JP2008198438A - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高加湿条件下でも低加湿条件下でも電池性能の変化が少なく、ロバスト性の高い固体高分子型燃料電池を提供する。
【解決手段】固体高分子電解質膜3と、該固体高分子電解質膜の両側にそれぞれ配置した触媒層5と、該触媒層5の外面にそれぞれ配置したガス拡散層6と、該ガス拡散層6の外面にそれぞれ配置したセパレータ2とを備え、前記触媒層5が、芳香環を有する化合物を酸化重合してフィブリル状ポリマーを生成させ、該フィブリル状ポリマーを焼成して生成させた炭素繊維と、該炭素繊維上に担持された金属触媒と、前記炭素繊維内に含浸されたイオン導電性ポリマーとからなり、該触媒層5は、酸化剤ガスの供給における上流部のイオン導電性ポリマーの質量が下流部のイオン導電性ポリマーの質量よりも多いことを特徴とする固体高分子型燃料電池である。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池、特に高加湿条件下でも低加湿条件下でも電池性能の変化が少なく、ロバスト性の高い固体高分子型燃料電池に関するものである。
昨今、発電効率が高く、環境への負荷が小さい電池として、燃料電池が注目を集めており、広く研究開発が行われている。燃料電池の中でも、出力密度が高く作動温度が低い固体高分子型燃料電池は、小型化や低コスト化が他のタイプの燃料電池よりも容易なことから、電気自動車用電源、分散発電システム、家庭用のコージェネレーションシステムとして広く普及することが期待されている。
一般に固体高分子型燃料電池においては、固体高分子電解質膜を挟んで一対の電極を配置すると共に、一方の電極の表面に水素等の燃料ガスを接触させ、もう一方の電極の表面に酸素を含有するガスを接触させ、この時起こる電気化学反応を利用して、電極間から電気エネルギーを取り出している(非特許文献1及び2参照)。なお、上記電極の高分子電解質膜に接する側には触媒層が配設されており、高分子電解質膜と触媒層とガスとの三相界面で電気化学反応が起こる。
また、固体高分子型燃料電池においては、アノード側の触媒層で発生したプロトンを、高分子電解質膜を経てカソード側に伝達するのを容易にするために、一般に、触媒層にはイオン導電性ポリマーが含浸されている。そのため、従来、触媒層は、白金等の貴金属触媒をカーボンブラック等の粒状カーボン上に担持して作製した触媒粉とイオン導電性ポリマーとを混合してインク状としたものを、カーボンペーパー等の導電性の多孔質支持体上に塗布或いは印刷する等して形成されている。
日本化学会編,「化学総説No.49,新型電池の材料化学」,学会出版センター,2001年,p.180−182 「固体高分子型燃料電池<2001年版>」,技術情報協会,2001年,p.14−15
ところで、一般に、カソード側の触媒層表面では、O2+4H++4e-→2H2Oで表される反応により水が生成するため、プロトンの伝導パスとなるイオン導電性ポリマーの分布や量が燃料電池の性能の優劣に大きく影響するものと考えられる。
ここで、燃料電池の運転時のカソード触媒層内での酸化剤ガスの流れ方向における水分分布に着目すると、触媒表面で生成した水分が上流から下流に向かって徐々に増え、上流側から下流側に行くに従って水分濃度が増加していく。即ち、存在する水分量は、上流側と下流側とでは異なり、この現象は、発電電流が大きい程、顕著になる。そのため、プロトンのスムーズな供給と発生した水分のスムーズな排出とのバランスを取るには、触媒層の各部位の水分量に応じて、各部位のイオン導電性ポリマーの量を最適化する必要があるものと考えられる。
しかしながら、従来の貴金属触媒を粒状カーボン上に担持した触媒粉とイオン導電性ポリマーとを混合した後、導電性の多孔質支持体上に塗布或いは印刷して触媒層を形成する方法は、大面積の触媒層を均一に作製する方法としては優れるものの、イオン導電性ポリマーの量に関して面内分布を持たせることが難しかった。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、触媒層においてイオン導電性ポリマーの量に関して面内分布を持たせ、高加湿条件下でも低加湿条件下でも電池性能の変化が少なく、ロバスト性の高い固体高分子型燃料電池を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、芳香環を有する化合物を酸化重合してフィブリル状ポリマーを生成させ、該フィブリル状ポリマーを焼成して生成させた炭素繊維と、該炭素繊維上に担持された金属触媒と、前記炭素繊維内に含浸されたイオン導電性ポリマーとから触媒層を構成する場合、金属触媒の担持後に、イオン導電性ポリマーを含浸させるため、所望の部分のイオン導電性ポリマー量を容易に制御することができ、また、触媒層において、酸化剤ガスの供給における上流部のイオン導電性ポリマーの質量を下流部のイオン導電性ポリマーの質量よりも多くすることで、イオン導電性ポリマーの量が最適化され、プロトンのスムーズな供給と発生した水分のスムーズな排出とのバランスを取ることが可能となり、更には、高加湿条件下でも低加湿条件下でも固体高分子型燃料電池の性能の変化が小さくなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜の両側にそれぞれ配置した触媒層と、該触媒層の外面にそれぞれ配置したガス拡散層と、該ガス拡散層の外面にそれぞれ配置したセパレータとを備え、
前記触媒層が、芳香環を有する化合物を酸化重合してフィブリル状ポリマーを生成させ、該フィブリル状ポリマーを焼成して生成させた炭素繊維と、該炭素繊維上に担持された金属触媒と、前記炭素繊維内に含浸されたイオン導電性ポリマーとからなり、
該触媒層は、酸化剤ガスの供給における上流部のイオン導電性ポリマーの質量が下流部のイオン導電性ポリマーの質量よりも多いことを特徴とする。
本発明の固体高分子型燃料電池において、前記触媒層は、酸化剤ガスの供給における上流側1/3の部分のイオン導電性ポリマーの質量が下流側1/3の部分のイオン導電性ポリマーの質量よりも多いことが好ましい。また、前記触媒層は、上流側1/3の部分のイオン導電性ポリマーの量の下流側1/3の部分のイオン導電性ポリマーの量に対する質量比が1.5/1〜7/1であることが更に好ましい。
本発明によれば、高加湿条件下でも低加湿条件下でも電池性能の変化が小さく、ロバスト性の高い固体高分子型燃料電池を提供することができる。
以下に、本発明の固体高分子型燃料電池を、図1を参照しながら詳細に説明する。図1に示す固体高分子型燃料電池は、膜電極接合体(MEA)1とその両側に位置するセパレータ2とを備える。
上記膜電極接合体(MEA)1は、固体高分子電解質膜3とその両側に位置するアノード4A及びカソード4Bとからなる。アノード4Aでは、2H2→4H++4e-で表される反応が起こり、発生したH+は固体高分子電解質膜3を経てカソード4Bに至り、また、発生したe-は外部に取り出されて電流となる。一方、カソード4Bでは、O2+4H++4e-→2H2Oで表される反応が起こり、水が発生する。アノード4A及びカソード4Bは、触媒層5及びガス拡散層6からなり、触媒層5が固体高分子電解質膜3に接触するように配置されている。
また、上記セパレータ2の表面には、一般に、水素等の燃料ガス、酸素及び空気等の酸化剤ガス、並びに生成した水等の流路(図示せず)が形成されており、該流路を介して、燃料ガス及び酸化剤ガスがアノード4A及びカソード4Bに供給されると共に、生成した水が排出される。
本発明の固体高分子型燃料電池においては、上記触媒層5が、芳香環を有する化合物を酸化重合してフィブリル状ポリマーを生成させ、該フィブリル状ポリマーを焼成して生成させた炭素繊維と、該炭素繊維上に担持された金属触媒と、前記炭素繊維内に含浸されたイオン導電性ポリマーとからなり、また、該触媒層5は、酸化剤ガスの供給における上流部のイオン導電性ポリマーの質量が下流部のイオン導電性ポリマーの質量よりも多いことを特徴とする。
本発明の固体高分子型燃料電池の触媒層5は、芳香環を有する化合物を酸化重合してフィブリル状ポリマーを生成させ、該フィブリル状ポリマーを焼成して生成させた炭素繊維を触媒担持体としているため、金属触媒を担持させた後に、部分ごとにイオン導電性ポリマーの量を制御しつつ含浸することが容易である。そして、酸化剤ガスの供給における上流側から下流側に渡って、存在する水分量に応じた適切な量のイオン導電性ポリマーを含浸、具体的には、酸化剤ガスの供給における上流部のイオン導電性ポリマーの質量を下流部のイオン導電性ポリマーの質量よりも多くすることで、適切なプロトンの伝導パスの形成が可能となり、高加湿条件下でも低加湿条件下でも安定した電池性能を得ることが可能となる。上述のように、一般に、酸化剤ガス側の触媒表面で生成した水分は、上流から下流に向かって徐々に増え、上流側から下流側に行くに従って水分濃度が増加していくため、下流部では、イオン導電性ポリマーが水分により膨潤する。そのため、下流部では、イオン導電性ポリマーの量が少なくても、十分なプロトンの伝導パスを確保することができ、また、イオン導電性ポリマーの量が少ないことで、生成した水分の排出が容易となり、電池性能の低下を防止できる。
ここで、イオン導電性ポリマーの炭素繊維への含浸は、例えば、該イオン導電性ポリマーを水やアルコール等の溶媒に溶解させて溶液を調製し、該イオン導電性ポリマーの溶液を、塗布法、スプレー法、インクジェット法等で金属触媒が担持された炭素繊維に含浸することで達成され、また、その含浸量は、溶液の量を制御することで適宜調整することができる。
本発明の固体高分子型燃料電池において、上記触媒層5の担持体として用いる炭素繊維は、芳香環を有する化合物を酸化重合してフィブリル状ポリマーを生成させ、該フィブリル状ポリマーを焼成して生成させたものである。ここで、原料として使用する芳香環を有する化合物としては、ベンゼン環を有する化合物、芳香族複素環を有する化合物を挙げることができる。ここで、ベンゼン環を有する化合物としては、アニリン及びアニリン誘導体が好まく、芳香族複素環を有する化合物としては、ピロール、チオフェン及びこれらの誘導体が好ましい。これら芳香環を有する化合物は、一種単独で用いてもよいし、二種以上の混合物として用いてもよい。
上記酸化重合法としては、電解酸化重合法及び化学的酸化重合法等の種々の方法が利用できるが、中でも電解酸化重合法が好ましい。また、該電解酸化重合においては、原料の芳香環を有する化合物と共に、酸を混在させることが好ましい。この場合、酸の負イオンがドーパントとして合成されるフィブリル状ポリマー中に取り込まれ、導電性に優れたフィブリル状ポリマーが得られ、このフィブリル状ポリマーを用いることにより最終的に炭素繊維の導電性を更に向上させることができる。ここで、電解酸化重合の際に混在させる酸としては、HBF4、H2SO4、HCl、HClO4等を例示することができる。また、該酸の濃度は、0.1〜3mol/Lの範囲が好ましく、0.5〜2.5mol/Lの範囲が更に好ましい。
上記電解酸化重合によりフィブリル状ポリマーを得る場合には、芳香環を有する化合物を含む溶液中に作用極及び対極となる一対の電極板を浸漬し、両極間に前記芳香環を有する化合物の酸化電位以上の電圧を印加するか、または該芳香環を有する化合物が重合するのに充分な電圧が確保できるような条件の電流を通電すればよく、これにより作用極上にフィブリル状ポリマーが生成する。ここで、作用極としては、ガス拡散層6に好適なカーボンペーパー等の導電性の多孔質支持体を用いることが好ましく、一方、対極としては、ステンレススチール、白金、カーボン等の良導電性物質からなる板や多孔質支持体等を用いることができる。この電解酸化重合法によるフィブリル状ポリマーの合成方法の一例を挙げると、H2SO4、HBF4、HClO4等の酸及び芳香環を有する化合物を含む電解溶液中に作用極及び対極を浸漬し、両極間に0.1〜1000mA/cm2、好ましくは0.2〜100mA/cm2の電流を通電して、作用極側にフィブリル状ポリマーを重合析出させる方法等が例示される。ここで、芳香環を有する化合物の電解溶液中の濃度は、0.05〜3mol/Lが好ましく、0.25〜1.5mol/Lがより好ましい。また、電解溶液には、上記成分に加え、pHを調製するために可溶性塩等を適宜添加してもよい。
上記芳香環を有する化合物を酸化重合して得られるフィブリル状ポリマーは、通常、3次元連続構造を有し、直径が30〜数百nmで、好ましくは40〜500nmであり、長さが0.5μm〜100mmで、好ましくは1μm〜10mmである。
上記のようにして作用極上に得られたフィブリル状ポリマーを、水や有機溶剤等の溶媒で洗浄し、乾燥させた後、焼成、好ましくは非酸化性雰囲気中で焼成して炭化することで、3次元連続状の炭素繊維が得られる。ここで、乾燥方法としては、特に制限されるものではないが、風乾、真空乾燥の他、流動床乾燥装置、気流乾燥機、スプレードライヤー等を使用した方法を例示することができる。また、焼成条件としては、特に限定されるものではないが、温度500〜3000℃、好ましくは600〜2800℃で、0.5〜6時間とすることが好ましい。なお、非酸化性雰囲気としては、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、ヘリウム雰囲気等を挙げることができ、場合によっては水素雰囲気とすることもできる。
上記炭素繊維は、通常、3次元連続構造を有し、直径が30〜数百nm、好ましくは40〜500nmであり、長さが0.5μm〜100mm、好ましくは1μm〜10mmであり、表面抵抗が106〜10-2Ω、好ましくは104〜10-2Ωである。また、該炭素繊維は、残炭率が80〜15%、好ましくは75〜20%である。該炭素繊維は、カーボン全体が3次元に連続した構造を有するため、粒状カーボンよりも導電性が高い。
上記のようにして得られた炭素繊維に担持する金属触媒としては、貴金属が好ましく、Ptが特に好ましい。なお、本発明においては、Ptを単独で用いてもよいし、Ru等の他の金属との合金として用いてもよい。貴金属としてPtを用いることで、100℃以下の低温でも水素を高効率で酸化することができる。また、PtとRu等の合金を用いることで、COによるPtの被毒を防止して、触媒の活性低下を防止することができる。なお、炭素繊維上に担持される金属触媒の粒径は、0.5〜20nmの範囲が好ましく、該金属触媒の担持率は、炭素繊維1gに対して0.05〜5gの範囲が好ましい。ここで、上記金属触媒の炭素繊維上への担持法としては、特に限定されるものではなく、例えば、含浸法、電気メッキ法(電解還元法)、無電解メッキ法、スパッタ法等が挙げられる。なお、触媒層の厚さは、特に限定されるものではないが、0.1〜100μmの範囲が好ましい。また、触媒層の金属触媒担持量は、前記担持率と触媒層の厚さにより定まり、好ましくは0.001〜0.8mg/cm2の範囲である。
上記のようにして得た金属触媒担持炭素繊維に含浸するイオン導電性ポリマーとしては、スルホン酸、カルボン酸、ホスホン酸、亜ホスホン酸等のイオン交換基を有するポリマーを挙げることができ、該ポリマーはフッ素を含んでも、含まなくてもよい。該イオン伝導性ポリマーとしては、ナフィオン(登録商標)等のパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー等が好ましい。該イオン導電性ポリマーの含浸量は、触媒層5の上流部と下流部で異なり、酸化剤ガス側においては上流部の含浸量を下流部の含浸量よりも多くすることを要し、上流側1/3の部分のイオン導電性ポリマーの質量が下流側1/3の部分のイオン導電性ポリマーの質量よりも多いことが好ましい。なお、酸化剤ガス側の触媒層5を酸化剤ガスの供給における上流側から下流側に向かって、上流部、中流部、下流部の3つの部分に分けた場合、上流部のイオン導電性ポリマーの量は、1.6〜0.8mg/cm2の範囲が好ましく、中流部のイオン導電性ポリマーの量は、1.2〜0.3mg/cm2の範囲が好ましく、下流部のイオン導電性ポリマーの量は、0.8〜0.1mg/cm2の範囲が好ましい。また、上流側1/3の部分のイオン導電性ポリマーの量の下流側1/3の部分のイオン導電性ポリマーの量に対する質量比は、1.2/1〜7/1の範囲が好ましい。
本発明の固体高分子型燃料電池において、上記固体高分子電解質膜3としては、イオン伝導性のポリマーを使用することができ、該イオン伝導性のポリマーとしては、上記触媒層5に含浸させるイオン伝導性ポリマーとして例示したものを用いることができる。また、ガス拡散層6としては、多孔質で且つ電子伝導性を有するものが好ましく、具体的には、カーボンペーパー、多孔質のカーボン布等の多孔質支持体が挙げられ、カーボンペーパーが好ましい。なお、上述した電解酸化重合における作用極として多孔質支持体を用い、該多孔質支持体上にフィブリル状ポリマーを生成させ、更に該フィブリル状ポリマーを多孔質支持体上で焼成炭化して、多孔質支持体上に炭素繊維を作製することで、金属触媒の担持や燃料電池の組み立ての作業性が向上する。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<炭素繊維の作製>
アニリン 0.5mol/Lと過塩素酸 1.0mol/Lとを含む酸性水溶液中に、作用極としてカーボンペーパー[東レ製]を設置し、更に、対極としてもカーボンペーパーを設置し、25℃にて15mA/cm2の定電流で300秒間電解酸化重合を行い、作用極上にポリアニリンを電析させた。得られたポリアニリンを0.5mol/LのNaOH水溶液に1時間浸漬した後、純水で十分に洗浄し、100℃で減圧乾燥した。更に、得られたポリアニリンをカーボンペーパーごとAr減圧雰囲気下で2300℃まで4時間かけて昇温し、該温度で1時間保持して焼成処理を行った。その後、室温まで冷却し、得られた焼成物(炭素繊維)を取り出した。
<白金の担持>
次に、上記で得られた焼成物(炭素繊維)をカーボンペーパーごと塩化白金酸六水和物 10gを純水 1Lに溶解させて得た水溶液中に作用極として設置し、更に、対極として白金メッキされたチタン板を設置した。その後、室温にで、120mA/cm2のパルス電流を流し、炭素繊維上に白金を担持させた。なお、パルス条件は、印加時間(オンタイム):0.005秒、休止時間(オフタイム):0.1秒とし、通電量:1.1C/cm2とした。また、通電終了後、十分に洗浄及び乾燥した。なお、質量変化から白金担持量を計算したところ、0.35mg/cm2であった。
<MEAの作製>
次に、上記のようにして得た白金担持炭素繊維付きカーボンペーパーを50mm角の大きさに打ち抜き、白金担持炭素繊維が配設された側に、ナフィオン(登録商標)の水/イソプロピルアルコール溶液(ナフィオン:5質量%、水:42.5質量%、イソプロピルアルコール:42.5質量%)を市販のインクジェットプリンターを改造した塗布機により、塗布した。なお、乾燥後のナフィオン量は、触媒層の上流側1/3の部分が1.0mg/cm2、中央1/3の部分が0.6mg/cm2、下流側1/3の部分が0.2mg/cm2となるように調整した。このようにして得られたナフィオン塗布白金担持炭素繊維/カーボンペーパー2枚で、ナフィオン112膜を挟み、熱プレスして一体化し、膜電極接合体(MEA)を得た。なお、ナフィオン分布は、カソード側とアノード側が同じとなるように配置した。
<燃料電池の性能評価>
得られた膜電極接合体をエレクトロケミカル社製の試験セル(EFC25−01SP)に組み込み、燃料電池を作製し、表1に示す条件で発電特性を測定した。なお、セパレータ流路は、サーペンアイン型であり、燃料ガス(水素)と酸化剤ガス(空気)とが平行になるように組み、触媒層は、アノード、カソード共にナフィオン量の多い部分をガス供給の上流側となるようにした。結果を表2及び表3に示す。
Figure 2008198438
(比較例1)
ナフィオンの塗布量を50mm角の触媒層全体に均一に1.0mg/cm2となるようにした以外は、実施例1と同様にして、燃料電池を作製し、評価した。結果を表2及び表3に示す。
(比較例2)
ナフィオンの塗布量を50mm角の触媒層全体に均一に0.2mg/cm2となるようにした以外は、実施例1と同様にして、燃料電池を作製し、評価した。結果を表2及び表3に示す。
Figure 2008198438
Figure 2008198438
表2及び表3から明らかなように、本発明に従う実施例の燃料電池は、高加湿条件下と低加湿条件下とで電池性能の変化が小さかった。一方、イオン伝導性ポリマーの塗布量が均一で且つ多い比較例1の燃料電池は、高加湿条件下の高電流域での電圧の低下が大きく、また、一方、イオン伝導性ポリマーの塗布量が均一で且つ少ない比較例2の燃料電池は、低加湿条件下の高電流域での電圧の低下が大きかった。
本発明の固体高分子型燃料電池の一例の断面図である。
符号の説明
1 膜電極接合体(MEA)
2 セパレータ
3 固体高分子電解質膜
4A アノード
4B カソード
5 触媒層
6 ガス拡散層

Claims (3)

  1. 固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜の両側にそれぞれ配置した触媒層と、該触媒層の外面にそれぞれ配置したガス拡散層と、該ガス拡散層の外面にそれぞれ配置したセパレータとを備えた固体高分子型燃料電池において、
    前記触媒層が、芳香環を有する化合物を酸化重合してフィブリル状ポリマーを生成させ、該フィブリル状ポリマーを焼成して生成させた炭素繊維と、該炭素繊維上に担持された金属触媒と、前記炭素繊維内に含浸されたイオン導電性ポリマーとからなり、
    該触媒層は、酸化剤ガスの供給における上流部のイオン導電性ポリマーの質量が下流部のイオン導電性ポリマーの質量よりも多いことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  2. 前記触媒層は、酸化剤ガスの供給における上流側1/3の部分のイオン導電性ポリマーの質量が下流側1/3の部分のイオン導電性ポリマーの質量よりも多いことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
  3. 前記触媒層は、上流側1/3の部分のイオン導電性ポリマーの量の下流側1/3の部分のイオン導電性ポリマーの量に対する質量比が1.5/1〜7/1であることを特徴とする請求項2に記載の固体高分子型燃料電池。
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