JP2008190553A - 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 リンクに加わる衝撃荷重を緩和することでリンクの耐久性を増大し、チェーンの寿命をより向上させた動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供する。
【解決手段】 プーリに接触する方のピン14の上下縁部とこれに対応するリンク11のピン固定部18の上下面とが密接させられているとともに、ピン14の後面とリンク11のピン固定部18の後面との間に隙間Gが形成されている。リンク11のピン固定部18に、ピン14が隙間Gを小さくする方向に移動した際に弾性変形する弾性変形部20が形成されている。
【選択図】 図2

Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンおよびこれを用いた動力伝達装置に関する。
自動車用無段変速機として、図8に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するものが知られている。
動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされているものが提案されている。
特開2005−233275号公報
この種の動力伝達チェーンでは、チェーンの直線部分ではフリーな状態にあるピンがプーリのシーブ面間に進入する際、衝撃荷重を受けることから、使用条件によってはリンクの耐久性に影響を及ぼすことがある。
この発明の目的は、リンクに加わる衝撃荷重を緩和することでリンクの耐久性を増大し、チェーンの寿命をより向上させた動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンは、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定されており、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリの相対向する1対のシーブ面間に挟持されることにより、ピンとプーリとの間で動力が伝達される動力伝達チェーンにおいて、プーリに接触する方のピンとこれが固定されているリンクの前後挿通部周面との間に隙間が形成されており、これらのピンおよびリンクの少なくとも一方に、ピンが隙間を小さくする方向に移動した際に弾性変形する弾性変形部が形成されていることを特徴とするものである。
プーリに接触する方のピンとこれが固定されているリンクの前後挿通部周面との間に隙間がなく両者が密接している場合、ピンがプーリに進入した際の衝撃荷重がリンクに伝わりやすいのに対し、プーリに接触する方のピンとこれが固定されているリンクの前後挿通部周面との間に隙間が形成されて、ピンおよびリンクの少なくとも一方に弾性変形部が設けられていることにより、ピンがプーリに接触した際の衝撃荷重は、ピンが隙間内を移動する際に弾性変形部によって吸収され、この結果、衝撃荷重がリンクに及ぼす影響は非常に小さいものとなる。
弾性変形部は、ピンおよびリンクの両方に設けられてもよく、ピンのみまたはリンクのみに設けられてもよい。弾性変形部は、1または複数の突起によって形成されることがあり、1または複数の切込みが設けられることによって形成されることがあり、ピンおよび/またはリンクの形状を弾性変形しやすい形状とすることによって形成されることもある。
例えば、リンクの前後挿通部周面に、ピンに対向する面からピンのチェーン外径側縁部との密接部にのびる上傾斜面およびピンのチェーン内径側縁部との密接部にのびる下傾斜面が形成されており、弾性変形部は、この傾斜面が弾性変形可能とされていることによって形成されていることがある。この場合、傾斜面の傾斜角は、チェーン長さ方向に対して、例えば30°(好ましい範囲は、10°〜60°、より好ましい範囲は、20°〜50°)とされる。
また、弾性変形部は、リンクに弾性変形可能な突起が設けられることによって形成されていることがあり、弾性変形部は、ピンのチェーン内径側縁部およびチェーン外径側縁部の少なくとも一方に同部を弾性変形可能とする切込みが設けられることによって形成されていることがある。
この発明による動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
この発明による動力伝達チェーンにおいて、リンクが受ける力はその配置位置によって異なっており、外側のリンク(特に最外側のリンクおよびこれより1つ内側のリンク)は、ピンが前記摩擦力に起因してその軸方向に対して変形することによって、大きな力を受けやすく、疲労寿命の点で不利になっている。したがって、弾性変形部をリンクに設ける場合には、幅方向外側にある1つまたは2つリンクについてのみ、これを設けるようにしてもよい。
第1ピンおよび第2ピンは、例えば、いずれか一方の転がり接触面が平坦面とされ、他方の転がり接触面が相対的に転がり接触移動可能なように所要の曲面に形成される。また、第1ピンおよび第2ピンは、それぞれの転がり接触面が所要の曲面に形成されるようにしてもよい。いずれの場合でも、各ピンの転がり接触面形状がそれぞれ2種類(例えば相対的に曲率が大のものと相対的に曲率が小のもの)形成されることで、転がり接触移動の軌跡が相違するピンの組が2種類存在するようにしてもよい。第1ピンと第2ピンとの接触位置の軌跡は、例えば、インボリュート曲線とされる。
第1ピンおよび第2ピンは、異なる断面形状であってもよく、同一形状であってもよい。また、リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。
なお、この明細書において、リンクの長さ方向の一端側を前、同他端側を後としているが、この前後は便宜的なものであり、リンクの長さ方向が前後方向と常に一致することを意味するものではない。
上記の動力伝達チェーンは、いずれか一方のピン(インターピース)が他方のピン(ピン)よりも短くされ、長い方のピンの端面が無段変速機のプーリの円錐状シーブ面に接触し、この接触による摩擦力により動力を伝達するものであることが好ましい。各プーリは、円錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ面を有する可動シーブとからなり、両シーブのシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シーブを油圧アクチュエータによって移動させることにより、無段変速機のシーブ面間距離したがってチェーンの巻き掛け半径が変化し、スムーズな動きで無段の変速を行うことができる。
この発明による動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備えたもので、動力伝達チェーンが上記いずれかに記載のものとされる。
この動力伝達装置は、自動車の無段変速機としての使用に好適なものとなる。
この発明の動力伝達チェーンおよび動力伝達装置によると、弾性変形部によってリンクに加わる衝撃荷重が吸収され、リンクの内部に生じる応力を小さくすることができるので、リンクの疲労寿命が向上し、また、騒音および振動を抑制することができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図2の上下をいうものとする。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。インターピース(15)は、ピン(14)よりも短くなされ、両者は、インターピース(15)が前側に、ピン(14)が後側に配置された状態で対向させられている。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列とリンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
この動力伝達チェーン(1)は、図7に示したV型プーリ式CVTで使用されるが、この際、プーリ軸(2e)を有するプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)にインターピース(15)の端面が接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。
図2に示すように、リンク(11)の前挿通部(12)と後挿通部(13)との間には、柱部(21)が介在させられており、前挿通部(12)は、ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15)が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)が固定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(19)からなる。
各ピン(14)は、インターピース(15)に比べて前後方向の幅が広くなされており、インターピース(15)の上下縁部には、各ピン(14)側にのびる突出縁部(15a)(15b)が設けられている。
ピン固定部(18)において、ピン(14)の上縁部(チェーン外径側縁部)および下縁部(チェーン内径側縁部)は、ピン固定部(18)の上下面に密接させられている。ピン固定部(18)のピン(14)後面に対向する面は、ピン(14)の後面とほぼ平行となるようにかつ両面間に隙間(G)が存在するように形成されている。そして、ピン(14)およびリンク(11)の少なくとも一方には、後述するように、隙間(G)を小さくする方向にピン(14)がリンク(11)に対して移動した際に弾性変形するようになされた弾性変形部(20)が形成されている。
図2において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチである。
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
リンク(11)のピン固定部(18)とインターピース可動部(19)との境界部分には、インターピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なりピン固定部(18)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、インターピース固定部(17)とピン可動部(16)との境界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なりインターピース固定部(17)に固定されているインターピース(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、インボリュート曲線とされており、この実施形態では、ピン(14)の転がり接触面が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、インターピース(15)の転がり接触面が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から曲線部分へまたは曲線部分から直線部分へと移行する際、前挿通部(12)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその転がり接触面がインターピース(15)の転がり接触面に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(16)内を移動し、後挿通部(13)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(19)内を固定状態のピン(14)に対してその転がり接触面がピン(14)の転がり接触面に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。
ピン(14)は、チェーン(1)の直線部分においてはフリーな状態にあり、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)間に進入した際に、シーブ面(2c)(2d)から衝撃荷重を受ける。
弾性変形部(20)は、この衝撃荷重を緩和するために設けられたもので、その第1実施形態は、図3に拡大して示すように、リンク(11)のピン固定部(18)の上下縁部が所要形状とされることによって形成されている。同図において、ピン固定部(18)には、ピン(14)の後面(14c)に対向する面(18c)からピン(14)の上縁部(14a)との密接部にのびる上傾斜面(22)およびピン(14)の下縁部(14b)との密接部にのびる下傾斜面(23)が形成されている。上下傾斜面(22)(23)とピン(14)の上下縁部(14a)(14b)との間には、上下傾斜面(22)(23)が二点鎖線で示す形状とされることで、所要の締め代が設けられている。ピン(14)に衝撃荷重が作用し、図3(a)の位置から(b)の位置まで隙間(G)が小さくなるようにピン(14)が移動した際、上下傾斜面(22)(23)は、弾性変形する。この弾性変形を容易とするために、上下傾斜面(22)(23)のチェーン長さ方向に対する角度は、ほぼ30°とされている。こうして、リンク(11)のピン固定部(18)の上下傾斜面(22)(23)によって弾性変形部(20)が形成されており、ピン(14)がプーリ(2)に進入した際の衝撃荷重は、ピン(14)が隙間(G)内を移動する際にこれらの上下傾斜面(22)(23)(弾性変形部(20))が弾性変形することによって吸収され、この結果、衝撃荷重がリンク(11)に及ぼす影響は非常に小さいものとなる。
図4は、上下傾斜面(22)(23)のチェーン長さ方向に対する角度の適正範囲を求めるために、所定の角度に対応する応力比および衝撃荷重比について、角度が90°のときを基準(=1)にして求めたものである。同図から分かるように、衝撃荷重としては、角度が小さいほど小さくなり、ただし、角度を小さくし過ぎると、形状で無理していることになり、発生応力としては、中間部(30°付近)が最もよい(応力が小さい)ものとなる。応力比は、寿命と逆相関であり、角度を20〜50°とすることにより、基準のものに比べて、1.5倍以上の寿命を得ることができる。
弾性変形部は、図3に示した構成に限られるものではなく、図5に示すように、弾性変形部は、リンク(11)のピン固定部(18)に設けられた弾性変形可能な突起(24)によって形成されているようにしてもよく、図6に示すように、弾性変形部は、ピン(14)の上縁部および下縁部に設けられた切込み(26)によって形成されていてもよい。
図5において、突起(24)は、リンク(11)のピン固定部(18)におけるピン(14)の上縁部(14a)との密接部近傍に下方に突出するように形成されており、突起(24)の後面とこれに対向するピン固定部(18)の周面(18c)との間には、突起(24)を弾性変形させやすくするための小隙間部(25)が形成されている。なお、この実施形態では、突起(24)は、上側だけに設けられているが、下側にも設けるようにしてもよい。
図6において、切込み(26)は、ピン(14)の上下縁部(14a)(14b)の圧入面よりも若干後方に設けられており、その形状は、ピン(14)の上下縁部(14a)(14b)を前後方向に弾性変形させやすいように、三角形とされている。なお、この実施形態では、切込み(26)は、上下両側に設けられているが、上下いずれか一方にだけ設けるようにしてもよい。
図5および図6のいずれの構成でも、ピン(14)がプーリ(2)に進入した際の衝撃荷重は、ピン(14)が隙間(G)内を移動する際に突起(24)または切込み(26)が設けられている部分(弾性変形部)が弾性変形することによって吸収され、この結果、衝撃荷重がリンク(11)に及ぼす影響は非常に小さいものとなる。
図2,図3,図5および図6に示したリンクを使用する動力伝達チェーン(1)は、必要な数のピン(14)およびインターピース(15)を台上に垂直状に保持した後、リンク(11)を1つずつあるいは数枚まとめて圧入していくことにより製造される。この圧入は、ピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部とピン固定部(18)およびインターピース固定部(17)の上下縁部との間において行われており、その圧入代は0.005mm〜0.1mmとされている。
上記の動力伝達チェーン(1)では、ピンの上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡がインボリュート曲線とされていることにより、ピンおよびインターピースの転がり接触面がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。そして、CVTで使用された場合に、ピン(14)とインターピース(15)とは、上述のように、転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確保される。また、CVTで使用された場合、ピン(14)がプーリ(2)に進入する際の衝撃荷重がピン(14)を介してリンク(11)に伝えられ、リンク(11)の耐久性に影響を及ぼすことがあり得るが、弾性変形部(20)(上下傾斜面(22)(23)、突起(24)または切込み(26))がこの衝撃荷重を吸収することによって、衝撃荷重がリンク(11)に及ぼす影響が小さいものとなり、チェーン全体の耐久性が向上する。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、リンクおよびピンの拡大側面図である。 図3は、第1実施形態のチェーンのリンクの要部を示す拡大側面図である。 図4は、第1実施形態の傾斜面の角度の適正範囲を求めるための関係を示すグラフである。 図5は、第2実施形態のチェーンのリンクの要部を示す拡大側面図である。 図6は、第3実施形態のチェーンのピンの要部を示す拡大側面図である。 図7は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図8は、この発明による動力伝達チェーンが使用される一例の無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(2a)(3b) 固定シーブ
(2b)(3a) 可動シーブ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(11) リンク
(12) 前挿通部
(13) 後挿通部
(14) ピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)
(20) 弾性変形部
(22)(23) 傾斜面
(24) 突起
(26) 切込み

Claims (5)

  1. ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定されており、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリの相対向する1対のシーブ面間に挟持されることにより、ピンとプーリとの間で動力が伝達される動力伝達チェーンにおいて、
    プーリに接触する方のピンとこれが固定されているリンクの前後挿通部周面との間に隙間が形成されており、これらのピンおよびリンクの少なくとも一方に、ピンが隙間を小さくする方向に移動した際に弾性変形する弾性変形部が形成されていることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. リンクの前後挿通部周面に、ピンに対向する面からピンのチェーン外径側縁部との密接部にのびる上傾斜面およびピンのチェーン内径側縁部との密接部にのびる下傾斜面が形成されており、弾性変形部は、この傾斜面が弾性変形可能とされていることによって形成されている請求項1の動力伝達チェーン。
  3. 弾性変形部は、リンクに弾性変形可能な突起が設けられることによって形成されている請求項1の動力伝達チェーン。
  4. 弾性変形部は、ピンのチェーン内径側縁部およびチェーン外径側縁部の少なくとも一方に同部を弾性変形可能とする切込みが設けられることによって形成されている請求項1の動力伝達チェーン。
  5. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが請求項1〜4いずれかに記載のものである動力伝達装置。
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