JP2008202498A - ピストンリングのシール構造 - Google Patents

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Minoru Tezuka
稔 手塚
Takeshi Yanagisawa
健 柳澤
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Abstract

【課題】ピストンとピストンリングとの間の気密性を高める。
【解決手段】シリンダ9内を往復移動するピストン8の外周部とピストン8の外周部に嵌合されるピストンリング21の内周面との間に、ピストンリング21に設けられる合口部24からの流体漏れを防止するバックアップシール20を組み込む。バックアップシール20を、その円周部分の適所に設けた切断部20aがピストンリング21の合口部24の隙間に重ならないように組み込むとともに、バックアップシール20に、ピストンリング21に対してその周方向への位置ずれを阻止する折曲片20bを設ける。
【選択図】 図3

Description

本発明は、往復式圧縮機に用いられるピストンリングのシール構造に関するものである。
往復式圧縮機においては、シリンダ内を往復移動するピストンの外周部に環状溝が形成され、この環状溝にピストンリングが嵌め込まれている。ピストンリングは、ピストンの往復移動時に外周部がシリンダ内周面に摺接することによって、摺動部分の気密性を維持する。
さらに、ピストンとシリンダとの間の気密性を高めるため、ピストンの外周部とピストンリングの内周部との間に、耐熱合成樹脂製のバックアップシールを組み込んだものがある(例えば、特許文献1参照)。このバックアップシールは、特に、ピストンリングの円周部分に設けられた合口部の隙間を塞ぐ手段として有効な方法である。
特開昭49−109916号公報
しかし、上述の特許文献1に記載されたピストンリングのシール構造においては、熱影響による伸縮等を吸収するため、ピストンリングに円周部分の一部を切断した切断部が形成される。このため、圧縮機の運転中、ピストンリングとバックアップシールの相対位置関係がずれて、ピストンリングの合口部の隙間とバックアップシールの切断部の隙間とが重なり、この部分から流体漏れを生じるおそれがある。
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、ピストンとピストンリングとの間の気密性を高めたピストンリングのシール構造を提供することを目的としている。
本発明によると、上記課題は次のようにして解決される。
(1)シリンダ内を往復移動するピストンの外周部と前記ピストンの外周部に嵌合されるピストンリングの内周面との間に、前記ピストンリングに設けられる合口部からの流体漏れを防止するバックアップシールを組み込んだピストンリングのシール構造において、前記バックアップシールを、その円周部分の適所に設けた切断部が前記ピストンリングの前記合口部の隙間に重ならないように組み込むとともに、前記バックアップシールに、前記ピストンリングに対してその周方向への位置ずれを阻止する回り止め部を設ける。
(2)上記(1)項において、前記回り止め部を、前記バックアップシールに一体的に形成され、かつ前記ピストンリングに設けた係合溝に係合する折曲片とする。
(3)上記(2)項において、前記ピストンリングの係合溝を、前記合口部における隙間とする。
本発明によると、次のような効果を奏することができる。
請求項1記載の発明によると、バックアップシールを、その切断部の隙間がピストンリングの合口部の隙間と重ならないように組み込むとともに、バックアップシールに、ピストンリングに対してその周方向への位置ずれを阻止する回り止め部を設けたことにより、ピストンの動作中、ピストンリングとバックアップシールの相対位置関係がずれて、ピストンリングの合口部の隙間とバックアップシールの切断部の隙間とが重なることを防止することができる。これにより、両隙間同士が重なった部分からの流体漏れを防止することができ、ピストンとピストンリングとの間の気密性を高めることができる。
請求項2記載の発明によると、回り止め部を、バックアップシールに一体的に形成した折曲片としたことにより、簡単な構成でかつ確実にピストンリングとバックアップシールの相対位置関係のずれを防止することができる。
請求項3記載の発明によると、回り止め部を、ピストンリング合口部に形成される隙間に係合することにより、ピストンリングにバックアップシールの回り止め部が係合する係合溝を別途形成する必要が無くなり、ピストンリングの形状を簡単にすることができる。
図1は、本発明を適用したリニア駆動式における往復式圧縮機の断面図を示す。圧縮機1は、左右一対の円筒状のハウジング2と、両ハウジング2間に設けられる磁性体ヨーク3と、両ハウジング2内にあってヨーク3の両端部に固定される左右一対のコイル4と、ヨーク3の内周面に固定されるリング状の永久磁石5と、ハウジング2内に左右方向へ移動可能に支持される可動鉄心6と、可動鉄心6の中心部に固着され、可動鉄心6と共に左右方向へ移動可能なピストンロッド7と、ピストンロッド7の両端に連結された左右のピストン8と、ハウジング2内に固定され、かつピストン8が往復移動可能に挿入される円筒状のシリンダ9と、各ハウジング2の外端面に固着されたシリンダヘッド兼用の左右の端板10とを備えている。
ハウジング2内は、シリンダ9内に連通する吸気室12と、シリンダ9の外側に設けられた導気室13とに区画される。吸気室12は、ハウジング2に設けられた吸気ポート14に連通している。導気室13は、ハウジング2の外周に設けられた吐出ポート15に連通している。
ピストン8の外周部には、シリンダ9の内周面との気密性を高めるためのピストンリング21が外嵌され、さらにピストン8の外周部とピストンリング21の内周部との間には、耐熱合成樹脂製のバックアップシール20が嵌め込まれている。
ピストン8には、その軸線方向に貫通した複数の吸入孔16が穿設され、各ピストン8の外端面には、ピストン8よりも僅かに小径で、かつ各吸入孔16を開閉するための円盤状の吸入弁17が配置されている。ピストン8は、ねじ18をピストンロッド7の端部に螺合することにより、ピストンロッド7の端部に連結される。吸入弁17及び円盤状の制限部材19は、ねじ18によりピストン8の外端面に固定される。制限部材19は、吸入弁17の開度を規制するものであって、その端面には、各吸入孔16に連通する複数の排出孔19aが穿設されている。
シリンダ9の側部には、吐出孔23が穿設され、その外側には吐出弁22が設けられている。
上記構成において、コイル4に通電すると、可動鉄心6と共にピストンロッド7が左右方向へ往復運動して、左右のピストン8が圧縮、吸気工程を繰返す。
吸気工程において、シリンダ9内の負圧により、流体(気体)が、給気ポート14からハウジング2の吸気室12に吸入されて、ピストン8の吸入孔16、吸入弁17を通ってシリンダ9内に流入される。シリンダ9内に吸い込まれた流体は、圧縮工程で圧縮されてシリンダ9の吐出孔23、吐出弁22を経て導気室13内へ流入し、吐出ポート15からハウジング2の外部に吐出される。
図2は、ピストン8及びピストン8に組み付けられる各部品の分解斜視図、図3は、図1におけるIII−III線縦断面図をそれぞれ示す。なお、図3において、ピストンリング21の内周面とバックアップシール20の外周面との間の隙間、及びバックアップシール20の内周面とピストン8の外周面との間の隙間は、実際は微少であるが、説明の便宜上、誇張して図示してある。
ピストンリング21は、熱影響等による伸縮を吸収するため、円周方向の一部に切断部、すなわち合口部24を有し、この合口部24の近傍には、バックアップシール20に設けられた後述の回り止め部をなす折曲片20bが回転方向へ係合可能な係合溝21aが設けられている。
バックアップシール20は、熱影響等による伸縮を吸収するため、その周方向の一部が切断されるとともに、その切断部20aに対向する位置には、バックアップシール20の一部を外方へ向けて折曲され、ピストンリング21の係合溝21aに対して回転方向へ係合可能な折曲片20bが一体的に形成される。
図3に示すように、バックアップシール20及びピストンリング21をピストン8に組み付けた状態においては、バックアップシール20の切断部20aがピストンリング21の合口部24と重ならないように、換言するとピストンリング21の合口部24の隙間が、内周側からバックアップシール20により閉塞されるように組み付けられる。また、バックアップシール20の折曲片20bが、ピストンリング21の係合溝21aに係合して、ピストンリング21に対するバックアップシール20の周方向への回転を阻止している。
上述により、ピストン8の動作中、ピストンリング21またはバックアップシール20が回転して、ピストンリング21とバックアップシール20の相対位置関係がずれて、ピストンリング21の合口部24とバックアップシール20の切断部20aとが重なることはない。したがって、ピストンリング21の合口部24の隙間とバックアップシール20の切断部20aの隙間との重なり部分からの流体漏れを防止することができ、ピストン8とピストンリング21との間の気密性を高めることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、本実施形態に対して、次のような種々の変形や変更を施すことが可能である。
(i)圧縮機1を、リニア駆動式に代えて、一般的に用いられている給油または無給油式のクランク軸の回転によりピストンが往復運動する往復式圧縮機に適用すること。
(ii)バックアップシール20の折曲片20bを、ピストンリグ21の合口部24における隙間24a(図3参照)に係合させて、バックアップシール20の回転を阻止すること。この場合には、ピストンリング21に係合溝21aを別途形成する必要が無くなり、ピストンリング21の形状を簡単にすることができる。
本発明を適用したリニア駆動式の圧縮機の一例を示す側断面図である。 ピストン及びピストンに組み付けられる各部品の分解斜視図である。 図1におけるIII−IIIにおける拡大断面図である。
符号の説明
1 圧縮機
2 ハウジング
3 ヨーク
4 コイル
5 永久磁石
6 可動鉄心
7 ピストンロッド
8 ピストン
9 シリンダ
10 端板
12 吸気室
13 導気室
14 吸気ポート
15 吐出ポート
16 吸入孔
17 吸入弁
18 ねじ
19 制限部材
19a 排出孔
20 バックアップシール
20a 切断部
20b 折曲片(回り止め部)
21 ピストンリング
21a 係合溝
22 吐出弁
23 吐出孔
24 合口部

Claims (3)

  1. シリンダ内を往復移動するピストンの外周部と前記ピストンの外周部に嵌合されるピストンリングの内周面との間に、前記ピストンリングに設けられる合口部からの流体漏れを防止するバックアップシールを組み込んだピストンリングのシール構造において、
    前記バックアップシールを、その円周部分の適所に設けた切断部が前記ピストンリングの前記合口部の隙間に重ならないように組み込むとともに、前記バックアップシールに、前記ピストンリングに対してその周方向への位置ずれを阻止する回り止め部を設けたことを特徴とするピストンリングのシール構造。
  2. 前記回り止め部を、前記バックアップシールに一体的に形成され、かつ前記ピストンリングに設けた係合溝に係合する折曲片としたことを特徴とする請求項1記載のピストンリングのシール構造。
  3. 前記ピストンリングの係合溝を、前記合口部における隙間としたことを特徴とする請求項2記載のピストンリングのシール構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS56158559U (ja) * 1980-04-26 1981-11-26

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JPS56158559U (ja) * 1980-04-26 1981-11-26

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