JP2008199772A - 振動アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2つのローラ5の間が連結ピン6により連結されると共に、ステータ2、振動手段3及び基部支持部材1の内部にロッド12が挿通され、ロッド12の一端部の板状部13が2つのローラ5の中央部で連結ピン6に連結されている。ロッド12の他端部はバネ受け部材18に固定され、バネ19の付勢力によりバネ受け部材18、ロッド12及び連結ピン6を介してローラ5がステータ2に対し加圧接触されている。駆動回路8により振動手段3を駆動して複合振動を発生させると、各ローラ5とステータ2との接触部分に楕円運動が発生し、2つのローラ5がそれぞれ連結ピン6を中心にして互いに同一方向に回転駆動され、それに伴って先端部材7がステータ2に対して傾動される。
【選択図】図3
Description
また、挿通孔105の内部に、ワイヤ102の一端部を固定するためのベアリング機構106を設ける必要があるため、構成が複雑であると共に作製が困難である。
この発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、小型でありながらも単純な構成で容易に作製することができる振動アクチュエータを提供することを目的とする。
なお、「複数のローラの中間部」とは、複数のローラのうち最も外側に位置する2つのローラの間を意味している。
連結ピンを介して連結された2つのローラを有することが好ましい。
これら偶数個のローラは、互いに同一の大きさ及び形状を有することがより好ましい。
なお、偶数個のローラとして、2つに限らず、4つ以上のローラを設けることもできる。
また、ステータに、ほぼV字型の断面形状を有する溝を形成し、溝の表面に複数のローラを接触支持するように構成することもできる。
この場合に、ロッドの一端部に第1規制部を形成すると共に、ロッドの一端部に隣接するローラに第1規制部に対応する第2規制部を形成し、これら第1規制部及び第2規制部が互いに係合することで複数のローラの回転が所定の角度範囲に規制されることが好ましい。第1規制部及び第2規制部として、例えば、互いに対応する突起部及び当接面の組み合わせを用いることができる。
さらに、複数のローラが所定の角度範囲の端部に到達したことを検知するための検知手段を備え、振動手段は、互いに積層された複数の圧電素子板を有し、検知手段は、振動手段の電圧を測定することにより振動手段にかかる応力を監視すると共に、第1規制部及び第2規制部が互いに係合した際に生じる振動手段の応力の変化を検出することにより複数のローラが所定の角度範囲の端部に到達したことを検知することがより好ましい。
この場合に、ワイヤの他端部に接続されると共にワイヤを介して連結ピンを牽引する牽引装置を予圧手段がさらに有する、あるいは、ワイヤが弾性を有してそれ自身により連結ピンを牽引するように構成することもできる。
図1に、この発明の実施の形態1に係る振動アクチュエータを示す。この振動アクチュエータは、超音波振動を利用して回転体を回転する超音波アクチュエータであり、例えば、自走可能なロボットにおけるハンドの一本の指を構成するものである。基部支持部材1とステータ2との間に振動手段3が配置されると共に、ステータ2には、振動手段3に接する面とは反対側に溝4が形成されており、この溝4の表面に指の関節として用いられる円柱状の2つのローラ5が接触支持されている。これら2つのローラ5は、同一の大きさを有して互いに平行に配置されると共に、それぞれ共通の1つの回転軸の回りに回転自在に配置されている。各ローラ5の中心に連結ピン6が挿通されて、この連結ピン6により2つのローラ5の間が連結されており、この連結ピン6が双方のローラ5に共通の1つの回転軸を構成している。これらのローラ5は、双方のローラ5の外周部に固定されてローラ5と一体に回転される先端部材7を有している。また、振動手段3には、この振動手段3を駆動するための駆動回路8が接続されている。
ここで、説明の便宜上、基部支持部材1からステータ2へと向かう円柱状の外形の中心軸をZ軸と規定し、Z軸に対して垂直方向にX軸が、Z軸及びX軸に対して垂直にY軸がそれぞれ延びているものとする。
ステータ2、振動手段3、基部支持部材1の挿入部11及び本体部10の内部には、それらの中心軸方向、すなわちZ軸方向にロッド12が挿通されている。ロッド12の一端部は2つのローラ5の間に位置しており、このロッド12の一端部にほぼ矩形の板状部13が形成されている。板状部13に形成された貫通孔に連結ピン6が貫通されることにより、ロッド12の一端部が連結ピン6に連結されている。ここで、連結ピン6はX軸方向に延在すると共に、板状部13は、連結ピン6の延在方向すなわちX軸方向において2つのローラ5の中央部に位置しており、2つのローラ5は板状部13に関して互いに対称に配置されている。なお、連結ピン6と各ローラ5との間、及び連結ピン6とロッド12の板状部13との間のうち、少なくとも一方が回転自在に連結されることによりローラ5がロッド12に対して回転可能であるように構成されている。
これら当接面16及び17と突起部14及び15はそれぞれ、この発明の第1規制部と第2規制部を構成している。
なお、板状部13の当接面16及び17は、ローラ5の回転に伴った突起部14及び15の移動を妨げないように円弧形状に面取りされた面取り部を介して互いに接続されている。
なお、駆動回路8は、振動手段3の電圧を測定することによりこの振動手段3にかかる応力を監視すると共にこの応力の変化に基づいてローラ5が所定の角度範囲の両端部にそれぞれ到達したことを検知する検知手段を有している。
第2の圧電素子部32の一対の圧電素子板32b及び32dは、2分割されることなく全体がZ軸方向(厚み方向)に膨張あるいは収縮の変形挙動を行うように分極されており、圧電素子板32bと圧電素子板32dは互いに裏返しに配置されている。
したがって、ローラ5が可動限界に到達したことを検知するためのリミットセンサ等を新たに設ける必要がない。
ロッド12は、2つのローラ5の中央部で連結ピン6を牽引するため、それぞれのローラ5をステータ2に対して均一な力で加圧することができる。また、本体部10の凹部の底面20とバネ受け部材18との間に、付勢力の大きさが異なるバネを配置することで、2つのローラ5をそれぞれステータ2に対して加圧する力の大きさを容易に調整することができる。
また、ロッド12は、ステータ2、振動手段3及び基部支持部材1の内部に通されると共に、バネ受け部材18及びバネ19は、基部支持部材1の凹部内に収容されているため、この振動アクチュエータ全体の小型化が達成される。
また、振動手段3でステータ2を振動させることにより、2つのローラ5は共通の1つの回転軸だけの回りに回転されるため、安定した動作を行うことができると共にローラ5の回転を精度良く制御することができる。したがって、この振動アクチュエータを複数用いることにより、人間の手に近似した動作を行うロボットハンドを実現することができる。
次に図8を参照して、この発明の実施の形態2に係る振動アクチュエータを説明する。この実施の形態2は、実施の形態1の振動アクチュエータにおいて、2つのローラ5の両側に、さらに2つのローラ5を板状部13に関して互いに対称に設けたものである。すなわち、互いに同一の大きさ及び形状を有する4つのローラ5が連結ピン6を介して連結されると共に、連結ピン6にロッド12の板状部13が連結されて牽引されることにより、各ローラ5がステータ2に対し加圧接触されている。ロッド12の板状部13は、連結ピン6の延在方向において4つのローラ5の中央部に位置している。なお、ここでは、中間部に位置する2つのローラ5の外周部に固定されている先端部材7の図示を省略している。
加えて、この実施の形態2では、ステータ2に4つのローラ5がそれぞれ加圧接触されると共にステータ2の振動によりこれら4つのローラ5を回転駆動して先端部材7を傾動させるため、高トルクが実現されると共に各ローラ5及びステータ2の接触部分の摩耗が低減される。
次に図9を参照して、この発明の実施の形態3に係る振動アクチュエータを説明する。この実施の形態3は、上述の実施の形態2において、中間部に位置する2つのローラ5の両側に、同一の大きさを有する2つのローラ5を設ける代わりに、それぞれローラ5よりも小さい径を有する2つのローラ41を板状部13に関して互いに対称に設けるものである。ステータ2の振動手段3に接する面とは反対側の面には、連結ピン6の延在方向に沿って4つのローラ5及び41に対応した段差状の断面形状を有する接触部42が形成されている。連結ピン6がロッド12で牽引されることにより各ローラ5及び41がステータ2に対し加圧接触されている。
加えて、この実施の形態3では、2つのローラ5の両側にそれぞれローラ5よりも小さい径を有する2つのローラ41が配置されるため、振動アクチュエータをさらに小型化することができる。
また、4つのローラ5及び41の両側に、さらに偶数個のローラを板状部13に関して互いに対称に設けることもできる。このとき、新たに追加されるローラは、ローラ5及び41と同一の径を有するものでもよいし、ローラ5及び41とは大きさの異なる径を有するものでもよい。いずれの場合も、ステータ2の振動手段3に接する面とは反対側の面には、連結ピン6の延在方向に沿ってこれらのローラに対応した断面形状を有する接触部が形成されて、各ローラがステータ2に対し加圧接触されることが好ましい。
上述の実施の形態1において、円柱状の2つのローラ5の代わりに、図11に示されるように、円錐台形状を有する2つのローラ51を用いることもできる。2つのローラ51の大径部52が互いに対向するように配置されている。ステータ2の振動手段3に接する面とは反対側の面には、連結ピン6の延在方向に沿って2つのローラ51に対応した断面形状を有する接触部53が形成され、各ローラ51がステータ2に対して加圧接触されている。なお、2つのローラ51の外周部に図示しない先端部材が固定されている。
このように構成しても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
また、図11及び12においてステータ2に当接される各ローラ51の外周面は、その中心軸に向かって湾曲形状に切り欠かれる、または、その中心軸とは反対方向に向かって湾曲形状に膨出するように形成されてもよい。
また、上述の実施の形態2及び3における各ローラとして、この円錐台形状のローラ51を用いることもできる。
上述の実施の形態1において、円柱状の2つのローラ5の代わりに、図13に示されるような半球形状を有する2つのローラ61を用いることもできる。2つのローラ61の平面部62が互いに対向するように配置されている。ステータ2の振動手段3に接する面とは反対側の面には、連結ピン6の延在方向に沿って2つのローラ61に対応した断面形状を有する接触部63が形成され、各ローラ61がステータ2に対して加圧接触されている。なお、2つのローラ61の外周部に図示しない先端部材が固定されている。
このように構成しても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
また、上述の実施の形態2及び3におけるローラとして、この半球形状のローラ61を用いることもできる。
上述の実施の形態1〜5では、ロッド12の一端部に矩形の板状部13が設けられていたが、その板状部13の一対の当接面16及び17の部分を切り欠くことにより、例えば図15に示されるように、斜めの当接面71及び72を形成することもできる。この場合、先端部材に設けられた一対の突起部がそれぞれ対応する当接面71及び72に当接することにより、ローラの回転が90°よりも大きい所定の角度範囲に規制される。
すなわち、突起部の突出高さ及び当接面の角度を選択することにより、ローラの回転を規制する角度範囲を変更することができる。
また、突起部と当接面の組み合わせに限らず、互いに係合することでローラの回転を規制することができる各種の第1規制部及び第2規制部を設けることができる。例えば、突起部と突起部、あるいは当接面と当接面の組み合わせを第1規制部及び第2規制部として用いることもできる。
次に図16を参照して、この発明の実施の形態7に係る振動アクチュエータを説明する。この実施の形態7は、実施の形態1の振動アクチュエータにおいて、ロッド12の代わりに、ワイヤ81を連結ピン6に連結して牽引するものである。ワイヤ81は、ステータ2、振動手段3及び基部支持部材1の内部にそれらの中心軸方向、すなわちZ軸方向に挿通されている。このワイヤ81の一端部は、連結ピン6の延在方向、すなわちX軸方向において2つのローラ5の中央部に位置して連結ピン6に連結されている。
ワイヤ81は、2つのローラ5の中央部で連結ピン6を牽引するため、それぞれのローラ5をステータ2に対して均一な力で加圧することができる。
また、本体部10の凹部の底面20とバネ受け部材18との間に付勢力の大きさが異なるバネを配置する、あるいは、連結ピン6からバネ受け部材18までのワイヤ81の長さを調節することにより、ステータ2に対する2つのローラ5の加圧力の大きさを容易に調整することができる。
この空圧または油圧を用いた牽引装置では、ロッド12及びワイヤ81を牽引する力の大きさを容易に制御することができ、したがって、ステータ2に対する2つのローラ5の加圧力の大きさを容易に調整することができる。
例えば、振動手段3が駆動されていないときは、振動手段3の駆動時よりも、ロッド12及びワイヤ81に対する牽引力が大きくなるように牽引装置を制御すれば、静止時におけるローラ5とステータ2との間の保持トルクを増大させることができる。
次に図17を参照して、この発明の実施の形態8に係る振動アクチュエータを説明する。この実施の形態8は、実施の形態1の振動アクチュエータにおいて、ロッド12の代わりに、弾性を有する糸状のゴム、樹脂、スプリング等からなるワイヤ91により連結ピン6を牽引するものである。ワイヤ91は、ステータ2、振動手段3及び基部支持部材1の内部に挿通されており、ワイヤ91の一端部は2つのローラ5の中央部に位置して連結ピン6に連結されている。
また、ワイヤ91の伸張の度合いを調節してワイヤ91の張力の大きさを変更することにより、ステータ2に対する2つのローラ5の加圧力の大きさを容易に調整することができる。
また、ロッド12及びワイヤ81,91の他端部は、基部支持部材1の本体部10の凹部内に位置していたが、ステータ2の貫通孔9内に位置していてもよい。
また、振動手段にかかる応力を監視し且つこの応力の変化に基づいてローラが所定の角度範囲の端部に到達したことを検知する検知手段は、駆動回路8に内蔵されずに、駆動回路8とは別に設けられてもよい。
また、それぞれ別の圧電素子部で発生させた2つの振動を合成させて複合振動を発生させる代わりに、一つの圧電素子部を複数に分極し、各分極電極に印加する電圧を個別にコントロールしても良い。すなわち位相、振幅などの異なる交流電圧を合成した電圧を各分極電極に印加して単一の圧電素子部で複合振動を発生させても良い。
また、上記各実施の形態では、ステータ2とローラとの接触部分に楕円運動を発生させていたが、各軸方向の振幅を制御することで円運動を発生させても良い。
Claims (13)
- ステータと、
それぞれ前記ステータにより接触支持され、1つの回転軸を共有する複数のローラと、
前記複数のローラの間を連結する連結ピンと、
前記ステータに連結されると共に前記ステータを振動させることにより前記ステータと前記複数のローラの接触部分に楕円または円運動を発生させて前記複数のローラを回転させる振動手段と、
その一端部が前記複数のローラの中間部で前記連結ピンに連結されて前記連結ピンを前記ステータに向かって牽引することにより前記複数のローラを前記ステータに対して加圧する予圧手段と
を備えることを特徴とする振動アクチュエータ。 - 互いに対称に配置された偶数個のローラを有し、前記予圧手段の一端部は、前記偶数個のローラの中央部で前記連結ピンに連結されている請求項1に記載の振動アクチュエータ。
- 前記連結ピンを介して連結された2つのローラを有する請求項1または2に記載の振動アクチュエータ。
- 前記偶数個のローラは、互いに同一の大きさ及び形状を有する請求項2または3に記載の振動アクチュエータ。
- 前記予圧手段は、前記ステータの内部、若しくは、前記ステータ及び振動手段の内部に通されて、その一端部で前記連結ピンに連結されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の振動アクチュエータ。
- 前記ステータに、ほぼV字型の断面形状を有する溝が形成され、前記溝の表面に前記複数のローラが接触支持されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の振動アクチュエータ。
- 前記予圧手段は、その一端部が前記連結ピンに連結されるロッドと、前記ロッドの他端部に接続されると共に前記ロッドを介して前記連結ピンを牽引する牽引装置とを有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の振動アクチュエータ。
- 前記ロッドの一端部に第1規制部を形成すると共に、前記ロッドの一端部に隣接するローラに前記第1規制部に対応する第2規制部を形成し、前記第1規制部と前記第2規制部とが互いに係合することで前記複数のローラの回転が所定の角度範囲に規制される請求項7に記載の振動アクチュエータ。
- 前記複数のローラが前記所定の角度範囲の端部に到達したことを検知するための検知手段をさらに備え、前記振動手段は、互いに積層された複数の圧電素子板を有し、前記検知手段は、前記振動手段の電圧を測定することにより前記振動手段にかかる応力を監視し、前記第1規制部と前記第2規制部とが互いに係合した際に生じる前記振動手段の応力の変化を検出することにより、前記複数のローラが前記所定の角度範囲の端部に到達したことを検知する請求項8に記載の振動アクチュエータ。
- 前記予圧手段は、その一端部が前記連結ピンに連結されるワイヤを有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の振動アクチュエータ。
- 前記予圧手段は、前記ワイヤの他端部に接続されると共に前記ワイヤを介して前記連結ピンを牽引する牽引装置をさらに有する請求項10に記載の振動アクチュエータ。
- 前記ワイヤは、弾性を有してそれ自身により前記連結ピンを牽引する請求項10に記載の振動アクチュエータ。
- 前記複数のローラは、自走可能なロボットのハンド等の関節として用いられる請求項1〜12のいずれか一項に記載の振動アクチュエータ。
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