JP2008191148A - 光学キャビティ出力光から情報を獲得する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学キャビティ出力光の各モードからの情報を包含する種々の技術を提供する。
【解決手段】上記課題を解決する方法は、一群のひとつ以上のモードにおいて光を提供し得る光学キャビティからの出力光を感光する段階であって、一群のモードの内のひとつ以上のモードに対して上記出力光は夫々の強度関数を含み、上記各モードの内の少なくともひとつのモードの強度関数は上記光学キャビティ内に存在する検体の光学特性または上記光学キャビティの領域の光学特性に関する情報を含むという感光段階を備え、上記出力光を感光する段階は、上記光学特性に依存する電気信号を提供する段階と、上記電気信号を使用して上記検体または上記領域に関する情報を獲得する段階とを備えて成る。
【選択図】図4

Description

本発明は、光学キャビティ出力光から情報を獲得する方法に関する。
2005年の化学および生命科学に対する小型システムに関する第9回国際会議記録、第464〜466頁におけるリァング・エックス・ジェー(Liang X. J.)による“癌診断用途のためのバイオフォトニック・チップを用いた単一生細胞の屈折率測定(Refractive Index Measurement of Single Living Cell Using a Biophotonic Chip for Cancer Diagnosis Applications)”という論文は、単一生細胞の屈折率測定を実施する技術を記述している。
「Refractive Index Measurement of Single Living Cell Using a Biophotonic Chip for Cancer Diagnosis Applications 」2005年 化学および生命科学に対する小型システムに関する第9回国際会議記録、第464〜466頁
本発明は、光学キャビティ出力光の各モードからの情報を包含する種々の技術を提供する。
本発明に係る方法は、一群のひとつ以上のモードにおいて光を提供し得る光学キャビティからの出力光を感光する段階であって、一群のモードの内のひとつ以上のモードに対して上記出力光は夫々の強度関数を含み、上記各モードの内の少なくともひとつのモードの強度関数は上記光学キャビティ内に存在する検体の光学特性または上記光学キャビティの領域の光学特性に関する情報を含むという感光段階を備え、
上記出力光を感光する段階は、
上記光学特性に依存する電気信号を提供する段階と、
上記電気信号を使用して上記検体または上記領域に関する情報を獲得する段階とを備えて成ること、
光学キャビティを使用する方法である。
本発明に係る他の方法は、各モードが夫々の強度関数を有する一群のひとつ以上のモードにおいて光を提供し得る光学キャビティからの出力光を感光する段階であって、上記光学キャビティ内にはサンプルが存在するという段階を備え、
上記出力光を感光する段階は、
上記サンプル内に検体が存在するか否かに依存して電気信号を提供する段階であって、上記検体が存在するならば該検体の光学特性は上記一群のひとつ以上のモードの内の少なくともひとつのモードの夫々の強度関数に影響し、上記電気信号は上記強度関数の特徴を表すという段階と、
上記電気信号を使用し、上記サンプル内における上記検体の存在に関する情報を獲得する段階とを備えて成る、
光学キャビティを使用する方法である。
図1におけるシステム10は、光学キャビティ構成要素12、感光構成要素14および情報獲得構成要素16を含んでいる。構成要素12は、光学キャビティ20を含む。
“光学キャビティ”という用語は、複数個の光反射構成要素により少なくとも部分的に境界付けられた光透過領域を指しており、該光透過領域内において光の測定可能部分は該領域と交差して2回以上反射される。
光学キャビティ出力光からの情報、特に光学特性に関する情報を獲得する上では問題が生ずる。嵩高くて高価な機器なしで、光学特性に関する高解像度情報を迅速に獲得することは困難である。同様に、僅かな吸収量変化を検出するためには光と検体との間における長寸の相互作用長さが必要とされることで、大寸のサンプル・チャンバおよび大量の検体が必要とされてきた。光学系のノイズの故に、正確な情報を獲得することが困難なこともある。ひとつの光学特性に対する技術は通常、別の光学特性に対しては適合しない。
光学キャビティは、夫々の出力光エネルギの部分的レンジに対して複数の“モード”を有し得、透過された出力光のモードは“透過モード”であり、反射された出力光のモードは“反射モード”である。
検体は、光学キャビティの光透過領域の全てまたは一部内に在るときに、該光学キャビティ“内に存在する”。“検体により影響された出力光”は、検体の光学特性の故に、検体が不在の場合と検体が存在する場合とでは一定様式で異なる。
当該領域がキャビティの光透過領域の全てまたは一部であれば、キャビティは“領域を含んでいる”。
図1におけるキャビティ20は、検体22または領域24を含み得ると共に、グラフにおいて曲線26により表された出力光モード、すなわち3つのモードに対する“強度関数”を有しており、各モードの出力光はたとえば光子エネルギまたは位置の関数であることが意味される。
たとえば透過モードにおいて強度関数の形状および特徴としては、“ピーク”、すなわち最大値を備えた形状が挙げられ、該形状はこの最大値から急峻に下方へと傾斜する。ピークの特徴としては、強度が光子エネルギの関数であって上記最大値のエネルギを意味するという“中心エネルギ”と、絶対的なものであるか又はたとえば近傍最小値などの別の特徴に相対するものであるかを問わずに上記最大値における強度であるという“最大強度”と、上記最大強度と近傍最小値との間の関係を表す“コントラスト”と、最大値と近傍最小値との間の強度におけるピーク幅であるという例えば半値全幅(FWHM)などの“中間強度幅”とが挙げられる。コントラスト比としては、たとえば、測定された最大値が分子であるならば分母は近傍最小値であり得、最大値と最小値との間における50%または1/eの強度差の如き明確な非最小点、および/または、たとえば左右における2つの近傍最小値(または明確な非最小点同士)の、もしくは、近傍の反射モード最大値同士の強度などの平均値が挙げられる。
たとえば光学特性などの、検体22または領域24に関する情報は、たとえば曲線28における如く中心エネルギ、振幅、コントラストまたはFWHMを変化させることにより、強度関数においてコード化され得る。たとえば屈折率変化により中心エネルギが曲線26から曲線28へとシフトされ、また、吸収スペクトル変化により振幅、コントラストおよびFWHMが曲線26から曲線28へと変化せしめられる。
構成要素14への破線により表される如く、該構成要素12はシステム10の外部とされ得、これは外部キャビティからの出力光を受容して感光し得る。
構成要素14は、検体22または領域24の光学特性に依存する電気信号を獲得する。“電気信号”は、導電的、容量的もしくは誘導的な結合または任意の組合せであるかを問わず、ひとつの構成要素から別の構成要素へと電気的に伝達され、別の構成要素に記憶され、または、電気的、静電的、磁気的、電磁的、機械的な形態もしくは他の形態へと転換もしくは変換され得る。
構成要素14からの電気信号は構成要素16により使用されることで、たとえば検体22、領域24に関する情報、または、屈折率もしくは吸収量の如き、検体22、領域24もしくはキャビティ20全体の光学特性が獲得される。検体の“存在に関する情報”は、検体が存在するか否か、または、如何なる量、密度、濃度または他の定量的尺度において該検体が存在するかを表す。
斯かる情報によるデータは、記憶され、操作において使用され、外部構成要素に対して伝達され、または、光学特性値を調節すべく使用され得る。キャビティ20内の媒体に関する測定値は、検体22に関する測定値を調節すべく使用され得る。領域24は、検体22を担持する流体のリザーバからの流体(液体、気体またはエアゾール)の如き既知の基準媒体、または、検体22が体液である場合には既知濃度の流体を収容し得る。基準光学特性を表す感光量は検体22に対する感光量と比較されることで、たとえば検体22および基準媒体の両方が温度変化の如き環境変動に委ねられる場合には、たとえば夫々の感光量間の差の大きさもしくは符号などが抽出され得る。
構成要素14はICを含み得、これらのICとしては、たとえば光スポットの位置もしくは強度からの検知結果を有する、光センサ・アレイ、連続的な感光表面を備えるPSDの如きデバイス、または、他の構成要素が挙げられる。構成要素14は、たとえばCCDもしくはCMOS読取りによる1次元の蒸着型の光センサ・アレイ、または、たとえば連続的に読取られる蒸着型PSDもしくは光ダイオードとされ得る。
システム10はまた構成要素12および14の間に構成要素を含むことで、たとえば光学的分離、傾斜、光学機器、または、光のコヒーレンス長より大きな距離により、光を分散すると共に、光学的フィードバックを最小化もし得る。
“均一な光学キャビティ”は、反射表面同士の間における実質的に一定の距離Dを備えた光透過領域を有する。均一な光学キャビティは、たとえばレーザ・キャビティなどの発光キャビティ、または、たとえばファブリーペロー干渉計などの透過キャビティとされ得る。
強度/エネルギ・ピーク間の最大値(および、反射帯域同士の間における相補的最小値)は光子エネルギの関数として離間され、隣り合うピークの中心エネルギ同士の間の差は“自由スペクトルレンジ”または“FSR”である。
各ピークの波長λは、nをキャビティ屈折率とし且つkを非ゼロの整数としてλ(k)=2nD/kである。もし屈折率が変化したなら、λ(k)も変化し、ピークの中心エネルギにおける情報がコード化される。ピーク強度は吸収量に依存することで、吸収量変化に関する情報を提供する。
“不均一な光学キャビティ”は、均一な光学キャビティではなく、たとえば、反射表面同士の間において、たとえば単調に、線形にまたは別様に変化するなどして横方向に変化する光学距離を有する。光学的な距離もしくは厚みを線形に変化させると、キャビティは線形可変フィルタ(LVF)とされ得る。
不均一キャビティは局所的に均一キャビティとして動作し得ることから、不均一キャビティからの透過モード・パラメータは、強度/エネルギ・ピークに対して、または、強度/位置グラフにおけるピークに対して有用である。透過モード同士が十分に分離されると、隣り合うモード間の干渉が阻止される。干渉を回避するためには、ひとつのレンジ内においては唯一個のモードが生ずる様に、キャビティ厚みは十分に小寸とされ得る。
図2におけるシステム200は光学キャビティ構造202を含み、該構造内のキャビティ204は検体を収容し得る。検体の存在は出力光に影響し、且つ、検体により影響された出力光すなわち矢印206は、検出器210内で感光され得る。検出器210からの検知結果は、システム200内で提供されるか、矢印212により表される如く外部構成要素へと提供され得る。
キャビティ204は、均一または不均一とされ得る。光源220は、矢印222により表される如く照射を行う。矢印206により表される如く、検体により影響された出力光は、透過光および/または反射光を含み得る。
図3における電気的構成要素は、バス242を介して、構成要素の入力/出力(I/O)244、メモリ246、集積回路のI/O248および外部I/O249に対して接続された中央処理ユニット(CPU)240を含む。
I/O244は、照明制御器250、キャビティ制御器252および検体制御器254に対して接続される。
I/O248は、光センサ・アレイ266を備えたIC(m)264を含むIC(0)260乃至IC(M-1)262に対して接続される。
メモリ246において、プログラム・メモリ270は検体情報ルーチン274を記憶すると共に、データ・メモリ272は較正データ276を記憶する。
ルーチン274においてCPU240は、検体が存在する様に制御器252および254に対して信号通知し、検体により影響された出力光をキャビティ204が提供する様に制御器250に信号通知し、且つ、検知結果を獲得すべくIC260〜262に信号通知する。図3におけるルーチン274は、各アレイを通過して各キャビティを通る経路に沿い移動する物体に対するものであり、且つ、該ルーチンは読取りを実施し、その場合に一回の読取り操作の後でおよび/または一連の読取り操作の後で情報を組み合わせて提供する。
図4は、検体情報ルーチンを示すフローチャートである。ボックス300にては、検知前読取りが実施される。
ボックス300からの情報により、ボックス302にては、各物体に関する情報が獲得されると共に、適切な検知期間が決定される。
ボックス302にては、たとえば出力光からの情報に基づき、I/O244を介しての又は制御器250、252および254に対する信号通知が調節される。
ボックス304にては、検知読取りが実施され、検知期間の間における累積的な感光のためにI/O248を介し、および、可能的にはIC上の周辺回路機構に対しても信号通知を行うことで、基準値に基づいてアナログ量が調節される。ボックス304にては、シリアルおよび/またはパラレルな読取りのためにCCDまたはCMOS技術が使用され得る。
検出器210は横方向に変化する透過構造を含み得ることから、出力光におけるピークは該検出器210における感光IC上の光スポットを有する。検知結果は、スポットの位置および強度に関する情報、および、ピークおよび光学特性に関する情報を含み得る。2個以上のスポットが別個に追尾され得る。
感光量は、記憶される前にボックス306においてデジタル的に調節され得る。上記量は、基準量もしくは較正データ276に基づき、且つ、必要に応じて、検知期間における差などに依り、調節され得る。
デジタルおよびアナログの調節は、たとえば屈折率および吸収量に関して物体位置を追尾する際における強度参照のために基準セル式の調節を採用し得る。斯かる調節によれば、不均一な照射の問題は克服され得るが、所望のキャビティ吸収量変化情報は排除されることもある、と言うのも、照射における、または、安定なもしくは粒子により時的に変化する吸収量における外部的な不均一性は容易には区別され得ないからである。
ボックス306またはその後においてデータを操作もしくは調節すると、“キャビティのみの吸収量データ”、すなわち、キャビティ吸収量に関する情報が保存されたデータであって、たとえば他のノイズから区別され得ない外部特徴に関する情報は低減されたというデータが獲得され得る。コントラストに基づく値、または、他のキャビティのみの吸収量データによれば、キャビティ204の内側における吸収係数からの効果以外の効果であって、たとえば外部の摂動、外乱または不均一性からの効果は排除され得る。吸収量の測定値は、高い信号/ノイズ比を有し得る。情報は、キャビティ吸収量変化に対して選択的に感応的であり得る。コントラストに基づくデータによれば、たとえば、必要な感光素子の個数と電力消費量とを低減することにより、効率および実施可能性が向上され得る。
コントラストCはキャビティ透過強度関数の最大値と最小値との間の比率として定義され、すなわち次式である:
式中、Fはフィネスであり、且つ、Tmaxはファブリーペロー・キャビティ・モードに対する最大透過率である。Cはファブリーペロー・キャビティ特性のみに依存し、入射光強度によっては影響されないが、キャビティ吸収係数に対しては高度に感応的である、と言うのも、それはフィネスに影響するからである。
ボックス306にては、モードの最大強度および近傍の最小値(もしくは、たとえば最大値と最小値との間の差の50%もしくは1/eにおける強度などの、最小値に関する情報を提供する別の強度)、または、たとえば透過モード幅もしくは反射モード最大値の位置に基づく値などが獲得され得、最大値および最小値は、強度/エネルギまたは強度/位置関数に対して獲得され得ると共に、Cを獲得すべく、または、Cから獲得される別の値であって吸収係数に依存する別の値を獲得すべく使用され得る。
他のキャビティのみの吸収データとしては、次式によるフィネスFに関する情報を備えたFWHMに基づく値が挙げらる:
式中、c0は光の速度、nは屈折率、および、dはキャビティ幅を指している。
たとえばボックス302および304の一方にて入射表面傾斜を変化させるなどして、非直交の入力光入射に帰着したとしても、それは補正され得、また、点光源から放出された光が種々の角度でキャビティを通して透過されるなら、感光表面は多くの異なる角度で出力光を受容するが各セルは非常に小さな角度分布を受容し、該角度は、角度誘起変動を補正すべく使用され得る。
ボックス306においては位置および速度の情報が使用されることで、いずれの感光量が該情報から帰着したか、または、各モード点からいずれの感光量が帰着したかが決定され得る。
均一な検体または静止的もしくは低速移動する物体に対しては、ロックイン技術により信号/ノイズ比が向上され得る。光源220は変調されることで出力光を変調し得るが、周波数は達成可能な読取り周波数により制約される。相関信号を直接的に記録することが可能でなければ、たとえば、空の流体チャネル、または、部分的レンジを検知する複数個の被覆セルを備えた光センサ・アレイにおける未被覆の基準セルなどの、別の基準が使用され得る。
ボックス304および306にては、予め計算された各物体の位置および速度を備えたひとつのデータ構造を使用することで該物体の効果を特定することができ、各物体のデータ構造は、各スポットの識別情報と、該スポットに関する物体の効果とを含み得る。読取データ構造は、各物体に関して調節された全ての量情報を保持し得る。
ボックス306にては、該ボックスにて付加的な情報を獲得する毎に、上記読取データ構造が更新され得る。ボックス300、302、304および306は、各ICに対して別個に且つ反復的に実施され得る。各物体が全体に亙り正しく識別され得るなら、上記読取データ構造は全てのICからの全ての情報を保持し得る。実行操作同士の間において、各物体の影響は数個のセルのみに亙り移動し得ると共に、物体同士は十分に分離されることで混乱が回避され得る。各物体の直径は数μmであり得、経路に沿う各セルの長さは10〜20μmであり、且つ、各物体は2〜3個のセル長だけ離間される。更に大寸の物体または異なるサイズのセルに対し、物体同士の間の間隔は調節され得る。
代わりに、物体同士は更に接近され得る。所定アルゴリズムによれば、スポット上の物体の重複効果は分離され得る。同様に、異なるセルに沿い物体同士が非常に接近しているとしても、物体の経路と検出器210との間の光学的構造により、異なる物体により影響された光子は異なるセルに確実に到達することで連続的な物体の流れの測定が許容され得る。区別可能な物体なしでの連続的な流体の流れに対し、キャビティ204からの検体により影響された出力光は、該流れを物体毎の仮想的な複数の小体積に分割するのと同様に、上記流れ中の各位置における分子の濃度の光学特性により決定されることで、たとえば変化する流体組成などにより、出力光変化に対して時的に連続的な監視が許容される。
ボックス300、302、304および306が反復されるにつれ、特に各スポットが上記アレイ上に位置を有する場合、更なる情報が獲得される。上記物体が上記アレイ全体を通過したとき、該アレイが含む検体に関する情報は、記憶された部分的情報から再構成され得る。
ボックス310にては、別のルーチン、または、外部I/O249を介した出力に対する如き検体情報が提供され得る。ボックス310にては、各物体に対して検知された量を組み合わせることで、たとえば、吸収スペクトル、検体屈折率に対する値、または、別のデータ構造が提供され得る。
図5のデバイス350において、入射ガラス352および出射ガラスは実質的に同一のサイズおよび形状を有し、夫々の内向き表面は被覆または他の光反射構造を有し、光を光透過領域内へと反射する。それらのガラスをスペーサ354が離間すると共に、上記光透過領域は、取入口356と吐出口358との間のダクトまたはチャネルを境界付ける流体用壁部または構造も含み得、検体、または、検体を担持する流体は、取入口356から進入し、ダクトもしくはチャネルに沿い搬送され、且つ、吐出口358へと出射し得る。
検体の経路に沿い、光源構成要素360はガラス352の上方もしくは該ガラス上とされ得、光センサ・アレイ362は上記出射ガラスの下側または該出射ガラスの下方とされ得る。構成要素360、アレイ362および上記キャビティは、該キャビティが照射に応答し、検体により影響された出力光がアレイ362により感光される如き特性を有する。
図5における6−6線に沿う図6は、矢印380により表された光を提供する構成要素360を示し、該光は、チャネル384に進入する前にガラス352および光反射構造382を通過する。チャネル384内において、矢印390により表された移動流体は、物体392を搬送する。物体392の光学特性は、構造382と光反射構造394との間で反射された光に影響し得る。検体により影響された出力光は、アレイ362による感光の前に、構造394、出射ガラス396および透過構造398を通り出射する。
たとえば、粒子、小滴、または、小体積の流体などの検体含有物体392は、流体または他の適切な物質により搬送され得る。此処で“物体”とは、当該区別可能な実在物に関連する例えば散乱および反射などのエネルギ・シフトもしくは損失メカニズムの如き光学特性を有し得るという一切の区別可能な実在物を意味する。
構造398は、LVF、または、横方向に変化するエネルギ出力を備えた他の透過構造とされ得ることから、入射光は横方向に変化するエネルギ分布を有し、光子エネルギは横方向位置の関数として変化する。構造398は、チャネル384に沿う各位置においてエネルギの狭幅な部分的レンジにおける光のみを透過することにより上記分布をアレイ362に対して提供し得、チャネル384に沿う異なる位置にては異なる部分的レンジとなる。各位置に対し、アレイ362の一群のセルは、その位置で透過された部分的レンジが出力光の部分的レンジを包含しまたは重複するときにのみ、光を受容する。
アレイ362は、適切なピクセルまたはセル密度を備える感光表面を有し得る。構造398は、たとえばLVFなどの、アレイ上の被覆であり得る。
アレイ362は、たとえばCMOSもしくはCCD読取りのためのものとされ得、且つ、5〜50μm以下のセル寸法を有し得る。アレイ362は、流れ方向に平行な1次元の一列のセル、または、上記経路に沿う各位置において流れ方向に直交する一列のセルに依る二次元アレイとされ、上記列における全てのセルは同一のエネルギの部分的レンジを感光し、各列からの検知結果は、平均化され又は別様に組み合わされて所定モードに対する情報を向上すべく使用され得る。
構造382および394は平行ミラーとして機能し、チャネル384はそれらの間における光透過領域として機能する。上記キャビティは、各ミラーとそれらの間の領域とにより決定される透過特性を備えたファブリーペロー干渉計として機能し得る。各ミラーは、透過ピークのFWHMと、阻止帯域品質、すなわち、透過モードの外側にてどれほど透過されるかとに対して影響する。構造382および394間の屈折率および距離は、透過されるエネルギに影響しまたは該エネルギを決定する。
構造382および394は各々、ガラス352および396上に析出された交互的な誘電体による又は金属による層構造とされ得る。代わりに、光が貫通して進入かつ出射するチャネル384の壁部が、反射的な内向き表面を備えた他の光透過構成要素とされ得る。
光源360は平行ビームにより上記キャビティを均一に照射し、光学的構成要素は該ビームをアレイ362の全てに亙り分散させ得る。代わりに光源360は一連の光源を含み又はそれらにより置き換えられることで、分散の必要性を低減もしくは排除し得る。単一個の広帯域の光源は、各々が所定波長にて発光する一連のレーザ・ダイオードまたは狭帯域発光LED(たとえば共振キャビティLED)により置き換えられ得る。異なる位置の構造398は異なる部分的レンジを透過することから、各レーザ・ダイオードは、その波長を構造398が透過する位置を照射すべく位置決めされ又は配向され得る。
物体392が不在であり且つチャネル384内の流体が均一であれば、デバイス350は均一キャビティとして機能し得る。出力光は、適切なキャビティ寸法および屈折率により離散的な透過モードを含み得る。物体392が存在するとキャビティの屈折率および吸収量が変化され得ると共に、物体392の吸収スペクトルは、各透過モードの強度振幅およびFWHMおよびコントラストCにも影響し得る。
アレイ362は、各モードの中心エネルギ、強度振幅、FWHMおよびコントラストにおける変化を表す検知結果を獲得することで、物体392と、キャビティの屈折率および吸収量に対する影響とに関する情報を提供する。出力光にコード化された情報の表示は、たとえば、電気信号、メモリ・デバイスにより記憶されるデータ、表示された情報などとして獲得され得る。モードの強度、FWHM、コントラスト、または、他の任意の測定可能な特徴を表す検知結果は、該モードの中心波長の如き、エネルギに対する吸収値を獲得するために使用され得ると共に、中心エネルギ・シフトを表す検知結果は、物体392が存在したときのキャビティ屈折率値を獲得すべく使用され得る。
代わりに、情報はファブリーペロー反射モードでコード化され得る。優れた読取り感度などのために、吸収スペクトルおよび屈折率分散に関する情報が獲得され得る。検体は、該検体により対称的キャビティを近似するという僅かに非対称的なファブリーペロー・キャビティ内に充填され又は別様に位置決めされ得、このことは、以下の如く第2ミラーの有効反射率Reff(2)が第1ミラーの反射率R(1)と実質的に等しいならば、幅wおよび吸収量αに対して当てはまる:
物体392はチャネル384を通過して流れる液体により担持された生体細胞であり得ると共に、デバイス350は一連の斯かる細胞に関する情報をコード化すると共に、コード化情報を表す検知結果を獲得し得、CPU240は上記検知結果から、細胞種を区別する如き適切な用法のための情報を獲得し得る。屈折率に関する情報をコード化して獲得する上で、該情報は、細胞からだけでなく、該細胞を担持する流体もしくは他の媒体であって該細胞の回りのチャネル384を充填する流体もしくは他の媒体からも帰着する。測定された屈折率は、流体と細胞との組み合わせである。もし細胞サイズが既知であれば、測定された屈折率から実際の屈折率が決定され得る。
図7は、屈折率の変化により1.0μmの波長の近傍における透過ピークの各対がシフトされるという透過スペクトルを示している。各対の左側のピークは1.30の屈折率により獲得され且つ右側のピークは1.31の屈折率により獲得され、両者ともにキャビティの幅wが10μmである。FSRは約37nmである一方、0.01の屈折率変化から帰着するシフトΔλは約8nmであり、反射方向に平行な入射光に対する次式と一致している:
および、
上記第1の式は、wが増大するにつれてFSRは小さくなり且つ透過ピーク同士が更に接近し、且つ、nの僅かな増大によりFSRの僅かな増大が引き起こされることを示している。
デバイスの設計態様に影響する制約条件としては、所望の吸収量または相互作用長さ、検体の所望体積、吸収スペクトルに対して必要なエネルギ範囲および解像度、構造398とアレイ362とを含む検出器の波長解像度などが挙げられる。キャビティ幅、ミラー反射率、アレイ・サイズ、構造398の特性、および、困難であるがキャビティ吸収量などのパラメータが調節され得る。
デバイス350はまた、チャネル384内における液体、気体またはエアゾールの如き均一検体に関する情報もコード化し得る。アレイ362からの検知結果の単一回の読取りによれば、均一検体の透過スペクトルに関する情報が提供され得る。デバイス350を通る通過時間と比較して、相対的に長い時間的尺度で検体が変化するなら、異なる時点における検知結果は透過スペクトルの長期的変化を表し得る。所定の読取りの間において実質的に均一な検体に対してのみ、正確な測定値が獲得され得る。
図8におけるグラフは、75μmのキャビティ幅wと95%のミラー反射率とに対する透過スペクトルに関する検体の影響を示している。検体が無いと、上側のグラフにおける如く、各透過モードは1.0の正規化強度振幅まで透過する。
この場合には水中のグルコースである検体が在ると、吸収により略々全てのモードの透過が減少し、各モードは、下側のグラフにおける曲線410上のピークに帰着する。曲線410は検体の吸収スペクトルを示し得ると共に、円412は個別のサンプリング点である。所望の解像度まで測定するために、キャビティ幅wおよび他のパラメータは十分なサンプリング点を獲得すべく選択されねばならない。
図8は、グルコースの吸収によれば、相当に増進された相互作用長さの故にモード強度が劇的に減少されることを示唆している。光は、透過される前に何度も往復して跳ね返る。増大した検体吸収量によれば、各モードの拡開も引き起こされる。吸収量が大きいほど、モードの強度およびコントラストは小さくなり且つモードのFWHMは大きくなり、下側のグラフはFWHMにおける斯かる変化を示唆している。
図6における矢印390により表される如く、物体392は経路に沿い比較的に均一の速度で移動し得る。キャビティの透過モードに対する該物体の効果もまた経路に追随することで、検知結果と物体位置との間における相関が許容される。アレイ362における一連のセルは、物体392に関する情報を含む検知結果を獲得する。
物体392がチャネル384を通り移動するときの検知結果を使用して吸収スペクトル観測が実施されることで、生体細胞のサイズおよび流速に基づき各透過モードに対する物体392の実際の吸収値が獲得されると共に、獲得された値を用いて吸収スペクトルが構成され得る。物体の運動によれば、優れた検出が許容されると共に、スループット容量を喪失せずに更に長い積分時間も可能とされることで、高度に感応的な光学的吸収スペクトル観測が許容される。
図9乃至図10におけるデバイス440は、各壁部460により境界付けられると共に矢印462により表される流れ方向を有するチャネル450、452、454、456および458を有する。二次元感光アレイ470は、全てのチャネルに対する検知結果を獲得し得る。円472の如き影付き円により表される生体細胞または他の物体は、流速に基づいてそれらの検知結果と相関され得る。
図9における10−10線に沿う図10において、光源480はチャネル450〜458を照射する。入射ガラス482は自身の内向き表面上に形成された入射光反射構成要素484を有し得ると共に、出射ガラス494(または、ミラーを担持し得る別の基材)は自身の内向き表面上に形成された出射光反射構成要素492を有し得る。アレイ470上には、透過構造490が形成され得る。
構造490は、x方向には勾配付けされるがy方向には均一である層構造もしくはLVFとされ得、アレイ470は全てのチャネルにおいて同一のエネルギの部分的レンジに対して感応的である。屈折率および吸収量情報における同一の変化に関する情報が全てのチャネルから獲得され得ると共に、各チャネルにおける平行位置は、同一の部分的レンジに関する情報を提供する。部分的レンジは各チャネルに沿い変化することから、情報は、多数の異なる部分的レンジに対し、または、全体的スペクトルに対して獲得され得る。全てのチャネルは同一であり得ると共に、物体または検体は、チャネルに関わり無く同一様式で特徴付けられる。
代わりに構造490は、y方向に勾配付けられるがx方向には均一であるLVFとされ得る。所定位置においてチャネルと交差するラインにおける一群の2個以上のセルは異なる部分的レンジを受容することから、一群のセル間における強度比は、生体細胞または他の物体が通過するときに変化する。物体の屈折率変化は時間の関数として記録され得るか、または、(均一な検体の場合における)複数回の測定もしくは更に長期の積分時間は感度を高め得る。平行な複数のチャネルにおいては、異なるモードが使用されることで屈折率が決定される。
代わりに、構造490は両方向に勾配付けられることで、異なる部分的レンジに関する情報が獲得され得る。
光学特性は、同一の光学キャビティからたとえば既知の基準溶液または他の流体により獲得された基準値との比較により、測定され得る。チャネル452および456の如きひとつ置きのチャネルは、空であるか、または、既知の均一の基準流体のみを収容するならば基準チャネルの役割を果たし、たとえば測定された検体値を測定された基準値と比較することで各チャネルにおける吸収スペクトルおよび屈折率分散の更に正確な評価が許容され、グルコース濃度を検知するために、基準媒体は既知のグルコース濃度を有し得る。基準媒体および検体が同一チャネルを移動するときにも、(温度、圧力などの)外部影響は補償され得る。
図11における如き操作に依れば、デバイス350またはデバイス440の如きデバイスが作製され得る。
ボックス520にては、入射および出射の部分的な光学キャビティ構造が作製される。これは、ガラス352上の構造382ならびにガラス396上の構造394、または、ガラス482上の構成要素484およびアレイ470上の構造490および構成要素492を作製する段階を含み得る。これはまた、スペーサ354および壁部460の如き構造を含む光反射構造の一方または両者上においてSU-8またはポリジメチルシロキサンのパターン化層を作製する段階も含み得る。ポリエチレングリコールを浸漬被覆し、または、パリレンCもしくは蒸着されたテトラグライムの被覆を提供することなどにより、内側表面に対しては粘着防止被覆が適用され得る。
ボックス522にては部分的構造が取付けられ、検体を位置決めする流体用構成要素が取付けられる。ボックス522にては部分的構造同士が結合され得ることから、それらは堅固に取付けられる。取付けられる流体用構成要素としてはコネクタ、管材、ポンプ、センサなどが挙げられ、各流体用構成要素の組み合わせは、上記キャビティ内における検体の位置決めを引き起こして制御し得ねばならない。ボックス522にては、上記アレイに対してワイヤまたは他の適切な回路機構が取付けられ得る。
ボックス524にては、構成要素360もしくは光源480、または、感光アレイおよび透過構造を含む検出器の如き他の任意の構成要素が取付けられることで、上記デバイスが完成される。ボックス524にては、他の外部的な電気的、光学的または流体的な接続が含まれ得るか、または、斯かる接続は後時に行われ得る。
ボックス526にては、任意の適切な後時にて、たとえばボックス520、522および524において、または、ボックス524の後であり且つ当該較正より以前に作成された回路機構に対する適切な接続を必要とする較正が実施される。較正によれば検体情報を獲得する上で使用されるべきデータが獲得され得ると共に、そのデータは、データ276の一部としてメモリ246内に記憶され、または、ルーチン274に組み込まれ、または、別の形態で記憶され得る。
ワイヤまたは他の適切な回路機構が取付けられることで、マイクロプロセッサまたは入出力(I/O)デバイスとポンプおよび他の流体用構成要素との間で、または、感光アレイからマイクロプロセッサまたはI/Oデバイスに対して信号が提供され得る。また、電力を提供するための接続も行われ得る。
ボックス520、522および524は組み合わされることで、所望のシーケンスで各構成要素が取付けられ得ると共に、付加的な操作によりIC、ゲートおよび他の回路機構の間における相互接続が整列され又は取付けられ得るか、または、この操作の一部はボックス520、522、524および526の各々におけるものとされ得る。
図12における感光アレイ550は一連のウェルを備えたバイオチップに対して移動し、該ウェルは各々が検体または基準流体の如き他の流体を含み得、各ウェルは円552の如き影付き円により表される。アレイ550とバイオチップとの間の相対運動は、矢印554により表される。上記バイオチップは2枚のミラー間に挟持され、各ウェルはミラー間のキャビティ内とされることから、完全に平行な照射および検知が許容される。x方向における勾配を備えるがy方向においては均一なLVFであるアレイ550上に透過構造を配備し乍ら、上記バイオチップが矢印554により表される如くx方向に移動されるなら、各ウェルは上記アレイと交差する経路に沿い通過し、該アレイに沿い検知結果はスペクトルの各部分的レンジに対して獲得されることから、各ウェルの内容物に関する段階的なスペクトル特性解析が許容される。各ウェルは、相対速度に基づき、それらの検知結果と相関され得る。検知結果を逆畳み込みすると、各ウェルの吸収スペクトルおよび屈折率分散が獲得され得る。
図13における機構600は、構造内には接続されなくともレーザ・キャビティとして動作し得る構成要素を含む。レーザ・ミラー602および604は反射表面を提供し、且つ、利得媒体606はレーザ増幅を行う。ダクト610は経路を表し、該経路に沿い物体612、614および616が搬送され得、物体612、614および616は矢印618により表される方向に搬送され、物体612、614および616は、小体積の流体、生体細胞、または、他の任意の形式の粒子もしくは物体であり得る。
矢印620により表される放出光は、検体の光学特性に関する情報を含む。可能的には分散の後で、検体により影響された出力光は、LVFとされ得る透過構造622を通して透過されると共に、感光アレイ624により感光される。機構600は物体612、614および616の屈折率に関する情報を獲得し得る、と言うのも、上記キャビティの屈折率における変化はレーザ波長のシフトを引き起こすからである。
機構600は、外部キャビティ用レーザ・ダイオードを含み得る。構造622およびアレイ624を備えた検出器は、屈折率変化から帰着する波長シフトを非常に正確かつ迅速に検知し得る安価でコンパクトな構造であり得る。強度が監視されることで、吸収量の如き、検体により誘起されたキャビティ損失が獲得され得る。
図14のデバイス650において、光反射構造652および654は、検体充填され得る領域656の夫々の側に反射表面を提供する。矢印658により表される入力光は構造652を通して受容されると共に、光学キャビティ動作は感光構成要素660に対する光に帰着し得る。領域656における検体の屈折率、および、構造652および654の位置決めにより光透過の位置が決定されると共に、照射によれば矢印662により表される一定波長のみが透過され得る。
図15は、ひとつの狭幅な波長帯域のみにおける照射を有する感光構成要素660上の光パターンを示している。光スポット664は、位置Xtransにて透過された光を表している。もし検体の屈折率が変化したなら、スポット664はXminまたはXmaxのいずれかに向けて移動する。検体の吸収量が変化して、出力光の強度関数における強度およびFWHMの変化を引き起こしたなら、スポット664のサイズおよび強度は変化する。
光学キャビティ構造は、検体を収容する不均一な光学キャビティを含み得る。デバイス650は、検体を収容する均一な光学キャビティであって、所定範囲の角度の入射入力光を提供することにより横方向に変化する出力エネルギ分布を提供すべく作用する光学キャビティを有し得る。
図16のデバイス680において、光反射構造682および684は、それらの間の領域と協働し、矢印686により表された如く照射されたときに光学キャビティとして作用し得る。
構造682および684は、それらの内側表面上に電極690を有し、各電極は、相互に対して向けられると共に、それらの間には例えばエラストマ、変形可能材料などの弾性変形可能なスペーサ692および694を備える。各電極690に対する信号によれば構造682および684間の距離の変化が引き起こされることで、角度696により示唆される如く、該構造間の領域の形状が変更され得る。入力光子エネルギがデバイス680の透過モードと同一である場合、光は感光構成要素698へと透過され、該構成要素は検知結果を獲得する。もし検体が構造682および684間の領域に在るなら、キャビティ動作により、検体により影響された出力光が提供され得る。異なるスペーサ上の各電極を独立的にアドレス指定することにより、透過モードの位置は不変のままとされ得る一方、隣接するモードは感光デバイスの領域から更に離間してまたは該領域の外側へと移動することで、感度および波長帯域の独立的な選択が許容され得る。
図17における強度/エネルギのグラフは、均一キャビティの動作からの2つの曲線を含んでいる。ピーク710は構造682および684間の4.8ミクロンの間隔から帰着する一方、ピーク712は5ミクロンの間隔から帰着する。不均一キャビティは同様であろう。出力光は、構造682および684間の領域における検体の光学特性に関するコード化情報を含み得る。
斯かる異なる間隔における調節によれば、吸収サンプリング点が変更され得る。更に大きな解像度に対し、サンプリング点の個数は増大され得ると共に、連続的に変化する厚みまたは傾斜によれば連続スペクトルが獲得され得る。たとえば吸収量の導関数は、キャビティ厚みを連続的に変化させ乍ら強度を記録することで直接的に測定され得、もし、厚みの連続的変化の間において小さな振幅の揺動を以て厚みが周期的に変調されるなら、感度は高められ得る。
導関数は、均一キャビティを調整することにより、段増的に異なるエネルギの対における吸収量もしくは他の特性間の傾斜を計算することにより求められ得る。感度を高めるために、キャビティ形状が調節され得る。
デバイス680は、所望の光学的厚さを有する均一もしくは不均一な光学キャビティ、または、所望の勾配を有するLVFである透過構造とされ得る。
図18における分析器750は流体用支持構造752上にて蛇行チャネル754を備えており、該チャネルを通り、流体または他の適切な物質により担持された物体756が進行し得る。物体756は、検体を含む小滴または小体積の流体とされ得る。
物体756は、推進構成要素の作用によりチャネル754を通り搬送され、且つ、該物体を担持する流体と共に、バルブの二方向切替えなどにより吐出口から放逐され又は別様に出射し得る。物体756は一連の検知構成要素を通り進行し得、各構成要素は該物体に関する情報を獲得する。
コールター・カウンタ760は電気式の粒子サイズ検出器であり、且つ、ミー散乱センサ762もまた粒子サイズ検出器である。
光学キャビティ・センサ770は断面で示されると共に、典型的にはチャネル754の上下に、光反射構成要素772および774および検出器776の如き構成要素を含む。
粒子756は、第1および第2の蛍光検知構成要素およびラマン散乱検知構成要素の如き後続的な検知構成要素782および784へと続き得る。検知構成要素からの情報は、たとえば生体細胞の種類などの物体の種類を区別すべく使用され得る。故に、二分岐接合部におけるバルブ790は、該バルブ790に依存して矢印792または矢印794により表される如く物体756が出射する様に、2つの位置間で二方向切替えされ得る。
図19におけるシステム800は、光源構成要素804から入力光を受容して検出器構成要素806に対して出力光を提供する光学キャビティ構成要素802を含む。構成要素802において、光反射構造810および812および壁部構造814および816は、構造810および812間に領域802および822を画成する。領域820は基準流体を含み得ると共に、領域822は、壁部構造816と逆側にて開放され、矢印824により表される如く進入する流体を収容し得る。
血液、リンパ液、身体の細胞間からの間質液、または、他の体液の如き検体担持流体は領域822に進入し得、検体はグルコースであり得る。構成要素802は、平行な2個の光学キャビティとして作用する。一方のキャビティは、領域820を含むと共に、(たとえば既知の濃度を有する間質液などの)基準流体の光学特性に関する情報を以て、矢印830により表される出力光を提供し、他方の光学キャビティは、領域822を含むと共に、検体が存在し得る流体のサンプルに関する情報を以て、矢印832により表される出力光を提供する。検出器806は両方の形式の情報を備えた検知結果を獲得し得、該検知結果は矢印834により表される如く外部構成要素へと提供され得る。
間質液が小寸の管またはピンを通して皮膚表面へともたらされてから領域822内に位置されるという腕時計状の実施形態に加え、システム800は植設可能な製品を使用し得る。
図20乃至図28は、光学特性に関する情報が光学キャビティからの出力光中にコード化され且つ其処から獲得され得る手法を示している。図20および図21における透過スペクトルは、図20に対する屈折率n=1.30および図21に対するn=1.29を以てキャビティをシミュレートすることにより獲得されると共に、感光アレイの4個の例示的なセルの概算的な強度/エネルギ検知スペクトルと組み合わされることで、所定屈折率における透過スペクトルが各検知スペクトルと如何に重なり合うかが示される。
屈折率が個別の値を有することが既知であれば、感光量に対してスレッショルド値が比較されることで、セルに関するひとつの2進値が獲得され得る。差分量は、波長シフトを表し得る。
図22および図23において約2.216μm、2.242μmおよび2.268μmにおける3個の透過ピークは、全体的な最大強度に対し、または、各ピークの最大強度に対して正規化された強度を有する。
図22および図23における曲線は、空気および水の如き通常の検体に関する。図22における頂部ピークおよび図23における一番下の曲線は光学キャビティが空気により充填されたときに吸収が無いときの効果を示す一方、図22において頂部から2番目のピークおよび図23において下から2番目の曲線は水により充填された光学キャビティにおける吸収を示している。
検体の影響は、たとえば、フィネス、反射率および吸収係数に基づき、どれほど小さな吸収変化がキャビティ出力光内にコード化されるかを決定することにより数学的に解析され得る。
図24は、次式から、数個の反射率に対する吸収量αの関数として透過率の相対変化ΔT/Tを示している:
図24を獲得すべく、10μmの幅wおよび屈折率n=1.3が使用された。
相互作用長さにおける増大を表す増大係数Eは次式である:
図25は、図24と同一のキャビティに対し、空気充填されたファブリーペロー・キャビティにおける吸収量αの関数としてEを示している。一番下のラインはゼロの反射率を有し、一番上のラインは0.999の反射率を有する。Eは、反射率により劇的に増大する。
図26および図27は図24および図25と同様であるが、水充填されたキャビティであり、ΔT/TおよびEの負の傾斜の増大割合が変化している。
図33における感光アレイ920は、正規化された強度透過モード曲線922、924および926を有する。これは、LVFを通され、または、横方向に変化する透過関数を有する透過構造を通された出力強度/エネルギ・ピークであって、アレイ920上で結果的な横方向に変化するエネルギ分布を受けた出力強度/エネルギ・ピークから帰着する。
曲線922、924および926は、略々同一の中心エネルギを有するが、中間強度幅はピーク922からピーク924を経てピーク926にかけて狭幅となる。所定の動的スレッショルド値(たとえば最大強度の50%)より大きな強度を受容するセルの個数は、曲線924に対するよりも曲線922に対し、且つ、曲線926に対するよりも曲線924に対する方が多い。
スレッショルド値より大きなセルの個数は、モードの中間強度幅の尺度を提供する。セル密度は、FWHM解像度に関する下限値を提供する。曲線926は1個または2個のセルに対してのみ、スレッショルド値より大きい強度を提供することから、そのFWHMは、僅かに異なるFWHMを備えた同様の曲線から十分には分離されない。最も狭幅なピークは、2個以上のセルに対して、スレッショルド値より大きくあるべきである。FWHMではなく吸収量または吸収量変化を決定するためには、たとえば、コントラストに基づくデータまたは他のキャビティのみの吸収データを検知もしくは計算する別の参照技術が使用され得る。
屈折率に関する情報のコード化および獲得は、光学的吸収に関する情報のコード化および獲得と組み合わされ得る。
吸収量および屈折率は関連するが、両方の量を別体的に測定することで、たとえば非常に僅かな屈折率変化に関する情報を獲得するなどの付加的情報が獲得され得る。
屈折率の分散もまた、各キャビティにおける屈折率に基づいて測定され得る。
所望範囲の光子エネルギの全体に亙り減光量κが波長の関数として測定されるという減光量/エネルギ曲線などにおいては、屈折率および吸収量の局所的導関数も測定され得る。吸収スペクトルの導関数は、検体を区別すべく使用されることで、たとえば、他の間質液の分子からグルコースを区別し得る。
検体に関する情報を獲得する上記技術は、バイオチップおよびラボ・オン・チップ・デバイス、および、マイクロ総合分析システムにおいて適用され得る。屈折率および吸収量の情報は、作製、または、可能的にはキャビティの内側における化学反応を制御することで、結果的な一過性検体の屈折率および吸収係数の測定を許容する上で有用である。屈折率および/または吸収度は、プロセス制御判断において、または、たとえば蛍光もしくはインピーダンス情報などの多変量解析において使用され得る。
上記の如く、コンパクトで安価な構成要素は、流体、生体細胞、グルコースおよび他の検体の光学特性を迅速かつ正確に測定し得る。
数μmから数百μmの幅を有するキャビティが実現可能であり、紫外から遠赤外に亙る光子エネルギがサンプリングされ得る。
上記技術は、光強度が非常に大きい用途または光源が大寸領域を通して発光する用途において使用され得る。非常に大きな光収量に対し、透過構造は高度に感応的な光センサ・アレイと組み合わされ得る。
セルの部分的レンジの幅は、0.1nmもの狭さ又は数十ナノメータもの広さとされ得る。
光センサ・アレイは、ケイ素、ゲルマニウム、砒化インジウム・ガリウム、砒化ガリウム、窒化ガリウムまたは硫化鉛を有し得ると共に、光ダイオード、アバランシェ光ダイオード、pinダイオード、光導体などにより作製され、CCD、CMOSまたは他の技術により読取られ得る。
透過構造は、スパッタリング、プラズマ支援ありもしくは無しでの電子ビームもしくは熱蒸着、エピタキシャル成長、MBE、MOCVDなどにより作製され得る。問題となる光子エネルギを考慮し、吸収係数が低く且つ屈折率の差が大きい適切な材料の対からブラッグ・ミラーが選択され得、代表的な材料としては、SiO2/TiO2、SiO2/Ta2O5、GaAs/AlAsおよびGaAs/AlGaAsが挙げられる。層厚みは、30nm〜数百ナノメータまで変化し得る。
横方向に変化する光学的厚さを備えた透過構造は、析出の間に、基板を傾斜し、シャドーマスクを用い、または、温度勾配を使用することで勾配付き層厚みを獲得することにより作製され得るか、または、横方向変化は、均一な析出の間において、電子ビーム、MBEまたはMOVPEなどによる軸外しドーピングにより作製され得る。
連続的な監視操作の間において、光センサ・アレイとは別体的な基板上の透過構造が該光センサ・アレイに対して移動され得る。調節されたまたは調節されない感光量は、セル毎にまたはストリーミングにより直列的にまたは並列的に読取られ得る。
図1は、システムの概略図である。 図2は、システムの概略図である。 図3は、システムの概略的回路図である。 図4は、検体情報ルーチンを示すフローチャートである。 図5は、デバイスの概略的平面図である。 図6は、デバイスの概略的断面図である。 図7は、2つの透過スペクトルを示すグラフである。 図8は、透過スペクトルを示す2つのグラフを含んでいる。 図9は、多重チャネル・デバイスの概略的平面図である。 図10は、デバイスの概略的断面図である。 図11は、デバイスを作製するフローチャートである。 図12は、システムの概略的平面図である。 図13は、機構の概略図である。 図14は、勾配型光学キャビティの概略的側面図である。 図15は、感光構成要素の概略的平面図である。 図16は、光学キャビティの概略的側面図である。 図17は、透過スペクトルを示すグラフである。 図18は、分析器の概略図である。 図19は、システムの概略図である。 図20は、光子エネルギの関数として正規化された強度を示すグラフである。 図21は、光子エネルギの関数として正規化された強度を示すグラフである。 図22は、光子エネルギの関数として透過強度を示すグラフである。 図23は、別の斯かるグラフである。 図24は、吸収量の関数として相対変化のプロット値を示すグラフである。 図25は、吸収量の関数として増大係数のプロット値を示すグラフである。 図26は、吸収量の関数として透過率の相対変化のプロット値を示すグラフである。 図27は、吸収量の関数として増大係数のプロット値を示すグラフである。 図28は、感光セルの位置などの関数として強度を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 一群のひとつ以上のモードにおいて光を提供し得る光学キャビティからの出力光を感光する段階であって、一群のモードの内のひとつ以上のモードに対して上記出力光は夫々の強度関数を含み、上記各モードの内の少なくともひとつのモードの強度関数は上記光学キャビティ内に存在する検体の光学特性または上記光学キャビティの領域の光学特性に関する情報を含むという感光段階を備え、
    上記出力光を感光する段階は、
    上記光学特性に依存する電気信号を提供する段階と、
    上記電気信号を使用して上記検体または上記領域に関する情報を獲得する段階とを備えて成る、
    光学キャビティを使用する方法。
  2. 各モードが夫々の強度関数を有する一群のひとつ以上のモードにおいて光を提供し得る光学キャビティからの出力光を感光する段階であって、上記光学キャビティ内にはサンプルが存在するという段階を備え、
    上記出力光を感光する段階は、
    上記サンプル内に検体が存在するか否かに依存して電気信号を提供する段階であって、上記検体が存在するならば該検体の光学特性は上記一群のひとつ以上のモードの内の少なくともひとつのモードの夫々の強度関数に影響し、上記電気信号は上記強度関数の特徴を表すという段階と、
    上記電気信号を使用し、上記サンプル内における上記検体の存在に関する情報を獲得する段階とを備えて成る、
    光学キャビティを使用する方法。
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