JP2008201647A - Iii族窒化物結晶の成長方法およびiii族窒化物結晶 - Google Patents

Iii族窒化物結晶の成長方法およびiii族窒化物結晶 Download PDF

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Abstract

【課題】III族窒化物結晶の収率を向上することができるIII族窒化物結晶の成長方法およびそのIII族窒化物結晶の成長方法により成長させたIII族窒化物結晶を提供する。
【解決手段】基板8を保持するためのサセプタ6の表面6aに対向する対向面11aとサセプタの周囲を覆うように配置された側面11bとによって区画される成長室19を形成し、対向面11a、側面11b、および対向面と側面との境界からなる群から選択された少なくとも1箇所から原料ガスを成長室19に導入し、原料ガス中の窒素含有ガスとIII族元素のハロゲン化物ガスとの反応による基板8上へのIII族窒化物結晶の成長時に対向面11aの温度および側面11bの温度をそれぞれサセプタ6の表面6aに保持された基板8の温度よりも高くする。
【選択図】図1

Description

本発明は、III族窒化物結晶の成長方法およびIII族窒化物結晶に関し、特に、III族窒化物結晶の収率を向上することができるIII族窒化物結晶の成長方法およびそのIII族窒化物結晶の成長方法により成長させたIII族窒化物結晶に関する。
III族窒化物結晶の中でも窒化ガリウム(GaN)結晶の成長方法としては、原料ガス中のアンモニアガスと塩化ガリウムガス等のガリウムのハロゲン化物ガスとを基板上で反応させてGaN結晶の成長を行なうHVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)法が広く実施されている。
このHVPE法においては、100μm/h程度の高速成長が可能であり、GaN結晶の成長方法としてはMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法やMBE(Molecular Beam Epitaxy)法に比べて結晶の成長速度が格段に大きい。そのため、膜厚の厚いGaN結晶や自立GaN基板を成長させる方法としてはHVPE法が特に有利となる。
たとえば、特許文献1には、所定の加熱手段によってGaN結晶の成長領域を850℃〜1050℃に均一に加熱して、GaN結晶を基板上に成長させる方法が開示されている(特許文献1の図1および段落[0017]等参照)。
また、特許文献2には、内部に発熱抵抗体を内臓した窒化アルミニウムからなる加熱支持台を発熱させることにより、加熱支持台上の基板を局所的に加熱して基板上にGaN結晶を成長させる方法が開示されている(特許文献2の段落[0027]等)。
特開2001−181097号公報 特開2006−290662号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示された方法においては、基板以外の部分にGaN結晶が成長する雰囲気にあるため、基板上でのGaN結晶の成長に加えて、成長炉内管壁や原料ガスの供給ノズル等にGaN結晶が成長してしまうという問題があった。
すなわち、特許文献1に開示された方法においては、GaN結晶の成長領域を均一に加熱するためにGaN結晶の成長温度を正確に制御することができるメリットはあるが、結晶成長炉の内壁やノズルにGaN結晶が成長してしまう(特許文献1の段落[0021]および[0022]参照)。
また、特許文献2に開示された方法においては、基板を局所的に加熱しているため、結晶成長炉の内壁やノズルの温度を十分低くした場合には、結晶成長炉の内壁やノズルにGaN結晶が成長するのを抑制することはできるが、GaN結晶の成長を完全に抑制するほど温度を低くした場合には、ハロゲン化アンモニウムやガリウムが付着してしまう。
そのため、特許文献1および特許文献2に開示された方法においては、原料ガスの導入量に対して基板上に成長するGaN結晶の成長量が少なくなることから、GaN結晶の収率が低下するという問題があった。
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、III族窒化物結晶の収率を向上することができるIII族窒化物結晶の成長方法およびそのIII族窒化物結晶の成長方法により成長させたIII族窒化物結晶を提供することにある。
本発明は、基板を保持するためのサセプタの表面に対向する対向面とサセプタの周囲を覆うように配置された側面とによって区画される成長室を形成し、対向面、側面、および対向面と側面との境界からなる群から選択された少なくとも1箇所から原料ガスを成長室に導入し、原料ガス中の窒素含有ガスとIII族元素のハロゲン化物ガスとの反応による基板上へのIII族窒化物結晶の成長時に対向面の温度および側面の温度をそれぞれサセプタの表面に保持された基板の温度よりも高くすることを特徴とするIII族窒化物結晶の成長方法である。
ここで、本発明のIII族窒化物結晶の成長方法においては、原料ガス中の窒素含有ガスとIII族元素のハロゲン化物ガスとを反応させることによる基板上へのIII族窒化物結晶の成長時に、対向面の温度および側面の温度をそれぞれIII族窒化物結晶が成長しない温度にすることが好ましい。
また、本発明のIII族窒化物結晶の成長方法においては、原料ガス中の窒素含有ガスとIII族元素のハロゲン化物ガスとを反応させることによる基板上へのIII族窒化物結晶の成長時に、対向面の温度および側面の温度をそれぞれ1200℃以上にすることが好ましい。
また、本発明のIII族窒化物結晶の成長方法においては、原料ガス中の窒素含有ガスとIII族元素のハロゲン化物ガスとを反応させることによる基板上へのIII族窒化物結晶の成長時に、基板を冷却することが好ましい。
また、本発明のIII族窒化物結晶の成長方法においては、基板をIII族窒化物結晶が成長する温度まで冷却することが好ましい。
また、本発明のIII族窒化物結晶の成長方法においては、サセプタを透光性の材質で形成することによって基板をサセプタ側から冷却することが好ましい。
また、本発明のIII族窒化物結晶の成長方法においては、サセプタの表面をIII族窒化物結晶が成長しない温度に加熱することが好ましい。
また、本発明のIII族窒化物結晶の成長方法においては、原料ガス中の窒素含有ガスとIII族元素のハロゲン化物ガスとを反応させることによる基板上へのIII族窒化物結晶の成長時に、サセプタのうち基板によって被覆されていない部分にガスを吹き付けることが好ましい。
また、本発明のIII族窒化物結晶の成長方法においては、原料ガス中の窒素含有ガスとIII族元素のハロゲン化物ガスとを反応させることによる基板上へのIII族窒化物結晶の成長時に、基板上に成長したIII族窒化物結晶の側面にガスを吹き付けることが好ましい。
また、本発明は、上記のいずれかに記載のIII族窒化物結晶の成長方法で成長させたIII族窒化物結晶である。
本発明によれば、III族窒化物結晶の収率を向上することができるIII族窒化物結晶の成長方法およびそのIII族窒化物結晶の成長方法により成長させたIII族窒化物結晶を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
図1に、本発明のIII族窒化物結晶の成長方法に用いられる結晶成長装置の一例の模式的な構成を示す。
ここで、図1に示す結晶成長装置は、中空の結晶成長炉1と、結晶成長炉1内に設置されたサセプタ6と、サセプタ6を支持するための回転自在な中空の回転軸14と、回転軸14の先端部を被覆する断熱部材13と、成長室19を区画する成長室区画部材11と、成長室区画部材11の外表面を被覆する断熱部材12と、Gaボート3が設置されたGaボート設置室20と、成長室19内に塩化水素(HCl)ガスと水素(H2)ガスとの混合ガスをサセプタ6に吹き付けるための第1ガス導入管15と、Gaボート設置室20内にHClガスとH2ガスとの混合ガスを導入するための第2ガス導入管16と、成長室19内に窒素含有ガスとしてのアンモニア(NH3)ガスとH2ガスとの混合ガスを導入するため第3ガス導入管17と、結晶成長炉1内にH2ガスを導入するための第4ガス導入管18と、結晶成長炉1内のガスを排気するためのガス排気管7と、を含んでいる。
また、図1に示す結晶成長装置の結晶成長炉1の外側には、Gaボート設置室20に設置されたGaボート3を加熱するためのヒータ2と、成長室区画部材11を加熱するための高周波コイル9と、回転軸14を加熱するための高周波コイル10と、成長室区画部材11の温度を測定するための放射温度計4と、サセプタ6の表面6aに設置された種基板8の温度を測定するための放射温度計5と、を含んでいる。また、放射温度計4によって成長室区画部材11の温度を測定するため断熱材12の一部には空隙部12aが設けられている。
ここで、成長室19を区画する成長室区画部材11は、基板を保持するためのサセプタ6の表面6aに対向する対向面11aとサセプタ6の周囲を覆うように配置された側面11bとによって構成されている。
以下、図1を参照して、本発明のIII族窒化物結晶の成長方法の一例について説明する。まず、サセプタ6の表面6aにたとえばGaN結晶等からなる種基板8を設置する。
次に、回転軸14を回転させることによって種基板8を回転させるとともに、高周波コイル10に高周波電流を流すことによってサセプタ6を加熱し、加熱されたサセプタ6の熱によって種基板8を加熱する。
また、高周波コイル9に高周波電流を流すことによって成長室区画部材11の対向面11aおよび側面11bをそれぞれ加熱し、ヒータ2によってGaボート3を加熱して、Gaボート3内のガリウムを溶融状態とする。
次に、第2ガス導入管16からHClガスとH2ガスとの混合ガスをGaボート設置室20内に導入するとともに、第3ガス導入管17からNH3ガスとH2ガスとの混合ガスを第3ガス導入口17aから成長室19内に導入し、さらに第4ガス導入管18の第4ガス導入口18aからキャリアガスとしてのH2ガスを結晶成長炉1内に導入する。また、第1ガス導入管15からHClガスとH2ガスとの混合ガスを導入し、この混合ガスを第1ガス導入口15aからサセプタ6の側面に吹き付ける。
ここで、第2ガス導入管16からGaボート設置室20内に導入されたHClガスは、Gaボート設置室20内に設置されたGaボート3内のGa(ガリウム)と反応して、III族元素のハロゲン化物ガスとしてのGaの塩化物(GaCl)ガスが生成される。そして、Gaボート設置室20内で生成されたGaClガスは第2ガス導入口16aから成長室19内に導入される。
これにより、成長室19内に導入された原料ガス中のNH3ガスとGaClガスとが種基板8の表面上で反応することによって、種基板8の表面上にGaN結晶が成長する。
ここで、本発明においては、種基板8の表面上へのGaN結晶の成長時に成長室区画部材11の対向面11aの温度および側面11bの温度をそれぞれサセプタ6の表面6aに保持された種基板8の温度よりも高くすることを特徴としている。
すなわち、種基板8の表面上へのGaN結晶の成長時に、種基板8の温度をGaN結晶が成長する温度にするとともに、成長室区画部材11の対向面11aの温度および側面11bの温度をそれぞれ種基板8の温度よりも高いGaN結晶が成長しない高温にすることによって、種基板8の表面上以外の部分にGaN結晶が成長するのを抑制することができるため、本発明においては従来の方法と比べてGaN結晶の収率(原料ガスの供給量に対するGaN結晶成長量の割合)を向上することができるのである。
ここで、種基板8の表面上へのGaN結晶の成長時における成長室区画部材11の対向面11aの温度および側面11bの温度はそれぞれ1200℃以上であることが好ましい。この場合には、成長室区画部材11の対向面11aおよび側面11bにそれぞれGaN結晶が成長するのを抑制することができる傾向にある。
なお、成長室区画部材11の対向面11aおよび側面11bにGaN結晶の核発生が起こりやすい多孔質セラミックスまたはグラファイトを用いた場合には、対向面11aおよび側面11bへのGaN結晶の成長を抑制する観点から、種基板8の表面上へのGaN結晶の成長時における成長室区画部材11の対向面11aの温度および側面11bの温度はそれぞれ高めに設定することが好ましい。
また、成長室区画部材11の対向面11aおよび側面11bに石英ガラスまたはpBN(Pyrolitic Boron Nitride)を用いた場合には、成長室区画部材11の対向面11aおよび側面11bにGaN結晶の核発生が起こりにくいため、種基板8の表面上へのGaN結晶の成長時における成長室区画部材11の対向面11aの温度および側面11bの温度はそれほど高温にしなくてもよい傾向にある。
また、本発明において、種基板8の表面上へのGaN結晶の成長時には、成長室区画部材11の対向面11aの温度および側面11bの温度を高くするため、種基板8は成長室区画部材11の対向面11aおよび側面11bからの伝熱によって加熱されて、種基板8の温度が高くなってしまうことがある。
そこで、本発明において、種基板8の表面上へのGaN結晶の成長時には、種基板8をサセプタ6側からGaN結晶が成長する温度にまで冷却することが好ましい。
ここで、種基板8を冷却する方法としては、たとえば、サセプタ6に冷媒を流すことによってサセプタ6を冷却してサセプタ6側から種基板8を冷却する方法、またはサセプタ6を透光性の材質で形成することによって種基板8をサセプタ6側から冷却する方法が挙げられる。
なかでも、サセプタ6の温度がGaN結晶が成長する温度まで低下してサセプタ6の表面にGaN結晶が成長するのを抑制する観点からは、サセプタ6を透光性の材質で形成することによって、種基板8をサセプタ6側から冷却することが好ましい。この場合には、サセプタ6を介して輻射伝熱によって種基板8を直接冷却することができ、サセプタ6自体を冷却する必要がないことから、サセプタ6の表面の温度が低下しすぎて、サセプタ6の表面にGaN結晶が成長するのを抑制することができる傾向にある。
また、サセプタ6の表面にGaN結晶が成長するのをさらに抑制する観点からは、たとえば本実施の形態のように、種基板8の表面上へのGaN結晶の成長時にサセプタ6のうち種基板8によって被覆されていない部分にガスを吹き付けることが好ましい。この場合には、サセプタ6のうちガスが吹き付けられた部分におけるGaN結晶の成長を抑制できる傾向が大きくなる。
ここで、吹き付けられるガスとしては、たとえば、窒素(N2)ガスおよび/またはアルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスを用いることもできるが、本実施の形態のように、H2ガス、ハロゲンガスおよびハロゲン化水素ガスからなる群から選択された少なくとも1種のガス等のGaN結晶をエッチングできる効果を有するガスを用いることが好ましい。
また、本発明においては、種基板8の表面上へのGaN結晶の成長時に、種基板8の表面上に成長したGaN結晶の側面にガスを吹き付けることが好ましい。この場合には、成長したGaN結晶の側面からGaN多結晶が成長するのを抑制できる傾向にある。
なお、GaN結晶の側面からのGaN多結晶の成長を抑制する方法としては、上記以外にも、たとえば、成長したGaN結晶の側面を高温である成長室区画部材11の側面11bに近づける方法も考えられる。
以上で説明したように、本発明においては、種基板8の表面以外でのGaN結晶の成長を抑制することができるため、原料ガスの導入量に対して種基板8の表面上に成長するGaN結晶の成長量を多くすることができ、GaN結晶の収率が向上する。
なお、上記において、原料ガスは、成長室区画部材11の対向面11aから成長室19内に導入されているが、本発明においては、成長室区画部材11の対向面11a、側面11b、および対向面11aと側面11bとの境界からなる群から選択された少なくとも1箇所から原料ガスが成長室19内に導入されればよい。
また、上記において、サセプタ6の材質としては、たとえば、サファイア、炭化ケイ素、窒化アルミニウムまたは酸化マグネシウム等を用いることができる。
また、断熱材12の材質および断熱材13の材質としてはそれぞれ、たとえばウール状グラファイト等を用いることができる。
また、成長室区画部材11は、たとえば、pBNで被覆されたグラファイト等から構成することができる。また、回転軸14は、たとえば、グラファイト等から構成することができる。
また、上記においては、結晶成長炉1が横向きである場合について説明したが、結晶成長炉1を縦向きにしても構わない。結晶成長炉1を縦向きにした場合には、種基板8をサセプタ6の表面6a上に置くような形となり、種基板8を保持する部材が必要でなくなる観点から好ましい。通常、結晶成長炉1を縦向きにした場合には、結晶成長炉1内の各所で発生したGaNの屑が種基板8の表面上に飛散してGaN結晶の成長を阻害してしまうことがあるが、本発明においては、種基板8の表面上以外の箇所におけるGaN結晶の成長を抑制することができるため、結晶成長炉1を縦向きにした場合でも有効である。
また、上記においては、サセプタ6が1個の場合について説明したが、本発明においては、結晶成長炉1内にサセプタ6を複数設置して、複数のGaN結晶を同時に成長させてもよい。
また、上記においては、窒素含有ガスとしてNH3ガスを用いた場合について説明したが、本発明においては、窒素含有ガスとして用いられるガスはNH3ガスに限定されない。
また、上記においては、III族元素のハロゲン化物ガスとしてGaClガスを用いた場合について説明したが、本発明においては、III族元素のハロゲン化物ガスとして用いられるガスはGaClガスに限定されない。
また、上記においては、種基板8の表面上へのGaN結晶の成長時に、サセプタ6の側面および/または種基板8の表面上に成長したGaN結晶の側面にガスを吹き付ける手段は1つしか設けていないが、本発明においては、複数設けてもよい。
また、上記においては、III族窒化物結晶としてGaN結晶の成長を例にとって説明したが、本発明においては、上記の説明においてGaの一部が他のIII族元素(Al(アルミニウム)および/またはIn(インジウム))に入れ替わっていてもよい。
図1に示す結晶成長装置を用いて常圧でGaN結晶の成長を行なった。まず、サセプタ6の表面6aにGaN結晶からなる種基板8を設置した。ここで、サセプタ6は直径6cmで長さ10cmのサファイア単結晶で構成した。また、GaN結晶からなる種基板8は、直径が50mmで厚さが0.5mmのGaN結晶の(0001)面を鏡面研磨したものであった。
このサセプタ6の種基板8の設置側の一端が成長室19内に挿入されており、成長室19は、成長室区画部材11の対向面11aとサセプタ6の周囲を覆うように配置された側面11bとによって区画されている。
次に、回転軸14を回転させることによって種基板8を60rpmの速度で等速に回転させた。ここで、回転軸14としては、中空のグラファイトが用いられており、放射温度計5によって種基板8の温度がモニターできるようになっている。
また、高周波コイル10に高周波電流を流して回転軸14を加熱することによって、種基板8からの放熱を制御して、種基板8の裏面の温度が1150℃になるようにした。なお、回転軸14の先端の温度が下がりすぎないようにするため、回転軸14の先端にウール状グラファイトからなる断熱材13を設置した。
また、高周波コイル9に高周波電流を流すことによって成長室区画部材11の対向面11aおよび側面11bがそれぞれ加熱され、放射温度計4によってモニターされている成長室区画部材11の外表面の温度が1300℃になるように高周波電流の出力を調整した。周波数は9kHzが採用された。なお、成長室区画部材11としては、pBNで被覆されたグラファイトが用いられた。また、成長室区画部材11を被覆する断熱材12としてはウール状グラファイトが用いられた。
また、高周波コイル9に高周波電流を流すことによって成長室区画部材11の対向面11aおよび側面11bをそれぞれ加熱し、ヒータ2によってGaボート3を加熱して、Gaボート3内のガリウムを溶融状態とした。
次に、第2ガス導入管16から500sccmの流量のHClガスをGaボート設置室20内に導入するとともに、第3ガス導入管17から2000sccmの流量のNH3ガスを第3ガス導入口17aから成長室19内に導入し、さらに第4ガス導入管18の第4ガス導入口18aからキャリアガスとしてのH2ガスを結晶成長炉1内に導入した。
ここで、第2ガス導入管16から導入されたHClガスはH2ガスによって4倍に希釈された状態で導入され、第3ガス導入管17から導入されたNH3ガスはH2ガスによって2倍に希釈された状態で導入された。
また、第2ガス導入管16からGaボート設置室20内に導入されたHClガスは、Gaボート設置室20内の800℃に加熱されたGaボート3内のGaと反応してGaClガスが生成し、生成したGaClガスは第2ガス導入口16aから成長室19内に導入された。
これにより、成長室19内に導入された原料ガス中のNH3ガスとGaClガスとを種基板8の表面上で30時間反応させることによって、種基板8の表面上にGaN結晶を成長させた。
なお、GaN結晶の成長中においては、第1ガス導入管15からHClガスを導入し、このHClガスを第1ガス導入口15aからサセプタ6の側面に吹き付けながらGaN結晶を成長させて、サセプタ6の側面でのGaN結晶の成長を抑制した。
また、GaN結晶の成長中においては、回転軸14を図1の右側の方向に1mm/hの速度で移動させながらGaN結晶を成長させ、GaN結晶の成長が進展した段階では、成長したGaN結晶の側面にHClガスを吹き付けられるようにした。
上記のようにして、種基板8の表面上に成長したGaN結晶は、厚さ30mmで、側面にM面を有するおおよそ六角形(対向するM面間の距離はおおよそ5cm)のGaN結晶であった。
また、上記のようにしてGaN結晶を成長させた後に結晶成長炉1内を観察すると、種基板8の表面以外にはGaN結晶の成長は全く認められず、成長室19やサセプタ6にはGaN結晶の成長前と比べて外観上の変化はなかった。勿論、ガス排気管7の近傍には副生成物の塩化アンモニウムの堆積が見られた。
したがって、本発明によれば、種基板8の表面以外の箇所のGaN結晶の成長を抑制して、種基板8の表面上のみにGaN結晶を成長することが可能となったことが確認された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明により得られたIII族窒化物結晶は、たとえば、発光ダイオード若しくはレーザダイオード等の発光素子、整流器、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ若しくはHEMT(High Electron Mobility Transistor;高電子移動度トランジスタ)等の電子素子、温度センサ、圧力センサ、放射線センサ、可視−紫外光検出器等の半導体センサ、SAWデバイス(Surface Acoustic Wave Device;表面弾性波素子)、振動子、共振子、発振器、MEMS(Micro Electro Mechanical System)部品または圧電アクチュエータなどのデバイス用に基板として広く用いられる。
本発明のIII族窒化物結晶の成長方法に用いられる結晶成長装置の一例の模式的な構成を示す図である。
符号の説明
1 結晶成長炉、2 ヒータ、3 Gaボート、4,5 放射温度計、6 サセプタ、6a 表面、7 ガス排気管、8 種基板、9,10 高周波コイル、11 成長室区画部材、11a 対向面、11b 側面、12,13 断熱材、14 回転軸、15 第1ガス導入管、15a 第1ガス導入口、16 第2ガス導入管、16a 第2ガス導入口、17 第3ガス導入管、17a 第3ガス導入口、18 第4ガス導入管、18a 第4ガス導入口。

Claims (10)

  1. 基板を保持するためのサセプタの表面に対向する対向面と前記サセプタの周囲を覆うように配置された側面とによって区画される成長室を形成し、
    前記対向面、前記側面、および前記対向面と前記側面との境界からなる群から選択された少なくとも1箇所から原料ガスを前記成長室に導入し、
    前記原料ガス中の窒素含有ガスとIII族元素のハロゲン化物ガスとの反応による前記基板上へのIII族窒化物結晶の成長時に前記対向面の温度および前記側面の温度をそれぞれ前記サセプタの表面に保持された基板の温度よりも高くすることを特徴とする、III族窒化物結晶の成長方法。
  2. 前記原料ガス中の窒素含有ガスとIII族元素のハロゲン化物ガスとを反応させることによる前記基板上へのIII族窒化物結晶の成長時に、前記対向面の温度および前記側面の温度をそれぞれIII族窒化物結晶が成長しない温度にすることを特徴とする、請求項1に記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
  3. 前記原料ガス中の窒素含有ガスとIII族元素のハロゲン化物ガスとを反応させることによる前記基板上へのIII族窒化物結晶の成長時に、前記対向面の温度および前記側面の温度をそれぞれ1200℃以上にすることを特徴とする、請求項1または2に記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
  4. 前記原料ガス中の窒素含有ガスとIII族元素のハロゲン化物ガスとを反応させることによる前記基板上へのIII族窒化物結晶の成長時に、前記基板を冷却することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
  5. 前記基板をIII族窒化物結晶が成長する温度まで冷却することを特徴とする、請求項4に記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
  6. 前記サセプタを透光性の材質で形成することによって前記基板を前記サセプタ側から冷却することを特徴とする、請求項4または5に記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
  7. 前記サセプタの表面をIII族窒化物結晶が成長しない温度に加熱することを特徴とする、請求項6に記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
  8. 前記原料ガス中の窒素含有ガスとIII族元素のハロゲン化物ガスとを反応させることによる前記基板上へのIII族窒化物結晶の成長時に、前記サセプタのうち前記基板によって被覆されていない部分にガスを吹き付けることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
  9. 前記原料ガス中の窒素含有ガスとIII族元素のハロゲン化物ガスとを反応させることによる前記基板上へのIII族窒化物結晶の成長時に、前記基板上に成長したIII族窒化物結晶の側面にガスを吹き付けることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のIII族窒化物結晶の成長方法で成長させたことを特徴とする、III族窒化物結晶。
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