JP2008197734A - 出入管理システムおよび出入管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】通行者のゲートにおける通過を管理するとともにゲートの異常発生を監視し、異常発生への迅速な対処判断が可能になる出入管理システムを提供する。
【解決手段】出入管理システム10は、監視室に設置の中央処理制御装置10a、各ゲートに設置の端末処理装置10bから成る。中央処理制御装置10aは、主要構成として集中管理装置11と監視操作装置12を有し、端末処理装置10bは、主要構成としてゲートにそれぞれ出入管理ゲート13およびゲート制御コントローラ14を備える。中央処理制御装置10aと端末処理装置10bは、通行者のIDカード等の読み取りでゲート通過の管理を行ない、さらに出入管理ゲート13での異常事象の監視を行なう。この監視は、ゲートエリアの撮影とその異常発生時の映像記録の効率的な収得手段を通して行なわれる。
【選択図】図1

Description

本発明は、たとえば原子力関係の施設、企業、銀行、官庁等の建物あるいはその内部で、セキュリティを目的として人間の出入を管理するために設置される出入管理システム及びかかるシステムによる出入管理方法に関する。
近年、高度情報化に伴う企業内等におけるセキュリティ確保の重要性から、特定の建物あるいは部屋等に対する出入を厳しく管理する出入管理システムが種々に開発されている(たとえば、特許文献1,2参照)。この出入管理システムは、たとえば複数のゲート装置と、これらの複数のゲート装置を集中して管理する集中管理装置により構成されている。ここで、各ゲート装置はID(個人識別情報)カードの読取り、このIDカードの判定および読取り内容が正しい場合のゲート制御、上記読取内容の集中管理装置への出力等を行う。また、集中管理装置は各ゲートからのIDカードの読取結果に応じて、各IDカードにより建物内での通過状態を調べ、その正常、異常状態を管理するようになっている。
一方、最近の国内においては、窃盗等の犯罪増加にみられるように治安の悪化に加えて、たとえばテロ組織のような世界的犯罪組織による破壊行為の危険性が増してきている。このため、特に原子力発電所、核燃料加工施設、放射性物質の再処理施設等の原子力施設、あるいは、企業、銀行、官庁等の建物においては、異常発生の監視が益々重要になっている。そして、これらの施設あるいは建物の人の出入りを判定し、通過状況を把握することに加えて、上記施設あるいは建物での異常事象の発生の把握、異常発生に対する迅速な対処判断が必須になってきている。
上記異常発生に対処できる出入管理システムとして、各ゲートにそれぞれ監視員を配置させることも考えられるが、この場合はその管理コストが大幅に増大する。そこで、たとえば、上記複数のゲート装置にそれぞれ映像装置を設置し、上述したような集中管理装置が設置されている監視操作室において少人数の監視員がその映像を常時モニターできるようにしたシステムが開発されている。
特開平5−79231号公報 特開平9−305815号公報
しかしながら、上記映像装置を各ゲート装置に付加した出入管理システムでは以下のような幾つかの問題があった。
その第1は、異常発生時に監視員が映像を見落とした場合、あるいは詳細な映像を再度見たい場合等に、異常発生の特定までに時間がかかり、その対処が迅速にできないことである。ゲート通行中の異常発生では、集中管理装置に備えられているたとえばホストコンピュータのアラームガイダンス画面でその発生時刻が特定され、予めビデオテープまたはDVD(ディジタル・バーサタイル・ディスク)に撮り貯めた映像の巻き戻しまたは検索がなされて異常の特定がなされる。しかしながら、映像装置に撮り貯められる映像量は膨大になり、映像の巻き戻しあるいは検索に時間を要し、異常発生時の対処判断が遅れるからである。
第2の問題は、上記映像装置に撮り貯める映像容量の関係からコマ撮りなど容量を少なくした映像を保存するとか、定期的にビデオテープまたはDVDを交換する作業が必須になることである。
そして、第3の問題は、異常発生が本来の通行者による違法行為による異常なのか、それ以外の自然現象(風圧など)または機器故障によるものなのかの判断ができないため、映像を逐一見て判断しなければならないことである。そして、通行者に起因しない異常である場合には、その原因を特定するためには、映像を詳細に精査する必要があり、極めて多くの時間と労力がかかるようになる。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、上記課題を解消し、発生する異常事象の迅速な把握、異常発生に対する迅速な対処判断が可能になる出入管理システムを提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る出入管理システムは、通行者が通過する出入管理ゲートと、該出入管理ゲートを集中管理する集中管理装置を備えた出入管理システムにおいて、前記出入管理ゲートに設置され該出入管理ゲートを監視し撮影して映像データを取得する映像撮影手段と、前記映像撮影手段により取得した映像データを保存する第1の映像保存手段および第2の映像保存手段と、前記出入管理ゲートで発生する異常事象を検知する異常検知手段と、を有し、前記第1の映像保存手段は、前記映像撮影手段により取得される映像データを一時的に保存し、前記第2の映像保存手段は、前記異常検出手段により検知した異常事象発生時の前後の所定の時間内に撮影されて取得された前記映像データを保存し、前記通行者の前記出入管理ゲートの通過を管理するとともに、前記出入管理ゲートで発生する異常事象を監視することを特徴とする。
また、本発明に係る出入管理方法は、通行者による出入管理ゲートの通過を管理する出入管理方法おいて、前記出入管理ゲートの映像を撮影して映像データを取得し、前記撮影によって取得された映像データを第1の映像保存手段に一時的に保存し、前記出入管理ゲートで発生する異常事象を検知し、前記異常事象が検知された異常事象発生時の前後の所定の時間内に取得された前記映像データを第2の映像保存手段に保存し、前記第1の映像保存手段に一時的に保存された映像データを古いものから順次消去すること、を特徴とする。
本発明により、通行者のゲートの通過の管理において、異常事象の迅速な把握、異常発生に対する迅速な対処判断が可能になる。
以下に本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。
図1は、本実施形態に係る出入管理システムの概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、出入管理システム10では、たとえば監視室に設置された中央処理制御装置10a、原子力施設あるいは建物の所要の監視エリアに設置される端末処理装置10bがたとえばLAN等の通信ネットワークにより接続され形成される。
ここで、中央処理制御装置10aは、主要構成として、集中管理装置11と監視操作装置12を有する。集中管理装置11は、たとえばCPU、IDデータ管理部、画像、異常事象等のメモリ部等を備えたホストコンピュータを有している。そして、端末処理装置10bから送信される全ての情報を一括して処理あるいは分析し、さらに、後述されるゲートを制御し管理するようになっている。そして、監視操作装置12は、映像表示モニタ、異常表示装置、警報装置、あるいは端末選択スイッチ、ゲート制御タッチスイッチ等の監視員が管理操作する各種スイッチを備えている。
端末処理装置10bは、主要構成として、それぞれの監視エリアに設置された複数のゲートにそれぞれ出入管理ゲート13およびゲート制御コントローラ14を備えている。たとえば第1出入管理ゲートと第1ゲート制御コントローラ、第2出入管理ゲートと第2ゲート制御コントローラ、・・・第n出入管理ゲートと第nゲート制御コントローラのn個の出入管理ゲート13およびゲート制御コントローラ14が所要エリアのゲートに設置される。これらの出入管理ゲート13およびゲート制御コントローラ14は、通信回線のケーブル15により上記集中管理装置11に接続されている。
ここで、出入管理ゲート13には、IDカードリーダ、ゲート扉開閉機構等が設けられている。通行者はこのIDカードリーダに自己のIDカードを挿入し検定を受けてこのゲートを通過する。また、ゲート制御コントローラ14には、例えばマイクロコンピュータやメモリ部が備えられ、出入管理ゲート13をローカルに制御できるようになっている。
そして、複数のゲートにそれぞれに設置された出入管理ゲート13とゲート制御コントローラ14により、通行者のIDカードの読取り、このIDカードの読取り内容が正しい場合のゲート制御、上記読取内容の集中管理装置11への出力が行なわれる。集中管理装置11は各ゲートからのIDカードの読取結果に応じて、各IDカードの施設あるいは建物等での通過状態を一括して調べ、その正常、異常状態をディスプレイ表示するようになっている。このようにして、上記中央処理制御装置10aと端末処理装置10bは、通行者の出入管理ゲート13の通過の管理を行なう。
さらに、この出入管理システム10は、出入管理ゲート13での異常事象の監視を効率的に行なうことができるようになっている。以下、この異常事象の監視について詳細に説明する。
図2は、端末処理装置10bの概略構成を示すブロック図である。上述した各出入管理ゲート13は、本実施形態の特徴的構成として、映像データ保存機能付き映像装置16、映像仮保存ディスク17、該仮保存ディスク17で保存した映像を異常発生時に映像コピーする映像本保存ディスク18を備える。そして、通行者検出処理部19に入力される各種センサ20からの検出信号によって、通行者がゲート内に入ったと判断されると、映像保存要求処理部21からの指令により映像データ保存機能付き映像装置16が撮影およびその映像記録を開始する。そして、各種センサ20の検出信号によって通行者がゲート内から退出したことが検出されると、上記撮影、映像記録は終了するようになっている。
ここで、異常検知手段において異常事象の検出する各種センサ20としては、例えば光センサ、ロードセル、ゲート扉開閉センサ、扉リミットスイッチ等が使用される。あるいは、その一部はIDカードリーダからの検出信号で代用してもよい。
上記記録映像は、映像データ保存機能付き映像装置16から、第1の映像保存手段を構成する映像仮保存ディスク17に保存されるようになっている。このような撮影、映像記録およびその仮保存は、通行者が出入管理ゲート13に通行するごとに実施されると好適である。この映像仮保存ディスク17に保存された映像データは、その容量が満杯になると、旧データに上書きされるようになっている。
そして、ゲート制御コントローラ14は、異常検知手段において異常事象の異常レベルおよび異常発生の有無を判定するゲート異常判定処理部22を備えている。このゲート異常判定処理部22は、各種センサ20から入力される検出信号とその基準値との比較によってゲートにおける異常事象の異常レベルを判定し、異常発生の有無を判定するようになっている。ここで、異常発生有りの場合には、ゲート異常信号を出入管理ゲート13内の入出力処理部23に送信する。
そして、映像保存要求処理部21からの指令を通して、映像データ保存機能付き映像装置16から既に映像仮保存ディスク17に仮保存された該当の通行映像を第2の映像保存手段を構成する映像本保存ディスク18にコピーするようになっている。ここでは、映像データ保存機能付き映像装置16に保存されている通行映像を映像本保存ディスク18にコピーすることもできる。上記映像撮影手段を構成する映像装置16に映像データ保存機能がない場合には、映像仮保存ディスク17の仮保存の映像がコピーされる。このような映像コピーでは、異常発生時の前後の所定の時間内に撮影された映像が転写される。ここで、上記所定の時間は監視操作装置12から任意に設定できるようになっている。
上述したような映像コピーとともに、そのゲート異常が人的なものかどうかを画像処理部24において判断し、その結果を入出力処理部23を介してゲート異常判定処理部22に送信する。
上記ゲートの異常状態の検出および判定にあっては、例えば光センサ、ロードセル、ゲート扉開閉センサ、扉リミットスイッチのほかに取り付けられる圧力センサ、温度センサ、ガスセンサ、振動センサ等の各種センサ20が利用される。
このような構成により、映像記録に要する容量が低減し、出入管理ゲート13の小型化、低コスト化が容易になる。また、異常発生時の監視および分析が迅速にしかも簡便に行なえるようになる。
図3は、上記ゲート異常信号および映像信号の送受信に係る上記端末処理装置10bと中央処理制御装置10aの概略構成を示すブロック図である。図3に示すように、映像本保存ディスク18に保存された異常発生時の映像データは、出入管理ゲート13の映像データ保存機能付き映像装置16から、映像送信部25を経由して中央処理制御装置10aの集中管理装置11に送信されるようになっている。この送信された異常発生時の映像データは、例えば監視室に設置されている集中管理装置11のCPUの映像/データ受信処理部26で受信し、映像/データ保存ディスク27に異常時映像を保存する。
また、ゲート制御コントローラ14のゲート異常判定処理部22に入力されているゲート異常の分析結果は、信号送信部28を経由して、上記CPUの映像/データ受信処理部26に送信されるようになっている。
映像/データ保存ディスク27に保存された、異常時の映像データは、監視操作装置12の表示用PC(パーソナルコンピュータ)29からの要求によって、映像表示処理部30を通して映像モニタ31に該当の映像が映し出される。この際、ゲート制御コントローラ14から送信された異常内容の分析結果も映像/データ保存ディスク27から、映像モニタ31に表示させることが可能になっている。なお、出入管理ゲート13におけるリアルタイム映像も映像送信部25、映像/データ受信処理部26、映像表示処理部30および表示用PC29を経由して、常時、映像モニタ31に映し出されるようになっている。
このような構成において、映像モニタ31は単にゲートを監視するだけでなく、出入管理ゲート13からの映像を見ながらゲートの操作もタッチオペレーションでできる機能を有するため、従来に較べて監視操作がやり易く格段に改善される。
図4は、複数のゲートに備えられた出入管理ゲート13およびゲート制御コントローラ14と集中管理装置11との間のゲート異常信号および映像信号の送受信を示す模式図である。図4に示すように、集中管理装置11内にあるホストコンピュータ32は、通信ネットワーク33を介して、複数のゲート34からなる第1ゲート〜第nゲートとそれぞれに情報のやり取りができるようになっている。
例えば、第1ゲート〜第nゲート内のそれぞれの出入管理ゲート13の映像送信部25は、通信ネットワーク33を経由してホストコンピュータ32と通信接続されている。また、第1ゲート〜第nゲート内のそれぞれのゲート制御コントローラ14の信号送信部28も通信ネットワーク33を経由してホストコンピュータ32と通信接続されている。
このように、出入管理システム10において、中央処理制御装置10aと端末処理装置10bとを通信ネットワークで通信接続することにより、例えば光通信の大容量の通信ネットワークが可能になる。そして、同時刻に生じた異常発生の映像/データは、それらの監視が欠落することなく送受信することが可能になる。
次に、上述した出入管理システム10の動作手順について図5,図6を参照して説明する。図5は出入管理ゲート13における映像記録の動作手順を示すフローチャートであり、図6はその異常発生時の動作手順を示すフローチャートである。上述したように、出入管理ゲート13での映像撮影および映像記録は、通行者のゲート入退室の間で行なうとよい。図5,図6のフローチャートは部分的な処理ループになっている。
図5に示すように、ステップS1において、通行者がゲート入室したかどうかの判定を行なう。この判定は、上述したように各種センサ20からの検出信号に基づきなされる。例えば通行者のIDカードの読み取り、あるいは光センサ等によって行なわれる。ここで、通行者のゲート入室がなければ、ステップS2に示すように映像撮影はない。通行者のゲート入室があると判定されると、映像データ保存機能付き映像装置16が作動し、ステップS3において映像撮影スタートする。同時に、これらの映像が映像仮保存ディスク17に記録保存開始される。
そして、ステップS4において通行者のゲート退室があると判定すると、ゲート異常発生があったかどうかの判定がステップS5でなされ、通行者のゲート入退室の間で異常発生がなければステップS6において映像撮影ストップになる。同時に、映像仮保存ディスク17への記録保存停止がなされる。ここで、ゲート異常が発生したと判定されると、次のステップS7に進む。
ステップS5においてゲート異常発生があると判定されると、図6に示すようにステップS7の映像コピースタートにより、映像仮保存ディスク17に記録保存された映像の映像本保存ディスク18へのコピー保存が開始される。そして、ステップS8においてゲート異常復旧があったかどうかの判定でゲート異常がなくなり復旧すると、ステップS9において映像コピーストップとなり、映像仮保存ディスク17に記録保存された映像の映像本保存ディスク18へのコピー保存は停止する。ここで、ステップS8においてゲート異常の復旧がないと、ステップS10において映像仮保存ディスク17に記録保存された映像は映像本保存ディスク18に全てコピー保存される。このような異常発生における部分的な処理ループは、通行者のゲート入退室があるごとに行なわれる。
上述したような撮影、映像記録および異常発生時の動作等は全て自動的になされる。
上述したように、通行者のゲート入退室のごとに映像撮影およびその映像記録が映像仮保存ディスク17になされ、そのうち異常発生が生じた通行者のゲート入退室の映像が映像本保存ディスク18にコピー保存される。このような映像の保存データの処理について図7を参照して説明する。図7は、映像保存データの処理方法を説明するための模式図である。
ここで、映像仮保存ディスク17には各通行者に対応して1映像が撮影・保存され、それらに全てシリアル番号が付されて管理される。このように、シリアル番号を付し管理とすることで全く同時刻にゲート異常が複数のゲート34で発生しても間違いなく管理することが可能になる。このシリアル番号に通行者の通行時刻、通行者のID、通行時の映像が付与される。この映像仮保存ディスク17に保存された映像は、仮保存ディスク17の容量が満杯になると、最も古いデータから順次に上書される。
一方、ゲート異常が発生すると、さらに該当するシリアル番号のデータにゲート異常分析結果が付与されて映像本保存ディスク18に保存される。そして、図7に示すように、異常nの前後の通行(n−m)〜通行(n+m)の間の映像が映像本保存ディスク18にコピーされ保存される。ここで、集中管理装置11のホストコンピュータ32からの要求によって、映像本保存ディスク18に保存されている異常発生時およびその前後のデータが検索により抽出される。
図7に示した通行nの時に発生した異常発生nの前後で記録される通行(n−m)あるいは通行(n+m)に対応するm映像の指定は、ホストコンピュータ32の初期設定画面からなされる。但し、mは零または正整数である。なお、映像本保存ディスク18に保存される映像記録は、映像本保存ディスク18の容量を超えると最も古いデータに順次に上書きされる。この場合、映像本保存ディスク18に保存された映像記録は、上述したように集中管理装置11の異常事象のメモリ部に送信され格納されている。
このように本実施形態では、映像データを発生時刻で管理せず、シリアル番号により管理することによって同時刻に異常発生した場合であっても映像データの欠落の危険性が無くなる。
次に、本実施形態の出入管理システムの異常事象の判別の動作手順について図8を参照して説明する。図8は部分的な処理ループのフローチャートである。ここで、異常発生は、映像の内容から本来の通行者による違法行為による異常なのか、それ以外の自然現象(風圧など)または機器故障によるものなのかの判断処理がなされる。
図8に示すように、ステップS5においてゲート異常発生があると、ステップS11において画像処理スタートが出入管理ゲート13の画像処理部24でなされる。そして、ステップS12において、上述した各種センサ20、例えば光センサ、ロードセル、圧力スイッチなどのセンサで異常発生前後に物体が存在するかどうか確認される。物体が存在しない場合は、ステップS13において風など自然現象または機器故障などの情報が原因分析結果としてホストコンピュータ32に送信される。
一方、物体が存在する場合には、ステップS14において、当該異常発生時に通行者が存在したかどうか画像処理を行ない判定する。ここで、通行者が存在した場合、ステップS15において通行者の行為による異常発生と判断する。そして、通行者が存在しなかった場合、ステップS16において物放置、機器故障(物体判定センサ)と判断し、その判定結果をホストコンピュータ32に送信する。
このような動作は、上述した撮影、映像記録および異常発生時の動作と同様には全て自動的になされる。上記動作手順により異常発生時の監視およびその原因分析が極めて容易になる。
次に、上述したような構成および動作を有する出入管理システム10を用い監視員により操作される監視操作装置12の一例について図9を参照して説明する。図9は監視操作装置12の概略構成を示すブロック図である。
監視操作装置12は、図3で示した表示用PC29および映像モニタ31のほかに、リアルタイム映像、記録映像、異常メッセージ、操作スイッチ等の統合した機能を有している。この監視操作装置12は、具体的に以下の機能を有する。
(1)監視表示機能
アラーム/タッチエリア35には、発生した異常が時系列で表示される。発生した異常はアラーム表示スクロール36で、上下にスクロールできるようになっている。ここで、任意の異常メッセージ(例えば「L04扉故障 2005.01.18」)をタッチ、またはマウスなどでクリックすると、該当する録画映像が映像表示エリア37に異常発生時の(m+1)通行分が表示される。再度、見たい場合は、同様の操作を繰り返す。他の異常映像を見たい場合は、別のメッセージをタッチ、またはマウスなどでクリックすると後発優先で該当映像が表示される。なお、映像表示エリア37は、選択スイッチ38にて任意のリアルタイムカメラ映像/記録映像を任意に選択可能とする。
ここで、確認リセット39をタッチまたはマウスなどでクリックすると、選択されている異常メッセージが消去可能となる。
(2)制御機能
映像表示エリア37をタッチまたはマウスなどでクリックすると、ゲート制御タッチスイッチ40がポップアップ表示される。ここで、ゲートの扉開閉タッチスイッチが表示され、これをタッチまたはマウスなどでクリックすると、扉の開閉を行なうことができる。
(3)異常内容分析機能
アラーム/タッチエリア35で選択した異常について、センサ状態、映像処理の結果から、分析した異常をメッセージエリア41内にある「異常内容」をタッチまたはマウスなどでクリックすると表示する。なお、メッセージエリア41内にあるスクロールキーで上下に表示をスクロールできる。
(4)通行者追跡機能
アラーム/タッチエリア35で選択した異常事象について、異常通行した通行者の通行履歴データから、その通行者の通行履歴をメッセージエリア41内にある「通行者」をタッチまたはマウスなどでクリックすると表示する。なお、メッセージエリア41内にあるスクロールキーで上下に表示をスクロールできる。これらの手段によれば、ゲート通行時の異常発生原因を、モニタ監視、分析できるほか、操作も画像を見ながら簡単にかつ迅速に行なうことが可能となる。
本実施形態の出入管理システムは、出入管理ゲートにおいて、通行者の通過許可の管理とともに異常事象の発生を監視する。そして、異常事象が発生した場合には、異常事象発生時の前後の任意の時間帯の記録映像が迅速に取り出される。このために、異常発生時に監視員が映像を見落とした場合、あるいは詳細な映像を再度見たい場合等に、異常事象発生の対処判断が即刻にできるようになる。
また、この出入管理システムでは、出入管理ゲートにおいて撮影する映像の記録媒体容量の増大を抑制することが容易になり、しかも映像は連続的に撮影することができコマ撮り等の手段は不要になる。そして、ビデオテープまたはDVD等の映像記録媒体を定期的に交換する作業は不要になる。
さらに、異常事象の発生が本来の通行者による違法行為による異常なのか、それ以外の自然現象あるいは機器故障によるものなのかの判別も迅速に行なうことができる。そして、異常事象発生に対する的確な対処判断ができるようになる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明を限定するものでない。当業者にあっては、具体的な実施態様において本発明の技術思想および技術範囲から逸脱せずに種々の変形・変更を加えることが可能である。
例えば、ゲート異常レベルおよび異常発生の有無を判定をするゲート異常判定は、各ゲート側の端末処理装置10bで行なわれる本実施形態と異なり、監視室側の中央処理制御装置10aにおいて複数のゲートに対し一括して行なえる構成になっていてもよい。そして、異常事象の検出に用いられる各種センサは、本実施形態で説明したもの以外であってもよい。また、これらの各種センサは、出入管理システムの設置される施設、建物あるいは各ゲートの管理目的に適うように任意に選択される。
本発明の実施形態に係る中央処理制御装置および端末処理装置から成る出入管理システムを示す概略構成ブロック図。 端末処理装置の概略構成を示すブロック図。 端末処理装置と中央処理制御装置の間におけるゲート異常信号および映像信号の送受信を示す概略構成ブロック図。 複数の出入管理ゲートから成る端末処理装置と中央処理制御装置の間におけるゲート異常信号および映像信号の送受信を示す模式図。 出入管理ゲートにおける映像記録の動作手順を示す部分的な処理ループのフローチャート。 出入管理ゲートにおける異常発生時の動作手順を示す部分的な処理ループのフローチャート。 出入管理ゲートにおける映像保存の処理方法を説明するための模式図。 異常事象の判別の動作手順を示す部分的な処理ループのフローチャート。 中央処理制御装置を構成する監視操作装置の概略構成を示すブロック図。
符号の説明
10…出入管理システム,10a…中央処理制御装置,10b…端末処理装置,11…集中管理装置,12…監視操作装置,13…出入管理ゲート,14…ゲート制御コントローラ,15…ケーブル,16…映像装置,17…映像仮保存ディスク,18…映像本保存ディスク,19…通行者検出処理部,20…各種センサ,21…映像保存要求処理部,22…ゲート異常判定処理部,23…入出力処理部,24…画像処理部,25…映像送信部,26…映像/データ受信処理部,27…映像/データ保存ディスク,28…信号送信部,29…表示用PC,30…映像表示処理部,31…映像モニタ,32…ホストコンピュータ,33…通信ネットワーク,34…ゲート,35…アラーム/タッチエリア,36…アラーム表示スクロール,37…映像表示エリア,38…選択スイッチ,39…確認リセット,40…ゲート制御タッチスイッチ,41…メッセージエリア。

Claims (12)

  1. 通行者が通過する出入管理ゲートと、該出入管理ゲートを集中管理する集中管理装置を備えた出入管理システムにおいて、
    前記出入管理ゲートに設置され該出入管理ゲートを監視し撮影して映像データを取得する映像撮影手段と、
    前記映像撮影手段により取得した映像データを保存する第1の映像保存手段および第2の映像保存手段と、
    前記出入管理ゲートで発生する異常事象を検知する異常検知手段と、
    を有し、
    前記第1の映像保存手段は、前記映像撮影手段により取得される映像データを一時的に保存し、前記第2の映像保存手段は、前記異常検出手段により検知した異常事象発生時の前後の所定の時間内に撮影されて取得された前記映像データを保存し、
    前記通行者の前記出入管理ゲートの通過を管理するとともに、前記出入管理ゲートで発生する異常事象を監視することを特徴とする出入管理システム。
  2. 前記異常検知手段は、IDカード読み取り機、ゲート扉開閉センサ、光センサ、重さセンサ、圧力センサ、温度センサ、ガスセンサおよび振動センサの少なくとも一つを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の出入管理システム。
  3. 前記異常検知手段は、異常事象を検出しその異常レベルを判定して、その検知信号を前記集中管理装置に送信し、
    前記集中管理装置は、前記検知信号に基づき前記第2の映像保存手段に保存された異常事象発生時の前後の所定の時間内の映像データを収得すること、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の出入管理システム。
  4. 前記出入管理ゲートは施設あるいは建物の複数の所要エリアに設置され、監視室に設置された前記集中管理装置を介して、前記複数の出入管理ゲートで発生する異常事象を集中監視することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の出入管理システム。
  5. 前記映像撮影手段は、通行者が前記出入管理ゲートに入ったことの検出により前記撮影を開始し、同時に、前記第1の映像保存手段が、前記撮影されて取得された映像データの保存を開始することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の出入管理システム。
  6. 前記映像撮影手段および前記第1の映像保存手段は、通行者が前記出入管理ゲートから出たことの検出により、前記撮影および前記映像の保存を終了することを特徴とする請求項5に記載の出入管理システム。
  7. 前記通行者が前記出入管理ゲートに入ってから前記出入管理ゲートから出るまでの間に、前記出入管理ゲートで前記異常事象が発生すると前記異常検知手段からの検知信号により前記異常事象発生時の前後の所定の時間内に撮影された前記映像が前記第2の映像保存手段に保存されることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の出入管理システム。
  8. 前記第1の映像保存手段に保存される前記映像は、前記通行者に対応して順次にシリアル番号が付されることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の出入管理システム。
  9. 前記第1の映像保存手段に保存された前記映像は、順次に上書きあるいは削除されることを特徴とする請求項8に記載の出入管理システム。
  10. 前記異常検知手段により検知された異常事象と前記第2の映像保存手段に保存された映像に基づいて、前記異常事象が通行者の行為、自然現象あるいは機械故障に判別されることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の出入管理システム。
  11. 前記監視室には監視員が出入管理システムを一括して制御する監視操作装置が設置されていることを特徴とする請求項4ないし請求項10のいずれか一項に記載の出入管理システム。
  12. 通行者による出入管理ゲートの通過を管理する出入管理方法おいて、
    前記出入管理ゲートの映像を撮影して映像データを取得し、
    前記撮影によって取得された映像データを第1の映像保存手段に一時的に保存し、
    前記出入管理ゲートで発生する異常事象を検知し、
    前記異常事象が検知された異常事象発生時の前後の所定の時間内に取得された前記映像データを第2の映像保存手段に保存し、
    前記第1の映像保存手段に一時的に保存された映像データを古いものから順次消去すること、
    を特徴とする出入管理方法。
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