JP2008202739A - プーリ構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】寿命を一層向上させたプーリ構造体を提供すること。
【解決手段】プーリ構造体1は、ベルト106が巻回されるプーリ2と、プーリ2の内側にこのプーリ2に対して相対回転可能に設けられるとともに、エンジンの出力軸101に連結されるハブ3と、プーリ2とハブ3とを連結するコイルバネ4とを備えている。これにより、エンジンの出力軸101の回転変動がハブ3に伝達されたときに、この回転変動は、プーリ2とハブ3とを連結するコイルバネ4により吸収されるため、出力軸101の回転変動に起因するベルト106の振動が抑制される。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンの出力軸に連結されて、この出力軸のトルク(駆動力)をベルトに伝達するプーリ構造体に関する。
従来から、エンジンの出力軸に連結されて、この出力軸の回転変動を減衰させつつ、ベルトを介してオルタネータ等の補機にトルクを伝達する、プーリ構造体が知られている。例えば、特許文献1に記載のプーリ構造体は、ベルトが巻回されるプーリと、プーリの内側において、このプーリに対して相対回転可能に設けられ、且つ、エンジンの出力軸に連結されるハブと、プーリとハブとを連結するゴム弾性部材(ゴムカップリング)とを有する。そして、エンジンから出力されるトルク変動に応じてハブに回転変動が生じたときには、ハブとプーリの間のゴム弾性部材が弾性変形することによって、その回転変動を吸収することが可能に構成されている。
実開昭63−68540号公報
しかし、出力軸に連結されたハブには、エンジン回転時に出力軸に生じる大きな回転変動が直接伝わる。そのため、ハブに過大な回転変動が発生して、その結果、ゴム弾性部材にその弾性変形の範囲を超える過大な力が作用し、ゴム弾性部材が破損する虞があった。
本発明の目的は、寿命を一層向上させたプーリ構造体を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
第1の発明のプーリ構造体は、ベルトが巻回される第1回転体と、前記第1回転体の内側に第1回転体に対して相対回転可能に設けられるとともに、エンジンの出力軸に連結される第2回転体と、前記第1回転体と前記第2回転体を連結するコイルバネとを備えていることを特徴とするものである。
この構成によれば、エンジンの出力軸の回転変動が第2回転体に伝達されると、この回転変動は、第1回転体と第2回転体とを連結するコイルバネにより吸収されるため、出力軸の回転変動に起因するベルトの振動が抑制される。ここで、一般的に、金属線材等からなるコイルバネはゴム弾性部材と比べて強度が高い。そのため、ゴム弾性部材では破損が生じるような大きな回転変動が出力軸から第2回転体に伝達された場合でも、コイルバネでは破損が生じにくい。従って、プーリ構造体の寿命が向上することになり、出力軸の回転変動に起因するベルトの振動を長期間にわたって抑制することができる。
第2の発明のプーリ構造体は、前記第1の発明において、前記第2回転体に、前記出力軸の回転変動に起因する共振を防止する共振防止機構がさらに設けられていることを特徴とするものである。このように、第2回転体に共振防止機構が設けられることによって、共振が効果的に防止される。
第3の発明のプーリ構造体は、前記第2の発明において、前記共振防止機構は、前記第2回転体の外周に配置された質量体と、前記第2回転体と前記質量体との間に介装されたゴム部材とを有することを特徴とするものである。
この構成によれば、出力軸から第2回転体に回転変動が伝わったときに、第2回転体の外周にゴム部材を介して配置されている質量体が、その慣性によって第2回転体の回転を阻害する回転抵抗として作用するため、第2回転体の共振が効果的に防止される。
第4の発明のプーリ構造体は、前記第2の発明において、前記共振防止機構は、前記第2回転体の外周部に形成された密閉状の収容室と、前記第2回転体の回転方向に関し、前記第2回転体に対して相対移動可能に収容された質量体と、前記収容室に充填された流体とを有することを特徴とするものである。
この構成によれば、出力軸から第2回転体に回転変動が伝わったときに、密閉状の収容室内に流体を介して収容された質量体が、その慣性によって、第2回転体の回転を阻害する回転抵抗として作用するため、第2回転体の共振が効果的に防止される。
第5の発明のプーリ構造体は、前記第1〜第4の何れかの発明において、前記第2回転体に一定以上のトルクが作用したときにそのトルクの前記第1回転体への伝達を遮断して、前記コイルバネに過大な負荷が作用するのを防止する、過負荷防止機構を備えていることを特徴とするものである。
この構成によれば、万が一、コイルバネが破損する虞のあるような過大なトルクが第2回転体に作用したときに、そのトルクがコイルバネを介して第1回転体に伝達されるのが、過負荷防止機構により遮断される。従って、コイルバネに過大な負荷が作用することがなく、コイルバネの破損が防止される。
第6の発明のプーリ構造体は、前記第5の発明において、前記コイルバネの一端が前記第1回転体と前記第2回転体の何れか一方に固定されており、前記過負荷防止機構は、前記コイルバネの他端に固定されるとともに、前記第1回転体と前記第2回転体の他方と摩擦係合する係合部材を備えていることを特徴とするものである。
第2回転体に作用するトルクが小さい場合には、第2回転体から、コイルバネ及び係合部材を介して、第1回転体にトルクが伝達される。一方、コイルバネが破損する虞のある過大なトルクが第2回転体に作用したときには、係合部材と第1回転体又は第2回転体との間の摩擦係合が解除され、係合部材が第1回転体又は第2回転体に対して滑り出す。これにより、係合部材を介した第1回転体へのトルク伝達が遮断される。
第7の発明のプーリ構造体は、前記第1〜第6の何れかの発明において、前記第1回転体と前記第2回転体の相対回転角度が一定以上となったときに、それ以上の相対回転を物理的に規制する過回転防止機構を備えていることを特徴とするものである。
この構成によれば、第1回転体と第2回転体が、ある一定の角度以上に相対回転するのが物理的に規制されるため、コイルバネが許容量以上に引っ張られて破損してしまうのが防止される。
第8の発明のプーリ構造体は、前記第7の発明において、前記過回転防止機構は、前記第1回転体と前記第2回転体の一方に形成された、回転方向に沿って延びる溝と、前記第1回転体と前記第2回転体の他方に形成され、且つ、前記溝に係合する凸部とを有することを特徴とするものである。
第1回転体と第2回転体が相対回転する際には、それらの一方に形成された溝に、他方に形成された凸部が係合した状態で、凸部が溝に沿って移動する。そして、第1回転体と第2回転体の相対回転角度がある角度となると凸部が溝の端部に到達し、それ以上の凸部の移動が阻止されるため、第1回転体と第2回転体の相対回転が規制される。
第9の発明のプーリ構造体は、前記第8の発明において、前記溝の両端部に、前記第1回転体と前記第2回転体の間の相対回転変動を減衰させるための弾性部材が充填されていることを特徴とするものである。
第1回転体と第2回転体の相対回転角度が、それ以上の相対回転が規制される所定の角度に近くなると、凸部が溝の端部に充填された弾性部材に接触する。このとき、弾性部材の弾性により、第1回転体と第2回転体の相対回転変動が吸収されるため、回転変動が減衰する。
第10の発明の補機駆動システムは、前記第1〜第9の何れかの発明の、エンジンの出力軸に連結されたプーリ構造体と、補機に連結された従動プーリと、前記プーリ構造体の前記第1回転体と前記従動プーリとに架け渡された伝動ベルトとを備えていることを特徴とするものである。
この構成によれば、エンジンの出力軸に連結されたプーリ構造体により、出力軸の回転変動が、伝動ベルトに伝達されるのを抑制することができる。従って、伝動ベルトの張力変動を抑制し、プーリと伝動ベルトとのスリップや、隣接するプーリ間におけるベルトの弦振動を極力防止することが可能となる。
次に、本発明の実施形態について説明する。図1は本実施形態の補機駆動システムの概略構成図である。図1に示すように、補機駆動システム100は、エンジンの出力軸101(レシプロエンジンのクランクシャフトや、ロータリーエンジンのエキセントリックシャフト等)に連結されたプーリ構造体1と、ウォーターポンプやオルタネータ等の各種補機にそれぞれ連結された従動軸102,103と、これら従動軸102,103にそれぞれ取り付けられた従動プーリ104,105と、プーリ構造体1のプーリ2と従動プーリ104,105にわたって架け渡された伝動ベルト106とを有する。尚、本実施形態では、伝動ベルト106として、ベルト長手方向に沿って互いに平行に延びる複数のVリブ106aを有するVリブドベルトが用いられている(図2参照)。
プーリ構造体1のプーリ2が出力軸101により回転駆動されると、その回転により伝動ベルト106が駆動される。すると、この伝動ベルト106の走行に伴って、従動プーリ104,105がそれぞれ回転駆動されることにより、ウォーターポンプやオルタネータ等の補機がそれぞれ駆動される。
次に、プーリ構造体1について詳細に説明する。図2は本実施形態のプーリ構造体1の回転軸心を含む面に関する断面図である。図2に示すように、プーリ構造体1は、伝動ベルト106が巻回される円筒形状のプーリ2(第1回転体)と、エンジンの出力軸101に連結されるとともにプーリ2の内側に設けられたハブ3(第2回転体)と、プーリ2とハブ3とを連結するコイルバネ4を有する。また、プーリ2とハブ3は軸受5を介して相対回転可能に連結されている。尚、図1における左側をプーリ構造体1の先端側、図1における右側をプーリ構造体1の基端側と定義して以下説明する。
まず、プーリ2について説明する。プーリ2は、円筒部10と、この円筒部10の周方向外側に位置する環状のベルト巻回部11と、円筒部10とベルト巻回部11を一体的に連結する円板状の連結部12とを有する。ベルト巻回部11の外周部には、その周方向に沿って延びる複数のV溝11aが形成されている。そして、ベルト106は、その腹面側に形成された複数のVリブ106aが、複数のV溝11aにそれぞれ係合した状態で、プーリ2(ベルト巻回部11)の外周に巻回される。
次に、ハブ3について説明する。ハブ3は、中心軸部14とこの中心軸部14の外周を覆うように配置された筒状のカバー部15とを有し、これら中心軸部14とカバー部15は一体形成されている。中心軸部14には、軸装着孔15aとボルト装着孔15bが形成されており、軸装着孔15aとボルト装着孔15bはそれらの先端において互いに連通している。そして、中心軸部14の軸装着孔15aに出力軸101の先端部が挿入された状態で、この出力軸101の先端部が、ボルト装着孔15bに装着されたボルト(図示省略)により固定されることで、出力軸101とハブ3とが相対回転不能に連結される。
また、ハブ3の中心軸部14は、軸受5を介してプーリ2の円筒部10に内嵌されている。つまり、プーリ2とハブ3とが軸受5を介して相対回転可能に構成されている。尚、軸受5の材料としては、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、真鍮、メッキ処理が施された真鍮、青銅、メッキ処理が施された青銅などを使用できる。あるいは、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、高分子量ポリエチレンなどの合成樹脂材料を使用することもできる。
プーリ2の円筒部10とハブ3のカバー部15との間にはバネ収容室6が形成されている。そして、このバネ収容室6には、金属線材等が螺旋状に巻かれることによって形成されたコイルバネ4が収容されている。また、コイルバネ4の一端はプーリ2の円筒部10に固定され、コイルバネ4の他端はハブ3のカバー部15に固定されている。つまり、プーリ2とハブ3とがコイルバネ4を介して連結されている。
図3は、図2のIII-III断面図である。図3に示すように、コイルバネ4の端部は、プーリ2の円筒部10の先端部に形成された略円弧状の溝10a内に収容されている。ここで、全体として螺旋状に巻かれたコイルバネ4は、その端部においては真っ直ぐな(ストレート)形状に形成されている。また、このストレート形状の端部4aが収容される位置において、溝10aが部分的にストレート状に形成されるとともに、溝幅が局所的に狭くなっている。そして、幅が狭くなった溝10aのストレート部分に、ストレート形状のコイルバネ4の端部が挟持されることによって、コイルバネ4の一端がプーリ2に固定されている。また、特に図示しないが、ハブ3のカバー部15にも同様の溝が形成され、この溝内においてコイルバネ4の他端がハブ3に固定されている。
以上説明した本実施形態のプーリ構造体1及び補機駆動システム100の動作について説明する。
エンジン回転時には、出力軸101からトルクがハブ3に伝達され、さらに、コイルバネ4を介してプーリ2にトルクが伝達され、プーリ2と従動プーリ104,105に架け渡されたベルト106が駆動される。そして、このベルト106を介して従動プーリ104,105にトルクが伝達され、ウォーターポンプやオルタネータ等の補機がそれぞれ駆動される(図1参照)。
ここで、エンジンの爆発行程時に瞬間的に大きなトルクが出力軸101に伝達されるなど、エンジン回転時における種々の要因によって出力軸101に回転変動が生じると、この回転変動は出力軸101に連結されたハブ3に直接伝達される。しかし、ハブ3とプーリ2はねじれ弾性を有するコイルバネ4を介して連結されているため、ハブ3の回転変動はコイルバネ4で吸収されることになり、その結果、プーリ2の回転変動に起因して生じるベルト106の振動が抑制される。
さらに、従来から出力軸101の回転変動を吸収するために使用されているゴム弾性部材と比べて、金属線材からなるコイルバネ4は一般的に強度が高い。そのため、ゴム弾性部材では破損が生じるような大きな回転変動が出力軸101からハブ3に伝達された場合でも、コイルバネ4では破損が生じにくい。従って、プーリ構造体1の寿命が向上し、出力軸101の回転変動に起因するベルト106の振動を長期間にわたって抑制することができる。
これにより、補機駆動システム100を構成するプーリと伝動ベルト106との間のスリップや、隣接するプーリ間におけるベルトの弦振動を確実に防止することができる。従って、補機に連結される従動プーリ104,105に、ベルト106の振動を減衰させる機能を持たせる必要がないし、ベルト106の振動を抑制するための特別な装置(例えば、ベルト張力を一定に保つオートテンショナー等)を補機駆動システム100に付加する必要もなくなる。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と異なる構成を中心に説明し、同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
(変更形態1)
図4に示す変更形態1のプーリ構造体1Aは、特に、出力軸101のトルク変動に起因する、高回転時のねじれ共振によって生じる、ハブ3Aの共振を阻止する共振防止機構を備えている。より具体的には、図4に示すように、この変更形態1の共振防止機構20は、ハブ3Aのカバー部15の外周に配置された環状の質量体21と、ハブと質量体21との間に介装された環状のゴム部材22とを有する。この構成によれば、出力軸101からハブ3Aに回転変動が伝わったときに、ハブ3Aの外側にゴム部材22を介して配置されている質量体21が、その慣性によって、ハブ3Aの回転を阻害する回転抵抗(ダンパー)として作用するため、ハブ3Aの共振が効果的に防止される。ここで、質量体21としては、小さな部材で効率的にハブ3Aに回転抵抗を付与するために、密度の大きい材料で形成されていることが好ましく、例えば、金属材料からなるものが好適に用いられる。
尚、質量体は、ハブ3Aの外周の全周にわたって配置されている必要はなく、複数の質量体が、周方向に間隔を空けて離散的に配置されていてもよい。
(変更形態2)
図5に示す変更形態2のプーリ構造体1Bは、変更形態1とは構成の異なる共振防止機構30を備えている。図5に示すように、この変更形態2の共振防止機構30は、ハブ3Bの外周部(カバー部15)に形成された環状の収容室31と、この収容室31内に収容された環状の質量体32とを有する。環状の質量体32は、収容室31内において、その内壁面と隙間を空けた状態で収容されており、周方向(ハブ3Bの回転方向)に関し、ハブ3Bに対して相対移動可能(自由回転可能)となっている。また、ハブ3Bの先端部には収容室31を塞ぐように環状の板部材34が取り付けられており、その結果、収容室31は完全に密閉されている。さらに、この密閉状の収容室31内には流体33が充填(封入)されている。
この構成によれば、出力軸101からハブ3Bに回転変動が伝わったときに、密閉状の収容室31内に粘性流体33を介して自由回転可能に配置された質量体32が、その慣性によって、ハブ3Bの回転を阻害する回転抵抗として作用するため、ハブ3Bの共振が効果的に防止される。
尚、質量体32としては、小さな部材で効率的にハブ3Bに回転抵抗を付与するために、密度の大きい材料で形成されていることが好ましく、例えば、金属材料からなるものが好適に用いられる。また、収容室31内においてハブ3Bと質量体32とが互いの回転に影響を及ぼし合うように、これらの間に介在する流体33は、適度な粘度を有する流体であることが必要である。具体的には、粘度(動粘度)が100万センチストークス(1m/s)以下の粘性流体であることが好ましい。このような粘性流体として、例えば、シリコンオイルや、自動車用のエンジンオイル等を採用することができる。
また、収容室は、ハブ3Bの外周部の全周にわたって形成されている必要はなく、複数の収容室が周方向に間隔を空けて形成されていてもよい。この場合、複数の収容室のそれぞれに、質量体が収容されるとともに流体が充填されることになる。
(変更形態3)
図6に示す変更形態3のプーリ構造体1Cは、出力軸101からハブ3に一定以上のトルクが作用したときにそのトルクのプーリ2Cへの伝達を遮断して、コイルバネ4に過大な負荷が作用するのを防止する、過負荷防止機構40(トルクリミッター)を備えている。
図6に示すように、プーリ構造体1Cのプーリ2Cは、円板部12Cとこの円板部12Cの外周側に位置するベルト巻回部11Cとが一体形成された構造を有する。そして、過負荷防止機構40は、プーリ2Cの円板部12Cの先端側(図6の左側)に配置された係合部材41を有する。係合部材41は、先端側に位置する筒部41aとこの筒部41aから径方向に突出した鍔部41bとを有する。また、係合部材41の筒部41a内には、ハブ3の中心軸部14が軸受5を介して内嵌されており、係合部材41はハブ3に対して相対回転可能に構成されている。さらに、係合部材41の鍔部41bの基端側の面(図6の右側の面)には、ゴム等からなる環状の弾性部材42が固着されており、係合部材41は、弾性部材42を介してプーリ2Cの円板部12Cに摩擦係合している。
また、コイルバネ4の一端はハブ3に固定されるとともに、コイルバネ4の他端は係合部材41の鍔部41bに固定されている。つまり、プーリ2Cとハブ3は、コイルバネ4と係合部材41を介して連結されている。
ハブ3に作用するトルクが小さく、係合部材41に作用するトルク(回転力)が弾性部材42とプーリ2Cとの間の静止摩擦力よりも小さい場合には、係合部材41とプーリ2Cとの間に摩擦係合状態は維持されるため、ハブ3から、コイルバネ4及び係合部材41を介して、プーリ2Cにトルクが伝達される。一方、コイルバネ4が破損する虞のあるような過大なトルクがハブ3に作用して、係合部材41に作用するトルク(回転力)が弾性部材42とプーリ2Cとの間の静止摩擦力に打ち勝つと、係合部材41とプーリ2Cとの間の摩擦係合が解除され、弾性部材42がプーリ2Cに対して滑る(相対回転)することになる。従って、係合部材41を介したプーリ2Cへのトルク伝達が遮断されることになり、コイルバネ4に過大なトルクが作用して破損してしまうのが防止される。
尚、係合部材41がハブ側に設けられて、係合部材41がハブと摩擦係合するように設けられてもよい。この場合、コイルバネ4の一端がプーリに固定されるとともに、コイルバネ4とハブは係合部材41を介して連結される。そして、ハブ3に過大なトルクが作用したときには、ハブと係合部材41の間の摩擦係合が解除されることにより、プーリへのトルク伝達が遮断される。
また、以上説明した変更形態3は過負荷防止機構の一例を示すものであって、過負荷防止機構はこのような構成に限られるものではない。即ち、通常時には駆動側と被駆動側とが係合してトルクが伝達されるが、駆動側のトルクが過大になると、両者の係合状態が解除されて、被駆動側へのトルク伝達が遮断されるという作用を奏するものであれば、種々の公知構成を採用することができる(例えば、特開2006−348804号公報、特開2005−337398号公報等参照)。
(変更形態4)
図7、図8に示す変更形態4のプーリ構造体1Dは、プーリ2Dとハブ3Dの相対回転角度が一定以上となったときに、それ以上の相対回転を物理的に規制する過回転防止機構50を備えている。
図7、図8に示すように、変更形態4のハブ3Dは、ケース部15からさらに径方向外側へ広がる環状の鍔部51を備えている。そして、過回転防止機構50は、このハブ3Dの鍔部51に形成された、周方向(ハブ3Dの回転方向)に沿って延びる2つの円弧溝52と、プーリ2Dの連結部12Dに形成され、2つの円弧溝52にそれぞれ係合する2つの凸部53とを有する。また、図8に示すように、2つの円弧溝52は、ハブ3Dの回転中心に関して点対称の位置に形成されている。
この構成によれば、プーリ2Dとハブ3Dが相対回転する際には、プーリ2D側の凸部53が、ハブ3Dに形成された溝52に沿って移動する。しかし、プーリ2Dとハブ3Dの相対回転角度(ねじり角度)が所定の角度となったときには、凸部53が溝52の端部に到達し、それ以上の凸部53の周方向移動が規制される。これにより、プーリ2Dとハブ3Dとの相対回転が物理的に規制されることになり、コイルバネ4が許容量以上に引っ張られて破損してしまうのが防止される。
尚、この変更形態4において、プーリ側に溝52が形成され、ハブ側に、溝52に係合する凸部53が形成されていてもよい。この場合でも、ある角度以上の、プーリとハブの間の相対回転を規制することができる。
(変更形態5)
前述した変更形態4においては、プーリとハブの何れか一方に溝52が形成されるとともに、この溝に係合する凸部53が他方に形成されている。この構成に加えて、さらに、図9に示す変更形態5のプーリ構造体1Eにおいては、溝52の両端部にゴム等からなる弾性部材55がそれぞれ充填されている。この構成によれば、プーリとハブの相対回転角度が規制されるべき所定の角度に近くなり、凸部53が溝52の端部近傍まで移動したときに、凸部53が溝52の端部に充填された弾性部材55に接触する。このとき、弾性部材55の弾性によってプーリとハブの相対回転変動が吸収されることにより、回転変動が減衰される。
尚、以上説明した変更形態1〜5の特徴的な構成を併せ持つように、プーリ構造体が構成されてもよい。即ち、変更形態1(図4)、変更形態2(図5)の共振防止機構20,30、変更形態3(図6)の過負荷防止機構40、及び、変更形態4(図7、図8)、変更形態5(図9)の過回転防止機構50のうち、2以上の機構を兼ね備えたプーリ構造体を構成することも可能である。
本実施形態の補機駆動システムの概略構成図である。 本実施形態のプーリ構造体の回転軸心を含む面に関する断面図である。 図2のIII-III線断面図である。 変更形態1のプーリ構造体の回転軸心を含む面に関する断面図である。 変更形態2のプーリ構造体の回転軸心を含む面に関する断面図である。 変更形態3のプーリ構造体の回転軸心を含む面に関する断面図である。 変更形態4のプーリ構造体の回転軸心を含む面に関する断面図である。 図7のVIII-VIII線断面図である。 変更形態5の図8相当の断面図である。
符号の説明
1,1A,1B,1C,1D,1E プーリ構造体
2,2C,2D プーリ
3,3A,3B,3D ハブ
4 コイルバネ
20 共振防止機構
22 ゴム部材
30 共振防止機構
31 収容室
32 質量体
33 流体
40 過負荷防止機構
41 係合部材
42 弾性部材
50 過回転防止機構
52 溝
53 凸部
55 弾性部材
100 補機駆動システム
101 出力軸
106 伝動ベルト

Claims (10)

  1. ベルトが巻回される第1回転体と、
    前記第1回転体の内側に第1回転体に対して相対回転可能に設けられるとともに、エンジンの出力軸に連結される第2回転体と、
    前記第1回転体と前記第2回転体を連結するコイルバネと、
    を備えていることを特徴とするプーリ構造体。
  2. 前記第2回転体に、前記出力軸のトルク変動に起因する共振を阻止する共振防止機構がさらに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプーリ構造体。
  3. 前記共振防止機構は、
    前記第2回転体の外周に配置された質量体と、
    前記第2回転体と前記質量体との間に介装されたゴム部材と、
    を有することを特徴とする請求項2に記載のプーリ構造体。
  4. 前記共振防止機構は、
    前記第2回転体の外周部に形成された密閉状の収容室と、
    前記収容室内に、前記第2回転体の回転方向に関し、前記第2回転体に対して相対移動可能に収容された質量体と、
    前記収容室に充填された流体と、
    を有することを特徴とする請求項2に記載のプーリ構造体。
  5. 前記第2回転体に一定以上のトルクが作用したときにそのトルクの前記第1回転体への伝達を遮断して、前記コイルバネに過大な負荷が作用するのを防止する、過負荷防止機構を備えていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のプーリ構造体。
  6. 前記コイルバネの一端が前記第1回転体と前記第2回転体の何れか一方に固定されており、
    前記過負荷防止機構は、
    前記コイルバネの他端に固定されるとともに、前記第1回転体と前記第2回転体の他方と摩擦係合する係合部材を備えていることを特徴とする請求項5に記載のプーリ構造体。
  7. 前記第1回転体と前記第2回転体の相対回転角度が一定以上となったときに、それ以上の相対回転を物理的に規制する過回転防止機構を備えていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のプーリ構造体。
  8. 前記過回転防止機構は、
    前記第1回転体と前記第2回転体の一方に形成された、回転方向に沿って延びる溝と、
    前記第1回転体と前記第2回転体の他方に形成され、且つ、前記溝に係合する凸部と、
    を有することを特徴とする請求項7に記載のプーリ構造体。
  9. 前記溝の両端部に、弾性部材が充填されていることを特徴とする請求項8に記載のプーリ構造体。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載の、エンジンの出力軸に連結されたプーリ構造体と、
    補機に連結された従動プーリと、
    前記プーリ構造体の前記第1回転体と前記従動プーリとに架け渡された伝動ベルトと、
    を備えていることを特徴とする補機駆動システム。
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