JP2008221346A - 複合電解研磨装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複合電解研磨に使用される電解液の量を削減することができる複合電解研磨装置を提供する。
【解決手段】本願発明の複合電解研磨装置は、上下方向に貫通する複数の貫通孔101aを有し、上面が研磨面を構成する研磨パッド101と、基板Wを研磨面に押圧する研磨ヘッド1と、電源252の一方の極に電気的に接続され、研磨パッドの下方に配置された第1電極254と、電源の他方の極に電気的に接続されて基板上の導電膜に給電する第2電極264と、電解液を研磨パッドに供給する電解液供給部102と、電解液供給部から供給された電解液を研磨パッドの下方から複数の貫通孔に導く電解液流路258A,258B,256,255と、基板と研磨パッドとを相対移動させる相対移動機構とを備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、複合電解研磨装置に関し、特に半導体ウェーハ等の基板表面に形成された導電性材料(金属)を電気化学的作用と機械的作用を組合せて研磨するのに使用される複合電解研磨装置に関する。
半導体装置の配線形成プロセスとして、絶縁膜内に設けたトレンチやビアホール等の配線用凹部内に配線金属を埋込むようにした、いわゆるダマシンプロセスが使用されつつある。このダマシンプロセスは、基板上のSiO、SiOF、SiOCまたはいわゆるLow−k材等からなる絶縁膜(層間絶縁膜)内に配線用凹部を形成し、次いで配線用凹部を含む絶縁膜全表面に、チタン、タンタル、タングステン、ルテニウム及び/またはそれらの合金等からなるバリア膜を形成し、バリア膜の表面にアルミニウム、銅、銀、金、タングステンまたはそれらの合金からなる配線金属膜を形成して配線用凹部内に配線金属を埋込み、その後、配線用凹部以外に形成された余分な配線金属膜及びバリア膜を除去することにより一般に行われる。現状の高速デバイスでは、配線金属として、銅ないしその合金を採用することが一般的であり、また絶縁膜としては、いわゆるLow−k材を採用する方向にある。
ダマシンプロセスにおける配線用凹部の形成はドライエッチング等により、バリア膜の形成はPVD、CVDまたはALD等のドライプロセスにより行われることが多い。配線金属膜の形成方法としては、電解めっきまたは無電解めっきなどのウェットプロセス、PVD、CVDまたはALD等のドライプロセスが挙げられるが、電解めっきで形成することが広く行われている。バリア膜の導電性が低い場合に電解めっきで配線金属膜を形成する際には、バリア膜の成膜に連続して該バリア膜の表面に給電用のシード膜を事前に形成しておくことが広く行われている。余分な配線金属膜及びバリア膜の除去は、一般に、化学機械的研磨(CMP)、電解研磨、複合電解研磨などのいわゆる平坦化法で行われる。
図1(a)乃至図1(c)は、半導体装置における銅配線形成例を工程順に示す。図1(a)に示すように、半導体素子を形成した半導体基材301上の導電層301aの上に、例えばSiOやLow−k材からなる絶縁膜302を堆積し、この絶縁膜302の内部に、例えばリソグラフィ・エッチング技術によりビアホール303とトレンチ304を形成し、その上にTaもしくはTaN等からなるバリア膜305、更にその上に電解めっきの給電膜としてのシード膜306をスパッタリング等により形成する。
そして、図1(b)に示すように、半導体基板Wの表面に銅めっきを施すことで、半導体基板Wのビアホール303及びトレンチ304内に銅を充填させるとともに、絶縁膜302上に配線金属膜としての銅膜307を堆積させる。その後、化学的機械的研磨(CMP)等により、絶縁膜302上の銅膜307、シード膜306及びバリア膜305を除去して、ビアホール303及びトレンチ304に充填させた銅膜307の表面と絶縁膜302の表面とをほぼ同一平面にする。これにより、図1(c)に示すように、絶縁膜302の内部にシード膜306と銅膜307からなる配線308を形成する。
上記基板上の銅膜(絶縁膜)を複合電解研磨で除去する際には、研磨ヘッドで保持した基板表面の銅膜と研磨テーブルに設けた対極電極との間に、銅膜を陽極とした電圧を印加しながら、電解液の存在下で、基板表面の銅膜に研磨テーブルで保持した研磨パッドを擦り付けて該銅膜を研磨するようにしている。この研磨に際して、電解液を通じて銅膜と対極電極との電気的接続が行われる。
研磨ヘッドで保持した基板と研磨テーブルで保持した研磨パッドとを相対移動させる方式としては、研磨ヘッドと研磨テーブルの回転軸を互いにずらした位置に配置して両者を共に回転(自転)させる、いわゆるロータリー方式と、研磨テーブルをスクロール運動させながら研磨ヘッドを回転(自転)させる、いわゆるオービタル方式が一般に知られている。
基板表面の銅膜等の研磨対象物の導電膜へ給電する方法としては、研磨パッドの側方に研磨対象物(基板)の一部をオーバーハングさせた状態で、研磨パッドの側方にはみ出した位置で導電膜に給電接点を直接接触させる方法(特許文献1参照)、研磨パッド内に球状や線状の給電接点を配置する方法(特許文献2参照)、導電性材料からなる研磨性パッド(導電性パッド)を用いる方法(特許文献3、4参照)等が知られている。研磨パッドとして導電性パッドを用いる場合、研磨テーブル側を陰極とし、間に絶縁材を挟んで配置した導電性パッドを陽極とするのが一般的である。
特開2003−311537号公報 特開2005−5661号公報 米国特許出願公開2002−119286号明細書 特表2004−531885号公報
上述したロータリー方式の場合、研磨テーブルを回転させながら研磨パッドの上方から電解液を供給する。例えば、直径300mmのウェーハを研磨する場合、300ml/min程度の流量で電解液を研磨面に供給する。しかしながら、研磨面に供給された電解液の多くは、研磨テーブルの回転による遠心力によって研磨テーブルから飛散し、研磨に関与せずに廃棄処分とされていた。複合電解研磨においては、消耗品である電解液のコストが高く、電解液に要するコストをできるだけ削減することが求められている。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、複合電解研磨に使用される電解液の量を削減することができる複合電解研磨装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、上下方向に貫通する複数の貫通孔を有し、上面が研磨面を構成する研磨パッドと、基板を前記研磨面に押圧する研磨ヘッドと、電源の一方の極に電気的に接続され、前記研磨パッドの下方に配置された第1電極と、電源の他方の極に電気的に接続されて前記基板上の導電膜に給電する第2電極と、電解液を前記研磨パッドに供給する電解液供給部と、前記電解液供給部から供給された電解液を前記研磨パッドの下方から前記複数の貫通孔に導く電解液流路と、前記基板と前記研磨パッドとを相対移動させる相対移動機構とを備えたことを特徴とする複合電解研磨装置である。
本発明の好ましい態様は、前記電解液流路は、前記電解液供給部からの電解液を受ける電解液受け部と、前記複数の貫通孔にそれぞれ連通する複数の連通孔と、前記電解液受け部に連通し、かつ前記複数の連通孔を互いに連通させる複数の連通溝とを有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記電解液受け部は、前記研磨パッドと同心状に形成された環状溝であり、前記環状溝の半径は、前記研磨パッドの中心と研磨位置にある前記研磨ヘッドの外周面との距離よりも大きいことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記研磨パッドの外周面を囲むように配置された堰をさらに備え、前記堰は外周壁および内周壁を有し、前記外周壁の上端は前記研磨面よりも高い位置にあり、前記内周壁の上端は前記研磨面よりも低い位置にあることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記研磨パッドの外周面を囲むように配置された変形自在な液体透過部材と、前記液体透過部材の下部に設けられた液回収部とをさらに備え、前記液体透過部材の上面は前記研磨面よりも高い位置にあることを特徴とする。
本発明の他の態様は、上下方向に貫通する複数の貫通孔を有し、上面が研磨面を構成する研磨パッドと、前記研磨面に埋設された少なくとも1つの液体保持部材と、基板を前記研磨面に押圧する研磨ヘッドと、電源の一方の極に電気的に接続され、前記研磨パッドの下方に配置された第1電極と、電源の他方の極に電気的に接続されて前記基板上の導電膜に給電する第2電極と、電解液を前記研磨パッドに供給する電解液供給部と、前記基板と前記研磨パッドとを相対移動させる相対移動機構とを備えたことを特徴とする複合電解研磨装置である。
本発明の好ましい態様は、前記液体保持部材は複数であり、該複数の液体保持部材は前記複数の貫通孔内に配置されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記液体保持部材は変形自在な材料から形成され、前記液体保持部材の上端は、前記研磨面よりも高い位置にあることを特徴とする。
本発明の他の態様は、上下方向に貫通する複数の貫通孔を有し、上面が研磨面を構成する研磨パッドと、基板を前記研磨面に押圧する研磨ヘッドと、電源の一方の極に電気的に接続され、前記研磨パッドの下方に配置された第1電極と、電源の他方の極に電気的に接続されて前記基板上の導電膜に給電する第2電極と、電解液を前記研磨パッドに供給する電解液供給部と、前記基板と前記研磨パッドとを相対移動させる相対移動機構とを備え、前記複数の貫通孔の上端開口の直径はその下端開口の直径よりも小さいことを特徴とする複合電解研磨装置である。
本発明の好ましい態様は、前記複数の貫通孔の直径は、前記下端開口から前記上端開口に向かって徐々に小さくなることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記複数の貫通孔は、直径の異なる複数の孔を上下方向に直列に配列した貫通孔であることを特徴とする。
本発明によれば、複数の貫通孔を通じて基板の表面に電解液を効率よく供給することができるので、結果として1枚の基板を研磨するのに使用される電解液の量を減らすことができる。したがって、消耗品としての電解液のコストを削減することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の例では、研磨対象物としての基板のバリア膜表面に形成した、配線を形成する銅膜(及びシード膜)を除去して、バリア膜を露出させるようにした例を示す。
図2は、本発明に係る複合電解研磨装置を備えた基板処理装置の配置構成を示す平面図である。この基板処理装置は、例えば、図1(b)に示すように、表面に銅めっきを施すことで、ビアホール303及びトレンチ304内に銅を充填させるとともに、絶縁膜302上に配線金属膜としての銅膜307を堆積させた基板(研磨対象物)Wを用意し、この基板の表面に、図1(b)にA−A線で示す位置まで研磨処理を施して、絶縁膜302上の導電膜としての銅膜307(及びシード膜306)を除去し、これによって、バリア膜305を露出させるのに使用される。そして、更に絶縁膜302上のバリア膜305を除去することで、図1(c)に示すように、絶縁膜302の内部にシード膜306と銅膜307からなる配線308が形成される。
この基板処理装置は、配線金属膜(導電膜)としての銅膜307を有する多数の基板W(図1(b)参照)をストックする基板カセット204を収容するロード・アンロードステージを備えている。ロード・アンロードステージ内の各基板カセット204に到達可能となるように、走行機構200の上に2つのハンドを有した搬送ロボット202が配置されている。走行機構200にはリニアモータからなる走行機構が採用されている。リニアモータからなる走行機構を採用することにより、大口径化し重量が増した基板の高速且つ安定した搬送ができる。
搬送ロボット202の走行機構200を対称軸に、基板カセット204とは反対側に2台の乾燥ユニット212が配置されている。各乾燥ユニット212は、搬送ロボット202のハンドが到達可能な位置に配置されている。また2台の乾燥ユニット212の間で、搬送ロボット202が到達可能な位置に、4つの基板載置台を備えた基板ステーション206が配置されている。
各乾燥ユニット212と基板ステーション206に到達可能な位置に搬送ロボット208が配置されている。乾燥ユニット212と隣接するように、搬送ロボット208のハンドが到達可能な位置に洗浄ユニット214が配置されている。搬送ロボット208のハンドの到達可能な位置にロータリトランスポータ210が配置され、このロータリトランスポータ210と基板受渡し可能な位置に、本発明の実施の形態における複合電解研磨装置250が2台配置されている。この例では、複合電解研磨装置250を2台備え、この内の一方を銅膜307(及びシード膜306)の第1の研磨に、他方を第2の研磨にそれぞれ個別に使用するようにしている。
基板処理装置は、研磨前、あるいは研磨後に洗浄及び乾燥処理を経た基板表面における膜の膜厚等の表面状態を測定する測定部としてのITM(In-line Thickness Monitor)224を備えている。つまり、図2に示すように、走行機構200の延長線上には、搬送ロボット202が研磨後の基板を基板カセット204内に収納する前、もしくは搬送ロボット202が研磨前の基板を基板カセット204から取出した後(In-line)に、光学的手段による基板表面へ入射し反射した光学信号により、半導体ウェーハ等の基板表面における銅膜やバリア層等の研磨状態を測定するITM(測定部)224が配置されている。
各複合電解研磨装置250は、研磨テーブル100、研磨ヘッド1、研磨テーブル100の研磨パッド101(図3等参照)に電解液を供給する電解液供給ノズル(電解液供給部)102、研磨パッド101のドレッシングを行うためのドレッサー218、及びドレッサー218を洗浄するための水槽222を有している。
図3は、複合電解研磨装置250の要部を概略的に示す。図3に示すように、研磨ヘッド1は、自在継手部10を介してヘッド駆動軸11に接続されており、ヘッド駆動軸11は、揺動アーム110に固定されたヘッド用エアシリンダ111に連結されている。ヘッド用エアシリンダ111によってヘッド駆動軸11は上下動し、研磨ヘッド1の全体を昇降させるとともに、ヘッド本体2の下端に固定されたリテーナリング3を研磨テーブル100に押圧する。ヘッド用エアシリンダ111は、レギュレータRE1を介して圧縮空気源120に接続されており、レギュレータRE1によって、ヘッド用エアシリンダ111に供給される加圧空気の空気圧等の流体圧力を調整することができる。これにより、リテーナリング3が研磨パッド101を押圧する押圧力を調整することができる。
ヘッド駆動軸11は、キー(図示せず)を介して回転筒112に連結されている。回転筒112は、その外周部にタイミングプーリ113を備えている。揺動アーム110には、回転駆動部としてのヘッド用モータ114が固定されており、タイミングプーリ113は、タイミングベルト115を介してヘッド用モータ114に設けられたタイミングプーリ116に接続されている。従って、ヘッド用モータ114を回転駆動することによって、タイミングプーリ116、タイミングベルト115及びタイミングプーリ113を介して回転筒112及びヘッド駆動軸11が一体に回転し、研磨ヘッド1が回転する。揺動アーム110は、フレーム(図示せず)に固定支持されたシャフト117によって支持されている。
次に、研磨ヘッド1について、図4及び図5を用いてより詳細に説明する。図4は、研磨ヘッド1を示す縦断面図、図5は、図4に示す研磨ヘッド1の底面図である。図4に示すように、研磨ヘッド1は、内部に収容空間を有する円筒容器状のヘッド本体2と、ヘッド本体2の下端に固定されたリテーナリング3を備えている。ヘッド本体2は、例えば金属やセラミックス等の強度及び剛性が高い材料から形成されている。リテーナリング3は、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)などの剛性の高い樹脂又はセラミックス等の絶縁材料から形成されている。
ヘッド本体2は、円筒容器状のハウジング部2aと、ハウジング部2aの円筒部の内側に嵌合される環状の加圧シート支持部2bと、ハウジング部2aの上面の外周縁部に嵌合された環状のシール部2cとを備えている。ヘッド本体2のハウジング部2aの下面に固定されているリテーナリング3の下部は内方に突出している。なお、リテーナリング3をヘッド本体2と一体的に形成してもよい。
ヘッド本体2のハウジング部2aの中央部上方には、上述したヘッド駆動軸11が配設されており、ヘッド本体2とヘッド駆動軸11とは自在継手部10により連結されている。この自在継手部10は、ヘッド本体2及びヘッド駆動軸11とを互いに傾動可能とする球面軸受け機構と、ヘッド駆動軸11の回転をヘッド本体2に伝達する回転伝達機構とを備えており、ヘッド本体2のヘッド駆動軸11に対する傾動を許容しつつ、ヘッド駆動軸11の押圧力及び回転力をヘッド本体2に伝達する。
球面軸受け機構は、ヘッド駆動軸11の下面の中央に形成された球面状凹部11aと、ハウジング部2aの上面の中央に形成された球面状凹部2dと、両凹部11a,2d間に介装された、セラミックスのような高硬度材料からなるベアリングボール12とから構成されている。回転伝達機構は、ヘッド駆動軸11に固定された駆動ピン(図示せず)とハウジング部2aに固定された被駆動ピン(図示せず)とから構成される。ヘッド本体2が傾いても被駆動ピンと駆動ピンは相対的に上下方向に移動可能であるため、これらは互いの接触点をずらして係合して、回転伝達機構がヘッド駆動軸11の回転トルクをヘッド本体2に確実に伝達する。
ヘッド本体2及びヘッド本体2に一体に固定されたリテーナリング3の内部に画成された空間内には、研磨ヘッド1によって保持される半導体ウェーハ等の基板Wに当接する弾性パッド4と、環状のホルダーリング5と、弾性パッド4を支持する概略円盤状のチャッキングプレート6とが収容されている。弾性パッド4は、その外周部がホルダーリング5と該ホルダーリング5の下端に固定されたチャッキングプレート6との間に挟み込まれており、チャッキングプレート6の下面を覆っている。これにより、弾性パッド4とチャッキングプレート6との間には空間が形成されている。
ホルダーリング5とヘッド本体2との間には弾性膜からなる加圧シート7が張設されている。加圧シート7は、一端をヘッド本体2のハウジング部2aと加圧シート支持部2bとの間に挟み込み、他端をホルダーリング5の上端部5aとストッパ部5bとの間に挟み込んで固定されている。ヘッド本体2、チャッキングプレート6、ホルダーリング5、及び加圧シート7によって、ヘッド本体2の内部に圧力室21が形成されている。図4に示すように、圧力室21には、チューブやコネクタ等からなる流体路31が連通されており、圧力室21は、流体路31内に設置されたレギュレータRE2を介して圧縮空気源120に接続されている。なお、加圧シート7は、例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリウレタンゴム、シリコンゴムなどの強度及び耐久性に優れたゴム材によって形成されている。
なお、加圧シート7がゴムなどの弾性体からなり、加圧シート7をリテーナリング3とヘッド本体2との間に挟み込んで固定した場合には、弾性体としての加圧シート7の弾性変形によってリテーナリング3の下面において好ましい平面が得られなくなってしまう。従って、これを防止するため、この例では、別部材として加圧シート支持部2bを設けて、加圧シート7をヘッド本体2のハウジング部2aと加圧シート支持部2bとの間に挟み込んで固定している。
弾性パッド4とチャッキングプレート6との間に形成される空間の内部には、弾性パッド4に当接する当接部材としてのセンターバッグ(中心部当接部材)8及びリングチューブ(外側当接部材)9が設けられている。この例においては、図4及び図5に示すように、センターバッグ8は、チャッキングプレート6の下面の中心部に配置され、リングチューブ9は、このセンターバッグ8の周囲を取り囲むようにセンターバッグ8の外側に配置されている。なお、弾性パッド4、センターバッグ8及びリングチューブ9は、加圧シート7と同様に、例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリウレタンゴム、シリコンゴム等の強度及び耐久性に優れたゴム材によって形成されている。
チャッキングプレート6と弾性パッド4との間に形成される空間は、上記センターバッグ8及びリングチューブ9によって複数の空間に区画されており、これにより、センターバッグ8とリングチューブ9の間には圧力室22が、リングチューブ9の外側には圧力室23がそれぞれ形成されている。
センターバッグ8は、弾性パッド4の上面に当接する弾性膜81と、弾性膜81を着脱可能に保持するセンターバッグホルダー(保持部)82とから構成されている。センターバッグホルダー82にはねじ穴82aが形成されており、このねじ穴82aにねじ55を螺合させることにより、センターバッグ8がチャッキングプレート6の下面の中心部に着脱可能に取り付けられている。センターバッグ8の内部には、弾性膜81とセンターバッグホルダー82とによって中心部圧力室24が形成されている。
同様に、リングチューブ9は、弾性パッド4の上面に当接する弾性膜91と、弾性膜91を着脱可能に保持するリングチューブホルダー(保持部)92とから構成されている。リングチューブホルダー92にはねじ穴92aが形成されており、このねじ穴92aにねじ56を螺合させることにより、リングチューブ9がチャッキングプレート6の下面に着脱可能に取り付けられている。リングチューブ9の内部には、弾性膜91とリングチューブホルダー92とによって中間部圧力室25が形成されている。
圧力室22,23、中心部圧力室24及び中間部圧力室25には、チューブやコネクタ等からなる流体路33,34,35,36がそれぞれ連通されており、各圧力室22〜25は、それぞれの流体路33〜36内に設置されたレギュレータRE3,RE4,RE5,RE6を介して、供給源としての圧縮空気源120に接続されている。なお、上記流体路31,33〜36は、ヘッド駆動軸11の上端部に設けられたロータリジョイント(図示せず)を介して、各レギュレータRE2〜RE6に接続されている。
上述したチャッキングプレート6の上方の圧力室21及び上記圧力室22〜25には、各圧力室に連通される流体路31,33〜36を介して加圧空気等の加圧流体又は大気圧や真空が供給されるようになっている。図3に示すように、圧力室21〜25の流体路31,33〜36上に配置されたレギュレータRE2〜RE6によって、それぞれの圧力室に供給される加圧流体の圧力を調整することができる。これにより各圧力室21〜25の内部の圧力を各々独立に制御するか、または大気圧や真空にすることができる。
このように、レギュレータRE2〜RE6によって各圧力室21〜25の内部の圧力を独立に可変とすることにより、弾性パッド4を介して基板Wを研磨パッド101に押圧する押圧力を基板Wの部分(区画領域)毎に調整することができる。なお、場合によっては、これらの圧力室21〜25を真空源121に接続してもよい。
図3に示すように、複合電解研磨装置250の研磨テーブル100には、基板表面の銅膜等の膜厚を測定する、例えば渦電流センサからなるITM226のセンサコイル228が埋め込まれている。そして、このITM226からの信号は、制御部310に入力され、この制御部310からの出力でレギュレータRE3〜RE6が制御される。
図6は複合電解研磨装置250の要部を概略的に示す縦断面図である。図6に示すように、研磨テーブル100の上面には円板状の支持部材254が固定されている。支持部材254の上面に研磨パッド101が取り付けられており、この研磨パッド101の上面が研磨面となっている。支持部材254は、円板状のベース254bと、このベース254bの上面を覆う蓋254aとから基本的に構成されている。研磨パッド101には、上下方向に延びる複数の貫通孔101aが形成されている。研磨テーブル100は図示しない回転機構に連結されており、これにより研磨テーブル100は、支持部材254および研磨パッド101と一体に回転可能となっている。
電解液供給ノズル102は、研磨パッド101の半径方向に沿って延びており、その先端には供給口102aが設けられている。この供給口102aは研磨パッド101の中央部の上方に位置しており、図示しない電解液供給源から電解液供給ノズル102を通じて電解液が研磨パッド101の中央部に供給される。
支持部材254は、電源252の一方の極に接続されており、第1電極(カソード)として機能する。電源252から延びる配線と支持部材(カソード)254との電気接点には、コロ、ブラシなどが用いられる。例えば、図6に示すように、支持部材254の側面に電気接点262を接触させることができる。電気接点262は、比抵抗が小さく軟質な金属、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウムなどで形成することが好ましい。
蓋254aには、研磨パッド101の上記貫通孔101aと同一位置に複数の連通孔255が形成されている。さらに、蓋254aの下面には、これら連通孔255を互いに連通させる複数の連通溝256が形成されている。なお、ベース254bの上面に連通溝を設けてもよい。研磨パッド101の中央部には、研磨パッド101を上下に貫通する第1の電解液受け口258Aが形成されている。さらに、蓋254aには、第1の電解液受け口258Aと同一位置に第2の電解液受け口258Bが形成されている。第2の電解液受け口258Bは上記複数の連通溝256に連通している。
このような構成により、電解液供給ノズル102の供給口102aから供給された電解液は、第1の電解液受け口258A、第2の電解液受け口258B、連通溝256、および連通孔255をこの順に流れて、貫通孔101aに到達する。そして、貫通孔101aの内部には、研磨面に向かう電解液の上向きの流れが形成され、電解液が研磨面に供給される。本実施形態では、第1の電解液受け口258A、第2の電解液受け口258B、連通溝256、および連通孔255により、電解液を研磨パッド101の下方から貫通孔101aに導く電解液流路が構成されている。
図7は図6に示す蓋254aに形成された連通溝256および連通孔255の一部を示す平面図である。連通溝256の幅wは1mm〜30mmであることが好ましく、連通孔255(および貫通孔101a)の直径rは1mm〜30mmであることが好ましい。連通溝256の幅wは、連通孔255(および貫通孔101a)の直径よりも小さいことが好ましく、連通溝256の深さは1mm以上5mm以下であることが好ましい。
蓋254aとベース254bとは図示しないクランプにより互いに固定されている。蓋254aの下面の外周部とベース254bとの間にはOリング257が配置されている。このOリング257は電解液との反応しにくい材料から構成されている。なお、蓋254aとベース254bとが回転方向にずれないように、嵌め合い部を設けてもよい。支持部材254は研磨テーブル100に図示しないねじによって着脱可能に取り付けられている。
蓋254aは、研磨パッド101を保持するのに十分な剛性および強度を有している。蓋254aの材料としては、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン樹脂)やフッ素樹脂などの誘電体、または導電性材料(金属、合金、導電性プラスチックなど)などが挙げられる。ベース254bも蓋254aと同様の材料から構成されることが好ましい。ただし、本実施形態では、支持部材254はカソード(第1電極)として機能するため、蓋254aおよびベース254bの少なくとも一方は導電性材料から構成される。なお、蓋254aおよびベース254bの両方を誘電体から形成してもよいが、この場合は、支持部材254とは別にカソードを設けることが必要である。例えば、蓋254aとベース254bとの間にカソードを配置し、カソードが上記電解液流路を流れる電解液と接触するようにしてもよい。
研磨パッド101は接着剤により蓋254aの上面に取り付けられている。蓋254aの上面の表面粗さは小さいことが好ましい。これは次の理由による。研磨パッド101には貫通孔101aが均一に分布しているため、蓋254aと研磨パッド101との接触面積は比較的小さい。さらに、電解液が貫通孔101aから接着面に染み込み、接着力が低下することがある。したがって、研磨パッド101の剥がれを防止する観点から、蓋254aの上面の表面粗さは小さいことが好ましい。例えば、蓋254aの上面の表面粗さ(Ra)は1μm以下であることが好ましい。
図8は図6に示す複合電解研磨装置250の要部構成の変形例を示す縦断面図である。図8に示す例では、研磨パッド101および蓋254aの中央部に電解液受け部としてのロータリージョイント258Cが取り付けられている。このロータリージョイント258Cの上端は電解液供給ノズル102に接続され、その下端は連通溝256に連通している。したがって、電解液供給ノズル102から供給される電解液は、ロータリージョイント258Cを通って支持部材254の連通溝256に供給される。この場合でも、電解液は研磨面の上方から支持部材254に供給され、研磨パッド101の下を流れ、そして研磨パッド101の下方から貫通孔101aに供給される。なお、本実施形態では、ロータリージョイント258C、連通溝256、および連通孔255により電解液流路が構成される。
図9乃至図13は連通溝256の例を示す図である。図9では、連通溝256は放射状に延びており、周方向に等間隔に(例えば、10〜120°の間隔で)配列されることが好ましい。図10では、連通溝256は図9に示す放射状溝と、周方向に延びる同心円状溝とから構成されている。同心円状溝の径方向の間隔は1mm〜200mmであることが好ましい。図11では、連通溝256は図9に示す放射状溝と、周方向に沿ってジグザグに延びる枝状溝とから構成されている。枝状溝の径方向の間隔は1mm〜200mmであることが好ましい。図12では、連通溝256は格子状溝から構成されている。隣接する格子状溝の間隔は1mm〜200mmであることが好ましい。図13では、連通溝256は螺旋状に延びており、周方向に等間隔に(例えば、10〜90°の間隔で)配列されることが好ましい。連通溝256の曲率半径は、研磨パッド101の半径の1/2倍〜5倍とすることが好ましい。
研磨パッド101の側方に位置して、電源252の他方の電極に接続される第2電極(給電電極)264が配置されている。この第2電極264の上面と、研磨パッド101の上面(研磨面)は、ほぼ同一水平面内に位置している。研磨ヘッド1は、基板Wの一部を研磨パッド101の側方にはみ出させた状態で基板Wを研磨面に接触させるようになっており、基板Wの下面が第2電極264に接触するようになっている。これにより、第2電極264は、研磨ヘッド1で保持した基板Wの銅膜307等の導電膜に給電する。そして、カソードとしての支持部材254とアノードとしての基板W上の導電膜は、支持部材254の内部および貫通孔101aを流れる電解液を通して電気的に接続される。
複合電解研磨中は、基板W上の導電膜(例えば銅膜)を第2電極264に接触させた状態で、研磨ヘッド1により基板Wを回転させる(詳細な動作については後述する)。このため、第2電極264により導電膜の表面が傷つきやすく、また、第2電極264も導電膜との接触により摩耗して安定した給電ができなくなるおそれがある。このような観点から、導電膜の金属よりも軟質で、かつ耐摩耗性の高い導電性樹脂を用いて第2電極(給電電極)264を構成することが好ましい。
導電性樹脂としては、樹脂自体が導電性を有するもの、樹脂に導電性材料を分散させたものなどが挙げられる。また、導電性樹脂に代えて導電性繊維を用いてもよい。導電性材料の好ましい例としては、グラファイト、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、フラーレン、導電性カーボンブラックなどが挙げられる。第2電極264の耐摩耗性を向上させる場合には、耐摩耗性の高いカーボン材料であるカーボンナノチューブを樹脂に分散させることが好ましい。第2電極264としては、このような導電性材料を含有させた複合樹脂を射出成形または注型成形等によりシート状または発泡体等に成型したものが好適に用いられる。なお、樹脂中の導電性材料の添加量は1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上である。これは、1質量%未満の場合には導電性が低く、給電電極として樹脂を使用する場合に十分な電気特性を得ることが難しいからである。
導電性には、電子伝導性とイオン伝導性の2種類ある。上述した導電性材料は電子伝導性材料であるが、第2電極264としてイオン伝導性を有する材料を用いることもできる。イオン伝導性を有する材料としては、イオン交換樹脂やイオン交換繊維等を用いることができる。イオン交換樹脂の具体例としては、球状のイオン交換樹脂やイオン交換膜が挙げられる。イオン交換繊維の具体例としては、ポリエチレン製不織布等の繊維に、グラフト重合等によってイオン交換基を導入したものが挙げられる。
このようなイオン交換樹脂やイオン交換繊維(以下、これらをイオン交換材料という)を給電電極に用いる場合は、次の2点に注意する必要がある。
第1に、イオン交換材料は常に湿潤した状態にしておかないと、イオン伝導性を示さないということである。そのため、これらイオン交換材料の少なくとも一部は常に純水等に浸されている必要がある。具体的には、ノズルからイオン交換材料に純水を常に供給するか、またはイオン交換膜をコロに巻きつけ、コロの下部を水槽に貯留された純水に浸しておくといった構成が考えられる。
第2に、カソード(第1電極)とイオン交換材料が電解液を通じて電気的に接続されないようにすることである。電解液を介してカソードとイオン交換材料が電気的に接続されると、電流が基板上の導電膜を流れない状態、すなわち短絡した状態となり、導電膜が研磨されにくくなる。このような短絡を防ぐために、イオン交換材料とカソード(本実施形態では支持部材254)との間に仕切り板を設けるか、あるいはエアを電解液に吹き付けてイオン交換材料に電解液が接触しないようにすることが好ましい。
導電性樹脂または導電性繊維は、電源252からの配線に直接接続してもよいし、金属ブロック、金属板、金属シート等を介して接続してもよい。例えば、電源252からの配線に接続された金属板上に導電性繊維を配置し、この導電性繊維を基板W上の導電膜に接触させて給電する。このとき使用する金属は、陽分極に対して安定な白金等が好ましい。
銅膜を研磨する場合には、カソード(本実施形態では支持部材254)の表面は、複合電解研磨時に水素が発生しやすい材料から形成されること好ましい。その理由は次の通りである。銅を複合電解研磨すると、銅イオンが電解液に溶け出し、これがカソードから電子を受け取ってカソードの表面に銅として析出する(すなわちカソードの表面が銅めっきされる)。このようにカソードの表面が銅めっきされると、加工速度の変化やエリアごとの加工速度のバラツキが生じてしまう。そこで、カソードの表面を水素が発生しやすい金属で構成することによって、カソードの表面上で、銅の析出反応よりも水素の生成反応を優先的に起こさせる。その結果、カソードの表面が銅めっきされることが防止される。
このような観点から、カソードの材料としては、ルテニウム、白金、パラジウム、ステンレススチールなどから選択することが好ましい。また、水素を発生しやすい金属からなる箔をカソードに貼り付けてもよく、または水素を発生しやすい金属でカソードをめっきしてもよい。例えば、白金を用いる場合、カソードを白金めっきに適したチタンとし、カソードの接液部に白金をめっきする。この場合、めっき層の厚さは1μm程度あれば十分である。なお、パラジウムもめっきが可能である。
次に、上記のように構成された複合電解研磨装置250の研磨時における動作について説明する。研磨時には、基板Wの外周部をリテーナリング3で囲繞して、基板Wを研磨ヘッド1の下面で保持し、ヘッド駆動軸11に連結されたヘッド用エアシリンダ111を作動させて研磨ヘッド1を下降させる。これにより、基板Wの一部を第2電極264に、他の大部分を研磨パッド101の研磨面に接触させる。この状態で、圧力室22,23、中心部圧力室24及び中間部圧力室25にそれぞれ所定の圧力の加圧流体を供給し、研磨ヘッド1で保持した基板Wを研磨テーブル100の研磨パッド101の研磨面に押圧する。
そして、電源252を介して、支持部材254と基板Wの表面に設けられた銅膜307等の導電膜との間に電圧を印加しながら、電解液供給ノズル102から電解液を供給する。電解液は、第1の電解液受け口258A、第2の電解液受け口258B、連通溝256、連通孔255、および貫通孔101aを通って流れ、研磨面上に供給される。同時に、研磨ヘッド1及び研磨テーブル100を共に回転させることにより、基板Wの導電膜と支持部材(カソード)254との間に電解液が存在した状態で導電膜の研磨が行われる。
ここで、基板Wの圧力室22,23の下方に位置する部分は、それぞれ圧力室22,23に供給される加圧流体の圧力で研磨面に押圧される。また、基板Wの中心部圧力室24の下方に位置する部分は、センターバッグ8の弾性膜81及び弾性パッド4を介して、中心部圧力室24に供給される加圧流体の圧力で研磨面に押圧される。基板Wの中間部圧力室25の下方に位置する部分は、リングチューブ9の弾性膜91及び弾性パッド4を介して、中間部圧力室25に供給される加圧流体の圧力で研磨面に押圧される。
従って、基板Wに加わる研磨圧力は、各圧力室22〜25に供給される加圧流体の圧力をそれぞれ制御することにより、基板Wの半径方向に沿った各部分毎に調整することができる。すなわち、制御部310が、レギュレータRE3〜RE6によって、各圧力室22〜25に供給する加圧流体の圧力をそれぞれ独立に調整し、基板Wを研磨テーブル100上の研磨パッド101に押圧する押圧力を基板Wの部分毎に調整している。このように、基板Wの部分(押圧領域)毎に研磨圧力が所望の値に調整された状態で、回転している研磨テーブル100の上面の研磨パッド101に基板Wが押圧される。同様に、レギュレータRE1によって、ヘッド用エアシリンダ111に供給される加圧流体の圧力を調整し、リテーナリング3が研磨パッド101を押圧する押圧力を変更することができる。
このように、研磨中に、リテーナリング3が研磨パッド101を押圧する押圧力と、基板Wを研磨パッド101に押圧する押圧力を適宜調整することにより、基板Wの中心部(図6のC1)、中心部から中間部(C2)、外方部(C3)、そして周縁部(C4)、更には基板Wの外側にあるリテーナリング3の外周部までの各部分における研磨圧力の分布を所望の値とすることができる。
なお、基板Wの圧力室22,23の下方に位置する部分には、弾性パッド4を介して流体から押圧力が加えられる部分と、開口部41の箇所のように、加圧流体の圧力そのものが基板Wに加わる部分とがあるが、これらの部分に加えられる押圧力は、同一圧力でもよく、それぞれ任意の圧力でも押圧ができる。また、研磨時には、弾性パッド4は、開口部41の周囲において基板Wの裏面に密着するため、圧力室22,23の内部の加圧流体が外部に漏れることはほとんどない。
このように、基板Wを同心の4つの円及び円環部分(C1〜C4)に区画し、それぞれの部分(押圧領域)を独立した押圧力で押圧することができる。研磨レートは、基板Wの研磨面に対する押圧力に依存するが、上述したように各部分の押圧力を制御することができるので、基板Wの4つの部分(C1〜C4)の研磨レートを独立に制御することが可能となる。従って、基板Wの表面の研磨すべき薄膜の膜厚に半径方向の分布があっても、基板全面に亘って研磨の不足や過研磨をなくすことができる。
即ち、基板Wの表面の研磨すべき膜が、基板Wの半径方向の位置によって膜厚が異なっている場合であっても、上記各圧力室22〜25のうち、基板Wの表面の膜厚の厚い部分の上方に位置する圧力室の圧力を他の圧力室の圧力よりも高くすることにより、あるいは、基板Wの表面の膜厚の薄い部分の上方に位置する圧力室の圧力を他の圧力室の圧力よりも低くすることにより、膜厚の厚い部分の研磨面への押圧力を膜厚の薄い部分の研磨面への押圧力より大きくすることが可能となり、その部分の研磨レートを選択的に高めることができる。これにより、成膜時の膜厚分布に依存せずに基板Wの全面に亘って過不足のない研磨が可能となる。
ここで、基板Wの周縁部に起こる縁だれは、リテーナリング3の押圧力を制御することにより防止できる。また、基板Wの周縁部において研磨すべき膜の膜厚に大きな変化がある場合には、リテーナリング3の押圧力を意図的に大きく、あるいは、小さくすることで、基板Wの周縁部の研磨レートを制御することができる。なお、上記各圧力室22〜25に加圧流体を供給すると、チャッキングプレート6は上方向の力を受けるので、この例では、圧力室21には流体路31を介して圧力流体を供給し、各圧力室22〜25からの力によりチャッキングプレート6が上方に持ち上げられるのを防止している。
上述のようにして、ヘッド用エアシリンダ111によるリテーナリング3の研磨パッド101への押圧力と、各圧力室22〜25に供給する加圧空気による基板Wの部分毎の研磨パッド101への押圧力とを適宜調整して基板Wの研磨が行われる。
以上説明したように、圧力室22,23、センターバッグ8の内部の圧力室24、及びリングチューブ9の内部の圧力室25の圧力を独立に制御することにより、基板に対する押圧力を制御することができる。更に、この例によれば、センターバッグ8及びリングチューブ9の位置や大きさなどを変更することによって、押圧力の制御を行う範囲を簡単に変更することができる。
すなわち、基板の表面に形成される膜の膜厚分布は、成膜の方法や成膜装置の種類により変化するが、この例によれば、基板に押圧力を加える圧力室の位置や大きさをセンターバッグ8及びセンターバッグホルダー82、またはリングチューブ9及びリングチューブホルダー92を交換するだけで変更することができる。従って、研磨すべき膜の膜厚分布に合わせて押圧力を制御すべき位置や範囲を研磨ヘッド1の極一部を交換するだけで容易かつ低コストで変更することが可能となる。換言すれば、研磨すべき基板の表面の研磨すべき膜の膜厚分布に変化があった場合にも、容易かつ低コストで対応することができる。なお、センターバッグ8またはリングチューブ9の形状及び位置を変更すると、結果的にセンターバッグ8とリングチューブ9に挟まれる圧力室22及びリングチューブ9を取り囲む圧力室23の大きさを変えることにもなる。
次に、図2に示す基板処理装置の動作について説明する。
先ず、図1(b)に示す、表面に銅膜307を形成した基板Wを多数収容した基板カセット204をロード・アンロードステージに装着する。そして、1枚の基板を基板カセット204から搬送ロボット202で取出して基板ステーション206へ載置する。搬送ロボット208は、基板ステーション206から基板を受け取り、必要に応じて、基板を反転させた後、ロータリトランスポータ210に渡す。次に、ロータリトランスポータ210を水平に回転させ、このロータリトランスポータ210で支持した基板を、一方の複合電解研磨装置250の研磨ヘッド1で保持する。
そして、研磨ヘッド1で保持した基板を研磨テーブル100の上方の研磨位置に移動させる。そして、研磨ヘッド1及び研磨テーブル100を共に回転(自転)させながら、基板を下降させ、基板上の導電膜の一部を第2電極264に、他の大部分を研磨パッド101の研磨面に接触させるとともに、基板表面の銅膜307等の導電膜を研磨パッド101の研磨面に、約70hPa(1psi)以下の所定の研磨圧力で押圧する。そして、電解液供給ノズル102から電解液を供給しながら、支持部材(カソード)254と基板の表面の銅膜307等の導電膜との間に電源252を介して電圧を印加して導電膜を研磨(第1の研磨)する。なお、導電膜を研磨している間は真空吸着等による基板の保持を解除してもよい。
この複合電解研磨装置250による第1の研磨によって、例えば、残留する導電膜、すなわち銅膜307(及びシード膜306)の平均膜厚が300nm以下で、残留する銅膜307(及びシード膜306)の基板面内での膜厚分布が150nm以下となるように、渦電流センサ等のITM226で銅膜307(及びシード膜306)の膜厚の基板面内分布を検知し、制御部310を介して、図5に示す各部分(押圧領域)C1〜C4における研磨圧力を調整しながら、該銅膜307(及びシード膜306)を研磨する。このように、配線等に与えるダメージが一般に少ない複合電解研磨を研磨処理に採用し、例えば、全体の研磨量の過半を占める配線用凹部以外に形成された配線金属膜の大部分の研磨除去を複合電解研磨で行うことで、研磨工程による配線構造に対するダメージを大きく低減することができる。
そして、一方の複合電解研磨装置250による第1の研磨を終了した基板を、必要に応じて、その被研磨面及び裏面を純水等で洗浄(リンス)し乾燥させた後、ロータリトランスポータ210を経由させて、他方の複合電解研磨装置250に搬送し、この研磨ヘッド1で保持する。第1の研磨を行った複合電解研磨装置250にあっては、この研磨パッド101の研磨面のドレッサー218によるコンディショニングを行って、次の研磨に備える。
そして、研磨ヘッド1で保持した基板を研磨テーブル100の上方の研磨位置に移動させ、しかる後、前述と同様に、研磨ヘッド1及び研磨テーブル100を回転(自転)させながら、基板を下降させて研磨パッド101の研磨面に押圧し、同時に電解液供給ノズル102から電解液を供給しながら、支持部材254と基板の表面の銅膜307等の導電膜との間に電源252を介して電圧を印加して、第1の研磨で研磨されずに残った導電膜、つまりバリア膜305上の銅膜307(及びシード膜306)を研磨する。これによって、バリア膜305を露出させる。
次に、複合電解研磨装置250による研磨を終了した基板を、ロータリトランスポータ210及び搬送ロボット208を経由させ、必要に応じて反転させた後、洗浄ユニット214に搬送する。研磨を行った複合電解研磨装置250にあっては、この研磨パッド101の研磨面のドレッサー218によるコンディショニングを行って、次の研磨に備える。
そして、洗浄ユニット214で、基板の表面の洗浄リンス処理を行い、洗浄リンス後の基板を搬送ロボット208で基板ステーション206に搬送して載置する。搬送ロボット202(または206)は、洗浄された基板を基板ステーション206から取出し、例えば上面洗浄のペンスポンジとスピンドライ機能を有する乾燥ユニット212に搬送し、この乾燥ユニット212で基板を洗浄し乾燥させる。そして、洗浄乾燥後の基板を搬送ロボット202により元の基板カセット204に戻す。
図14は本発明の他の実施形態に係る複合電解研磨装置250の要部を概略的に示す図である。なお、特に説明しない本実施形態の構成および動作は、図6に示す実施形態の構成および動作と同様であるので、その重複する説明を省略する。
図14に示すように、研磨パッド101および研磨テーブル100の外周面を囲むように堰270が配置されている。この堰270は複数の支柱274に固定されている。堰270は外周壁270a、内周壁270b、および底部270cを有している。内周壁270bと研磨テーブル100との間には微小な隙間が形成されており、回転する研磨テーブル100に堰270が接触しないようない位置関係となっている。外周壁270aの上端は研磨面よりも高い位置にあり、内周壁270bの上端は研磨面よりも低い位置にある。これにより、遠心力によって研磨面から流れ出た電解液が堰270に流れ込むようになっている。
堰270に保持された電解液は、液回収ライン271を通じて排出され、図示しないフィルターを通過した後、再利用に供される。液回収ライン271には流量調整弁272が設けられており、液回収ライン271を通る電解液の流量が調整可能となっている。流量調整弁272は、電解液供給ノズル102(図6参照)からの電解液供給量に基づいて、研磨面上の電解液の液面位置が一定に保たれるように操作される。これにより、研磨面上に電解液を溜めた状態(すなわち、電解液の液面位置が少なくとも研磨面よりも高い状態)で研磨することができる。
第2電極(給電電極)264は絶縁カバー273によって覆われており、堰270に溜められた電解液に第2電極264が接触しないようになっている。また、支持部材(カソード)254は、研磨テーブル100の回転軸内を通る配線を通じて電源252に接続されている。なお、研磨パッド101として導電性を有する研磨パッド(導電性パッド)を用いて、第2電極264を導電性パッドに接触させることで導電性パッドを介して基板W上の導電膜に給電してもよい。このような構成によれば、基板Wをオーバーハングさせないで研磨を行うことができる。なお、本実施形態では、上述した電解液流路を設けずに、電解液を研磨パッド101の上方から研磨面上に直接供給してもよい。
図15は本発明の他の実施形態に係る複合電解研磨装置250の要部を概略的に示す図である。なお、特に説明しない本実施形態の構成および動作は、図6に示す実施形態の構成および動作と同様であるので、その重複する説明を省略する。
図15に示すように、研磨パッド101、支持部材254、および研磨テーブル100を囲むように変形自在なスポンジ部材(液体透過部材)280が配置されており、スポンジ部材280の下方には液回収部281が配置されている。スポンジ部材280は液回収部281に固定され、液回収部281は複数の支柱274に固定されている。研磨パッド101の外周面とスポンジ部材280の内周面とは接触している。スポンジ部材280の上端は研磨面よりも高い位置にあり、遠心力によって研磨パッド101の外周縁に到達した電解液はスポンジ部材280に吸収されるようになっている。スポンジ部材280内を流下した電解液は、液回収部281に溜められ、液回収ライン271を通じて再利用される。なお、この例では流量調整弁は設けられていない。
研磨時には、研磨ヘッド1によりスポンジ部材280の上部が変形し、これにより研磨ヘッド1に保持された基板W上の導電膜が第2電極264に接触する。なお、この例においても、導電性パッドを用いて、基板Wをオーバーハングさせないで研磨を行うことができる。
図16は本発明の他の実施形態における複合電解研磨装置250を概略的に示す平面図であり、図17は図16に示す複合電解研磨装置250の概略断面図である。なお、特に説明しない本実施形態の構成および動作は、図6に示す実施形態の構成および動作と同様であるので、その重複する説明を省略する。
図16に示すように、研磨ヘッド1に保持された基板Wは研磨面上に位置しており(すなわち、オーバーハングしない位置にあり)、研磨中の基板Wの一部は研磨パッド101の中心上に位置している。このような配置とすることにより、上述の実施形態に比べて、より小さな研磨パッド101を用いることができ、結果として研磨に使用される電解液の量を削減することができる。
本実施形態では、導電性の研磨パッド101が使用されている。第2電極264は研磨パッド101に接触するように配置されており、第2電極264から導電性の研磨パッド101を介して基板W上の導電膜に給電されるようになっている。研磨パッド101および蓋254aには、研磨パッド101と同心状の環状溝(電解液受け部)282が形成されている。この環状溝282の半径は、研磨パッド101の中心と研磨位置にある研磨ヘッド1の外周面との距離よりも大きく、研磨時に環状溝282の一部が研磨ヘッド1の径方向外側に常に位置するようになっている。
電解液供給ノズル102は研磨パッド101の半径方向に沿って延び、その先端の供給口102aは環状溝282の内部に位置している。支持部材254の蓋254aには、上述の実施形態と同様に、環状溝282に連通する連通溝256が形成されている。このような構成によれば、電解液は、電解液供給ノズル102を通って環状溝282に供給され、さらに環状溝282から連通溝256、連通孔255、および貫通孔101aを通って研磨面上に供給される。環状溝282の幅は、電解液供給ノズル102の外径よりも大きいことが必要であるが、電解液の飛散を防ぐ観点からはなるべく小さいことが好ましい。なお、環状溝282から電解液が排出されないようにするために、蓋254aに簡易的な逆止弁を設けてもよい。この逆止弁の例を図18乃至図21に示す。
図18は環状溝282に取り付けられた逆止弁の一部を示す平面図であり、図19は図18に示すXIX-XIX線断面図である。図18および図19に示すように、環状溝282の上部を塞ぐように環状の逆止弁283が設けられている。この逆止弁283はスポンジなどの弾性材から形成されている。逆止弁283には、その周方向に延びる切れ目283aが形成されており、この切れ目283aに電解液供給ノズル102が挿入されている。電解液供給ノズル102が挿入されることにより切れ目283aの一部が開くが、そのほとんどの部分は閉じているので、電解液が環状溝282から飛散することが防止される。図18および図19に示すように、電解液供給ノズル102と逆止弁283との間の隙間を埋める隙間カバー284を電解液供給ノズル102の外周面に取り付けることが好ましい。
図20および図21は逆止弁283の他の構成例を示す断面図である。図20に示す例では、逆止弁283は薄いゴムシートから形成されている。この逆止弁283は電解液供給ノズル102と接触することにより上に反る。図21に示す例では、逆止弁283は中空のゴムチューブから形成されている。この逆止弁283は電解液供給ノズル102と接触することにより圧縮される。
なお、環状溝282は必ずしも研磨パッド101と同心円状の溝である必要はなく、楕円状溝や研磨パッド101の中心からずれた環状溝でもよい。この場合は、電解液供給ノズル102が回転する環状溝に追随することができるように、電解液供給ノズル102を研磨パッド101の径方向に沿って移動自在とする。例えば、電解液供給ノズル102を研磨パッド101の径方向に沿って自在に移動可能なスライダーに固定することができる。
図22および図23は本発明の他の実施形態における複合電解研磨装置250を示す概略断面図である。なお、特に説明しない本実施形態の構成および動作は、図6に示す実施形態の構成および動作と同様であるので、その重複する説明を省略する。
図22に示すように、研磨パッド101の貫通孔101a内には、液体保持部材としてのスポンジ287が配置されている。これらのスポンジ287の下端は支持部材254のベース254bと接触し、その上端は研磨面よりも上方に位置している。スポンジ287は変形自在な材料から形成されており、研磨時には研磨ヘッド1に保持された基板Wによりスポンジ287が圧縮されて基板Wが研磨面に接触可能となっている。このような構成によれば、研磨中に電解液がスポンジ287に保持されるので、遠心力により電解液が研磨面から飛散する量を低減することができる。
一方、研磨面をドレッシングするときは上述したクランプを外して、図23に示すように、スポンジ287の上端が研磨面よりも下方に位置するように蓋254aを持ち上げ、この状態で蓋254aをベース254bに固定する。そして、純水供給ノズル288から純水を研磨面に供給しながら、ドレッサー218により研磨面をドレッシングする。ドレッシング中においては、ドレッサー218はスポンジ287に接触しないので、スポンジ287がドレッサー218により傷つけられることはない。
液体保持部材としては、スポンジ以外に、繊維状の部材や連続発泡体を用いることができる。連続発泡体の形成方法としては、基材に炭酸カルシウムの微粉末を練り込んだ材料を射出成形後、得られた成形品を塩酸水中に浸漬させて、炭酸カルシウム粉末を分解溶出させる方法が挙げられる。この場合、炭酸カルシウム粉末同士が接触する程度の充填量が必要である。基材としては、ポリウレタン、ポリオレフィン、ゴムなどが使用できる。
図24は本実施形態の他の例を示す概略断面図である。図24に示すように、本実施形態では、電解液を研磨パッド101の下方から貫通孔101aに導く電解液流路は設けられていなく、電解液は電解液供給ノズル102から直接研磨面上に供給される。貫通孔101aにはそれぞれ液体保持部材としてのスポンジ287が挿入されており、電解液供給ノズル102から供給された電解液がスポンジ287により保持されるようになっている。
この例では、研磨面をドレッシングする際に邪魔にならないように、それぞれのスポンジ287の上端は研磨面よりも低い位置にあることが好ましい。なお、液体保持部材の配置は、研磨面内で均等に分布する貫通孔101aの内部に限られない。例えば、研磨パッド101上に溝を形成し、この溝内に液体保持部材を配置してもよい。上方から見たときの液体保持部材の配置例としては、線状、同心円状、扇状などが挙げられる。
図25および図26は本発明の他の実施形態における複合電解研磨装置250に用いられる研磨パッド101の一部を示す概略断面図である。なお、特に説明しない本実施形態の構成および動作は、図6に示す実施形態の構成および動作と同様であるので、その重複する説明を省略する。
本実施形態では、貫通孔101aの上端開口の直径は、その下端開口の直径よりも小さく形成されている。すなわち、図25に示す例では、貫通孔101aの直径は、下端開口から上端開口に向かって徐々に小さくなっている。図26に示す例では、貫通孔101aは、直径の異なる2つの孔が上下方向に直列に配列されて構成されている。このように、上端開口が下端開口よりも小さいので、貫通孔101aに保持された電解液の遠心力による飛散を抑制することができる。なお、本実施形態においても、電解液を研磨パッド101の下方から貫通孔101aに導く電解液流路を設けずに、電解液を研磨パッド101の上方から供給して貫通孔101aに電解液を保持させてもよい。
図27は本発明の他の実施形態における複合電解研磨装置250を示す概略斜視図である。なお、特に説明しない本実施形態の構成および動作は、図6に示す実施形態の構成および動作と同様であるので、その重複する説明を省略する。
図27に示すように、研磨パッド101を囲むように環状の気体流路290が配置されている。この気体流路の290内周部にはスリット(気体噴出口)291が形成されており、気体流路290を流れる気体がスリット291から研磨面の中心に向かって噴出されるようになっている。このような構成によれば、遠心力によって研磨面から流出する電解液を気体によって押し戻すことができる。なお、気体噴出口としてはスリットに限られず、複数の孔(例えば直径1mm以下)であってもよい。また、本実施形態においても、上述した電解液流路を設けずに、電解液を研磨パッド101の上方から研磨面に直接供給してもよい。さらに、研磨パッド101として導電性パッドを用いて、第2電極(給電電極)を導電性パッドに接触させることで導電性パッドを介して基板上の導電膜に給電してもよい。
図28は本発明の他の実施形態における複合電解研磨装置250を示す概略側面図である。なお、特に説明しない本実施形態の構成および動作は、図6に示す実施形態の構成および動作と同様であるので、その重複する説明を省略する。
図28に示すように、研磨パッド101の側方には、その軸心周りに回転可能な2つの円筒状のコロ293,294が配置されている。研磨時にはこれらのコロ293,294がオーバーハングしている研磨ヘッド1を挟み、下方に位置するコロ294が基板Wの下面に接触するようになっている。このコロ294は電源252に電気的に接続されて第2電極(給電電極)として機能する。基板Wに接触するコロ294の表面は、陽分極に対して不活性な金属や、導電性樹脂、導電性繊維により形成することが好ましい。
コロ294と回転する基板Wとの相対速度が0.1m/s以下、好ましくは、ゼロとなるように両者の回転速度(回転の線速)が調整されている。なお、コロ294を回転摩擦がゼロに近い状態で回転自在に支承して、コロ294と基板Wとの摩擦によってコロ294が連れ回りするようにしてもよい。これにより、コロ294と基板Wとの間に生じる摩擦力を小さくして、基板W上に形成された導電膜が傷ついたり、剥がれたりすることを防止することができる。なお、この例では、研磨ヘッド1を挟み込む1対のコロ293,294を設けているが、複数対のコロを並列に設けてもよい。これにより、コロと基板Wとの接触面積を増大させて、給電の信頼性を向上させることができる。
図29は本実施形態の他の構成例を示す概略側面図である。この例では、第2電極として1つのコロ294が設けられ、オーバーハングしている研磨ヘッド1に保持された基板Wの下面に接触するように配置されている。この例においても、基板Wの下面に接触する複数のコロを設けてもよい。なお、特に説明しないコロ294の動作および構成は図28に示す例と同一である。
図30は本実施形態の他の構成例を示す概略側面図である。この例では、中央部が細く、両端部が太い縦断面形状を有するコロ295が第2電極として用いられている。このコロ295は上下方向に延びる軸心周りに回転可能となっており、その外周面が研磨ヘッド1の外周面に接触するように配置されている。研磨ヘッド1に保持された基板Wはコロ295の外周面に接触し、これにより、基板W上に形成された導電膜とコロ295とが電気的に接続される。なお、特に説明しないコロ295の動作および構成は図28に示す例と同一である。この例によれば、コロ295を基板Wの表面に垂直な方向から基板Wに対して押圧する必要がないので、基板W上の導電膜と研磨面との接触が良好に保たれ、結果として均一な研磨が実現される。
図31は本発明の他の実施形態における複合電解研磨装置の一部を示す概略斜視図である。なお、特に説明しない本実施形態の構成および動作は、図6に示す実施形態の構成および動作と同様であるので、その重複する説明を省略する。
本実施形態では、研磨パッド101を囲むように帯状のリング部材296が配置されている。このリング部材296の上面と研磨面とは同一水平面内にあり、オーバーハングしている研磨ヘッド1に保持された基板Wの一部がリング部材296の上面に接触するようになっている。リング部材296は電源252に電気的に接続されており、第2電極として機能する。リング部材296の上面は、陽分極に対して不活性な金属や、導電性樹脂、導電性繊維により形成することができる。
研磨パッド101とリング部材296との間には隙間が形成されており、リング部材296は研磨パッド101と独立に回転可能となっている。リング部材296と回転する基板Wとの相対速度が0.1m/s以下、好ましくは、ゼロとなるように両者の回転速度(回転の線速)が調整されている。なお、リング部材296を回転摩擦がゼロに近い状態で回転自在に支承して、リング部材296と基板Wとの摩擦によってリング部材が連れ回りするようにしてもよい。
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
半導体装置における銅配線形成例を工程順に示す図である。 本発明に係る複合電解研磨装置を備えた基板処理装置の配置構成を示す平面図である。 図2に示す基板処理装置に備えられている複合電解研磨装置の要部を概略的に示す縦断面図である。 複合電解研磨装置の研磨ヘッドの縦断面図である。 複合電解研磨装置の研磨ヘッドの底面図である。 複合電解研磨装置の要部を概略的に示す縦断面図である。 図6に示す蓋に形成された連通溝および連通孔の一部を示す平面図である。 図6に示す複合電解研磨装置の要部構成の変形例を示す縦断面図である。 連通溝の例を示す図である。 連通溝の他の例を示す図である。 連通溝の他の例を示す図である。 連通溝の他の例を示す図である。 連通溝の他の例を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る複合電解研磨装置の要部を概略的に示す図である。 本発明の他の実施形態に係る複合電解研磨装置の要部を概略的に示す図である。 本発明の他の実施形態における複合電解研磨装置を概略的に示す平面図である。 図16に示す複合電解研磨装置の概略断面図である。 環状溝に取り付けられた逆止弁の一部を示す平面図である。 図18に示すXIX-XIX線断面図である。 逆止弁の他の構成を示す断面図である。 逆止弁の他の構成を示す断面図である。 本発明の他の実施形態における複合電解研磨装置を示す概略断面図である。 研磨面をドレッシングしているときの様子を示す概略断面図である。 上記複合電解研磨装置の他の構成を示す概略断面図である。 本発明の他の実施形態における複合電解研磨装置に用いられる研磨パッドの一部を示す概略断面図である。 本発明の他の実施形態における複合電解研磨装置に用いられる研磨パッドの一部を示す概略断面図である。 本発明の他の実施形態における複合電解研磨装置を示す概略斜視図である。 本発明の他の実施形態における複合電解研磨装置を示す概略側面図である。 図28に示す複合電解研磨装置の他の構成例を示す概略側面図である。 図28に示す複合電解研磨装置の他の構成例を示す概略側面図である。 本発明の他の実施形態における複合電解研磨装置を示す概略斜視図である。
符号の説明
1 研磨ヘッド
2 ヘッド本体
3 リテーナリング
4 弾性パッド
5 ホルダーリング
6 チャッキングプレート
7 加圧シート
8 センターバッグ
9 リングチューブ
21〜25 圧力室
100 研磨テーブル
101 研磨パッド
101a 貫通孔
102 電解液供給ノズル102
120 圧縮空気源
121 真空源
204 基板カセット
206 基板ステーション
210 ロータリトランスポータ
212 乾燥ユニット
214 洗浄ユニット
218 ドレッサー
222 水槽
224,226 ITM
250 複合電解研磨装置
252電源
254 支持部材(第1電極)
254a 蓋
254b ベース
255 連通孔
256 連通溝
257 Oリング
258A 第1の電解液受け口
258B 第2の電解液受け口
258C ロータリージョイント
262 電気接点
264 第2電極
270 堰
271 液回収ライン
272 流量調整弁
273 絶縁カバー
274 支柱
280 スポンジ部材(液体透過部材)
281 液回収部
282 環状溝
283 逆止弁
284 隙間カバー
287 スポンジ(液体保持部材)
288 純水供給ノズル
290 気体流路
291 スリット
293,294,295 コロ
296 リング部材
305 バリア膜
306 シード膜(導電膜)
307 銅膜(導電膜)
308 配線

Claims (11)

  1. 上下方向に貫通する複数の貫通孔を有し、上面が研磨面を構成する研磨パッドと、
    基板を前記研磨面に押圧する研磨ヘッドと、
    電源の一方の極に電気的に接続され、前記研磨パッドの下方に配置された第1電極と、
    電源の他方の極に電気的に接続されて前記基板上の導電膜に給電する第2電極と、
    電解液を前記研磨パッドに供給する電解液供給部と、
    前記電解液供給部から供給された電解液を前記研磨パッドの下方から前記複数の貫通孔に導く電解液流路と、
    前記基板と前記研磨パッドとを相対移動させる相対移動機構とを備えたことを特徴とする複合電解研磨装置。
  2. 前記電解液流路は、前記電解液供給部からの電解液を受ける電解液受け部と、前記複数の貫通孔にそれぞれ連通する複数の連通孔と、前記電解液受け部に連通し、かつ前記複数の連通孔を互いに連通させる複数の連通溝とを有することを特徴とする請求項1に記載の複合電解研磨装置。
  3. 前記電解液受け部は、前記研磨パッドと同心状に形成された環状溝であり、
    前記環状溝の半径は、前記研磨パッドの中心と研磨位置にある前記研磨ヘッドの外周面との距離よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の複合電解研磨装置。
  4. 前記研磨パッドの外周面を囲むように配置された堰をさらに備え、
    前記堰は外周壁および内周壁を有し、
    前記外周壁の上端は前記研磨面よりも高い位置にあり、
    前記内周壁の上端は前記研磨面よりも低い位置にあることを特徴とする請求項1に記載の複合電解研磨装置。
  5. 前記研磨パッドの外周面を囲むように配置された変形自在な液体透過部材と、
    前記液体透過部材の下部に設けられた液回収部とをさらに備え、
    前記液体透過部材の上面は前記研磨面よりも高い位置にあることを特徴とする請求項1に記載の複合電解研磨装置。
  6. 上下方向に貫通する複数の貫通孔を有し、上面が研磨面を構成する研磨パッドと、
    前記研磨面に埋設された少なくとも1つの液体保持部材と、
    基板を前記研磨面に押圧する研磨ヘッドと、
    電源の一方の極に電気的に接続され、前記研磨パッドの下方に配置された第1電極と、
    電源の他方の極に電気的に接続されて前記基板上の導電膜に給電する第2電極と、
    電解液を前記研磨パッドに供給する電解液供給部と、
    前記基板と前記研磨パッドとを相対移動させる相対移動機構とを備えたことを特徴とする複合電解研磨装置。
  7. 前記液体保持部材は複数であり、該複数の液体保持部材は前記複数の貫通孔内に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の複合電解研磨装置。
  8. 前記液体保持部材は変形自在な材料から形成され、
    前記液体保持部材の上端は、前記研磨面よりも高い位置にあることを特徴とする請求項6に記載の複合電解研磨装置。
  9. 上下方向に貫通する複数の貫通孔を有し、上面が研磨面を構成する研磨パッドと、
    基板を前記研磨面に押圧する研磨ヘッドと、
    電源の一方の極に電気的に接続され、前記研磨パッドの下方に配置された第1電極と、
    電源の他方の極に電気的に接続されて前記基板上の導電膜に給電する第2電極と、
    電解液を前記研磨パッドに供給する電解液供給部と、
    前記基板と前記研磨パッドとを相対移動させる相対移動機構とを備え、
    前記複数の貫通孔の上端開口の直径はその下端開口の直径よりも小さいことを特徴とする複合電解研磨装置。
  10. 前記複数の貫通孔の直径は、前記下端開口から前記上端開口に向かって徐々に小さくなることを特徴とする請求項9に記載の複合電解研磨装置。
  11. 前記複数の貫通孔は、直径の異なる複数の孔を上下方向に直列に配列した貫通孔であることを特徴とする請求項9に記載の複合電解研磨装置。
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