JP2008196380A - エンジンの油圧制御装置 - Google Patents

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Yoshio Yamashita
芳雄 山下
Hideo Kobayashi
日出夫 小林
Katsuhiko Arisawa
克彦 蟻沢
Kenichi Yamada
賢一 山田
Kunihiko Hayashi
邦彦 林
Akira Michikawauchi
亮 道川内
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Abstract

【課題】本発明は、エンジンの状態に応じてピストンジェットの噴射の実行及び停止を行うことができると共に、エンジンの運転状態に応じて異なる必要油圧を確保することのできるエンジンの油圧制御装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明のエンジンの油圧制御装置は、オイルポンプにより吸い上げられたオイルの油圧が開弁圧Qaに達すると開弁し、オイル噴射経路を通じてピストンへ向かってオイルを噴射するピストンジェットと、このオイル噴射経路から分岐し、第1リリーフ弁を備えた第1リリーフ経路と、この第1リリーフ経路と並列してオイル噴射経路から分岐し、第2リリーフ弁を備えた第2リリーフ経路とを備え、この第2リリーフ弁の開弁圧は、オイル温度に応じてピストンジェットの開弁圧であるQaよりも低い値から高い値に亘って変化する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの油圧を適切に制御することができるエンジンの油圧制御装置に関する。
エンジンの内部には、オイルパン内に貯留された潤滑剤としてのオイルをオイルポンプによって吸入圧送し、潤滑各部に供給するためのオイル通路が形成されている。また、オイルポンプの下流のオイル通路には、オイルポンプの送油に伴うオイル通路内の圧力(油圧)が設定圧力以上となった時に開弁するオイルリリーフ弁を備えたオイルリリーフ通路が接続され、余剰のオイルをオイルパンに戻してオイル通路内の最大油圧を規制している。ここで、オイルポンプはオイルの粘度が高くなる低温始動時に、オイル通路からのオイルリリーフ量を増大させてオイルポンプにかかる負担を軽減して始動性の向上を図る提案がされている(特許文献1)。
具体的には、エンジンを始動する際にはスタータモータによってフライホイールを回転させ、エンジンを始動可能な最小回転数まで到達させる必要があるが、低温時にはオイルの粘度が高くなることにより、オイル通路内を流動するオイルの流動抵抗が増してオイルポンプにかかる負担が増大し、これがスタータモータ駆動力の反力として作用するために、エンジンを始動可能な最小回転数に到達させることができなくなり、始動性の悪化をきたす。
そこで、特許文献1で提案されたオイル通路構造によれば、オイルポンプ下流のオイル通路とオイルパンとを連通する第1のオイルリリーフ通路と、これに並列に第2のオイルリリーフ通路とを設け、第1のオイルリリーフ通路にはオイル通路内の油圧が設定値以上となったときに開弁するオイルリリーフ弁を、第2のオイルリリーフ通路には温度及び始動信号によって開弁するオイルリリーフ通路開閉弁が設けられている。
このような構成とすることにより、オイルの粘度が高くなる低温時にはオイルリリーフ通路開閉弁が開弁し、第2のオイルリリーフ通路を介して一部のオイルがオイルパンに戻されるため、オイルポンプ下流の油圧が小さくなってオイルポンプにかかる負担が軽減される。
さらに、このような特許文献1による提案を改良するものとして特許文献2の提案もある。特許文献2には温度変化に伴うオイル粘度変化があっても常時始動に必要な最低油圧を確保しつつ、オイルポンプの負荷を軽減して始動性を向上させるエンジンのオイル通路構造が開示されている。具体的には、オイルポンプ下流のオイル通路とオイルパンとを連通する第1のオイルリリーフ通路と、これと並列に第2のオイルリリーフ通路を設け、第1のオイルリリーフ通路にはオイル通路内の油圧が設定油圧以上となったときに開弁するオイルリリーフ弁を、第2のオイルリリーフ通路には始動信号によって開弁するオイルリリーフ通路開閉弁を備えたエンジンのオイル通路構造において、上記第2のオイルリリーフ通路には、オイルリリーフ通路開閉弁と直列に第2のオイルリリーフ弁が設けられ、この第2のオイルリリーフ弁の開弁圧は第1のオイルリリーフ通路に設けられたオイルリリーフ弁の開弁圧よりも低く、かつ、始動時に必要な最低油圧以上の油圧で開弁するように設定されている。
このような構成とすることにより、第2のオイルリリーフ通路に設けたオイルリリーフ通路開閉弁を開弁させ、低温始動時にオイルポンプ下流の油圧を低下させてオイルポンプにかかる負担を軽減することができるとともに、第2のリリーフ弁の開弁が始動時に必要な最低油圧以上の油圧で行われるので、オイルの粘度変化があってもオイルが過剰にオイルパンに戻されることがなく始動時に必要な油量が確保される。
ところで、エンジンには暖機完了後のエンジン各部を適切に冷却する種々の仕組みが組み込まれているが、その中の一つにピストンジェットがある。これは稼働しているピストンに向かってオイルを噴射し、ピストン周辺の冷却を図ろうとするものである。このピストンジェットは、オイル流路内の油圧が所定値以上になるとピストンに向けられたノズルが開弁してオイルが噴射されるようになっている。
特開昭55−135112号公報 実公平2−34404号公報
以上説明したように特許文献1で提案されたエンジンの潤滑装置や、特許文献2で提案されたエンジンのオイル通路構造では、油圧が所定値以上となったときにオイルリリーフ弁を開弁してエンジン内の油圧が最大油圧を超過しないように規制している。ここで、特許文献1や特許文献2では、ピストンジェットについて何ら言及していないが、特許文献1や特許文献2におけるオイルリリーフ弁がオイル通路の最大油圧を規制していることに鑑みれば、ピストンジェットが作動する油圧はオイルリリーフ弁の開弁圧よりも低い。このため、冷間始動時にオイルの粘度が高いことに起因して油圧(吐出圧)が上昇すると、オイルポンプの仕事量が増大する。オイルポンプの仕事量が増大すれば燃費の悪化等を招くこととなる。また、油圧が上昇し、ピストンジェットの開弁圧に達すればオイルがピストンに向かって噴射されることになるが、暖機完了前であるにもかかわらずオイルが噴射されることは、ピストンの過冷却を招くこととなり、早期暖機完了の妨げになる。
このような要請に対応するためには、第2のリリーフ弁を設置し、その開弁圧をピストンジェットの開弁圧よりも低く設定すればよい。第2のリリーフ弁の開弁圧を低く設定すれば、冷間始動時におけるピストンジェットからのオイルの噴射を抑制することができる。しかしながら、その一方で、エンジンの運転状況によってはより大量のオイルを循環させるべく高い油圧が必要となるにもかかわらず、このような要請に対応することができなくなる。
そこで、本発明は、エンジンの状態に応じてピストンジェットの噴射の実行及び停止を行うことができると共に、エンジンの運転状態に応じて異なる必要油圧を確保することのできるエンジンの油圧制御装置を提供することを課題とする。
かかる課題を解決する本発明のエンジンの油圧制御装置は、オイルポンプにより吸い上げられたオイルの油圧が開弁圧Qaに達すると開弁し、オイル噴射経路を通じてピストンへ向かってオイルを噴射するピストンジェットと、前記オイル噴射経路から分岐し、第1リリーフ弁を備えた第1リリーフ経路と、前記第1リリーフ経路と並列して前記オイル噴射経路から分岐し、第2リリーフ弁を備えた第2リリーフ経路と、を備え、前記第2リリーフ弁の開弁圧は、オイル温度に応じて前記ピストンジェットの開弁圧であるQaよりも低い値から高い値に亘って可変であることを特徴とする(請求項1)。このような構成とすることにより、第2リリーフ弁の開弁圧はオイル温度に応じて調整される。すなわち、第2リリーフ弁の開弁圧は、オイル温度が低いときには低くなり、オイル温度が高いときには高くなる。従って、オイル噴射経路内の油圧は、オイル温度が低いときには低くなり、オイル温度が高いときには高くなる。これにより、オイル温度が低く、エンジンの暖機が完了する以前は、オイル噴射経路内の油圧がピストンジェットの開弁圧Qaまで上昇する前に第2リリーフ弁が開弁するので、ピストンジェットの噴射を抑制することができる。一方、エンジンの暖機が完了し、油温が上昇した後は第2リリーフ弁の開弁圧が上昇し、オイル噴射経路内の油圧をピストンジェットの開弁圧Qaまで上昇させる。また、第2リリーフ弁の開弁圧が調整されることにより、エンジンの状態に応じてエンジン内の潤滑部へオイルを供給するために必要となる油量、油圧を確保することができる。
このようなエンジンの油圧制御装置における前記第2リリーフ弁は、油圧を受ける受圧面を有する弁体と、当該弁体を閉弁方向に付勢する弾性体と、当該弾性体の前記弁体と対向する側に設けたリテーナと、温度に応じて変形又は伸縮し、オイル温度が高くなるに従って前記リテーナを前記弾性体が圧縮される方向に押圧する押圧手段と、を備えた構成とすることができる(請求項2)。このような構成とすることにより、オイル温度が高くなるに従って、押圧手段に押圧される弾性体の反発力が増大し、弾性体が弁体を押圧する力が増加するので、第2リリーフ弁の開弁圧を上昇させることができる。このような第2リリーフ弁は、構成要素である前記弁体、前記弾性体、前記リテーナ、前記押圧手段が直線状に配置された構成とすることができる(請求項3)。要は、押圧手段の変形又は伸縮によってスプリング等の弾性体の反発力が変化し、その反発力の変化によって弁体が押される力が変化して開弁圧が調整されるようになっていればよい。従って、例えば、弁体を回転体とした構成とすることもできる。また、押圧手段としては、温度に応じて体積変化が起こるサーモワックスや、温度に応じて伸縮するいわゆる形状記憶合金を用いることができる。
また、本発明のエンジンの油圧制御装置における第2リリーフ弁は、油圧を受ける受圧面を有する弁体と、当該弁体を閉弁方向に付勢する弾性体と、当該弾性体の前記弁体と対向する側に設けたリテーナと、温度に応じて変形又は伸縮し、オイル温度が高くなるに従って前記リテーナを前記弾性体が圧縮される方向に押圧する押圧手段と、前記弁体の受圧面側を流通するオイルを当該受圧面の背面側に導入するオイル流通制御手段と、を備えた構成とすることができる(請求項4)。このようなオイル流通制御手段を備えることにより、弁体の受圧面側と背面側を等しい圧力として、オイル温度にかかわらず第2リリーフ弁の閉弁状態を維持することができる。このように、第2リリーフ弁の閉弁状態を維持することで、オイル噴射経路内の圧力の低下を抑えることができる。これにより、オイルの温度に依存することなく、ピストンジェットの噴射の実行及び停止、さらに、エンジン内の各潤滑部へ供給するために必要となる油量、油圧を確保することができる。このようなオイル流通制御手段は、オイル温度、エンジン回転数、エンジン負荷の少なくとも一つを参照して前記受圧面の背面側へのオイルの導入を制御するものとすることができる(請求項5)。
本発明の油圧制御装置は、オイル温度に応じて、ピストンジェットの開弁圧であるQaよりも低い値から高い値に亘って可変となる開弁圧を有する第2リリーフ弁を備えたことにより、エンジンの状態に応じてピストンジェットの噴射の実行及び停止を行うことができるとともに、エンジンの状態に応じてエンジン内の各潤滑部へオイルを供給するために必要となる油量、油圧を確保することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。図1(a)乃至図3は、本実施例の油圧制御装置1が組み込まれたエンジン2の概略構成を示した説明図である。図1(a)は、エンジン2が暖機状態、かつ、弁体13の背面13b側にオイルポンプ4から供給されるオイルの油圧が作用していない状態であって、第2リリーフ弁9が閉弁した状態を示している。図1(b)は、エンジン2が暖機状態、かつ、弁体13の背面13b側にオイルポンプ4から供給されるオイルの油圧が作用していない状態であって、第2リリーフ弁9が開弁した状態を示している。図2は、エンジン2が暖機完了、かつ、弁体13の背面13b側にオイルポンプ4から供給されるオイルの油圧が作用していない状態であって、第2リリーフ弁9が閉弁した状態を示している。また、図3は、エンジン2が暖機状態、かつ、弁体13の背面13b側にオイルポンプ4から供給されるオイルの油圧が作用している状態を示している。
油圧制御装置1は、オイルパン3からオイルを吸い上げるオイルポンプ4と、このオイルポンプ4によって吸い上げられたオイルの油圧が開弁圧Qaに達すると開弁し、オイル噴射経路5を通じてピストン(図示せず)へ向かってオイルを噴射するピストンジェット6とを備えている。また、油圧制御装置1は、このオイル噴射経路5のオイルポンプ4の下流側で分岐し、第1リリーフ弁7を備えた第1リリーフ経路8を備えている。この第1リリーフ経路8の終端は、オイルポンプ4の上流側に接続されている。油圧制御装置1は、さらに、オイル噴射経路5のオイルポンプ4の下流側で分岐し、第1リリーフ経路8と並列する第2リリーフ経路10を備えている。この第2リリーフ経路10には第2リリーフ弁9が配設されている。第2リリーフ経路10の終端は、第1リリーフ経路8と同様にオイルポンプ4の上流側に接続されている。
オイル噴射経路5の上流側端部にはオイルパン3内に位置するストレーナ11が配置されている。また、オイルポンプ4の下流にはフィルタ12が備えられている。このような構成により、オイルポンプ4によって吸い上げられるオイルを濾過し、オイルが流通する経路内への異物の混入が抑制されている。
第1リリーフ弁7は、オイル噴射経路5内の油圧が設定圧力以上に上昇した場合に開弁する。第1リリーフ弁7は、このように装置内の最大油圧を規制し、装置の安全維持を図っている。このような第1リリーフ弁7の開弁圧はピストンジェット6の開弁圧Qaよりも大きい。
第2リリーフ弁9は、図1(a)乃至図3に示すように、弁体13、スプリング14、リテーナ15、サーモワックス16が直線状に配置されて構成されている。弁体13は、オイル噴射経路5内を流通するオイルの油圧を受ける受圧面13aを有する。第2リリーフ弁9は、受圧面13aが受ける油圧に応じて弁体13が移動することによって開閉する。スプリング14は弁体13を閉弁方向に付勢している。リテーナ15は、スプリング14の弁体13と対向する側に移動可能に設けられており、スプリング14を保持している。サーモワックス16は、温度が高くなるに従って膨張し、リテーナ15をスプリング14が圧縮される方向へ押しつけている。また、第2リリーフ弁9には、リテーナ15の弁体13側への移動を規制するストッパ17が備えられている。このような弁体13とリテーナ15との間に形成される空間18は、オイルの流出入が許容されている。具体的には、受圧面13a側を流通するオイルを空間18へ導入する経路と、空間18内のオイルをオイルパン3側へ放出する経路とが設けられており、その経路の切り替えを行うOCV(Oil Control Valve)19が配設されている。このOCV19の作動はECU(Electronic Control Unit)20によって制御される。OCV19とECU20は本発明のオイル流通制御手段を構成するものである。OCV19は、その開弁状態によって受圧面13aに作用する油圧と同等の油圧を弁体13の背面13b側に作用させるべく、受圧面13a側を流通するオイルを背面13b側に導入させることができる。また、受圧面13a側を流通するオイルの背面13b側への導入を阻止すると共に背面13b側に貯留しているオイルをオイルパン3側へ放出させることができる。
このようなOCV19の作動について以下に説明する。OCV19は、エンジン2の水温、エンジン回転数、燃料噴射量及びアクセル開度から算出されるエンジン負荷に応じてその開弁状態が制御される。ECU20は、運転状態によって選択される複数のマップを用意しており、図示しない各種センサから取得されたエンジン2の水温、エンジン回転数、燃料噴射量、アクセル開度のデータを解析することにより適切なマップを選択し、OCV19の開閉制御を行う。ECU20は、(1)水温に基づく判断においてエンジン2の暖機が完了していないと判断されること、(2)エンジン回転数がマップ上に記録された値X1に達していないと判断されること、(3)燃料噴射量及びアクセル開度に基づいて算出されるエンジン負荷がマップ上に記録された値Y1に達していないこと、の3つの条件を満たしているときにOCV19の開弁状態を、背面13b側に貯留しているオイルをオイルパン3側へ放出させる状態とする。すなわち、図1(a)、図1(b)及び図2に示した状態とする。一方、上記の3つの条件のいずれかひとつでも満たさない場合には、OCV19の開弁状態を、受圧面13a側を流通するオイルを背面13b側に流入させる状態とする。すなわち、図3に示した状態とする。
次に、第2リリーフ弁9の開閉動作について説明する。まず、図1(a)、図1(b)及び図2に示すようなOCV19の状態が、弁体13の背面13b側に貯留しているオイルをオイルパン3側へ放出させる状態とした場合について説明する。空間18と第2リリーフ弁9の下流側とが接続され、空間18内のオイルがオイルパン3側へ放出されると、弁体13の受圧面13a側と背面13b側とは圧力差が生じるため、第2リリーフ弁9は開弁することができる。
エンジン2の冷間始動時は、ピストンは暖機を必要とする。このため、ピストンジェット6によるピストンの冷却は不要である。従って、オイル噴射経路5内の油圧がピストンジェット6の開弁圧Qaに到達する以前に第2リリーフ弁9は開弁し、オイル噴射経路5内のオイルをオイルパン3側へ開放してオイル噴射経路5内の油圧を低下させる必要がある。エンジン2の冷間始動時、第2リリーフ弁9は、図1(a)に示すような状態となる。すなわち、低温状態のサーモワックス16は縮んだ状態であり、弁体13とリテーナ15との間隔は広く、スプリング14は自然長に近い長さとなっている。このため、スプリング14が弁体13を閉弁方向に付勢する力は小さく、第2リリーフ弁9の開弁圧は低くなっている。このときの第2リリーフ弁9の開弁圧はピストンジェット6の開弁圧Qaよりも低い値となるように調整されている。これにより、冷間時における第2リリーフ弁9は、ピストンジェット6が開弁する以前に図1(b)に示すように開弁する。第2リリーフ弁9が開弁すればピストンジェット6によるピストンの冷却を回避することができ、ひいては、暖機を促進することができる。
次に、暖機が進行した状態について説明する。暖機が進行すると、第2リリーフ弁9のサーモワックス16は暖められて膨張する。サーモワックス16が膨張すると、リテーナ15は弁体13側へ移動し、スプリング14を圧縮する。圧縮されたスプリング14は弁体13を閉弁する方向に付勢する力を強めるので、第2リリーフ弁9の開弁圧が上昇する。オイル噴射経路5内の油圧は第2リリーフ弁9の開弁圧に依存するので、第2リリーフ弁9の開弁圧の上昇とともに、オイル噴射経路5内の油圧は上昇することになる。さらに、第2リリーフ弁の開弁圧は、エンジン2が暖機を完了した温度でピストンジェット6の開弁圧Qaよりも高い値に達するように調整されている。このため、暖機が進行し、図2に示すように、エンジン2が暖機を完了すると、オイル噴射経路5内の油圧がピストンジェット6の開弁圧Qaに達するので、ピストンジェット6が噴射されてピストンを冷却することができる。
なお、第2リリーフ弁9は、OCV19が弁体13の背面13b側に貯留しているオイルをオイルパン3側へ放出させる状態では、リテーナ15がストッパ17に当接する時点で最大開弁圧となるが、この最大開弁圧は第1リリーフ弁7の開弁圧よりも低い。
次に、OCV19が弁体13の受圧面13a側を流通するオイルを背面13b側に導入させる状態とした場合について説明する。図3はOCV19が弁体13の受圧面13a側を流通するオイルを背面13b側に導入させる状態の油圧制御装置1の概略構成を示した説明図である。このとき、OCV19は空間18と第2リリーフ弁9の上流側とを接続する。すなわち、OCV19は、弁体13の受圧面13a側を流通するオイルを弁体13の背面13b側へ導入させて、弁体13の受圧面13a側と背面13b側とを同等の圧力にすることで、第2リリーフ弁9を閉弁させる。このとき、オイル噴射経路5内の油圧の高低に関わらず、第2リリーフ弁9は閉じるので、第2リリーフ経路10におけるオイルの流通は遮断される。このため、オイル噴射経路5内のオイルの減少が抑えられ、オイルポンプ4によりオイルが圧送されることで、オイル噴射経路5内の油圧は上昇する。
このように、OCV19が弁体13の受圧面13a側を流通するオイルを背面13b側に導入させる状態では、オイル噴射経路5内の油圧が上昇する。OCV19は、ピストンジェット6での噴射やエンジン2の各潤滑部への供給のためにオイル噴射経路5内の油圧を急に上昇させる必要がある場合に、経路を切り替えて、オイル噴射経路5内の油圧を上昇させる。これにより、ピストンにおけるピストンジェット6の噴射を実行するとともに、エンジン2の各潤滑部へオイルを供給することができる。
以上説明したように、油圧制御装置1は、エンジン温度、エンジン回転数、エンジン負荷を参照してエンジン2が油量、油圧を必要としない運転状態の場合には、OCV19を次のように作動させる。すなわち、OCVは弁体13の背面13b側に貯留しているオイルをオイルパン3側へ放出させる経路を形成するように作動される。OCV19がこのように作動されると、オイルの温度に応じて、オイル噴射経路5内のオイルをオイルパン3へ逃し、オイル噴射経路5内の油圧を調整する。すなわち、オイルの温度の上昇とともに第2リリーフ弁9の開弁圧を上昇させて、温度に適したオイル噴射経路5内の油量、油圧を確保し、エンジン2の各潤滑部へオイルを供給する。さらに、油圧制御装置1は、エンジン2の暖機時に、第2リリーフ弁9の開弁圧をピストンジェット6の開弁圧Qa以下に維持して、ピストンジェット6の噴射を停止し、ピストンの暖機を促進する。エンジン2内の温度が暖機完了の温度に達すると、第2リリーフ弁9の開弁圧をピストンジェット6の開弁圧Qa以上にして、ピストンジェット6の噴射を実行する。一方、油圧制御装置1は、エンジン温度、エンジン回転数、エンジン負荷を参照してエンジンが油量と油圧を必要とする運転状態となった場合には、OCV19を次のように作動させる。すなわち、OCV19は、弁体13の受圧面13a側を流通するオイルを背面13b側に導入させるように作動される。これにより、第2リリーフ弁9が閉弁されるので、オイル噴射経路5内の油圧が上昇して、適する油量、油圧が確保され、ピストンジェット6の噴射の実行やエンジン2の各潤滑部へのオイルの供給が図られている。
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、さらに本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
例えば、弁体13、スプリング14、リテーナ15、サーモワックス16を円周上に配置して構成した第2リリーフ弁を備えた油圧制御装置や本実施例の油圧制御装置1に備えられたサーモワックス16に代えて、温度に応じて伸縮する形状記憶合金を用いたものや、スプリング14に代えて、種々の弾性体を用いたものも本発明の油圧制御装置である。
実施例の弁体の背面側にオイルポンプから供給されるオイルの油圧が作用していない状態の油圧制御装置が組み込まれたエンジンの概略構成を示した説明図であって、(a)は、第2リリーフ弁が閉弁した状態を示し、(b)は、第2リリーフ弁が開弁した状態を示した説明図である。 実施例における油圧制御装置が組み込まれたエンジンの概略構成を示した説明図であって、エンジンが暖機完了、かつ、弁体の背面側にオイルポンプから供給されるオイルの油圧が作用していない状態を示した説明図である。 実施例における油圧制御装置が組み込まれたエンジンの概略構成を示した説明図であって、エンジンが暖機状態、かつ、弁体の背面側にオイルポンプから供給されるオイルの油圧が作用している状態を示した説明図である。
符号の説明
1 油圧制御装置
2 エンジン
4 オイルポンプ
5 オイル噴射経路
6 ピストンジェット
7 第1リリーフ弁
8 第1リリーフ経路
9 第2リリーフ弁
10 第2リリーフ経路
13 弁体
14 スプリング
15 リテーナ
16 サーモワックス
19 OCV
20 ECU

Claims (5)

  1. オイルポンプにより吸い上げられたオイルの油圧が開弁圧Qaに達すると開弁し、オイル噴射経路を通じてピストンへ向かってオイルを噴射するピストンジェットと、
    前記オイル噴射経路から分岐し、第1リリーフ弁を備えた第1リリーフ経路と、
    前記第1リリーフ経路と並列して前記オイル噴射経路から分岐し、第2リリーフ弁を備えた第2リリーフ経路と、
    を備え、
    前記第2リリーフ弁の開弁圧は、オイル温度に応じて前記ピストンジェットの開弁圧であるQaよりも低い値から高い値に亘って可変であることを特徴とするエンジンの油圧制御装置。
  2. 請求項1記載のエンジンの油圧制御装置において、
    前記第2リリーフ弁は、油圧を受ける受圧面を有する弁体と、
    当該弁体を閉弁方向に付勢する弾性体と、
    当該弾性体の前記弁体と対向する側に設けたリテーナと、
    温度に応じて変形又は伸縮し、オイル温度が高くなるに従って前記リテーナを前記弾性体が圧縮される方向に押圧する押圧手段と、
    を備えたことを特徴とするエンジンの油圧制御装置。
  3. 請求項1記載のエンジンの油圧制御装置において、
    前記第2リリーフ弁は、油圧を受ける受圧面を有する弁体と、
    当該弁体を閉弁方向に付勢する弾性体と、
    当該弾性体の前記弁体と対向する側に設けたリテーナと、
    温度に応じて変形又は伸縮し、オイル温度が高くなるに従って前記リテーナを前記弾性体が圧縮される方向に押圧する押圧手段と、
    を備え、
    前記弁体、前記弾性体、前記リテーナ、前記押圧手段は直線状に配置されていることを特徴としたエンジンの油圧制御装置。
  4. 請求項1記載のエンジンの油圧制御装置において、
    前記第2リリーフ弁は、油圧を受ける受圧面を有する弁体と、
    当該弁体を閉弁方向に付勢する弾性体と、
    当該弾性体の前記弁体と対向する側に設けたリテーナと、
    温度に応じて変形又は伸縮し、オイル温度が高くなるに従って前記リテーナを前記弾性体が圧縮される方向に押圧する押圧手段と、
    前記弁体の受圧面側を流通するオイルを当該受圧面の背面側に導入するオイル流通制御手段と、
    を備えたことを特徴とするエンジンの油圧制御装置。
  5. 請求項1記載のエンジンの油圧制御装置において、
    前記第2リリーフ弁は、油圧を受ける受圧面を有する弁体と、
    当該弁体を閉弁方向に付勢する弾性体と、
    当該弾性体の前記弁体と対向する側に設けたリテーナと、
    温度に応じて変形又は伸縮し、オイル温度が高くなるに従って前記リテーナを前記弾性体が圧縮される方向に押圧する押圧手段と、
    前記弁体の受圧面側を流通するオイルを当該受圧面の背面側に導入するオイル流通制御手段と、
    を備え、
    当該オイル流通制御手段は、オイル温度、エンジン回転数、エンジン負荷の少なくとも一つを参照して前記受圧面の背面側へのオイルの導入を制御することを特徴としたエンジンの油圧制御装置。
JP2007032406A 2007-02-13 2007-02-13 エンジンの油圧制御装置 Pending JP2008196380A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010236377A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Toyota Motor Corp 内燃機関の潤滑装置
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