(第1の実施形態)
以下、図面を参照して本発明をその好適な実施形態に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電子機器の一例としてのレンズ交換式デジタルカメラの回路構成例を示すブロック図である。図1に示すように本実施形態のデジタルカメラ200には、撮影レンズユニット100が不図示のマウント機構を介し着脱可能に取り付けられる。マウント部には、電気的接点群107を有し、デジタルカメラ200と撮影レンズユニット100の間で通信を行い撮影レンズのレンズ101・絞り102の駆動制御を行う。また、デジタルカメラ200には、バッテリーユニット300が着脱可能に取り付けられる。双方の接触部には電源接点305を有し、デジタルカメラ200とバッテリーユニット300の間で電力の供給や通信が行われる。
被写体像からの撮影光束は、撮影レンズ101及び光量を調節するための露出手段である絞り102を介して、回動可能なクイックリターンミラー202に導かれる。クイックリターンミラー202の中央部はハーフミラーになっており、クイックリターンミラー202がダウンした際に一部の光束が透過する。そして、この透過した光束は、クイックリターンミラー202に設置されたサブミラー203で反射され、AFセンサ204に導かれる。
一方、クイックリターンミラー202で反射された撮影光束は、ペンタプリズム201、接眼レンズ206を介して撮影者の目に至る。
また、クイックリターンミラー202がアップした際には、撮影レンズ101からの光束は、フィルタ209、フォーカルプレーンシャッタ208を介してイメージセンサ210に至る。フィルタ209は2つの機能を有しているもので、1つは赤外線をカットし可視光線のみをイメージセンサ210へ導く機能であり、もう1つは光学ローパスフィルタとしての機能である。また、フォーカルプレーンシャッタ208は、先幕及び後幕を有して成るもので、撮影レンズ101からの光束を透過、遮断を制御する遮光手段である。
なお、クイックリターンミラー202のアップ時には、サブミラー203は折り畳まれるようになっている。
また、本実施形態のデジタルカメラ200は、デジタルカメラ全体の制御を司るCPUにより構成されるシステムコントローラ223を備え、後述する各部の動作を適宜制御する。
レンズ制御回路104は撮影レンズ101を光軸方向に移動してピント合わせを行うためのレンズ駆動機構103を制御する回路であって、レンズ制御回路104はシステムコントローラ223に接続されている。絞り制御回路106は絞り102を駆動するための絞り駆動機構105を制御するかいろであって、絞り制御回路106はシステムコントローラ223に接続されている。IS制御回路109は撮影レンズを駆動させて手ブレを軽減するためのIS駆動機構108を制御する回路であって、IS制御回路109はシステムコントローラ223に接続されている。シャッタチャージ・ミラー駆動制御回路211は、クイックリターンミラー202のアップダウンの駆動及びフォーカルプレーンシャッタ208のシャッタチャージを制御する回路であって、シャッタチャージ・ミラー駆動制御回路211はシステムコントローラ223に接続されている。シャッタ制御回路212はフォーカルプレーンシャッタ208の先幕、後幕の走行を制御するための回路であって、シャッタ制御回路212はシステムコントローラ223に接続されている。測光回路207は接眼レンズ206の近傍に配設された測光センサに接続された測光回路であって、測光回路207はシステムコントローラ223に接続されている。EEPROM222はデジタルカメラ200を制御する上で調整が必要なパラメータが記憶されている不揮発性メモリであって、EEPROM222はシステムコントローラ223に接続されている。DCDC回路224はデジタルカメラの各回路、駆動部に電力を供給する回路であって、DCDC回路224はシステムコントローラ223に接続されている。
バッテリー側システムコントローラ304は、バッテリーの電流・電圧を検出する電流・電圧等回路302、バッテリーの各種情報を記憶しているバッテリー側EEPROM301およびバッテリー内部の温度を検出する温度検出回路303が接続されるコントローラである。バッテリー側システムコントローラ304は、電気接点305を介してシステムコントローラ223に接続されている。
システムコントローラ223と前記撮影レンズユニット100の双方が電子接点群107を介して通信を行うことによりレンズの判別が行われている。
測光回路207に接続される測光センサは、被写体の輝度を測定するためのセンサであり、その出力は測光回路207を経てシステムコントローラ223へ供給される。
システムコントローラ223は、レンズ駆動機構103を制御することにより、被写体像をイメージセンサ210上に結像する。
システムコントローラ223は、設定されたAv値に基づいて、絞り102を駆動する絞り駆動機構105を制御し、更に、設定されたTv値に基づいて、シャッタ制御回路212へ制御信号を出力する。
フォーカルプレーンシャッタ208の先幕、後幕は、駆動源がバネにより構成されており、シャッタ走行後次の動作のためにバネチャージを要する。シャッタチャージ・ミラー駆動機構211は、このバネチャージを制御するようになっている。また、シャッタチャージ・ミラー駆動機構211によりクリックリターンミラー202のアップダウンが行われる。
また、上記システムコントローラ223には、画像データコントローラ220が接続されている。この画像データコントローラ220は、イメージセンサ210の制御、イメージセンサ210から入力された画像データの補正や加工などをシステムコントローラ223の指令に基づいて実行するものである。
タイミングパルス発生回路217は、イメージセンサ210を駆動する際に必要なパルス信号を出力する回路であって、タイミングパルス発生回路217は画像データコントローラ220に接続されている。AGC233は、イメージセンサ210と共にタイミングパルス発生回路217で発生されたタイミングパルスを受けて、イメージセンサ210から出力される被写体像に対応したアナログ信号のゲインを調整する回路であって、AGC233は画像データコントローラ220に接続されている。
A/Dコンバータ216は、ゲインが調整されたアナログ信号をデジタル信号に変換するための変換器であって、A/Dコンバータ216は画像データコントローラ220に接続されている。DRAM221は、A/Dコンバータ216から得られた画像データ(デジタルデータ)を一時的に記憶しておくメモリであって、DRAM221は画像データコントローラ220に接続されている。DRAM221は、加工や所定のフォーマットへのデータ変換が行われる前の画像データを一時的に記憶するために使用される。
さらに、画像データコントローラ220には、D/Aコンバータ215及び画像圧縮回路219とが接続されている。D/Aコンバータ215には、エンコーダ回路214を介して画像表示回路213が接続される。更に、画像圧縮回路219には、画像データ記録メディア218が接続される。
測光回路207にて測光を行い、システムコントローラにて露出値を決定し、その露出値に基づいて算出されたTv値が所定の値(1/レンズの焦点距離)以下であった場合、所定の値(1/レンズの焦点距離)以上になるようAGC233にてゲインアップを行うことができる。
システムコンローラ223は画像データコントローラ220を介し、画像圧縮回路219に信号を送ることにより、画像の形式と圧縮率の設定を行うことができる。ここで画像は合焦位置を見分けるのに十分な画質であり、かつ、容量が必要以上に大きくならない程度に圧縮される。一般的にカメラはRAW形式、JPEG形式の両方の形式で画像を記憶することができ、かつJPEG形式の時には圧縮率を高、中、低の3段階の中から選択することができる。
画像表示回路213は、イメージセンサ210で撮像された画像データを表示するための回路であり、一般にはカラーの液晶表示素子により構成される。
画像データコントローラ220は、DRAM221上の画像データを、D/Aコンバータ215によりアナログ信号に変換してエンコーダ回路31へ出力する。エンコーダ回路31はこのD/Aコンバータ215の出力を、上記画像表示回路213を駆動する際に必要な映像信号(例えばNTSC信号)に変換する。
画像圧縮回路219は、DRAM221に記憶された画像データの圧縮や変換(例えばJPEG)を行うための回路である。変換された画像データは、画像データ記録メディア218へ格納される。この記録メディアとしては、ハードディスク、フラッシュメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク等が使用される。
電源スイッチ234はデジタルカメラ200の電源のON、OFFを切替えるスイッチであって、電源スイッチ234はシステムコントローラ223に接続される。
動作表示デバイス225は、動作モードの情報や露出情報(シャッタ秒時、絞り値等)の表示を行うための表示器であって、動作表示デバイス225はシステムコントローラ223に接続される。第1レリーズスイッチ231は測光・測距などの撮影準備動作を開始させるためのスイッチで、第1レリーズスイッチ231はシステムコントローラ223に接続される。
第2レリーズスイッチ230は撮像動作を開始させるためのスイッチで、システムコントローラ223に接続される。モード設定スイッチ229は、ユーザが所望の動作を当該デジタルカメラに実行させるべく撮影モードを設定するスイッチで、システムコントローラ223に接続される。
選択スイッチ228は各種選択パラメータの中から所望のものを選択するためのスイッチで、システムコントローラ223に接続される。決定スイッチ227は、選択されたパラメータを決定するためのスイッチで、システムコントローラ223に接続される。
さらに、システムコントローラ223に回転動作によりパラメータをアップダウンさせて表示する電子ダイヤルスイッチ226とが接続されている。
232はストロボであり、AF補助光の投光機能、ストロボ調光機能も有する。
DCDC回路224には所定の抵抗値を持ったダミーロード235がストロボ232に電気的信号で信号を送ることによってストロボ232の投光を禁止することができる。
なお、システムコントローラ223が撮影画像データに撮影状況の情報を添付し、これを読取ることによってデータの分類を行うことができる。
DCDC回路224はデジタルカメラ200の各回路に電力を供給する回路である。DCDC回路224には所定の抵抗値を持ったダミーロード235が接続されている。DCDC回路224はダミーロード235に所定の電流値で電流を流し、このときのバッテリー電圧の降下量を検知することで、バッテリーの電圧値を検出することができる。検出された電圧値をカメラ側EEPROM222に記憶された所定の電圧値と比較することで、デジタルカメラ200が駆動可能な電圧か否かを判定する。このような動作を有負荷バッテリーチェック(以下、有負荷BCと略す)という。
検出された電圧値をカメラ側EEPROM222に記憶された所定の電圧値と比較することで、カメラ200が駆動可能な電圧か否かを判定することが可能である。また、DCDC回路224は電源接点305を介してバッテリー本体301と接続されており、DCDC回路224はバッテリー本体301から電力の供給を受けている。
バッテリー側システムコントローラ304は温度検出回路303とバッテリー側EEPROM301と電流・電圧検出回路302と接続されている。温度検出回路303はバッテリーユニット300の温度を検知し、これを逐次バッテリー側システムコントローラ304に電気信号として伝えている。バッテリー側EEPROMはバッテリーの種類、製造番号などの各種情報、バッテリーの総容量、バッテリーの残容量等の諸元値を記憶している。電流・電圧検出回路302は放電時と充電時にバッテリー本体301から入出力される電流・電圧値を逐一検知し、検知結果をバッテリー側システムコントローラ304へ電気信号として伝えている。
図2は、図1のデジタルカメラ200の電源スイッチ232をオンにしたときのバッテリーチェック動作を説明するフローチャートである。同図に示すように、デジタルカメラ200の電源スイッチ232がONされると、ステップS101にてバッテリー残量検知通信が開始される。バッテリー残量検知通信はカメラ側システムコントローラ223とバッテリー側システムコントローラ304とが、電源接点305を介して通信される。バッテリー残量検知通信ではカメラ側システムコントローラ223にバッテリー300のバッテリーの種類、製造番号などの各種情報、バッテリーの総容量、バッテリーの残容量、充放電のサイクル数などが通信される。
電流・電圧検出回路302によってバッテリー本体301が充電完了時から放電した電流値を検出する。バッテリー側システムコントローラ304が電流・電圧検出回路302によって検出した電流値を積算して、電流積算値を充電完了時のバッテリー残容量から減じることでバッテリー残量を求める。
ステップS101においてバッテリー残量検知通信が行われると、ステップS102へ進み、バッテリーの劣化度検知が行われる。本実施形態において、バッテリー劣化度はステップS101にて通信される充放電のサイクル数によって決められる。
バッテリー本体301の充電容量は電流・電圧検出回路302が充電時の電流値を検知し続け、バッテリー側システムコントローラ304がその電流値を積算して求められる。これら劣化度に関する演算はバッテリー側システムコントローラ304によって行われる。
ステップS102においてバッテリー劣化度検知が行われると、ステップS103へ進み、バッテリー内部の温度検知が行われる。本実施形態において、バッテリー劣化度は充放電のサイクル数によって決められる。
バッテリー内部の温度検知はバッテリー300に備えられる温度検出回路303によって行われる。温度検出回路はバッテリー内部の温度を検知し、検知した温度情報を電気信号としてバッテリー側システムコントローラに304伝える。
ステップS103においてバッテリー内部の温度検知が行われると、ステップS104へ進み、有負荷BC開始残量閾値を決定する。ステップS101のバッテリー残量検知通信にて通信されるバッテリーの総容量の50%の値を標準的な有負荷BC開始残量閾値としている。
例えば、バッテリーの総容量が2000mAhである場合には、標準的な有負荷BC開始残量閾値は1000mAhとなる。バッテリー残量検知通信によって、バッテリー残量が1000mAh以下になると、有負荷BCを行うバッテリーチェックシーケンスに切替えるように構成する。このバッテリーシーケンスに切替えるバッテリー残量値は、以後、有負荷BC開始残量閾値Xと称する。この有負荷BC開始残量閾値はステップS102とステップS103にて検知されたバッテリー劣化度とバッテリー内部の温度によって補正され決定される。
本実施形態では、バッテリー劣化度による補正はサイクル数によって有負荷BC開始残量閾値の補正行う。
サイクル数が100未満である場合には、標準的な有負荷BC開始残量閾値に対して補正しない。サイクル数が100以上150未満である場合には、標準的な有負荷BC開始残量閾値であるバッテリーの総容量の50%の値に対して、バッテリーの総容量の10%だけ加算して、有負荷BC開始残量閾値をバッテリーの総容量の60%の値とする。同様に、サイクル数が150以上250未満である場合には、標準的な有負荷BC開始残量閾値であるバッテリーの総容量の50%の値に対して、バッテリーの総容量の15%だけ加算して、有負荷BC開始残量閾値をバッテリーの総容量の65%の値とする。サイクル数が250以上である場合には、標準的な有負荷BC開始残量閾値であるバッテリーの総容量の50%の値に対して、バッテリーの総容量の25%だけ加算して、有負荷BC開始残量閾値をバッテリーの総容量の75%の値とする。このようにバッテリーの劣化度が高くなるにつれ、有負荷BC開始残量閾値を高くするように補正する。これはバッテリーの劣化度が高いと、バッテリー本体に301に充電できる容量が少なくなってしまうためである。
また、温度による有負荷BC開始残量閾値は、以下のように行う。
ステップS103で検知したバッテリー温度が0℃以上である場合には、温度による有負荷BC開始残量閾値の補正は行わない。ステップS103で検知したバッテリー温度が0℃未満−10℃以上である場合には、標準的な有負荷BC開始残量閾値であるバッテリーの総容量の50%の値に対して、バッテリーの総容量の25%だけ加算して、有負荷BC開始残量閾値をバッテリーの総容量の75%の値とする。ステップS103で検知したバッテリー温度が−10℃未満である場合には、標準的な有負荷BC開始残量閾値であるバッテリーの総容量の50%の値に対して、バッテリーの総容量の50%だけ加算して、有負荷BC開始残量閾値をバッテリーの総容量の100%の値とする。すなわち、バッテリー温度が−10℃未満である場合には、バッテリー残量および劣化度に関わらず有負荷BCを行うこととなる。
バッテリーの劣化度による有負荷BC開始残量閾値の補正とバッテリーの温度による有負荷BC開始残量閾値の補正は、加算される。例えば、サイクル数が120で温度が−5℃である場合には、劣化度による補正によって10%加算され、温度による補正によって25%加算される。したがって、合計して標準的な有負荷BC開始残量閾値であるバッテリーの総容量の50%の値に対して、35%加算され、バッテリーの総容量の85%の値が有負荷BC開始残量閾値となる。
また、バッテリー内部の温度が低くなるにつれ、有負荷BC開始残量閾値が高くなるように補正する。これはバッテリー内部の温度が低くなると、バッテリーの放電できる電圧が低くなってしまい、バッテリー残量が残っていても、カメラの駆動が行えない場合が発生するためである。
ステップS104にて有負荷BC開始残量閾値を決定されると、ステップS105へ進み、バッテリー残量の判定が行われる。バッテリー残量の判定はステップS104にて決定された有負荷BC開始残量閾値とステップS101でバッテリー側システムコントローラ304と通信して得られらバッテリー残量値とを比較することで行われる。
ステップS105にてバッテリー残量の判定が行われ、バッテリー残量が有負荷BC開始残量閾値よりも少ないと検知されるとステップS106に進み、有負荷BC設定が行われる。有負荷BCの設定はカメラ側システムコントローラ223にて行われる。この設定がなされるとバッテリーチェックが、バッテリー残量検知だけでなく有負荷BCでも行われるようになる。
ステップS106にて有負荷BC設定が行われると、カメラ200が撮影動作に入れるように所定のシーケンスが行われ、撮影シーケンスに移行する。
なお、ステップS105のバッテリー残量検知にて、バッテリー残量が有負荷BC開始残量閾値よりも多いと判定されると、有負荷BC設定は行わず、そのまま撮影シーケンスへ移行する。
図3は図1のデジタルカメラ200にて撮影動作を行うときのバッテリーチェック動作を説明するフローチャートである。なお、電源スイッチ234がONされ、図2に示した電源投入時シーケンスの後、撮影シーケンスへ移行する。
ステップS201へ進み、第1レリーズスイッチ231がONされているか否かを判定する。第1レリーズスイッチ231がONされたか否かは、カメラ側システムコントローラ223によって判定される。
ステップS201にて第1レリーズスイッチ231がONされたと判定すると、ステップS202へ進み、バッテリー残量検知通信を行う。ステップS202のバッテリー残量検知通信は前述したステップS101と同様に、バッテリーの残容量の情報が、バッテリー側システムコントローラ304からの電源接点305を介し、カメラ側システムコントローラ223へ通信される。
ステップS202にてバッテリー残量検知通信が行われると、ステップS203へ進み、バッテリー残量の判定を行う。ステップS203のバッテリー残量の判定ではステップS104で決定された有負荷BC開始残量閾値とステップS202でバッテリー側システムコントローラ304と通信して得られたバッテリー残量値とを比較することで行われる。
ステップS203にてバッテリー残量の判定が行われ、バッテリー残量値が有負荷BC開始残量閾値より少ないと判定されると、ステップS204へ進み、有負荷BC設定が行われる。有負荷BCの設定はカメラ側システムコントローラ223にて行われる。この設定がなされるとバッテリーチェックが、バッテリー残量検知だけでなく有負荷BCでも行われるようになる。
ステップS204において有負荷BCの設定が行われると、ステップS205へ進み、第2レリーズスイッチ230がONされたか否かを判定する。第2レリーズスイッチ230がONされたか否かは、カメラ側システムコントローラ223によって判定される。
ステップS205にてレリーズスイッチ(230)がONされたと判定すると、ステップS206へ進み、有負荷BCの設定がなされているか否かを判定する。有負荷BCの設定がされているか否かは、カメラ側システムコントローラ223によって判定される。
ステップS206にて有負荷BCが設定されていると判定されると、ステップS207へ進み、有負荷BCを行う。有負荷BCはDCDC回路224に接続されたダミーロード235に所定の電流値で電流を流し、このときのバッテリー電圧の降下量を検知することで、バッテリーの電圧値を検出する。検出された電圧値をカメラ側EEPROM222に記憶された所定の電圧値と比較することで、カメラ200が駆動可能な電圧か否かを判定する。
ステップS207にて有負荷BCが行われた結果、カメラ200が駆動可能な電圧であると判定されると、撮影駆動シーケンスへ進み、クリックリターンミラー202のアップ、フォーカルプレーンシャッタ208の開閉、イメージセンサ210からの信号読み出しなどの所定のシーケンスを行い、被写体(不図示)の撮影を行う。
なお、ステップS203にてバッテリー残量の判定が行われ、バッテリー残量値がステップS104にて決定した有負荷BC開始残量閾値より多いと判定されると、ステップS204の有負荷BC設定を行わずにステップ205へ進み、第2レリーズスイッチ230のON判定をおこなう。
なお、ステップS207にて有負荷BCが行われた結果、カメラ200が駆動可能な電圧でないと判定されると、ステップS211へ進み、撮影駆動の禁止を行う。撮影駆動の禁止はカメラ側システムコントローラ223によって行われ、第1レリーズスイッチ231や第2レリーズスイッチ230等の操作部材が操作されても、信号を受け付けないようにする。
ステップS211にて撮影駆動の禁止が行われると、ステップS212に進み、ユーザに対して撮影が禁止されている旨を伝える警告表示がなされる。警告表示は表示デバイス225に表示される。
本実施形態によれば、バッテリー残量に応じてバッテリー残量判定と電源電圧判定とのバッテリーチェックシーケンスを切替えるようにしたので、必要のないバッテリーチェックを省略することができ、また、バッテリーチェックにかかる電力消費量を低減することができた。
本実施形態によれば、バッテリーの劣化度に応じてバッテリーチェックシーケンスを切替えるバッテリー残量値を補正するようにしたので、各々のバッテリー劣化度に対応したバッテリーチェックが設定できるようになり、バッテリーチェックの正確性を向上することができた。
本実施形態によれば、バッテリーの内部温度に応じてバッテリーチェックシーケンスを切替えるバッテリー残量値を補正するようにしたので、各々のバッテリー内部の温度に対応したバッテリーチェックが設定できるようになり、バッテリーチェックの正確性を向上することができた。
本実施形態によれば、所定のバッテリー残量以下にならなければ電源電圧判定のバッテリーッチェックを行わないようにしたので、電源電圧判定による電力消費を低減させることができた。
(第2の実施形態)
図4、5は本発明の第2の実施形態であるデジタルカメラの動作を説明する図である。デジタルカメラの構成は図1にて説明した第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。図4のデジタルカメラ200の電源スイッチ232をオンにしたときのバッテリーチェック動作を説明するフローチャートである。
デジタルカメラ200の電源スイッチ232がONされると、ステップS301にて撮影モードがバルブ撮影モードであるか否かが判定される。撮影モードの変更はモード設定スイッチ229によって行われ、撮影モードの選択結果はカメラ側システムコントローラ223によって常に検知される。
ステップS301にて撮影モードがバルブ撮影モードであると判定されると、ステップS302に進み、BC(バッテリーチェック)シーケンスの変更が行われる。BCシーケンスの変更はバルブ撮影モードと他の撮影モード時とで異なるシーケンスにてバッテリーチェックが行われるように設定するものである。
ステップS302にてBCシーケンスの変更が行われると、ステップS303へ進み、バッテリー残量検知通信を行う。ステップS303のバッテリー残量検知通信は前述したステップS101、ステップS202と同様に、バッテリーの残容量の情報を、バッテリー側システムコントローラ304からの電源接点305を介し、カメラ側システムコントローラ223へ通信することで行われる。
ステップS303にてバッテリー残量検知通信が行われると、ステップS304にてバッテリー劣化度検知が行われる。バッテリー劣化度検知は前述のステップS102と同様に行われる。本実施形態において、バッテリー劣化度はステップS303にて通信される充放電のサイクル数によって決められる。なお、バッテリー本体301の充電容量は電流・電圧検出回路302が充電時の電流値を検知し続け、その電流値を積算して求められる。これら劣化度に関する演算はバッテリー側システムコントローラ304によって行われる。
ステップS304にてバッテリー劣化度検知が行われると、バッテリーのサイクル数を取得してステップS305へ進む。ステップS305ではバッテリーの内部の温度検知が行われる。バッテリー内部の温度検知は、前述のステップS103と同様に、バッテリー300に備えられる温度検出回路303によって行われる。温度検出回路はバッテリー内部の温度を検知し、検知した温度情報を電気信号としてバッテリー側システムコントローラに304伝える。
ステップS305にてバッテリー内部の温度検知が行われると、ステップS306にて残量検知通信間隔時間を決定する。本実施形態ではバルブ撮影モード時にバッテリー残量検知通信を所定の時間ごとに行うが、ステップ306ではバッテリー残量検知通信を行う時間間隔を決定する。
このバッテリー残量検知通信を行う時間間隔は、以下、残量検知通信間隔時間と称する。この残量検知通信間隔時間はステップS304とステップS305にて検知されたバッテリー劣化度とバッテリー内部の温度によって補正され決定される。
本実施形態では標準的な残量検知通信間隔時間を300秒(5分)と設定している。そして、劣化度による残量検知通信間隔時間の補正は、以下のようになっている。サイクル数が100未満である場合には、標準的な残量検知通信間隔時間に対して補正しない。サイクル数が100以上150未満である場合には、標準的な残量検知通信間隔時間である300秒に対して、30秒だけ減算する。同様に、サイクル数が150以上250未満である場合には、標準的な残量検知通信間隔時間である300秒に対して、60秒だけ減算する。サイクル数が250以上である場合には、標準的な残量検知通信間隔時間である300秒に対して、90秒だけ減算する。このようにバッテリーの劣化度が高くなるにつれ、残量検知通信間隔時間が短くなるように補正する。これはバッテリーの劣化度が高いと、バッテリー本体に301に充電できる容量が少なくなってしまうので、バッテリー劣化度が低い時よりも、短い間隔でバッテリー残量を検知することが必要なためである。
また、温度による有負荷BC開始残量閾値は、以下のように行う。
ステップS305で検知したバッテリー温度が0℃以上である場合には、温度による残量検知通信間隔時間の補正は行わない。ステップS305で検知したバッテリー温度が0℃未満−10℃以上である場合には、標準的な残量検知通信間隔時間である300秒に対して、30秒だけ減算する。ステップS305で検知したバッテリー温度が−10℃未満である場合には、標準的な残量検知通信間隔時間である300秒に対して、60秒だけ減算する。このように、バッテリー内部の温度が低くなるにつれ、残量検知通信間隔時間を短くなるように補正する。これはバッテリー内部の温度が低くなると、バッテリーの放電できる電圧が低くなってしまい、カメラが駆動可能な電圧を放電できる時間が短くなるためである。
バッテリーの劣化度による有残量検知通信間隔時間の補正とバッテリーの温度による残量検知通信間隔時間の補正は、ともに減算される。例えば、サイクル数が120で温度が−5℃である場合には、劣化度による補正によって30秒減算され、温度による補正によって30秒減算される。したがって、合計して標準的な残量検知通信間隔時間である300秒に対して、60秒減算され、残量検知通信間隔時間は、240秒となる。
ステップS307にて残量検知通信間隔時間が決定されると、ステップS307へ進み、有負荷BC開始残量閾値が決定される。有負荷BC開始残量閾値は前述のステップS104と同様に行われ、ステップS304とステップS305にて検知されたバッテリー劣化度とバッテリー内部の温度によって補正され決定される。(第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。)
ステップS307にて有負荷BC開始残量閾値が決定されるとステップS308へ進み、バッテリー残量の判定を行う。ステップS307のバッテリー残量の判定では、前述したステップS105、ステップ203と同様に、ステップS307にて決定された有負荷BC開始残量閾値とステップS304でバッテリー側システムコントローラ304と通信して得られたバッテリー残量値とを比較することで行われる。
ステップS308にてバッテリー残量の判定が行われ、バッテリー残量値が有負荷BC開始残量閾値より少ないと判定されると、ステップS309へ進み、有負荷BC設定が行われる。有負荷BCの設定はカメラ側システムコントローラ223にて行われる。この設定がなされるとバッテリーチェックが、バッテリー残量検知だけでなく有負荷BCでも行われるようになる。
ステップ309にて有負荷BCの設定が行われると、カメラ200がバルブ撮影動作に入れるように所定のシーケンスを行い、バルブ撮影シーケンスへ移行する。
図5はデジタルカメラ200にてバルブ撮影動作を行うときのバッテリーチェック動作を説明するフローチャートである。
バルブ撮影シーケンスが開始されると、ステップS401へ進み、第1レリーズスイッチ231がONされているか否かを判定する。第1レリーズスイッチ231がONされたか否かは、カメラ側システムコントローラ223によって判定される。
ステップS401にて第1レリーズスイッチ231がONされていると判定されると、ステップS402へ進み、第2レリーズスイッチ230がONされているか否かを判定する。第2レリーズスイッチ230がONされたか否かは、カメラ側システムコントローラ223によって判定される。
ステップS402にて第2レリーズスイッチ230がONされていると判定されると、ステップS403へ進み、有負荷BCが設定されているか否かを判定する。有負荷BCの設定がされているか否かは、カメラ側システムコントローラ223によって判定される。
ステップS403にて有負荷BCが設定されていると判定されると、ステップS404へ進み、バルブ撮影駆動が開始される。バルブ撮影駆動はクリックリターンミラー202のアップ、フォーカルプレーンシャッタ208の先幕走行等の撮影駆動を行う。
ステップS404にてバルブ撮影駆動が行われると、ステップS405へ進み、バッテリー残量検知通信が行われる。ステップS405のバッテリー残量検知通信は前述したステップS101、ステップS203、ステップS308と同様に、バッテリーの残容量の情報が、バッテリー側システムコントローラ304からの電源接点305を介し、カメラ側システムコントローラ223へ通信される。
ステップS405にてバッテリー残量検知通信が行われると、ステップS406へ進み、残量検知通信間隔タイマーが開始される。残量検知通信間隔タイマーは、図4のステップS306にて決定されたタイマーである。残量検知通信間隔タイマーはカメラ側システムコントローラ223のよって制御される。
ステップS406にて残量検知通信間隔タイマーが開始されると、ステップS407にてバッテリー残量の判定が行われる。ステップS407のバッテリー容量判定では、前述したステップS105、ステップS203、ステップS308と同様に、ステップS307にて決定された有負荷BC開始残量閾値とステップS405でバッテリー側システムコントローラ304と通信して得られたバッテリー残量値とを比較することで行われる。
ステップS407にてバッテリー残量の判定が行われ、バッテリー残量値が有負荷BC開始残量閾値より多いと判定されると、ステップS408へ進み、残量検知通信間隔タイマーがタイムアップしたか否かが判定される。残量検知通信間隔タイマーがタイムアップしたか否かの判定は、カメラ側システムコントローラ223によって判定される。
ステップS408にて残量検知通信間隔タイマーがタイムアップしたと判定されると、ステップS409へ進み、第2レリーズスイッチ230がOFFされたか否かを判定する。第2レリーズスイッチ230がOFFされたか否かは、カメラ側システムコントローラ223によって判定される。
ステップS409にて第2レリーズスイッチ230がOFFされたと判定されると、バルブ撮影終了シーケンスへ移行する。バルブ撮影終了シーケンスはクイックリターンミラー202のダウン、フォーカルプレーンシャッタ208の後幕走行、イメージセンサ210からの信号読み出しなどの所定のシーケンスを行い、被写体(不図示)の撮影を終了する。
ステップS403にて有負荷BCが設定されていないと判定されると、ステップS411へ進み、有負荷BCを行う。ステップS411の有負荷BCは前述したステップS207と同様に行われ、DCDC回路224に接続されたダミーロード235に所定の電流値で電流を流し、このときのバッテリー電圧の降下量を検知することで、バッテリーの電圧値を検出する。検出された電圧値をカメラ側EEPROM222に記憶された所定の電圧値と比較することで、カメラ200が駆動可能な電圧か否かを判定する。
ステップS411にて有負荷BCを行った結果、カメラ200が駆動可能な電圧であると判定されると、ステップS405へ進み、バッテリー残量検知通信を行う。
なお、ステップS411にて有負荷BCを行った結果、カメラ200が駆動可能な電圧でないと判定されると、ステップS421へ進み、撮影の禁止を行う。撮影駆動の禁止はカメラ側システムコントローラ223によって行われ、第1レリーズスイッチ231や第2レリーズスイッチ230等の操作部材が操作されても、信号を受け付けないようにする。
ステップS421にて撮影駆動の禁止が行われると、ステップS422に進み、ユーザに対して撮影が禁止されている旨を伝える警告表示がなされる。警告表示は表示デバイス225に表示される。
ステップS407にてバッテリー残量の判定が行われ、バッテリー残量値が有負荷BC開始残量閾値Xより少ないと判定されると、ステップS431へ進み、有負荷BCを行う。
ステップS431にて有負荷BCを行った結果、カメラ200が駆動可能な電圧であると判定されると、ステップS432へ進み、残量検知通信間隔時間の再設定を行う。ステップS432では、ステップS306で設定された残量検知通信間隔時間から30秒残算した値に再設定する。
この残量検知通信間隔時間の再設定は、ステップS407にてバッテリー残量値が有負荷BC開始残量閾値より少ないと判定された事で、バッテリー残量が少なくなったと判断し、頻繁にバッテリーチェックが行えるようにするために行われる。すなわち、ステップS405のバッテリー残量検知通信で得られたバッテリー残量値を踏まえて、既に設定されていた残量検知通信間隔タイマーよりも短くなるように再設定を行う。
ステップS432において残量検知通信間隔時間の再設定が行われると、ステップS408へ進み、残量検知通信間隔タイマーがタイムアップしたか否かの判定を行う。ここで用いられる残量検知通信間隔タイマーの値はステップS432にて再設定された値である。
ステップS431において有負荷BCを行った結果、カメラ200が駆動可能な電圧でないと判定されると、ステップS421へ進み、撮影の禁止を行う。撮影駆動の禁止はカメラ側システムコントローラ223によって行われ、第1レリーズスイッチ231や第2レリーズスイッチ230等の操作部材が操作されても、信号を受け付けないようにする。
ステップS421にて撮影駆動の禁止が行われると、前述と同様に警告を行う。
本実施形態によれば、バッテリー残量に応じてバッテリー残量判定と電源電圧判定とのバッテリーチェックシーケンスを切替えるようにしたので、必要のないバッテリーチェックを省略することができ、また、バッテリーチェックにかかる電力消費量を低減することができた。
本実施形態によれば、選択した撮影モードに応じて、バッテリー残量判定と電源電圧判定の動作を切替えるようにしたので、各々の撮影モードに適したバッテリーチェックシーケンスを設定できるようになり、無駄なバッテリーチェックを省くことができた。
本実施形態によれば、長秒時撮影時でバッテリーチェックの間隔をバッテリーの劣化度に応じて切替えるようにしたので、バッテリー劣化度に対応するバッテリーチェック頻度を設定することができ、バッテリーチェックの正確性を向上させることができた。
本実施形態によれば、長秒時撮影時でバッテリーチェックの間隔をバッテリー内部の温度に応じて切替えるようにしたので、バッテリー内部の温度に対応してバッテリーチェック頻度を設定することができ、バッテリーチェックの正確性を向上させることができた。
本実施形態によれば、長秒時撮影時でのバッテリーチェックの間隔をバッテリー残量に応じて切替えるようにしたので、バッテリー残量に対応してバッテリーチェック頻度を設定することができ、無駄なバッテリーチェックを省くことができた。