JP2008198898A - アモルファス積層コアの加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、アモルファス薄材の積層体から所定のコア形状を切出して積層コアを製造するに当たり、切出し面性状を良好に維持しつつ鉄損の小さな積層コアを製造するための加工方法を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明は、絶縁性樹脂を塗布したアモルファス薄板の積層体をワイヤ放電加工して所定コア形状に切断した後、切断面をエッチング処理するアモルファス積層コアの加工方法であって、ワイヤ放電加工を水中で行うことを特徴としている。本発明によれば、アモルファス積層体を水中でワイヤ放電加工することでアモルファスの溶融物を切断面のほぼ全面に薄く均一に付着させることができ、エッチングでほぼアモルファスの溶融物のみを除去することができる。これにより、切断面の性状を悪化させることなく絶縁性を回復することができる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、絶縁性樹脂を塗布したアモルファス薄板の積層体をワイヤ放電加工して所定コア形状に切断した後、切断面をエッチング処理するアモルファス積層コアの加工方法であって、ワイヤ放電加工を水中で行うことを特徴としている。本発明によれば、アモルファス積層体を水中でワイヤ放電加工することでアモルファスの溶融物を切断面のほぼ全面に薄く均一に付着させることができ、エッチングでほぼアモルファスの溶融物のみを除去することができる。これにより、切断面の性状を悪化させることなく絶縁性を回復することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、アモルファス薄板の積層体から所定形状のコアを切出して形成する加工方法に関する。
モータ、トランス、磁気センサーなどに用いられるコア(鉄心、磁心とも言う)には、アモルファス、パーマロイ、ケイ素鋼板など磁気特性の優れた軟磁性薄材を積層した構造のものが多く用いられている。積層コアの製造方法には、所定のコア形状に加工された薄板を所定枚数積層する方法(単板加工法)と、薄板を所定枚数積み重ねて形成したり或いは薄帯を所定回数巻き付けて形成した積層体から所定形状のコアを切出す方法(積層体加工法)があるが、積層ずれの問題が少なくかつ生産性が高いという点では積層体加工法の方が優れている。
積層体加工法においては多数の薄板を一度に切断しなければならないが、その切断方法として、ワイヤカットを用いる方法が例えば特許文献1、2に開示されている。特許文献1は、磁気センサー用コアの製造に当たり、センダスト合金の薄い帯材を所定長さに切断し、この切断されたセンダスト合金薄板の複数枚を間に非導電性の接着剤又は樹脂を介在させて積層ブロック体とし、この積層ブロック体を1〜数十枚積み重ね、その上下に金属板を配して治具に装備し、ワイヤカット放電加工でコの字状のコアを形状加工するものである。また、特許文献2は、コアではなくリニアモータの扁平コイルの製造を対象としたものであるが、両面に絶縁処理および熱硬化性接着剤塗布処理を施したシート状の導体箔をロール状に巻回してロールコイルを作成し、このロールコイルをワイヤカットで切出してコイルを形成し、このコイルの切断面をエッチング処理するもので、ワイヤカットを用いることで段差を有するコイルを形成することができ、切断面をエッチングすることで切断に伴う層間バリや切粉による層間の短絡を除去することができると説明されている。
特開平5−138442号公報(段落番号0009)
特開2000−209838号公報(段落番号0035〜0038)
近年、地球温暖化防止のために二酸化炭素など温室効果を有するガスの排出量を削減するニーズは大きく、エネルギーの効率的な使用、使用電力量の低減等がますます求められている。そこで、トランスやモータなど世の中に広く普及して環境への影響が大きな機器を中心として効率向上や省電力化が図られており、そのコアにはケイ素鋼板に比べて鉄損の小さなアモルファス材が用いられるようになってきた。アモルファス積層コアを生産性よく製造するためには、前記積層体加工法によることが好ましく、特許文献1、2に開示されたワイヤカットを用いることができる。
しかし、積層体からワイヤ放電加工を用いて積層体加工アモルファス積層コアを得たところ、図5に示すように、プレスでコア薄板を形成した後に積層接着を行った単板加工アモルファス積層コアより鉄損が大きく、その差は磁界を強くする程大きくなった。この原因を考えるに、アモルファス積層コアは、特許文献1,2における積層ブロックやロールコイルの構造と同様に、アモルファス薄板間に絶縁層が介在された構造であり、渦電流の発生が抑制されるようになされているが、ワイヤ放電加工後の切断面を観察すると、アモルファス材が溶融してほぼ切断面全面を覆っており、これにより薄板間の絶縁性が低下して渦電流が流れ易くなり渦電流損が増加したためと考えられる。この鉄損増加の問題に関し、特許文献1では何ら説明も示唆もされていない。
一方、特許文献2には、ワイヤカット後の切断面をエッチングして層間の短絡物を除去することが開示されており、エッチングは絶縁性を回復させるために有効な手段であると言え、鉄損を小さくするために適用できると考えられる。しかし、エッチングにおいて、特許文献2のバリのように局所的な肥大部材を除去しようとすると、その間にバリ以外の部分も溶解されるため、切断面の表面形状が悪化したり層間がバラケルという問題が生じる。このため、表面性状を良好に維持しつつエッチングで切断面に付着したアモルファス溶融物を除去するためには、アモルファスの溶融物は切断面全面に、できるだけ薄く均一な厚さで付着していることが望ましい。従って、特許文献1、2をもとに、ワイヤ放電加工でアモルファス積層体を切断して積層コアを切出し、切断面をエッチングして短絡部材を除去するという技術に想到したとしても、切断面を荒らすことなく鉄損を小さくするための手段は見出すことはできない。
本発明は、アモルファス薄材の積層体から所定のコア形状を切出して積層コアを製造するに当たり、切出し面性状を良好に維持しつつ鉄損の小さな積層コアを製造するための加工方法を提供することを目的としている。
本発明は、絶縁性樹脂を塗布したアモルファス薄板の積層体をワイヤ放電加工して所定コア形状に切断した後、切断面をエッチング処理するアモルファス積層コアの加工方法であって、ワイヤ放電加工を水中で行うことを特徴としている。本発明によれば、アモルファス積層体を水中でワイヤ放電加工することでアモルファスの溶融物を切断面のほぼ全面に薄く均一に付着させることができ、エッチングでほぼアモルファスの溶融物のみを除去することができる。これにより、切断面の性状を悪化させることなく絶縁性を回復することができる。
上記本発明によれば、切断面性状が良好で鉄損の小さなアモルファス積層コアを製造することができる。
以下、本発明を図2に示すようなモータ用積層コア1を製造する場合を例に説明する。図3に積層コア1を切出す前のアモルファス薄板を積層した積層体2を示す。積層体2は、例えば日立金属製の厚さ約25μmの鉄系アモルファス金属材料「2605SA1」或いは「2605HB1」の薄板3を積層してなり、薄板3の一面或いは両面には厚さ0.5〜10μm程度の耐熱性を有した接着剤が塗布されており、所定枚数を積層して加熱・加圧することで所定厚さに形成される。
本発明は、図1に示すように、積層体2をワイヤ放電加工機6の水槽7内にセットし、ワイヤ電極5と積層体2間に放電しつつ、ワイヤ電極5又は積層体2をXY方向に位置制御し積層コア1を切出す第一工程と、切出された積層コア1をエッチング液に浸漬してエッチング処理を行う第二工程とを有している。一般に、ワイヤ放電加工は水中或いは油中で行われるが、本発明はワイヤ放電加工を水中で行うことを特徴としている。すなわち、鉄損を小さくするため、第二工程でアモルファス材の溶着物をエッチング処理で除去して切断面の絶縁性能を回復させるのであるが、第一工程を水中で行ったか油中で行ったかでエッチング状態が大きく異なり、水中で加工したものの方が良好にエッチングされることを見出したからである。
実際に、両面にポリイミドアミド樹脂を塗布した前記2605SA1材を90層積層して積層体を形成し、交流高周波電源を用いたワイヤ放電加工で外径43mm、内径25mmのドーナツ状の積層コア試料を作成した。ワイヤ放電加工を水中で行ったものと油中で行ったもの、及びエッチングを行ったものと行わなかったものについて鉄損を測定した。
<実施例1>
積層体を水中ワイヤ放電加工でドーナツ状に切出し、(Na2S2O8+純水)からなるエッチング液に10分間浸漬した。
<比較例1>
積層体を水中ワイヤ放電加工でドーナツ状に切出した。エッチング処理は行わなかった。
<比較例2>
積層体を油中ワイヤ放電加工でドーナツ状に切出した。エッチング処理は行わなかった。
<比較例3>
積層体を油中ワイヤ放電加工でドーナツ状に切出し、(Na2S2O8+純水)からなるエッチング液に35分間浸漬した。
<実施例1>
積層体を水中ワイヤ放電加工でドーナツ状に切出し、(Na2S2O8+純水)からなるエッチング液に10分間浸漬した。
<比較例1>
積層体を水中ワイヤ放電加工でドーナツ状に切出した。エッチング処理は行わなかった。
<比較例2>
積層体を油中ワイヤ放電加工でドーナツ状に切出した。エッチング処理は行わなかった。
<比較例3>
積層体を油中ワイヤ放電加工でドーナツ状に切出し、(Na2S2O8+純水)からなるエッチング液に35分間浸漬した。
比較例1及び比較例2は、切断面にアモルファス材の溶融物が付着していた。比較例1では溶着物には錆が生じていた。比較例2では溶着物には錆は認められなかったが、厚さにバラツキがあった。実施例1は、前記比較例1のものをエッチングした形態であるが、10分間のエッチングで切断面のほぼ全面から溶着物を除去することができた。比較例3は、前記比較例2のものをエッチングした形態であるが、35分間のエッチングでも溶融物が除去できず積層コア自身を侵し始めたため、35分間でエッチングを終了した。これら試料の鉄損測定結果を図4に示すが、水中でワイヤ放電加工を施し、エッチングを行った実施例1試料の鉄損値が低いことが明らかである。
水中加工したものと油中加工したものとで鉄損の差が生じる理由は定かではないが、錆が一因をなしていると思われる。すなわち、鉄系アモルファスは錆びやすく、水中加工では発生した溶融物が水と反応して錆が形成されやすいが、錆は剥がれやすいため、エッチングで錆が剥離される時に溶着物がまとまって除去されることにより残留物が少なくなると考えられる。また、油中加工したものは、エッチング処理を行う前に脱脂処理を行わなければならないが、溶着物の隙間に浸入した油は完全には除去されず、油が付着している部分はエッチングされ難いことも一因であると思われる。
1 積層コア
2 積層体
3 アモルファス薄板
4 絶縁性樹脂
5 ワイヤ電極
6 ワイヤ放電加工機
7 水槽
2 積層体
3 アモルファス薄板
4 絶縁性樹脂
5 ワイヤ電極
6 ワイヤ放電加工機
7 水槽
Claims (1)
- 絶縁性樹脂を塗布したアモルファス薄板の積層体をワイヤ放電加工して所定コア形状に切断した後、切断面をエッチング処理するアモルファス積層コアの加工方法であって、ワイヤ放電加工を水中で行うことを特徴とするアモルファス積層コアの加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007034434A JP2008198898A (ja) | 2007-02-15 | 2007-02-15 | アモルファス積層コアの加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007034434A JP2008198898A (ja) | 2007-02-15 | 2007-02-15 | アモルファス積層コアの加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008198898A true JP2008198898A (ja) | 2008-08-28 |
Family
ID=39757560
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007034434A Pending JP2008198898A (ja) | 2007-02-15 | 2007-02-15 | アモルファス積層コアの加工方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2008198898A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017092077A (ja) * | 2015-11-02 | 2017-05-25 | 新日鐵住金株式会社 | アモルファス積層コアおよびアモルファス積層コアの製造方法 |
US11213905B2 (en) * | 2017-07-20 | 2022-01-04 | Seibu Electric & Machinery Co., Ltd. | Wire electrical discharge machining system, wire electrical discharge machining method, and workpiece measurement method |
-
2007
- 2007-02-15 JP JP2007034434A patent/JP2008198898A/ja active Pending
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