JP2008189894A - アルキド系塗料組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホルムアルデヒド吸着成分である尿素化合物を加えることにより、その他の性能を維持したまま、塗膜生成時にホルムアルデヒドの放散量を低減することが可能な溶剤型のアルキド系塗料組成物を提供する。
【解決手段】不飽和脂肪酸に由来する樹脂、酸価を有する顔料分散剤、および尿素化合物を含む塗料組成物であって、塗料組成物中における、上記不飽和脂肪酸に由来する樹脂固形分の含有量が30〜80質量%、上記酸価を有する顔料分散剤の固形分含有量が0.01〜5質量%、上記尿素化合物の含有量が0.01〜2質量%であるアルキド系塗料組成物。
【選択図】なし
【解決手段】不飽和脂肪酸に由来する樹脂、酸価を有する顔料分散剤、および尿素化合物を含む塗料組成物であって、塗料組成物中における、上記不飽和脂肪酸に由来する樹脂固形分の含有量が30〜80質量%、上記酸価を有する顔料分散剤の固形分含有量が0.01〜5質量%、上記尿素化合物の含有量が0.01〜2質量%であるアルキド系塗料組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、アルキド系塗料組成物およびその製造方法に関する。
合成樹脂調合ペイントなどの酸化重合タイプの塗料は、安価で隠蔽性、作業性および仕上がり性に優れるため、鉄部や木部を中心に幅広く使用されてきた。しかし、その乾燥過程でホルムアルデヒドが放散されるため、屋内での使用については、建築基準法による規制の対象となっている。このため、塗料中にホルムアルデヒド吸着成分を加え、酸化重合時に発生するホルムアルデヒドを抑制する手法が開示されている(例えば、特許文献1)。
一方、シックハウスの原因の一つであるホルムアルデヒドを吸着する材料として、尿素化合物であるエチレン尿素がよく知られている。尿素化合物は、ホルムアルデヒド吸着能は高いものの、その有機溶剤への溶解性の低さから、合成樹脂調合ペイントなどの溶剤系塗料に対して、均一かつ安定に入れることが困難であった。
この問題を解決するため、高極性溶媒に尿素化合物を溶解させることにより、これを溶剤系塗料に加えることが考えられる。しかし、一般に高極性溶媒は親水性が高く、溶解力が強い。そのため、高極性溶媒にエチレン尿素を溶解させて溶剤系塗料に加えた場合、高湿度下で水分を呼び込んで塗膜が白化したり、下地の錆止め塗料の塗膜を再溶解したり、塗り重ね時に1コート目を侵したりといった、高極性溶媒の添加に起因する問題が発生する。また、酸化重合タイプの塗料にエチレン尿素やアジピン酸ジヒドラジド等の含窒素化合物を添加すると、硬化阻害を起こし、乾燥が遅くなるなどの不具合が生じる問題点が存在する。
特開2004−352764号公報
本発明は、ホルムアルデヒド吸着成分である尿素化合物を加えることにより、その他の性能を維持したまま、塗膜生成時にホルムアルデヒドの放散量を低減することが可能な溶剤型のアルキド系塗料組成物を提供することを目的とする。
本発明のアルキド系塗料組成物は、不飽和脂肪酸に由来する樹脂、酸価を有する顔料分散剤、および尿素化合物を含む塗料組成物であって、塗料組成物中における、前記不飽和脂肪酸に由来する樹脂固形分の含有量が30〜80質量%、前記酸価を有する顔料分散剤の固形分含有量が0.01〜5質量%、前記尿素化合物の含有量が0.01〜2質量%である。ここで、上記尿素化合物の純度が95質量%以上であってよい。また、上記尿素化合物はアルキド系塗料組成物において分散していてもよく、上記尿素化合物は、エチレン尿素であってよい。さらに、上記酸価を有する顔料分散剤の酸価は、5mgKOH/g以上であってよい。
本発明のアルキド系塗料組成物の製造方法は、不飽和脂肪酸に由来する樹脂、酸価を有する顔料分散剤、および尿素化合物を混合することによる塗料組成物の製造において、上記尿素化合物を溶媒に溶解させずに前記混合を行うものである。
本発明の塗膜は、先の塗料組成物を基材上に塗布して得られるものである。
本発明のアルキド系塗料組成物は、ホルムアルデヒド吸着成分である尿素化合物を含んでいるので、塗膜生成時のホルムアルデヒドの放散量が低減されており、建築基準法により区分されるホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆、つまり、放散量0.12mg/L以下(JIS K5601−4−1に記載のデシケータ法による)を満たすことができる。
また、本発明のアルキド系塗料組成物は、酸価を有する顔料分散剤を含んでいるので、尿素化合物を含有していても、乾燥が遅くなるなどの不具合が生じにくい。これは、酸価を有する顔料分散剤が弱塩基性の尿素化合物と相互作用して、尿素化合物が樹脂の酸化重合過程に影響したり、金属ドライヤーとの好ましくない相互作用をしたりすることを抑制しているためであると考えられる。しかも、この顔料分散剤の添加により、尿素化合物のホルムアルデヒド吸着効果は特に影響を受けない利点を有する。
また、本発明のアルキド系塗料組成物の製造方法では、固体状態の尿素化合物を顔料と同様に分散、均一化している。このため、尿素化合物を溶解するための高極性溶媒が不要であり、これに起因する不具合の発生を防ぐことができる。
本発明のアルキド系塗料組成物は、不飽和脂肪酸に由来する樹脂、酸価を有する顔料分散剤および尿素化合物を有している。
上記不飽和脂肪酸に由来する樹脂は、多塩基酸成分、多価アルコール成分、および不飽和脂肪酸成分を縮重合することにより得られる。
上記多塩基成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、テトラヒドロフタル酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、イタコン酸、アゼライン酸、ピロメリット酸およびそれらの酸無水物などを挙げることができる。
一方、上記多価アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、デカンジオール、ジエチレングリコール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリストールなどが一般的である。
さらに不飽和脂肪酸成分としては、アマニ油、サフラワー油、大豆油、ごま油、ケシ油、エノ油、トウモロコシ油、トール油、ヒマワリ油、綿実油、キリ油、脱水ヒマシ油などの乾性油および半乾性油の脂肪酸、ならびにハイジエン脂肪酸で代表される合成不飽和脂肪酸を例示することができる。
さらに不飽和脂肪酸成分としては、アマニ油、サフラワー油、大豆油、ごま油、ケシ油、エノ油、トウモロコシ油、トール油、ヒマワリ油、綿実油、キリ油、脱水ヒマシ油などの乾性油および半乾性油の脂肪酸、ならびにハイジエン脂肪酸で代表される合成不飽和脂肪酸を例示することができる。
なお、上記3成分のほか、一塩基酸として、安息香酸やp−ヒドロキシ安息香酸を含んでいてもよい。
上記不飽和脂肪酸に由来する樹脂の製造は、一般によく知られた方法で行うことが可能である。例えば、上記各成分を不活性ガス雰囲気中、約200〜240℃で酸価5以下になるまで脱水縮合することにより行われる。上記不飽和脂肪酸に由来する樹脂は、数平均分子量が1000〜5000、油長が30〜80であるものが好ましい。
本発明のアルキド系塗料組成物における、上記不飽和脂肪酸に由来する樹脂成分の固形分含有量は、30〜80質量%である。30質量%未満の場合、造膜性に不具合が生じる可能性がある。また、80質量%を越える場合、隠蔽性が低下する等の塗膜性能に不具合を生じるおそれがある。好ましい下限値および上限値は、それぞれ40質量%および70質量%である。
本発明のアルキド系塗料組成物に含まれる、上記酸価を有する顔料分散剤は、通常、顔料分散に使用されるものである。上記酸価を有する顔料分散剤として、変性アクリル系共重合体、変性ウレタン系共重合体、変性アミノアマイド系共重合体、高分子共重合体のリン酸エステル塩等の樹脂骨格を有するものが知られている。これらは、ソルスパール3000、ソルスパール53095(以上、アビシア社製)、エフカ4009、エフカ4010、エフカ4451、エフカ4453(以上、エフカケミカルズ社製)、ディスパービック−101、ディスパービック−102、ディスパービック−106、ディスパービック−110、ディスパービック−111、ディスパービック−140、ディスパービック−142、ディスパービック−180、BYK−P104、BYK−P104S、BYK−220S(以上、ビックケミー社製)として市販されている。これらは2種以上を併用してもよい。
上記酸価を有する顔料分散剤の酸価は5mgKOH/g以上であるのが好ましい。酸価が5mgKOH/g未満であると、目的とする効果が発現されないおそれがある。上記酸価の上限は特に限定されないが、例えば、耐水性の低下を考慮すると、120mgKOH/g以下とすることが好ましい。
本発明のアルキド系塗料組成物における、上記酸価を有する顔料分散剤の含有量は、0.01〜5質量%である。0.01質量%未満の場合、尿素化合物に対する量が少ないため、硬化阻害を抑制できないおそれがある。5質量%を越える場合、耐水性の低下が生じるおそれがある。好ましい下限値および上限値は、それぞれ0.05質量%および2質量%である。
本発明のアルキド系塗料組成物に含まれる、上記尿素化合物としては、ホルムアルデヒドを補足する効果が有するものであれば特に限定されない。例えば、尿素、チオ尿素、メチル尿素、エチル尿素、ジメチル尿素、ジエチル尿素、エチレン尿素、グアニル尿素、グアニルチオ尿素、アゾジカルボンアミド、グリコリルウレア、アセチルウレアなどが挙げられる。これらのなかで、ジメチル尿素、ジエチル尿素、エチレン尿素が好ましく、エチレン尿素がさらに好ましい。これらは2種以上を併用してもよい。
また、後述するように、製造上の観点から、上記尿素化合物の純度は95質量以上であることが好ましい。
また、後述するように、製造上の観点から、上記尿素化合物の純度は95質量以上であることが好ましい。
本発明のアルキド系塗料組成物における、上記尿素化合物の含有量は、0.01〜2質量%である。0.01質量%未満の場合、ホルムアルデヒドを補足できないおそれがある。2質量%を越える場合、経時で尿素化合物が凝集するおそれがある。好ましい下限値および上限値は、それぞれ0.1質量%および1.5質量%である。
上記尿素化合物は、本発明のアルキド系塗料組成物において、分散している状態で存在していることが好ましい。上記尿素化合物を溶解するための高極性溶媒は、塗膜に悪影響を及ぼすおそれが高いためである。
本発明のアルキド系塗料組成物は、上記成分以外に通常、顔料成分および金属ドライヤーを含有する。
上記顔料成分として、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、弁柄、フタロシアニンブルー等の着色顔料、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー等の体質顔料、さらに防錆顔料等が挙げられる。上記顔料成分の塗料中の含有量は、顔料重量濃度(PWC)で30〜70%であることが好ましく、40〜60%がさらに好ましい。PWCが低すぎると、塗膜の隠蔽性が十分でないおそれがあり、PWCが高すぎると、塗膜形成が困難になるおそれがある。
上記金属ドライヤーは、酸化重合反応の触媒となる有機金属化合物である。これらは、例えば、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクチル酸マンガン、ナフテン酸マンガン、オクチル酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、オクチル酸鉛等を例示することができる。これらは2種以上を併用してもよい。上記金属ドライヤーの塗料中の含有量は、樹脂固形分に対して、1〜5質量%であることが好ましい。1質量%未満の場合、硬化が十分に進行しないおそれがあり、5質量%を越えても、それに見合う効果が得られない。
また、本発明のアルキド系塗料組成物は、さらに、塗料用添加剤を含有していてもよい。上記塗料添加剤として、石油樹脂ワニス、有機溶剤、紫外線吸収剤、光安定剤、粘性調整剤、表面調整剤、酸化防止剤、塗料皮貼り防止剤、防かび剤、防藻剤、可塑剤、消泡剤等を挙げることができる。上記塗料用添加剤は、塗料組成物中、通常0.1〜10質量%の量で使用される。
本発明のアルキド系塗料組成物の製造方法は、不飽和脂肪酸に由来する樹脂、酸価を有する顔料分散剤、および尿素化合物を混合することによって行われる。ここで、上記尿素化合物は溶媒に溶解させることなく用いられる。先にも述べたように、上記尿素化合物を溶解するための高極性溶媒は、塗膜に悪影響を及ぼすおそれが高いため、尿素化合物は固体のまま、分散させて用いられる。
この場合、塗料組成物中における尿素化合物の粒径は、200μm以下であることが好ましく、40μm以下であることがさらに好ましい。ただし、上記尿素化合物のうち、純度が低いものは、水分を含んで硬い塊状になっている場合があり、これを通常の方法によって均一に分散することは困難である。このため、上記尿素化合物として、純度95%以上のものを用いることが好ましい。純度が低い尿素化合物を用いる場合には、濾過などにより、上記所定の粒径で分散していないものを取り除く必要がある。
具体的な製造手順を例示すると、まず、不飽和脂肪酸に由来する樹脂、酸価を有する顔料分散剤、および尿素化合物をホモミキサー等の一般的な混合機を用いて混合を行う。ここに、顔料成分を必要に応じて加え、SGミルやグラインドミルなどの分散機を用いて分散を行った後、最後に金属ドライヤーを混合する。なお、上記酸価を有する顔料分散剤は、最初に尿素化合物を添加する際、同時に添加してもよいし、最後に金属ドライヤーを加える際に添加してもよい。溶剤や塗料用添加剤は適宜必要に応じて添加される。
この製造方法で得られるアルキド系塗料組成物も、本発明の一つである。
この製造方法で得られるアルキド系塗料組成物も、本発明の一つである。
本発明の塗膜は、先のアルキド系塗料組成物を基材上に塗布して得られるものである。上記基材としては、鉄、アルミ、ブリキなどの金属素材、木材、紙などの有機素材、コンクリート、石膏ボード、石材などの無機素材があげられる。これらは、天井、ドアや内壁などの建築物の内面を構成するもの、手すり、屋根や外壁など建築物の外面を構成するもの、および、家具、家電製品などの物品の表面であってよい。
上記塗布は、ローラー塗り、刷毛塗り、スプレー塗りなど、よく知られた塗装方法によって行うことができる。また、塗膜の厚さは、タレなどの塗膜外観に不具合が生じない範囲であれば特に限定されない。塗布後、そのまま常温で放置することにより、乾燥塗膜を得ることができる。さらに、重ね塗りをすることも可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。以下の記述において、特に断りのない限り、「部」および「%」は質量基準である。
実施例1
不飽和脂肪酸に由来する樹脂として、アルキド樹脂(数平均分子量2500、油長50%、水酸基価70mgKOH/g、樹脂固形分50%)60部、二酸化チタン33部、尿素化合物としてエチレン尿素(純度98%)1部、および、酸価を有する顔料分散剤としてディスパービック−142(ビックケミー社製、酸価46mgKOH/g)1.5部をホモミキサーで混合した後、さらにSGミルで二酸化チタンの粒子径が20μm以下になるまで分散を行った。得られた分散物に、塗料用添加剤1.5部、金属ドライヤー1.5部、および溶剤4部を加え、ホモミキサーで混合することにより、アルキド系塗料組成物を得た。
不飽和脂肪酸に由来する樹脂として、アルキド樹脂(数平均分子量2500、油長50%、水酸基価70mgKOH/g、樹脂固形分50%)60部、二酸化チタン33部、尿素化合物としてエチレン尿素(純度98%)1部、および、酸価を有する顔料分散剤としてディスパービック−142(ビックケミー社製、酸価46mgKOH/g)1.5部をホモミキサーで混合した後、さらにSGミルで二酸化チタンの粒子径が20μm以下になるまで分散を行った。得られた分散物に、塗料用添加剤1.5部、金属ドライヤー1.5部、および溶剤4部を加え、ホモミキサーで混合することにより、アルキド系塗料組成物を得た。
実施例2
尿素化合物としてエチレン尿素(純度90%)1部を用い、SGミルでの分散時間を2倍にした以外は実施例1と同様にして、アルキド系塗料組成物を得た。ただし、エチレン尿素が塊として残存しているのが確認されたため、以下の評価にはこれを濾過したものを用いた。
尿素化合物としてエチレン尿素(純度90%)1部を用い、SGミルでの分散時間を2倍にした以外は実施例1と同様にして、アルキド系塗料組成物を得た。ただし、エチレン尿素が塊として残存しているのが確認されたため、以下の評価にはこれを濾過したものを用いた。
実施例3および4
尿素化合物および酸価を有する顔料分散剤を表1に示す種類および量に変えたこと以外は実施例1と同様にして、アルキド系塗料組成物を得た。
尿素化合物および酸価を有する顔料分散剤を表1に示す種類および量に変えたこと以外は実施例1と同様にして、アルキド系塗料組成物を得た。
比較例1
尿素化合物をN−メチルピロリドン4部に溶解させたこと以外は実施例1と同様にして、比較用アルキド系塗料組成物を得た。
尿素化合物をN−メチルピロリドン4部に溶解させたこと以外は実施例1と同様にして、比較用アルキド系塗料組成物を得た。
比較例2
尿素化合物を用いないこと以外は実施例1と同様にして、比較用アルキド系塗料組成物を得た。
尿素化合物を用いないこと以外は実施例1と同様にして、比較用アルキド系塗料組成物を得た。
比較例3
酸価を有する顔料分散剤を用いないこと以外は実施例1と同様にして、比較用アルキド系塗料組成物を得た。
酸価を有する顔料分散剤を用いないこと以外は実施例1と同様にして、比較用アルキド系塗料組成物を得た。
比較例4
尿素化合物の代わりにアジピン酸ジヒドラジド1部を用いた以外は、実施例1と同様にして、アルキド系塗料組成物を得た。
尿素化合物の代わりにアジピン酸ジヒドラジド1部を用いた以外は、実施例1と同様にして、アルキド系塗料組成物を得た。
比較例5
比較例4で、さらにディスパービック−142を1部加えた以外は同様にして、アルキド系塗料組成物を得た。
比較例4で、さらにディスパービック−142を1部加えた以外は同様にして、アルキド系塗料組成物を得た。
塗膜の作成と評価
<ホルムアルデヒド放散量の測定>
先に得られた塗料組成物を、JIS H4000で規定されるアルミ板2枚にそれぞれ塗布量が130g/m2となるように刷毛で塗装した。これらは23℃で24時間放置した後、さらに塗布量が130g/m2となるよう、刷毛で塗り重ねを行った。得られた2枚の塗板は23℃で7日間乾燥した後、JIS K5601−4−1に記載のデシケータ法に従い、ホルムアルデヒド放散量(mg/L)を求めた。結果を表1に併せて示した。
<ホルムアルデヒド放散量の測定>
先に得られた塗料組成物を、JIS H4000で規定されるアルミ板2枚にそれぞれ塗布量が130g/m2となるように刷毛で塗装した。これらは23℃で24時間放置した後、さらに塗布量が130g/m2となるよう、刷毛で塗り重ねを行った。得られた2枚の塗板は23℃で7日間乾燥した後、JIS K5601−4−1に記載のデシケータ法に従い、ホルムアルデヒド放散量(mg/L)を求めた。結果を表1に併せて示した。
<硬化阻害の有無>
先に得られた塗料組成物をブリキ板に塗布量130g/m2となるように刷毛で塗り、23℃で16時間放置した。さらに塗布量130g/m2となるように刷毛で塗り重ねを行った。塗膜に縮みが発生しない場合を○、一部に発生する場合を△、全面に縮みが発生する場合を×とした。同様に5℃、24時間を乾燥条件として、上記と同様に塗膜を作成し、評価を行った。結果を表1に併せて示した。
先に得られた塗料組成物をブリキ板に塗布量130g/m2となるように刷毛で塗り、23℃で16時間放置した。さらに塗布量130g/m2となるように刷毛で塗り重ねを行った。塗膜に縮みが発生しない場合を○、一部に発生する場合を△、全面に縮みが発生する場合を×とした。同様に5℃、24時間を乾燥条件として、上記と同様に塗膜を作成し、評価を行った。結果を表1に併せて示した。
<塗膜外観>
先に得られた塗料組成物をブリキ板に塗布量130g/m2となるように刷毛で塗り、これを相対湿度70%に保ち、23℃で16時間放置した。さらに塗布量130g/m2となるように刷毛で塗り重ねを行った。こうして得られた塗膜の外観を目視で評価した。特に問題がない場合には○、白化が認められる場合を×とした。
先に得られた塗料組成物をブリキ板に塗布量130g/m2となるように刷毛で塗り、これを相対湿度70%に保ち、23℃で16時間放置した。さらに塗布量130g/m2となるように刷毛で塗り重ねを行った。こうして得られた塗膜の外観を目視で評価した。特に問題がない場合には○、白化が認められる場合を×とした。
本発明のアルキド系塗料組成物は、建築基準法が区分するところのホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆を満たすことができるので、屋内での塗装に用いられる塗料に適している。
Claims (7)
- 不飽和脂肪酸に由来する樹脂、酸価を有する顔料分散剤、および尿素化合物を含む塗料組成物であって、塗料組成物中における、前記不飽和脂肪酸に由来する樹脂固形分の含有量が30〜80質量%、前記酸価を有する顔料分散剤の固形分含有量が0.01〜5質量%、前記尿素化合物の含有量が0.01〜2質量%である、アルキド系塗料組成物。
- 前記尿素化合物の純度が95質量%以上である請求項1記載のアルキド系塗料組成物。
- 前記尿素化合物が分散している請求項1または2記載のアルキド系塗料組成物。
- 前記尿素化合物がエチレン尿素である請求項1〜3のいずれかに記載のアルキド系塗料組成物。
- 前記酸価を有する顔料分散剤の酸価が5mgKOH/g以上である請求項1〜4のいずれかに記載のアルキド系塗料組成物。
- 不飽和脂肪酸に由来する樹脂、酸価を有する顔料分散剤、および尿素化合物を混合することによる塗料組成物の製造において、前記尿素化合物を溶剤に溶解させずに前記混合を行う、アルキド系塗料組成物の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の塗料組成物を基材上に塗布して得られる塗膜。
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