JP2008192057A - メイン制御部とサブ制御部を有する制御機器 - Google Patents

メイン制御部とサブ制御部を有する制御機器 Download PDF

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Abstract

【課題】特殊な機器を用いなくとも、メイン制御部の制御によって、サブ制御部の制御プログラムを書き換えることのできる制御機器を提供する。
【解決手段】サブ制御部5のファームウエアの書換を行う場合には、メイン制御部3の第1リセット信号出力手段46は、サブ制御5に対して、書換モード切換信号、第1リセット信号を出力する。次に、メイン制御部3の通信手段42は、通信ラインを介して、ファームウエアのデータをサブ制御部5に送信する。サブ制御部5は、このファームウエアのデータを受けて、元からあったファームウエアと置き換えて記録し、書き換えを行う。上記書換処理の際、書換制御回路30は、サブ制御部5からのメインリセット信号、電源停止信号をブロックし、メインCPUが停止しないようにする。
【選択図】図2

Description

この発明は、メイン制御部とサブ制御部を有する制御機器に関し、特にサブ制御部に対するデータ送信に関するものである。
オーディオ機器、DVD再生機器、TV機器などにおいて、データの再生処理などを制御するためのメインCPUとは別に、ボタン押下や電源スタンバイなどの制御を行うためのサブCPUが設けられている。
図1に、メインCPU2、サブCPU4が設けられた機器のブロック図を示す。メインCPU2は、ハードディスク14、CD−ROM16からデータを読み出して再生したり、ランボード18を介してインターネットからデータを取得して再生したり、これらを制御したりする。その処理プログラムは、ROM/RAM10と、HDD14とに記録されている。
サブCPU4は、フラッシュROM26に記録されたファームウエアによって制御を行う。サブCPU4は、機器に設けられている各ボタン20、22、24・・・が押下されたかどうかを検出する。各ボタン20、22、24・・・の押下を検出すると、いずれのボタンが押されたかを、UARTラインを介してメインCPU2に伝送する。メインCPU2は、これを受けて、押されたボタンに対応する処理を実行する。たとえば、再生ボタン22が押下されると、これをサブCPU4が検出してメインCPU2に伝送し、メインCPU2によって再生処理が開始される。
電源オンの状態において電源ボタン20が押下されると、サブCPU4はこれを検出して、電源制御信号POWER-ONを「L」にする。これにより、メイン電源12は、メインCPU2に対する電源供給を停止する。一方、その後、電源ボタン20が押下されたことを検出する必要があるので、サブCPU4に対しては、スタンバイ電源6から電力が供給される。
電源オフの状態において電源ボタン20が押下されると、サブCPU4はこれを検出して、電源制御信号POWER-ONを「H」にする。これにより、メイン電源12は、メインCPU2に対する電源供給を開始する。
また、電源コンセントが抜かれている状態から電源コンセントが差し込まれた場合や電源ラインを直接開閉する一次スイッチがオンにされた場合には、システムリセット回路8が、リセット信号~RESETを「H」から「L」に変える。これにより、サブCPU4がリセットされる。サブCPU4は、自らのリセットを行った後、メインリセット信号~OCIRSTを「H」から「L」に変える。これにより、メインCPU2もリセットされ、機器全体が初期状態となる。
上記のような機器において、フラッシュROMに記録されているファームウエアのバージョンアップを行いたい場合などには、フラッシュROM26の書換を行う必要がある。従来は、このような場合、サブCPU4を書換モードにし(これによりファームウエアは停止する)、サブCPU4のフラッシュROM26のプログラム書換専用端子にパソコンのシリアル通信端子を接続して、パソコンからファームウエアの書換を行っていた。あるいは、サブCPU4の専用のプログラムライタによって、ファームウエアの書換を行っていた。
たとえば、特許文献1は、上記のようにシリアル通信端子を用いてファームウエアの書換を行う方法を開示している。
また、特許文献2は、拡張ボード上のファームウエアをシステムの側からアップデートすることが可能なサーバ装置を開示している。
特開2002−208886号公報
特開2001−75810号公報
しかしながら、プログラム専用書換端子を用いたり、専用のプログラムライタを用いる方法では、ユーザがこれを簡単に行うことは困難であった。そのため、ファームウエアのアップデートが困難になるという問題があった。
特許文献2に記載のサーバ装置は、特殊な機器を用いることなく、機器の一部を構成するCPUによってファームウエアの書換を行う点を開示している。しかし、特許文献2の方法を、メインCPUとサブCPUを有する機器に適用することはできない。なぜなら、メインCPUとサブCPUを有する機器においては、サブCPUを書換モードにすると制御プログラムが停止し、その結果、メインCPUに対する電源を停止させる電源停止信号が出力されたり、メインCPUをリセットするメインリセット信号が出力されたりするからである。つまり、サブCPUに対してファームウエアの書換を行おうとするメインCPUが停止されてしまい、目的を達成できない。
この発明は、上記のような問題点を解決して、特殊な機器を用いなくとも、メイン制御部の制御によって、サブ制御部の制御プログラムを書き換えることのできる制御機器を提供することを目的とする。
この発明のいくつかの側面を以下に示す。
(1)この発明に係る制御機器は、CPUを有するメイン制御部とCPUを有するサブ制御部とを有し、サブ制御部の制御プログラムが停止すると、サブ制御部はメイン制御部に対する電力供給を停止するための電源停止信号を出力する制御機器において、
メイン制御部とサブ制御部との間に書換制御回路を設け、
メイン制御部は書換実行手段を有しており、当該メイン制御部の書換実行手段は、通常モードを書換モードに切り換えるための書換モード切換信号を出力する書換モード切換信号出力手段と、前記書換モード切換信号出力手段が書換モード切換信号を出力した後、サブ制御部をリセットするためのサブリセット信号を出力する第1リセット信号出力手段と、前記第1リセット信号出力手段がサブリセット信号を出力した後、信号ラインを介してサブ制御部に制御プログラムを送信するための通信手段と、通信手段による制御プログラムの送信が完了した後、サブ制御部をリセットするためのサブリセット信号を出力する第2リセット信号出力手段と、書換モードを通常モードに切り換えるための通常モード切換信号を出力する通常モード切換信号出力手段とを備え、
当該書換制御回路は、メイン制御部から受けたモード切換信号が書換モードを示している時は、サブ制御部からの電源停止信号の有無に拘わらず電源供給信号を保持するとともに、メイン制御部から受けたモード切換信号が通常モードを示している時は、サブ制御部からの電源停止信号を機能させる電源信号制御手段を備えたことを特徴としている。
したがって、メイン制御部からサブ制御部の制御プログラムを書き換えようとする場合に、メイン制御部がサブ制御部によって電源供給を停止されることがない。すなわち、メイン制御部からの制御によってサブ制御部の制御プログラムを書き換えることが可能となる。
(2)この発明に係る制御機器は、CPUを有するメイン制御部とCPUを有するサブ制御部とを有し、サブ制御部の制御プログラムが停止すると、サブ制御部はメイン制御部に対する電力供給を停止するための電源停止信号を出力し、メイン制御部をリセットするためのメインリセット信号をメイン制御部に出力する制御機器において、
メイン制御部とサブ制御部との間に書換制御回路を設け、
メイン制御部は書換実行手段を有しており、当該メイン制御部の書換実行手段は、通常モードを書換モードに切り換えるための書換モード切換信号を出力する書換モード切換信号出力手段と、前記書換モード切換信号出力手段が書換モード切換信号を出力した後、サブ制御部をリセットするためのサブリセット信号を出力する第1リセット信号出力手段と、前記第1リセット信号出力手段がサブリセット信号を出力した後、信号ラインを介してサブ制御部に制御プログラムを送信するための通信手段と、通信手段による制御プログラムの送信が完了した後、サブ制御部をリセットするためのサブリセット信号を出力する第2リセット信号出力手段と、書換モードを通常モードに切り換えるための通常モード切換信号を出力する通常モード切換信号出力手段とを備え、
当該書換制御回路は、メイン制御部から受けたモード切換信号が書換モードを示している時は、サブ制御部からの電源停止信号の有無に拘わらず電源供給信号を保持するとともに、メイン制御部から受けたモード切換信号が通常モードを示している時は、サブ制御部からの電源停止信号を機能させる電源信号制御手段と、メイン制御部から受けたモード切換信号が書換モードを示している時は、サブ制御部からのメインリセット信号がメイン制御部に与えられないようにするとともに、メイン制御部から受けたモード切換信号が通常モードを示している時は、サブ制御部からのメインリセット信号がメイン制御部に与えられるようにするメインリセット制御手段とを備えている。
したがって、メイン制御部からサブ制御部の制御プログラムを書き換えようとする場合に、メイン制御部がサブ制御部によって電源供給を停止されたりリセットがかけられたりすることがない。すなわち、メイン制御部からの制御によってサブ制御部の制御プログラムを書き換えることが可能となる。
(3)この発明に係る制御機器は、メイン制御部の通信手段は、通常モードにおいてUARTラインとして用いられているラインを、書換モードにおける書換データの通信ラインとして共用することを特徴としている。
したがって、書換のための通信ラインを別途用意する必要がない。
(4)この発明に係る制御機器は、メイン制御部は、起動時に前記サブ制御部に対して起動状態の問い合わせを行い、所定時間以内にサブ制御部から確認応答がない場合には、サブ制御部の起動異常であると判断する異常判断手段を備え、前記書換実行手段は、前記異常判断手段がサブ制御部に起動異常があると判断した場合に、サブ制御部に対する書換処理を実行することを特徴としている。
したがって、立ち上げ時に自動的にサブ制御部の異常を判断し、異常であれば、サブ制御部の制御プログラムを書き換えることができる。
(5)この発明に係る書換制御回路は、所定の複数のボタンが同時に押下されたことを検知する複数ボタン押下検知手段を備え、前記メイン制御部の書換実行手段は、前記複数ボタン押下検知手段が所定の複数のボタンが同時に押下されたと判断した場合に、サブ制御部に対する書換処理を実行することを特徴としている。
したがって、サブ制御部の制御プログラムがボタンの押下を検出できなくなった場合であっても、当該制御プログラムを書き換えて修復することができる。
(6)この発明に係る制御機器は、CPUを有するメイン制御部とCPUを有するサブ制御部とを有し、サブ制御部の制御プログラムが停止すると、サブ制御部はメイン制御部に対する電力供給を停止するための電源停止信号を出力し、メイン制御部をリセットするためのメインリセット信号をメイン制御部に出力する制御機器において、メイン制御部からサブ制御部に制御プログラムを送信して書き換えを行うため、メイン制御部とサブ制御部との間に設ける書換制御回路であって、
メイン制御部から受けたモード切換信号が書換モードを示している時は、サブ制御部からの電源停止信号の有無に拘わらず電源供給信号を保持するとともに、メイン制御部から受けたモード切換信号が通常モードを示している時は、サブ制御部からの電源停止信号を機能させる電源信号制御手段と、メイン制御部から受けたモード切換信号が書換モードを示している時は、サブ制御部からのメインリセット信号がメイン制御部に与えられないようにするとともに、メイン制御部から受けたモード切換信号が通常モードを示している時は、サブ制御部からのメインリセット信号がメイン制御部に与えられるようにするメインリセット制御手段とを備えている。
したがって、メイン制御部からサブ制御部の制御プログラムを書き換えようとする場合に、メイン制御部がサブ制御部によって電源供給を停止されたりリセットがかけられたりすることがない。すなわち、メイン制御部からの制御によってサブ制御部の制御プログラムを書き換えることが可能となる。
(7)この発明に係る書換事項プログラムは、CPUを有するメイン制御部とCPUを有するサブ制御部とを有し、サブ制御部の制御プログラムが停止すると、サブ制御部はメイン制御部に対する電力供給を停止するための電源停止信号を出力し、メイン制御部をリセットするためのメインリセット信号をメイン制御部に出力する制御機器において、メイン制御部のCPUに下記機能を実現させるための書換実行プログラムであって、通常モードを書換モードに切り換えるための書換モード切換信号を出力する書換モード切換信号出力手段と、前記書換モード切換信号出力手段が書換モード切換信号を出力した後、サブ制御部をリセットするためのサブリセット信号を出力する第1リセット信号出力手段と、前記第1リセット信号出力手段がサブリセット信号を出力した後、信号ラインを介してサブ制御部に制御プログラムを送信するための通信手段と、通信手段による制御プログラムの送信が完了した後、サブ制御部をリセットするためのサブリセット信号を出力する第2リセット信号出力手段と、書換モードを通常モードに切り換えるための通常モード切換信号を出力する通常モード切換信号出力手段とをCPUによって実現するための書換実行プログラムである。
したがって、メイン制御部からの制御によってサブ制御部の制御プログラムを書き換えることが可能となる。
(8)この発明に係る書換方法は、CPUを有するメイン制御部とCPUを有するサブ制御部とを有し、サブ制御部の制御プログラムが停止すると、サブ制御部はメイン制御部に対する電力供給を停止するための電源停止信号を出力し、メイン制御部をリセットするためのメインリセット信号をメイン制御に出力する制御機器において、メイン制御部からサブ制御部のプログラムを書き換える書換方法であって、メイン制御部からサブ制御に対して、通常モードを書換モードに切り換えるための書換モード切換信号、およびサブ制御部をリセットするためのサブリセット信号を出力し、書換モードの間は、サブ制御部からの電源停止信号およびメインリセット信号を機能させないようにし、書換モードにおいて、メイン制御部から、通信ラインを介して、書換対象である制御プログラムを送信し、サブ制御部において当該プログラムを記録することによって書き換えを行い、サブ制御部における書換が終了すると、メイン制御部からサブ制御部に対して、サブ制御部をリセットするためのサブリセット信号、および書換モードを通常モードに切り換えるための通常モード切換信号を出力し、サブリセット信号を受けたサブ制御部からメイン制御部に対するメインリセット信号によって、メイン制御部をリセットすることを特徴としている。
したがって、メイン制御部からサブ制御部の制御プログラムを書き換えようとする場合に、メイン制御部がサブ制御部によって電源供給を停止されたりリセットがかけられたりすることがない。すなわち、メイン制御部からの制御によってサブ制御部の制御プログラムを書き換えることが可能となる。
(9)この発明に係る書換方法は、サブ制御部における書換が終了した後にメイン制御部からサブ制御部に対して出力するサブリセット信号および通常モード切換信号は、サブリセット信号、通常モード切換信号の順に出力することを特徴としている。
したがって、メインCPUが書換処理を行っている間に、メインCPUに対してリセット信号が出力されるおそれがない。
(10)この発明に係る制御機器は、サブ制御部の制御プログラムが停止すると、サブ制御部からの停止指令によってメイン制御部が停止される制御機器において、
メイン制御部とサブ制御部との間に書換制御回路を設け、
前記書換制御回路は、メイン制御部からのモード切換信号が、通常モードを示している間は、サブ制御部からのメイン制御部に対する停止指令を活性化させ、
メイン制御部からのモード切換信号が、書換モードを示している間は、サブ制御部からのメイン制御部に対する停止指令を非活性化させて、メイン制御部の制御によりサブ制御部の制御プログラムを書き換えることを特徴としている。
したがって、メイン制御部からサブ制御部の制御プログラムを書き換えようとする場合に、メイン制御部がサブ制御部によって動作を停止されることがない。すなわち、メイン制御部からの制御によってサブ制御部の制御プログラムを書き換えることが可能となる。
(11)この発明に係る制御機器は、CPUを有するメイン制御部とCPUを有するサブ制御部とを有し、サブ制御部の制御プログラムが停止すると、メイン制御部への電源供給が停止される制御機器において、
メイン制御部とサブ制御部との間に書換制御回路を設け、
前記書換制御回路は、メイン制御部からのモード切換信号が、通常モードを示している間は、サブ制御部からのメイン制御部に対する電源停止指令を活性化させ、メイン制御部からのモード切換信号が、書換モードを示している間は、サブ制御部からのメイン制御部に対する電源停止指令を非活性化させることを特徴としている。
したがって、メイン制御部からサブ制御部の制御プログラムを書き換えようとする場合に、メイン制御部がサブ制御部によって電源供給を停止されることがない。すなわち、メイン制御部からの制御によってサブ制御部の制御プログラムを書き換えることが可能となる。
(12)この発明に係る制御機器は、CPUを有するメイン制御部とCPUを有するサブ制御部とを有し、サブ制御部の制御プログラムが停止すると、メイン制御部への電源供給が停止され、メイン制御部に対してリセットがなされる制御機器において、
メイン制御部とサブ制御部との間に書換制御回路を設け、
前記書換制御回路は、メイン制御部からのモード切換信号が、通常モードを示している間は、サブ制御部からのメイン制御部に対する電源停止信号およびメインリセット信号を機能させ、メイン制御部からのモード切換信号が、書換モードを示している間は、サブ制御部からのメイン制御部に対する電源停止信号およびメインリセット信号を機能させないことを特徴としている。
したがって、メイン制御部からサブ制御部の制御プログラムを書き換えようとする場合に、メイン制御部がサブ制御部によって電源供給を停止されたりリセットがかけられたりすることがない。すなわち、メイン制御部からの制御によってサブ制御部の制御プログラムを書き換えることが可能となる。
この発明において、「制御プログラム」とは、CPUによって何らかの制御を行うプログラムをいう。実施形態では、ファームウエアがこれに該当する。
「書き換え」とは、既に存在するデータの上に上書きをする場合だけでなく、新たに書き込む場合も含む概念である。
「通信手段」とは、少なくともデータを送信または受信するための制御を行う手段をいう。実施形態では、図6のステップS4がこれに対応する。
「書換モード切換信号出力手段」とは、サブ制御部を書換モードに切り換えるための信号を出力するための手段をいう。実施形態では、図6のステップS1がこれに対応する。
「第1リセット信号出力手段」とは、サブ制御部をリセットするための手段をいう。実施形態では、図6のステップS2、S3がこれに対応する。
「第2リセット信号出力手段」とは、サブ制御部をリセットするための手段をいう。実施形態では、図6のステップS6、S8がこれに対応する。
「通常モード切換信号出力手段」とは、サブ制御部を通常モードに切り換えるための信号を出力するための手段をいう。実施形態では、図6のステップS7がこれに対応する。
「リセット手段」とは、メイン制御部をリセットするための手段をいう。実施形態では、図6のステップS10がこれに対応する。
「メインリセット制御手段」とは、サブ制御部からのメインリセット信号をメイン制御部に与えないようにする手段をいう。実施形態では、図4AのOR70、NOT72、74がこれに該当する。
「電源信号制御手段」とは、サブ制御部からの電源停止信号をメイン制御部に与えないようにする手段をいう。実施形態では、図4AのOR76、NOT72、74がこれに該当する。
「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む概念である。
発明を実施するための形態
1.全体構成
図2に、この発明の一実施形態による書換制御回路を有する制御機器の機能ブロック図を示す。メイン制御部3、サブ制御部5は、ともにCPUを備えている。メイン制御部3とサブ制御部5との間には、書換制御回路30が設けられている。サブ制御部5には、CPUによって制御を行うためのファームウエアが記録されている。
サブ制御部5のファームウエアの書換を行う場合には、メイン制御部3の書換モード切換信号出力手段44は、サブ制御部5に対して、書換モード切換信号を出力する。また、メイン制御部3の第1リセット信号出力手段46は、サブ制御部5に対して、第1リセット信号を出力する。
これを受けて、サブ制御部5は、通常モードから書換モードに入る。書換モードに入ると、サブ制御部5のファームウエアは、その処理を停止する。ファームウエアの動作中に当該ファームウエアを書き換えることはできないからである。
なお、サブ制御部5のファームウエアは、通常モードにおいては、メイン制御部をリセットしたり、その電源供給を制御したりしている。ここで、ファームウエアが停止すると、メインリセット信号および電源停止信号が出力されることになる。
サブ制御部5から出力されたメインリセット信号および電源停止信号は、書換制御回路30に与えられる。書換制御回路30のメインリセット制御手段32および電源信号制御手段34は、書換モード中においては、受け取ったメインリセット信号および電源停止信号を、メイン制御部3、メイン電源12に与えないように制御している。したがって、書換モードにおいて、メイン制御部3が停止したりリセットされたりすることがなく、メイン制御部3による書換処理を続行することができる。
次に、メイン制御部3の通信手段42は、通信ラインを介して、ファームウエアのデータをサブ制御部5に送信する。サブ制御部5は、このファームウエアのデータを受けて、元からあったファームウエアと置き換えて記録し、書き換えを行う。
書き換えが終了すると、メイン制御部3の第2リセット信号出力手段48は、第2リセット信号をサブ制御部5に与える。また、メイン制御部3の通常モード切換信号出力手段50は、通常モード切換信号をサブ制御部5に与える。
これを受けて、サブ制御部3は、書換モードから通常モードに入る。通常モードにて立ち上がったサブ制御部5は、メインリセット信号を出力する。このメインリセット信号は、書換制御回路30のメインリセット制御手段32に与えられる。メインリセット制御手段32は、通常モードにおいては、受け取ったメインリセット信号をメイン制御部3に伝える。したがって、メイン制御部3のリセット手段52は、このメインリセット信号を受けて、メイン制御部3のリセット動作を行い、初期状態にする。
上記のようにして、サブ制御部5のファームエアを書き換えた後、通常モードにて立ち上げることができる。なお、通常モードに入った後は、書換制御回路30のメインリセット制御手段は、サブ制御部5からのメインリセット信号をメイン制御部3に与え、電源信号制御手段34は、サブ制御部5からの電源停止信号をメイン電源12に与える。したがって、電源スイッチが押下されたことによるスタンバイ状態および起動処理を行うことができる。
なお、この実施形態では、通信手段42、書換モード切換信号出力手段44、第1リセット信号出力手段46、第2リセット信号出力手段48、通常モード切換信号出力手段50によって、書換実行手段が構成されている。
2.ハードウエア構成
図3に、制御機器のハードウエア構成を示す。この実施形態においては、メインCPU2とサブCPU4との間に、書換制御回路30を設けている。書換制御回路30の詳細を図4Aに示す。また、システムリセット回路8の詳細を図4Bに示す。
サブCPU4に接続(または内蔵)されたフラッシュROM26には、ファームウエアが記録されている。サブCPU4は、通常モードにおいてこのファームウエアに従って、各ボタンの押下検出などの処理を行う。サブCPU4によって検出されたボタン押下の情報は、ファームウエアの処理によって、UARTプロトコルによるUART信号として通信ライン80を介してメインCPU2に伝えられる。
メインCPU2に接続されたROM/RAM(記録部)10には、再生などの制御を行う処理プログラムが記録されている。この処理プログラムは、サブCPU4からのボタン押下情報に従って、当該ボタンに対応する処理を実行する。
また、この実施形態においては、ハードディスク14に、フラッシュROM26のファームウエアを書き換えるための書換制御プログラムが記録されている。
メインCPU2のメモリやコアには、スタンバイ電源が供給され、周辺機器への入出力端子にはメイン電源が供給される。
3.ファームエア書換時の処理
図6、図7に、メインCPU2のハードディスク14に記録された書換制御プログラムのフローチャートおよびサブCPU4の動作フローチャートを示す。なお、書換処理においては、サブCPU4はファームウエアではなく、ハードウエアによって動作を行う。
書換処理が開始されると、メインCPU2は、モード切換信号PA5を「L」にする(ステップS1)。モード切換信号PA5が「H」なら通常モード、「L」なら書換モードを示す。このモード切換信号PA5「L」は、図4Aの書換制御回路30のNOT72によって反転され、モード切換信号FLMOD「H」として、サブCPU4に与えられる(ステップS11)。
サブCPU4は、モード切換信号FLMODが「L」の時にリセットがかけられると通常モード、「H」の時にリセットがかけられると書換モードとなる。
次に、メインCPU2は、サブリセット信号TXD1を「L」にする(ステップS2)。この実施形態では、サブリセット信号TXD1が「L」から「H」に変わった時点において、CPU2のリセットを行えるようにしている。このサブリセット信号TXD1「L」は、書換制御回路30のNOT74、NOT78を介して、サブリセット信号〜RSTとしてサブCPU4に与えらえる。なお、この明細書において、「〜」は反転論理を示す。
サブCPU4は、サブリセット信号〜RSTが「L」から「H」に変わったときにリセット処理を実行する。ここでは、サブリセット信号〜RST「L」が与えられただけであるから、まだリセットは行わない。なお、サブCPU4は、サブリセット信号〜RST「L」を受けて、ファームウエアを停止する(ステップS12)。
このようにファームウエアを停止すると、サブCPU4のメインリセット信号〜OCI_RSTは「L」に、少し遅れて電源制御信号POWER_ONは「L」になる(ステップS13)。
メインリセット信号XRSTが「L」から「H」に変化するとメインCPU2はリセットされるようになっている。また、メイン電源12は、電源制御信号POWER_ONが「L」になると、メインCPU2への電力供給を停止するようになっている。したがって、サブCPU4のメインリセット信号〜OCI_RST「L」、電源制御信号POWER_ON「L」が、そのまま、メインCPU4、メイン電源12に与えられると、メインCPU2が停止し、書換処理の続行ができなくなってしまう。そこで、この発明では以下のようにして、サブCPU4によるメインリセット信号〜OCI_RST「L」、電源制御信号POWER_ON「L」をブロックし、機能しないようにしている。
メインリセット信号〜OCI_RST「L」、電源制御信号POWER_ON「L」は、書換制御回路30のOR70、OR76にそれぞれ与えられる。今、メインCPU2からモード切換信号PA5「L」、サブリセット信号TXD1「L」が与えられており、これらの反転信号「H」が、それぞれ、OR70、OR76に与えられている。したがって、メインリセット信号〜OCI_RSTが「L」、電源制御信号POWER_ONが「L」になっても、電源制御回路30のメインリセット信号XRST(OR70の出力)、電源制御信号P−ON(OR76の出力)は、「H」を維持し続ける。このようにして、書換モードにおいては、サブCPU4によるメインリセット信号〜OCI_RST「L」、電源制御信号POWER_ON「L」を機能しないようにしている。
次に、メインCPU2は、サブリセット信号TXD1を「H」にする(ステップS3)。このサブリセット信号TXD1「H」は、書換制御回路30により、サブリセット信号〜RST「H」として、サブCPU4に与えられる。したがって、サブCPU4はリセット動作を行う。この時、モード切換信号FLMODが「H」であることから、書換モードにて立ち上がる(ステップS14)。
以上の処理について各信号のタイムチャートを図5の左側に示す。このタイムチャートからも明らかなように、サブCPU4からのメインリセット信号〜OCI_RST、電源制御信号POWER_ONが「L」になっているにも拘わらず、メインリセット信号XRST、電源制御信号P−ONは、「H」のまま維持されていることがわかる。
続いて、メインCPU2は、書換のためのファームウエアデータ(たとえば、バージョンアップされたファームウエアのデータ)を、ハードディスク14、CD−ROM16などから読み出して、通信ライン80を介してサブCPU4に送信する(ステップS4)。なお、書換モードになったサブCPU4は、ファームウエアが動作していないため、通信ライン80における通信にUARTプロトコルを用いることはできない。したがって、CPU2の側においても、サブCPU4の用いることの可能なTX/RXモードにて通信を行うことになる。
ファームウエアの書換データを受信したサブCPU4は、これをフラッシュROM26に記録するように制御する(ステップS15)。このようにして、ファームウエアの書換が行われる。
メインCPU2は、書換のためのデータを全て送信したかどうかを判断する(ステップS5)。つまり、最後の書換データを受信したことをサブCPU4から知らされたかどうかを判断する。
書換のためのデータを全て送信し終わると、メインCPU2は、サブリセット信号TXD1を「L」にする(図7のステップS6)。このサブリセット信号TXD1「L」は、書換制御回路30によってサブリセット信号〜RST「L」としてサブCPU4に与えられる(ステップS16)。サブCPU4は、サブリセット信号〜RSTが「L」から「H」になるとリセットされるようになっている。したがって、この時点では、サブCPU4はリセットされない。
続いて、メインCPU2は、モード切換信号PA5を「H」にする(ステップS7)。このモード切換信号PA5「H」は、書換制御回路30のNOT72によって反転され、モード切換信号FLMOD「L」とされて、サブCPU4に与えられる。
次に、メインCPU2は、サブリセット信号TXD1を「H」にする(ステップS8)。このサブリセット信号TXD1「H」は、書換制御回路30を介して、サブリセット信号TXD1「H」として、サブCPU4に与えられる。サブCPU4は、これを受けてリセットを行う。なお、この時、モード切換信号FLMODは「L」であるから、サブCPU4は通常モードにて立ち上がる(ステップS18)。そして、書き換えられたファームウエアが起動する(ステップS19)。
また、メインCPU2が、上記のようにモード切換信号PA5を「H」にし、サブリセット信号TXD1を「H」にすると、書換制御回路30のOR70の入力b、入力c、OR76の入力d、入力eが「L」となる。これにより、サブCPU4からのメインリセット信号〜OCI_RSTおよび電源制御信号POWER_ONのブロックは解除される。つまり、サブCPU4からのメインリセット信号〜OCI_RST、電源制御信号POWER_ONが、そのまま、メインリセット信号XRST、電源制御信号P−ONとして、書換制御回路30から出力されることになる。
したがって、図5の時刻t5に示すように、書換制御回路30からは、メインリセット信号XRSTが「L」(ステップS9)、電源制御信号P−ONが「L」として出力される。これにより、メインCPU2に対する電力供給は遮断される。
サブCPU4が立ち上がると、サブCPU4は、電源制御信号POWER_ONを「H」にする(ステップS20)。これにより、書換制御回路30から、電源制御信号P−ON「H」が出力され、メインCPU2に対して電力が供給される。
所定時間経過後(図5の時刻t6)、サブCPU4は、メインリセット信号〜OCI_RSTを「H」にする(ステップS21)。これにより、書換制御回路30から、メインリセット信号XRSTが「H」として出力される。これを受けて、メインCPU2は、リセット動作を行った後、初期状態にて立ち上がる(ステップS10)。そして、通常の処理プログラムが起動する(ステップS10a)。
以上のようにして、サブCPU4のファームウエアの書き換えが行われた後、システム全体が初期化されて立ち上がる。
上記において、メインCPU2は、書換終了後、信号TXD1を「L」、信号PA5を「H」、信号TXD1を「H」の順に出力している。この順序を逆にすると、メインリセット信号XRST「L」、電源制御信号P−ON「L」が出力されてしまうからである。
4.通常モードにおける処理
図8に、通常モードにおける処理のうち、電源ボタンが押下された場合の処理を示す。図においては、サブCPU4のファームウエアと、メインCPU2のフローチャートを示している。
機器に電源が供給されている状態(メイン電源12から電力が供給されている状態)において、ユーザが電源ボタン(図1参照)を押下すると、サブCPU4がこれを検知する(ステップS51)。これにより、サブCPU4は、電源制御信号POWER_ONを「L」にする(ステップS52)。
通常の動作状態においては、メインCPU2は、モード切替信号PA5を「H」にし、サブリセット信号TXD1を「H」にしている。したがって、書換制御回路30のOR70、OR76は、電源制御信号POWER_ON「L」を、そのまま、電源制御信号P−ON「L」として出力する。これにより、メイン電源12は周辺機器(HDD、CD−ROM、LAN)に対する電力供給を停止するので、周辺機器は停止する。
ただし、スタンバイ電源6は停止せずにサブCPU4に対する電力供給を続ける。したがって、サブCPU4は、電源ボタンが押下されたかどうかを検知することができる(ステップS53)。
再び電源ボタンが押下されると、サブCPU4は、電源制御信号POWER_ONを「H」にする(ステップS54)。
通常、メインCPU2によってモード切替信号PA5は「H」、サブリセット信号TXD1は「H」となっている。したがって、書換制御回路30のOR70、OR76は、サブCPU4からの電源制御信号POWER_ON「H」を、そのまま、電源制御信号P−ON「H」として出力する。これにより、メイン電源12はメインCPU2の入出力端子と周辺機器に対する電力供給を開始する。また、メインCPU2は、UARTでサブCPU4から起動命令を受信後、立ち上がる(ステップS61)。
以上のように、通常モードにおいては、書換制御回路30は、電源制御信号POWER_ONを、そのまま、電源制御信号P−ONとして出力する。
なお、電源プラグがコンセントから抜かれた場合(あるいは電源ラインのスイッチをオフにした場合)には、メイン電源12だけでなく、スタンバイ電源6も電力の供給を停止し、完全に機器の動作が停止する。
再び電源プラグをコンセントに差し込むと、図4Bに示すリセットIC60がサブリセット信号〜RESETを「L」から「H」に変化させる。このサブリセット信号〜RESETは、図4Aの書換制御回路30のNOT78の出力に結合されている。つまり、サブリセット信号〜TXD1とワイヤードORがとられ、サブリセット信号〜RSTが出力されている。したがって、電源プラグをコンセントに差し込むと、サブリセット信号〜RSTが「L」から「H」に変わり、サブCPU4がリセットされる。そして、ファームウエアが起動して、メインリセット信号〜OCI_RSTが出力され、メインリセット信号XRSTが生成されて、メインCPU2がリセットされる。このようにして、システムが初期化されて起動する。
5.異常自動検出と書換処理
上記の実施形態においては、たとえば、ユーザがボタンを操作し、機器のディスプレイに表示されるメニューにしたがって、ファームウエア書換処理を選択することによって、これを実行することができる。
しかしながら、ファームウエアが動作不良になったり、書き換えに失敗したような場合には、ユーザのボタン操作をサブCPU4が認識することができない。したがって、ボタン操作を認識させるためにファームウエアを再書き込みしようとしても、サブCPU4がボタン操作を認識できないため、ファームウエア書換処理を実行することができない。
そこで、この実施形態では、図9に示すようなハードウエア回路を設け、サブCPU4がボタン操作を認識できなくとも、メインCPU2をリセットして、ハードディスク14の書換制御プログラムを立ち上げることができるようにしている。
信号K0、K1、K2は、それぞれ、機器のボタンSTANBY/ON、ボタンENTER、ボタンCD_STOPが押下されると「L」になる。押下されていないときは、「H」である。
論理回路90は、信号K1、K2がともに「L」の場合に出力を「L」とし、それ以外の場合には出力を「H」にする。バッファ92、94,96、98、100、102、104、106の出力は、「H」でない場合にはフローティング状態になっている。これは、平常時には、本回路が他に影響を与えることが無いようにするためである。
立上モード信号BOOT_MODEは、メインCPU2に与えられている。立上モード信号BOOT_MODEが「H」の時にメインCPU2にリセットがかけられると、ハードディスク14が起動デバイスとして選択される。立上モード信号BOOT_MODEが「L」の時にメインCPU2が立ち上げられると、CD−ROM16が起動デバイスとして選択される。
ファームウエアが壊れてサブCPU4がボタン押下を認識しなくなった場合には、インストールプログラムが記録されたCD−ROM16をドライブに挿入する。次に、ボタンSTANBY/ON、ボタンENTER、ボタンCD_STOPを同時に押下しながら、プラグをコンセントに差し込む。
ボタンENTER、ボタンCD_STOPが押下されているため、信号K1、K2は「L」となり、論理回路90の出力も「L」となる。したがって、全てのバッファ92、94、96、98、100、102、104、106が開き、入力側の信号が出力側に伝えられる。
プラグが差し込まれることによりVccが「H」となり、電源制御信号P_ONが「H」となって、メインCPU2に電力が供給される。続いて、遅延回路108による遅延時間の後、メインリセット信号XRSTが「H」となり、メインCPU2がリセット後、起動される。
ここで、ボタンSTANBY/ONが押されているので、立上モード信号BOOT_MODEは「L」である。したがって、メインCPU2は、ROM/RAM10のBIOSによって、CD−ROM16から立ち上がることになる。
CD−ROM16には、メインCPU2のための処理プログラムおよびサブCPU4のためのファームウエアをインストールするためのインストールプログラムが記録されている。したがって、メインCPU2は、まず処理プログラムを、ハードディスク14に記録してインストールする。続いて、メインCPU2は、ファームウエアを、フラッシュROM26に記録してインストールする。このファームウエアのインストールは、前述の書換処理と同様にして実現することができる。
上記のようにして、ファームウエアが壊れた場合にも、ファームウエアの書換を実行することが可能である。
また、工場での機器の組み立て時には、ファームウエア、書換制御プログラム、処理プログラムなどが記録されていない状態である。この場合にも、上記の手順によって、処理プログラム、ファームウエアをインストールすることができる。つまり、特別な機器を用いることなく、処理プログラム、ファームウエアなどのインストールを実行することが可能である。
6.起動時の自動判断
他の実施形態として、機器の立ち上げ時に、サブCPU4のファームウエアの異常を自動検出し、異常がある場合には書換を行うようにしてもよい。この場合の、サブCPU4の立上時のBIOSの処理フローチャートと、メインCPU2の処理プログラムの処理フローチャートを、図10に示す。この実施形態では、機器の立ち上げ時に、メインCPU2からサブCPU4に対し、正常に立ち上がったか否かを問い合わせるようにしている。サブCPU4が正常に立ち上がらなかった場合には、メインCPU2は、前述のファームウエア書き換え処理を実行して、サブCPU4のファームウエアを書き換える。
図10Aが正常に立ち上がった場合である。電源を投入すると、サブCPU4がリセットされ起動状態に入る(ステップS101)。その後メインCPU2がリセットされる(ステップS201)。メインCPU2は、まず、サブCPU4に対し、通信ライン80を使用して起動状態の問い合わせを行う(ステップS202)。サブCPU4は、正常に起動を完了していれば、通信ライン80を介してメインCPU2に確認信号を送り返す(ステップS102)。この確認信号が、所定時間内に返ってくれば、メインCPU2は、通常動作に移行する(ステップS203)。
図10Bが、サブCPU4の立ち上がりに異常がある場合である。ファームウエアの破壊などによってサブCPU4の立ち上がりに異常があると、所定時間内に返答ができない(ステップS104、S105)。メインCPU2は、このように所定時間内にサブCPU4からの返答がないことにより、異常を検知することができる(ステップS204)。
異常を検知すると、メインCPU2は、前述のファームウエア書換処理を開始し(ステップS205)、サブCPU4のファームウエアを書き換える(ステップS206)。なお、書き換えのためのファームウエアは、ハードディスク14にあらかじめ記録しておく。たとえば、前述のインストール時に、ハードディスク14に記録しておくとよい。メインCPU2は、ハードディスク14からファームウエアのデータを読み出して、サブCPU4に送信する。書換が終了すると(ステップS206)、メインCPU2は、サブCPU4をリセットした後、通常動作を実行する(ステップS109、S208)。
上記のようにして、ファームウエアが壊れた場合であっても自動的にこれを修復して、正常に立ち上げることができる。
なお、サブCPU4の動作不良によって、サブCPU4がメインCPU2をリセットしない場合には、上記の処理は実行できない。このような場合には、ボタンENTER、ボタンCD_STOPを同時に押下しながら、プラグをコンセントに差し込む(図9参照)。これにより、メインCPU2がリセットされ、ハードディスク14から起動が行われる(ボタンSTANBY/ONが押下されていないためである)。これにより、CPU2は、図10BのステップS202の起動状態問い合わせ以下の処理を実行する。したがって、サブCPU4に不具合があっても、ファームウエアの書換処理を実行することができる。
7.その他の実施形態
上記実施形態では、オーディオ機器、DVD再生機器、TV機器などを例として説明したが、サブCPUがメインCPUの電源、リセットなどを制御している様な機器全般に適用することができる。
また、サブCPUがメインCPUの電源、リセットを制御している機器を例として説明した。つまり、電源停止信号、メインリセット信号をメイン制御部に対する停止指令として説明した。しかし、電源停止信号、メインリセット信号以外の停止指令(たとえば、入出力禁止信号など)を有する機器にも適用することができる。
また、上記実施形態では、サブCPUがメインCPUの電源、リセットの双方を制御している場合について説明した。しかし、サブCPUがメインCPUの電源だけを制御している場合や、リセットだけを制御している場合にも適用することができる。
上記実施形態では、書換制御回路30をハードウエアのみによって実現した。しかし、その機能の一部または全部をソフトウエアによって実現してもよい。
従来の制御機器のハードウエア構成を示す図である。 この発明の一実施形態による制御機器の機能ブロック図である。 この発明の一実施形態による制御機器のハードウエア構成である。 図4Aは書換制御回路の回路図、図4Bはシステムリセット回路の回路図である。 制御機器の動作を示すタイムチャートである。 ファームウエア書換処理のフローチャートである。 ファームウエア書換処理のフローチャートである。 通常モードにおける電源ボタン処理を示すフローチャートである。 ボタン押下によって立ち上げを行うための回路である。 サブCPU4の異常を自動的に判断し、ファームウエアの書換を行う処理のフローチャートである。
符号の説明
3・・・メイン制御部
5・・・サブ制御部
30・・・書換制御回路
42・・・通信手段
44・・・書換モード切換信号出力手段
46・・・第1リセット信号出力手段
48・・・第2リセット信号出力手段
50・・・通常モード切換信号出力手段
52・・・リセット手段

Claims (12)

  1. CPUを有するメイン制御部とCPUを有するサブ制御部とを有し、サブ制御部の制御プログラムが停止すると、サブ制御部はメイン制御部に対する電力供給を停止するための電源停止信号を出力する制御機器において、
    メイン制御部とサブ制御部との間に書換制御回路を設け、
    メイン制御部は書換実行手段を有しており、
    当該メイン制御部の書換実行手段は、
    通常モードを書換モードに切り換えるための書換モード切換信号を出力する書換モード切換信号出力手段と、
    前記書換モード切換信号出力手段が書換モード切換信号を出力した後、サブ制御部をリセットするためのサブリセット信号を出力する第1リセット信号出力手段と、
    前記第1リセット信号出力手段がサブリセット信号を出力した後、信号ラインを介してサブ制御部に制御プログラムを送信するための通信手段と、
    通信手段による制御プログラムの送信が完了した後、サブ制御部をリセットするためのサブリセット信号を出力する第2リセット信号出力手段と、
    書換モードを通常モードに切り換えるための通常モード切換信号を出力する通常モード切換信号出力手段と、
    を備え、
    当該書換制御回路は、
    メイン制御部から受けたモード切換信号が書換モードを示している時は、サブ制御部からの電源停止信号の有無に拘わらず電源供給信号を保持するとともに、メイン制御部から受けたモード切換信号が通常モードを示している時は、サブ制御部からの電源停止信号を機能させる電源信号制御手段を備えたこと
    を特徴とする制御機器。
  2. CPUを有するメイン制御部とCPUを有するサブ制御部とを有し、サブ制御部の制御プログラムが停止すると、サブ制御部はメイン制御部に対する電力供給を停止するための電源停止信号を出力し、メイン制御部をリセットするためのメインリセット信号をメイン制御部に出力する制御機器において、
    メイン制御部とサブ制御部との間に書換制御回路を設け、
    メイン制御部は書換実行手段を有しており、
    当該メイン制御部の書換実行手段は、
    通常モードを書換モードに切り換えるための書換モード切換信号を出力する書換モード切換信号出力手段と、
    前記書換モード切換信号出力手段が書換モード切換信号を出力した後、サブ制御部をリセットするためのサブリセット信号を出力する第1リセット信号出力手段と、
    前記第1リセット信号出力手段がサブリセット信号を出力した後、信号ラインを介してサブ制御部に制御プログラムを送信するための通信手段と、
    通信手段による制御プログラムの送信が完了した後、サブ制御部をリセットするためのサブリセット信号を出力する第2リセット信号出力手段と、
    書換モードを通常モードに切り換えるための通常モード切換信号を出力する通常モード切換信号出力手段と、
    を備え、
    当該書換制御回路は、
    メイン制御部から受けたモード切換信号が書換モードを示している時は、サブ制御部からの電源停止信号の有無に拘わらず電源供給信号を保持するとともに、メイン制御部から受けたモード切換信号が通常モードを示している時は、サブ制御部からの電源停止信号を機能させる電源信号制御手段と、
    メイン制御部から受けたモード切換信号が書換モードを示している時は、サブ制御部からのメインリセット信号がメイン制御部に与えられないようにするとともに、メイン制御部から受けたモード切換信号が通常モードを示している時は、サブ制御部からのメインリセット信号がメイン制御部に与えられるようにするメインリセット制御手段と、
    を備えた制御機器。
  3. 請求項1または2の制御機器において、
    前記メイン制御部の通信手段は、通常モードにおいてUARTラインとして用いられているラインを、書換モードにおける書換データの通信ラインとして共用することを特徴とする制御機器。
  4. 請求項1〜3のいずれかの制御機器において、
    前記メイン制御部は、起動時に前記サブ制御部に対して起動状態の問い合わせを行い、所定時間以内にサブ制御部から確認応答がない場合には、サブ制御部の起動異常であると判断する異常判断手段を備え、
    前記書換実行手段は、前記異常判断手段がサブ制御部に起動異常があると判断した場合に、サブ制御部に対する書換処理を実行することを特徴とする制御機器。
  5. 請求項1〜4のいずれかの制御機器において、
    所定の複数のボタンが同時に押下されたことを検知する複数ボタン押下検知手段を備え、
    前記メイン制御部の書換実行手段は、前記複数ボタン押下検知手段が所定の複数のボタンが同時に押下されたと判断した場合に、サブ制御部に対する書換処理を実行することを特徴とする制御機器。
  6. CPUを有するメイン制御部とCPUを有するサブ制御部とを有し、サブ制御部の制御プログラムが停止すると、サブ制御部はメイン制御部に対する電力供給を停止するための電源停止信号を出力し、メイン制御部をリセットするためのメインリセット信号をメイン制御部に出力する制御機器において、メイン制御部からサブ制御部に制御プログラムを送信して書き換えを行うため、メイン制御部とサブ制御部との間に設ける書換制御回路であって、
    メイン制御部から受けたモード切換信号が書換モードを示している時は、サブ制御部からの電源停止信号の有無に拘わらず電源供給信号を保持するとともに、メイン制御部から受けたモード切換信号が通常モードを示している時は、サブ制御部からの電源停止信号を機能させる電源信号制御手段と、
    メイン制御部から受けたモード切換信号が書換モードを示している時は、サブ制御部からのメインリセット信号がメイン制御部に与えられないようにするとともに、メイン制御部から受けたモード切換信号が通常モードを示している時は、サブ制御部からのメインリセット信号がメイン制御部に与えられるようにするメインリセット制御手段と、
    を備えた書換制御回路。
  7. CPUを有するメイン制御部とCPUを有するサブ制御部とを有し、サブ制御部の制御プログラムが停止すると、サブ制御部はメイン制御部に対する電力供給を停止するための電源停止信号を出力し、メイン制御部をリセットするためのメインリセット信号をメイン制御部に出力する制御機器において、メイン制御部のCPUに下記機能を実現させるための書換実行プログラムであって、
    通常モードを書換モードに切り換えるための書換モード切換信号を出力する書換モード切換信号出力手段と、
    前記書換モード切換信号出力手段が書換モード切換信号を出力した後、サブ制御部をリセットするためのサブリセット信号を出力する第1リセット信号出力手段と、
    前記第1リセット信号出力手段がサブリセット信号を出力した後、信号ラインを介してサブ制御部に制御プログラムを送信するための通信手段と、
    通信手段による制御プログラムの送信が完了した後、サブ制御部をリセットするためのサブリセット信号を出力する第2リセット信号出力手段と、
    書換モードを通常モードに切り換えるための通常モード切換信号を出力する通常モード切換信号出力手段と、
    をCPUによって実現するための書換実行プログラム。
  8. CPUを有するメイン制御部とCPUを有するサブ制御部とを有し、サブ制御部の制御プログラムが停止すると、サブ制御部はメイン制御部に対する電力供給を停止するための電源停止信号を出力し、メイン制御部をリセットするためのメインリセット信号をメイン制御に出力する制御機器において、メイン制御部からサブ制御部のプログラムを書き換える書換方法であって、
    メイン制御部からサブ制御に対して、通常モードを書換モードに切り換えるための書換モード切換信号、およびサブ制御部をリセットするためのサブリセット信号を出力し、
    書換モードの間は、サブ制御部からの電源停止信号およびメインリセット信号を機能させないようにし、
    書換モードにおいて、メイン制御部から、通信ラインを介して、書換対象である制御プログラムを送信し、サブ制御部において当該プログラムを記録することによって書き換えを行い、
    サブ制御部における書換が終了すると、メイン制御部からサブ制御部に対して、サブ制御部をリセットするためのサブリセット信号、および書換モードを通常モードに切り換えるための通常モード切換信号を出力し、
    サブリセット信号を受けたサブ制御部からメイン制御部に対するメインリセット信号によって、メイン制御部をリセットすること
    を特徴とするプログラムを書き換える書換方法。
  9. 請求項8の書換方法において、
    サブ制御部における書換が終了した後にメイン制御部からサブ制御部に対して出力するサブリセット信号および通常モード切換信号は、サブリセット信号、通常モード切換信号の順に出力すること
    を特徴とする書換方法。
  10. サブ制御部の制御プログラムが停止すると、サブ制御部からの停止指令によってメイン制御部が停止される制御機器において、
    メイン制御部とサブ制御部との間に書換制御回路を設け、
    前記書換制御回路は、
    メイン制御部からのモード切換信号が、通常モードを示している間は、サブ制御部からのメイン制御部に対する停止指令を活性化させ、
    メイン制御部からのモード切換信号が、書換モードを示している間は、サブ制御部からのメイン制御部に対する停止指令を非活性化させて、メイン制御部の制御によりサブ制御部の制御プログラムを書き換えること
    を特徴とする制御機器。
  11. CPUを有するメイン制御部とCPUを有するサブ制御部とを有し、サブ制御部の制御プログラムが停止すると、メイン制御部への電源供給が停止される制御機器において、
    メイン制御部とサブ制御部との間に書換制御回路を設け、
    前記書換制御回路は、
    メイン制御部からのモード切換信号が、通常モードを示している間は、サブ制御部からのメイン制御部に対する電源停止指令を活性化させ、
    メイン制御部からのモード切換信号が、書換モードを示している間は、サブ制御部からのメイン制御部に対する電源停止指令を非活性化させること、
    を特徴とする制御機器。
  12. CPUを有するメイン制御部とCPUを有するサブ制御部とを有し、サブ制御部の制御プログラムが停止すると、メイン制御部への電源供給が停止され、メイン制御部に対してリセットがなされる制御機器において、
    メイン制御部とサブ制御部との間に書換制御回路を設け、
    前記書換制御回路は、
    メイン制御部からのモード切換信号が、通常モードを示している間は、サブ制御部からのメイン制御部に対する電源停止信号およびメインリセット信号を機能させ、
    メイン制御部からのモード切換信号が、書換モードを示している間は、サブ制御部からのメイン制御部に対する電源停止信号およびメインリセット信号を機能させないこと、
    を特徴とする制御機器。
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