JP2008201866A - 発泡成形性に優れたポリエステルエラストマー系樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明はポリエステルエラストマー系樹脂組成物で発泡成形をした場合に発泡したセル径が比較的に均一であり、成形品の中でゲートからの距離にかかわらず均一な発泡倍率を持つ発泡成形性の優れたポリエステルエラストマー系樹脂組成物を提供することを課題とするものである
【解決手段】ポリエステルエラストマー樹脂95〜50重量%およびナトリウム金属イオンでイオン会合体を形成したアイオノマー樹脂5〜50重量%からなる樹脂組成物であって、該樹脂組成物の温度230℃、2160g荷重で測定されたメルトフローインデックスが10〜0.01/10分であり、かつ該樹脂組成物の温度230℃、伸長粘度の「立ち上がり度」が2.3〜3.5であることを特徴とする発泡成形性の優れたポリエステルエラストマー系樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】ポリエステルエラストマー樹脂95〜50重量%およびナトリウム金属イオンでイオン会合体を形成したアイオノマー樹脂5〜50重量%からなる樹脂組成物であって、該樹脂組成物の温度230℃、2160g荷重で測定されたメルトフローインデックスが10〜0.01/10分であり、かつ該樹脂組成物の温度230℃、伸長粘度の「立ち上がり度」が2.3〜3.5であることを特徴とする発泡成形性の優れたポリエステルエラストマー系樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は発泡成形に適したポリエステルエラストマー系樹脂組成物に関する。詳しくは比較的溶融粘度の低いポリエステルエラストマー樹脂は発泡成形性が悪く、成形品全体の均一な発泡が出来ない。本発明は成形品全体が均一な発泡体となるような成形品を製造するのに適する発泡成形性の優れたポリエステルエラストマー系樹脂組成物に関する。
ポリエステルエラストマー樹脂は一般的に溶融粘度が低いため、発泡成形すると発泡が極めて不均一に起こり大きな発泡気泡が発生し、遂にはそれらが破泡して表層部まで達しスワールマークと称する渦巻き状の模様が生じたりする。また、一方では全く発泡しない未発砲部分が出来るなど問題点が多い。そこでポリエステルエラストマー樹脂の溶融粘度を高くして発泡成形性を改良するために、ポリエステルエラストマー樹脂を固相重合することで分子量を高くしたり、多官能エポキシ化合物等の反応性増粘剤を添加し溶融粘度高くすることが行われている。
特開平11―302513号公報
特開平11−302514号公報 このような方法で溶融粘度を高くしたポリエステルエラストマー樹脂による発泡は大きな発泡気泡が破断して成形品に表面まで達することはなく、発泡特性は改良されている。 しかしながら発泡したセル径は均一性が乏しく、ゲートから離れた部分での発泡倍率が極めて低くなり、一つ成形品の中で発泡倍率が大きく異なるため、ポリスチレンやポリエチレン等の発泡製品と比較して極めて見劣りするものである。そのため成形品全体に亘って均一発泡が可能となるような、更なる発泡特性を改良したポリエステルエラストマー樹脂が求められている。
本発明はポリエステルエラストマー系樹脂組成物で発泡成形をした場合に発泡したセル径が比較的に均一であり、成形品の中でゲートからの距離にかかわらず均一な発泡倍率を持つ発泡成形性の優れたポリエステルエラストマー系樹脂組成物を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、発泡成形性は従来から材料物性カタログ等に表示されているメルトフローインデックス、即ち溶融粘度による発泡用材料評価と共に「伸長粘度」という特性が発泡成形性に関係していることに注目し、伸長粘度の「立ち上がり度」がある一定以上になると発泡成形性が極めて良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、ポリエステルエラストマー樹脂95〜50重量%およびナトリウム金属イオンでイオン会合体を形成したアイオノマー樹脂5〜50重量%からなる樹脂組成物であって、該樹脂組成物の温度230℃、2160g荷重で測定されたメルトフローインデックスが10〜0.01/10分であり、かつ該樹脂組成物の温度230℃、伸長粘度の「立ち上がり度」が2.3〜3.5であることを特徴とする発泡成形性の優れたポリエステルエラストマー系樹脂組成物。
本発明は、発泡成形で発泡が極めて不均一に起こり、発泡セルの不均一だけでなく全く発泡が起こらない部分が混在するポリエステルエラストマー樹脂において、ポリエステルエラストマー樹脂の持つ耐熱性や耐薬品性および強度特性を保持したまま発泡特性を改良することにより自動車、電気・電子部品から食品、雑貨等の幅広い分野で使用が可能となり、産業界に寄与することが大である。
以下に本発明を具体的に説明する。
本発明のポリエステルエラストマー樹脂とは、ハードセグメントとソフトセグメントから構成されるブロック共重合体で弾性回復性の優れた樹脂である。具体的にはハードセグメントとしてはポリブチレンテレフタレートやポリナフタレンテレフタレート、ソフトセグメントとしてはポリテトラメチレングリコールやε―カプロラクトンおよびポリカーボネートジオール等から構成されるポリエステルエラストマー樹脂を挙げることが出来るが、これらに限定されるものではない。
本発明におけるポリエステルエラストマー樹脂は、融点が130℃以上であり、230℃、2160g荷重で測定されたメルトフローインデックスは0.05〜50g/10分である。融点が130℃以下では耐熱性が不足して好ましくない。メルトフローインデックスが0.05以下になると、アイオノマー樹脂との相容性が悪くなり好ましくない。特に多官能エポキシ化合物等の反応性増粘剤を添加してメルトフローインデックスを0.05以下にすると、アイオノマーとの相容性が一段と悪くなる。一方50以上になるとポリエステルエラストマーの機械的強度特性が悪くなり好ましくない。
本発明のポリエステルエラストマー樹脂とは、ハードセグメントとソフトセグメントから構成されるブロック共重合体で弾性回復性の優れた樹脂である。具体的にはハードセグメントとしてはポリブチレンテレフタレートやポリナフタレンテレフタレート、ソフトセグメントとしてはポリテトラメチレングリコールやε―カプロラクトンおよびポリカーボネートジオール等から構成されるポリエステルエラストマー樹脂を挙げることが出来るが、これらに限定されるものではない。
本発明におけるポリエステルエラストマー樹脂は、融点が130℃以上であり、230℃、2160g荷重で測定されたメルトフローインデックスは0.05〜50g/10分である。融点が130℃以下では耐熱性が不足して好ましくない。メルトフローインデックスが0.05以下になると、アイオノマー樹脂との相容性が悪くなり好ましくない。特に多官能エポキシ化合物等の反応性増粘剤を添加してメルトフローインデックスを0.05以下にすると、アイオノマーとの相容性が一段と悪くなる。一方50以上になるとポリエステルエラストマーの機械的強度特性が悪くなり好ましくない。
本発明における融点(Tm)とは、JIS K―7121に準じて示差走査熱量測定機を用いて、アルゴン雰囲気中で、試料質量:10mg、昇温開始温度:30℃、昇温速度:20℃/分で測定して得られる吸熱ピーク温度(Tmp)である。
また メルトフローインデックス(MI)とはJIS K−7210に準じて230℃、2160gの荷重で得られる値である。
また メルトフローインデックス(MI)とはJIS K−7210に準じて230℃、2160gの荷重で得られる値である。
本発明におけるアイオノマー樹脂とは、エチレンーメタクリル酸共重合体やエチレンーアクリル酸共重合体であり、かつナトリウム金属イオン会合体を形成したアオノマー樹脂である。特に会合体を形成するための金属イオンはナトリウムイオンが好ましく、亜鉛イオンで中和されたものはナトリウムイオンで中和されたものと比較して好ましくない。
また、本発明におけるアイオノマー樹脂は、温度190℃、2160gの荷重で得られたメルトフローインデックスの値で1〜20g/10分のものが好ましい。
また、本発明におけるアイオノマー樹脂は、温度190℃、2160gの荷重で得られたメルトフローインデックスの値で1〜20g/10分のものが好ましい。
本発明におけるポリエステルエラストマー系樹脂組成物とは、ポリエステルエラストマー樹脂を95〜50重量%およびアイオノマー樹脂5〜50重量%を溶融混錬して得られる樹脂組成物である。アイオノマー樹脂が5重量%以下では伸長粘度の「立ち上がり度」が不足し、また50重量%以上では該樹脂組成のマトリックス成分がアイオノマー樹脂になりやすく、耐熱性や耐薬品性および強度特性が低下して好ましくない。
本発明のポリエステルエラストマー系樹脂組成物にいては、用途に応じて他の成分も適時添加することが出きる。例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、滑剤、カーボンブラック、顔料、帯電防止剤、抗菌剤、架橋剤、難燃剤、可塑剤、加工助剤、等が挙げられる。
ポリエステルエラストマー樹脂とアイオノマー樹脂との溶融混錬は特に限定されるものではなく、一般の溶融混錬装置で製造することが出来る。その中でも特に好ましい混錬装置は二軸押出機である。一実施様態としてはポリエステルエラストマー樹脂とアイオノマー樹脂および用途によってカーボンブラックや酸化防止剤および紫外線防止剤等を計量・混合して二軸押出機のホッパーに投入し混錬する。混錬温度はポリエステルエラストマー樹脂の融点によって異なるが、一般的に170〜240℃の温度範囲である。また混錬時間は2〜15分程度が好ましい。
本発明におけるポリエステルエラストマー系樹脂組成物のメルトフローインデックスは温度230℃、2160g荷重で得られる値は10〜0.01g/10分である。好ましくは、7〜0.1g/10分である。メルトフローインデックスが10g/10分以上になると発泡成形時に、ゲート位置からの距離によって不均一な発泡や破泡が生じ、好ましくない。一方0.01g/10分以下になると流動性が悪く、発泡成形品の成形サイクルが遅くなり好ましくない。
本発明のポリエステルエラストマー樹脂組成物による発泡成形体の製造方法は特に限定されるものではない。例えば熱分解型発泡剤をポリエステルエラストマー樹脂組成物に配合して成形時に発泡する方法、および発泡剤を使わず、特殊な射出成形機を使い高圧の窒素ガスなどで発泡を行うガス・カウンター・プレッシャー法やサンドイッチ法などがあるが、熱分解型発泡剤による発泡成形法が最も一般的で好ましい。
本発明で使用する熱分解型発泡剤とは、熱により分解ガスを発生させるタイプの発泡剤であり、無機系、有機系のいずれでもよいが、ガスの発生温度範囲が狭く、かつガスの発生量の多いことから有機系の発泡剤が好ましい。有機系のものとしてはアゾ化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド化合物、アジ化合物、ニトロソ化合物、トリアゾール化合物等である。これらの具体的な例として、アゾジカルボンアミド(ADCA)、バリウムアゾジカルボキシレート、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、P,P´―オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジット)などを挙げることができるが、ポリエステルエラストマー樹脂の融点との関係から、ADCAやDPTは好ましい。
本発明で使用する熱分解型発泡剤とは、熱により分解ガスを発生させるタイプの発泡剤であり、無機系、有機系のいずれでもよいが、ガスの発生温度範囲が狭く、かつガスの発生量の多いことから有機系の発泡剤が好ましい。有機系のものとしてはアゾ化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド化合物、アジ化合物、ニトロソ化合物、トリアゾール化合物等である。これらの具体的な例として、アゾジカルボンアミド(ADCA)、バリウムアゾジカルボキシレート、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、P,P´―オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジット)などを挙げることができるが、ポリエステルエラストマー樹脂の融点との関係から、ADCAやDPTは好ましい。
また上記発泡剤の加えて使用できる熱分解助剤としては、ルイス酸特性を有する金属酸化物や脂肪酸金属塩が好ましく、これらの化合物として、ステアリン酸のバリウム塩や亜鉛塩、酸化マグネシウム等が挙げられる。これらの中で脂肪酸金属塩が成形サイクルの短縮に効果があり、最も好ましい。
また発泡剤の配合量はポリエステルエラストマー樹脂組成物100重量部に対して、1〜20重量部であり、配合量が1重量部未満では充分な発泡が得られず、叉20重量部を越えると本発明の効果がえられないばかりか経済的に好ましくない。ポリエステルエラストマー樹脂組成物に発泡剤を添加する方法は成形時にポリエステルエラストマー樹脂組成物と発泡剤のパウダーを混合することも出来るが、発泡剤のマスターバッチペレットを配合する方が発泡剤の分散性が良く、好ましい。
本発明においては、ポリエステルエラストマー樹脂組成物の伸長粘度特性が極めて重要である。一般にポリエステルエラストマー樹脂は溶融粘度が比較的低く、かつ伸長粘度に歪み硬化特性が発現しないため、発泡剤による気泡成長時に気泡が壊れてしまい(即ち破泡してしまう)、均一な発泡体が得られにくい。
本発明のポリエステルエラストマー樹脂組成物では、発泡剤による気泡成長時に局所的に伸ばされる部分で、歪み速度に対する伸長粘度の「立ち上がり」現象が起こる。 即ち伸長粘度の歪み硬化特性が発現すると、気泡成長時に溶融張力が働き、局部的な気泡成長および破泡が抑えられるために均一な発泡体が形成される。
この歪み速度に対する伸長粘度の「立ち上がり度」は大きければ大きいほど局所的な気泡の拡大と破泡を防止する事ができる。本発明ではポリエステルエラストマー系樹脂組成物の「歪み速度に対する伸長粘度の立ち上がり度」を詳細に検討して伸長粘度の「立ち上がり度」が2.3〜3.5であれば発泡斑の少ない発泡成形体がえられることを見出した。「立ち上がり度」が2.3以下では歪み硬化性が弱く、発泡斑が大きくなる。また3.5以上では歪み硬化性が大きすぎて賦形性が低下する。なお、立ち上がり度は(実験で得られた任意の歪み速度での最大伸長粘度)/(対応する時間での歪み速度に依存しない部分の伸長粘度)で定義される。
本発明のポリエステルエラストマー樹脂組成物では、発泡剤による気泡成長時に局所的に伸ばされる部分で、歪み速度に対する伸長粘度の「立ち上がり」現象が起こる。 即ち伸長粘度の歪み硬化特性が発現すると、気泡成長時に溶融張力が働き、局部的な気泡成長および破泡が抑えられるために均一な発泡体が形成される。
この歪み速度に対する伸長粘度の「立ち上がり度」は大きければ大きいほど局所的な気泡の拡大と破泡を防止する事ができる。本発明ではポリエステルエラストマー系樹脂組成物の「歪み速度に対する伸長粘度の立ち上がり度」を詳細に検討して伸長粘度の「立ち上がり度」が2.3〜3.5であれば発泡斑の少ない発泡成形体がえられることを見出した。「立ち上がり度」が2.3以下では歪み硬化性が弱く、発泡斑が大きくなる。また3.5以上では歪み硬化性が大きすぎて賦形性が低下する。なお、立ち上がり度は(実験で得られた任意の歪み速度での最大伸長粘度)/(対応する時間での歪み速度に依存しない部分の伸長粘度)で定義される。
本発明において、伸長粘度特性を測定した装置はレオメトリック社製Meissner型伸長粘度計RMEにより測定し、測定条件は温度230℃、歪み速度は0.005/S〜0.5/Sで測定を行った。
本発明におけるポリエステルエラストマー樹脂組成物で「歪み速度に対する伸長粘度の立ち上がり現象」が起こるのはポリエステルエラストマーの分子末端にあるカルボン酸基とアイオノマー樹脂が関与しているものと思われる。アイオノマーはエチレン等の疎水性の主鎖に少量の親水性のイオン基(カルボン酸やスルホン酸等の塩)を持つ樹脂である。アイオノマーから枝分かれした数mol%程度のカルボン酸基とポリエステルエラストマーの分子末端にあるカルボン酸基の一部がナトリウム金属で中和されてイオン会合体を形成していると考えられる。 このような会合体によってポリエステルエラストマーとアイオノマーの相容性が高まり、分子間の絡み合いが起こり、「歪み速度に対する伸長粘度の立ち上がり現象」が発現しているとも考えられる。
一方 亜鉛金属で中和されたアイオノマーはポリエステルエラストマーとのイオン会合体が形成されにくく、「歪み速度に対する伸長粘度の立ち上がり現象」が発現されにくいと考えられる。
一方 亜鉛金属で中和されたアイオノマーはポリエステルエラストマーとのイオン会合体が形成されにくく、「歪み速度に対する伸長粘度の立ち上がり現象」が発現されにくいと考えられる。
以下に実施例、比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
明細書や実施例中の物性評価は以下の方法により測定した。
1、メルトフローインデックス(MFI)
JIS K−7210に準じて、東洋精機社製メルトインデクサーF−F01を用いて、L/D=4、温度 230℃、荷重 2160gで測定した。
2、 伸長粘度の「立ち上がり度」
伸長粘度特性を窒素雰囲気中で、レオメトリック社製Meissner型伸長粘度計RMFにより測定した。測定条件は温度230℃、歪み速度0.005/秒〜0.5/秒で測定した。
明細書や実施例中の物性評価は以下の方法により測定した。
1、メルトフローインデックス(MFI)
JIS K−7210に準じて、東洋精機社製メルトインデクサーF−F01を用いて、L/D=4、温度 230℃、荷重 2160gで測定した。
2、 伸長粘度の「立ち上がり度」
伸長粘度特性を窒素雰囲気中で、レオメトリック社製Meissner型伸長粘度計RMFにより測定した。測定条件は温度230℃、歪み速度0.005/秒〜0.5/秒で測定した。
実施例、比較例に用いた原材料は以下のようである。
ポリエステルエラストマー樹脂として、
・ ペルプレンP−150B(MFI=20g/10分、東洋紡績(株)製)および
・ ペルプレンP−46D−01(MFI=0.5/10分、東洋紡績(株)製)を使用した。
アイオノマー樹脂として、
・ ハイミラン1707(Naイオン会合タイプ、MFI=1.3g/10分、三井・デュポンポリケミカル(株)製)を使用した。
ポリオレフィンエラストマー樹脂として、
・ サーリンク4190−05(MFI=5g/10分、東洋紡績(株)製)を使用した。
ポリエステルエラストマー樹脂として、
・ ペルプレンP−150B(MFI=20g/10分、東洋紡績(株)製)および
・ ペルプレンP−46D−01(MFI=0.5/10分、東洋紡績(株)製)を使用した。
アイオノマー樹脂として、
・ ハイミラン1707(Naイオン会合タイプ、MFI=1.3g/10分、三井・デュポンポリケミカル(株)製)を使用した。
ポリオレフィンエラストマー樹脂として、
・ サーリンク4190−05(MFI=5g/10分、東洋紡績(株)製)を使用した。
実施例、比較例に用いた試料は次のA、BおよびCである。
・ 試料A:ペルプレンP−150Bを80重量%、ハイミラン1707を20重量%を計量、混合し、二軸押出機を用い、シリンダー温度180〜230℃で混錬し、試料Aを製造した。
・ 試料B:ペルプレンP−46D−01をそのまま使用した。
・ 試料C:サーリンク4190−05をそのまま使用した。
・ 試料A:ペルプレンP−150Bを80重量%、ハイミラン1707を20重量%を計量、混合し、二軸押出機を用い、シリンダー温度180〜230℃で混錬し、試料Aを製造した。
・ 試料B:ペルプレンP−46D−01をそのまま使用した。
・ 試料C:サーリンク4190−05をそのまま使用した。
発泡試料の作成は東洋精機(株)製の圧縮成形機、MINI PRESS―10を用い、圧縮成形を行った。試料形状は直径15mm、厚さ1mmのデスク状である。成形温度は試料Aは230℃、試料Bは220℃、試料Cは200℃であり、圧縮圧力は15MPaである。
発泡成形は耐圧硝子工業(株)製のTVS−N2装置を用い、温度200℃、圧力15MPaで、COを発泡剤として各樹脂試料に6時間含浸させ、減圧と同時に発泡を行った。
発泡成形は耐圧硝子工業(株)製のTVS−N2装置を用い、温度200℃、圧力15MPaで、COを発泡剤として各樹脂試料に6時間含浸させ、減圧と同時に発泡を行った。
発泡試料は液体窒素中で冷却破断した断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察および写真撮影を行い、その写真を画像解析することによって発泡気泡の粒度分布および発泡気泡密度を求めた。それらの結果を表1および図1のSEM写真に示す。
実施例1と比較例1ではメルトフローインデックス(MFI)はほぼ同等であるが、伸長粘度の「立ち上がり度」では実施例1が大きい。 その結果、実施例1の発泡気泡密度は比較例1の発泡気泡密度と比較して2倍以上であり、更に発泡気泡の粒度分布がより小さい粒度分布を持っている。これらの結果から、実施例1の発泡試料はより小さい気泡が高密度に分散していることを示している。即ち実施例1の発泡体は極め優れていることを示している。
一方 比較例2では発泡が全く見られない。この発泡成形が炭酸ガス(CO)圧入方式であるため、発泡時にCO ガスが抜けたものと思われる。即ち 比較例2の樹脂がポリオレフィン系エラストマーのため、樹脂のCOガスバリヤー性が低く、発泡しないで大気中にCOガスが抜けたものと思われる。
一方 比較例2では発泡が全く見られない。この発泡成形が炭酸ガス(CO)圧入方式であるため、発泡時にCO ガスが抜けたものと思われる。即ち 比較例2の樹脂がポリオレフィン系エラストマーのため、樹脂のCOガスバリヤー性が低く、発泡しないで大気中にCOガスが抜けたものと思われる。
本発明は、発泡成形で発泡が極めて不均一に起こり、発泡セルの不均一だけでなく全く発泡が起こらない部分が混在するポリエステルエラストマー樹脂において、ポリエステルエラストマー樹脂の持つ耐熱性や耐薬品性および強度特性を保持したまま発泡特性を改良することにより自動車、電気・電子部品から食品、雑貨等の幅広い分野で使用が可能となり、産業界に寄与することが大である。
Claims (1)
- ポリエステルエラストマー樹脂95〜50重量%およびナトリウム金属イオンでイオン会合体を形成したアイオノマー樹脂5〜50重量%からなる樹脂組成物であって、該樹脂組成物の温度230℃、2160g荷重で測定されたメルトフローインデックスが10〜0.01/10分であり、かつ該樹脂組成物の温度230℃、伸長粘度の「立ち上がり度」が2.3〜3.5であることを特徴とする発泡成形性の優れたポリエステルエラストマー系樹脂組成物。
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JP2007037678A JP2008201866A (ja) | 2007-02-19 | 2007-02-19 | 発泡成形性に優れたポリエステルエラストマー系樹脂組成物 |
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