JP2008198673A - 複合電解研磨装置 - Google Patents

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Takayuki Saito
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Abstract

【課題】銅膜等の導電膜の表面に該導電膜を傷つけることなく、均一に給電して導電膜表面での電位分布のばらつきを小さくし、しかも、ロータリー方式を採用しても、導電膜に信頼性高く給電して複合電解研磨を行うことができるようにする。
【解決手段】電源252の一方の極に接続された第1の電極254を有し、導電性を有する研磨パッド101を保持する研磨テーブル100と、導電膜を有する研磨対象物Wの外周部をリテーナリング3で囲繞して研磨対象物を保持し、該研磨対象物Wを研磨パッドの研磨面に向けて押圧する研磨ヘッド1と、リテーナリングの研磨パッドとの対向面に取付けられて電源の他方の極に接続され、研磨パッドに接触し該研磨パッドを通して研磨対象物の導電膜に給電する第2の電極264と、研磨パッドの研磨面に電解液を供給する電解液供給部と、研磨パッドと研磨ヘッドで保持した研磨対象物とを相対移動させる移動機構を有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、複合電解研磨装置に関し、特に半導体ウェーハ等の基板表面に形成された導電性材料(金属)を電気化学的作用と機械的作用を組合せて研磨するのに使用される複合電解研磨装置に関する。
半導体装置の配線形成プロセスとして、絶縁膜内に設けたトレンチやビアホール等の配線用凹部内に配線金属を埋込むようにした、いわゆるダマシンプロセスが使用されつつある。このダマシンプロセスは、基板上のSiO、SiOF、SiOCまたはいわゆるLow−k材等からなる絶縁膜(層間絶縁膜)内に配線用凹部を形成し、次いで配線用凹部を含む絶縁膜全表面に、チタン、タンタル、タングステン、ルテニウム及び/またはそれらの合金等からなるバリア膜を形成し、バリア膜の表面にアルミニウム、銅、銀、金、タングステンまたはそれらの合金からなる配線金属膜を形成して配線用凹部内に配線金属を埋込み、その後、配線用凹部以外に形成された余分な配線金属膜及びバリア膜を除去することにより一般に行われる。現状の高速デバイスでは、配線金属として、銅ないしその合金を採用することが一般的であり、また絶縁膜としては、いわゆるLow−k材を採用する方向にある。
ダマシンプロセスにおける配線用凹部の形成はドライエッチング等により、バリア膜の形成はPVD、CVDまたはALD等のドライプロセスにより行われることが多い。配線金属膜の形成方法としては、電解めっきまたは無電解めっきなどのウェットプロセス、PVD、CVDまたはALD等のドライプロセスが挙げられるが、電解めっきで形成することが広く行われている。バリア膜の導電性が低い場合に電解めっきで配線金属膜を形成する際には、バリア膜の成膜に連続して該バリア膜の表面に給電用のシード膜を事前に形成しておくことが広く行われている。余分な配線金属膜及びバリア膜の除去は、一般に、化学機械的研磨(CMP)、電解研磨、複合電解研磨などのいわゆる平坦化法で行われる。
図1は、半導体装置における銅配線形成例を工程順に示す。図1(a)に示すように、半導体素子を形成した半導体基材301上の導電層301aの上に、例えばSiOやLow−k材からなる絶縁膜302を堆積し、この絶縁膜302の内部に、例えばリソグラフィ・エッチング技術によりビアホール303とトレンチ304を形成し、その上にTaもしくはTaN等からなるバリア膜305、更にその上に電解めっきの給電膜としてのシード膜306をスパッタリング等により形成する。
そして、図1(b)に示すように、半導体基板Wの表面に銅めっきを施すことで、半導体基板Wのビアホール303及びトレンチ304内に銅を充填させるとともに、絶縁膜302上に配線金属膜としての銅膜307を堆積させる。その後、化学的機械的研磨(CMP)等により、絶縁膜302上の銅膜307、シード膜306及びバリア膜305を除去して、ビアホール303及びトレンチ304に充填させた銅膜307の表面と絶縁膜302の表面とをほぼ同一平面にする。これにより、図1(c)に示すように、絶縁膜302の内部にシード膜306と銅膜307からなる配線308を形成する。
上記基板上の銅膜(絶縁膜)を複合電解研磨で除去する際には、研磨ヘッドで保持した基板表面の銅膜と研磨テーブルに設けた対極電極との間に、銅膜を陽極とした電圧を印加しながら、電解液の存在下で、基板表面の銅膜に研磨テーブルで保持した研磨パッドを擦り付けて該銅膜を研磨するようにしている。この研磨に際して、電解液を通じて銅膜と対極電極との電気的接続が行われる。このため、基板表面の銅膜に電源の一方の極を、研磨テーブルに設けた対電極に電源の他方の極をそれぞれ接続する必要があるばかりでなく、研磨パッドの内部に多数の貫通孔を設けて、銅膜と対電極との間に電解液を通じた電気的接続を確保する必要がある。研磨パッドの材質としては、絶縁性を有するポリウレタンが一般に使用されている。
ここで、研磨ヘッドで保持した基板と研磨テーブルで保持した研磨パッドとを相対移動させる方式としては、研磨ヘッドと研磨テーブルの回転軸を互いにずらした位置に配置して両者を共に回転(自転)させる、いわゆるロータリー方式と、研磨テーブルをスクロール運動させながら研磨ヘッドを回転(自転)させる、いわゆるオービタル方式が一般に知られている。
基板表面の銅膜等の研磨対象物の導電膜へ給電する方法としては、研磨パッドの側方に研磨対象物(基板)の一部をオーバーハングさせた状態で、研磨パッドの側方にはみ出した位置で導電膜に給電接点を直接接触させる方法(特許文献1参照)、研磨パッド内に球状や線状の給電接点を配置する方法(特許文献2参照)、導電性材料からなる研磨性パッド(導電性パッド)を用いる方法(特許文献3、4参照)等が知られている。研磨パッドとして導電性パッドを用いる場合、研磨テーブル側を陰極とし、間に絶縁材を挟んで配置した導電性パッドを陽極とするのが一般的である。
また、基板等の研磨対象物の外周部を囲繞して研磨対象物を保持するリテーナリングを有する研磨ヘッドを備え、このリテーナリングを通して研磨対象物の導電膜に給電するようにしたものがある(特許文献5、6参照)。
特開2003−311537号公報 特開2005−5661号公報 米国特許出願公開2002−119286号明細書 特表2004−531885号公報 特開2004−209588号公報 特開2003−347243号公報
しかしながら、絶縁性材料からなる研磨パッドを使用し、銅膜等の導電膜に金属からなる給電接点を直接接触させて給電すると、導電膜表面の給電接点と接触した部分が傷つき易くなって、この部分が半導体デバイスとして使えなくなる。しかも、導電膜と給電接点との接触面積が比較的小さくなって接触が不安定になり易く、給電接点から信頼性高く導電膜に給電することが一般に困難となる。
オービタル方式を採用した複合電解研磨装置では、研磨パッドとして導電性パッドを用いている例もある。この場合、研磨テーブルが自転しないので、研磨パッドへの給電は、いわゆる固定連結方式によって行うことができる。しかし、ロータリー方式を採用した複合電解研磨装置では、研磨パッドは研磨テーブルと一体となって回転するため、固定連結方式で研磨パッドに給電することは一般に困難である。また、固定連結方式で研磨パッドへの給電が可能な場合でも、パッド上の微小面積から研磨パッドに給電するため、比較的電気抵抗の大きな研磨パッド内での電圧降下によって、研磨パッドを通して導電膜に給電された電位の導電膜表面における面内分布にばらつきが生じ、ひいては研磨速度の面内分布にばらつき生じてしまう。
リテーナリングを通して導電膜に給電するようにした特許文献5に記載の発明では、リテーナリングから電解液を経由して銅膜等の導電膜に給電するようにしている。このため、リテーナリングから電解液に電気を伝える際、及び電解液から導電膜に電気を伝える際に、電子電流からイオン電流に変換する「電気化学反応」が必要となる。この反応の起こり易さは、電解液と金属界面の各イオン成分の濃度に大きく影響を受けるため、反応が不安定になりやすく、安定した給電が困難となる。また、電解液中はイオンが電荷の輸送を担うので、電子が電荷の輸送を担うよりも電気抵抗が大きくなり、給電点(リテーナリング)からの距離の違いによって、導電膜表面に流れる電流は大きく異なる。すなわち、リテーナリングに最も近い導電膜周縁部に電流が集中し、導電膜周縁部の研磨速度が速くなる傾向があった。また、この方式では多くの電流が給電リングとカソードの間に流れ、研磨の電流効率が悪かった。
特許文献6に記載の発明では、リテーナリングから基板(研磨対象物)側面に形成されたシード層を介して、基板表面の銅膜等の導電膜に給電するようにしている。この方法では、給電点の実質上の接触面積は比較的小さく、かつ、給電点が基板外周に限られるために、基板全面に亘って均一に給電することが一般に困難で、基板の特に中心部と周縁部で研磨速度に差が出てしまうと考えられる。
導電性を有するパッドを用いる場合は、給電方法以外にも課題がある。例えば、半導体デバイスの銅配線研磨に用いられる複合電解研磨において、基板表面の銅膜(導電膜)への給電を、例えばカーボンを主体とした導電性を有する研磨パッド(導電性パッド)を通して行うと、研磨パッド自体に、少なくとも銅より高い電位が印加される。このため、研磨パッド表面での電解反応による酸素の発生が懸念される。そして、研磨パッド表面で酸素が発生すると、これが銅表面でのピット発生の原因になったり、銅の研磨速度を低下させる原因になったりする。
本発明は上記事情に鑑みて為されたもので、銅膜等の導電膜の表面に該導電膜を傷つけることなく、均一に給電して導電膜表面での電位分布のばらつきを小さくし、しかも、ロータリー方式を採用しても、導電膜に信頼性高く給電して複合電解研磨を行うことができるようにした複合電解研磨装置を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、導電性を有する研磨パッド表面での電解反応を極力抑制して、銅膜等の導電膜を、該導電膜表面でのピットの発生を抑制しつつ、安定した研磨速度で研磨できるようにした複合電解研磨装置を提供することを第2の目的とする。
請求項1に記載の発明は、電源の一方の極に接続された第1の電極を有し、導電性を有する研磨パッドを保持する研磨テーブルと、導電膜を有する研磨対象物の外周部をリテーナリングで囲繞して研磨対象物を保持し、該研磨対象物を前記研磨パッドの研磨面に向けて押圧する研磨ヘッドと、前記リテーナリングの前記研磨パッドとの対向面に取付けられて電源の他方の極に接続され、前記研磨パッドに接触し該研磨パッドを通して研磨対象物の導電膜に給電する第2の電極と、前記研磨パッドの研磨面に電解液を供給する電解液供給部と、前記研磨パッドと前記研磨ヘッドで保持した研磨対象物とを相対移動させる移動機構を有することを特徴とする複合電解研磨装置である。
これにより、銅膜等の導電膜には、第2の電極に接触するリテーナリングから、導電性を有する研磨パッド(導電性パッド)を通して、直接給電される。つまり、第2の電極に接触するリテーナリングから導電性パッド、更には導電膜という経路で、電子伝導により電荷が導電膜に輸送される。このため、均一かつ信頼性高く導電膜全面に電荷を伝え、導電膜に対する加工速度の面内均一性を高いレベルで保つことができる。
請求項2に記載の発明は、電源の一方の極に接続された第1の電極を有し、導電性を有する研磨パッドを保持する研磨テーブルと、導電膜を有する研磨対象物を保持し、該研磨対象物を前記研磨パッドの研磨面に向けて押圧する研磨ヘッドと、電源の他方の極に接続され、前記研磨パッドの表面に前記研磨ヘッドと互いに干渉しない位置で面接触し該研磨パッドを通して研磨対象物の導電膜に給電する第2の電極を有する給電部と、前記研磨パッドの研磨面に電解液を供給する電解液供給部と、前記研磨パッドと前記研磨ヘッドで保持した研磨対象物とを相対移動させる移動機構を有することを特徴とする複合電解研磨装置である。
これにより、給電部の第2の電極と研磨パッドとをより広い面積で面接触させ、導電性を有する研磨パッドを通して、銅膜等の導電膜に直接給電して、導電膜表面での電位分布のばらつきを小さくできる。しかも、研磨パッド表面に給電による悪影響を与えることを防止しつつ、導電膜への給電の信頼性を高め、給電に伴って研磨性能が低下しないようにすることができる。
請求項3に記載の発明は、前記研磨パッドに擦接して該研磨パッドをドレッシングするドレッサーを備え、前記給電部は、該ドレッサーに備えられていることを特徴とする請求項2記載の複合電解研磨装置である。
このように、研磨パッドをドレッシングするドレッサーに給電部を設けることで、研磨パッドのドレッサーによりドレッシングと、給電部及び研磨パッドを通しての導電膜への給電をin-situで行うことができる。例えば、リング状ドレッサーの場合、外周部のリング状ドレッサーと絶縁材を介して絶縁した状態で、ドレッサーの中心部に給電部を設けることができる。この場合、絶縁材をばね状とすることで、給電部の研磨パッドに対する押付け圧のコントロールが可能となる。
請求項4に記載の発明は、電源の一方の極に接続された第1の電極を有し、導電性を有する研磨パッドを保持する研磨テーブルと、導電膜を有する研磨対象物を保持し、該研磨対象物を前記研磨パッドの研磨面に向けて押圧する研磨ヘッドと、電源の他方の極に接続され、前記研磨パッドの表面に接触し該研磨パッドを通して研磨対象物の導電膜に給電する第2の電極を有する給電部と、前記研磨パッドの研磨面に電解液を供給する電解液供給部と、前記研磨パッドと前記研磨ヘッドで保持した研磨対象物とを相対移動させる移動機構を有することを特徴とする複合電解研磨装置において、前記第2の電極は、前記導電性パッドとの接触部位において、前記導電性パッドに対して相対速度0.1m/s以下で相対運動することを特徴とする複合電解研磨装置である。
例えば、給電接点にコロを使用し、コロと回転する研磨パッドとの接点における相対速度がゼロとなるように両者の回転速度(回転の線速)を調整するか、或いはコロの回転摩擦がゼロに近い状態にして、研磨パッドとコロ表面との摩擦によってコロが連れ回りするようにすることで、研磨パッドと給電接点(コロ)との間に生じる摩擦力を小さくして、研磨パッドが傷ついたり、研磨パッドが研磨テーブルから剥がれたりすることを防止することができる。研磨パッドが傷つくことをなくすことで、研磨パッドによる研磨特性を損なうことなく給電が可能となる。
請求項5に記載の発明は、電源の一方の極に接続された第1の電極を有し、導電性を有する研磨パッドを保持する研磨テーブルと、導電膜を有する研磨対象物を保持し、該研磨対象物を前記研磨パッドの研磨面に向けて押圧する研磨ヘッドと、電源の他方の極に接続され、前記研磨パッドに接触し該研磨パッドを通して研磨対象物の導電膜に給電する第2の電極と、前記研磨パッドの研磨面に電解液を供給する電解液供給部と、前記研磨パッドと前記研磨ヘッドで保持した研磨対象物とを相対移動させる移動機構を有し、前記研磨パッドの研磨中に一度も前記導電膜に接触しない表面、及び研磨パッドの内部に設けられた貫通孔の内側面の少なくとも一部には絶縁処理が施されていることを特徴とする複合電解研磨装置である。
このように、導電性を有する、例えばカーボンを主成分とする研磨パッドの研磨中に一度も導電膜に接触しない表面、及び研磨パッドの内部に設けられた貫通孔の内側面の少なくとも一部に絶縁処理を施すことで、研磨パッド(導電性パッド)表面での電解反応を極力抑制して、研磨パッド表面で発生する酸素が導電膜表面でのピット発生の原因になったり、研磨速度を低下させる原因になったりすることを抑制することができる。導電性を有する研磨パッドの一部を絶縁処理する方法としては、インク、塗料、接着剤などで表面をコーティングする絶縁コーティングや、薬品処理、グラフト重合処理、光、電子線、イオンビーム、プラズマ処理、めっき処理などで表面改質する表面改質処理が挙げられる。
本発明によれば、基板表面に形成した銅膜等の研磨対象物の導電膜表面を傷つけることなく、たとえロータリー方式を採用しても、全面に亘ってより均一な電位で導電膜表面に信頼性高く給電することができる。しかも、導電性を有する研磨パッドを使用し、研磨パッドの研磨に不要な部分を絶縁処理することによって、研磨パッド表面での電解反応(酸素発生)を極力抑制し、研磨の際に導電膜に欠陥が発生することを抑制することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。以下の例では、研磨対象物としての基板のバリア膜表面に形成した、配線を形成する銅膜(及びシード膜)を除去して、バリア膜を露出させるようにした例を示す。
図2は、本発明に係る複合電解研磨装置を備えた基板処理装置の配置構成を示す平面図である。この基板処理装置は、例えば、図1(b)に示すように、表面に銅めっきを施すことで、ビアホール303及びトレンチ304内に銅を充填させるとともに、絶縁膜302上に配線金属膜としての銅膜307を堆積させた基板(研磨対象物)Wを用意し、この基板の表面に、図1(b)にA−A線で示す位置まで研磨処理を施して、絶縁膜302上の導電膜としての銅膜307(及びシード膜306)を除去し、これによって、バリア膜305を露出させるのに使用される。そして、更に絶縁膜302上のバリア膜305を除去することで、図1(c)に示すように、絶縁膜302の内部にシード膜306と銅膜307からなる配線308が形成される。
この基板処理装置は、配線金属膜(導電膜)としての銅膜307を有する多数の基板W(図1(b)参照)をストックする基板カセット204を収容するロード・アンロードステージを備えている。ロード・アンロードステージ内の各基板カセット204に到達可能となるように、走行機構200の上に2つのハンドを有した搬送ロボット202が配置されている。走行機構200にはリニアモータからなる走行機構が採用されている。リニアモータからなる走行機構を採用することにより、大口径化し重量が増した基板の高速且つ安定した搬送ができる。
搬送ロボット202の走行機構200を対称軸に、基板カセット204とは反対側に2台の乾燥ユニット212が配置されている。各乾燥ユニット212は、搬送ロボット202のハンドが到達可能な位置に配置されている。また2台の乾燥ユニット212の間で、搬送ロボット202が到達可能な位置に、4つの基板載置台を備えた基板ステーション206が配置されている。
各乾燥ユニット212と基板ステーション206に到達可能な位置に搬送ロボット208が配置されている。乾燥ユニット212と隣接するように、搬送ロボット208のハンドが到達可能な位置に洗浄ユニット214が配置されている。搬送ロボット208のハンドの到達可能な位置にロータリトランスポータ210が配置され、このロータリトランスポータ210と基板受渡し可能な位置に、本発明の実施の形態における複合電解研磨装置250が2台配置されている。この例では、複合電解研磨装置250を2台備え、この内の一方を銅膜307(及びシード膜306)の第1の研磨に、他方を第2の研磨にそれぞれ個別に使用するようにしている。
基板処理装置は、研磨前、あるいは研磨後に洗浄及び乾燥処理を経た基板表面における膜の膜厚等の表面状態を測定する測定部としてのITM(In-line Thickness Monitor)224を備えている。つまり、図2に示すように、走行機構200の延長線上には、搬送ロボット202が研磨後の基板を基板カセット204内に収納する前、もしくは搬送ロボット202が研磨前の基板を基板カセット204から取出した後(In-line)に、光学的手段による基板表面へ入射し反射した光学信号により、半導体ウェーハ等の基板表面における銅膜やバリア層等の研磨状態を測定するITM(測定部)224が配置されている。
各複合電解研磨装置250は、研磨テーブル100、研磨ヘッド1、研磨テーブル100の研磨パッド101(図3等参照)に電解液を供給する電解液供給ノズル102、研磨テーブル100の研磨パッド101のドレッシングを行うためのドレッサー218及びドレッサー218を洗浄するための水槽222を有している。
図3は、複合電解研磨装置250の要部を示す。図3に示すように、研磨ヘッド1は、自在継手部10を介してヘッド駆動軸11に接続されており、ヘッド駆動軸11は、揺動アーム110に固定されたヘッド用エアシリンダ111に連結されている。ヘッド用エアシリンダ111によってヘッド駆動軸11は上下動し、研磨ヘッド1の全体を昇降させるとともに、ヘッド本体2の下端に固定されたリテーナリング3を研磨テーブル100に押圧する。ヘッド用エアシリンダ111は、レギュレータRE1を介して圧縮空気源120に接続されており、レギュレータRE1によって、ヘッド用エアシリンダ111に供給される加圧空気の空気圧等の流体圧力を調整することができる。これにより、リテーナリング3が研磨パッド101を押圧する押圧力を調整することができる。
ヘッド駆動軸11は、キー(図示せず)を介して回転筒112に連結されている。回転筒112は、その外周部にタイミングプーリ113を備えている。揺動アーム110には、回転駆動部としてのヘッド用モータ114が固定されており、タイミングプーリ113は、タイミングベルト115を介してヘッド用モータ114に設けられたタイミングプーリ116に接続されている。従って、ヘッド用モータ114を回転駆動することによって、タイミングプーリ116、タイミングベルト115及びタイミングプーリ113を介して回転筒112及びヘッド駆動軸11が一体に回転し、研磨ヘッド1が回転する。揺動アーム110は、フレーム(図示せず)に固定支持されたシャフト117によって支持されている。
次に、研磨ヘッド1について、図4及び図5を用いてより詳細に説明する。図4は、研磨ヘッド1を示す縦断面図、図5は、図4に示す研磨ヘッド1の底面図である。図4に示すように、研磨ヘッド1は、内部に収容空間を有する円筒容器状のヘッド本体2と、ヘッド本体2の下端に固定されたリテーナリング3を備えている。ヘッド本体2は、例えば金属やセラミックス等の強度及び剛性が高い材料から形成されている。リテーナリング3は、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)などの剛性の高い樹脂又はセラミックス等の絶縁材料から形成されている。そして、このリテーナリング3の下面には、そのほぼ全面に亘って、例えば白金からなる、リング状の第2の電極264が取付けられている。
ヘッド本体2は、円筒容器状のハウジング部2aと、ハウジング部2aの円筒部の内側に嵌合される環状の加圧シート支持部2bと、ハウジング部2aの上面の外周縁部に嵌合された環状のシール部2cとを備えている。ヘッド本体2のハウジング部2aの下面に固定されているリテーナリング3の下部は内方に突出している。なお、リテーナリング3をヘッド本体2と一体的に形成してもよい。
ヘッド本体2のハウジング部2aの中央部上方には、上述したヘッド駆動軸11が配設されており、ヘッド本体2とヘッド駆動軸11とは自在継手部10により連結されている。この自在継手部10は、ヘッド本体2及びヘッド駆動軸11とを互いに傾動可能とする球面軸受け機構と、ヘッド駆動軸11の回転をヘッド本体2に伝達する回転伝達機構とを備えており、ヘッド本体2のヘッド駆動軸11に対する傾動を許容しつつ、ヘッド駆動軸11の押圧力及び回転力をヘッド本体2に伝達する。
球面軸受け機構は、ヘッド駆動軸11の下面の中央に形成された球面状凹部11aと、ハウジング部2aの上面の中央に形成された球面状凹部2dと、両凹部11a,2d間に介装された、セラミックスのような高硬度材料からなるベアリングボール12とから構成されている。回転伝達機構は、ヘッド駆動軸11に固定された駆動ピン(図示せず)とハウジング部2aに固定された被駆動ピン(図示せず)とから構成される。ヘッド本体2が傾いても被駆動ピンと駆動ピンは相対的に上下方向に移動可能であるため、これらは互いの接触点をずらして係合して、回転伝達機構がヘッド駆動軸11の回転トルクをヘッド本体2に確実に伝達する。
ヘッド本体2及びヘッド本体2に一体に固定されたリテーナリング3の内部に画成された空間内には、研磨ヘッド1によって保持される半導体ウェーハ等の基板Wに当接する弾性パッド4と、環状のホルダーリング5と、弾性パッド4を支持する概略円盤状のチャッキングプレート6とが収容されている。弾性パッド4は、その外周部がホルダーリング5と該ホルダーリング5の下端に固定されたチャッキングプレート6との間に挟み込まれており、チャッキングプレート6の下面を覆っている。これにより、弾性パッド4とチャッキングプレート6との間には空間が形成されている。
ホルダーリング5とヘッド本体2との間には弾性膜からなる加圧シート7が張設されている。加圧シート7は、一端をヘッド本体2のハウジング部2aと加圧シート支持部2bとの間に挟み込み、他端をホルダーリング5の上端部5aとストッパ部5bとの間に挟み込んで固定されている。ヘッド本体2、チャッキングプレート6、ホルダーリング5、及び加圧シート7によって、ヘッド本体2の内部に圧力室21が形成されている。図4に示すように、圧力室21には、チューブやコネクタ等からなる流体路31が連通されており、圧力室21は、流体路31内に設置されたレギュレータRE2を介して圧縮空気源120に接続されている。なお、加圧シート7は、例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリウレタンゴム、シリコンゴムなどの強度及び耐久性に優れたゴム材によって形成されている。
なお、加圧シート7がゴムなどの弾性体からなり、加圧シート7をリテーナリング3とヘッド本体2との間に挟み込んで固定した場合には、弾性体としての加圧シート7の弾性変形によってリテーナリング3の下面において好ましい平面が得られなくなってしまう。従って、これを防止するため、この例では、別部材として加圧シート支持部2bを設けて、加圧シート7をヘッド本体2のハウジング部2aと加圧シート支持部2bとの間に挟み込んで固定している。
弾性パッド4とチャッキングプレート6との間に形成される空間の内部には、弾性パッド4に当接する当接部材としてのセンターバッグ8(中心部当接部材)及びリングチューブ9(外側当接部材)が設けられている。この例においては、図4及び図5に示すように、センターバッグ8は、チャッキングプレート6の下面の中心部に配置され、リングチューブ9は、このセンターバッグ8の周囲を取り囲むようにセンターバッグ8の外側に配置されている。なお、弾性パッド4、センターバッグ8及びリングチューブ9は、加圧シート7と同様に、例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリウレタンゴム、シリコンゴム等の強度及び耐久性に優れたゴム材によって形成されている。
チャッキングプレート6と弾性パッド4との間に形成される空間は、上記センターバッグ8及びリングチューブ9によって複数の空間に区画されており、これにより、センターバッグ8とリングチューブ9の間には圧力室22が、リングチューブ9の外側には圧力室23がそれぞれ形成されている。
センターバッグ8は、弾性パッド4の上面に当接する弾性膜81と、弾性膜81を着脱可能に保持するセンターバッグホルダー82(保持部)とから構成されている。センターバッグホルダー82にはねじ穴82aが形成されており、このねじ穴82aにねじ55を螺合させることにより、センターバッグ8がチャッキングプレート6の下面の中心部に着脱可能に取付けられている。センターバッグ8の内部には、弾性膜81とセンターバッグホルダー82とによって中心部圧力室24が形成されている。
同様に、リングチューブ9は、弾性パッド4の上面に当接する弾性膜91と、弾性膜91を着脱可能に保持するリングチューブホルダー92(保持部)とから構成されている。リングチューブホルダー92にはねじ穴92aが形成されており、このねじ穴92aにねじ56を螺合させることにより、リングチューブ9がチャッキングプレート6の下面に着脱可能に取付けられている。リングチューブ9の内部には、弾性膜91とリングチューブホルダー92とによって中間部圧力室25が形成されている。
圧力室22,23、中心部圧力室24及び中間部圧力室25には、チューブやコネクタ等からなる流体路33,34,35,36がそれぞれ連通されており、各圧力室22〜25は、それぞれの流体路33〜36内に設置されたレギュレータRE3,RE4,RE5,RE6を介して、供給源としての圧縮空気源120に接続されている。なお、上記流体路31,33〜36は、ヘッド駆動軸11の上端部に設けられたロータリジョイント(図示せず)を介して、各レギュレータRE2〜RE6に接続されている。
上述したチャッキングプレート6の上方の圧力室21及び上記圧力室22〜25には、各圧力室に連通される流体路31,33〜36を介して加圧空気等の加圧流体又は大気圧や真空が供給されるようになっている。図3に示すように、圧力室21〜25の流体路31,33〜36上に配置されたレギュレータRE2〜RE6によって、それぞれの圧力室に供給される加圧流体の圧力を調整することができる。これにより各圧力室21〜25の内部の圧力を各々独立に制御するか、または大気圧や真空にすることができる。
このように、レギュレータRE2〜RE6によって各圧力室21〜25の内部の圧力を独立に可変とすることにより、弾性パッド4を介して基板Wを研磨パッド101に押圧する押圧力を基板Wの部分(区画領域)毎に調整することができる。なお、場合によっては、これらの圧力室21〜25を真空源121に接続してもよい。
図3に示すように、複合電解研磨装置250の研磨テーブル100には、基板表面の銅膜等の膜厚を測定する、例えば渦電流センサからなるITM226のセンサコイル228が埋め込まれている。そして、このITM226からの信号は、制御部310に入力され、この制御部310からの出力でレギュレータRE3〜RE6が制御される。
この研磨テーブル100の上面には、図6に示すように、電源252の一方の極に接続された円板状の第1の電極(カソード)254と、この第1の電極254の表面を覆う絶縁性定盤256が順次積層され、この絶縁性定盤256の表面は、その全域に亘って研磨パッド101で覆われており、この研磨パッド101の上面が研磨面となっている。絶縁性定盤256の内部には、上下に貫通して内部に電解液が流入する多数の貫通孔256aが設けられている。
この研磨パッド101は、導電性を有するように、例えばカーボンを主成分とする導電性材料から構成されており、この研磨パッド(導電性パッド)101の内部には、上下に連通する多数の貫通孔101aが設けられている。これにより、下記のように、リテーナリング3の下面に設けられて給電接点262に接触する第2の電極264から研磨パッド(導電性パッド)101を通して、研磨ヘッド1で保持した基板Wの銅膜307等の導電膜に給電するようになっている。そして、第1の電極254と銅膜307等の導電膜は、電解液供給ノズル102から研磨パッド101の研磨面に供給され、導電性定盤256に設けられた貫通孔256a及び研磨パッド101に設けられた貫通孔101a内に流入する電解液を通して電気的に接続される。
この例では、絶縁性定盤256と研磨パッド101との間に、研磨パッド101上の電位分布のばらつきを少なくし、ひいては基板Wの銅膜307等の導電膜表面における電位分布のばらつきを小さくするため、例えば白金からなる導電性シート258が介装されている。この絶縁シート258の絶縁性定盤256に設けた貫通孔256aに対向する位置には、電解液を流通させる通孔258aが設けられている。
研磨テーブル100の側方に位置して、支持台260が配置されている。研磨ヘッド1は、リテーナリング3の一部を研磨テーブル100の側方にはみ出させた状態で基板Wを保持するようになっており、支持台250上の研磨ヘッド1のリテーナリング3に対向する位置には、電源252の他方の電極に接続される給電接点262が取付けられている。この給電接点262の上面と、研磨パッド101の上面(研磨面)は、ほぼ面一になっている。そして、リテーナリング3の下面には、リング状で、例えば白金からなる第2の電極264がその全面に亘って設けられている。なお、リテーナリング3の下面の一部にリング状の第2の電極を設けるようにしてもよい。
これにより、基板Wを保持した研磨ヘッド1を下降させた時、リテーナリング3の下面に設けた第2の電極264の一部が給電接点262の上面に、他の大部分が研磨パッド101の上面に接触し、同時に基板Wの銅膜307等の導電膜も研磨パッド101の上面に接触する。これによって、研磨ヘッド1で保持した基板Wの銅膜307等の導電膜には、給電接点262及び該給電接点262に接触するリテーナリング3に設けた第2の電極264から、図7に示すように、導電性を有する研磨パッド(導電性パッド)101を通して、直接給電される。つまり、給電接点262からリテーナリング3に設けた第2の電極264、該第2の接点264から導電性パッド101、更には銅膜307等の導電膜という経路で、電子伝導により電荷が導電膜に輸送される。このため、導電膜全面に均一に電荷を伝え、導電膜に対する加工速度の面内均一性を高いレベルで保つことができる。しかも、研磨パッド101と給電接点262とが直接接触していないので、研磨パッド101が給電電極262によって、傷つけられることはない。
なお、図6では、基板Wが研磨パッド101からはみ出した状態を描いているが、もちろん基板W全面を研磨パッド101に接触させることも可能である。また、この例では、給電接点262を設け、この給電接点262をリテーナリング3に設けた第2の電極264に接触させて給電するようにしているが、研磨ヘッド1の内部に配線を通し、例えばロータリジョイント等を介して、電源252の他方の極をリテーナリング3に設けた第2の電極264に直接接続するようにしてもよい。このように、電源252の他方の極をリテーナリング3に設けた第2の電極264に直接接続するようにした場合には、リテーナリング3の一部を研磨テーブル100の側方にはみ出させた状態で基板Wを保持する必要はない。
また、この例では、研磨パッド101と絶縁性定盤256との間に、例えば白金からなる導電性シート258を介在させることで、研磨パッド101上の電位分布のばらつきがより少なくするようにしている。つまり、第2の電極264に接触して第2の電極264に輸送された電荷は、研磨パッド101に一旦供給された後、導電性シート258を通過して研磨パッド101の全面により均一に供給される。
導電性シート258には、研磨パッド101の貫通孔101aに対向する位置に通孔258aが設けられている。導電性シート258に設けられる通孔258aの大きさは、研磨パッド101の貫通孔101aより大きく、導電性シートと電解液との接触面積が小さいことが好ましい。これは、導電性シート258に設けられる通孔258aの大きさが小さいと、該通孔258aの表面で電解反応が起こりやすくなり、研磨の電流効率(流れた全電流に対する研磨に用いられた電流の割合)が低下するからである。
導電性シート258の材料は、白金に限らないが、導電性シート258の電気抵抗は低ければ低いほどよい。また、例えば銅膜を研磨する場合には、銅よりも標準電極電位の高い(貴な材料、あるいはイオン化傾向が銅より小さい)材料であること好ましい。その理由は、研磨パッド101の下に敷く導電性シート258の材料の標準電極電位が銅より低い場合(イオン化傾向が銅より大きい場合)、銅が反応する前に導電性シートが酸化され、酸化皮膜を形成して導電性を失ったり、溶解したりするためである。
導電性シート258の形態としてはシート状が最も好ましいが、細線を無数に配置した形状でもよく、また網状であってもよい。導電性シート258の配置は、単に研磨パッド101と絶縁性定盤256との間に導電性シート258を挟んでもよいが、導電性シート258上で陽極反応が起こるのを防ぐため、導電性シート258が電解液に接しないように、導電性シート258の電解液との接液部を絶縁性材料で被覆することが好ましい。導電性シート258が電解液との接液部を持たない構造の場合、導電性シート258上で陽分極によって陽極溶解を起こすことがないので、例えば銅膜等の導電膜(被加工物)より電極電位の低い(卑な)材料で導電性シートを形成することができる。研磨パッド101と導電性シート258とは、例えば導電性接着剤などで接着される。
また、リテーナリング3の下面に設けられる第2の電極264は、陽分極したときに溶解しない導電性材料で、少なくとも銅膜等の導電膜(被加工物)より貴な標準電極電位を有する材料で構成されていることが好ましい。このため、第2の電極264は、白金であることが好ましい。第2の電極264を白金で形成した場合、白金は、銅より硬いため、白金製の第2の電極264で導電膜としての銅膜307を研磨する時に、第2の電極264が傷つくにくく、また仮に第2の電極264が傷ついたとしても、研磨性能には大きな影響を与えないようにすることができる。
電解液供給ノズル102は、図3に示すように、研磨パッド101の半径方向に沿って延びており、その長さ方向に沿った所定の間隔で複数の電解液供給口140が設けられている。
次に、上記のように構成された複合電解研磨装置250の研磨時における動作について説明する。研磨時には、外周部をリテーナリング3で囲繞して、基板Wを研磨ヘッド1の下面で保持し、ヘッド駆動軸11に連結されたヘッド用エアシリンダ111を作動させて研磨ヘッド1を下降させる。これにより、研磨ヘッド1のリテーナリング3の下面に設けた第2の電極264の一部を給電接点262に、他の大部分を研磨パッド101に接触させる。この状態で、圧力室22,23、中心部圧力室24及び中間部圧力室25にそれぞれ所定の圧力の加圧流体を供給し、研磨ヘッド1で保持した基板Wを研磨テーブル100の研磨パッド101の研磨面に押圧する。
そして、電源252を介して、第1の電極254と研磨ヘッド1で保持した基板Wの表面に設けられた銅膜307等の導電膜との間に電圧を印加しながら、電解液供給ノズル102から電解液Qを流し、同時に研磨ヘッド1及び研磨テーブル100を共に回転(自転)させることにより、研磨パッド101の貫通孔101a及び絶縁性定盤256の貫通孔256a内に電解液Qが保持され、基板Wの導電膜の下面と第1の電極254の上面との間に電解液Qが存在した状態で導電膜の研磨が行われる。
つまり、研磨ヘッド1に保持した基板Wの銅膜307等の導電膜には、給電接点262に接触するリテーナリング3の下面に設けられた第2の電極264から、導電性を有する研磨パッド(導電性パッド)101を通して、直接給電される。そして、研磨パッド101の貫通孔101a及び絶縁性定盤256の貫通孔256a内に電解液Qが保持され、基板Wの表面と第1の電極254と間に電流が流れて電解研磨が行われる。導電性シート258には、電解液Qの流通を阻害しないように、通孔258aが設けられている。なお、全面に渡って貫通孔があれば、研磨パッド101全体は、格子状または円環状の溝が形成されたものであってもよい。また、例えば、連続気孔を有する研磨パッドのように、研磨パッド101自体に通液性があれば、必ずしも研磨パッド101に貫通孔が開いていなくてもよい。
ここで、基板Wの圧力室22,23の下方に位置する部分は、それぞれ圧力室22,23に供給される加圧流体の圧力で研磨面に押圧される。また、基板Wの中心部圧力室24の下方に位置する部分は、センターバッグ8の弾性膜81及び弾性パッド4を介して、中心部圧力室24に供給される加圧流体の圧力で研磨面に押圧される。基板Wの中間部圧力室25の下方に位置する部分は、リングチューブ9の弾性膜91及び弾性パッド4を介して、中間部圧力室25に供給される加圧流体の圧力で研磨面に押圧される。
従って、基板Wに加わる研磨圧力は、各圧力室22〜25に供給される加圧流体の圧力をそれぞれ制御することにより、基板Wの半径方向に沿った各部分毎に調整することができる。すなわち、制御部310が、レギュレータRE3〜RE6によって、各圧力室22〜25に供給する加圧流体の圧力をそれぞれ独立に調整し、基板Wを研磨テーブル100上の研磨パッド101に押圧する押圧力を基板Wの部分毎に調整している。このように、基板Wの部分(押圧領域)毎に研磨圧力が所望の値に調整された状態で、回転している研磨テーブル100の上面の研磨パッド101に基板Wが押圧される。同様に、レギュレータRE1によって、ヘッド用エアシリンダ111に供給される加圧流体の圧力を調整し、リテーナリング3が研磨パッド101を押圧する押圧力を変更することができる。
このように、研磨中に、リテーナリング3が研磨パッド101を押圧する押圧力と、基板Wを研磨パッド101に押圧する押圧力を適宜調整することにより、基板Wの中心部(図6のC1)、中心部から中間部(C2)、外方部(C3)、そして周縁部(C4)、更には基板Wの外側にあるリテーナリング3の外周部までの各部分における研磨圧力の分布を所望の値とすることができる。
なお、基板Wの圧力室22,23の下方に位置する部分には、弾性パッド4を介して流体から押圧力が加えられる部分と、開口部41の箇所のように、加圧流体の圧力そのものが基板Wに加わる部分とがあるが、これらの部分に加えられる押圧力は、同一圧力でもよく、それぞれ任意の圧力でも押圧ができる。また、研磨時には、弾性パッド4は、開口部41の周囲において基板Wの裏面に密着するため、圧力室22,23の内部の加圧流体が外部に漏れることはほとんどない。
このように、基板Wを同心の4つの円及び円環部分(C1〜C4)に区画し、それぞれの部分(押圧領域)を独立した押圧力で押圧することができる。研磨レートは、基板Wの研磨面に対する押圧力に依存するが、上述したように各部分の押圧力を制御することができるので、基板Wの4つの部分(C1〜C4)の研磨レートを独立に制御することが可能となる。従って、基板Wの表面の研磨すべき薄膜の膜厚に半径方向の分布があっても、基板全面に亘って研磨の不足や過研磨をなくすことができる。
即ち、基板Wの表面の研磨すべき膜が、基板Wの半径方向の位置によって膜厚が異なっている場合であっても、上記各圧力室22〜25のうち、基板Wの表面の膜厚の厚い部分の上方に位置する圧力室の圧力を他の圧力室の圧力よりも高くすることにより、あるいは、基板Wの表面の膜厚の薄い部分の上方に位置する圧力室の圧力を他の圧力室の圧力よりも低くすることにより、膜厚の厚い部分の研磨面への押圧力を膜厚の薄い部分の研磨面への押圧力より大きくすることが可能となり、その部分の研磨レートを選択的に高めることができる。これにより、成膜時の膜厚分布に依存せずに基板Wの全面に亘って過不足のない研磨が可能となる。
ここで、基板Wの周縁部に起こる縁だれは、リテーナリング3の押圧力を制御することにより防止できる。また、基板Wの周縁部において研磨すべき膜の膜厚に大きな変化がある場合には、リテーナリング3の押圧力を意図的に大きく、あるいは、小さくすることで、基板Wの周縁部の研磨レートを制御することができる。なお、上記各圧力室22〜25に加圧流体を供給すると、チャッキングプレート6は上方向の力を受けるので、この例では、圧力室21には流体路31を介して圧力流体を供給し、各圧力室22〜25からの力によりチャッキングプレート6が上方に持ち上げられるのを防止している。
上述のようにして、ヘッド用エアシリンダ111によるリテーナリング3の研磨パッド101への押圧力と、各圧力室22〜25に供給する加圧空気による基板Wの部分毎の研磨パッド101への押圧力とを適宜調整して基板Wの研磨が行われる。
以上説明したように、圧力室22,23、センターバッグ8の内部の圧力室24、及びリングチューブ9の内部の圧力室25の圧力を独立に制御することにより、基板に対する押圧力を制御することができる。更に、この例によれば、センターバッグ8及びリングチューブ9の位置や大きさなどを変更することによって、押圧力の制御を行う範囲を簡単に変更することができる。
すなわち、基板の表面に形成される膜の膜厚分布は、成膜の方法や成膜装置の種類により変化するが、この例によれば、基板に押圧力を加える圧力室の位置や大きさをセンターバッグ8及びセンターバッグホルダー82、またはリングチューブ9及びリングチューブホルダー92を交換するだけで変更することができる。従って、研磨すべき膜の膜厚分布に合わせて押圧力を制御すべき位置や範囲を研磨ヘッド1の極一部を交換するだけで容易かつ低コストで変更することが可能となる。換言すれば、研磨すべき基板の表面の研磨すべき膜の膜厚分布に変化があった場合にも、容易かつ低コストで対応することができる。なお、センターバッグ8またはリングチューブ9の形状及び位置を変更すると、結果的にセンターバッグ8とリングチューブ9に挟まれる圧力室22及びリングチューブ9を取り囲む圧力室23の大きさを変えることにもなる。
次に、図2に示す基板処理装置の動作について説明する。
先ず、図1(b)に示す、表面に銅膜307を形成した基板Wを多数収容した基板カセット204をロード・アンロードステージに装着する。そして、1枚の基板を基板カセット204から搬送ロボット202で取出して基板ステーション206へ載置する。搬送ロボット208は、基板ステーション206から基板を受け取り、必要に応じて、基板を反転させた後、ロータリトランスポータ210に渡す。次に、ロータリトランスポータ210を水平に回転させ、このロータリトランスポータ210で支持した基板を、一方の複合電解研磨装置250の研磨ヘッド1で保持する。
そして、研磨ヘッド1で保持した基板を研磨テーブル100の上方の研磨位置に移動させる。そして、研磨ヘッド1及び研磨テーブル100を共に回転させながら、基板を下降させ、リテーナリング3の下面に設けた第2の電極264の一部を給電電極262に、他の大部分を研磨パッド101の研磨面に接触させるとともに、基板表面の銅膜307等の導電膜を研磨パッド101の研磨面に、約70hPa(1psi)以下の所定の研磨圧力で押圧する。そして、研磨パッド101に向けて電解液Qを供給しながら、第1の電極254と基板の表面の銅膜307等の導電膜との間に電源252を介して電圧を印加して導電膜を研磨(第1の研磨)する。なお、基板を研磨パッド101で研磨している間は真空吸着等による基板の保持を解除してもよい。
この複合電解研磨装置250による第1の研磨によって、例えば、残留する導電膜、すなわち銅膜307(及びシード膜306)の平均膜厚が300nm以下で、残留する銅膜307(及びシード膜306)の基板面内での膜厚分布が150nm以下となるように、渦電流センサ等のITM226で銅膜307(及びシード膜306)の膜厚の基板面内分布を検知し、制御部310を介して、図5に示す各部分(押圧領域)C1〜C4における研磨圧力を調整しながら、該銅膜307(及びシード膜306)を研磨する。このように、配線等に与えるダメージが一般に少ない複合電解研磨を研磨処理に採用し、例えば、全体の研磨量の過半を占める配線用凹部以外に形成された配線金属膜の大部分の研磨除去を複合電解研磨で行うことで、研磨工程による配線構造に対するダメージを大きく低減することができる。
そして、一方の複合電解研磨装置250による第1の研磨を終了した基板を、必要に応じて、その被研磨面及び裏面を純水等で洗浄(リンス)し乾燥させた後、ロータリトランスポータ210を経由させて、他方の複合電解研磨装置250に搬送し、この研磨ヘッド1で保持する。第1の研磨を行った複合電解研磨装置250にあっては、この研磨パッド101の研磨面のドレッサー218によるコンディショニングを行って、次の研磨に備える。
そして、研磨ヘッド1で保持した基板を研磨テーブル100の上方の研磨位置に移動させ、しかる後、前述と同様に、研磨ヘッド1及び研磨テーブル100を回転(自転)させながら、基板を下降させて研磨パッド101の研磨面に押圧し、同時に研磨パッド101に電解液Qを供給しながら、第1の電極254と基板の表面の銅膜307等の導電膜との間に電源252を介して電圧を印加して、第1の研磨で研磨されずに残った導電膜、つまりバリア膜305上の銅膜307(及びシード膜306)を研磨する。これによって、バリア膜305を露出させる。
次に、複合電解研磨装置250による研磨を終了した基板を、ロータリトランスポータ210及び搬送ロボット208を経由させ、必要に応じて反転させた後、洗浄ユニット214に搬送する。研磨を行った複合電解研磨装置250にあっては、この研磨パッド101の研磨面のドレッサー218によるコンディショニングを行って、次の研磨に備える。
そして、洗浄ユニット214で、基板の表面の洗浄リンス処理を行い、洗浄リンス後の基板を搬送ロボット208で基板ステーション206に搬送して載置する。搬送ロボット202(または206)は、洗浄された基板を基板ステーション206から取出し、例えば上面洗浄のペンスポンジとスピンドライ機能を有する乾燥ユニット212に搬送し、この乾燥ユニット212で基板を洗浄し乾燥させる。そして、洗浄乾燥後の基板を搬送ロボット202により元の基板カセット204に戻す。
図8及び図9は、本発明の他の実施の形態の複合電解研磨装置の要部を示す。この例の図3乃至図7に示す例と異なる点は以下の通りである。すなわち、この例の複合電解研磨装置にあっては、図3乃至図7に示す例における給電接点262の代りに、研磨ヘッド1とほぼ同様な構成の給電部270が備えられ、またリテーナリング3の下面の代わりに、給電部270の下面に円形の第2の電極272が設けられている。
つまり、この図8及び図9に示す複合電解研磨装置において、研磨ヘッド1のリテーナリング3の下面に第2の電極は設けられておらず、また研磨テーブル100の側方に給電接点は備えられていない。そして、研磨ヘッド1と互いに干渉しない位置に、給電ヘッド1とほぼ同様な大きさの給電部270が、上下動及び回転自在な給電部駆動軸274の下端に連結されて配置されている。この給電部270の下面は平坦面に形成されて、この平坦面に、例えば白金からなる第2の電極272が設けられている。この第2の電極272は、電源252の他方の極から延びる導線275に、ロータリジョイント276を介して、直接接続されている。その他の構成は、図3乃至図7に示す例とほぼ同様である。
この例によれば、研磨ヘッド1で保持した基板Wを下降させて研磨テーブル100の研磨パッド101の研磨面に押圧し、同時に、給電部270を下降させて、給電部270の下面に設けた第2の電極272を研磨パッド101の研磨面に面接触させる。そして、電源252を介して、第1の電極254と研磨ヘッド1で保持した基板Wの表面に設けられた銅膜307等の導電膜との間に電圧を印加しながら、電解液供給ノズル102(図3参照)から電解液Qを流し、同時に研磨ヘッド1、研磨テーブル100及び給電部270を回転(自転)させることにより、研磨パッド101の貫通孔101a及び絶縁性定盤256の貫通孔256a内に電解液Qが保持され、基板Wの導電膜の下面と第1の電極254の上面との間に電解液Qが存在した状態で導電膜の研磨が行われる。
つまり、研磨ヘッド1に保持した基板Wの銅膜307等の導電膜には、給電部270の下面に設けられ電源252の他方に極に直接接続された第2の電極272から、該第2の電極272に直接面接触する、導電性を有する研磨パッド(導電性パッド)101を通して、直接給電される。このように、研磨ヘッド1と互いに干渉しない位置に給電部270を配置し、この給電部270の下面に設けた第2の電極272を研磨パッド101の研磨面に面接触させ、この研磨パッド101を通して、研磨パッド1で保持した基板Wの銅膜307等の導電膜に給電することで、第2の電極272と研磨パッド101との間で十分な接触面積を確保して、銅膜307等の導電膜上での電位分布のばらつきを小さくできる。また、給電の信頼性が高く、しかも、研磨パッド101の表面に悪影響を与えることがないため、給電に伴って、研磨性能が低下することを防止することができる。
一般に電解液の供給ノズルの位置は、研磨ヘッド1の位置においてパッドにあいた多数の穴内を完全に電解液で満たすために、研磨ヘッドのすぐ上流側に配置するのが望ましい。また、給電部270位置でのパッド穴内には電解液が満たされず、給電電極272と第一の電極254の間になるべく電流が流れて欲しくないので、給電部270の位置は電解液供給ノズルから最下流の位置、もしくは、なるべく研磨テーブル100の回転中心付近に位置するのが望ましい。
更に、この例では、研磨中に一度も基板の銅膜307等の導電膜に接触しない研磨パッド101の表面(研磨面)、つまり、図8及び図9における、研磨パッド101の表面の同心円状の中央側領域E、及び研磨パッド101に設けた貫通孔101aの内側面には絶縁処理が施され、ここに図9に示すように、絶縁膜278が形成されている。
このように、導電性を有する、例えばカーボンを主成分とする研磨パッド101の研磨中に一度も導電膜に接触しない表面、及び研磨パッド101の内部に設けられた貫通孔101aの内側面に絶縁処理を施すことで、研磨パッド(導電性パッド)101の表面での電解反応を極力抑制して、研磨パッド101の表面で発生する酸素が導電膜表面でのピット発生の原因になったり、研磨速度を低下させる原因になったりすることを防止することができる。
導電性を有する研磨パッド101の一部を絶縁処理する方法としては、インク、塗料、接着剤などで表面をコーティングする絶縁コーティングや、薬品処理、グラフト重合処理、光、電子線、イオンビーム、プラズマ処理、めっき処理などで表面改質する表面改質処理が挙げられる。
図10は、本発明の更に他の実施の形態の複合電解研磨装置の要部を示す。この例の図8及び図9に示す例と異なる点は、図8及び図9に示す例における給電部をドレッサーの内部に設けた点にある。すなわち、この例にあっては、ドレッサー280として、円柱状の本体282の周縁部下面に、円周方向に沿った所定間隔で、多数の円形のドレッシング部284を有するものを使用し、このドレッサー280のドレッシング部284で囲まれた支持部282の下面中心部に給電部286が配置されている。ドレッシング部284の下面には、例えばダイヤモンドの粒が電着(めっき)によって埋め込まれている。
給電部286の下面には、例えば白金からなる、円形の第2の電極288が設けられ、第2の電極288に、電源の他方の極から延びる導線290がロータリジョイント292を介して直接接続されている。給電部288は、その下面が、ドレッシング部284の下面のなす面より僅かに下方に位置して、本体282と接続された支持部296に伸縮自在に支持されており、本体282と第2の電極288との間に、絶縁材からなる圧縮ばね294が介装されている。これにより、ドレッサー280のドレッシング部284を研磨パッド101の研磨面に接触させ、ドレッサー280及び研磨パッド101を共に回転(自転)させて研磨パッド101のドレッシングを行う時、給電部286の第2の電極288が研磨パッド101の研磨面に接触して、図9に示す、研磨ヘッド1で保持した基板の銅膜307等の導電膜に研磨パッド101を通じて給電できるようになっている。
この例によれば、ドレッサー280に給電部286を設けることで、研磨パッド101のドレッサー280によりドレッシングと、給電部286及び研磨パッド101を通しての銅膜307等の導電膜への給電をin-situで行うことができる。また、絶縁材からなる圧縮ばね294を介して、給電部286の下面に設けた第2の電極288の研磨パッド101に対する押付け圧のコントロールが可能となる。押付け圧のコントロールは、例えば次のようにして行う。圧縮ばね296はドレッサー本体282とは別の支持部材296とねじ等により固定されており、本体282と支持部材296は鉛直上下方向の位置関係調整が可能なようになっている。これにより研磨パッド101と給電部286の押付け圧のコントロールが可能となる。また、給電部286とドレッシング部284の間は絶縁されている必要があり、上記の例では圧縮ばね294が絶縁材で構成されていたが、これに限らず、たとえば支持部296やドレッサー本体282のいずれかが絶縁材料で構成されていれば圧縮ばねは導電性を用いることも可能である。あるいは、給電部286と圧縮ばねの間に、絶縁材を挟んでもよい。
図11は、本発明の更に他の実施の形態の複合電解研磨装置の要部を示す。この例の複合電解研磨装置は、研磨テーブル400と、研磨テーブル400の上方に上下動及び回転自在に配置された研磨ヘッド402及びドレッサー404を有している。研磨テーブル400の上面には、例えば白金からなり、電源406の一方の極に接続された円形の第1の電極408と、この第1の電極408の表面を覆う絶縁性定盤410が順次積層され、この絶縁性定盤410の表面は、その全域に亘って研磨パッド412で覆われており、この研磨パッド412の上面が研磨面になっている。研磨テーブル400、第1の電極408及び絶縁性定盤410は、一体になって回転(自転)する。
絶縁性定盤410の内部には、前述の例と同様に、上下に貫通する多数の貫通孔が設けられ、研磨パッド412の内部にも、上下に貫通する多数の貫通孔412aが設けられている。研磨パッド412は、前述の例と同様に、導電性を有するように、例えばカーボンを主体とした導電性材料から構成されている。なお、図示しないが、研磨テーブル400の上方には、研磨パッド412の上面(研磨面)に向けて電解液を供給する電解液供給ノズルが配置されている。
研磨パッド412の上面に接触しながら該表面を覆うように、給電部414が固定状態で配置されている。この給電部414は、電源406の他方の極に接続された、例えば白金からなる第2の電極416を有しており、この第2の電極416の電極406から延びる配線との接続部を除いた表面は、絶縁体418で被覆されている。この給電部414の研磨ヘッド402及びドレッサー404と上下に対向する位置には、研磨ヘッド402及びドレッサー404の大きさに見合った開口414a,414bが設けられている。
この例によれば、研磨ヘッド402で保持した基板Wを下降させ、給電部414の開口414aを通過させて、研磨テーブル400の研磨パッド412の研磨面に押圧する。また、必要に応じて、ドレッサー404を下降させ、給電部414の開口414bを通過させて、研磨テーブル400の研磨パッド412の研磨面に押圧する。そして、電源406を介して、第1の電極408と研磨ヘッド402の下面に保持した基板Wの表面に設けられた銅膜307等の導電膜との間に電圧を印加しながら、電解液供給ノズルから電解液を流し、同時に研磨ヘッド402及び研磨テーブル400共に回転(自転)させることにより、研磨パッド412の貫通孔412a及び絶縁性定盤410の貫通孔内に電解液が保持され、基板Wの導電膜の下面と第1の電極408の上面との間に電解液が存在した状態で導電膜の研磨が行われる。
つまり、研磨ヘッド402に保持した基板Wの銅膜307等の導電膜には、給電部414の電源406の他方に極に直接接続された第2の電極416から、該第2の電極416に直接面接触する、導電性を有する研磨パッド(導電性パッド)412を通して、直接給電される。これにより、第2の電極416と研磨パッド412との間で十分な接触面積を確保して、銅膜307等の導電膜上での電位分布のばらつきを小さくできる。また、給電の信頼性が高く、しかも、研磨パッド101の表面に悪影響を与えることがないため、給電に伴って、研磨性能が低下することを防止することができる。更に、電解液の飛散を抑制し、電解液の使用量を少なくして、コストダウンを図ることができる。
図12は、本発明の更に他の実施の形態の複合電解研磨装置の概要を示す。この例の複合電解研磨装置は、研磨テーブル500と、研磨テーブル500の上方に上下動及び回転自在に配置された研磨ヘッド502を有している。研磨テーブル500の上面には、例えば白金からなり、電源506の一方の極に接続された円形の第1の電極508と、この第1の電極508の表面を覆う絶縁性定盤510が順次積層され、この絶縁性定盤510の表面は、その全域に亘って導電性の研磨パッド512で覆われており、この研磨パッド512の上面が研磨面になっている。
絶縁性定盤510の内部には、前述の例と同様に、上下に貫通する多数の貫通孔510aが設けられ、研磨パッド512の内部にも、上下に貫通する多数の貫通孔512aが設けられている。更に、絶縁性定盤510と研磨パッド512との間には、該研磨パッド512の貫通孔に対応する位置に通孔514aを設けた、例えば白金箔からなる第2の電極(導電性シート)514が配置されている。なお、図示しないが、研磨テーブル500の上方には、研磨パッド512の上面(研磨面)に向けて電解液を供給する電解液供給ノズル及びドレッサーが配置されている。
研磨テーブル500の上方に、研磨パッド512の研磨面に接触して該第2の電極514に給電する給電接点516が配置されている。この給電接点516は、電源506の他方の極に接続され、回転自在な円筒状のコロから構成されている。そして、給電接点(コロ)516と回転する研磨パッド512との接点における相対速度が0.1m/s以下、好ましくは、ゼロとなるように両者の回転速度(回転の線速)が調整されている。なお、給電接点(コロ)516を回転摩擦がゼロに近い状態で回転自在に支承して、研磨パッド512と給電接点(コロ)516の表面との摩擦によって給電接点(コロ)516が連れ回りするようにしてもよい。
これにより、研磨パッド512と給電接点(コロ)516との間に生じる摩擦力を小さくして、研磨パッド512が傷ついたり、研磨パッド512や第2の電極514が研磨テーブル500から剥がれたりすることを防止することができる。研磨パッド512が傷つくことをなくすことで、研磨パッド512による研磨特性を損なうことなく、導電膜への給電が可能となる。
なお、この例では、コロからなる給電接点516を1つ設けているが、コロからなる給電接点を複数有するようにしてもよい。これにより、給電接点と研磨パッドとの接触面積を増大させて、給電の信頼性を向上させることができる。また、コロの代りに、ブラシからなる給電接点を使用してもよい。
半導体装置における銅配線形成例を工程順に示す図である。 本発明に係る複合電解研磨装置を備えた基板処理装置の配置構成を示す平面図である。 図2に示す基板処理装置に備えられている本発明の実施の形態の複合電解研磨装置の要部を示す縦断正面図である。 複合電解研磨装置の研磨ヘッドの縦断面図である。 複合電解研磨装置の研磨ヘッドの底面図である。 複合電解研磨装置の要部を概略的に示す縦断正面図である。 図6の一部を拡大して示す拡大図である。 本発明の他の実施の形態の複合電解研磨装置の要部を概略的に示す平面図である。 図8のA−A断面図である。 本発明の更に他の実施の形態の複合電解研磨装置の要部を示す概略的に示す図である。 本発明の更に他の実施の形態の複合電解研磨装置の要部を概略的に示す斜視図である。 本発明の更に他の実施の形態の複合電解研磨装置の要部を概略的に示す縦断正面図である。
符号の説明
1,402,502 研磨ヘッド
2 ヘッド本体
3 リテーナリング
4 弾性パッド
5 ホルダーリング
6 チャッキングプレート
7 加圧シート
8 センターバッグ
9 リングチューブ
21〜25 圧力室
100,400,500 研磨テーブル
101,412,512 研磨パッド
101a,412a,512a 貫通孔
102 電解液供給ノズル
120 圧縮空気源
121 真空源
204 基板カセット
206 基板ステーション
210 ロータリトランスポータ
212 乾燥ユニット
214 洗浄ユニット
218 ドレッサー
222 水槽
224,226 ITM
250 複合電解研磨装置
252,406,506 電源
254,408,508 第1の電極
256,410,510 絶縁性定盤
258 導電性シート
262,516 給電接点
264,416,514 第2の電極
270,286 給電部
278 絶縁膜
280 ドレッサー
305 バリア膜
306 シード膜(導電膜)
307 銅膜(導電膜)
308 配線

Claims (5)

  1. 電源の一方の極に接続された第1の電極を有し、導電性を有する研磨パッドを保持する研磨テーブルと、
    導電膜を有する研磨対象物の外周部をリテーナリングで囲繞して研磨対象物を保持し、該研磨対象物を前記研磨パッドの研磨面に向けて押圧する研磨ヘッドと、
    前記リテーナリングの前記研磨パッドとの対向面に取付けられて電源の他方の極に接続され、前記研磨パッドに接触し該研磨パッドを通して研磨対象物の導電膜に給電する第2の電極と、
    前記研磨パッドの研磨面に電解液を供給する電解液供給部と、
    前記研磨パッドと前記研磨ヘッドで保持した研磨対象物とを相対移動させる移動機構を有することを特徴とする複合電解研磨装置。
  2. 電源の一方の極に接続された第1の電極を有し、導電性を有する研磨パッドを保持する研磨テーブルと、
    導電膜を有する研磨対象物を保持し、該研磨対象物を前記研磨パッドの研磨面に向けて押圧する研磨ヘッドと、
    電源の他方の極に接続され、前記研磨パッドの表面に前記研磨ヘッドと互いに干渉しない位置で面接触し該研磨パッドを通して研磨対象物の導電膜に給電する第2の電極を有する給電部と、
    前記研磨パッドの研磨面に電解液を供給する電解液供給部と、
    前記研磨パッドと前記研磨ヘッドで保持した研磨対象物とを相対移動させる移動機構を有することを特徴とする複合電解研磨装置。
  3. 前記研磨パッドに擦接して該研磨パッドをドレッシングするドレッサーを備え、前記給電部は、該ドレッサーに備えられていることを特徴とする請求項2記載の複合電解研磨装置。
  4. 電源の一方の極に接続された第1の電極を有し、導電性を有する研磨パッドを保持する研磨テーブルと、
    導電膜を有する研磨対象物を保持し、該研磨対象物を前記研磨パッドの研磨面に向けて押圧する研磨ヘッドと、
    電源の他方の極に接続され、前記研磨パッドの表面に接触し該研磨パッドを通して研磨対象物の導電膜に給電する第2の電極を有する給電部と、
    前記研磨パッドの研磨面に電解液を供給する電解液供給部と、
    前記研磨パッドと前記研磨ヘッドで保持した研磨対象物とを相対移動させる移動機構を有することを特徴とする複合電解研磨装置において、
    前記第2の電極は、前記導電性パッドとの接触部位において、前記導電性パッドに対して相対速度0.1m/s以下で相対運動することを特徴とする複合電解研磨装置。
  5. 電源の一方の極に接続された第1の電極を有し、導電性を有する研磨パッドを保持する研磨テーブルと、
    導電膜を有する研磨対象物を保持し、該研磨対象物を前記研磨パッドの研磨面に向けて押圧する研磨ヘッドと、
    電源の他方の極に接続され、前記研磨パッドに接触し該研磨パッドを通して研磨対象物の導電膜に給電する第2の電極と、
    前記研磨パッドの研磨面に電解液を供給する電解液供給部と、
    前記研磨パッドと前記研磨ヘッドで保持した研磨対象物とを相対移動させる移動機構を有し、
    前記研磨パッドの研磨中に一度も前記導電膜に接触しない表面、及び研磨パッドの内部に設けられた貫通孔の内側面の少なくとも一部には絶縁処理が施されていることを特徴とする複合電解研磨装置。
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