JP2008196521A - 油圧クラッチ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチ係合動作にともなうショックを低減可能であり、しかも、構成の簡素化を図ることが可能な油圧クラッチ装置を提供する。
【解決手段】油圧クラッチ装置10は、クラッチペダル20の操作力で油圧を発生させるクラッチマスタシリンダ30と、このクラッチマスタシリンダ30で発生した油圧に応じてクラッチ機構を作動させてクラッチを係合・解放させるクラッチレリーズシリンダ60と、クラッチマスタシリンダ30とクラッチレリーズシリンダ60との間で油圧を伝達するオイル配管40とを備えている。そして、オイル配管40の長さLが、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの単位時間当たりの変動量Tが所定値T1以下となるような長さL1に設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、マニュアルトランスミッション(手動式変速機)が搭載された自動車に備えられる油圧クラッチ装置に関し、詳細には、油圧クラッチ装置において、クラッチの係合動作にともなうショックを低減するための技術に関する。
一般に、マニュアルトランスミッションが搭載された自動車において、自動車を発進させる場合や、変速機の変速段を切り換える場合には、運転者がクラッチペダルを踏み込み操作してクラッチの係合・解放を行い、エンジンと変速機との間のトルクの伝達を行っている。このようなクラッチの係合・解放を行う油圧クラッチ装置として、クラッチペダルの踏み込み操作力で油圧を発生させるクラッチマスタシリンダと、クラッチマスタシリンダで発生した油圧に応じてクラッチ機構を作動させてクラッチを係合・解放させるクラッチレリーズシリンダと、クラッチマスタシリンダとクラッチレリーズシリンダとの間で油圧を伝達するオイル流路(オイル配管)とを備えたものが知られている。
クラッチマスタシリンダおよびクラッチレリーズシリンダは、ともにシリンダボディの内部にピストン等が組み込まれた構成となっている。そして、ピストンが、シリンダボディ内をクラッチの完全解放状態に対応する一端部側の位置からクラッチの完全係合状態に対応する他端部側の位置にわたってストローク可能な構成となっている。
そして、油圧クラッチ装置では、クラッチ開放動作時、オイル流路を介して、クラッチマスタシリンダからクラッチレリーズシリンダへ作動油(オイル)が送り込まれる。逆に、クラッチ係合動作時、オイル流路を介して、クラッチレリーズシリンダからクラッチマスタシリンダへオイルが戻される。
ところで、上述のような油圧クラッチ装置では、急発進時等に、運転者がクラッチペダルから足を離したりして、その踏み込み操作を急に解除すると、クラッチが急速に係合される。そして、クラッチの急係合が起きると、エンジン〜車輪間の駆動力伝達部位に過大な入力が発生する可能性があり、これにともなうショックが大きくなる。
上述のようなクラッチの急係合を回避して、クラッチ係合動作にともなうショック低減を図った技術として、例えば、特許文献1〜3に記載されたものが提案されている。
特開平5−44738号公報 実公平4−40030号公報 実開昭63−165240号公報
しかし、上記従来例の油圧クラッチ装置はいずれも、オイル流路の途中にクラッチ係合動作にともなうショックを低減させる衝撃低減装置等を設ける構成であった。したがって、その衝撃低減装置等の構成部品が別途必要になり、油圧クラッチ装置の装置構成が複雑になるという問題点があった。
本発明は、そのような問題点を鑑みてなされたものであり、クラッチ係合動作にともなうショックを低減可能であり、しかも、構成の簡素化を図ることが可能な油圧クラッチ装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、クラッチペダルの操作力で油圧を発生させるクラッチマスタシリンダと、このクラッチマスタシリンダで発生した油圧に応じてクラッチ機構を作動させてクラッチを係合・解放させるクラッチレリーズシリンダと、前記クラッチマスタシリンダとクラッチレリーズシリンダとの間で油圧を伝達するオイル流路とを備えた油圧クラッチ装置において、前記オイル流路の流路長が、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの単位時間当たりの変動量が所定値以下となるような長さに設定されていることを特徴としている。
このように、本発明は、油圧クラッチ装置において、クラッチの急係合を回避して、クラッチ係合動作にともなうショックを低減可能な構成として、クラッチマスタシリンダとクラッチレリーズシリンダとの間で油圧を伝達するオイル流路の流路長に着目した構成を採用している。
上記構成の油圧クラッチ装置では、クラッチ係合動作時、オイル流路を介してクラッチレリーズシリンダからクラッチマスタシリンダへオイルが戻される。この場合、クラッチ係合動作にともなう被駆動側(エンジン〜車輪間の駆動力伝達部位)への入力トルクの単位時間当たりの変動量は、オイル流路の流路長に応じて変化する。具体的には、オイル流路の流路断面積が一定であれば、オイル流路の流路長が短くなるほど、オイル流路の流路抵抗が小さくなるので、オイル流路を戻される単位時間当たりのオイル流量が大きくなり、クラッチの完全係合に至るまでのクラッチ係合動作に要する時間が短くなる。その結果、オイル流路の流路長が短くなるほど、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの単位時間当たりの変動量が大きくなる。逆に、オイル流路の流路長が長くなるほど、オイル流路の流路抵抗が大きくなるので、オイル流路を戻される単位時間当たりのオイル流量が小さくなり、クラッチの完全係合に至るまでのクラッチ係合動作に要する時間が長くなる。その結果、オイル流路の流路長が長くなるほど、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの単位時間当たりの変動量が小さくなる。
上記構成によれば、所定長さ以上のオイル流路を確保するだけで、クラッチの完全係合に至るまでのクラッチ係合動作に要する時間が長くなるので、被駆動側への過大入力を回避することができ、それにともなうショックを低減することができる。しかも、所定長さ以上のオイル流路を用意するだけでよいので、オイル流路の途中に衝撃低減装置等を別途設けた構成に比べて、構成の簡素化、コスト削減を図れる。
ここで、油圧クラッチ装置のより具体的な構成として、前記クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量が所定値以下となる前記オイル流路の流路抵抗が得られるように、前記オイル流路の流路長を設定する構成が挙げられる。
こうすれば、所定長さ以上のオイル流路を確保するだけで、オイル流路の流路抵抗を所定値以上にすることができ、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量が所定値以下に抑制できる。これにより、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への過大入力を回避することができ、それにともなうショックを低減することができる。
同様に、油圧クラッチ装置のより具体的な構成として、前記クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量が所定値以下となる前記オイル流路を戻される単位時間当たりのオイル流量が得られるように、前記オイル流路の流路長を設定する構成が挙げられる。
こうすれば、所定長さ以上のオイル流路を確保するだけで、クラッチ係合動作時にオイル流路を戻される単位時間当たりのオイル流量を所定流量以下にすることができ、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量が所定値以下に抑制できる。これにより、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への過大入力を回避することができ、それにともなうショックを低減することができる。
本発明によれば、所定長さ以上のオイル流路を確保するだけで、クラッチの完全係合に至るまでのクラッチ係合動作に要する時間が長くなるので、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への過大入力を回避することができ、それにともなうショックを低減することができる。しかも、所定長さ以上のオイル流路を用意するだけでよいので、オイル流路の途中に衝撃低減装置等を別途設けた構成に比べて、構成の簡素化、コスト削減を図れる。
本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。以下では、本発明の一実施形態を、マニュアルトランスミッション(手動式変速機)を搭載した自動車に備えられる油圧クラッチ装置を例に挙げて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る油圧クラッチ装置の概略構成を示す斜視図である。図2は、油圧クラッチ装置のクラッチマスタシリンダとオイル配管とクラッチレリーズシリンダとを概略的に示す断面図である。
図1、図2に示すように、油圧クラッチ装置10は、クラッチペダル20と、ペダルリターンスプリング21と、クラッチマスタシリンダ30と、オイル配管40と、クラッチカバー50と、クラッチレリーズシリンダ60と、レリーズフォーク70とを備えている。
クラッチペダル20は、ペダルレバー22の下端部に踏み込み部であるペダル部23が一体形成されて構成されている。そして、車室内とエンジンルーム内とを区画するダッシュパネルに取り付けられた図示しないクラッチペダルブラケットによってペダルレバー22の上端近傍位置が水平軸回りに回動自在に支持されている。ペダルレバー22には、ペダルリターンスプリング21によって手前側(運転者側)に向かう回動方向への付勢力が付与されている。このペダルリターンスプリング21の付勢力に抗して運転者がペダル部23の踏み込み操作を行うことにより、後述するように、クラッチの解放動作(レリーズ動作)が行われるようになっている。また、運転者がペダル部23の踏み込み操作を解除することにより、クラッチの係合動作が行われるようになっている。
クラッチマスタシリンダ30は、クラッチペダル20の操作力で油圧を発生させるもので、シリンダボディ31の内部にピストン32等が組み込まれた構成となっている。このピストン32の車室内側の端面には、プッシュロッド33の一端が接続されており、このプッシュロッド33の他端(車室内側の端部)がペダルレバー22の中間部に接続されている。シリンダボディ31の内部の、ピストン32のプッシュロッド33が接続された側とは反対側の空間(オイル配管40内に連通する空間)が油室31aとなっている。つまり、シリンダボディ31の内部が、ピストン32によって油室31aとプッシュロッド33が配置される空間とに区画されている。
油室31a内には、シリンダボディ31の上部に設けられたリザーブタンク35から給油ポートを介して供給されるクラッチフルード(オイル)が注入されている。シリンダボディ31には、油室31a内をオイル配管40内に連通する開口部31bが形成されている。
ピストン32は、シリンダボディ31内をクラッチの完全解放状態に対応する一端部側の位置(例えば、開口部31b寄りの位置)からクラッチの完全係合状態に対応する他端部側の位置(例えば、開口部31bから離れた位置)にわたってストローク可能になっている。そして、運転者によるクラッチペダル20の踏み込み操作による操作力が、そのペダルレバー22の中間部からプッシュロッド33に伝達され、シリンダボディ31内でピストン32が一端部側に向けてストロークすることにより、シリンダボディ31の油室31a内で油圧が発生する。そして、クラッチマスタシリンダ30によって、油圧に変換されたクラッチペダル20の踏み込み操作力がオイル配管40内のオイルによって後述するクラッチレリーズシリンダ60へ伝達されるようになっている。
ここで、シリンダボディ31内のピストン32のストローク位置(軸方向位置)に応じて、クラッチマスタシリンダ30で発生する油圧が変更されるようになっている。具体的には、クラッチペダル20の踏み込み量が大きいほど、プッシュロッド33を介してピストン32に伝達されるクラッチペダル20の踏み込み操作力が大きくなり、ピストン32のストローク位置が上記一端部側へ向けて変化する。これにともない、シリンダボディ31の油室31a内で発生する油圧が大きくなる。このとき、オイル配管40を介してクラッチマスタシリンダ30からクラッチレリーズシリンダ60へオイルが送られる。
一方、クラッチペダル20の踏み込み量が小さいほど、プッシュロッド33を介してピストン32に伝達されるクラッチペダル20の踏み込み操作力が小さくなり、ピストン32のストローク位置が上記他端部側へ向けて変化する。これにともない、シリンダボディ31の油室31a内で発生する油圧が小さくなる。このとき、オイル配管40を介してクラッチレリーズシリンダ60からクラッチマスタシリンダ30へオイルが戻される。
なお、シリンダボディ31の車室内側の端部の外周囲には、フランジ34が設けられており、このフランジ34が上記ダッシュパネルにボルト止めされることで、クラッチマスタシリンダ30が車体に支持されている。
クラッチレリーズシリンダ60は、クラッチマスタシリンダ30で発生した油圧に応じてクラッチ機構を作動させてクラッチを係合・解放させるもので、上述のクラッチマスタシリンダ30と同様に、シリンダボディ61の内部にピストン62等が組み込まれた構成となっている。そして、シリンダボディ61の内部が、ピストン62によってオイル配管40内に連通する油室61aと、レリーズフォーク70を作動させるロッド63が配置される空間とに区画されている。シリンダボディ61には、油室61a内をオイル配管40内に連通する開口部61bが形成されている。
クラッチレリーズシリンダ60は、オイル配管40を介してクラッチマスタシリンダ30から圧送されるオイルによって油圧を受け、これにともなって、レリーズフォーク70を作動させる。これにより、クラッチカバー50が図示しないクラッチディスクに対し進退移動する。
ここで、クラッチレリーズシリンダ60のピストン62は、シリンダボディ61内をクラッチの完全解放状態に対応する一端部側の位置(例えば、開口部61bから離れた位置)からクラッチの完全係合状態に対応する他端部側の位置(例えば、開口部61b寄りの位置)にわたってストローク可能になっている。クラッチレリーズシリンダ60のピストン62のストローク位置は、このピストン62が受ける油圧に応じて変更されるようになっている。このため、クラッチレリーズシリンダ60のピストン62のストローク位置は、上述したクラッチマスタシリンダ30のピストン32のストローク位置に対応している。例えば、クラッチレリーズシリンダ60のピストン62の上記一端部側の位置は、クラッチマスタシリンダ30のピストン32の一端部側の位置に対応し、また、クラッチレリーズシリンダ60のピストン62の上記他端部側の位置は、クラッチマスタシリンダ30のピストン32の他端部側の位置に対応している。
そして、クラッチレリーズシリンダ60のピストン62のストローク位置に応じて、レリーズフォーク70の作動位置が変更されて、クラッチの係合・解放動作が行われるようになっている。具体的には、クラッチレリーズシリンダ60のピストン62が受ける油圧が大きくなると、このピストン62のストローク位置が上記一端部側へ向けて変化する。これにより、レリーズフォーク70がクラッチカバー50をクラッチディスクから切り離す方向へ移動する。このレリーズフォーク70の動作にともなって、クラッチカバー50がクラッチディスクから徐々に切り離され、クラッチの解放動作が進む。そして、クラッチレリーズシリンダ60のピストン62のストローク位置が上記一端部側の位置まで変化すると、クラッチが完全に切り離されるクラッチの完全解放に至る。
一方、クラッチレリーズシリンダ60のピストン62が受ける油圧が小さくなると、このピストン62のストローク位置が上記他端部側へ向けて変化する。これにより、レリーズフォーク70がクラッチカバー50をクラッチディスクに係合する方向へ移動する。このレリーズフォーク70の動作にともなって、クラッチカバー50がクラッチディスクに徐々に係合され、クラッチの係合動作が進む。そして、クラッチレリーズシリンダ60のピストン62のストローク位置が上記他端部側の位置まで変化すると、クラッチが完全に係合されるクラッチの完全係合に至る。
次に、上述のように構成される油圧クラッチ装置10におけるオイル配管40について説明する。
オイル配管40は、クラッチマスタシリンダ30とクラッチレリーズシリンダ60との間で油圧を伝達するオイル流路を構成するもので、上述したように、このオイル配管40によりクラッチマスタシリンダ30の油室31aとクラッチレリーズシリンダ60の油室61aとが連通されている。クラッチペダル20側のクラッチマスタシリンダ30とクラッチ機構側のクラッチレリーズシリンダ60とを繋ぐオイル配管40は、例えば、上記ダッシュパネルの下方の空間等に配置される。この場合、オイル配管40の配置を、例えば、車幅方向等に沿って往復するような蛇行配置とすることが可能である。
油圧クラッチ装置10では、クラッチ解放動作は、ペダルリターンスプリング21の付勢力および後述するオイル配管40の流路抵抗に抗して、運転者がクラッチペダル20のペダル部23の踏み込み操作を行うことにより行われる。このクラッチ解放動作時には、オイル配管40を介してクラッチマスタシリンダ30の油室31aからクラッチレリーズシリンダ60の油室61aへオイルが送られる。この場合、運転者のクラッチペダル20の踏み込み操作により、オイル配管40を介して強制的にオイルが送られてクラッチ解放動作が行われるので、クラッチの完全解放に至るまでのクラッチ解放動作に要する時間は、比較的短時間で済む。
一方、クラッチの係合動作は、運転者がクラッチペダル20のペダル部23の踏み込み操作を解除することにより行われる。このクラッチ係合動作時には、オイル配管40を介してクラッチレリーズシリンダ60の油室61aからクラッチマスタシリンダ30の油室31aへオイルが戻される。この場合、ペダルリターンスプリング21の付勢力等によってオイルが戻されるが、例えば、急発進時等に、運転者がペダル部23から足を離したりして、その踏み込み操作を急に解除した際には、クラッチが急速に係合される可能性があり、これにともなって被駆動側(エンジン〜車輪間の駆動力伝達部位)に過大な入力が発生する可能性がある。
この例では、油圧クラッチ装置10のオイル配管40の長さ(流路長)Lを調節することによって、クラッチの急係合を回避して、そのような被駆動側への過大入力を回避するようにしている。要するに、この例では、クラッチの急係合を回避して、そのような被駆動側への過大入力を回避可能な構成として、油圧クラッチ装置10において、クラッチペダル20側のクラッチマスタシリンダ30とクラッチ機構側のクラッチレリーズシリンダ60との間で油圧を伝達するオイル配管40の長さLに着目した構成を採用している。
以下、油圧クラッチ装置10におけるオイル配管40の長さLの設定について、図3を用いて説明する。図3は、オイル配管40の長さLと、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルク(例えば、ドライブシャフトへの入力トルク)の単位時間当たりの最大の変動量(以下、単に「変動量」という。)との関係を示す図である。なお、以下では、便宜上、オイル配管40の流路断面積が一定であることとして説明する。
上述したように、クラッチ係合動作時には、オイル配管40を介してクラッチレリーズシリンダ60の油室61aからクラッチマスタシリンダ30の油室31aへオイルが戻される。この場合、オイル配管40の流路抵抗、オイル配管40を戻される単位時間当たりのオイル流量(以下、単に「オイル流量」という。)、クラッチの完全係合に至るまでのクラッチ係合動作に要する時間(以下、単に「クラッチ係合動作に要する時間」という。)、および、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量等は、オイル配管40の長さLに応じて変化する。
具体的には、オイル配管40の流路断面積が一定であれば、オイル配管40の長さLとオイル配管40の流路抵抗とは、比例関係(図4参照)にあり、オイル配管40の長さLが長くなるほど、オイル配管40の流路抵抗が大きくなる。また、オイル配管40の長さLとオイル配管40を戻されるオイル流量とは、反比例関係(図5参照)にあり、オイル配管40の長さLが長くなるほど、オイル配管40を戻されるオイル流量が小さくなる。また、オイル配管40の長さLとクラッチ係合動作に要する時間とは、比例関係にあり、オイル配管40の長さLが長くなるほど、クラッチ係合動作に要する時間が長くなる。また、オイル配管40の長さLと、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量Tとは、図3に示すように、反比例関係にあり、オイル配管40の長さLが長くなるほど、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量Tが小さくなる。
そして、オイル配管40の長さLは、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量Tが所定値(図3ではT1)以下となるような長さに設定されている。この例では、図3に示す反比例関係に基づいて、オイル配管40の長さLが所定値(図3ではL1)以上の長さに設定されている。図3の関係や所定値T1は、予め実験・計算等によって経験的に求められる。
これにより、油圧クラッチ装置10において、次のような効果が得られる。すなわち、運転者がクラッチペダル20の踏み込み操作を急に解除したような場合であっても、クラッチ係合動作に要する時間が長くなるので、クラッチの急係合を回避することができ、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量Tを所定値T1以下に抑制することができる。したがって、所定長さL1以上のオイル配管40を確保するだけで、クラッチ係合動作に要する時間が長くなるので、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への過大入力を回避することができ、それにともなうショックを低減することができる。しかも、所定長さL1以上のオイル配管40を用意するだけでよいので、オイル配管40の途中に衝撃低減装置等を別途設ける構成に比べて、装置構成を簡素化することができ、コストの削減も図れる。
ここで、オイル配管40の長さLを長くするほど、クラッチ係合動作に要する時間は長くなるが、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量Tを小さくすることができる。この場合、オイル配管40の設置スペースが大きくなるが、上述したように、オイル配管40の設置スペースとしてダッシュパネルの下方の空間等を利用し、オイル配管40の配置を車幅方向等に沿って往復するような蛇行配置とすることで、必要な長さのオイル配管40を確保することが可能になる。
以上では、油圧クラッチ装置10のオイル配管40の長さLを、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量Tとの反比例関係(図3)に基づいて設定するようにしたが、オイル配管40の長さLを次のようにして設定することも可能である。
例えば、オイル配管40の長さLを、このオイル配管40の流路抵抗が所定値以上になるような長さに設定して、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量を所定値以下に抑制することが可能である。この場合、オイル配管40の長さLの設定を、オイル配管40の流路抵抗との関係に基づいて行うことが可能である。上述したように、オイル配管40の長さLとオイル配管40の流路抵抗Rとは、例えば、図4に示すような比例関係にある。したがって、この関係に基づいて、オイル配管40の長さLを、このオイル配管40の流路抵抗Rが所定値(図4ではR1)以上になるような長さ(図4ではL2)に設定する。この場合、所定値R1として、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量を所定値以下に抑制可能な値が用いられる。例えば、所定値R1として、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量Tの上記所定値T1(図3)に対応する値を用いることが可能である。図4の関係や所定値R1は、予め実験・計算等によって経験的に求められる。
こうすれば、所定長さL2以上のオイル配管40を確保するだけで、このオイル配管40の流路抵抗Rを所定値R1以上にすることができ、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量を所定値以下に抑制することができる。これにより、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への過大入力を回避することができ、それにともなうショックを低減することができる。
また、例えば、オイル配管40の長さLを、このオイル配管40を戻されるオイル流量が所定流量以下になるような長さに設定して、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量を所定値以下に抑制することが可能である。この場合、オイル配管40の長さLの設定を、このオイル配管40を戻されるオイル流量との関係に基づいて行うことが可能である。上述したように、オイル配管40の長さLとオイル配管40を戻されるオイル流量Vとは、例えば、図5に示すような反比例関係にある。したがって、この関係に基づいて、オイル配管40の長さLを、このオイル配管40を戻されるオイル流量Vが所定流量(図5ではV1)以下になるような長さ(図5ではL3)に設定する。この場合、所定流量V1として、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量を所定値以下に抑制可能な値が用いられる。例えば、所定流量V1として、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量Tの上記所定値T1(図3)に対応する値を用いることが可能である。図5の関係や所定流量V1は、予め実験・計算等によって経験的に求められる。
こうすれば、所定長さL3以上のオイル配管40を確保するだけで、このオイル配管40を戻されるオイル流量Vを所定流量V1以下にすることができ、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量を所定値以下に抑制することができる。これにより、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への過大入力を回避することができ、それにともなうショックを低減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、ここに示した実施形態はさまざまに変形することが可能である。
オイル配管40の長さLを設定するために利用した図3〜図5に示す関係は一例であり、それ以外の関係を用いてオイル配管40の長さLを設定してもよい。
オイル配管40の流路断面積は一定でなくてもよい。この場合、例えば、オイル配管40の長さとクラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量との関係、オイル配管40の長さとオイル配管40の流路抵抗との関係、オイル配管40の長さとオイル配管40を戻されるオイル流量との関係等を、予め実験・計算等によって、その関係に基づいてオイル配管40の長さLを設定することが可能である。
クラッチマスタシリンダ30、クラッチレリーズシリンダ60を、シリンダボディの内部にオイル戻し用のスプリングを備える構成としてもよい。この場合、クラッチ係合動作時には、ペダルリターンスプリング21の付勢力に加え、オイル戻し用のスプリングの付勢力によって、オイル配管40を介してクラッチレリーズシリンダ60からクラッチマスタシリンダ30へオイルが戻される。
クラッチレリーズシリンダとして、レリーズフォークを介さずに直接クラッチカバーを動かすダイレクトシリンダタイプのものを用いてもよい。
本発明を適用する一実施形態に係る油圧クラッチ装置の概略構成を示す斜視図である。 油圧クラッチ装置のクラッチマスタシリンダとオイル配管とクラッチレリーズシリンダとを概略的に示す断面図である。 油圧クラッチ装置のオイル配管の長さとクラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量との関係の一例を示す図である。 油圧クラッチ装置のオイル配管の長さとオイル配管の流路抵抗との関係の一例を示す図である。 油圧クラッチ装置のオイル配管の長さとオイル配管を戻されるオイル流量との関係の一例を示す図である。
符号の説明
10 油圧クラッチ装置
20 クラッチペダル
30 クラッチマスタシリンダ
31 シリンダボディ
32 ピストン
40 オイル配管
50 クラッチカバー
60 クラッチレリーズシリンダ
61 シリンダボディ
62 ピストン

Claims (3)

  1. クラッチペダルの操作力で油圧を発生させるクラッチマスタシリンダと、このクラッチマスタシリンダで発生した油圧に応じてクラッチ機構を作動させてクラッチを係合・解放させるクラッチレリーズシリンダと、前記クラッチマスタシリンダとクラッチレリーズシリンダとの間で油圧を伝達するオイル流路とを備えた油圧クラッチ装置において、
    前記オイル流路の流路長が、クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの単位時間当たりの変動量が所定値以下となるような長さに設定されていることを特徴とする油圧クラッチ装置。
  2. 前記クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量が所定値以下となる前記オイル流路の流路抵抗が得られるように、前記オイル流路の流路長が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の油圧クラッチ装置。
  3. 前記クラッチ係合動作にともなう被駆動側への入力トルクの変動量が所定値以下となる前記オイル流路を戻される単位時間当たりのオイル流量が得られるように、前記オイル流路の流路長が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の油圧クラッチ装置。
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