JP2008190323A - エンジン始動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車のエンジン始動を行うエンジン始動装置に関し、バッテリが性能劣化を起こすとエンジン始動ができないという課題を解決し、長期信頼性に優れたエンジン始動装置を提供することを目的とする。
【解決手段】発電機2により充電されるバッテリ3とキャパシタバンク4とを有し、このキャパシタバンク4は主に制動エネルギにより充電され、このキャパシタバンク4にバッテリ3を直列接続してスタータモータ5を駆動するように構成されたエンジン始動装置において、車両休止時にバッテリ3から供給される暗電流の一部をキャパシタバンク4に充電し、この充電時の特性からバッテリ3の劣化予測を行うことにより、バッテリ3の状態を把握して事前に対応が可能になり、自力でエンジン始動不可という最悪の状態を回避することが可能になる。
【選択図】図1
【解決手段】発電機2により充電されるバッテリ3とキャパシタバンク4とを有し、このキャパシタバンク4は主に制動エネルギにより充電され、このキャパシタバンク4にバッテリ3を直列接続してスタータモータ5を駆動するように構成されたエンジン始動装置において、車両休止時にバッテリ3から供給される暗電流の一部をキャパシタバンク4に充電し、この充電時の特性からバッテリ3の劣化予測を行うことにより、バッテリ3の状態を把握して事前に対応が可能になり、自力でエンジン始動不可という最悪の状態を回避することが可能になる。
【選択図】図1
Description
本発明はアイドリングストップ機能を備えた自動車に最適なエンジン始動装置に関するものである。
近年、地球環境保護の流れを受け、特に自動車においてはその技術革新は顕著なものが見られ、既にハイブリッド自動車が市販されている。また、自動車が走行していない場合に、ある一定の条件が整えばエンジンを一時的に停止させてしまい、再び自動的に再起動させるアイドリングストップ機能を備えた自動車が開発され、これも既に市販されている。
このような技術を支える重要な部品の一つとして電気二重層コンデンサがあり、この電気二重層コンデンサは従来から用いられている鉛蓄電池と併用して使用されるのが一般的であり、この電気二重層コンデンサを充電する方法として制動エネルギを使用することが提案されている(特許文献1)。
また、電気二重層コンデンサに鉛蓄電池を直列接続してスタータを駆動してエンジンを始動させるようにすることにより、鉛蓄電池の負荷を軽減して長寿命化を図るということが提案されている(特許文献2)。
特許第3400319号公報
特開平2−259276号公報
しかしながら上記従来のエンジン始動装置では、主たる電力の供給は鉛蓄電池によって行われるように構成されたものであるため、充放電の繰り返しを行うことにより鉛蓄電池が性能劣化を起こし、スタータを駆動してエンジンを始動させるために必要な電力以下になってしまった場合には、自力でエンジンを始動させる手段がないために自動車が使用できないという大きな課題を有していた。
本発明はこのような従来の課題を解決し、鉛蓄電池の寿命予測を行うことによって事前に対応し、エンジン始動不可にならないようにすることが可能な、信頼性に優れたエンジン始動装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、車載発電機により充電されるバッテリと電気二重層コンデンサとを有し、この電気二重層コンデンサは主に制動エネルギにより充電され、この電気二重層コンデンサにバッテリを直列接続してスタータモータを駆動するように構成されたエンジン始動装置において、車両休止時にバッテリから供給される暗電流の一部を電気二重層コンデンサに充電し、この充電時の特性からバッテリの劣化予測を行うようにした構成のものである。
以上のように本発明によるエンジン始動装置は、バッテリの状態を把握することによって事前の対応が可能になるため、自力でエンジン始動ができないという最悪の状態を回避することが可能になるという効果が得られるものである。
(実施の形態)
以下、実施の形態を用いて、本発明の特に全請求項に記載の発明について説明する。
以下、実施の形態を用いて、本発明の特に全請求項に記載の発明について説明する。
図1は本発明の一実施の形態によるエンジン始動装置の構成を示した回路図であり、図1において、1はエンジン、2はこのエンジン1と連動して駆動される発電機である。3は一般に鉛蓄電池と呼ばれるバッテリであり、定格14Vのものである。4は電気二重層コンデンサを複数個連結して構成されたキャパシタバンクであり、定格2.5Vのものを5個直列接続して1ユニットとし、これを複数ユニット用いて構成されている。
5はエンジン1の始動を行うスタータモータ、6は通常走行時と後述するアイドリングストップ後の再起動時とによって回路の切替を行う切替スイッチ、7はDC/DCコンバータ、8はスタータリレー、9はリレーである。10はエンジン制御部、11は本実施の形態によるエンジン始動装置全体の制御を行う充放電制御部である。
このように構成された本実施の形態によるエンジン始動装置において、まず、エンジン始動について説明すると、リレー9をONにし、スタータリレー8をONする(イグニッションキーを回す)ことによりバッテリ3から電力が供給されてスタータモータ5が駆動し、これによりエンジン1が回転して稼動を続ける。なお、このエンジン始動時のスタータモータ5を駆動させるために必要なバッテリ3からの供給電力は約600Aである。
次に、エンジン1が稼動中に行われる充電動作について説明すると、切替スイッチ6は通常走行時は図中の下方向に接続された状態になっており、エンジン1の回転に連動して駆動される発電機2からの電力はDC/DCコンバータ7を介してバッテリ3に充電されると共に、キャパシタバンク4にも充電が行われる。
また、車両走行時にブレーキをかけて自動車を停止させる際に発生する制動エネルギは200AMaxと極めて大きなエネルギであるためにバッテリ3では全てを充電するだけの能力がなく、このために、この大きな制動エネルギの殆どはキャパシタバンク4に充電されて回生されるようになるものである。
次に、自動車が走行していない場合に、エンジン制御部10によって、アクセル、ブレーキ、車速、水温等の情報を基に、ある一定の条件が整ったと判断した場合にエンジン1を一時的に停止させるアイドリングストップを行った場合、このアイドリングストップ後のエンジン1の再起動時について説明すると、リレー9をOFFにすると共に、切替スイッチ6を図中の上方向に接続した状態にすることによりキャパシタバンク4にバッテリ3を直列接続し、この状態でスタータリレー8をONすることによって電圧が倍増した状態のキャパシタバンク4から電力が供給されてスタータモータ5が駆動し、これによりエンジン1が再起動して再び稼動を続けることができるようになるものである。
次に、車両休止時にバッテリ3から供給される暗電流の一部をキャパシタバンク4に充電し、この充電時の特性からバッテリ3の劣化予測を行う方法について図2を用いて説明すると、まずバッテリ3の電圧Eを測定する(通常は約14Vを示す)。次に、DC/DCコンバータ7を介してキャパシタバンク4に15Aの定電流で放電し、この時のバッテリ3の端子電圧が12.0Vから11.0Vに低下するのに要する時間を測定し、(式1)より電荷量値C(F)を算出する。
電荷量値 C=I×(T2−T1)/(V1−V2)・・・(式1)
(I(A)、T2−T1(秒)、V1−V2(V))
このようにして求めた電荷量値C(F)が所定の値に対してどのような状態にあるのかを判定することにより、バッテリ3の劣化予測を行うようにしたものである。
(I(A)、T2−T1(秒)、V1−V2(V))
このようにして求めた電荷量値C(F)が所定の値に対してどのような状態にあるのかを判定することにより、バッテリ3の劣化予測を行うようにしたものである。
図3はバッテリ3の劣化予測の他の方法を示したものであり、まずバッテリ3の電圧Eを測定する(通常は約14Vを示す)。次に、DC/DCコンバータ7を介してキャパシタバンク4に15Aの定電流で放電し、この時の放電開始から0.5秒後と2.0秒後のバッテリ3の端子電圧を求め、各点を通る接線とY軸の交点から内部直流抵抗を測定する(なお、放電開始後の電圧スキャン精度は1msとし、放電電圧幅は12〜11Vとする)。
内部直流抵抗=ΔV/15A(Ω)
このようにして求めた内部直流抵抗(Ω)が所定の値に対してどのような状態にあるのかを判定することにより、バッテリ3の劣化予測を行うようにしたものである。
このようにして求めた内部直流抵抗(Ω)が所定の値に対してどのような状態にあるのかを判定することにより、バッテリ3の劣化予測を行うようにしたものである。
このように本実施の形態によるエンジン始動装置は、車両休止時にバッテリ3から供給される暗電流の一部を利用してバッテリ3の状態を把握することにより、その状態に応じた事前の対応が可能になるため、例えば、バッテリ3が劣化や異常等の要因で電圧が所定の値以下になり、スタータモータ5の初期駆動ができない場合に、バッテリ3によりキャパシタバンク4を充電し、この充電されたキャパシタバンク4によりスタータモータ5の初期駆動を行うようにすれば良いものであり、自力でエンジン始動ができないという最悪の状態を回避し、より信頼性の高いエンジン始動装置を提供することができるようになるという格別の効果を有するものである。
本発明によるエンジン始動装置は、バッテリの状態を把握することによって事前の対応が可能になるため、自力でエンジン始動ができないという最悪の状態を回避することが可能になるという効果を有し、ハイブリッド自動車や、アイドリングストップ機能を有した自動車用等として有用である。
1 エンジン
2 発電機
3 バッテリ
4 キャパシタバンク
5 スタータモータ
6 切替スイッチ
7 DC/DCコンバータ
8 スタータリレー
9 リレー
10 エンジン制御部
11 充放電制御部
2 発電機
3 バッテリ
4 キャパシタバンク
5 スタータモータ
6 切替スイッチ
7 DC/DCコンバータ
8 スタータリレー
9 リレー
10 エンジン制御部
11 充放電制御部
Claims (2)
- 車載発電機により充電されるバッテリと電気二重層コンデンサとを有し、この電気二重層コンデンサは主に制動エネルギにより充電され、この電気二重層コンデンサにバッテリを直列接続してスタータモータを駆動するように構成されたエンジン始動装置において、車両休止時にバッテリから供給される暗電流の一部を電気二重層コンデンサに充電し、この充電時の特性からバッテリの劣化予測を行うようにしたエンジン始動装置。
- バッテリの能力が所定の値以下に低下してスタータモータの初期駆動ができない場合、バッテリから電気二重層コンデンサを充電し、この充電された電気二重層コンデンサによりスタータモータの初期駆動を行うようにした請求項1に記載のエンジン始動装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005140920A JP2008190323A (ja) | 2005-05-13 | 2005-05-13 | エンジン始動装置 |
PCT/JP2006/309249 WO2006121005A1 (ja) | 2005-05-13 | 2006-05-08 | エンジン始動装置とそれを用いた自動車 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005140920A JP2008190323A (ja) | 2005-05-13 | 2005-05-13 | エンジン始動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008190323A true JP2008190323A (ja) | 2008-08-21 |
Family
ID=39750661
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005140920A Pending JP2008190323A (ja) | 2005-05-13 | 2005-05-13 | エンジン始動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008190323A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108352719A (zh) * | 2015-10-19 | 2018-07-31 | 株式会社电装 | 电源装置 |
-
2005
- 2005-05-13 JP JP2005140920A patent/JP2008190323A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108352719A (zh) * | 2015-10-19 | 2018-07-31 | 株式会社电装 | 电源装置 |
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