に説明する。従来の基板処理装置は、基板を回転可能に保持する真空チャックと、基板にレジスト液を吐出する主ノズルと、基板の端縁部にレジスト膜を溶解除去する溶解液を吐出するエッジノズルとを備えて構成されている。この装置では、主ノズルから基板にレジスト液を供給して基板全面にレジスト膜を被着すると、基板を回転させてレジスト膜を一旦乾燥させる。引き続いて、エッジノズルから溶解液を基板の端縁部に供給して、端縁部のレジスト膜を除去する。その後、再び基板を回転乾燥させて、基板処理装置から基板を搬出する(例えば、特許文献1参照)。
このように基板の端縁部のレジスト膜を除去することで、基板に被着されたレジスト膜が搬送系に付着することなく、基板を搬出/搬送することができる。よって、搬送系を介して他の基板にレジスト膜が再付着するおそれがない。
特開2000−100682号公報
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の方法または装置では、溶解液を供給する前に回転乾燥を行っても、レジスト膜内の溶媒を完全に蒸発させることはできない。このため、溶解液でレジスト膜を溶解するときに、レジスト膜内に残存する溶媒によってレジスト膜自体が流動的になり、レジスト膜の除去後に最終的に得られる基板上のレジスト膜は端部がだれてしまうなど、その端面形状が悪化する。端面形状が悪化すると、そこからレジスト膜が剥がれ易くなり、クロスコンタミネーションを招くおそれがあるという不都合を生じる。
すなわち、従来の方法または装置では、溶解液を供給する前に回転乾燥を行っても、レジスト膜内の溶媒を完全に蒸発させることはできない。このため、溶解液でレジスト膜を溶解するときに、レジスト膜内に残存する溶媒によってレジスト膜自体が流動的になり、レジスト膜の除去後に最終的に得られる基板上のレジスト膜は端部がだれてしまうなど、その端面形状が悪化する。端面形状が悪化すると、そこからレジスト膜が剥がれ易くなり、クロスコンタミネーションを招くおそれがあるという不都合を生じる。
これに対して、レジスト膜内の溶媒が完全に蒸発するまで基板Wを加熱してから端縁部のレジスト膜を除去する場合、基板上には端面が略垂直に立った良好な形状のレジスト膜を残すことができる。しかしながら、レジスト膜の全面にわたって均一な温度で加熱することは困難であり、レジスト膜の膜厚がばらついてしまうという不都合を招く。なお、このような不都合は、被膜がレジスト膜である場合に限らず、その他の被膜であっても同様に生じる。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、基板に被着した被膜のうち、基板の端縁部の被膜を除去しても、基板上に良好な端面形状を有する被膜を残すことができる被膜除去方法と基板処理装置と、これら方法及び装置に用いる赤外線照射装置を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板に被着された被膜のうち、基板の端縁部の被膜を除去する被膜除去方法において、前記端縁部に赤外線を照射して前記端縁部の被膜を予め加熱する加熱過程と、被膜を溶解除去する溶解液を、前記加熱過程で加熱された被膜に供給する溶解液供給過程と、を備えていることを特徴とするものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板に被着された被膜のうち、基板の端縁部の被膜を除去する被膜除去方法において、前記端縁部に赤外線を照射して前記端縁部の被膜を予め加熱する加熱過程と、被膜を溶解除去する溶解液を、前記加熱過程で加熱された被膜に供給する溶解液供給過程と、を備えていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、加熱過程において予め基板の端縁部の被膜に含まれる溶媒等を蒸発させることができる。このため、溶解液供給過程で被膜を溶解する際に、その端面が変形することがない。したがって、端縁部の被膜を除去した後に得られる基板上の被膜は、良好な端面形状を有する。また、赤外線を照射して加熱するので、赤外線が照射されていない被膜は加熱されない。よって、端縁部以外の被膜の膜厚がばらつくおそれがない。
また、請求項2に記載の発明は、被膜が被着された基板に処理を行う基板処理装置において、被膜を溶解除去する溶解液を基板の端縁部に供給するエッジノズルと、前記溶解液の供給に先立って前記端縁部に赤外線を照射して前記端縁部の被膜を予め加熱する加熱手段と、を備えていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項2に記載の発明によれば、溶解液の供給に先立って基板の端縁部の被膜を加熱する加熱手段を備えているので、予め基板の端縁部の被膜に含まれる溶媒等を蒸発させることができる。このため、エッジノズルが溶解液を供給して被膜を溶解する際に、その端面が変形することがない。したがって、端縁部の被膜を除去した後に得られる基板上の被膜は、良好な端面形状を有する。また、加熱手段は赤外線を照射して加熱するので、赤外線が照射されていない被膜は加熱されない。よって、端縁部以外の被膜の膜厚がばらつくおそれがない。
この発明において、前記加熱手段は、前記端縁部に近接した位置から赤外線を出射することが好ましい(請求項3)。端縁部に至る気中で赤外線が吸収されることを抑制することができる。このため、基板の周囲の雰囲気の温度が上昇することを抑制し、被膜の膜厚がばらつくことを防止することができる。
各発明において、前記加熱手段は、前記エッジノズルに付設されていることが好ましい(請求項4)。装置構成を簡略化できる。
各発明において、前記加熱手段は赤外線を、前記端縁部の一部に局所的に照射し、前記装置は、基板を保持する保持手段と、前記加熱手段と前記保持手段とを相対的に移動させて、基板の全周にわたって前記端縁部の被膜を加熱させる移動手段と、を備えていることが好ましい(請求項5)。端縁部の被膜のみを適切に加熱することができるとともに、端縁部の被膜を全周にわたって加熱することができる。
各発明において、前記加熱手段は、赤外線を発光する発光源を備え、前記発光源から前記加熱手段の外部に赤外線を出射する位置までの赤外線の光学経路が、赤外線に不活性な物質で形成されていることが好ましい(請求項6)。加熱手段内部で赤外線が吸収されることを抑制することができる。よって、加熱手段自体が発熱することを防止することができる。
各発明において、前記加熱手段は、赤外線に不活性なガスの雰囲気中で前記発光源を収容している筐体を備えていることが好ましい(請求項7)。好適な加熱手段を実現できる。
各発明において、前記加熱手段が赤外線を照射する際、基板の周囲は赤外線に不活性なガスの雰囲気であることが好ましい(請求項8)。基板の周囲の雰囲気の温度が上昇することを抑制することができる。
各発明において、前記加熱手段から出射された赤外線の光学経路上に、赤外線に不活性なガスを噴射するガス供給手段を備えていることが好ましい(請求項9)。赤外線が気中で吸収されることを抑制することができる。
各発明において、前記加熱手段から照射される赤外線の出力を計測する計測手段と、前記計測手段から得られた計測結果に基づいて前記加熱手段に供給する電力を調整して、前記加熱手段の赤外線の出力を校正する加熱制御手段と、を備えていることが好ましい(請求項10)。被膜に熱を精度よく与えることができる。
各発明において、前記加熱手段は基板上方から外れた待機位置に移動可能であり、前記計測手段は、前記加熱手段が待機位置にあるときに計測することが好ましい(請求項11)。加熱手段の赤外線の出力を校正する際に、基板上方の雰囲気の温度が上昇することを抑制することができる。
また、請求項12に記載の発明は、被膜が被着された基板の端縁部に赤外線を照射して、基板の端縁部の被膜を加熱する赤外線照射装置において、赤外線を発光する発光源と、赤外線に不活性なガスの雰囲気中で前記発光源を収容している筐体と、を備え、前記発光源が発光した赤外線を前記端縁部に向けて照射することを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項12に記載の発明によれば、赤外線を照射して加熱するので、赤外線が照射されていない被膜は加熱されない。よって、端縁部以外の被膜の膜厚がばらつくおそれがない。また、筐体内部の光学経路における発熱を抑制できる。
この発明において、前記筐体内に設けられ、前記発光源が発光した赤外線を反射して収束させる反射鏡を備えていることが好ましい(請求項13)。端縁部の被膜のみを適切に加熱することができる。
なお、本明細書は、次のような基板処理方法と基板処理装置と赤外線照射装置に係る発明も開示している。
(1)請求項1に記載の被膜除去方法において、前記加熱過程では、前記端縁部に至る赤外線の光学経路の少なくとも一部を、赤外線に不活性な物質で形成することを特徴とする被膜除去方法。
前記(1)に記載の発明によれば、端縁部に至る光学経路において赤外線が吸収されることを抑制することができる。
(2)請求項1に記載の被膜除去方法において、前記加熱過程では、前記端縁部に近接した位置から赤外線を出射することを特徴とする被膜除去方法。
前記(2)に記載の発明によれば、端縁部に至る気中で赤外線が吸収されることを抑制することができる。
(3)請求項1に記載の被膜除去方法において、前記加熱過程では赤外線を、前記端縁部の一部に局所的に照射することを特徴とする被膜除去方法。
前記(3)に記載の発明によれば、端縁部の被膜のみを適切に加熱することができる。
(4)請求項1に記載の被膜除去方法において、前記加熱過程で加熱する被膜の範囲は、前記溶解液供給過程において供給される溶解液が被膜に着液する領域内の位置から、溶解液が被膜に着液する領域よりも基板中央側に入った位置までの範囲を含むことを特徴とする被膜除去方法。
前記(4)に記載の発明によれば、端縁部の被膜を除去した後、基板上には良好な端面形状を有する被膜が得られる。
(5)請求項2から請求項11のいずれかに記載の基板処理装置において、前記加熱手段によって加熱する被膜の範囲は、前記エッジノズルから供給される溶解液が被膜に着液する領域内の位置から、溶解液が被膜に着液する領域よりも基板中央側に入った位置までの範囲を含むことを特徴とする基板処理装置。
前記(5)に記載の発明によれば、端縁部の被膜を除去した後、基板上には良好な端面形状を有する被膜が得られる。
(6)請求項2から請求項11のいずれかに記載の基板処理装置において、前記加熱手段は、前記端縁部近傍において収束する赤外線を照射することを特徴とする基板処理装置。
前記(6)に記載の発明によれば、赤外線を局所的に照射することができる。
(7)請求項2から請求項11のいずれかに記載の基板処理装置において、前記加熱手段は、赤外線をビーム状に照射することを特徴とする基板処理装置。
前記(7)に記載の発明によれば、赤外線を局所的に照射することができる。
(8)請求項6または請求項7に記載に記載の基板処理装置において、前記加熱手段は、前記発光源から発光された赤外線を伝送し、前記端縁部に向けて投光する光ファイバーを備えていることを特徴とする基板処理装置。
前記(8)に記載の発明によれば、光ファイバーは赤外線を略全反射しつつ伝送するので、光ファイバー内で赤外線が吸収されない(光ファイバー内は赤外線に不活性な物質で形成された光学経路のひとつである)。また、光ファイバーによれば、光学経路を柔軟に設けることができる。
(9)請求項12または請求項13に記載の赤外線照射装置において、前記筐体の材質は金属であることを特徴とする赤外線照射装置。
前記(9)に記載の発明によれば、筐体自体が赤外線によって発熱することを防止できる。
(10)請求項12または請求項13に記載の赤外線照射装置において、前記筐体のうち、赤外線を外部に出射する投光窓部の材質はシリコンであることを特徴とする赤外線照射装置。
前記(10)に記載の発明によれば、投光窓部自体が赤外線によって発熱することを防止できる。
(11)請求項12または請求項13に記載の赤外線照射装置において、前記筐体に赤外線に不活性なガスを供給するためのガス供給孔と、前記筐体から気体を排出するためのガス排出孔と、を備えていることを特徴とする赤外線照射装置。
前記(11)に記載の発明によれば、筐体内で赤外線が吸収されることを抑制できる。
(12)請求項12または請求項13に記載の赤外線照射装置において、前記筐体は、赤外線に不活性なガスが封入されている密閉容器であることを特徴とする赤外線照射装置。
前記(12)に記載の発明によれば、筐体内で赤外線が吸収されることを抑制できる。
(13)基板に被着された被膜に赤外線を照射する赤外線照射装置において、赤外線を発光する発光源と、前記発光源から発光された赤外線を伝送し、基板に向けて投光する光ファイバーと、を備えていることを特徴とすることを特徴とする赤外線照射装置。
前記(13)に記載の発明によれば、光ファイバーは赤外線を略全反射しつつ伝送するので、光ファイバー内で赤外線を吸収することがない。また、光ファイバーによれば、光学経路を柔軟に設けることができる。
この発明に係る基板処理装置によれば、溶解液の供給に先立って基板の端縁部の被膜を加熱する加熱手段を備えているので、予め基板の端縁部の被膜に含まれる溶媒等を蒸発させることができる。このため、エッジノズルが溶解液を供給して被膜を溶解する際に、その端面が変形することがない。したがって、端縁部の被膜を除去した後に得られる基板上の被膜は、良好な端面形状を有する。また、加熱手段は赤外線を照射して加熱するので、赤外線が照射されていない被膜は加熱されない。よって、端縁部以外の被膜の膜厚がばらつくおそれがない。
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。図1は、実施例1に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
本実施例に係る基板処理装置は、基板Wの下面を吸着して、基板Wを水平姿勢で保持する真空チャック1を備えている。なお、図1では被膜(レジスト膜C)が被着している基板Wを真空チャック1が保持している状態を示している。真空チャック1にはスピンモータ3の出力軸3aが連結されており、スピンモータ3は基板Wを鉛直軸周りに回転させる。真空チャック1の周囲には、各種処理液の飛散を防止するカップ5が設けられている。真空チャック1はこの発明における保持手段に相当し、スピンモータ3はこの発明における移動手段に相当する。
本装置は、レジスト液を供給する主ノズル11と、レジスト膜Cを溶解除去するための溶解液を供給するエッジノズル13と、洗浄液を供給するバックリンスノズル15とを備えている。主ノズル11は、図示省略の移動機構に支持されて、基板Wの略中心上方にあたる処理位置(図1に点線で明示する位置)と、基板Wの上方から外れた待機位置(図1に実線で明示する位置)とにわたって移動可能に構成されている。レジスト液供給源は主ノズル11に連通接続されており、主ノズル11にレジスト液を供給する。
エッジノズル13は、アーム17に保持されて、基板Wの端縁から中心側へわずかに入った処理位置(実線位置)と、基板Wの上方から外れた待機位置(点線位置)との間で移動可能に構成されている。エッジノズル13には、溶解液配管21が連通接続されている。溶解液配管21の他端は、溶解液供給源23に連通接続されている。溶解液配管21には溶解液の流路を開閉する開閉弁25が設けられている。
バックリンスノズル15は、真空チャック1の側方に立設されて、洗浄液を基板Wの裏面に向けて供給する。洗浄液供給源は、バックリンスノズル15に連通接続されており、バックリンスノズル15に洗浄液を供給する。
また、本装置は赤外線を照射してレジスト膜Cを加熱する赤外線照射部31と、この赤外線照射部31に電力を供給する電源部35と、赤外線照射部31から照射される赤外線の出力を計測するための温度計37を備えている。赤外線照射部31はエッジノズル13に付設されてエッジノズル13と一体に移動する。具体的には、赤外線照射部31がエッジノズル13とともにアーム17に保持されている。そして、エッジノズル13が処理位置にあるとき、赤外線照射部31は基板Wの端縁部に赤外線を照射可能な照射位置(実線位置)に位置する。また、エッジノズル13が待機位置にあるときは赤外線照射部31も基板Wの上方から外れた待機位置(点線位置)に位置する。赤外線照射部31は、この発明における加熱手段に相当する。
電源部35は出力電圧および/または出力電流を可変することで、赤外線照射部31に供給する電力を調整可能に構成されている。温度計37は、退避位置における赤外線照射部31と対向する所定位置に配置されている。温度計37は、この発明における計測手段に相当する。
図2を参照する。図2は赤外線照射部の断面図である。図示するように、赤外線照射部31は、赤外線を発光するガラス球41と、発光した赤外線を反射する反射鏡43と、ガラス球41と反射鏡43とを赤外線に不活性な窒素ガス雰囲気下で密閉収容している筐体45とを備えている。ガラス球41は、石英ガラス管41a内にタングステンフィラメント41bが収容されている。また、ガラス球41の後端には電源部35と電気的に接続する口金42が付設されており、電源部35から電力が供給されるとガラス球41が赤外線を発光する。なお、ガラス球41内も赤外線に不活性な気体が封入されている。ガラス球41は、この発明における発光源に相当する。
筐体45は鏡筒45aと投光窓部45bとを備えている。鏡筒45aは略円筒形状を呈し、背面は口金42を収容するための凸部を有し、前面は開口部が形成されている。投光窓部45bは赤外線の透過を許容する材質で形成されており、鏡筒45aの前面に取り付けられて鏡筒45aの開口部を閉塞する。投光窓部45bの材質としてはシリコンが例示され、鏡筒45aの材質としてはステンレス等の金属が例示される。反射鏡43は、ガラス球41から発光された赤外線が焦点Fを結ぶように設けられている。焦点Fの位置としては、赤外線照射部31の外部であって、投光窓部45bから近接した位置が好ましい。たとえば、投光窓部45bから1cmから2cmほど離れた位置が例示される。
このように、本実施例の赤外線照射部31は焦点Fを結ぶように赤外線を照射するため、基板Wの端縁部近傍で赤外線が収束するように、赤外線照射部31の照射位置は基板Wの端縁部に近接する位置に設定されている。
図3(a)を参照する。図3(a)は、基板W上に被着したレジスト膜C上に溶解液が着液する領域と赤外線がレジスト膜Cを照射する範囲との関係を例示する要部断面図である。図示するように、赤外線を照射する範囲は、溶解液がレジスト膜Cに着液する領域(図中のp1からp2までの範囲)内の位置q1から、溶解液が着液する領域に比べて基板Wの中央側に若干入った位置q2までの範囲に設定されている。また、平面視すると、溶解液が着液する領域は微小径の略円形であり、赤外線を照射する範囲は溶解液が着液する領域と一部重複した円形または楕円形となる。すなわち、赤外線照射部31は基板Wの端縁部の一部に局所的に赤外線を照射する。なお、レジスト膜Cは照射された赤外線を吸収して昇温するので、本明細書では、赤外線がレジスト膜Cを照射する範囲と、レジスト膜Cを加熱する範囲とは同義である。
さらに、本装置は、上述した各構成を統括的に制御する制御部51を備えている。具体的には、スピンモータ3の回転駆動、主ノズル11、エッジノズル13の各移動機構(いずれも不図示)の駆動、また、開閉弁25の開閉や、レジスト供給源や洗浄液供給源からの各処理液の供給/停止、電源部35からの電力の供給/停止を行う。また、温度計37の計測結果に基づいて、電源部35の出力電圧値または出力電流値の調整を行う。制御部51は、各種処理を実行する中央演算処理装置(CPU)や、演算処理の作業領域となるRAM(Random-Access Memory)や、処理レシピや各種情報を記憶する固定ディスク等の記憶媒体等によって実現されている。制御部51は、この発明における加熱制御手段に相当する。
次に、実施例1に係る基板処理装置の動作について説明する。図4は、基板処理装置の動作を示すフローチャートである。ここで、外部から基板処理装置に搬入された基板Wが、既に真空チャック1に吸着されているものとする。また、予め待機位置において赤外線照射部31が照射した赤外線を温度計37が計測し、この計測結果に基づいて電源部35の出力電圧/電流値が調整されているものとする。
<ステップS1> レジスト膜の被着
制御部51はスピンモータ3を回転駆動して基板Wを水平姿勢で回転させるとともに、図示省略の移動機構を駆動して主ノズル11を基板Wの略中心上方の処理位置まで移動させる。そして、制御部51は主ノズル11からレジスト液を吐出させる。回転する基板W上に供給されたレジスト液は、基板W全面に塗り拡げられて、基板W上にはレジスト膜Cが形成される。所定量のレジスト液を吐出させると、主ノズル11を再び待機位置まで移動させる。
制御部51はスピンモータ3を回転駆動して基板Wを水平姿勢で回転させるとともに、図示省略の移動機構を駆動して主ノズル11を基板Wの略中心上方の処理位置まで移動させる。そして、制御部51は主ノズル11からレジスト液を吐出させる。回転する基板W上に供給されたレジスト液は、基板W全面に塗り拡げられて、基板W上にはレジスト膜Cが形成される。所定量のレジスト液を吐出させると、主ノズル11を再び待機位置まで移動させる。
<ステップS2> 回転乾燥
制御部51は、基板Wを引き続き所定の期間、回転させる。これにより、基板Wに被着したレジスト膜Cを乾燥させる。この回転乾燥を行った後でも、レジスト膜Cはレジスト溶媒を多少含んでいる。
制御部51は、基板Wを引き続き所定の期間、回転させる。これにより、基板Wに被着したレジスト膜Cを乾燥させる。この回転乾燥を行った後でも、レジスト膜Cはレジスト溶媒を多少含んでいる。
<ステップS3> 端縁部の加熱(加熱過程)
制御部51は、基板Wの回転数を低下させるとともに、エッジノズル13の移動機構(不図示)を駆動して、エッジノズル13及び赤外線照射部31をそれぞれ処理位置、照射位置まで移動させる。そして、制御部51は電源部35から電力を出力させる。これにより、赤外線照射部31は、その投光窓部45bから赤外線を出射する。出射した赤外線は収束して、端縁部のレジスト膜Cの一部を局所的に照射する。赤外線が照射される範囲は、基板Wの回転に伴って、端縁部上を基板Wの全周にわたって移動する。この結果、端縁部のレジスト膜Cは全周にわたって加熱され、加熱された範囲のレジスト膜Cに含まれていたレジスト溶媒が十分に蒸発する。制御部51は所定の期間が経過すると、電源部35から赤外線照射部31への電力供給を停止させる。
制御部51は、基板Wの回転数を低下させるとともに、エッジノズル13の移動機構(不図示)を駆動して、エッジノズル13及び赤外線照射部31をそれぞれ処理位置、照射位置まで移動させる。そして、制御部51は電源部35から電力を出力させる。これにより、赤外線照射部31は、その投光窓部45bから赤外線を出射する。出射した赤外線は収束して、端縁部のレジスト膜Cの一部を局所的に照射する。赤外線が照射される範囲は、基板Wの回転に伴って、端縁部上を基板Wの全周にわたって移動する。この結果、端縁部のレジスト膜Cは全周にわたって加熱され、加熱された範囲のレジスト膜Cに含まれていたレジスト溶媒が十分に蒸発する。制御部51は所定の期間が経過すると、電源部35から赤外線照射部31への電力供給を停止させる。
<ステップS4> 溶解液の供給(溶解液供給過程)
続いて、制御部51は開閉弁25を開放させてエッジノズル13から溶解液を供給させるとともに、バックリンスノズル15から洗浄液を供給させる。溶解液は端縁部のレジスト膜Cを溶解し、溶解したレジスト膜Cを基板Wから除去する。洗浄液は、溶解液が基板Wの裏面側に回り込むことや、除去されたレジスト膜Cが基板Wの裏面に再付着することをそれぞれ防止する。所定の期間が経過すると、制御部51は溶解液および洗浄液の供給を停止させる。
続いて、制御部51は開閉弁25を開放させてエッジノズル13から溶解液を供給させるとともに、バックリンスノズル15から洗浄液を供給させる。溶解液は端縁部のレジスト膜Cを溶解し、溶解したレジスト膜Cを基板Wから除去する。洗浄液は、溶解液が基板Wの裏面側に回り込むことや、除去されたレジスト膜Cが基板Wの裏面に再付着することをそれぞれ防止する。所定の期間が経過すると、制御部51は溶解液および洗浄液の供給を停止させる。
図3(b)、(c)を参照する。図3(b)は基板の端縁部のレジスト膜に溶解液を供給している状態を模式的に示す要部断面図であり、図3(c)は基板の端縁部のレジスト膜を除去した後の状態を模式的に示す要部断面図である。図3(b)に示するように、溶解液は端縁部のレジスト膜Cに着液すると、遠心力によって基板Wの端縁Weに向かって流れる。よって、レジスト膜Cが除去される範囲は、着液した領域(より詳しくは、着液した領域のうち、基板Wの中央側の一側方の位置p2)から、端縁Weまでの範囲である。ここで、位置p2のレジスト膜Cにはレジスト溶媒が含まれていないので、位置p2でレジスト膜Cを削り取るときにその端面Cefが流動的にならず、だれるなど端面Cefの形状が変形しない。したがって、図3(c)に示すように、溶解除去後に基板W上に残されたレジスト膜Cの端面Cefは略垂直に立ち上がった形状を呈する。
<ステップS5> 回転乾燥
制御部51は基板Wの回転数を上げて、基板Wを再び乾燥させる。なお、この回転乾燥が終了すると、基板Wを基板処理装置から搬出する。
制御部51は基板Wの回転数を上げて、基板Wを再び乾燥させる。なお、この回転乾燥が終了すると、基板Wを基板処理装置から搬出する。
このように、実施例1に係る基板処理装置によれば、基板Wの端縁部に赤外線を照射して端縁部のレジスト膜Cを加熱する赤外線照射部31を備えて、溶解液の供給(ステップS4)に先立って端縁部のレジスト膜Cを加熱するので(ステップS3)、溶解液が供給される位置のレジスト膜Cからレジスト溶媒を十分蒸発させることができる。したがって、溶解液がレジスト膜Cを溶解する際に、その端面Cefがだれるなど変形することがない。したがって、最終的に得られる基板W上のレジスト膜Cは良好な端面形状を有し、基板Wから剥がれにくい。このため、クロスコンタミネーションを招くおそれがない。
特に、赤外線照射部31が加熱するレジスト膜Cの範囲は、エッジノズル13から供給される溶解液がレジスト膜Cに着液する領域(p1〜p2)内の位置q1から、溶解液がレジスト膜Cに着液する領域よりも基板Wの中央側に入った位置q2までの範囲であるので、端縁部のレジスト膜Cを除去した後、最終的に得られるレジスト膜Cの端面Cefは良好な形状とすることができる。
また、赤外線が照射されたレジスト膜Cのみが加熱され、赤外線が照射されていないレジスト膜Cは加熱されない。よって、最終的に得られるレジスト膜Cの温度がばらつくことがないので、レジスト膜Cの膜厚を均一のまま維持しつつ、端縁部のレジスト膜Cを除去をすることができる。
また、赤外線照射部31の照射位置を基板Wの端縁部に近接させているので、基板Wの端縁部に近接した位置から赤外線を出射できる。これにより、赤外線照射部31から出射された赤外線がレジスト膜Cに到達するまでの光学経路が短くなり、この光学経路上(気中)で赤外線が吸収されることを抑制できる。よって、基板Wの周囲の雰囲気の温度が上昇することを防止でき、レジスト膜Cへの熱的影響を抑制できる。
また、赤外線照射部31の筐体45は、赤外線に不活性な窒素ガスの雰囲気中でガラス球41等を収容する密閉容器であるので、赤外線照射部31の内部で赤外線が吸収されるおそれがない。よって、赤外線照射部31自体が発熱することを防止することができる。また、鏡筒45aの材質は金属であるので、鏡筒45a自体が発熱することがない。また、投光窓部45bの材質はシリコンであるので、投光窓部45b自体が発熱することなく、赤外線の透過を許容する。
また、赤外線照射部31は、ガラス球41が発光した赤外線を収束させる反射鏡43を備えているので、基板Wの端縁部のレジスト膜Cのみを局所的に照射することができる。これにより、不要な範囲に赤外線が照射されることがない。
また、赤外線照射部31がエッジノズル13に付設されていることで、端縁部の加熱(ステップS3)に引き続いて溶解液の供給(ステップS4)を速やかに行うことができる。また、エッジノズル13と赤外線照射部31の移動機構を共通化することができ、装置構成を簡略化できる。
また、温度計37を備えていることで、赤外線照射部31から照射される赤外線の出力を計測することができ、制御部51は温度計37から得られた計測結果に基づいて赤外線照射部31から照射される赤外線の出力を好適に校正することができる。よって、端縁部のレジスト膜Cの加熱温度を精度よく制御することができる。また、温度計37は、赤外線照射部31の待機位置において計測するように配備されているので、基板Wの上方の温度環境に影響を与えることを防止できる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例2を説明する。図5は、実施例2に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。なお、実施例1と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
実施例2では、真空チャック1や、各種ノズル11、13、15や、赤外線照射部31などを収容するチャンバー61内にガス吹出口63を備えている。ガス吹出口63には窒素ガス供給源が連通接続されている。そして、ガス吹出口63はチャンバー61内に窒素ガスを供給して、チャンバー61内を窒素ガス雰囲気にする。
このように構成される実施例2によれば、赤外線照射部31から出射された赤外線は、基板Wの端縁部のレジスト膜Cに到達するまで、赤外線に不活性な窒素ガスの雰囲気中を通過する。したがって、この光学経路上における窒素ガスの温度は上がらない。よって、赤外線照射部31から赤外線を照射しても、基板Wの上方の温度環境に影響を与えることがない。
以下、図面を参照してこの発明の実施例3を説明する。図6は、実施例3に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。なお、実施例1と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
実施例3では、赤外線照射部32は、ガラス球41と光ファイバー47とを備えている。ガラス球41は、基板Wの上方から外れた位置に配備されている。光ファイバー47の一端は、ガラス球41に対向して配置をされ、ガラス球41から発光した赤外線を受光可能に構成されている。光ファイバー47の他端側は、基板Wの端縁部の方向を向いた姿勢でアーム17に支持されている。また、エッジノズル13の移動に追従できるように可動に光ファイバー47が設けられている。ここで、光ファイバー47の他端は、基板Wの端縁部に近接していることが好ましい。赤外線照射部32は、この発明における加熱手段に相当する。
このように構成される実施例3では、ガラス球41から出射された赤外線を光ファイバー47がその一端で受光して、全反射しつつ他端側に伝送する。そして、伝送した赤外線を光ファイバー47の他端から基板Wの端縁部に向けて投光する。投光された赤外線はビーム状を呈し、基板Wの端縁部の一部を局所的に照射する。
このように、実施例3に係る基板処理装置によれば、赤外線に不活性な物質である光ファイバー47を備えることで、赤外線の吸収が抑制された赤外線の光学経路を柔軟に形成することができる。また、ガラス球41の配置位置は基板Wの上方から外れた任意の位置に設けることができる。よって、基板W上方の環境に熱的影響を与えることを抑制できる。
また、赤外線照射部32はビーム状の赤外線を照射するので、基板Wの端縁部の一部に局所的に照射することができる。よって端縁部のレジスト膜Cのみを適切に加熱できる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述して実施例1では、赤外線の照射範囲の一側方の位置q1を、溶解液がレジスト膜Cに着液する領域(p1−p2)内と説明したが、これに限られない。たとえば、位置q1を溶解液がレジスト膜Cに着液する領域よりも基板Wの端縁We側の位置としてもよい。言い換えれば、赤外線照射部31の照射範囲を、溶解液がレジスト膜Cに着液する領域の周囲を囲むような範囲に設定してもよい。あるいは、位置q1を基板Wの端縁Weよりも外側として、赤外線の一部を基板Wから外れた方向に照射するように変更してもよい。
(2)上述した実施例1、2における赤外線照射部31は筐体45がガラス球41等を密閉収容する構造であったが、これに限られない。
図7を参照する。図7は、変形実施例に係る赤外線照射部の断面図である。図示するように、変形実施例に係る赤外線照射部33は、窒素ガスを筐体46内に供給するためのガス供給孔48と、筐体46から気体を排出するためのガス排出孔49とが形成された鏡筒46aを備えている。そして、ガス供給孔48から窒素ガスを供給しつつ、ガス排出孔49から筐体46内の気体を排出する。このような赤外線照射部33によっても、筐体46内で赤外線が吸収されない状態を維持することができる。なお、赤外線照射部33は、この発明における加熱手段に相当する。
また、上述した赤外線照射部33において、ガス排出孔49と投光窓部45bとを省略するように構成してもよい。この場合、ガス供給孔48から窒素ガスを供給し、鏡筒46aの前面の開口部を通じて排出させることで、筐体46内における赤外線の吸収を抑制することができる。
(3)また、上述した実施例1、2では、反射鏡43は赤外線が焦点Fを結ぶように反射するものであったが、これに限られない。たとえば、平行光の赤外線が出射するように反射鏡43を変更してもよい。あるいは、図7に示すように反射鏡43を省略するように変更してもよい。
(4)また、上述した実施例1、2では、投光窓部45bは筐体45の前面全体に設けられていたが、これに限られない。たとえば、筐体45の前面の一部を投光窓部45bとして、赤外線の視野範囲を調整する絞りとして機能させてもよい。
(5)また、上述した実施例2における赤外線照射部31は実施例1と同様に筐体45を備える構成として説明したが、筐体45を省略するように変更してもよい。このように変更した場合であっても、赤外線を照射する際はチャンバー61内が窒素ガス雰囲気であるので、ガラス球41から発光した赤外線が気中で吸収されることはない。
(6)また、上述した各実施例では、赤外線照射部31、32は端縁部のレジスト膜Cの一部に局所的に赤外線を照射するものであったが、これに限られない。たとえば、全周にわたる端縁部のレジスト膜Cに赤外線を同時に照射するように変更してもよい。たとえば、基板Wに被着するレジスト膜Cの全面に向けて赤外線を照射するとともに、端縁部を除いた基板Wの中央領域に向かう赤外線のみを反射するように構成してもよい。
(7)また、上述した実施例2では、ガス吹出口63を備えて、チャンバー61内を窒素ガス雰囲気にする構成であったが、これに限られない。たとえば、赤外線照射部31(32)から基板Wの端縁部のレジスト膜Cまでの間の、赤外線照射部31(32)から出射された赤外線の光学経路上に、局所的に窒素ガスを噴射するガスノズルを備えるように構成してもよい。そして、赤外線を照射する際に、ガスノズルから窒素ガスを噴射させることで、赤外線が端縁部のレジスト膜Cに至る気中で吸収されることを防止できる。なお、ガスノズルは、この発明におけるガス供給手段に相当する。
(8)上述した各実施例では、温度計37によって赤外線照射部31、32の赤外線の出力を計測したが、これに限られない。たとえば、温度計37に換えて赤外分光計などを備えるように変更してもよい。
(9)上述した実施例1では、赤外線照射部31の赤外線の出力を校正する処理は、ステップS1の処理前に予め行われているものとして説明したが、この校正処理は端縁部の加熱処理(ステップS3)の前であれば、どのタイミングで行ってもよい。
(10)また、上述した各実施例では、スピンモータ3を回転駆動して基板Wを回転させることで、基板Wの全周にわたって端縁部のレジスト膜Cを加熱したがこれに限られない。すなわち、赤外線照射部31、32を基板Wの端縁部に沿って移動させることで、基板Wの全周にわたる端縁部のレジスト膜Cを加熱してもよい。
(11)また、上述した各実施例では、赤外線照射部31、32と光ファイバー47は、それぞれエッジノズル13に付設していたが、これに限られない。たとえば、赤外線照射部31、32、光ファイバー47をそれぞれエッジノズル13と別個に支持するように変更してもよい。また、赤外線照射部31、32、光ファイバー47をそれぞれエッジノズル13と別個に移動させるように構成してもよい。
(12)上述した各実施例では、被膜としてレジスト膜を例示して説明したが、これに限られない。たとえば、TARC(top anti-reflective coating)やBARC(bottom anti-reflective coating)などの反射防止膜、液浸露光時にレジスト膜Cが溶解することを防ぐトップコートなどの保護膜、層間絶縁膜、SOG(spin on glass)膜など任意の被膜について適用することができる。また、これに応じて、主ノズル11やエッジノズル13に供給する処理液を適宜に選択変更することができる。
(13)また、上述した各実施例では、赤外線に不活性なガスとして窒素ガスを例示したが、ヘリウム等の希ガス等に適宜に変更してもよい。
1 … 真空チャック
3 … スピンモータ
13 … エッジノズル
31、32、33 … 赤外線照射部
37 … 温度計
41 … ガラス球
43 … 反射鏡
45、46 … 筐体
45b …投光窓部
47 … 光ファイバー
48 … ガス供給孔
49 … ガス排出孔
51 … 制御部
C … レジスト膜
W … 基板
3 … スピンモータ
13 … エッジノズル
31、32、33 … 赤外線照射部
37 … 温度計
41 … ガラス球
43 … 反射鏡
45、46 … 筐体
45b …投光窓部
47 … 光ファイバー
48 … ガス供給孔
49 … ガス排出孔
51 … 制御部
C … レジスト膜
W … 基板
Claims (13)
- 基板に被着された被膜のうち、基板の端縁部の被膜を除去する被膜除去方法において、
前記端縁部に赤外線を照射して前記端縁部の被膜を予め加熱する加熱過程と、
被膜を溶解除去する溶解液を、前記加熱過程で加熱された被膜に供給する溶解液供給過程と、
を備えていることを特徴とする被膜除去方法。 - 被膜が被着された基板に処理を行う基板処理装置において、
被膜を溶解除去する溶解液を基板の端縁部に供給するエッジノズルと、
前記溶解液の供給に先立って前記端縁部に赤外線を照射して前記端縁部の被膜を予め加熱する加熱手段と、
を備えていることを特徴とする基板処理装置。 - 請求項2に記載の基板処理装置において、
前記加熱手段は、前記端縁部に近接した位置から赤外線を出射することを特徴とする基板処理装置。 - 請求項2または請求項3に記載の基板処理装置において、
前記加熱手段は、前記エッジノズルに付設されていることを特徴とする基板処理装置。 - 請求項2から請求項4のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記加熱手段は赤外線を、前記端縁部の一部に局所的に照射し、
前記装置は、
基板を保持する保持手段と、
前記加熱手段と前記保持手段とを相対的に移動させて、基板の全周にわたって前記端縁部の被膜を加熱させる移動手段と、
を備えていることを特徴とする基板処理装置。 - 請求項2から請求項5のいずれかに記載に記載の基板処理装置において、
前記加熱手段は、赤外線を発光する発光源を備え、前記発光源から前記加熱手段の外部に赤外線を出射する位置までの赤外線の光学経路が、赤外線に不活性な物質で形成されていることを特徴とする基板処理装置。 - 請求項6に記載に記載の基板処理装置において、
前記加熱手段は、赤外線に不活性なガスの雰囲気中で前記発光源を収容している筐体を備えていることを特徴とする基板処理装置。 - 請求項2から請求項7のいずれかに記載に記載の基板処理装置において、
前記加熱手段が赤外線を照射する際、基板の周囲は赤外線に不活性なガスの雰囲気であることを特徴とする基板処理装置。 - 請求項2から請求項8のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記加熱手段から出射された赤外線の光学経路上に、赤外線に不活性なガスを噴射するガス供給手段を備えていることを特徴とする基板処理装置。 - 請求項2から請求項8のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記加熱手段から照射される赤外線の出力を計測する計測手段と、
前記計測手段から得られた計測結果に基づいて前記加熱手段に供給する電力を調整して、前記加熱手段の赤外線の出力を校正する加熱制御手段と、
を備えていることを特徴とする基板処理装置。 - 請求項10に記載の基板処理装置において、
前記加熱手段は基板上方から外れた待機位置に移動可能であり、
前記計測手段は、前記加熱手段が待機位置にあるときに計測することを特徴とする基板処理装置。 - 被膜が被着された基板の端縁部に赤外線を照射して、基板の端縁部の被膜を加熱する赤外線照射装置において、
赤外線を発光する発光源と、
赤外線に不活性なガスの雰囲気中で前記発光源を収容している筐体と、
を備え、
前記発光源が発光した赤外線を前記端縁部に向けて照射することを特徴とする赤外線照射装置。 - 請求項12に記載の赤外線照射装置において、
前記筐体内に設けられ、前記発光源が発光した赤外線を反射して収束させる反射鏡を備えていることを特徴とする赤外線照射装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2007
- 2007-02-21 JP JP2007041027A patent/JP2008205286A/ja active Pending
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