JP2008196605A - 変速機における回転軸内への潤滑油供給装置 - Google Patents

変速機における回転軸内への潤滑油供給装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回転軸の中心孔内に外周側から潤滑油を供給する潤滑油供給装置において、わずかのコストアップで遠心力の影響を受けることなく潤滑油を供給可能とする。
【解決手段】回転軸15と一体的に形成された中央軸部21と、この中央軸部と隙間をおいて同軸的に変速機ハウジング10に形成されたシリンダ孔23と、中央軸部の外周面とシリンダ孔の内周面に摺動自在に嵌合され中央軸部の回転に応じて軸線方向に往復動される環状ピストン24よりなり、ポンプ室26を有するポンプ機構部20を備え、回転軸の中心孔17の先端部にそれよりも小径の小径孔17aを連続して形成し、ポンプ室と小径孔を吐出通路18により連通し、変速機ハウジング内で飛散される潤滑油をポンプ室内に導入する導入路12を設ける。環状ピストンの内周に設けたスライダ25は、中央軸部21の外周に形成した無端らせん溝22に係合されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車などの車両の変速機の入力軸、複軸、出力軸などの回転軸内に潤滑油を供給する潤滑油供給装置に関する。
変速機における入力軸、複軸、出力軸などの回転軸内への潤滑油の供給は、回転軸の先端側または外周側から行われているが、両先端に他の部品が設けられる出力軸などの場合には先端側から潤滑油を供給することができないので、外周側から供給しなければならない。図3はそのような場合の潤滑油供給装置の従来技術の一例を示している。この例では、出力軸3は1対のテーパローラ軸受6a,6bを介して変速機ハウジング1に支持されており、出力軸3と同軸的に配置された入力軸7の先端部は、出力軸3の内端部に同軸的に形成された軸受孔3dにニードルローラ軸受7aを介して回転自在に支持されている。両軸3,7と平行に設けられた複軸(図示省略)と入力軸7の間には複数対の変速ギヤ(図3においては1個の変速駆動ギヤ8のみを示す)が設けられ、複軸と出力軸3の間には減速ギヤ(減速従動ギヤ4のみを示す)が設けられている。入力軸7の回転は、複数組のシンクロメッシュ機構(1個のシンクロメッシュ機構9のみを示す)により選択された1対の変速ギヤにより複軸に伝達されてから減速ギヤを介して出力軸3に伝達され、あるいはシンクロメッシュ機構9により入力軸7と出力軸3を直結することにより出力軸3に直接伝達される。
出力軸3の中間部3aは変速機ハウジング1のボス部2の内孔2aに回転自在に嵌合され、また出力軸3には軸受孔3dから同軸的に連続して延びるそれより小径の中心孔3cが同軸的に形成されている。出力軸3の中間部3aの外周に形成された環状溝3bは連通孔3eにより中心孔3cに連通され、またボス部2の根本部の上側には変速機ハウジング1の内部を環状溝3bに連通する導入路2bが形成されている。環状溝3bの両側となる出力軸3の中間部3aの外周に形成されたシール溝5内にはシール材5aが設けられている。
この従来技術では、変速機ハウジング1内で飛散される潤滑油は導入路2bより環状溝3bに導かれ、連通孔3eから中心孔3cを通って、入力軸7の先端を出力軸3の内端部に支持する軸受7aおよび入力軸7に形成した中心孔を介して入力軸7上の摺動部を潤滑するようになっている。
しかしながら、図3に示す従来技術では、出力軸3内に位置する連通孔3e内の潤滑油には、出力軸3の回転による遠心力が加わるので、導入路2bから導入される潤滑油が連通孔3eを通って中心孔3c内に入ることが妨げられ、特に高速回転時には遠心力が増大するので軸受7aなどの潤滑部への潤滑油の供給が減少するので、潤滑が不足するという問題を生じる。この問題に対処するには、別にオイルポンプを設けて加圧された潤滑油を導入路2bに供給する必要があるので、潤滑油供給装置のコストアップをまねくという問題が生じる。本発明はこのような各問題を解決することを目的とする。
このために、本発明による変速機における回転軸内への潤滑油供給装置は、変速機ハウジングに支持された回転軸の外周側から同回転軸に形成された中心孔内に、変速機ハウジング内で飛散される潤滑油を供給する変速機における回転軸内への潤滑油供給装置において、回転軸と一体的に同軸的に形成された中央軸部と、この中央軸部との間に半径方向に距離をおいて同中央軸部と同軸的に変速機ハウジングに形成されたシリンダ孔と、中央軸部の外周面とシリンダ孔の内周面にそれぞれ摺動自在に嵌合され中央軸部の回転に応じて軸線方向に往復動される環状ピストンよりなり、中央軸部の外周面とシリンダ孔の内周面と環状ピストンの一端面との間にポンプ室を形成するポンプ機構部と、中心孔よりも小径で同中心孔の先端部に連続して同軸的に形成された小径孔と、ポンプ室を小径孔に連通する吐出通路と、変速機ハウジング内で飛散される潤滑油をポンプ室内に導入する導入路を備えたことを特徴とするものである。
前項に記載の変速機における回転軸内への潤滑油供給装置において、環状ピストンは変速機ハウジングに対し回転が拘束されて軸線方向摺動のみ自在に設けられたものとし、中央軸部の外周にそれぞれ形成されて両端部が互いに連続的に連結された互いに逆向きの傾斜角を有する1対の部分らせん溝よりなる無端らせん溝と、環状ピストンの内周面から突出して設けられて無端らせん溝と摺動自在に係合されるスライダをさらに備えたものとすることが好ましい。
前2項に記載の変速機における回転軸内への潤滑油供給装置において、回転軸は変速機の出力軸であり、中心孔は出力軸の内端面に開口され、中心孔の内端面への開口部に形成された同中心孔よりも大径の軸受孔には出力軸と同軸的に配置された入力軸の先端部が軸受を介して回転自在に支持され、入力軸の回転は変速されて出力軸に伝達されるよう構成されていることが好ましい。
請求項1に記載の発明によれば、ポンプ機構部の環状ピストンは回転軸とともに回転する中央軸部により往復動されてポンプ室の容積を変動させ、導入路からポンプ室内に導入された潤滑油を、吐出通路から中心孔内に供給して必要な潤滑部を潤滑する。このように回転軸の回転に伴うポンプ室の容積変化により潤滑油を中心孔内に供給しているので、回転軸の回転による遠心力の影響を受けることなく、潤滑部に確実に潤滑油を供給することができ、またポンプ機構部の中央軸部は回転軸と一体的に形成され、ポンプ機構部として追加する部品は環状ピストンだけであるので、ポンプ機構部を設けるためのコストアップはわずかで足りる。また吐出通路から中心孔よりも小径の小径孔内に送り込まれた潤滑油は回転軸の回転に伴う遠心力により広がって中心孔内に供給され、中心孔内から小径孔内への逆流は同じ遠心力により阻止されるので、一旦中心孔内に供給された潤滑油がポンプ機構部側に逆流するおそれはなく、従って潤滑油の供給は一層確実に行われる。
環状ピストンは変速機ハウジングに対し回転が拘束されて軸線方向摺動のみ自在に設けられたものとし、中央軸部の外周にそれぞれ形成されて両端部が互いに連続的に連結された互いに逆向きの傾斜角を有する1対の部分らせん溝よりなる無端らせん溝と、環状ピストンの内周面から突出して無端らせん溝と摺動自在に係合されたスライダをさらに備えた請求項2の発明によれば、環状ピストンを軸線方向に往復動させるための機構は無端らせん溝およびスライダだけであるので、きわめて簡単なものとなる。
回転軸は変速機の出力軸であり、中心孔は出力軸の内端面に開口され、中心孔の内端面への開口部に形成された同中心孔よりも大径の軸受孔には出力軸と同軸的に配置された入力軸の先端部が軸受を介して回転自在に支持され、入力軸の回転は変速されて出力軸に伝達されるよう構成されている請求項3の発明によれば、潤滑油が届きにくく従って潤滑不良が生じやすい出力軸と入力軸の間の軸受および入力軸の摺動部の潤滑を確実に行うことができる。
以下に、図1および図2により、本発明による変速機における回転軸内への潤滑油供給装置を実施するための最良の形態の説明をする。この実施形態は、本発明による変速機における回転軸内への潤滑油供給装置を、自動車の変速機の出力軸15と入力軸7の間の軸受7aの潤滑に適用したものである。この実施形態は、変速機ハウジング10と、この変速機ハウジング10により回転自在に支持された出力軸(回転軸)15と、先端部がニードルローラ軸受(軸受)7aを介して出力軸15に回転自在に支持された入力軸7と、ポンプ機構部20と、このポンプ機構部20に潤滑油を導入する導入路12と、出力軸15に形成した中心孔17と、この中心孔17の先端部に連続して同軸的に形成された小径孔17aと、ポンプ機構部20からの潤滑油を小径孔17aに送り込む吐出通路18を主要な構成としている。
図1に示すように、変速機の変速機ハウジング10は互いに一体的にボルト止めされた中央部ケース10aと端部ケース10bよりなり、端部ケース10bには1対のテーパローラ軸受19a,19bを介して出力軸15が回転自在に支持されている。変速機ハウジング10内に位置する出力軸15の内端面には軸受孔17bが開口され、この軸受孔17bの奥部にはそれよりも小径の中心孔17が同軸的に連続して形成され、この中心孔17の先端部にはそれよりもさらに小径の小径孔17aが同軸的に連続して形成されている。これにより中心孔17は、軸受孔17bを介して出力軸15の内端面に開口される。また出力軸15には、軸受孔17bが開口される内端面近くの外周に、減速従動ギヤ16が一体的に形成されている。
図1において、出力軸15の減速従動ギヤ16より右側の部分は、次第に細くなる同軸的な複数の段状部分よりなっている。最も減速従動ギヤ16側となる最大径の第1段状部分はテーパローラ軸受19aを介してボス部11の先端部により支持され、それに続く第2段状部分は次に述べるポンプ機構部20の中央軸部21を構成している。中央軸部21に続く小径の第3段状部分にはスペーサ19cおよびテーパローラ軸受19bの内輪が嵌合されてさらに小径の第4段状部分にねじ込まれたリングナット19dにより抜け止め固定され、この第3段状部分はテーパローラ軸受19bの外輪を端部ケース10bに嵌合することにより端部ケース10bにより支持されている。出力軸15の第4段状部分より先の図示を省略した部分は、端部ケース10bから外部に突出されている。
次に図1および図2により、ポンプ機構部20の説明をする。テーパローラ軸受19bと中央軸部21の後端部との間に対応するボス部11の内面には、中央軸部21との間に半径方向に距離をおいて中央軸部21と同軸的にシリンダ孔23が形成されている。図において下側となるシリンダ孔23の一部には、軸線方向の全長に沿って案内溝23aが形成されている。また中央軸部21の外周には、互いに逆向きで同一の傾斜角を有する1対の部分らせん溝22a,22bと、各部分らせん溝22a,22bの互いに対応する各端部をなめらかに連結する1対の半円周溝22cよりなる無端らせん溝22が形成されている。
中央軸部21とシリンダ孔23の間には、内周面が中央軸部21の外周面に摺動自在に嵌合され、外周面がシリンダ孔23の内周面に摺動自在に嵌合される環状ピストン24が設けられている。この環状ピストン24は、外周に設けた突起24aがシリンダ孔23の案内溝23aと係合され、変速機ハウジング10に対し回転が拘束されて軸線方向摺動のみ自在である。また円弧状に湾曲された角棒状で、無端らせん溝22内を長手方向に摺動自在なスライダ25は、環状ピストン24の内周面に当接され、環状ピストン24のピン孔24bに支持された枢支ピン25aを介して、揺動自在に支持される。枢支ピン25aは環状ピストン24とスライダ25の何れに対しても分解可能であることが望ましい。
スライダ25を取り付けた環状ピストン24を、図1および図2に示すように、端部ケース10bおよび中央軸部21に組み付けた状態では、出力軸15とともに中央軸部21が回転しても、環状ピストン24およびこれに支持されたスライダ25は回転しないので、中央軸部21が回転すればスライダ25は無端らせん溝22内を長手方向に摺動する。これにより環状ピストン24は、図1の実線で示す位置と二点鎖線24Aで示す位置の間で軸線方向に前進および後退の往復動をし、中央軸部21の外周面とシリンダ孔23の内周面と第1段状部分と中央軸部21の間に段部15aとこれと対向する環状ピストン24の一端面との間に形成されるポンプ室26の容積が変動する。ポンプ室26の最も段部15aに接近した位置は、中央軸部21に形成した複数の小径の吐出通路18により中心孔17の先端部に形成された小径孔17aに連通され、吐出通路18の総容積はポンプ室26の容積の変動量に比して充分小さく設定してある。
またボス部11の根本部の上側とシリンダ孔23の間には導入路12が形成され、この導入路12は、図1の実線で示す最も後退した環状ピストン24の一端面より多少段部15a側となる位置においてシリンダ孔23に開口されている。シリンダ孔23と後側のテーパローラ軸受19bの間となる端部ケース10bの内面はやや大径に形成され、出力軸15の第3段状部分との間に空間13aが形成され、この空間13aの下部にはポンプ機構部20から漏洩した潤滑油を排出する導出路13が設けられている。
入力軸7は出力軸15と同軸的に配置され、その先端部は出力軸15の内端部に同軸的に形成された軸受孔17bにニードルローラ軸受7aを介して回転自在に支持されている。両軸15,7と平行に設けられた複軸(図示省略)と入力軸7の間には複数対の変速ギヤ(図1においては1個の変速駆動ギヤ8のみを示す)が設けられ、複軸と出力軸15の間には1対の減速ギヤ(減速従動ギヤ16のみを示す)が設けられている。入力軸7の回転は、複数組のシンクロメッシュ機構(1組のシンクロメッシュ機構9のみを示す)により選択された1対の変速ギヤにより複軸に伝達されてから減速ギヤにより出力軸3に伝達され、あるいはシンクロメッシュ機構9により入力軸7と出力軸15を直結することにより出力軸3に直接伝達される。
上述した実施形態によれば、変速機の作動状態では、シンクロメッシュ機構9により入力軸7と出力軸15が直結された場合を除き、入力軸7は出力軸15に対し相対回転するので、ニードルローラ軸受7aに潤滑油を供給する必要がある。変速機の作動状態では、出力軸15とともに中央軸部21が回転し、これにより前述のように環状ピストン24が往復動されてポンプ室26の容積が変動する。変速ギヤにより撹拌されて飛散された変速機ハウジング10内の潤滑油は、環状ピストン24が後退している状態では開かれている導入路12からポンプ室26内に導入され、環状ピストン24が前進して導入路12が閉じられた後は、前進によるポンプ室26の容積の減少により吐出通路18を通って中心孔17の小径孔17a内に送り込まれる。この環状ピストン24の前進によりポンプ室26内の潤滑油に生じる圧力は、出力軸15の回転により吐出通路18内の潤滑油に加わる遠心力により生じる圧力に比して相当大きいので、そのような遠心力によりポンプ室26からの潤滑油が小径孔17a内に送り込まれることが妨げられることはない。
小径孔17a内に送り込まれた潤滑油は出力軸15の回転に伴う遠心力により半径方向外向きに広がって中心孔17内に供給され、さらに軸受孔17b内に供給されてニードルローラ軸受7aを潤滑したのち、各部材の隙間を通って変速機ハウジング10内に戻される。前述のように吐出通路18の総容積はポンプ室26の容積の変動量に比して充分小さく設定してあるので、環状ピストン24の前進により送り出される潤滑油の大部分は吐出通路18を通って小径孔17aから中心孔17内に送り込まれ、吐出通路18内に残る潤滑油量はわずかである。
環状ピストン24が後退すればポンプ室26の容積が増大するが、後退の初期には導入路12のシリンダ孔23への開口部が閉じているので、ポンプ室26内には先ず吐出通路18内の少量の潤滑油が吸入され、次いで中心孔17内の空気が吸入され、中心孔17内の潤滑油は遠心力により内周面に押し付けられているのでポンプ室26内に吸入されることはない。環状ピストン24の後退の後期になって導入路12のシリンダ孔23への開口部が開けば、前述のように変速機ハウジング10内の潤滑油が導入路12からポンプ室26内に導入され、最後退時期を過ぎて環状ピストン24が前進すれば、前述と同様にしてポンプ室26内の潤滑油が吐出通路18から中心孔17内に送り込まれる。このようなポンプ機構部20の作動中に空間13a内に漏洩した潤滑油は、導出路13から変速機ハウジング10内に戻される。
上述した実施形態によれば、上述のように出力軸15の回転に伴うポンプ機構部20のポンプ室26の容積変化により潤滑油を中心孔17内に供給しているので、出力軸15の回転による遠心力の影響を受けることなく、潤滑部であるニードルローラ軸受7aに確実に潤滑油を供給することができ、またポンプ機構部20の中央軸部21は出力軸15と一体的に形成され、ポンプ機構部20として追加する部品は環状ピストン24ときわめて小さいスライダ25だけであるので、ポンプ機構部20を設けるためのコストアップはわずかで足りる。また上述のように小径孔17aから中心孔17内に送り込まれた潤滑油が中心孔17内から小径孔17a内に逆流することはなく、従って環状ピストン24の後退の際にポンプ機構部20側に逆流するおそれはないので、潤滑油の供給は一層確実に行われる。
上述した実施形態では、環状ピストン24は変速機ハウジング10に対し回転が拘束されて軸線方向摺動のみ自在に設けたものとし、この環状ピストン24を、中央軸部21の外周に形成された無端らせん溝22と、環状ピストン24の内周面から突出して無端らせん溝22と摺動自在に係合されたスライダ25により構成したので、環状ピストン24を軸線方向に往復動させるための機構は無端らせん溝22およびスライダ25だけであり、きわめて簡単なものとなる。しかしながら環状ピストン24を軸線方向に往復動させるための機構はこれに限られるものではなく、無端らせん溝の代わりに中央軸部21の1回転で環状ピストン24を往復動させる単純な1巻きのカム溝を設けてもよい。あるいは環状ピストンの内面にこのような無端らせん溝またはカム溝を形成し、中央軸部の外面にスライダを設けて環状ピストン24を往復動させるようにしてもよい。また上述した実施形態では環状ピストン24の後端が空間13a内に突出しないようにしているが、環状ピストンはスペーサ19cと当接しない範囲において後端が空間13a内に突出するようにして実施してもよい。
また上述した実施形態では、本発明を変速機の出力軸15の中心孔17に潤滑油を供給する例について説明しており、このようにすれば潤滑油が届きにくく従って潤滑不良が生じやすい出力軸15と入力軸7の間の軸受7aの潤滑を確実に行うことができる。しかしながら本発明はこれに限られるものではなく、入力軸あるいは副軸に形成した中心孔に潤滑油を供給することも可能であり、そのようにすればそれらの軸に回転自在に設けた変速ギヤやシンクロメッシュ機構の潤滑に使用することもできる。
本発明による変速機における回転軸内への潤滑油供給装置の一実施形態の要部の構造を示す縦断面図である。 図1の2−2断面図およびその一部の部分拡大図である。 従来技術による変速機における回転軸内への潤滑油供給装置の一例の図1に対応する縦断面図である。
符号の説明
7…入力軸、7a…軸受、10…変速機ハウジング、12…導入路、15…回転軸(出力軸)、17…中心孔、17a…小径孔、17b…軸受孔、18…吐出通路、20…ポンプ機構部、21…中央軸部、22…無端らせん溝、22a,22b…部分らせん溝、23…シリンダ孔、24…環状ピストン、25…スライダ、26…ポンプ室。

Claims (3)

  1. 変速機ハウジングに支持された回転軸の外周側から同回転軸に形成された中心孔内に、前記変速機ハウジング内で飛散される潤滑油を供給する変速機における回転軸内への潤滑油供給装置において、前記回転軸と一体的に同軸的に形成された中央軸部と、この中央軸部との間に半径方向に距離をおいて同中央軸部と同軸的に前記変速機ハウジングに形成されたシリンダ孔と、前記中央軸部の外周面と前記シリンダ孔の内周面にそれぞれ摺動自在に嵌合され前記中央軸部の回転に応じて軸線方向に往復動される環状ピストンよりなり、前記中央軸部の外周面と前記シリンダ孔の内周面と前記環状ピストンの一端面との間にポンプ室を形成するポンプ機構部と、前記中心孔よりも小径で同中心孔の先端部に連続して同軸的に形成された小径孔と、前記ポンプ室を前記小径孔に連通する吐出通路と、前記変速機ハウジング内で飛散される潤滑油を前記ポンプ室内に導入する導入路を備えたことを特徴とする変速機における回転軸内への潤滑油供給装置。
  2. 請求項1に記載の変速機における回転軸内への潤滑油供給装置において、前記環状ピストンは前記変速機ハウジングに対し回転が拘束されて軸線方向摺動のみ自在に設けられ、前記中央軸部の外周にそれぞれ形成されて両端部が互いに連続的に連結された互いに逆向きの傾斜角を有する1対の部分らせん溝よりなる無端らせん溝と、前記環状ピストンの内周面から突出して設けられて前記無端らせん溝と摺動自在に係合されるスライダをさらに備えたことを特徴とする変速機における回転軸内への潤滑油供給装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の変速機における回転軸内への潤滑油供給装置において、前記回転軸は変速機の出力軸であり、前記中心孔は前記出力軸の内端面に開口され、前記中心孔の内端面への開口部に形成された同中心孔よりも大径の軸受孔には前記出力軸と同軸的に配置された入力軸の先端部が軸受を介して回転自在に支持され、前記入力軸の回転は変速されて前記出力軸に伝達されるよう構成されていることを特徴とする変速機における回転軸内への潤滑油供給装置。
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