JP2009044815A - 振動アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】出力軸を機械的に設定された複数の回転軸の回りに回転させることができる小型で且つ軽量の振動アクチュエータを提供することを課題とする。
【解決手段】ステータ2の表面に、第1挟持部4及び第2挟持部5によりそれぞれ第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7が回転自在に支持され、第1及び第2のアーチ状部材7のスライド溝8及び9のそれぞれに沿ってスライド自在であるように出力軸10が取り付けられている。振動子3を駆動してステータ2に超音波振動を発生させることにより、第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7がそれぞれの端部を貫通する支持ボルトを回転軸としてY軸及びX軸回りに回転され、これにより出力軸10をY軸及びX軸の2つの回転軸の回りにそれぞれ回転させることができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、振動アクチュエータに係り、特に超音波振動を利用して回転体を回転させる振動アクチュエータに関する。
近年、圧電素子を有する振動子によりステータに超音波振動を発生させて回転体を回転させる振動アクチュエータが提案され、実用化されている。
例えば、特許文献1に開示された振動アクチュエータでは、振動子に駆動電圧を印加してその両端部に配置されたステータに超音波振動を発生させることにより、各ステータに接触支持された円筒状のロータがその中心軸の回りに回転される。
また、例えば特許文献2に開示された振動アクチュエータでは、振動子によりステータに超音波振動を発生させることで、ステータに接触支持された球体状のロータが3つの回転軸の回りに回転される。
さらに、例えば特許文献3に開示された振動アクチュエータでは、球体状のロータが機械的に設定された2つの回転軸の回りに回転自在に支持されており、このロータには2つのステータがそれぞれ接触配置されると共に、これら2つのステータをそれぞれ振動させるための2つの振動子が設けられている。各振動子により対応するステータに超音波振動を発生させることにより、ロータが2つの回転軸の回りに回転される。
特開2000−324862号公報 特開2003−52184号公報 特開2003−324980号公報
しかしながら、特許文献1の振動アクチュエータでは、ロータはその中心軸の回りにしか回転されないため1つの自由度に限定されてしまう。
また、特許文献2の振動アクチュエータでは、ロータを3つの回転軸の回りに回転することができるが機械的な回転軸を設定することはできないため、ロータを所定の回転軸の回りに回転させるために複雑な制御が必要となる。
さらに、特許文献3の振動アクチュエータでは、機械的に設定された2つの回転軸を有するが、ロータを2つの回転軸の回りにそれぞれ回転させるための2つのステータと2つの振動子が設けられているため、振動アクチュエータが大型化すると共に重量が増大するという問題がある。
この発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、出力軸を機械的に設定された複数の回転軸の回りに回転させることができる小型で且つ軽量の振動アクチュエータを提供することを目的とする。
この発明に係る振動アクチュエータは、振動子と、振動子に連結されて振動子により振動されるステータと、第1の回転軸の回りに回転自在にステータに支持され、少なくとも一端部がステータに対して加圧された第1のアーチ状部材と、第1のアーチ状部材の第1の回転軸に対してねじれの関係にある又は交差している第2の回転軸の回りに回転自在にステータに支持され、少なくとも一端部がステータに対して加圧された第2のアーチ状部材と、第1のアーチ状部材及び第2のアーチ状部材のそれぞれに沿って移動可能であるように第1のアーチ状部材及び第2のアーチ状部材の双方に支持される出力軸とを備え、振動子によりステータに超音波振動を発生させてステータに対して第1のアーチ状部材及び第2のアーチ状部材を回転させることにより、出力軸が第1の回転軸及び第2の回転軸の双方の回りに回転されるものである。
第1の回転軸及び第2の回転軸は、互いに直交するように配置されることが好ましい。
また、振動子により発生される超音波振動に基づいて出力軸を第1の回転軸及び第2の回転軸の双方に直交する第3の回転軸の回りに回転させる回転機構をさらに有することもできる。例えば、回転機構は、振動子のステータとは反対側に配置される第2のステータと、この第2のステータに対して回転自在に加圧接触されるロータとを有し、第2のステータ及びロータの一方がステータに一体に形成され、振動子により第2のステータに超音波振動を発生させて第2のステータとロータとを相対的に回転させることにより、出力軸を第3の回転軸の回りに回転させるように構成することができる。
この発明によれば、出力軸を機械的に設定された複数の回転軸の回りに回転させることができる小型で且つ軽量の振動アクチュエータを実現することが可能である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1に、この発明の実施の形態1に係る振動アクチュエータを示す。基部ブロック1とステータ2との間に振動子3が配置されており、振動子3は、互いに重ね合わされた第1〜第3の圧電素子部31〜33を有する。ここで、説明の便宜上、基部ブロック1からステータ2へと向かうほぼ円柱状の外形の中心軸をZ軸と規定し、Z軸に対して垂直方向にX軸が、Z軸及びX軸に対して垂直にY軸がそれぞれ延びているものとする。
ステータ2の表面に、2対の第1挟持部4がY軸方向に互いに間隔をあけて配設されると共に、2対の第2挟持部5がX軸方向に互いに間隔をあけて配設されている。第1のアーチ状部材6が2対の第1挟持部4により、一点鎖線で示す第1の回転軸C1として用いられるY軸の回りに回転自在に支持されている。また、第2のアーチ状部材7が2対の第2挟持部5により、一点鎖線で示す第2の回転軸C2として用いられるX軸の回りに回転自在に支持されている。これら第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7は、それぞれ長板をほぼ円弧状に湾曲させた形状を有すると共に、互いに直交するように配置されている。また、第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7にはそれぞれの長さ方向に沿ってスライド溝8及び9が形成されおり、これら第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7の交点には、第1のアーチ状部材6のスライド溝8及び第2のアーチ状部材7のスライド溝9のそれぞれに沿ってスライド自在であるように1つの出力軸10がスライド溝8及び9の双方に遊嵌されて支持されている。これにより、出力軸10を互いに直交する2軸の回りに回転可能に支持するジンバル機構が構成されている。
図2に示されるように、基部ブロック1とステータ2との間に円筒状の振動子3が挟持されると共に、基部ブロック1とステータ2とが振動子3内に通された連結ボルト11を介して互いに連結されている。振動子3の第1〜第3の圧電素子部31〜33は、それぞれ平板形状を有し且つXY平面上に位置するように互いに重ね合わされている。これら第1〜第3の圧電素子部31〜33がそれぞれ駆動回路12に電気的に接続されている。
また、ステータ2の振動子3に接する面とは反対側の面に、第1挟持部4及び第2挟持部5がそれぞれステータ2の表面に対して垂直な方向すなわちZ軸方向に突出するように形成されている。
Y軸方向に互いに間隔をあけて配置された2対の第1挟持部4により、第1のアーチ状部材6の長さ方向の両端部6aがそれぞれ支持されている。それぞれの第1挟持部4の表面は、平坦であり且つXZ平面上に位置しており、対になった第1挟持部4同士が互いに近接して対向している。また、第1のアーチ状部材6の両端部6aはそれぞれ平板形状に形成されており、それぞれの端部6aがこれに対応する一対の第1挟持部4の間に挿入されて挟持されている。
それぞれの第1挟持部4及び第1のアーチ状部材6のそれぞれの端部6aには、それらをY軸方向に貫通する貫通孔が形成されており、それらの貫通孔に回転軸としての支持ボルト13が通されてナット14に締結されている。これにより、第1のアーチ状部材6の両端部6aが対応する2対の第1挟持部4にそれぞれ連結されると共に、第1のアーチ状部材6のそれぞれの端部6aは第1挟持部4に対して支持ボルト13の回りすなわちY軸回りに回転自在に支持されている。支持ボルト13及びナット14の締結力により、第1のアーチ状部材6のそれぞれの端部6aとこれに対応するステータ2の第1挟持部4とが互いにY軸方向に加圧されている。
2対の第1挟持部4による第1のアーチ状部材6の支持構造と同様に、X軸方向に間隔をあけて配置された2対の第2挟持部5により、第2のアーチ状部材7の長さ方向の両端部7aがそれぞれ支持されている。各第2挟持部5の表面は、平坦であり且つYZ平面上に位置し、対になった第2挟持部5同士が互いに近接して対向している。第2のアーチ状部材7のそれぞれ平板状の端部7aがこれに対応する一対の第2挟持部5の間に挿入されて挟持されている。
また、第2挟持部5及び第2のアーチ状部材7の端部7aにそれぞれ形成された貫通孔に、回転軸としての支持ボルト15が通されてナット16に締結されている。これにより、第2のアーチ状部材7の両端部7aが対応する2対の第2挟持部5にそれぞれ連結されると共に、第2のアーチ状部材7のそれぞれの端部7aは第2挟持部5に対して支持ボルト15の回りすなわちX軸回りに回転自在に支持されている。支持ボルト15及びナット16の締結力により、第2のアーチ状部材7のそれぞれの端部7aとこれに対応するステータ2の第2挟持部5とが互いにX軸方向に加圧されている。
次に図3に示されるように、振動子3における第1の圧電素子部31は、それぞれ円板形状を有する電極板31a、圧電素子板31b、電極板31c、圧電素子板31d及び電極板31eが順次重ね合わされた構造を有している。同様に、第2の圧電素子部32は、それぞれ円板形状を有する電極板32a、圧電素子板32b、電極板32c、圧電素子板32d及び電極板32eが順次重ね合わされた構造を有し、第3の圧電素子部33は、それぞれ円板形状を有する電極板33a、圧電素子板33b、電極板33c、圧電素子板33d及び電極板33eが順次重ね合わされた構造を有している。
これら第1〜第3の圧電素子部31〜33が絶縁シート34〜37を介してステータ2及び基部ブロック1から、また互いに絶縁された状態で配置されている。
図4に示されるように、第1の圧電素子部31の一対の圧電素子板31b及び31dは、Y軸方向に2分割された部分が互いに逆極性を有してそれぞれZ軸方向(厚み方向)に膨張と収縮の反対の変形挙動を行うように分極されており、圧電素子板31bと圧電素子板31dは互いに裏返しに配置されている。
第2の圧電素子部32の一対の圧電素子板32b及び32dは、2分割されることなく全体がZ軸方向(厚み方向)に膨張あるいは収縮の変形挙動を行うように分極されており、圧電素子板32bと圧電素子板32dは互いに裏返しに配置されている。
第3の圧電素子部33の一対の圧電素子板33b及び33dは、X軸方向に2分割された部分が互いに逆極性を有してそれぞれZ軸方向(厚み方向)に膨張と収縮の反対の変形挙動を行うように分極されており、圧電素子板33bと圧電素子板33dは互いに裏返しに配置されている。
すなわち、第1〜3の圧電素子部31〜33の各圧電素子板31b,31d,32b,32d,33b,33dにそれらの積層方向に一致するZ軸方向の膨張・収縮を行わせることにより、積層方向の一端部に配置されているステータ2に振動を与えるように構成されている。なお、各圧電素子板31b,31d,32b,32d,33b,33dは、ステータ2に振動を与えるためにZ軸方向に膨張・収縮した際に、Z軸方向に対して垂直な方向(X軸方向及びY軸方向)にも収縮・膨張することとなるが、これらX軸方向及びY軸方向にはステータ2が存在せずに開放された空間となっているため、そのX軸方向及びY軸方向の収縮・膨張はステータ2の振動に影響を与えるものではない。
第1の圧電素子部31の両面部分に配置されている電極板31a及び電極板31eと、第2の圧電素子部32の両面部分に配置されている電極板32a及び電極板32eと、第3の圧電素子部33の両面部分に配置されている電極板33a及び電極板33eがそれぞれ電気的に接地されている。また、第1の圧電素子部31の一対の圧電素子板31b及び31dの間に配置されている電極板31cと、第2の圧電素子部32の一対の圧電素子板32b及び32dの間に配置されている電極板32cと、第3の圧電素子部33の一対の圧電素子板33b及び33dの間に配置されている電極板33cがそれぞれ駆動回路12に電気的に接続されている。
次に、この実施の形態1に係る振動アクチュエータの動作について説明する。
振動子3に対して、第1の圧電素子部31の電極板31cに振動アクチュエータの固有振動数に近い周波数の交流電圧を印加すると、第1の圧電素子部31の一対の圧電素子板31b及び31dの2分割された部分がZ軸方向に膨張と収縮を交互に繰り返し、ステータ2にYZ面内でY軸方向に振れるたわみ振動を発生する。また、第2の圧電素子部32の電極板32cに振動アクチュエータの固有振動数に近い周波数の交流電圧を印加すると、第2の圧電素子部32の一対の圧電素子板32b及び32dがZ軸方向に膨張と収縮を繰り返し、ステータ2にZ軸方向の縦振動を発生する。さらに、第3の圧電素子部33の電極板33cに振動アクチュエータの固有振動数に近い周波数の交流電圧を印加すると、第3の圧電素子部33の一対の圧電素子板33b及び33dの2分割された部分がZ軸方向に膨張と収縮を交互に繰り返し、ステータ2にXZ面内でX軸方向に振れるたわみ振動を発生する。
そこで、駆動回路12から第2の圧電素子部32の電極板32cと第3の圧電素子部33の電極板33cとの双方に位相を90度シフトさせた交流電圧をそれぞれ印加すると、Z軸方向の縦振動とX軸方向に振れるたわみ振動とが組み合わされて、第1のアーチ状部材6のそれぞれの端部6aに接触するステータ2の第1挟持部4にXZ面内の楕円振動が発生し、これら第1のアーチ状部材6の端部6aと第1挟持部4との摩擦力を介して、第1のアーチ状部材6がY軸回りに回転される。このとき、X軸回りに回転自在の第2のアーチ状部材7は回転することなく、第2挟持部5によりステータ2に対する回転位置が保持されたままとなる。したがって、第1のアーチ状部材6の回転に伴って出力軸10は第2のアーチ状部材7のスライド溝9に沿ってY軸回りに回転される。
一方、駆動回路12から第1の圧電素子部31の電極板31cと第2の圧電素子部32の電極板32cとの双方に位相を90度シフトさせた交流電圧をそれぞれ印加すると、Y軸方向に振れるたわみ振動とZ軸方向の縦振動とが組み合わされて、第2のアーチ状部材7のそれぞれの端部7aに接触するステータ2の第2挟持部5にYZ面内の楕円振動が発生し、これら第2のアーチ状部材7の端部7aと第2挟持部5との摩擦力を介して、第2のアーチ状部材7がX軸回りに回転される。このとき、Y軸回りに回転自在の第1のアーチ状部材6は回転することなく、第1挟持部4によりステータ2に対する回転位置が保持されたままとなる。したがって、第2のアーチ状部材7の回転に伴って出力軸10は第1のアーチ状部材6のスライド溝8に沿ってX軸回りに回転される。
このように、振動子3を駆動してステータ2に超音波振動を発生させることにより、出力軸10をX軸及びY軸の2つの回転軸の回りにそれぞれ回転させることができる。
この振動アクチュエータでは、1つの振動子3と1つのステータ2を用いて出力軸10を2つの回転軸の回りに回転することができるため、2つの振動子と2つのステータを有する従来の振動アクチュエータに比べて、小型化及び軽量化を達成することができる。
また、第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7は、それぞれを貫通する支持ボルト13及び15の回りに回転自在に配置されているため、第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7をそれぞれ機械的に設定された回転軸の回りに回転することができ、これにより、第1及び第2のアーチ状部材6及び7のスライド溝8及び9に沿ってスライド自在に支持された出力軸10も、機械的に設定された2つの回転軸の回りにそれぞれ回転することとなる。したがって、出力軸10の回転を容易に制御することができると共に出力軸10を2つの回転軸の回りに高精度に回転させることができ、位置検出等のセンシングも容易に且つ精度良く行うことが可能である。
また、第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7がそれぞれステータ2上面の第1挟持部4及び第2挟持部5に支持され、互いに独立して駆動制御されるため、第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7の位置制御の精度を向上させることができる。
また、支持ボルト13及び15をそれぞれ対応するナット14及び16に締結することで、第1のアーチ状部材6の端部6aと第1挟持部4とを互いにY軸方向に加圧することができると共に、第2のアーチ状部材7の端部7aと第2挟持部5とを互いにX軸方向に加圧することができるため、単純な加圧機構が実現される。
また、支持ボルト13及び15とナット14及び16の締結力を変更することで、第1のアーチ状部材6の端部6aと第1挟持部4、及び第2のアーチ状部材7の端部7aと第2挟持部5との間にそれぞれ付与される加圧力の大きさを容易に調整することができる。
また、第1のアーチ状部材6の端部6aと第1挟持部4、及び第2のアーチ状部材7の端部7aと第2挟持部5とは平面同士で接触されるため、第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7をそれぞれ対応する第1挟持部4及び第2挟持部5に沿って安定して回転させることができる。
なお、出力軸10をX軸方向およびY軸方向に対して斜め方向に回転させたい場合には、第1のアーチ状部材6のY軸回りの所定角度の回転運動と、第2のアーチ状部材7のX軸回りの所定角度の回転運動とをそれぞれ独立して順次行わせ、それらの組み合わせにより出力軸10の斜め方向への回転を実現する。このようにすれば、X軸方向およびY軸方向に対して斜め方向にも安定した回転が可能となる。
実施の形態2.
次に図5を参照して、この発明の実施の形態2に係る振動アクチュエータを説明する。この実施の形態2は、実施の形態1における振動アクチュエータにおいて、出力軸10をZ軸回りにも回転させる機構を有するものである。この実施の形態2では、振動子3がステータ2と第2のステータ51との間に挟持されている。第2のステータ51は、基部ブロック52に形成された凹部53内に収容されると共に、この第2のステータ51の振動子3に接する面とは反対側の面は、ロータ54及び皿バネ55を介して、基部ブロック52の凹部53の底面に突出形成された突起部56により支持されている。
また、ステータ2の下部から、振動子3、第2のステータ51、ロータ54、皿バネ55を貫通して基部ブロック52にまでZ軸方向に中空シャフト57が配置され、さらにステータ2とこの中空シャフト57と基部ブロック52とを貫通するようにボルト58が挿入されてナット59に締結されることにより、これらステータ2、振動子3、第2のステータ51、ロータ54、皿バネ55及び基部ブロック52が互いに連結されている。皿バネ55により、ロータ54は第2のステータ51に対して加圧されている。
なお、中空シャフト57は基部ブロック52とロータ54に固定されており、これら基部ブロック52、中空シャフト57及びロータ54により固定体Aが構成されている。固定体Aは、図示しないロボットアーム等に固定されて回転しないように保持されている。
また、第2のステータ51は、その周縁部に配置されたボールベアリング60を介して基部ブロック52の凹部53の側壁に対して回転自在に連結されている。また、ステータ2と第2のステータ51はそれぞれボールベアリング61及び62を介して中空シャフト57に対して回転自在に連結されている。さらに、ナット59と基部ブロック52との当接面は低摩擦材からなり、大きな摩擦力を生じることなく互いにスライドさせることが可能である。
ここで、ステータ2、振動子3、第2のステータ51、ボルト58及びナット59により回転体Bが構成されており、回転体Bは固定体Aに対して回転自在に設けられている。回転体Bは、互いに別体である複数の部材から形成されているが、それらの部材は相互間に生じる摩擦力により一体的に回転されるように構成されている。
このような構成を有する振動アクチュエータにおいて、駆動回路12から第1の圧電素子部31の電極板31cと第3の圧電素子部33の電極板33cとの双方に位相を90度シフトさせた交流電圧をそれぞれ印加すると、Y軸方向に振れるたわみ振動とX軸方向に振れるたわみ振動とが組み合わされて、ロータ54に接触する第2のステータ51の表面にXY面内の楕円振動が発生し、第2のステータ51に対してロータ54をZ軸回りに回転させようとする駆動力が発生する。ロータ54は固定体Aの一部であるため、その駆動力によりロータ54に対して第2のステータ51がZ軸回りに回転される、すなわち固定体Aに対して回転体BがZ軸回りに回転されることとなる。この回転体Bの回転に伴って、ステータ2の第1挟持部4及び第2挟持部5に支持されている第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7も回転し、これにより出力軸10がZ軸回りに回転される。
なお、この振動アクチュエータにおいても、実施の形態1と同様に、駆動回路12から振動子3の第2の圧電素子部32及び第3の圧電素子部33または第1の圧電素子部31及び第2の圧電素子部32に対して駆動電圧を印加して、ステータ2に対し第1のアーチ状部材6または第2のアーチ状部材7をY軸またはX軸の回りに回転させることにより、出力軸10をY軸またはX軸の回りにそれぞれ回転させることができる。
以上のように、振動子3を駆動してステータ2及び第2のステータ51に超音波振動を発生させることにより、出力軸10を互いに直交する3つの回転軸の回りにそれぞれ回転させることができる。
また、回転体Bは回転時に、中空シャフト57及びボルト58を中心軸としてZ軸回りに回転されることにより、機械的に設定された回転軸の回りに回転されることとなる。したがって、出力軸10の回転を容易に制御することができると共に、出力軸10をX軸回り及びY軸回りだけでなくZ軸回りにも高精度に回転させることができる。
実施の形態3.
次に図6を参照して、この発明の実施の形態3に係る振動アクチュエータを説明する。この実施の形態3は、実施の形態2における振動アクチュエータにおいて、第2のステータ51を基部ブロック52に対して回転自在に配置する代わりに、第2のステータ51を基部ブロック52に一体に固定したものである。すなわち、第2のステータ51はその周縁部で基部ブロック52の凹部53の側壁に固定されており、ここでは、これら第2のステータ51及び基部ブロック52により固定体Cが構成されている。
また、この実施の形態3では、振動子3がステータ2と円筒形状の支持部材63との間に挟持されており、支持部材63の振動子3に接する面とは反対側の面は、円筒形状のローラベアリング64を介して第2のステータ51に対して回転自在に連結されている。また、中空シャフト57は、ステータ2の下部から、振動子3、支持部材63、ローラベアリング64、第2のステータ51、ロータ54、皿バネ55を貫通して基部ブロック52にまでZ軸方向に配置されると共に、ステータ2及びロータ54に対して固定されている。
また、中空シャフト57は、ボールベアリング65及び66を介してそれぞれ第2のステータ51及び基部ブロック52に対して回転自在に支持されている。
ここでは、ステータ2、振動子3、支持部材63、中空シャフト57、ロータ54、ボルト58及びナット59により回転体Dが構成されており、回転体Dは固定体Cに対して回転自在に設けられている。
このような構成を有する振動アクチュエータにおいて、駆動回路12から第1の圧電素子部31の電極板31cと第3の圧電素子部33の電極板33cとの双方に位相を90度シフトさせた交流電圧をそれぞれ印加すると、Y軸方向に振れるたわみ振動とX軸方向に振れるたわみ振動とが組み合わされた複合振動が支持部材63に発生する。この振動が、ローラベアリング64を介し第2のステータ51に伝達されて、ロータ54に接触する第2のステータ51の表面にXY面内の楕円振動が発生し、第2のステータ51に対してロータ54がZ軸回りに回転される。これにより、回転体Dが固定体Cに対してZ軸回りに回転され、この回転体Dの回転に伴って、ステータ2の第1挟持部4及び第2挟持部5に支持されている第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7も回転し、これにより出力軸10がZ軸回りに回転される。
なお、この場合も、駆動回路12から振動子3の第2の圧電素子部32及び第3の圧電素子部33または第1の圧電素子部31及び第2の圧電素子部32に対して駆動電圧を印加して、ステータ2に対し第1のアーチ状部材6または第2のアーチ状部材7をY軸またはX軸の回りに回転させることにより、出力軸10をY軸またはX軸の回りにそれぞれ回転させることができる。
以上のように、振動子3を駆動することにより、出力軸10を互いに直交する3つの回転軸の回りにそれぞれ回転させることができる。
また、回転体Dは回転時に、中空シャフト57及びボルト58を回転軸としてZ軸回りに回転されることにより、機械的に設定された回転軸の回りに回転されることとなる。したがって、出力軸10の回転を容易に制御することができると共に、出力軸10をX軸回り及びY軸回りだけでなくZ軸回りにも高精度に回転させることができる。
なお、ローラベアリング64の代わりに、滑りベアリング等を支持部材63と第2のステータ51の間に配置して第2のステータ51に対して支持部材63を回転自在に支持することもできる。また、ベアリングを用いずに、支持部材63と第2のステータ51とを直接に接触させてもよく、この場合に、支持部材63と第2のステータ51の当接面を低摩擦材から形成する、または、それらの当接面の間に潤滑剤を塗布することが好ましい。
なお、上述の実施の形態1〜3において、振動子3の第1の圧電素子部31、第2の圧電素子部32及び第3の圧電素子部33のうち2つを選択して印加する交流電圧の位相は90度シフトさせていたが、90度に限らず変化させても良い。また、印加する交流電圧の電圧値を変化させてもよい。交流電圧を様々に制御することでステータ2に発生する楕円振動を制御することができる。
実施の形態4.
上述の実施の形態2及び3のように、ロータ54と第2のステータ51とを互いに面接触させる代わりに、それらを互いに線接触または点接触させるように構成することもできる。例えば、実施の形態3の振動アクチュエータにおいて、図7に示されるように、第2のステータ51に凹部67を形成すると共に、ロータ68の円弧状の断面形状を有する面を第2のステータ51の凹部67の開口端周縁部に当接させることにより、これらロータ68と第2のステータ51を互いに線接触させてもよい。
実施の形態5.
上述の実施の形態2〜4における回転機構の代わりに、その他各種の回転機構を用いることもできる。例えば、実施の形態3の振動アクチュエータにおいて、図8に示されるように、可撓性を有するフレキシブルチューブ69をステータ2、振動子3及び第2のステータ51内に通して出力軸10とロータ54とを互いに連結することもできる。
すなわち、振動子3をステータ2と第2のステータ51との間に挟持すると共に、ステータ2と第2のステータ51とを振動子3内に通された中空状の連結ボルト70を介して連結し、この連結ボルト70内に挿通されたフレキシブルチューブ69を介してロータ54と出力軸10とを連結する。また、ロータ54に固定されたシャフト部材71がボールベアリング66を介して基部ブロック52の突起部56に回転自在に支持されており、振動子3を駆動してロータ54を第2のステータ51に対してZ軸周りに回転させることにより、フレキシブルチューブ69を介して出力軸10をそれ自身の軸回りに回転させることができる。
なお、ここで、フレキシブルチューブ69の代わりに、ユニバーサルジョイント等を用いてもよい。
また、上述の実施の形態2〜5において、皿バネ55の代わりに、その他各種の弾性体を用いてロータ54及び68を第2のステータ51に対して加圧することができる。
なお、上述の実施の形態1〜5では、第1のアーチ状部材6のそれぞれの端部6aに対応する一対の第1挟持部4はそれぞれ平板形状を有していたが、これに限定されるものではなく、第1のアーチ状部材6の各端部6aに対応して接触する一対の第1挟持部4の接触面のうち少なくとも一方を平面とし、第1挟持部4と第1のアーチ状部材6の端部6aとが平面同士で接触するように構成すれば、第1のアーチ状部材6をXZ面内で安定して回転させることができる。
同様に、第2のアーチ状部材7の各端部7aに対応して接触する一対の第2挟持部5の接触面のうち少なくとも一方を平面とし、第2挟持部5と第2のアーチ状部材7の端部7aとが平面同士で接触するように構成すれば、第2のアーチ状部材7をYZ面内で安定して回転させることができる。
また、第1のアーチ状部材6のそれぞれの端部6aをこれに対応する一対の第1挟持部4の間に挟持する代わりに、第1のアーチ状部材6のそれぞれの端部6aを1つの第1挟持部4に対して支持ボルト13及びナット14により連結して加圧することもできる。
同様に、第2のアーチ状部材7のそれぞれの端部7aも、一対の第2挟持部5の間に挟持する代わりに、1つの第2挟持部5に対して支持ボルト15及びナット16により連結して加圧することもできる。
実施の形態6.
上述の実施の形態1〜5において、第1のアーチ状部材6のそれぞれの端部6aは、この端部6aに対応してステータ2の表面に突出形成された一対の第1挟持部4により挟持されていたが、その代わりに、例えば図9に示されるように、第1のアーチ状部材6のそれぞれの端部6aをこの端部6aに対応してステータ2の表面に形成された溝72に挿入して挟持することもできる。このとき、ステータ2の側部から支持ボルト13を挿入して第1のアーチ状部材6の端部6aの貫通孔に挿通し、ステータ2内に形成されたネジ孔に締結することにより、第1のアーチ状部材6のそれぞれの端部6aを溝72の内壁面に対して加圧することができる。
また、このとき、実施の形態1〜5における第2のアーチ状部材7についても同様に、第2のアーチ状部材7のそれぞれの端部7aをステータ2の表面に形成された溝に挿入して挟持し、支持ボルト15をステータ2内のネジ孔に締結して加圧することができる。
なお、上述の実施の形態1〜6では、支持ボルト13及び15とナット14及び16またはネジ孔との締結力により、第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7のそれぞれの端部6a及び7aがステータ2に対して加圧されていたが、支持ボルト13及び15をスプリングワッシャ等に通してナット14及び16またはネジ孔に締結すれば、加圧力の大きさを広い範囲で容易に変更することが可能となる。
実施の形態7.
上述の実施の形態1〜5において、支持ボルト13及び15とナット14及び16を用いずに、例えば図10に示されるように、第1のアーチ状部材6のそれぞれの端部6aをこの端部6aに対応する一対の第1挟持部4の間に圧入してこれら一対の第1挟持部4により強固に挟持することで、第1のアーチ状部材6の端部6aを第1挟持部4に対し加圧することもできる。
このとき、第1のアーチ状部材6の端部6aに固定されたピン73を、この端部6aに対応する一対の第1挟持部4の貫通孔に遊嵌することで、第1のアーチ状部材6の端部6aが対応する一対の第1挟持部4の間から抜け出ることを防止することができる。
また、ピン73は第1のアーチ状部材6の端部6aと共に第1挟持部4に対して回転するため、第1挟持部4あるいはステータ2にロータリーエンコーダ等の回転検出器74を固定し、この回転検出器74によりピン73の回転を検出することで、第1のアーチ状部材6の回転位置、すなわち出力軸10のY軸回りの回転位置を検出することができる。
同様に、第2のアーチ状部材7の端部7aを対応する一対の第2挟持部5の間に圧入してこれら一対の第2挟持部5により強固に挟持することで、第2のアーチ状部材7の端部7aを第2挟持部5に対し加圧することもできる。この場合も、第2のアーチ状部材7の端部7aに固定されたピンを対応する一対の第2挟持部5の貫通孔に遊嵌することで、第2のアーチ状部材7の端部7aが抜け出ることを防止できると共に、ピンの回転を回転検出器75により検出することで、第2のアーチ状部材7の回転位置、すなわち出力軸10のX軸回りの回転位置を検出することができる。
また、第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7は、それぞれに固定されているピンを回転軸として回転される、すなわち、機械的に設定された回転軸の回りに回転されるため、回転検出器74及び75を用いて出力軸10のX軸回り及びY軸回りの回転位置をそれぞれ高精度に検出することが可能である。
なお、実施の形態6のように、第1のアーチ状部材6の端部6a及び第2のアーチ状部材7の端部7aをステータ2の表面に形成された溝に挿入して支持する場合においても、溝に圧入させて強固に挟持することで加圧することもできる。この場合も、第1のアーチ状部材6の端部6a及び第2のアーチ状部材7の端部7aに固定されたピンを対応する第1挟持部4及び第2の挟持部5の貫通孔に遊嵌し、ピンの回転を回転検出器により検出することで、出力軸10のX軸回り及びY軸回りの回転位置を精度よく検出することができる。
実施の形態8.
上述の実施の形態1〜7において、第1のアーチ状部材6の端部6a及び第2のアーチ状部材7の端部7aは対応する第1挟持部4及び第2挟持部5に対してそれぞれY軸方向及びX軸方向に加圧接触されていたが、その代わりに、例えば図11及び図12に示されるように、第1のアーチ状部材6のそれぞれの端部6aの最下端に形成された円弧状の縁部Mをステータ2の表面に対してZ軸方向に加圧接触させてもよい。
ここで、互いに対になった第1挟持部4同士は第1のアーチ状部材6の端部6aの厚さよりも大きい距離だけ離間して対向するように配置されており、これらの第1挟持部4の間に第1のアーチ状部材6の端部6aが配置されている。また、第1のアーチ状部材6の端部6aの貫通孔に通されたピン76が、第1のアーチ状部材6の端部6aの両側に位置する第1挟持部4の貫通孔に挿通されることにより、第1のアーチ状部材6が第1挟持部4により回転自在に支持されると共に、第1のアーチ状部材6の端部6aの最下端に形成された縁部Mがステータ2の表面に加圧接触されている。ここで、第1のアーチ状部材6の縁部Mは、ピン76を中心に円弧状に形成されている。
なお、図示しないが、第2のアーチ状部材7の端部7aも、第1のアーチ状部材6の端部6aと同様に、第2挟持部5により回転自在に支持されると共に、第2のアーチ状部材7の端部7aの最下端に形成された円弧状の縁部がステータ2の表面に加圧接触されている。
この場合も、振動子3の第2の圧電素子部32及び第3の圧電素子部33に対して駆動電圧を印加してステータ2に超音波振動を発生させることにより、第1のアーチ状部材6の端部6aの縁部Mに接触するステータ2の表面に楕円振動が発生し、これら第1のアーチ状部材6の端部6aとステータ2の表面との摩擦力を介して、図12に示されるように、第1のアーチ状部材6がY軸回りに回転される。
また、振動子3の第1の圧電素子部31と第2の圧電素子部32に対して駆動電圧を印加してステータ2に超音波振動を発生させることにより、第2のアーチ状部材7の端部7aの縁部に接触するステータ2の表面に楕円振動が発生し、これら第2のアーチ状部材7の端部7aとステータ2の表面との摩擦力を介して、第2のアーチ状部材7がX軸回りに回転される。
このような第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7のY軸回り及びX軸回りの回転に伴って、出力軸10をY軸回り及びX軸回りに回転させることができる。
また、この場合も、第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7はそれぞれ対応するピンを回転軸として回転される、すなわち、機械的に設定された回転軸の回りに回転されるため、出力軸10の回転を容易に且つ高精度に制御することができる。
なお、上述の実施の形態1〜8では、第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7の両端部6a及び7aがステータ2に支持されていたが、その代わりに、第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7の一方の端部6a及び7aのみがステータ2に支持される、すなわち、第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7がステータ2に片持ち状態で支持されるように構成することもできる。
また、実施の形態1〜8のように、第1のアーチ状部材6の回転軸(Y軸)と第2のアーチ状部材7の回転軸(X軸)は、互いに直交するように配置されることが好ましいが、必ずしもその必要はなく、第1のアーチ状部材6の回転軸と第2のアーチ状部材7の回転軸が互いに交差するように配置されてもよい。あるいは、第1のアーチ状部材6の回転軸と第2のアーチ状部材7の回転軸とがねじれの関係にあるように配置することもできる。
いずれの場合も、出力軸10は、第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7のそれぞれに沿って移動可能であるように第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7の双方に支持されることが好ましい。
また、実施の形態1〜8における第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7は、円弧状のものに限定されるものではなく、互いに衝突しない形状であればよい。例えば、第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材として、楕円等の曲線状に湾曲されたもの、または直線を組み合わせた形状のもの、または、直線及び曲線を組み合わせた形状のものを用いることができる。
実施の形態9.
上述の実施の形態1〜8では、振動子3として、平板状の第1〜第3の圧電素子部31〜33の積層体を用いたが、これに限るものではなく、例えば図13に示されるように、円筒形状の圧電素子板81の内周面に円筒状の共通の内側電極82が貼付されると共に圧電素子板81の外周面に周方向に4分割された4つの外側電極83〜86が貼付された振動体を使用することもできる。
この振動体は、図14に示されるように、円筒形状の圧電素子板81の中心軸がZ軸方向を向くように配置され、圧電素子板81の上端部にステータ2が連結された状態で使用される。また、外側電極83及び85が互いにX軸方向に対向し、外側電極84及び86が互いにY軸方向に対向するものとする。
圧電素子板81は、内側電極82と任意の外側電極83〜86との間に電圧を印加することによりこれらの電極間に位置する部分が円筒の軸方向、すなわちZ軸方向に膨張あるいは収縮するように分極されている。
内側電極82とすべての外側電極83〜86との間にそれぞれ振動アクチュエータの固有振動数に近い周波数の交流電圧を印加すると、円筒形状の圧電素子板81の全体がZ軸方向に膨張と収縮を繰り返し、ステータ2にZ軸方向の縦振動を発生する。また、内側電極82と外側電極83及び85との間にそれぞれ振動アクチュエータの固有振動数に近い周波数の交流電圧を互いに位相を反転させて印加すると、互いにX軸方向に対向する圧電素子板81の部分がZ軸方向に膨張と収縮を交互に繰り返し、ステータ2にXZ面内でX軸方向に振れるたわみ振動を発生する。同様に、内側電極82と外側電極84及び86との間にそれぞれ振動アクチュエータの固有振動数に近い周波数の交流電圧を互いに位相を反転させて印加すると、互いにY軸方向に対向する圧電素子板81の部分がZ軸方向に膨張と収縮を交互に繰り返し、ステータ2にYZ面内でY軸方向に振れるたわみ振動を発生する。
このため、上述の実施の形態1〜8と同様に、第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7をそれぞれ回転させることができ、また、第2のステータ51とロータ54及び68とを相対的に回転させることが可能である。
また、図15及び16に示されるように、円柱状のステータ2の外周部に周方向に4分割された4つの圧電素子部91〜94を配置した振動体を使用することもできる。
各圧電素子部91〜94は、ステータ2の外周部に沿って湾曲した圧電素子板の内面と外面にそれぞれ図示しない電極が貼付された構造を有しており、圧電素子板は、これらの電極間に電圧を印加することによりのステータ2の軸方向、すなわちZ軸方向に膨張あるいは収縮するように分極されている。なお、ステータ2の外周部と各圧電素子部91〜94とは、絶縁シート等によって互いに電気的に絶縁されているものとする。
このような振動体を用いても、図13及び14に示した振動体と同様に、第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7をそれぞれ回転させることができ、また、第2のステータ51とロータ54及び68とを相対的に回転させることが可能である。
なお、上記実施の形態1〜9では、ステータ2と第1のアーチ状部材6及び第2のアーチ状部材7との接触部分、及び第2のステータ51とロータ54及び68との接触部分に楕円運動を発生させていたが、各軸方向の振幅を制御することで円運動を発生させても良い。
この発明の実施の形態1に係る振動アクチュエータを示す斜視図である。 実施の形態1に係る振動アクチュエータを示す断面図である。 実施の形態1で用いられた振動子の構成を示す部分断面図である。 実施の形態1で用いられた振動子の3対の圧電素子板の分極方向を示す斜視図である。 実施の形態2に係る振動アクチュエータを示す断面図である。 実施の形態3に係る振動アクチュエータを示す断面図である。 実施の形態4に係る振動アクチュエータを示す断面図である。 実施の形態5に係る振動アクチュエータを示す断面図である。 実施の形態6における第1のアーチ状部材の端部近傍の構造を示す部分断面図である。 実施の形態7における第1のアーチ状部材及び第2のアーチ状部材近傍の構造を示す部分断面図である。 実施の形態8における第1のアーチ状部材の端部近傍の構造を示す部分断面図である。 Y軸方向から視た、実施の形態8における第1のアーチ状部材の端部近傍の構造を示す部分断面図である。 実施の形態9における振動体の構成を示す平面図である。 実施の形態9における振動体の構成を示す斜視図である。 実施の形態9の変形例における振動体を示す分解斜視図である。 実施の形態9の変形例における振動体を示す斜視図である。
符号の説明
1,52 基部ブロック、2 ステータ、3 振動子、4 第1挟持部、5 第2挟持部、6 第1のアーチ状部材、6a,7a 端部、7 第2のアーチ状部材、8,9 スライド溝、10 出力軸、11,70 連結ボルト、12 駆動回路、13,15 ボルト、14,16 ナット、31 第1の圧電素子部、32 第2の圧電素子部、33 第3の圧電素子部、31a,31c,31e,32a,32c,32e,33a,33c,33e 電極板、31b,31d,32b,32d,33b,33d,81 圧電素子板、34〜37 絶縁シート、51 第2のステータ、53,67 凹部、54,68 ロータ、55 皿バネ、56 突起部、57 中空シャフト、58 ボルト、60,61,62,65,66 ボールベアリング、63 支持部材、64 ローラベアリング、69 フレキシブルチューブ、71 シャフト部材、72 溝、73,76 ピン、74,75 回転検出器、82 内側電極、83〜86 外側電極、91〜94 圧電素子部、A,C 固定体、B,D 回転体、M 縁部、C1 第1の回転軸、C2 第2の回転軸。

Claims (4)

  1. 振動子と、
    前記振動子に連結されて前記振動子により振動されるステータと、
    第1の回転軸の回りに回転自在に前記ステータに支持され、少なくとも一端部が前記ステータに対して加圧された第1のアーチ状部材と、
    前記第1のアーチ状部材の前記第1の回転軸に対してねじれの関係にある又は交差している第2の回転軸の回りに回転自在に前記ステータに支持され、少なくとも一端部が前記ステータに対して加圧された第2のアーチ状部材と、
    前記第1のアーチ状部材及び前記第2のアーチ状部材のそれぞれに沿って移動可能であるように前記第1のアーチ状部材及び前記第2のアーチ状部材の双方に支持される出力軸と
    を備え、前記振動子により前記ステータに超音波振動を発生させて前記ステータに対して前記第1のアーチ状部材及び前記第2のアーチ状部材を回転させることにより、前記出力軸が前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸の双方の回りに回転されることを特徴とする振動アクチュエータ。
  2. 前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸は互いに直交している請求項1に記載の振動アクチュエータ。
  3. 前記振動子により発生される超音波振動に基づいて前記出力軸を前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸の双方に直交する第3の回転軸の回りに回転させる回転機構を有する請求項1または2に記載の振動アクチュエータ。
  4. 前記回転機構は、前記振動子の前記ステータとは反対側に配置される第2のステータと、この第2のステータに対して回転自在に加圧接触されるロータとを有し、前記第2のステータ及び前記ロータの一方が前記ステータに一体に形成され、前記振動子により前記第2のステータに超音波振動を発生させて前記第2のステータと前記ロータとを相対的に回転させることにより、前記出力軸を前記第3の回転軸の回りに回転させる請求項3に記載の振動アクチュエータ。
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