JP2008202260A - 壁面パネル - Google Patents

壁面パネル Download PDF

Info

Publication number
JP2008202260A
JP2008202260A JP2007037409A JP2007037409A JP2008202260A JP 2008202260 A JP2008202260 A JP 2008202260A JP 2007037409 A JP2007037409 A JP 2007037409A JP 2007037409 A JP2007037409 A JP 2007037409A JP 2008202260 A JP2008202260 A JP 2008202260A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
locking piece
cylindrical space
bolt
composite material
laminated composite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007037409A
Other languages
English (en)
Inventor
Mikio Tashiro
幹夫 田代
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AROU CONSULTANT KK
Original Assignee
AROU CONSULTANT KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by AROU CONSULTANT KK filed Critical AROU CONSULTANT KK
Priority to JP2007037409A priority Critical patent/JP2008202260A/ja
Publication of JP2008202260A publication Critical patent/JP2008202260A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Finishing Walls (AREA)

Abstract

【課題】樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材が備える素材の性能を十分に発揮し得る壁面パネルを提供すること。
【解決手段】芯材となる樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材で、裏面の金属板に複数の円形開口部15が形成され、その下層の樹脂12に前記円形開口部の径より大径の円柱状空間16が形成された積層複合材11からなるパネル部と、ボルト頭部を前記円柱状空間の底面に当接して、ボルト軸部を前記円形開口部から突出して立設されるボルト31と、前記ボルトを前記円柱状空間に錠止して固定する複数の錠止片と、前記ボルトを挿通する貫通孔が複数形成され、前記ボルトを挿通して前記積層複合材の裏面に固定される中桟8を備えた壁面パネル1。
【選択図】図4

Description

本発明は、内装壁または外装壁として、下地材を介してビル等の建築物の躯体面に取り付けられる壁面パネルに関し、特に樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材をパネル素材とする壁面パネルに関する。
下地材を介して、ビル等の建築物の躯体面に取り付けられる壁面パネルには、軽量性、高剛性、不燃性、耐食性、耐久性、水密性、および意匠性等の様々な性能が要求されるところ、近年においては、その優れた性質から、樹脂の表面と裏面にアルミ板等の金属板を固着してなる積層複合材をパネル素材とする壁面パネルが注目されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
一方、近年における建築物の高層化、大型化、あるいは建築費のコスト競争に伴い、壁面パネルの取付作業現場においては、作業容易化等の施工性の向上、工期短縮およびコスト削減が喫緊の課題の一つとなっており、従来から様々な固定具、具体的には建築物の躯体面に設置された下地材に壁面パネルを取り付けるための固定具、ないし当該固定具を用いた種々の取付工法が提案されてきた。
例えば、図18(a)に示すボルトとナットを用いて壁面パネルを下地材、より具体的には、建築物の躯体面に取り付けられたZ形状パネル保持用下地材に固定する工法、(b)に示すビスを用いて固定する工法、(c)に示すジョイナーを用いて固定する工法、および(d)に示すリベットを用いて壁面パネルの裏面の金属板と下地材とを固定する工法等がその代表格である。また、壁面パネルの強度向上とコスト削減を目的として、壁面パネルの背面に補強リブを配した壁面パネルの取付構造も示されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、図18(a)のボルトとナット、(b)のビス、および(c)のジョイナーを用いて固定する工法では、ある程度の取付強度、具体的には壁面パネルを建築物の躯体面に固定する強度は期待できるが、固定具が壁面パネルを貫通して表側に現れるため、意匠性が求められる壁面パネルの美観、ひいては建築物それ自体の美観を損なう問題があった。また、固定具が壁面パネルを貫通して表側に現れるため、雨水が固定具を伝わって躯体面側に浸入する問題があった。
一方、(d)のリベットを用いる工法では、リベットが壁面パネルを貫通して表側に現れないために壁面パネルの美観を損なう問題や、躯体面側に雨水が浸入する問題こそ発生しないが、建築物にとって、あるいは壁面パネルにとって最重要課題となる取付強度の面で問題があった。
すなわち、芯材となる樹脂の表面と裏面にアルミ板等の金属板を固着してなる積層複合材は、壁面パネルに要求される様々な性能を満足し得る優れたパネル素材の一つではあるが、その優れた性能を十分に発揮できる取付工法、あるいは、素材の性能を十分に発揮し得る壁面パネルは皆無であった。
特開平9−11394号公報 特開2005−335091号公報 特開2004−92020号公報
本発明の解決すべき課題は、樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材が備える素材の性能を十分に発揮し得る壁面パネル、より具体的には美観を損なうことなく十分な取付強度を確保できるとともに、建築物躯体面への取付作業が容易で現場での施工性に優れる壁面パネルを提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく様々な実験的検討および理論的検討を重ねた結果、以下の技術的知見を得た。
(A)前記したようにパネル取り付けの作業現場、特に外装壁の施工の場合には、取付作業の容易化、工期短縮等が喫緊の課題となっているところ、樹脂の表面と裏面に金属板を固着した積層複合材からなるパネル部の裏面周縁に枠体を取り付け、当該枠体を下地材にビス止めするのが外装壁用パネル取り付けの作業効率上最も望ましいこと。また、パネル部の裏面周縁に枠体を取り付けることにより、壁面パネルに求められる高剛性が向上し、これにより躯体面への取付強度も増すこと。
(B)なお、内装壁用パネルの場合には、風雨に晒されることのない屋内空間が作業現場であり、また屋内への取り付けとなることから、外装壁用パネルほどは作業効率の向上とパネルの高剛性や取付強度は求められない。このため、内装壁用の壁面パネルの場合には、必ずしもパネル部の裏面周縁に枠体を取り付ける必要がないこと。
(C)ここで、従来技術に係る壁面パネルと同様に、当該枠体をパネル部に取り付けるための取付金具が壁面パネルを貫通して表側に現れるパネル構造であると、壁面パネルの美観を大きく損ない、また、外装壁用パネルの場合には躯体面側に雨水が侵入することから、積層複合材の内部に取付金具を固定する構造とするのが望ましいこと。
(D)より具体的には、前記積層複合材は芯材となる樹脂の表面と裏面にアルミ板等の金属板を固着した構造であるので、枠体が固定される裏面の金属板の周縁に沿って複数の円形開口部を形成し、その下層の樹脂に前記円形開口部の径より大径の円柱状空間を形成し、当該形成した円柱状空間に取付金具を埋め込んで固定するパネル構造とするのが望ましいこと。
(E)また、パネル部の裏面に中桟を取り付けることによっても壁面パネルの高剛性が向上し、躯体面への取付強度を増強できるが、従来技術に係る壁面パネルと同様に、当該中桟をパネル部に取り付けるための取付金具が壁面パネルを貫通して表側に現れる構造であると、壁面パネルの美観を大きく損ない、また、外装壁用パネルの場合には躯体面側に雨水が侵入することから、当該中桟をパネル部に取り付けるための取付金具についても、積層複合材の内部に固定する構造とするのが望ましいこと。
(F)より具体的には、当該中桟が固定される裏面の金属板の所定の位置に複数の円形開口部を形成し、その下層の樹脂に前記円形開口部の径より大径の円柱状空間を形成し、当該形成した円柱状空間に取付金具を埋め込んで固定するパネル構造とするのが望ましいこと。
(G)なお、内装壁用パネルの場合には、躯体面側に雨水が侵入する問題を考慮する必要はないが、やはり中桟をパネル部に取り付けるための取付金具が壁面パネルを貫通して表側に現れる構造であると、壁面パネルの美観を大きく損なうことから、外装壁用と内装壁用とを問わず、中桟をパネル部に取り付けるための取付金具は、積層複合材の内部に固定する構造とするのが望ましいこと。
(H)ここで、建築物躯体面への壁面パネルの取り付け作業のみならず、前記枠体や中桟をパネル部に取り付ける作業についても工期短縮等に重大な影響を与えるところ、後者の作業を容易化するためには、枠体や中桟をパネル部に取り付けるための取付金具を容易に前記円柱状空間に固定できる構造とするのが望ましいこと。
(I)枠体や中桟をパネル部に取り付けるための取付金具の構造としては、ボルトと複数の錠止片から構成され、これら複数の錠止片を前記円柱状空間の中で相互に組み合わせることにより、ボルトとともにこれら複数の錠止片を前記円柱状空間に錠止する構造とするのが作業効率上望ましいこと。
(J)取付金具のより具体的な構造としては、積層複合材に形成した円形開口部から投入した各錠止片を、円形開口部よりも大径の円柱状空間に張り出させて各錠止片およびボルトを錠止する構造とするのが望ましいこと。すなわち、このように各錠止片を円柱状空間に張り出させて錠止する構造とすれば、ボルトをパネル部である積層複合材に強固に固定できるので、枠体や中桟をパネル部である積層複合材に強固に固定でき、これにより壁面パネルの躯体面への取付強度を十分に確保できること。
上記の知見に基づき、本発明者は、樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材の性能を十分に発揮し得る壁面パネル、より具体的には美観を損なうことなく十分な取付強度を確保できるとともに、取付作業が容易で建築現場での施工性に優れる壁面パネルに想到した。その要旨とするところは以下の通りである。
(1)芯材となる樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材で、裏面の金属板に複数の円形開口部が形成され、その下層の樹脂に前記円形開口部の径より大径の円柱状空間が形成された積層複合材からなるパネル部と、ボルト頭部を前記円柱状空間の底面に当接して、ボルト軸部を前記円形開口部から突出して立設されるボルトと、前記ボルトを挿通する貫通孔が形成され、前記ボルトを挿通して前記円柱状空間の底面上に載置される、板状の第1の錠止片と、前記円柱状空間の高さから前記第1の錠止片の板厚を差し引いた板厚であり、前記裏面の金属板、前記第1の錠止片および前記円柱状空間の側面によって形成される間隙に挿嵌される第2の錠止片と、前記第2の錠止片と同じ板厚であり、前記第2の錠止片と離反する方向の前記裏面の金属板、前記第1の錠止片および前記円柱状空間の側面によって形成される間隙に挿嵌される第3の錠止片と、前記第2の錠止片と第3の錠止片が相互に離反する方向の間隙に挿嵌されることによって前記第1の錠止片上に形成される間隙に嵌合されて、前記ボルト、前記第1の錠止片、第2の錠止片、第3の錠止片および自らを前記円柱状空間に錠止して固定される第4の錠止片と、前記ボルトを挿通する貫通孔が複数形成され、前記ボルトを挿通して前記積層複合材の裏面に固定される中桟を備えた壁面パネル。
(2)前記第1の錠止片が略円形で、当該略円形の重心に形成された貫通孔に前記ボルトを挿通して、前記ボルトの軸心と前記円柱状空間の軸心とが一致するように前記円柱状空間の底面上に載置され、前記第2の錠止片と第3の錠止片が各々略弓形で、各々の弦側の間に形成される間隙に前記第4の錠止片が嵌合される前記(1)に記載の壁面パネル。
(3)芯材となる樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材で、裏面の金属板に複数の円形開口部が形成され、その下層の樹脂に前記円形開口部の径より大径の円柱状空間が形成された積層複合材からなるパネル部と、ボルト頭部を前記円柱状空間の底面に当接して、ボルト軸部を前記円形開口部から突出して立設されるボルトと、前記円柱状空間の高さと同じ板厚であり、前記ボルトを挿通する貫通孔が形成され、前記ボルトを挿通して、前記裏面の金属板、前記円柱状空間の側面および前記円柱状空間の底面によって形成される凹部に挿嵌される第5の錠止片と、前記第5の錠止片が前記凹部に挿嵌されることによって前記円柱状空間の底面上に形成される間隙に嵌合されて、前記ボルト、前記第5の錠止片および自らを前記円柱状空間に錠止して固定される第6の錠止片と、前記ボルトを挿通する貫通孔が複数形成され、前記ボルトを挿通して前記積層複合材の裏面に固定される中桟を備えた壁面パネル。
(4)前記第5の錠止片が略円形で、前記第6の錠止片が略三日月形である前記(3)に記載の壁面パネル。
(5)芯材となる樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材で、裏面の金属板に複数の円形開口部が形成され、その下層の樹脂に前記円形開口部の径より大径の円柱状空間が形成された積層複合材からなるパネル部と、ボルト頭部を前記円柱状空間の底面に当接して、ボルト軸部を前記円形開口部から突出して立設されるボルトと、前記裏面の金属板、前記円柱状空間の側面および前記円柱状空間の底面によって形成される凹部に挿嵌される部位にフランジ部が、前記円柱状空間の底面に当接する底部に前記ボルトを挿通する貫通孔が、前記フランジ部と前記底部の間に側壁部がそれぞれ形成され、前記ボルトを挿通して、前記裏面の金属板、前記円柱状空間の側面および前記円柱状空間の底面によって形成される凹部に挿嵌される第7の錠止片と、前記円柱状空間の高さから前記第7の錠止片の底部の板厚を差し引いた板厚で、前記ボルトを挿通するガイド孔が形成され、前記第7の錠止片の挿嵌方向と離反する方向の間隙であって前記裏面の金属板、前記第7の錠止片および前記円柱状空間の側面によって形成される間隙に挿嵌されて、前記ボルト、前記第7の錠止片および自らを前記円柱状空間に錠止して固定される第8の錠止片と、前記ボルトを挿通する貫通孔が複数形成され、前記ボルトを挿通して前記積層複合材の裏面に固定される中桟を備えた壁面パネル。
(6)前記第7の錠止片と前記第8の錠止片が略円形である前記(5)に記載の壁面パネル。
(7)前記ボルトを挿通する貫通孔が複数形成され、前記ボルトを挿通して前記積層複合材の裏面周縁に固定される枠体を備えた前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の壁面パネル。
(8)前記積層複合材の裏面周縁に固定される枠体と積層複合材の間、かつ、前記枠体を積層複合材に固定する前記ボルトより外側の部位に、止水材を備えた前記(7)に記載の壁面パネル。
(9)前記積層複合材の裏面に固定される中桟と積層複合材の間に、建築物の躯体面に設置された下地材の刃部を挿入する凹部を備えた前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の壁面パネル。
(A)内装壁用と外装壁用とを問わず、芯材となる樹脂の表面と裏面に金属板を固着した積層複合材からなるパネル部に中桟を取り付けた本発明に係る壁面パネルは、当該中桟をパネル部に取り付けるための取付金具が積層複合材の内部に固定される構造である。したがって、中桟を取り付けた本発明に係る壁面パネルは、取付金具が壁面パネルを貫通して表側に現れる従来技術に係る壁面パネルと異なり、壁面パネルや建築物の美観を損なうことはない。また、外装壁用として本発明に係る壁面パネルを使用する場合には、雨水が取付金具を伝わって躯体面側に浸入することはない。
(B)主に外装壁用として、芯材となる樹脂の表面と裏面に金属板を固着した積層複合材からなるパネル部に枠体と中桟を取り付けた本発明に係る壁面パネルは、枠体および中桟をパネル部に取り付けるための取付金具が積層複合材の内部に固定される構造である。したがって、枠体と中桟を取り付けた本発明に係る壁面パネルは、取付金具が壁面パネルを貫通して表側に現れる従来技術に係る壁面パネルと異なり、壁面パネルや建築物の美観を損なうことはない。また、枠体と中桟を取り付けた本発明に係る壁面パネルは、雨水が取付金具を伝わって躯体面側に浸入することはない。
(C)ボルトと複数の錠止片からなる前記取付金具は、積層複合材に形成した円形開口部から複数の錠止片を投入し、これらの錠止片を組み合わせるだけでボルトおよび各錠止片を積層複合材に固定できる構造である。したがって、本発明に係る壁面パネルは、枠体や中桟の取付作業が極めて容易である。
(D)ボルトと複数の錠止片からなる前記取付金具は、積層複合材に形成した円形開口部から投入した複数の錠止片を、円形開口部より大径の円柱状空間に張り出させて各錠止片およびボルトを錠止する構造である。したがって、ボルトを積層複合材に強固に固定することができる。これにより、枠体や中桟をパネル部に強固に固定することができ、壁面パネルの躯体面への取付強度を十分に確保することができる。
(E)すなわち、ボルトと複数の錠止片からなる本発明特有の取付金具を採用する本発明に係る壁面パネルは、樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材の性能を最大限に発揮する画期的な壁面パネルであり、建築業界、パネル業界に与える経済的効用は極めて甚大である。
以下、図1〜図17を参照して、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本発明に係る外装壁用の壁面パネルの一例を示す模式図、図2は図1のA−A断面図、図3は図1のB−B断面図である。図1〜図3に示すように外装壁用として使用される本発明に係る壁面パネル1は、芯材となる樹脂の表面と裏面に金属板を固着した積層複合材11からなるパネル部に枠体7と中桟8を取り付けた構造であり、前記枠体7や中桟8をパネル部に取り付けるための取付金具2を積層複合材11の内部に固定した構造である。なお、内装壁用の場合には枠体7を取り付けないのが一般的であるが、枠体7を取り付けても構わない。
(本発明に係る壁面パネルで採用する取付金具の第1の実施例)
図4は、枠体7や中桟8をパネル部に取り付けるための取付金具2の第1の実施例を示す模式図であり、この例においてはボルト31と、当該ボルト31を積層複合材11に固定する第1の錠止片41、第2の錠止片42、第3の錠止片43、および第4の錠止片44とから構成される。図5は、このような第1〜第4の錠止片を用いる取付金具2の積層複合材11への固定方法を示す説明図であり、以下、これに沿って説明する。
まず、積層複合材11の裏面の金属板14を切削して、中桟8が固定される裏面の金属板14の所定の位置に、そして、外装壁用として本発明に係る壁面パネル1を使用する場合には、枠体7が固定される裏面の金属板14の周縁に沿った位置に、直径が20〜30mm程度の円形開口部15を複数形成する。
次いで、裏面の金属板14の切削によって露出した下層の樹脂12を切削して、樹脂12に円形開口部15と同心かつ前記円形開口部15の径より大径の円柱状空間16を形成する。例えば、直径が40〜50mm程度の円柱状空間16を形成する。
壁面パネル1の裏面側に円形開口部15と円柱状空間16を形成し、当該円柱状空間16に取付金具2を埋め込むのは、従来技術に係る壁面パネルのように取付金具が壁面パネルを貫通して表側に現れると、壁面パネルや建築物の美観を大きく損ない、また、外装壁用として使用する場合には雨水が取付金具を伝わって躯体面側に浸入する問題が発生するからである。
また、芯材となる樹脂12に円形開口部15の径より大径の円柱状空間16を形成するのは、換言すると円形開口部15の径を円柱状空間16の径より小径とするのは、円形開口部15から投入した第2〜第3の錠止片を円柱状空間16に張り出させて、これより小径の円形開口部15から抜け出ないように固定するためである。また、円形開口部15から投入した各錠止片が円形開口部15から容易に抜け出ないので作業しやすくなる効果も得られる。
裏面の金属板14ならびにその下層の樹脂12を切削する機械器具については特に問わないが、例えば、マシニングセンタを用いることができる。
次いで、形成された円形開口部15から円柱状空間16の中にボルト31と第1の錠止片41を投入する。第1の錠止片41にはボルト31を挿通する貫通孔52が形成されているので、ボルトを立設する作業は容易である。すなわち、貫通孔52にボルト31を挿通して円柱状空間の底面17上に載置するだけで、円柱状空間16の軸心と同一方向の軸心で、ボルト頭部32を円柱状空間の底面17に当接させて、ボルト軸部33を円形開口部15から突出させることができる。ボルト頭部32を円柱状空間の底面17に当接させることにより、また、円柱状空間16の軸心と同一方向の軸心でボルト31を立設することにより、積層複合材11にボルト31を強固に固定することができる。したがって、枠体7や中桟8をパネル部に強固に固定でき、これにより壁面パネル1の躯体面への取付強度を十分に確保することができる。
第1の錠止片41の形状としては、三角形、四角形、台形、星型、弓形等、特に限定されるものではないが、円形、楕円、長円形、歪んだ円形、および図4に示すように円周の一部をカットした形状等の略円形とするのが望ましい。
第1の錠止片41の形状をこのような略円形とすることにより、(a)開口部形状が円形である円形開口部15から投入しやすい、(b)底面形状が円形である円柱状空間の底面17上に載置しやすい、(c)丸みを帯びているので手になじんで扱いやすい、(d)この上に載置する第2〜第4の錠止片との接触面積を大きくできるので作業をしやすい、(e)同様に、第2〜第4の錠止片との接触面積を大きくできるので、積層複合材11にボルト31を強固に固定でき、したがって、枠体7や中桟8をパネル部に強固に固定することができ、これにより壁面パネル1の躯体面への取付強度を十分に確保できる等の効果が得られる。
前記したように第1の錠止片41の形状としては特に限定されるものではないが、第1の錠止片41の形状を略円形とする場合は、当該略円形の重心に貫通孔52を形成するのが望ましい。貫通孔52が第1の錠止片41の重心に位置するので、貫通孔52にボルト31を挿通させた第1の錠止片41を円柱状空間の底面17の中心に載置するだけで、ボルト31の軸心と円柱状空間16の軸心を容易に一致させることができる。ボルト31の軸心と円柱状空間16の軸心が一致すると、積層複合材11にボルト31を固定したときの強度が増し、したがって、枠体7や中桟8をパネル部に強固に固定でき、これにより壁面パネル1の躯体面への取付強度を十分に確保できる効果が得られる。
次いで、円形開口部15から円柱状空間16の中に第2の錠止片42を投入し、円柱状空間の底面17上に載置した第1の錠止片41の上に第2の錠止片42を載置するとともに、裏面の金属板14、第1の錠止片41および円柱状空間の側面19によって形成される間隙21に、第2の錠止片42を挿入して嵌め合わせる。すなわち、第1の錠止片41の上に載置した第2の錠止片42を円柱状空間の側面19方向にスライドさせて、裏面の金属板14と第1の錠止片41とで挟まれる間隙21に嵌合させる。
同様に、円形開口部15から円柱状空間16の中に第3の錠止片43を投入し、円柱状空間の底面17上に載置した第1の錠止片41の上に第3の錠止片43を載置するとともに、第2の錠止片42を挿嵌した間隙21と離反する方向の裏面の金属板14、第1の錠止片41および円柱状空間の側面19によって形成される間隙21に、第3の錠止片43を挿入して嵌め合わせる。すなわち、第1の錠止片41の上に載置した第3の錠止片43を、第2の錠止片42をスライドした方向とは反対方向となる円柱状空間の側面19方向にスライドさせて、裏面の金属板14と第1の錠止片41とで挟まれる間隙21に嵌合させる。
第2の錠止片42と第3の錠止片43の板厚については、第2の錠止片42と第3の錠止片43は各々、裏面の金属板14、第1の錠止片41および円柱状空間の側面19によって形成される間隙21に挿嵌されて固定されるので、円柱状空間の高さ18から第1の錠止片41の板厚を差し引いた板厚である。このような板厚とすることにより、ボルト31、第1の錠止片41、第2の錠止片42、および第3の錠止片43をしっかりと円柱状空間16に固定することができる。好ましくは、第1〜第3の錠止片の板厚を揃えるのが望ましい。製造上の観点からも、また、各錠止片の強度を揃えることによって取付金具2全体としての信頼性向上も図れる。
第2の錠止片42と第3の錠止片43の形状としては、三角形、四角形、台形、星型、円形等、特に限定されるものではないが、弓形、半円形、および図4に示すように完全な弓形ではないが形状の一部に弧を有する形状等の略弓形とするのが望ましい。
第2の錠止片42と第3の錠止片43の形状をこのような略弓形とすることにより、(a)開口部形状が円形である円形開口部15から投入しやすい、(b)望ましい形状が略円形である第1の錠止片41の上に載置しやすい、(c)弧側が丸みを帯びているので手になじんで扱いやすい、(d)望ましい形状が略円形である第1の錠止片41との接触面積を大きくできるので作業をしやすい、(e)同様に、第1の錠止片41との接触面積を大きくできるので、積層複合材11にボルトを強固に固定でき、したがって、枠体7や中桟8をパネル部に強固に固定でき、これにより壁面パネル1の躯体面への取付強度を十分に確保できる、(f)弧側を前記間隙21に挿嵌すると円柱状空間16に張り出す面積を大きくできるので、すなわち、円柱状空間16に広い範囲に亘って張り出すことができるので積層複合材11にボルトを強固に固定でき、したがって、枠体7や中桟8をパネル部に強固に固定でき、これにより壁面パネル1の躯体面への取付強度を十分に確保できる、(g)弦側は直線状なので、各々の弦側の間に形成される間隙に第4の錠止片44を嵌合しやすい等の効果が得られる。
また、図4に示すように、第2の錠止片42と第3の錠止片43の少なくとも一方にガイド孔50を形成することが望ましい。裏面の金属板14、第1の錠止片41および円柱状空間の側面19によって形成される間隙21に、第2の錠止片42と第3の錠止片43を挿嵌しやすくなり、円柱状空間16内部における取付作業が容易となる。なお、図4に示す第2の錠止片42に形成したガイド孔50は、ボルトをガイドするガイド孔と、第1の錠止片41上に形成した突起51をガイドするガイド孔を繋ぎ合わせた形態のものであるが、各々を別々に形成した形態でもよい。また、ガイド孔50ではなくて誘導用の溝を形成したガイド溝でもよい。
次いで、円形開口部15から円柱状空間16の中に第4の錠止片44を投入し、第2の錠止片42と第3の錠止片43を相互に離反する方向の間隙21に挿嵌したことによって第1の錠止片41上に形成される間隙に、第4の錠止片44を嵌め合わせる。換言すると、第2の錠止片42と第3の錠止片43を円柱状空間16に張り出したことによって第1の錠止片41上に形成される間隙に、第4の錠止片44を嵌め合わせる。これにより、ボルト31、第1の錠止片41、第2の錠止片42、第3の錠止片43、および第4の錠止片44からなる取付金具2の固定作業は完了であり、枠体7や中桟8をパネル部に取り付けるためのボルト31を強固に積層複合材11に固定することができる。
第4の錠止片44の形状としては、三角形、四角形、台形、星型、円形、弓形等、特に限定されるものではない。第4の錠止片44の役割は、円柱状空間16に張り出した第2〜第3の錠止片の状態を自らの形状によって係止して、ボルト31、第1〜第3の錠止片、および自らを円柱状空間16に錠止することにある。したがって、第2の錠止片42と第3の錠止片43の間にしっかりと嵌め合わせることができ、第2の錠止片42と第3の錠止片43が動かないようにしっかりと固定できるものであれば、第4の錠止片44の形状は問わない。
第4の錠止片44の板厚については、前記したように第4の錠止片44の役割は、円柱状空間16に張り出した第2〜第3の錠止片の状態を自らの形状によって係止することにあるから、第2〜第3の錠止片の板厚よりも薄いのは好ましくなく、第2〜第3の錠止片の板厚より厚くするのが望ましい。より好ましくは第1〜第4の錠止片の板厚を揃えるのが望ましい。製造上の観点からも、また、各錠止片の強度を揃えることによって取付金具2全体としての信頼性向上も図れる。
以上説明した取付金具2の第1の実施例は、ボルト31と、第1の錠止片41、第2の錠止片42、第3の錠止片43、および第4の錠止片44からなる取付金具であるが、図4に示すように、ボルト31を挿通する貫通孔が形成され、円形開口部15と同径または大径の押さえプレート49を、円形開口部15に被せてもよい。これにより、第1〜第4の錠止片をより強固に積層複合材11に固定できるので、積層複合材11にボルト31を強固に固定することができる。したがって、枠体7や中桟8をパネル部に強固に固定することができ、これにより壁面パネル1の躯体面への取付強度を十分に確保することができる。
図6(a)は、ボルト31、第1の錠止片41、第2の錠止片42、第3の錠止片43、第4の錠止片44、および押さえプレート49を組み合わせた状態を示す平面図であり、図6(b)は、前記平面図のA−A断面図である。なお、図6(a)においては、押さえプレート49の図示を省略している。
第1〜第4の錠止片および押さえプレート49の材質としては、プラスチック、強化プラスチック、鉄および鉄を主成分とする鋼、アルミニウム、亜鉛、銅、チタン等の非鉄金属等、特に限定されるものではないが、壁面パネル1に求められる耐食性、耐久性等の観点からステンレス鋼を用いるのが望ましい。ボルト31の材質についても、耐食性、耐久性等の観点からステンレスを用いるのが望ましい。
(本発明に係る壁面パネルで採用する取付金具の第2の実施例)
次に、枠体7や中桟8をパネル部に取り付けるための取付金具2の第2の実施例を説明する。この例における取付金具2は、ボルト31と、当該ボルト31を積層複合材11に固定する第5の錠止片45、および第6の錠止片46とから構成される。図7は、このような第5〜第6の錠止片を用いる取付金具2の積層複合材11への固定方法を示す説明図であり、以下、これに沿って説明する。
まず、積層複合材11の裏面の金属板14を切削して、中桟8が固定される裏面の金属板14の所定の位置に、そして、外装壁用として本発明に係る壁面パネル1を使用する場合には、枠体7が固定される裏面の金属板14の周縁に沿った位置に、直径が20〜30mm程度の円形開口部15を複数形成する。
次いで、裏面の金属板14の切削によって露出した下層の樹脂12を切削して、樹脂12に円形開口部15の径より大径の円柱状空間16を形成する。例えば、直径が40〜50mm程度の円柱状空間16を形成する。円形開口部15と円柱状空間16との相対的な位置関係については、図7に示すように円形開口部15の軸心と円柱状空間16の軸心とが一致しなくともよいし、一致させてもよい。
図7は互いの軸心が一致しない場合の一例であり、第5の錠止片45が円柱状空間16に張り出す面積が最大となるように、反対に第6の錠止片が円柱状空間16に張り出す面積が最小となるように円柱状空間16を形成した場合の図である。すなわち、この例においては、図7のA−A線断面図に示すように、裏面の金属板14、円柱状空間の側面19、および円柱状空間の底面17によって形成される右側の凹部が最大の深さとなるのに対し、A−A線断面の左側には当該凹部が形成されない。そして、最大の深さを有する右側の凹部には第5の錠止片45が挿嵌され、円柱状空間16に大きく張り出し、凹部が形成されない左側の部位においては第6の錠止片46と樹脂12とが接触して、第6の錠止片46は円柱状空間には張り出さない。
換言すると、この例においては、裏面の金属板14、円柱状空間の側面19および円柱状空間の底面17によって形成される凹部に第5の錠止片45が挿嵌され、当該第5の錠止片45が前記凹部に挿嵌されることによって円柱状空間の底面17上に形成される間隙に第6の錠止片46が嵌合される。
壁面パネル1の裏面側に円形開口部15と円柱状空間16を形成し、当該円柱状空間16に取付金具2を埋め込むのは、従来技術に係る壁面パネルのように取付金具が壁面パネルを貫通して表側に現れると、壁面パネルや建築物の美観を大きく損ない、また、外装壁用として使用する場合には雨水が取付金具を伝わって躯体面側に浸入する問題が発生するからである。
また、芯材となる樹脂12に円形開口部15の径より大径の円柱状空間16を形成するのは、換言すると円形開口部15の径を円柱状空間16の径より小径とするのは、円形開口部15から投入した第5の錠止片45を円柱状空間16に張り出させて、これより小径の円形開口部15から抜け出ないように固定するためである。また、円形開口部15から投入した各錠止片が円形開口部15から容易に抜け出ないので作業しやすくなる効果も得られる。
裏面の金属板14ならびにその下層の樹脂12を切削する機械器具については特に問わないが、例えば、マシニングセンタを用いることができる。
次いで、形成された円形開口部15から円柱状空間16の中にボルト31と第5の錠止片45を投入する。第5の錠止片45にはボルト31を挿通する貫通孔52が形成されているので、ボルトを立設する作業は容易である。すなわち、貫通孔52にボルト31を挿通して円柱状空間の底面17上に載置するだけで、円柱状空間16の軸心と同一方向の軸心で、ボルト頭部32を円柱状空間の底面17に当接させて、ボルト軸部33を円形開口部15から突出させることができる。ボルト頭部32を円柱状空間の底面17に当接させることにより、また、円柱状空間16の軸心と同一方向の軸心でボルト31を立設することにより、積層複合材11にボルト31を強固に固定することができる。したがって、枠体7や中桟8をパネル部に強固に固定でき、これにより壁面パネル1の躯体面への取付強度を十分に確保することができる。
次いで、ボルト31を挿通した第5の錠止片45を、裏面の金属板14、円柱状空間の側面19および円柱状空間の底面17によって形成される凹部22に挿入して嵌め合わせる。すなわち、第5の錠止片45を円柱状空間の側面19方向にスライドさせて、裏面の金属板14と円柱状空間の底面17とで挟まれる凹部22に嵌合させる。図7に示すように円形開口部15に対して偏心した円柱状空間16を形成した場合には、第5の錠止片45が大きく円柱状空間16に張り出すことができるので、ボルト31を挿通した第5の錠止片45を強固に円柱状空間16に固定することができる。したがって、枠体7や中桟8をパネル部に強固に固定でき、これにより壁面パネル1の躯体面への取付強度を十分に確保することができる。
第5の錠止片45の板厚については、第5の錠止片45は、裏面の金属板14、円柱状空間の側面19および円柱状空間の底面17によって形成される凹部22に挿嵌されて固定されるので、円柱状空間の高さ18と同じ板厚である。円柱状空間の高さ18と同じ板厚とすることにより、ボルト31と第5の錠止片45をしっかりと円柱状空間16に固定することができる。
第5の錠止片45の形状としては、三角形、四角形、台形、星型、弓形等、特に限定されるものではないが、円形、楕円、長円形、歪んだ円形、および円周の一部をカットした形状等の略円形とするのが望ましい。
第5の錠止片45の形状をこのような略円形とすることにより、(a)開口部形状が円形である円形開口部15から投入しやすい、(b)底面形状が円形である円柱状空間の底面17上に載置しやすい、(c)丸みを帯びているので手になじんで扱いやすい、(d)裏面の金属板14、円柱状空間の側面19および円柱状空間の底面17によって形成される凹部22との接触面積を大きくできるので、すなわち、円柱状空間16に広い範囲に亘って張り出すことができるので積層複合材11にボルト31を強固に固定でき、したがって、枠体7や中桟8をパネル部に強固に固定でき、これにより壁面パネル1の躯体面への取付強度を十分に確保できる等の効果が得られる。
前記したように第5の錠止片45の形状としては特に限定されるものではないが、第5の錠止片45の形状を略円形とする場合は、当該略円形の重心から偏心する位置に貫通孔52を形成するのが望ましい。略円形の重心から偏心する位置に貫通孔52を形成することにより、第5の錠止片45を裏面の金属板14、円柱状空間の側面19および円柱状空間の底面17によって形成される凹部22に挿嵌したときに、ボルト31の軸心と円柱状空間16の軸心を容易に一致させることができる。ボルトの軸心と円柱状空間16の軸心が一致すると、積層複合材11にボルト31を固定したときの強度が増し、したがって、枠体7や中桟8をパネル部に強固に固定でき、これにより壁面パネル1の躯体面への取付強度を十分に確保できる。
もっとも、図7に示すように第5の錠止片45が円柱状空間16に張り出す面積が最大となるように、反対に第6の錠止片が円柱状空間16に張り出す面積が最小となるように円柱状空間16を形成した場合には、図7に示すように第5の錠止片45の重心位置に貫通孔52を形成してもよい。前記したように貫通孔52にボルト31を挿通した第5の錠止片は、裏面の金属板14、円柱状空間の側面19および円柱状空間の底面17によって形成される凹部22に挿嵌されるので、この場合には、ボルト31の軸心と円柱状空間16の軸心とは一致しないが、第5の錠止片45が円柱状空間16に大きく張り出すことができるので、積層複合材11にボルト31を強固に固定することができる。したがって、枠体7や中桟8をパネル部に強固に固定でき、これにより壁面パネル1の躯体面への取付強度を十分に確保できる。
次いで、円形開口部15から円柱状空間16の中に第6の錠止片46を投入し、第5の錠止片45が凹部22に挿嵌されることによって前記円柱状空間の底面17上に形成される間隙に、第6の錠止片46を嵌め合わせる。これにより、ボルト31、第5の錠止片45、および第6の錠止片46からなる取付金具2の固定作業は完了であり、第6の錠止片46を嵌め合わせることにより、ボルト31、第5の錠止片45および第6の錠止片46自らが円柱状空間16に錠止して固定される。したがって、枠体7や中桟8をパネル部に取り付けるためのボルト31を強固に積層複合材11に固定することができる。
第6の錠止片46の形状としては、三角形、四角形、台形、星型、円形、弓形等、特に限定されるものではないが、三日月形、アーチ形、および完全な三日月形ではないが、外側に向かって凸の弧と凹の弧を有する形状等の略三日月形とするのが望ましい。第6の錠止片46の形状をこのような略三日月形とすることにより、(a)開口部形状が円形である円形開口部15から投入しやすい、(b)第5の錠止片45の望ましい形状が略円形であるので、第5の錠止片45と嵌合しやすい等の効果が得られる。
第6の錠止片46の板厚については、第6の錠止片46の役割は、円柱状空間16に張り出した第5の錠止片45の状態を自らの形状によって係止することにあるから、第5の錠止片45の板厚よりも薄いのは好ましくない。第6の錠止片46の板厚を、第5の錠止片45の板厚と揃えて円柱状空間の高さ18とした場合には、製造上の観点からも、また、各錠止片の強度を揃えることによって取付金具2全体としての信頼性向上も図れる。あるいは、第6の錠止片46の板厚を、円柱状空間の高さ18に裏面の金属板14の板厚を加えた板厚とした場合には、積層複合材11との接触面積が拡大するので、より強固にボルト31、第5の錠止片45および第6の錠止片46自らを円柱状空間16に錠止して固定することができる。
以上説明した取付金具2の第2の実施例は、ボルト31と、第5の錠止片45、および第6の錠止片46からなる取付金具であるが、図7に示すように、ボルト31を挿通する貫通孔が形成され、円形開口部15と同径または大径の押さえプレート49を、円形開口部15に被せてもよい。これにより、第5〜第6の錠止片をより強固に積層複合材11に固定できるので、積層複合材11にボルト31を強固に固定できる。したがって、枠体7や中桟8をパネル部に強固に固定することができ、これにより壁面パネル1の躯体面への取付強度を十分に確保できる。
図8(a)は、ボルト31、第5の錠止片45、第6の錠止片46、および押さえプレート49を組み合わせた状態を示す平面図であり、図8(b)は、前記平面図のB−B断面図である。なお、図8(a)においては、押さえプレート49の図示を省略している。
図9は第2の実施例の別の形態を示す説明図であり、より具体的には、第5の錠止片45と第6の錠止片46の形状の別の形態を示す説明図である。この例においては、図7で示した第5の錠止片45に凹部を、同じく図7で示した第6の錠止片46に凸部を形成している。このように第5の錠止片45に凹部を、第6の錠止片46にこれに対応する凸部を形成した場合には、第5の錠止片45と第6の錠止片46とがしっかりと嵌合するので、積層複合材11にボルト31を強固に固定することができる。したがって、枠体7や中桟8をパネル部に強固に固定することができ、これにより壁面パネル1の躯体面への取付強度を十分に確保できる。また、この例においては、第6の錠止片46の板厚を、円柱状空間の高さ18に裏面の金属板14の板厚を加えた板厚としている。この場合には、第6の錠止片46と積層複合材11の接触面積が拡大するので、より強固にボルト31、第5の錠止片45および第6の錠止片46自らを円柱状空間16に錠止して固定することができる。
第5〜第6の錠止片および押さえプレート49の材質としては、プラスチック、強化プラスチック、鉄および鉄を主成分とする鋼、アルミニウム、亜鉛、銅、チタン等の非鉄金属等、特に限定されるものではないが、壁面パネル1に求められる耐食性、耐久性等の観点からステンレス鋼を用いるのが望ましい。ボルト31の材質についても、耐食性、耐久性等の観点からステンレスを用いるのが望ましい。
(本発明に係る壁面パネルで採用する取付金具の第3の実施例)
次に、枠体7や中桟8をパネル部に取り付けるための取付金具2の第3の実施例を説明する。この例における取付金具2は、ボルト31と、当該ボルト31を積層複合材11に固定する第7の錠止片47、および第8の錠止片48とから構成される。図10は、このような第7〜第8の錠止片を用いる取付金具2の積層複合材11への固定方法を示す説明図であり、以下、これに沿って説明する。
まず、積層複合材11の裏面の金属板14を切削して、中桟8が固定される裏面の金属板14の所定の位置に、そして、外装壁用として本発明に係る壁面パネル1を使用する場合には、枠体7が固定される裏面の金属板14の周縁に沿った位置に、直径が20〜30mm程度の円形開口部15を複数形成する。
次いで、裏面の金属板14の切削によって露出した下層の樹脂12を切削して、樹脂12に円形開口部15と同心かつ前記円形開口部15の径より大径の円柱状空間16を形成する。例えば、直径が40〜50mm程度の円柱状空間16を形成する。
壁面パネル1の裏面側に円形開口部15と円柱状空間16を形成し、当該円柱状空間16に取付金具2を埋め込むのは、従来技術に係る壁面パネルのように取付金具が壁面パネルを貫通して表側に現れると、壁面パネルや建築物の美観を大きく損ない、また、外装壁用として使用する場合には雨水が取付金具を伝わって躯体面側に浸入する問題が発生するからである。
また、芯材となる樹脂12に円形開口部15の径より大径の円柱状空間16を形成するのは、換言すると円形開口部15の径を円柱状空間16の径より小径とするのは、円形開口部15から投入した第7〜第8の錠止片を円柱状空間16に張り出させて、これより小径の円形開口部15から抜け出ないように固定するためである。また、円形開口部15から投入した各錠止片が円形開口部15から容易に抜け出ないので作業しやすくなる効果も得られる。
裏面の金属板14ならびにその下層の樹脂12を切削する機械器具については特に問わないが、例えば、マシニングセンタを用いることができる。
次いで、形成された円形開口部15から円柱状空間16の中にボルト31と第7の錠止片47を投入する。第7の錠止片47にはボルト31を挿通する貫通孔52が形成されているので、ボルトを立設する作業は容易である。すなわち、貫通孔52にボルト31を挿通して円柱状空間の底面17上に載置するだけで、円柱状空間16の軸心と同一方向の軸心で、ボルト頭部32を円柱状空間の底面17に当接させて、ボルト軸部33を円形開口部15から突出させることができる。ボルト頭部32を円柱状空間の底面17に当接させることにより、また、円柱状空間16の軸心と同一方向の軸心でボルト31を立設することにより、積層複合材11にボルト31を強固に固定することができる。したがって、枠体7や中桟8をパネル部に強固に固定でき、これにより壁面パネル1の躯体面への取付強度を十分に確保することができる。
第7の錠止片47の形状としては、三角形、四角形、台形、星型、弓形等、特に限定されるものではないが、円形、楕円、長円形、歪んだ円形、および円周の一部をカットした形状等の略円形とするのが望ましい。第7の錠止片47の形状をこのような略円形とすることにより、(a)開口部形状が円形である円形開口部15から投入しやすい、(b)底面形状が円形である円柱状空間の底面17上に載置しやすい、(c)丸みを帯びているので手になじんで扱いやすい、(d)この上に載置する第8の錠止片48との接触面積を大きくできるので作業をしやすい、(e)同様に、第8の錠止片48との接触面積を大きくできるので、積層複合材11にボルト31を強固に固定でき、したがって、枠体7や中桟8をパネル部に強固に固定することができ、これにより壁面パネル1の躯体面への取付強度を十分に確保できる、(f)円柱状空間16に深く張り出せるので積層複合材11にボルトを強固に固定でき、したがって、枠体7や中桟8をパネル部に強固に固定でき、これにより壁面パネル1の躯体面への取付強度を十分に確保できる等の効果が得られる。
さらに、第7の錠止片47の形状としては、裏面の金属板14、円柱状空間の側面19および円柱状空間の底面17によって形成される凹部22に挿嵌される部位にフランジ部53を形成するのが望ましい。図10に示す第7の錠止片47において、裏面の金属板14、円柱状空間の側面19および円柱状空間の底面17によって形成される凹部22に挿嵌される部位がフランジ部53、円柱状空間の底面17に当接する部位が底部54、そして、フランジ部53と底部54の間に形成される部位が側壁部55である。なお、前記したボルト31を挿通する貫通孔52は、ボルト頭部32を円柱状空間の底面17に当接させるため、第7の錠止片47の底部54に形成する。
さらに望ましくは、図10に示すように第7の錠止片47を前記凹部22に挿入したときにフランジ部53の上面が裏面の金属板14に当接することが望ましい。すなわち、円柱状空間の底面17からフランジ部53の上面までの高さを、円柱状空間の高さ18と一致させるのが望ましい。この場合には、凹部22に挿嵌されたフランジ部53は、その上面を裏面の金属板14によって、その側面を円柱状空間の側面19によってしっかりと凹部22に固定することができる。
次いで、ボルト31を挿通した第7の錠止片47を、裏面の金属板14、円柱状空間の側面19および円柱状空間の底面17によって形成される凹部22に挿入して嵌め合わせる。すなわち、第7の錠止片47を円柱状空間の側面19方向にスライドさせて、裏面の金属板14と円柱状空間の底面17とで挟まれる凹部22にフランジ部53を嵌合させる。換言すると、フランジ部53を円柱状空間16に張り出させて固定する。
次いで、円形開口部15から円柱状空間16の中に第8の錠止片48を投入し、円柱状空間に張り出して固定された第7の錠止片47の上に第8の錠止片48を載置する。なお、第8の錠止片48にはボルト31を挿通するガイド孔50が形成されているので、当該ガイド孔50に第7の錠止片47によって立設されたボルト31を挿通して、第7の錠止片47の上に載置する。
次いで、第7の錠止片47の挿嵌方向と離反する方向の間隙であって、裏面の金属板14、第7の錠止片47および円柱状空間の側面19によって形成される間隙に、第8の錠止片48を挿入して嵌め合わせる。すなわち、第7の錠止片47の上に載置した第8の錠止片48を、第7の錠止片47をスライドした方向とは反対方向となる円柱状空間の側面19方向にスライドさせて、裏面の金属板14と第7の錠止片47とで挟まれる間隙に嵌合させる。これにより、ボルト31、第7の錠止片47、および第8の錠止片48からなる取付金具2の固定作業は完了であり、第8の錠止片48を嵌め合わせることにより、ボルト31、第7の錠止片47および第8の錠止片48自らが円柱状空間16に錠止して固定される。したがって、枠体7や中桟8をパネル部に取り付けるためのボルト31を強固に積層複合材11に固定することができる。
第8の錠止片48の板厚については、第8の錠止片48は裏面の金属板14、第7の錠止片47および円柱状空間の側面19によって形成される間隙21に挿嵌されて固定されるので、円柱状空間の高さ18から第7の錠止片47の底部54の板厚を差し引いた板厚である。このような板厚とすることにより、ボルト31、第7の錠止片47、および第8の錠止片48自らをしっかりと円柱状空間16に固定することができる。
第8の錠止片48の形状としては、三角形、四角形、台形、星型、弓形等、特に限定されるものではないが、円形、楕円、長円形、歪んだ円形、および円周の一部をカットした形状等の略円形とするのが望ましい。第8の錠止片48の形状をこのような略円形とすることにより、(a)開口部形状が円形である円形開口部15から投入しやすい、(b)望ましい形状が略円形である第7の錠止片47の上に載置しやすい、(c)丸みを帯びているので手になじんで扱いやすい、(d)望ましい形状が略円形である第7の錠止片47との接触面積を大きくできるので作業をしやすい、(e)同様に、第7の錠止片47との接触面積を大きくできるので、積層複合材11にボルト31を強固に固定でき、したがって、枠体7や中桟8をパネル部に強固に固定することができ、これにより壁面パネル1の躯体面への取付強度を十分に確保できる、(f)円柱状空間16に広い範囲に亘って張り出すことができるので積層複合材11にボルトを強固に固定でき、したがって、枠体7や中桟8をパネル部に強固に固定でき、これにより壁面パネル1の躯体面への取付強度を十分に確保できる等の効果が得られる。
前記したように第8の錠止片48には、第7の錠止片47によって立設されたボルト31を挿通するガイド孔50を形成する。第7の錠止片47の上に載置した第8の錠止片48を当該ガイド孔50に沿ってスライドさせることにより、裏面の金属板14、第7の錠止片47および円柱状空間の側面19によって形成される間隙21に第8の錠止片48を挿嵌することが可能となる。なお、図10に示すガイド孔50は、第8の錠止片48が円柱状空間16に張り出すにしたがってガイド幅が狭くなり、第8の錠止片48が円柱状空間の側面19に到達したときにボルト31の径と同じガイド幅となるガイド孔50であるが、これに限定されるものではなく、ガイド幅が常にボルト31の径と同じとなるオーバル形でもよい。
以上説明した取付金具2の第3の実施例は、ボルト31と、第7の錠止片47、および第8の錠止片48からなる取付金具であるが、図10に示すように、ボルト31を挿通する貫通孔が形成され、円形開口部15と同径または大径の押さえプレート49を、円形開口部15に被せてもよい。これにより、第7〜第8の錠止片をより強固に積層複合材11に固定できるので、積層複合材11にボルト31を強固に固定できる。したがって、枠体7や中桟8をパネル部に強固に固定することができ、これにより壁面パネル1の躯体面への取付強度を十分に確保できる。
図11(a)は、ボルト31、第7の錠止片47、第8の錠止片48、および押さえプレート49を組み合わせた状態を示す平面図であり、図11(b)は、前記平面図のC−C断面図である。なお、図11(a)においては、押さえプレート49の図示を省略している。
第7〜第8の錠止片および押さえプレート49の材質としては、プラスチック、強化プラスチック、鉄および鉄を主成分とする鋼、アルミニウム、亜鉛、銅、チタン等の非鉄金属等、特に限定されるものではないが、壁面パネル1に求められる耐食性、耐久性等の観点からステンレス鋼を用いるのが望ましい。ボルト31の材質についても、耐食性、耐久性等の観点からステンレスを用いるのが望ましい。
以上説明した第1〜第3の実施例に係る取付金具2は、積層複合材11に形成した円形開口部15から複数の錠止片を投入し、これらの錠止片を組み合わせるだけでボルト31および各錠止片を積層複合材11に固定できる構造であるため、枠体7や中桟8の取付作業が極めて容易である。また、第1〜第3の実施例に係る取付金具2は、積層複合材11に形成した円形開口部15から投入した複数の錠止片を、円形開口部15より大径の円柱状空間16に張り出させて各錠止片およびボルトを錠止する構造であるため、ボルト31を積層複合材11に強固に固定することができる。したがって、枠体7や中桟8をパネル部に強固に固定することができ、壁面パネル1の躯体面3への取付強度を十分に確保することができる。
次に、本発明に係る壁面パネル1のパネル素材である積層複合材11について説明する。前記したように当該積層複合材11は、芯材となる樹脂12の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材11で、裏面の金属板14の所定の位置に直径が20〜30mm程度の円形開口部15を複数形成し、その下層の樹脂12に直径が40〜50mm程度の円柱状空間16を形成した積層複合材11である。また、積層複合材11のサイズは、幅が2〜4m程度、高さが0.8〜1.2m程度の一般的なものであるが、これに限定されるものではない。
パネル部の素材として用いる積層複合材11としては、パネル用素材として市販されている種々のものを用いることができる。例えば、不燃性の無機フィラーを混入したポリオレフィン系樹脂を主成分とする厚さ2〜5mm程度の樹脂12、あるいは、厚さ2〜5mm程度のソリッドプラスチック板や発泡プラスチック板等を芯材として、その表面と裏面に板厚0.3〜0.5mm程度のアルミニウム板を固着したアルミ積層複合材を用いることができる。
また、金属板としてチタンやステンレス鋼を使用するチタン積層複合材やステンレス積層複合材を用いる場合には、アルミ積層複合材よりも優れた耐食性を発揮することができる。なお、経済性がより重視される場合には鋼板を使用することもできる。また、表面と裏面の金属板には異なる素材の金属板を用いることもできるが、膨張率の差に起因する歪や捻れ等が発生するおそれがあるので、表面と裏面には同素材の金属板を用いるのが好ましい。
次に、ボルト31を挿通して積層複合材11の裏面周縁に固定される枠体7について説明する。枠体7には図1〜図3に示すようにボルト31を挿通する貫通孔が複数形成されており、当該形成された貫通孔にボルト31を挿通してナットを締めることにより、積層複合材11の裏面周縁に枠体7が固定される。前記したようにパネル取り付けの作業現場、特に外装壁の作業現場においては取付作業の容易化、工期短縮等が喫緊の課題となっているところ、本発明に係る壁面パネル1を外装壁として使用する場合には、積層複合材11からなるパネル部の裏面周縁に枠体7を取り付けておき、当該枠体7を下地材4にビス止めすることにより、パネル取付作業の容易化が図られる。また、パネル部の裏面周縁に枠体7を取り付けることにより、壁面パネル1に求められる高剛性が向上し、躯体面3への取付強度も増大できる。
なお、内装壁として本発明に係る壁面パネル1を使用する場合には、風雨に晒されることのない屋内空間が作業現場であり、また屋内への取り付けとなることから、外装壁用パネルほどは作業効率の向上とパネルの高剛性や取付強度は求められない。このため、内装壁として本発明に係る壁面パネル1を使用する場合には、必ずしもパネル部の裏面周縁に枠体7を取り付ける必要がない。
枠体7の材質については特に限定されるものではないが、壁面パネル1に求められる耐食性、耐久性等の観点からはステンレスを用いるのが望ましい。また、壁面パネル1に求められる軽量性、加工性等の観点からはアルミニウムを用いるのが望ましい。
図12は外装壁の施工例を示す模式図であり、施工した壁面パネル1の右方から見た断面図である。同じく、図13は外装壁の施工例を示す模式図であり、施工した壁面パネル1の上方から見た断面図である。この例においてはアンカー5によって建築物の躯体面3に下地材4が取り付けられており、下地材4に枠体7をビス止めすることによって壁面パネル1を躯体面3に固定している。なお、躯体面3への雨水侵入を阻止するために、壁面パネル1と壁面パネル1との間にシール9を施している。
外装壁として取り付けられる壁面パネルには水密性が要求されるところ、躯体面3への雨水侵入を阻止する観点からは、図12〜図13に示すように、積層複合材11の裏面周縁に固定される枠体7と積層複合材11の間、かつ、枠体7を積層複合材11に固定するボルト31より外側の部位に、止水材10を備えることが望ましい。なお、止水材としては特に限定されるものではないが、例えばブチルを用いることができる。
図14は従来技術に係る壁面パネルにおける止水材10の配置を示す模式図である。この例においては、本発明に係る壁面パネル1と同様に、パネル部に枠体7を取り付け、当該枠体7を下地材4にビス止めすることによって躯体面3に壁面パネル1を固定している。また、本発明に係る壁面パネル1と同様に、枠体7とパネル部の間に止水材10を備えている。
しかし、図14に示す従来技術に係る壁面パネル1においては、枠体7をパネル部に取り付けるための取付金具2が止水材10よりもパネルの縁側に配置されていることから、図14のA点から侵入した雨水は、その裏面上方に位置する取付金具2に浸入してから、その後方に配置された止水材10によって躯体面3への侵入が阻止される構造である。同様に、図14のB点から侵入した雨水は、その裏面下方に位置する取付金具2に浸入してから、その後方に配置された止水材10によって躯体面3への侵入が阻止される構造である。
すなわち、従来技術に係る壁面パネル1は、枠体7をパネル部に取り付けるための取付金具2に雨水が浸入してから、その後方に配置された止水材10によって、はじめて躯体面3への雨水侵入が阻止される構造設計であるため、たとえ防錆性に優れた取付金具を使用したとしても、壁面パネルに要求される水密性を完全に満足できるものではなかった。いったん取付金具に錆が生じてしまうと、パネル部と枠体7との取付強度が低下することから、枠体7によってパネル部に固定されている止水材10は容易にパネル部から剥離し、それ以降は止水材としての役割を果たすことはできない。
これに対して本発明に係る壁面パネル1においては、図12〜図13に示すように、枠体7をパネル部に固定するボルト31より外側の部位に止水材10が配置されているため、図12のC点から侵入しようとする雨水は、止水材10によって浸入を阻止され、その上方に位置する取付金具2に至ることはない。同様に図12のD点から侵入しようとする雨水は、止水材10によって浸入を阻止され、その下方に位置する取付金具2に至ることはない。
図15は内装壁の施工例を示す模式図であり、施工した壁面パネル1の右方から見た断面図である。同じく、図16は内装壁の施工例を示す模式図であり、施工した壁面パネル1の上方から見た断面図である。この例においては、内装壁として本発明に係る壁面パネル1が使用されることから、パネル部の裏面周縁に枠体7が取り付けられていない。なお、内装壁用パネルの場合には、風雨に晒されることのない屋内空間が作業現場であり、また屋内への取り付けとなることから、外装壁用パネルほどは作業効率の向上とパネルの高剛性や取付強度は求められないことから、内装壁として本発明に係る壁面パネル1を使用する場合には、必ずしもパネル部の裏面周縁に枠体7を取り付ける必要がないのであって、枠体7を取り付けても構わない。
図17は建築物の躯体面3に設置される下地材4の一般的な形状を示す説明図であり、(a)は外装壁用、(b)は内装壁用の下地材4を示す断面図である。図7(a)、(b)に示すように建築物の躯体面3に設置される下地材4は、一般にZ形の形状をしており、下地材の先端部分においては刃部65が鉛直方向に突き出している。
外装壁として取り付けられる壁面パネルはもちろんのこと、内装壁として取り付けられる壁面パネルにも取付作業の容易化、工期短縮等が求められるところ、本発明に係る壁面パネル1においては、図12および図15に示すように、積層複合材11の裏面に固定される中桟8と積層複合材11の間に凹部を形成し、当該凹部に建築物の躯体面3に設置された下地材4の刃部65を挿入して、取付作業の容易化を図っている。図12および図15に示すように、中桟8と積層複合材11の間に凹部を形成した壁面パネル1は、鉛直方向に突き出している刃部65に容易に引っ掛けることができるので、刃部65に引っ掛けた壁面パネル1を躯体面に固定する作業は非常に容易である。
中桟8と積層複合材11の間に形成する凹部の構造については特に限定されるものではなく、下地材4の刃部65を受け入れる構造であれば、どのような形態でも構わない。例えば、図12および図15に示す中桟8は、ステンレスやアルミニウム等の薄板を折り曲げ成形して、断面形状を柄の部分と器の部分とからなる柄杓形とし、当該柄の部分にボルト31を挿通する複数の貫通孔を形成し、当該貫通孔にボルト31を挿通してナットを締めて積層複合材11の裏面に固定された中桟8であるが、図12および図15に示すように器の部分の深さを場所によって異ならせることにより、より具体的には柄側の深さよりも下地材4の刃部65が挿入される側の深さを浅くすることにより、中桟8と積層複合材11の間に下地材4の刃部65を受け入れる凹部が形成される。また、図15に示すように器の部分の底の長さを刃部65の長さと一致させれば、壁面パネル1を刃部65に引っ掛けたときの安定度が増して、壁面パネル1を躯体面3に固定する作業がさらに容易となる。
以上説明したように本発明に係る壁面パネル1は、樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材11が備える素材の性能を最大限に発揮する壁面パネルであり、より具体的には美観を損なうことなく十分な取付強度を確保できるとともに、建築物躯体面3への取付作業が容易で現場での施工性に優れる壁面パネルであり、建築業界、パネル業界に与える経済的効用は極めて甚大である。
本発明に係る壁面パネルの一例を示す模式図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 取付金具の第1の実施例を示す模式図である。 第1の実施例の積層複合材への固定方法を示す説明図である。 第1の実施例の組立後の状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)はA−A断面図である。 取付金具の第2の実施例を示す模式図であり、積層複合材への固定方法を示す説明図である。 第2の実施例の組立後の状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)はB−B断面図である。 第2の実施例の別の形態を示す説明図である。 取付金具の第3の実施例を示す模式図であり、積層複合材への固定方法を示す説明図である。 第3の実施例の組立後の状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)はC−C断面図である。 外装壁の施工例を示す模式図であり、パネル右方から見た断面図である。 外装壁の施工例を示す模式図であり、パネル上方から見た断面図である。 従来技術に係る壁面パネルの止水材の配置を示す模式図である。 内装壁の施工例を示す模式図であり、パネル右方から見た断面図である。 内装壁の施工例を示す模式図であり、パネル上方から見た断面図である。 建築物の躯体面に設置される下地材の一般的な形状を示す説明図であり、(a)は外装壁用、(b)は内装壁用の下地材を示す断面図である。 従来技術に係る壁面パネルの取付工法を示す模式図であり、(a)はボルトとナット、(b)はビス、(c)はジョイナー、(d)はリベットを用いた取付工法を示す模式図である。
符号の説明
1 壁面パネル 2 取付金具
3 躯体面 4 下地材
5 アンカー 6 スペーサ
7 枠体 8 中桟
9 シール 10 止水材
11 積層複合材 12 樹脂
13 表面の金属板 14 裏面の金属板
15 円形開口部 16 円柱状空間
17 円柱状空間の底面 18 円柱状空間の高さ
19 円柱状空間の側面
21 間隙 22 凹部
31 ボルト 32 ボルト頭部
33 ボルト軸部 34 目板
41 第1の錠止片 42 第2の錠止片
43 第3の錠止片 44 第4の錠止片
45 第5の錠止片 46 第6の錠止片
47 第7の錠止片 48 第8の錠止片
49 押さえプレート 50 ガイド孔
51 突起 52 貫通孔
53 フランジ部 54 底部
55 側壁部
61 ナット 62 ビス
63 ジョイナー 64 リベット
65 刃部

Claims (9)

  1. 芯材となる樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材で、裏面の金属板に複数の円形開口部が形成され、その下層の樹脂に前記円形開口部の径より大径の円柱状空間が形成された積層複合材からなるパネル部と、
    ボルト頭部を前記円柱状空間の底面に当接して、ボルト軸部を前記円形開口部から突出して立設されるボルトと、
    前記ボルトを挿通する貫通孔が形成され、前記ボルトを挿通して前記円柱状空間の底面上に載置される、板状の第1の錠止片と、
    前記円柱状空間の高さから前記第1の錠止片の板厚を差し引いた板厚であり、前記裏面の金属板、前記第1の錠止片および前記円柱状空間の側面によって形成される間隙に挿嵌される第2の錠止片と、
    前記第2の錠止片と同じ板厚であり、前記第2の錠止片と離反する方向の前記裏面の金属板、前記第1の錠止片および前記円柱状空間の側面によって形成される間隙に挿嵌される第3の錠止片と、
    前記第2の錠止片と第3の錠止片が相互に離反する方向の間隙に挿嵌されることによって前記第1の錠止片上に形成される間隙に嵌合されて、前記ボルト、前記第1の錠止片、第2の錠止片、第3の錠止片および自らを前記円柱状空間に錠止して固定される第4の錠止片と、
    前記ボルトを挿通する貫通孔が複数形成され、前記ボルトを挿通して前記積層複合材の裏面に固定される中桟を備えた壁面パネル。
  2. 前記第1の錠止片が略円形で、当該略円形の重心に形成された貫通孔に前記ボルトを挿通して、前記ボルトの軸心と前記円柱状空間の軸心とが一致するように前記円柱状空間の底面上に載置され、
    前記第2の錠止片と第3の錠止片が各々略弓形で、各々の弦側の間に形成される間隙に前記第4の錠止片が嵌合される請求項1に記載の壁面パネル。
  3. 芯材となる樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材で、裏面の金属板に複数の円形開口部が形成され、その下層の樹脂に前記円形開口部の径より大径の円柱状空間が形成された積層複合材からなるパネル部と、
    ボルト頭部を前記円柱状空間の底面に当接して、ボルト軸部を前記円形開口部から突出して立設されるボルトと、
    前記円柱状空間の高さと同じ板厚であり、前記ボルトを挿通する貫通孔が形成され、前記ボルトを挿通して、前記裏面の金属板、前記円柱状空間の側面および前記円柱状空間の底面によって形成される凹部に挿嵌される第5の錠止片と、
    前記第5の錠止片が前記凹部に挿嵌されることによって前記円柱状空間の底面上に形成される間隙に嵌合されて、前記ボルト、前記第5の錠止片および自らを前記円柱状空間に錠止して固定される第6の錠止片と、
    前記ボルトを挿通する貫通孔が複数形成され、前記ボルトを挿通して前記積層複合材の裏面に固定される中桟を備えた壁面パネル。
  4. 前記第5の錠止片が略円形で、
    前記第6の錠止片が略三日月形である請求項3に記載の壁面パネル。
  5. 芯材となる樹脂の表面と裏面に金属板を固着してなる積層複合材で、裏面の金属板に複数の円形開口部が形成され、その下層の樹脂に前記円形開口部の径より大径の円柱状空間が形成された積層複合材からなるパネル部と、
    ボルト頭部を前記円柱状空間の底面に当接して、ボルト軸部を前記円形開口部から突出して立設されるボルトと、
    前記裏面の金属板、前記円柱状空間の側面および前記円柱状空間の底面によって形成される凹部に挿嵌される部位にフランジ部が、前記円柱状空間の底面に当接する底部に前記ボルトを挿通する貫通孔が、前記フランジ部と前記底部の間に側壁部がそれぞれ形成され、前記ボルトを挿通して、前記裏面の金属板、前記円柱状空間の側面および前記円柱状空間の底面によって形成される凹部に挿嵌される第7の錠止片と、
    前記円柱状空間の高さから前記第7の錠止片の底部の板厚を差し引いた板厚で、前記ボルトを挿通するガイド孔が形成され、前記第7の錠止片の挿嵌方向と離反する方向の間隙であって前記裏面の金属板、前記第7の錠止片および前記円柱状空間の側面によって形成される間隙に挿嵌されて、前記ボルト、前記第7の錠止片および自らを前記円柱状空間に錠止して固定される第8の錠止片と、
    前記ボルトを挿通する貫通孔が複数形成され、前記ボルトを挿通して前記積層複合材の裏面に固定される中桟を備えた壁面パネル。
  6. 前記第7の錠止片と前記第8の錠止片が略円形である請求項5に記載の壁面パネル。
  7. 前記ボルトを挿通する貫通孔が複数形成され、前記ボルトを挿通して前記積層複合材の裏面周縁に固定される枠体を備えた請求項1〜6のいずれか1項に記載の壁面パネル。
  8. 前記積層複合材の裏面周縁に固定される枠体と積層複合材の間、かつ、前記枠体を積層複合材に固定する前記ボルトより外側の部位に、止水材を備えた請求項7に記載の壁面パネル。
  9. 前記積層複合材の裏面に固定される中桟と積層複合材の間に、建築物の躯体面に設置された下地材の刃部を挿入する凹部を備えた請求項1〜8のいずれか1項に記載の壁面パネル。
JP2007037409A 2007-02-19 2007-02-19 壁面パネル Pending JP2008202260A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007037409A JP2008202260A (ja) 2007-02-19 2007-02-19 壁面パネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007037409A JP2008202260A (ja) 2007-02-19 2007-02-19 壁面パネル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008202260A true JP2008202260A (ja) 2008-09-04

Family

ID=39780042

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007037409A Pending JP2008202260A (ja) 2007-02-19 2007-02-19 壁面パネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008202260A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20160031184A1 (en) * 2014-07-29 2016-02-04 The Boeing Company Panel-Insert Assembly and Method
US9803668B2 (en) 2014-11-17 2017-10-31 The Boeing Company Panel-insert assembly

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20160031184A1 (en) * 2014-07-29 2016-02-04 The Boeing Company Panel-Insert Assembly and Method
US9457540B2 (en) * 2014-07-29 2016-10-04 The Boeing Company Panel-insert assembly and method
US9803668B2 (en) 2014-11-17 2017-10-31 The Boeing Company Panel-insert assembly

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4417296B2 (ja) 梁補強金具および梁補強構造
NO318382B1 (no) Beslagserie for sammenfoyning av I- eller U-bjelker eller andre bjelker eller andre bjelketverrsnitt
JP2009127344A (ja) 建築パネル
JP2008202260A (ja) 壁面パネル
JP2006219879A (ja) ルーバー材の取付構造
KR100647219B1 (ko) 건축공사용 안전펜스의 후크볼트
JP2009097298A (ja) 積層複合材の取付け工法
KR101904289B1 (ko) 조립이 용이한 작업공간이 구비된 볼트러스 및 이를 이용한 트러스 체결구조
JP2009293272A (ja) 積層複合材固定構造
JP5995617B2 (ja) 塀パネル
JP6071060B2 (ja) 取付具、及びそれを用いた外装材の取付構造
JP2004003279A (ja) 柱構造体
JP2000303599A (ja) 軽量気泡コンクリートパネル及びその取付方法
JP2006037715A (ja) 取付構造及び外装構造
JP2009007819A (ja)
KR100915075B1 (ko) 배관지지용 조립식 가대
CN221052871U (zh) 组合式板槽埋件及幕墙安装系统
US20210025165A1 (en) Decorative ceiling beam
CN219667638U (zh) 一种复合钢格板
JP3336264B2 (ja) 壁材設置用金具及びそれを用いた既設建築物の外壁材施工法
JP2006037471A (ja) Frpパネルによるトンネル構造物の補強構造
JP7334755B2 (ja) 外壁パネルの留金具と外壁構造
JPH1072872A (ja) Alcパネル用アンカー金具及びアンカー金具付きalcパネル
JP6994871B2 (ja) 取付部材、その施工方法、及び取付部材を用いた外装構造
JP6950915B2 (ja) 外装パネルの取付構造、及び取付方法