JP2008204888A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 Download PDF

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【課題】
有機エレクトロルミネッセンス素子および表示装置の製造工程において、正孔輸送層を各画素上に均一に形成し、かつ、各画素に応じてその膜厚を最適化して形成する方法を提供すること。
【解決手段】
基板上に少なくとも、1対の電極に挟持された、発光領域を有する1層以上の有機発光層と、前記有機発光層に正孔を注入する正孔輸送層とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記電極のうちの陽極上で電解重合を行うことで生成した導電性高分子を正孔輸送層とすることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、陰極及び陽極の電極間に有機発光層及び正孔輸送層を有し、その電極間に電流を印加することによって発光する有機エレクトロルミネセンス素子に関する。
現在、実用化されている電子デバイスは主に無機半導体材料を用いて作製されているが、今後、製造コストの低減、デバイスの消費電力や高性化などの観点から従来の材料とは異なる特性をもつ材料、特に有機分子を用いた有機電子デバイスへの期待が高まっている。
その中でも特に発光デバイスとして機能する有機電子デバイスは有機エレクトロルミネッセンス素子とも呼ばれ、デバイスの薄さ、低消費電力、発光特性などの点から特に注目されている。
有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)素子は陽極と陰極との間に有機発光層が挟持された構造をもつ発光素子で、電圧の印加により陽極から正孔、陰極から電子が注入され、この正孔と電子の対が有機発光層表面あるいは内部で再結合することによって発生したエネルギーを光として取り出す素子である。発光層に有機物を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子は古くから研究されていたが発光効率の問題で実用化が進展しなかった。これに対し、1987年にC.W.Tangにより有機層を発光層と正孔輸送層の2層に分けた積層構造の有機エレクトロルミネッセンス素子が提案され、低電圧で高効率の発光が確認され(非特許文献1等参照)、それ以降有機エレクトロルミネッセンス素子に関する研究が盛んに行われている。
有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層に用いられる有機材料は、大まかに低分子の材料と高分子の材料とに分類されている。発光層の形成方法は材料によって異なり、低分子材料は主に蒸着法で成膜させる方法が用いられ、高分子材料は溶剤に溶解あるいは分散させて基板上に塗布する方法が行われている。また、有機エレクトロルミネッセンス素子をフルカラー化するために発光層をパターニングする手段としては、低分子系材料を用いる場合は、所望の画素形状に応じたパターンが形成されたマスクを用いて、異なる発光色の発光材料を所望の画素に対応した部分に蒸着し形成する方法が行われている。この方法は所望の形状に薄膜を均一に形成するには優れた方法であるが、マスクの精度の点から蒸着される基板が大型になると、パターンの形成が困難になるという問題点がある。
一方、高分子系材料を用いる場合は、主にインクジェット法によるパターン形成と、印刷によるパターン形成方法が提案されている。例えば、特許文献1に開示されているインクジェット法は、インクジェットノズルから溶剤に溶かした発光層材料を基板上に噴出させ、基板上で乾燥させることで所望のパターンを得る方法である。
しかしながら、ノズルから噴出されたインク液滴は球状をしている為、基板上に着弾する際にインクが円形状に広がり、形成したパターンの形状が直線性に欠ける、あるいは着弾精度が悪くパターンの直線性が得られないという問題点がある。これに対し、例えば、特許文献2では、予め基板上にフォトリソグラフィなどを用いて、撥インク性のある材料でバンクを形成し、そこにインク液滴を着弾させることで、バンク形状に応じてインクがはじき、直線性のパターンが得られるという方法が開示されている。しかし、はじいたインクが画素内に戻るときに画素内部でインクが盛り上がり、画素内の有機発光層の膜厚にばらつきができてしまうという問題が残る。
そこで、低分子有機発光材料にかえて、有機高分子発光材料をインキ化し、このインキを印刷法によりパターニングする方法が提案され、具体的には樹脂凸版を用いる方法、反転印刷による方法、スクリーン印刷による方法などが提案されている。特に樹脂凸版を用いる印刷はパターン形成精度、膜厚均一性などに優れ、印刷による有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法として適している。また、低分子有機発光材料であっても溶剤に溶解あるいは分散可能な材料であれば有機高分子発光材料同様にインキ化して印刷法でパターニングすることも可能である。
一方、先に述べたように、素子の駆動電圧の低下と高効率発光のためには基板上の陽極と発光層との間に正孔輸送層を形成する必要がある。高分子型有機エレクトロルミネッセンス素子の場合、正孔輸送層の材料として一般的に用いられる材料としてはポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリアニリン(PANI)、ポリピロールなどがある。
特に水を分散媒にしたポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の共分散体(PEDOT/PSS)は高分子型有機エレクトロルミネッセンス素子の正孔輸送層材料として広く用いられている。これらの正孔輸送層形成材料は、材料の分散液をスピンコートやスリットコートなど、既知のウェットコート法を用いて基板上に塗布され、乾燥、ベークの工程を経て正孔輸送層が形成される。
一方、有機エレクトロルミネッセンス素子を表示装置として用いる場合、一般的に有機エレクトロルミネッセンス素子をマトリクス状に配置し、多色表示のために、複数の発光色をこのマトリクスに並置してディスプレイを形成する。このようなマトリクスディスプレイの上にスピンコートやスリットコートで正孔輸送層形成用塗布液を塗布する場合、これらのコート方法では画素以外の部分にも正孔輸送層の塗膜が形成されてしまう。特にスピンコートの場合は基板全面に正孔輸送層が塗布されるが、この場合、基板端部の取り出し電極部上の正孔輸送層は取り出し電極と駆動ICを接続する際の接続不良を引き起こす。また、取り出し電極接続部よりも内側には封止基板との接着部があるが、この接着部分に正孔輸送層などの有機膜があると接着強度の低下を引き起こす。そのため、スピンコートやスリットコートで正孔輸送層形成用塗布液を塗布する場合、乾燥後に画素部分の外側の不要な塗膜を拭き取る工程が必要になる。この工程を行うことで不要部を除去することが可能にはなるが、高精細、狭ピッチなマトリクスディスプレイを多面付けで基板上に作成する場合、この拭き取り工程が煩雑になる上、拭き取りの溶剤や拭き取った塗膜の破片が撥ねて画素部に付着し、不良の原因になることがある。このため、正孔輸送層の形成は画素部のみを選択して形成できる方法を用いることが好ましい。
また、スピンコートやスリットコートでは画面全体に均一な膜厚の正孔輸送層を形成することが出来るが、画素ごとに正孔輸送層の膜厚を変えて形成することはできない。一般に発光色が異なる発光層を用いて有機エレクトロルミネッセンス素子を作成した場合、エネルギーレベル、キャリア移動度などの電気的特性や屈折率などの光学的特性が発光層の材料によって異なるため、発光層の膜厚の最適値は発光層材料によって異なり、それに伴って発光層にキャリアを供給する正孔輸送層の膜厚の最適値も発光層材料に依存して変化する。このため、多色表示を行うマトリックスディスプレイを形成する場合は画素によって正孔輸送層の膜厚を変えることが良い場合が多い。
画素部のみを選択してさらに膜厚を画素毎に最適化して正孔輸送層を形成する方法としては、先に述べたように発光層形成の手法と同じインクジェット法や印刷法を挙げることが出来る。この場合、画素部のみを選択して正孔輸送層を形成することが可能になる。
ただし、一般にPEDOT/PSSなどの正孔輸送層形成用の塗布液は低濃度の水もしくはアルコール分散液であり、塗布液の表面張力が強いため、画素上に形成された正孔輸送層塗布液のパターンは、乾燥までの間に画素間に形成されている絶縁層や下地の陽極との濡れによっては、半乾燥状態で液中央部が盛り上がったり逆に凹んだりするため、画素内部で均一な膜厚を持つ正孔輸送層を形成することが難しい。画素内部で正孔輸送層の膜厚が異なると画素内部で電圧−輝度特性にばらつきが生じ、輝度ムラ、効率低下など、表示品質の低下を招く。
特開平10−12377号公報 特開2002−305077号公報 C.W.Tang、S.A.VanSlyke、Applied Physics Letters、51巻、913頁、1987年
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は有機エレクトロルミネッセンス素子および表示装置の製造工程において、正孔輸送層を各画素上に均一に形成し、かつ、各画素に応じてその膜厚を最適化して形成する方法を提供することにある。
本発明者らは前記の課題を克服するために鋭意検討を行った結果、本発明を得るに至った。即ち本発明は次に示される(1)〜(6)の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供する。
(1)
基板上に少なくとも、1対の電極に挟持された、発光領域を有する1層以上の有機発光層と、前記有機発光層に正孔を注入する正孔輸送層とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記電極のうちの陽極上で電解重合を行うことで生成した導電性高分子を正孔輸送層とすることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(2)
基板上に少なくとも、1対の電極に挟持された、発光領域を有する1層以上の有機発光層と、前記有機発光層に正孔を注入する正孔輸送層とを備えた、複数の画素からなる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記複数の画素の各陽極上で電解重合を行うことで生成した導電性高分子を正孔輸送層とすることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(3)
(2)の発明において、前記各画素の有機発光層の特性に応じて各画素の正孔輸送層の膜厚が異なっていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(4)
(2)の発明において、前記正孔輸送層の膜厚が、有機エレクトロルミネッセンス素子の各発光色に応じて異なっていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(5)
上記有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法において、前記陽極への電圧印加時間によって、前記正孔輸送層の膜厚を制御することを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
(6)
前記導電性高分子はチオフェン系、ピロール系又はアニリン系のモノマーを繰り返し単位として含む高分子であることを特徴とする(1)〜(5)記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
上記(1)によって、基板の陽極上で電解重合を行うことで生成した導電性高分子膜を正孔輸送層とすることで、均一な正孔輸送層を形成することが出来た。さらに、陽極をそのまま反応電極とすることで、陽極表面上に隙間なく正孔輸送層を形成することが可能となった。さらに(2)によって、同時に複数の画素の正孔輸送層を容易に形成することができる。とくに(3)及び(4)の発明により、発光層の種類に応じて画素毎に最適な膜厚で正孔輸送層を形成することによって、一回の形成工程で、各画素に最適な条件の正孔輸送層を形成することが可能となるので、高品質な有機EL素子が製造できる。また、(5)の発明により、電解重合によって正孔輸送層を形成する際は電解重合を行うときの反応時間を変化させることで、容易に正孔輸送層の膜厚の制御ができる。
背景技術に記載したように、有機EL素子は陽極と陰極との間に有機発光層が挟持された構造をもつ発光素子で、電圧の印加により陽極から正孔、陰極から電子が注入され、この正孔と電子の対が有機発光層表面あるいは内部で再結合することによって発生したエネルギーを光として取り出す素子である。従って、正孔輸送層は電子輸送層、発光層よりも相対的に陽極側になるため、陽極上に有機EL素子を形成していく場合には、まず正孔輸送層を陽極上に積層することになる。
そこで本発明は、基板上に形成された陽極を反応電極として用い、導電性高分子のモノマー溶液中で電解重合を行うことで正孔輸送層を陽極上に形成するものとした。この場合、電解重合条件を適切に選択することで、反応電極上での重合反応速度がモノマー溶液中のモノマーの拡散律速になり、電極上に任意の膜厚で均一に正孔輸送層を形成することが可能になる。また、陽極をそのまま反応電極とすることで、隙間なく正孔輸送層を形成することが可能である。
本発明は、複数の画素を有する有機EL素子の場合にも使用することが可能である。この有機エレクトロルミネッセンス素子は基板上に複数の画素の配列を有しており、多色表示を行うために2種類以上の発光層が並置される構造になっている。画素電極はそれぞれ外部から信号を入力するための接続端子に電気的に接続されている。この接続端子から、電解重合のための外部電源に接続する端子を適切に選択することで、発光層の種類に応じて別々に電解重合を行うことが出来るようになる。電解重合によって正孔輸送層を形成する際は電解重合を行うときの反応時間を変化させることで、発光層の種類に応じて画素毎に最適な膜厚で正孔輸送層を形成することが出来るようになる。従ってこの方法によれば、一回の形成工程で、各画素に最適な条件の正孔輸送層を形成することが可能となる。
このような複数の画素を持つ有機エレクトロルミネッセンス素子とは、通常はマトリックスディスプレイの構造を有しており、多色表示のために発光色はRGBの3色である場合が一般的である。また、マトリックスディスプレイの構造はパッシブマトリックス構造と、基板上の画素毎にスイッチング素子を持つアクティブマトリックス構造を持つ素子の2種類に分けられる。以下の説明では基本的にRGB3色の画素で構成される有機EL素子及び有機ELディスプレイを例としているが、本発明は、複数色であればRGBに限定される必要はない。
典型的な表示装置を形成するRGB3種類の発光層を持つパッシブマトリックスディスプレイの模式図を図1に示す。簡略のために図1ではRGBサブピクセルを持つ画素を2×2画素にしてあり、また、正孔輸送層形成以降に形成される発光層、陰極、封止基板は省略してある。基板上には交互に配置されたRGBの画素毎にストライプ状にパターニングされた電極(通常は透明電極の陽極)が形成されており、電極のストライプの間には素子駆動時の電流リーク防止のための絶縁層が形成(図1では略)されているものが一般的である。
図2は図1のマトリクスディスプレイのRの画素電極に電解重合によって正孔輸送層を形成している状態を示している。画素電極のうち、Rの画素を形成する陽極の取り出し部分と対向電極を電源に接続し、基板と対向電極を導電性高分子のモノマー溶液に浸漬して通電することによって陽極界面でモノマーが電解重合し、画素電極部に均一な正孔輸送層が形成される。つづいて同様に画素電極のうち、Gの画素を形成する陽極の取り出し部分に電解重合を行い、さらに画素電極のうち、Bの画素を形成する陽極の取り出し部分に電解重合を行うことで、RGBの画素上に異なる膜厚で正孔輸送層を形成することが出来る。発光色が異なる発光層を用いて有機エレクトロルミネッセンス素子を作成した場合にエネルギーレベル、キャリア移動度などの電気的特性や屈折率などの光学的特性が発光層の材料によって異なるため、発光層の膜厚の最適値は発光層材料によって異なるが、本発明によって発光層の種類に応じてキャリアを供給する正孔輸送層の膜厚の最適化を行うことができる。
また、この場合、RGBの画素電極に順次電解重合を行っても良いし、RGBをそれぞれ別の電源に接続し、反応時間だけを変えて同時に電解重合を行うことで一度にRGB画素上に異なる膜厚の正孔輸送層を形成しても良い。
また、RGBの陽極になる電極はマトリクスディスプレイ場合、通常、数十〜数百μmと微細であり、電極の本数も多いため(QVGAディスプレイの場合640本×3色)、電解重合を行う際に電源装置とRGB画素電極をそれぞれ個別に接続していると非常に手間がかかる。そこで図3のように、画素電極の取り出し部の外側に電解重合用のダミー配線部を設けることで接続を簡便にすることが出来る。ダミー配線部はパネル作製後、断裁の工程で除去することが出来る。また、この場合、Bのダミー配線の一部はパネル画素部分に形成されるが、画素電極部分の陽極と陽極の間は絶縁層で覆われるために画素面内のダミー配線上では電解重合は行われず、図4のように基板上下のダミー部分を断裁した後はこのダミー配線は電気的に浮遊するのでパネル駆動に支障をきたさない。ダミー配線はクロムなどのスパッタ膜をフォトリソグラフィでパターニングして形成される取り出し電極と同時に形成することが出来る。
ただし、図3のような配線にするとBだけが各電極が直列接続になり、配線抵抗での電圧低下が大きくなってしまい、電源から遠い電極部での電解重合がうまく進まない可能性がある。また、パッシブマトリックスディスプレイの場合、デューティ比を下げるために陽極側を上下に区切ってデュアルスキャンを行う場合もある。この場合、電極が上下で切れているために図3の配線を取ることは出来ない。この場合は図5のようにダミー配線を基板の片側に寄せて配線すると良い。図5ではダミー配線が交差する部分があるが、交差部はフォトリソグラフィや印刷法などで絶縁層を形成しておき、その上にさらに配線を形成することで並列接続による正孔輸送層の形成が出来る。
図6は典型的な表示装置を形成するRGB3種類の発光層を持つアクティブマトリックスディスプレイの模式図で、サブピクセル1個に対してトランジスタが2個ある回路方式である。ただし、簡略のために図6ではRGBサブピクセルを持つ画素を2×3画素にしてあり、また、正孔輸送層形成以降に形成される発光層、陰極、封止基板は省略してある。各サブピクセルはスキャンを行う走査線(S1〜S3)と、画像信号を送るデータ線(D1〜D2)と、有機エレクトロルミネッセンス素子に電流を送る電源線(P1〜P2)の3つの配線に接続されている。このうち、陽極と直接接続されているのは電源線である。本発明において陽極である画素電極上で電解重合を行うための電源との接続はこの電源線で行うことができる。ただし、電源線から画素電極に電流を流すためには画素駆動トランジスタであるTr2のゲート/ソース間電位を上げておく必要がある。そのためには走査線Sに電圧をかけてスイッチングトランジスタであるTr1のゲート/ソース間電位を上げて、データ線Dから電流を流しキャパシタCsとTr2のゲート側に電荷を貯めておかなければならない。また、RGB各ラインを電解重合のための電源と接続するためのダミー配線は図5で示したものと同様の配線を図6の電源線に接続させればよい。
電解重合によって正孔輸送層を形成するための材料としては、チオフェン系、ピロール系又はアニリン系のモノマーを繰り返し単位として含む高分子を用いることができる。チオフェン類としては特に下記化1に示す3、4−エチレンジオキシチオフェンが好ましい。電解重合によってポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)を形成する場合に用いる3、4−エチレンジオキシチオフェンモノマーはH.C.スタルク社で販売されているものを入手することが出来る。また、電解重合モノマーとしてピロール、アニリンを用いる場合は市販のものを用いることが出来る。電解重合を行うときの溶媒は4フッ化ホウ酸テトラエチルアンモニウムや6フッ化リン酸テトラエチルアンモニウムなどの無機塩、パラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウムなどの有機塩を支持電解質として含むアセトニトリルやベンゾニトリル溶液を用いることが出来る。
上記のように有機エレクトロルミネッセンス素子基板の陽極上で電解重合を行うことで生成した導電性高分子膜を正孔輸送層として用いることで、有機エレクトロルミネッセンス素子のマトリクスディスプレイの特性が向上するので、この有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた表示装置の表示品質を向上させることができる。なお、本発明では電解重合により正孔輸送層を形成した後、発光層の形成については、高分子タイプの発光材料の場合にはインクジェット法や印刷法など公知の方法でパターニングすることも可能であるし、低分子タイプの発光材料の場合にはマスク蒸着によって画素毎にパターニングすることもできる。さらにその上に陰極を形成することで、有機EL素子となる。陰極の形成については、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の乾式成膜法を用いることが可能である。なお電極間に電子輸送層や発光層と各輸送層との間に中間層を設けても良い。
パッシブマトリックスディスプレイの模式図 電解重合時の配線の模式図 ダミー配線を用いた複数画素電解重合時の配線の模式図 ダミー配線断裁後のパッシブマトリックスディスプレイの模式図 配線交差方式での複数画素電解重合時の配線の模式図 アクティブマトリックスディスプレイの模式図
符号の説明
1・・・陽極の画素部
2・・・陽極の取り出し部
3・・・電源
4・・・対向電極
5・・・ダミー部
6・・・残留ダミー配線

Claims (6)

  1. 基板上に少なくとも、1対の電極に挟持された、発光領域を有する1層以上の有機発光層と、前記有機発光層に正孔を注入する正孔輸送層とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記電極のうちの陽極上で電解重合を行うことで生成した導電性高分子を正孔輸送層とすることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 基板上に少なくとも、1対の電極に挟持された、発光領域を有する1層以上の有機発光層と、前記有機発光層に正孔を注入する正孔輸送層とを備えた、複数の画素からなる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記複数の画素の各陽極上で電解重合を行うことで生成した導電性高分子を正孔輸送層とすることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 前記各画素の有機発光層の特性に応じて各画素の正孔輸送層の膜厚が異なっていることを特徴とする請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. 前記正孔輸送層の膜厚が、有機エレクトロルミネッセンス素子の各発光色に応じて異なっていることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 前記陽極への電圧印加時間によって、正孔輸送層の膜厚を制御することを特徴とする請求項1乃至4に記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  6. 前記導電性高分子はチオフェン系、ピロール系又はアニリン系のモノマーを繰り返し単位として含む高分子であることを特徴とする請求項1乃至4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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