JP2008192568A - 電線ヒューズ - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒューズエレメントが二重の絶縁ケースで被覆され、内部を大電流遮断部と小電流溶断部に区画するものにおいて、部品点数を少なくし、組付性の容易を図る。
【解決手段】ヒューズエレメント2の中継導体10の外周に設けた区画板13と、内筒4の内面に形成されて前記区画板13の外周部を嵌合保持する保持溝4fと、
前記区画板13により区画された小電流溶断部9側の空間を更に2つに区画するように内筒の内側に形成された遮蔽壁4dとを有し、前記内筒4を、その軸芯を通る面で2分割した2つの分割片4A,4Bで形成して、該両分割片4A,4Bを、その接合端面で合体するようにし、前記内筒4の外周面を外筒5で被覆する。
【選択図】図1

Description

本発明は、低圧配電線路の引込み線の途中に接続して使用する電線ヒューズに関するもので、より詳しくは、ヒューズエレメントを二重に被覆する絶縁ケースを有する電線ヒューズの改良に関するものである。
従来、ヒューエレメントを二重の絶縁ケースで被覆した電線ヒューズとして、大電流遮断部と小電流溶断部とからなるヒューズエレメントに、大電流遮断部の電線接続端子側から消弧容器を取付け、この消弧容器内に消弧部材を充填して蓋を閉め、更に、小電流溶断部の電線接続端子側から有底状の円筒を嵌装して内筒を形成し、その内筒の外周面と両電線接続端子の一部に合成樹脂製の外筒を射出成形することによって、二重の絶縁ケースを構成し、ヒューズエレメントと内筒を一体的に組立てたものが開示されている(特許文献の図1参照)。
特開2006−209988号公報
しかしながら、前記従来の電線ヒューズにおいては、消弧部材を充填する消弧容器や小電流溶断部の中空状の空間を形成するための、筒状の部材や遮断壁等の独立した部品を用いて、これらの部品を組付けることにより構成することから、内筒を構成する部品点数が比較的多くなり、組立作業に手間がかかると共にコストも高くなる問題があった。
また、内筒の外周面に外筒を射出成形(インジェクション成形)によって被覆する際には、ヒューズエレメントなどの各部品を組付けた内筒組立状態(半完成状態)を維持してその内筒の外周に外筒を形成する必要がある。しかし、前記従来のものにおいては、その内筒組立状態の保持が不十分であることから、この内筒組立状態維持が不安定であり、成形作業における成形機へのセットが正確に行えない他、組立状態での搬送も困難であった。
更に、前記のように外筒は射出成形(インジェクション成形)によって内筒の外周面だけでなく、内筒の両端開口部から挿出した電線接続端子の外周面に対しても密着するように成形するため、その外筒とヒューズエレメントが固着される。そのため、使用中において、周囲の温度変化により、ヒューズエレメントと外筒に熱伸長、収縮力が作用すると、この絶縁ケース(特に外筒)とヒューズエレメントとの膨張係数の差から、ヒューズエレメントの伸長と収縮が外筒により拘束され、ヒューズエレメントに対し繰り返しストレスが加わり、ついにはエレメント切れが発生する問題もあった。
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決する絶縁ケースで二重に被覆する電線ヒューズを提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために請求項1記載の発明は、中継導体(10)の一方に大電流遮断部(8)と接続導体(11)を直列に接続し、前記中継導体(10)の他方に小電流溶断部(9)と接続導体(12)を直列に接続したヒューズエレメント(2)と、
前記両接続導体(11),(12)の夫々の外側端部に接続した電線接続端子(3),(3)と、
両端部が、前記両電線接続端子(3),(3)の一部に回動不能に嵌合され、この両嵌合部(4a),(4a)間のヒューズエレメント(2)の一部を空間を有して被覆する合成樹脂製の円筒状の内筒(4)と、
前記内筒(4)の外面を被覆するとともに、両端を前記両電線接続端子の外周面に対してシール材(16)を介して嵌合した合成樹脂製の外筒(5)と、
前記ヒューズエレメント(2)の中継導体(10)の外周に設けた区画板(13)と、前記内筒(4)の内面に形成されて前記区画板(13)の外周部を嵌合保持する保持溝(4f)と、
前記区画板(13)により区画された小電流溶断部(9)側の空間を更に2つに区画するように内筒の内側に形成された遮蔽壁(4d)とを有し、
更に、前記内筒(4)を、その軸芯を通る面で2分割した2つの分割片(4A),(4B)で形成して、該両分割片(4A),(4B)を、その接合端面で合体するようにし、
更に、前記一方の分割片の接合端面には、嵌合突起(4i)を突設し、他方の分割片の接合端面には前記嵌合突起(4i)に対応する嵌合穴(4j)を形成したことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記2つの分割片(4A),(4B)の接合端面に突設した嵌合突起(4i)を、その根元径が前記嵌合穴(4j)の内径より若干大きいテーパ面に形成するか、或いは、その突起部周面にこぶを形成して見掛け上嵌合穴(4j)より大径にしたことを特徴とするものである。
請求項1記載の発明によれば、2つの分割片を接合することにより遮蔽壁による溶断部の区画と、嵌合溝による区画板の保持が同時に行える。そのため、それぞれの空間を構成する部品点数を少なくしてコストを削減でき、かつ、組立作業の省力化を図ることができる。
また、内筒の両端部と電線接続端子を回動不能に嵌合するため、ヒューズエレメントが内筒に対して位置決めされて、ヒューズエレメントの不用意な回動による破断を防止することができる。更に、内筒とヒューズエレメントが一体的に組立てられることにより、ヒューズエレメントは充分な強度(頑丈さ)が確保され、外筒成形の際の成形機へのセットが正確に行える他、射出成形時においても内筒の安定性が良くなり作業性が向上する。
更に、外筒の内周面と電線接続端子の外周面とが、これらの間の密閉状態を保持して相対的に若干の移動が可能となり、周囲の温度変化により外筒が熱伸長、収縮しても、ヒューズエレメントに繰り返しストレスが加わることがなく、エレメント切れを招くことがない。
請求項2記載の発明によれば、2つの分割片を組立てた際に、嵌合突起と嵌合穴との係合が強固となり、両分割片が、より一層強固に接合され、組立状態の維持が一層確実になる。
本発明を実施するための最良の形態を図1乃至図8に示す実施例に基づき説明する。
図1及び図2は本発明の低圧配電線路の引込み線の途中に接続して使用する電線ヒューズ1を示すもので、該電線ヒューズ1はヒューズエレメント2と、該ヒューズエレメント2の両端に圧着接続した両電線接続端子3,3と、該ヒューズエレメント2を内筒4と外筒5によって二重に被覆して、外気と隔絶した状態で密閉収納する絶縁ケース6と、両電線接続端子3,3間に装着する絶縁カバー7とから構成されている。
ヒューズエレメント2は、大電流で遮断する大電流遮断部(遮断部側エレメント)8と小電流で溶断する小電流溶断部(溶断部側エレメント)9とを中継導体10を介して直列に接続し、その両端にそれぞれ接続導体11,12を連設して構成されている。
大電流遮断部8は、湾曲したリボン状の銅板8aに丸穴8bを適宜間隔で貫通形成し、その銅板8aを2枚並べて、銅板8aの中央が相互に離間するように両端8c、8cをそれぞれ重ね合わせ、この両端8c、8cの一端を前記中継導体10に、他端を大電流遮断部8側の接続導体11に、夫々に形成した溝に挿入し、該中継導体10と接続導体11の外周面を六角形状に加締めて、中継導体10と円柱状の接続導体11を2枚の銅板8aに圧着接続した後、この接続部に銀ロウを溶着して構成されている。
小電流溶断部9は、低融点合金からなるエレメント9aの両端を前記中継導体10と小電流溶断部9側の円筒状の接続導体12に、それぞれ溶着して構成されている。
前記のように構成されたヒューズエレメント2の両端、すなわち、大電流遮断部8側の接続導体11と小電流溶断部9側の接続導体12の両外端には、電線接続端子3,3が接続されている。
この接続導体11,12と電線接続端子3,3の接続について説明する。
接続導体11,12は、その外端部を、前記電線接続端子3,3に形成した接続穴3cに挿入した後、その挿入部における電線接続端子3,3の外周面を多角形、図の実施例では六角形状に加締め付けて、接続導体11,12に圧着固定されている。この六角形状に加締められた加圧面3a,3aが交わる一部の交点(頂点)には、図7及び図8に示すように、圧着しない部分を残すことにより形成される、突起状の非加締部3b,3bが設けられ、この非加締部(突部)3b,3bが両電線接続端子3,3の周方向において相互に同一位置になるように配置されている。この非加締部3b,3bは、図の実施例では、周方向に180度離れて2個形成されている。
次に、前記のようにヒューズエレメント2を二重に被覆する絶縁ケース6について説明する。
絶縁ケース6を構成する内筒4は、図3に示すように形成されたヒューズエレメント2と両電線接続端子3,3に対し、図4に示すように、中間部がヒューズエレメント2の外周部を空間を有して囲み、両端部が電線接続端子3,3の加圧面3a,3aに嵌合するような筒状に形成されている。更に、該内筒4は、図5及び図6に示すように、筒形状にした場合における軸芯を通る面を中心として半分に分割した(半割した)2つの半円状の分割片4A,4Bから構成されている。
該分割片4A,4Bは、後述する消弧剤用充填穴4gを除いて略同一形状に形成され、環境性、強度等に優れたポリカーボネート樹脂材料からなる耐熱性の高い透明な樹脂で形成されている。
各分割片4A,4Bの長手方向(軸方向)における両端部の内側には、図5及び図6に示すように、前記電線接続端子3,3の加圧面3a,3aと嵌合する嵌合部4aが形成されている。
この嵌合部4aは、分割片4Aと分割片4Bとを相互に接合した時に、その両嵌合部4aの内側形成面が、前記加圧面3a,3aの六角形状と合致するような六角形状を形成するようになっている。また嵌合部4aの周方向の端部は、図7に示すように、前記非加締部3bから周方向に90度離れた位置にある前記平面状の加締部3aの中央に位置するように設定されており、この平面の加締部3aの中央を境にして分割片4Aと分割片4Bが相対的に接合するようになっている。更に、図5及び図6に示すように、嵌合部4aにおける接合端4nから周方向に90度離間した部分には補助溝4cを軸方向に設け、前記嵌合部4aを加圧面3aに嵌合した際に、補助溝4cに前記突起状の非加締部3bが嵌入されるようになっている。
また、分割片4A,4Bの内側には遮蔽壁4dが周方向に一体成形で設けられ、該遮蔽壁4dは、両分割片4A,4Bの相互の接合時において接続導体12における低融点合金9aとの接続部付近に位置するように形成されている。この遮蔽壁4dの中央には通過穴4eが形成され、小電流溶断部9側の接続導体12が通過できるようになっている。該遮蔽壁4dにより、小電流溶断部9側の空間が、図4に示すように、絶縁を確保する絶縁確保空間aと、低融点合金9aを収納する溶断空間bとに区画形成されている。
更に、前記通過孔4eの穴径は、両分割片4A,4Bを合体した状態における通過穴4eの内周面と接続導体12の外周面との間の隙間が、遮蔽壁4dが接続導体12に接触せず、かつ、小電流溶断部9の溶断時に発生した金属粒子及び気化ガスが溶断空間bから絶縁確保空間a内へ進入することを阻止できるように、極力小さくなるようにして設定されている。
更に、分割片4A,4Bの内面における、収納された前記中継導体10の周囲には、後述する区画板13を嵌合保持するための保持溝4fが、分割片4A,4Bの周方向に亘って設けられ、分割片4A,4Bの相互の接合時に、該保持溝4fに区画板13の外周部が嵌合して区画板13を挟持するようになっている。
前記区画板13は、図4に示すように、区画板13の中心に中継導体10が挿通する円形の挿通孔13aを形成し、かつ、図8に示すように、外周が挿通孔13aと同芯の円形の板で形成されている。更に、該区画板13は、前記絶縁ケース6とヒューズエレメント2の温度変化に伴う伸長・収縮時に、変形対応が可能な絶縁性弾性部材で形成されており、好ましくは、弾性のほか耐熱性、耐アーク性にも優れたシリコーン樹脂を使用している。
該区画板13は前記のように配置することにより、内筒4の内部空間を、図4に示すように、小電流溶断部9の溶断空間bと、大電流遮断部8の消弧空間cとに区画しており、区画板13の外周端13bが保持溝4fに挟持されるとともに、中継導体10に形成した嵌合溝10aと略同径の挿通孔13aの内周端が、中継導体10の嵌合溝10aに嵌入して保持されている。これにより、溶断空間bと消弧空間cとが区画板13で隔離され、かつ、その空間b、cは密閉状態に保たれている。
なお、前記区画板13は電線接続端子3,3を接続導体11,12に圧着する前に、中継導体10の嵌合溝10aへ装着させておくもので、区画板13をヒューズエレメント2の端部より押し込むことにより、挿通孔13aが拡径して挿通させることができる。
前記のように、分割片4A,4Bを相互に接合(合体)して形成された消弧空間c内には、一方の分割片4Aに開けられた消弧剤用充填穴4gから、ケイ砂、石英砂等の消弧剤15が充填され、該消弧剤15は銅板8aの周囲を含め、消弧空間c内にくまなく充填される。充填後には、消弧剤用充填穴4gを、内筒4と同じ材料で作られた塞栓4hにより閉塞し、消弧剤15が外部に漏出しないように密閉している。
次に、両分割片4A,4Bの接合(合体)構造について説明する。
一方の、分割片4Aの周方向の両接合端面における一方(図6において上側)の接合端面側には、軸方向の一方の端部と中央に位置して、嵌合突起4iが突設され、他方の端部に位置して嵌合穴4jが形成されている。
また、該一方の分割片4Aにおける他方(図6において下側)の接合端面側には、軸方向の一方の端部と中央に位置して、前記の嵌合突起4iと同様の嵌合突起(他方の分割片4Bの形成した嵌合突起4i)が嵌合する嵌合穴4jが形成され、軸方向の他方の端部に位置して前記と同様の嵌合突起4iが突設されている。
また、他方の分割片4Bの周方向の両接合端面における一方(図6において上側)の接合端面側には、軸方向の一方の端部と中央に位置して、前記嵌合突起4iが嵌合する嵌合穴4jが形成され、他方の端部に位置して前記と同様の嵌合突起4iが突設されている。
また、該他方の分割片4Bにおける他方の接合端面側には、軸方向の一方の端部と中央に位置して前記と同様の嵌合突起4iが突設され、軸方向の他方の端部に位置して前記と同様の嵌合穴4jが形成されている。
前記の嵌合突起4iと嵌合穴4jとの関係により、図6に示すような半円筒状の両分割片4A,4Bをもなか状に接合(合体)すると、一方の分割片4Aの嵌合突起4iが、これと対向する他方の分割片4Bの嵌合穴4jに嵌合し、他方の分割片4Bの嵌合突起4iが、これと対向する一方の分割片4Aの嵌合穴4jに嵌合するようになっている。
前記嵌合突起4iと嵌合穴4jには、外れ防止手段が具備されており、この外れ防止手段として、例えば嵌合突起4iの根元の外径を嵌合穴4jの内径より若干大きくなるようにテーパー状として、嵌合時に嵌合突起4iが嵌合穴4jに締め付けられるようにしている。また、外れ防止手段の他の例として、嵌合突起4iの周面に小さな粒状のこぶを設けて、見掛け上嵌合突起4iを大径にし、これを嵌合穴4jにかち込み方式で嵌合するようにしてもよい。このような外れ防止手段により分割片4A,4Bの嵌合状態を強固にして、両分割片4A,4Bが不用意に分離しないようになっている。
更に、分割片4A,4Bの接合端面には、図6乃至図8に示すように、薄肉の内側立壁部4kと外側立壁部4lが立設されている。該内側立壁部4kと外側立壁部4lは分割片4A,4Bの横断面において段状に形成されており、対向する分割片4A,4Bにおける一方の分割片の内側立壁部4kが他方の分割片の外側立壁部4lの内側に位置して、内外が重なり合うように嵌入して、二重壁の接合部を形成している。
この接合部は、分割片4A,4Bの周方向において、一端側に内側立壁部4kを立設すると、他端側は外側立壁部4lが立設するようにし、更に、分割片4A,4Bの長手方向(軸方向)においては、前記保持溝4fの位置を境にして、その内側立壁部4kと外側立壁部4lの内外位置が入れ換わるようになっている。これにより、組立てられた内筒4はこの接合端面において内外どちらの圧力に対しても充分な強度が保たれている。
前記分割片4A,4Bにおける前記嵌合突起4iと嵌合穴4jが形成された外周面には、凹状の押圧部4mが形成されており、分割片4A,4Bを接合する際に、この押圧部4mを押圧することで嵌合穴4jに嵌合突起4iを嵌合しやすくしている。
また、前記内筒4の外周全面と電線接続端子3,3の一部は、図1及び図2に示すように、外筒5により被覆されている。該外筒5は前記内筒4と同一材の耐熱性の高い例えばポリカーボネート樹脂を使用し、前記のようにヒューズエレメント2と電線接続端子3,3と内筒4とを組立てた半完成品状態のものを成形機にセットし、インジェクション成形(射出成形)により、図1に示すように、内筒4の外周全面と電線接続端子3,3における接続導体11,12との接続部付近の外周面を覆うようにして成形されている。
なお、前記電線接続端子3の外周面3e部に位置する外筒5の端部5bの内周面5aと電線接続端子3の外周面3eとの間には、外筒5の成形時に予め、例えば中子によって若干の空隙gを形成し、成形後において、該空隙g内にシリコーン樹脂等の流動性を有するシール材16を注入し、この注入後において、内径が電線接続端子3の外径より若干大径で、かつ、外径が外筒5の端部5bの内径より若干小径の環状のスペーサ17を、端部5bの外端側から挿入する。これにより、流動性のシール材16は、内筒4の端面とスペーサ17の内端面間の隙間g内に介在されるとともに、スペーサ17の内周面側と外周面側に流れ込み、その後、弾性を有するシール材16となる。なお、前記スペーサ17はポリカーボネート樹脂等を使用する。
このような弾性を有するシール材16の介在により、電線ヒューズ1の内部が確実に外気から密閉的に閉鎖された状態となるとともに、シール材16の弾性による変形によって、外筒5と電線接続端子3,3との相対的な移動が許容され、外筒5によってヒューズエレメント2の熱伸長、収縮が拘束されることがない。更に、スペーサ17によってシール材16の使用量も低減され、かつ、スペーサ17の外脱も阻止される。
以上のことから、絶縁ケース6の内筒構造を2つの分割片4A,4Bで構成するとともに、各分割片4A,4Bに略半円状の遮蔽壁4d、嵌合溝4fを形成したことによって、分割片4A,4Bの接合により、遮蔽壁4dによる溶断部の区画と、嵌合溝4fによる区画板13の保持が同時に行える。そのため、内筒4内に複数の空間を区画構成する部品の点数を少なくしてコストを削減でき、かつ、組立作業の手間を省くことができる。
また、内筒4の両端と電線接続端子3,3との接合部が多角形の面で接合されるため、内筒4と電線接続端子3,3が相互に回動不能に嵌合され、組立時において、ヒューズエレメント2の内筒4に対する位置決めができ、かつ、ヒューズエレメント2の不用意な回動による破断を防止することができる。更に、内筒4とヒューズエレメント2が一体的に組立てられることにより、ヒューズエレメント2は充分な強度(頑丈さ)が確保されて搬送しやすく、外筒成形の際にも成形機へのセットが正確に行える他、射出成形時においても内筒4の安定性が良くなり作業性が向上する。
更に、突起状の非加締部3bが補助溝4cに嵌合することにより、嵌合時における嵌合部4aと加圧部3aとの嵌合強度を更に高めることができる。
また、外筒5の内周面5aと電線接続端子3の外周面3eとが密着固定されず、弾性を有するシール材16を介して接続されているため、同シール材16の変形による軸方向への若干の移動が可能となり、ヒューズエレメント2が周囲の温度変化により熱伸長、収縮する場合にも、外筒5に拘束されず、ヒューズエレメント2に繰り返しストレスが加わることがなくエレメント切れを招くことがない。
また、嵌合突起4iと嵌合穴4jに外れ防止手段を設けたことから、2つの分割片4A,4Bを組立てた際に、両分割片4A,4Bは簡単に抜けて分離することが無く組立状態の維持が確実に行える。
次に電線ヒューズ1の溶断並びに遮断動作について説明する。
まず、過負荷電流のような比較的小さな電流では小電流溶断部9の低融点合金からなるエレメント9aが溶融し電路が開放する。
この小電流溶断部9の溶断時には、金属粒子及び気化ガス(アーク)が発生する。この際、一部の金属粒子及び気化ガスが飛散して溶断空間bの壁面に付着し、その壁面抵抗が低下する。しかし、前記金属粒子及び気化ガスは、遮蔽壁4dの存在と、その通過穴4eと接続導体12との隙間が極小に形成されていることから、絶縁確保空間a内には漏出せず、絶縁確保空間aの壁面には付着せず、汚損されない。そのため、その絶縁確保空間aの絶縁抵抗は低下せず、絶縁が確保される。したがって、小電流遮断後において、印加電圧によって漏洩電流が両空間a,bの壁面を伝って流れることを阻止し、漏洩電流の流れにより壁面が焦げて炭化し、ついには焼損することを防止できる。なお、遮蔽壁4dと接続導体12とは、これらの隙間で絶縁が確保されている。
また、短絡電流のような過大電流がヒューズエレメント2に流れると大電流遮断部8の銅板8aと小電流溶断部9の低融点合金9aが溶融気化しアークが発生する。
大電流遮断部8より発生し気化したアークは、銅板8aを覆うように充填された消弧剤15の表面や内部に浸透しながら吸着や冷却されて、そのエネルギーは消弧剤15によって消弧され、これにより電路が開放する。
なお、大電流遮断の場合は、消弧剤15から高温のアークの一部が放出されるが、これらは、大電流遮断部8を密閉する区画板13により、大電流遮断部8の外部に漏出することはない。
また、消弧空間cの消弧剤15は固化されていないため、大電流遮断部8の周囲が固定されず、更に、区画板13が弾性を有することから、消弧剤15の移動を許容するとともにヒューズエレメント2が拘束されることがない。これより、ヒューズエレメント2にはストレスが与えられず局部的な屈曲による破断を防止できる。
更に、内筒4及び外筒5は透明の材料で形成されているため、小電流溶断時や大電流遮断時における電路の開放状態を目視することができる。
本発明の絶縁ケースを備えた電線ヒューズを示す側断面図。 図1の平断面図。 本発明で装着されるヒューズエレメントと電線接続端子を示す平断面図。 図3のヒューズエレメントと電線接続端子に内筒を装着した平断面図。 (a),(b)は両分割片を内側からみた平面図。 図5の分割片の斜視図。 本発明の分割片に電線接続端子を嵌合した嵌合部を示す斜視図。 本発明の一方の分割片にヒューズエレメントと電線接続端子と遮蔽壁を装着し、他方の分割片は組立られていない状態の斜視図。
符号の説明
1 電線ヒューズ
2 ヒューズエレメント
3 電線接続端子
3a 加圧面
3b 非加締部
4 内筒
4A,4B 分割片
4a 嵌合部
4d 遮蔽壁
4f 保持溝
4i 嵌合突起
4j 嵌合穴
5 外筒
6 絶縁ケース
8 大電流遮断部
9 小電流溶断部
13 区画板
16 シール材
g 空隙

Claims (2)

  1. 中継導体の一方に大電流遮断部と接続導体を直列に接続し、前記中継導体の他方に小電流溶断部と接続導体を直列に接続したヒューズエレメントと、
    前記両接続導体の夫々の外側端部に接続した電線接続端子と、
    両端部が、前記両電線接続端子の一部に回動不能に嵌合され、この両嵌合部間のヒューズエレメントの一部を空間を有して被覆する合成樹脂製の円筒状の内筒と、
    前記内筒の外面を被覆するとともに、両端を前記両電線接続端子の外周面に対してシール材を介して嵌合した合成樹脂製の外筒と、
    前記ヒューズエレメントの中継導体の外周に設けた区画板と、前記内筒の内面に形成されて前記区画板の外周部を嵌合保持する保持溝と、
    前記区画板により区画された小電流溶断部側の空間を更に2つに区画するように内筒の内側に形成された遮蔽壁とを有し、
    更に、前記内筒を、その軸芯を通る面で2分割した2つの分割片で形成して、該両分割片を、その接合端面で合体するようにし、
    更に、前記一方の分割片の接合端面には、嵌合突起を突設し、他方の分割片の接合端面には前記嵌合突起に対応する嵌合穴を形成したことを特徴とする電線ヒューズ。
  2. 前記2つの分割片の接合端面に突設した嵌合突起を、その根元径が前記嵌合穴の内径より若干大きいテーパ面に形成するか、或いは、その突起部周面にこぶを形成して見掛け上嵌合穴より大径にしたことを特徴とする請求項1記載の電線ヒューズ。
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