JP2008189746A - 抗紫外線剤とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】抗紫外線剤ならびにこれによる紫外線劣化防止塗料において、環境汚染特性の強いトルエン、キシレン、酢酸ブチル等の有機溶剤を使用しないため有機溶剤の持つ異臭性もなく、製造過程、施工現場でクリーンな環境を実現するとともに化学的に安定していてストックも容易であり、施工現場でも取り扱い易い製品を低廉なコストで提供する。
【解決手段】樹脂カプセルに包摂された紫外線吸収剤および/又は紫外線安定剤と分散剤と水とからなり、前記樹脂カプセルは粒径が0.35μmないし1.09μmマイクロカプセルであり、該マイクロカプセルを水中に分散させたエマルジョンからなる抗紫外線剤を提供して上記課題を解決する。
【選択図】 なし。
【解決手段】樹脂カプセルに包摂された紫外線吸収剤および/又は紫外線安定剤と分散剤と水とからなり、前記樹脂カプセルは粒径が0.35μmないし1.09μmマイクロカプセルであり、該マイクロカプセルを水中に分散させたエマルジョンからなる抗紫外線剤を提供して上記課題を解決する。
【選択図】 なし。
Description
本願発明は、木材等に塗布してその耐候性を付与するための抗紫外線剤とその製造方法に関し、キシレン、トルエン等の溶剤を一切使用しない紫外線劣化防止技術に関するものである。
木材、樹脂剤、その他を屋外で利用する場合、従来からその耐候性、特に紫外線による表面の劣化の問題の発生が不可避である。 特に木材等の化学成分の多くは紫外線を非常によく吸収する性質を持つため、木材の色調をそのままに保持した所謂る白木のような無処理木材では、短期間(ひと夏)で木材表面が暗灰色に変色してしまい、さらには、カビによる点状の黒色汚染も加わり、1年程度で木材の持っていた美しい色調は完全に失われてしまうこともある。
このため、光、特に紫外線により劣化、変質しやすい木材、プラスチックには紫外線吸収剤、紫外線安定化剤等の抗紫外線剤の塗布がなされている。 このような抗紫外線剤は、周知の紫外線吸収剤、紫外線安定化剤等がトルエン、キシレン、酢酸ブチル等の有機溶剤で水系塗料に分散されて構成され、さらに、施工現場でも希釈剤としてトルエン、キシレン等の溶剤が使用されている。
しかしなら、トルエン、キシレン、酢酸ブチル等の溶剤は、その環境汚染特性から国際的にも使用規制の機運が高まり、これを受けて国内法令によりその使用について、厳しい制限を受けるようになっている(劇物取締法、悪臭防止法、有機溶剤中毒予防規則)。
このため、上記従来の有機溶剤の代替物質を使用する抗紫外線剤が市場に種々登場するようになったが、異臭性があり、溶解度も低く、溶解安定性も低い等の欠点により、製品機能において安定性を得られず適正な抗紫外線対策を容易になしえなくなっているのが実情である。
施工時における低臭性等を目的としたウレタン防水技術に関連して、以下の文献が存在している。
マテリアルライフ1996年4月号 「HALSのメカニズムと応用」 マテリアルライフ1993年10月号「光安定剤の研究開発の展望」
このため、上記従来の有機溶剤の代替物質を使用する抗紫外線剤が市場に種々登場するようになったが、異臭性があり、溶解度も低く、溶解安定性も低い等の欠点により、製品機能において安定性を得られず適正な抗紫外線対策を容易になしえなくなっているのが実情である。
施工時における低臭性等を目的としたウレタン防水技術に関連して、以下の文献が存在している。
マテリアルライフ1996年4月号 「HALSのメカニズムと応用」 マテリアルライフ1993年10月号「光安定剤の研究開発の展望」
上記のように、従来の抗紫外線剤にあっては、粘度調整のために数%のトルエン・キシレンが含有されているのが一般的であり、さらに施工現場で希釈剤(減粘剤)として、トルエン・キシレンを数%添加し混合し、施工条件に適した粘度に調整した後、塗布されるのが一般的であったが、これらの有機溶剤の使用による各種弊害が認識されるにいたり、その対策が模索されるようになっている。すなわち、トルエン・キシレンは毒物および劇物取締法(厚生労働省)および悪臭防止法(環境省)の対象物質であり、最近になって室内環境汚染(シックハウス)の濃度指針対象物質(厚生労働省)に挙げられており、また、PRTR法(経済産業省および環境省)で第1種指定化学物質となっており、さらには文部科学省においても平成14年より学校の新築・改修工事引渡し時に濃度測定が義務付けられる等、その毒性の問題により、今後さらに規制が厳しくなることが予想される。
しかしながら、それらの有機溶剤対策各種試みにもかかわらず必ずしも満足な結果を得られていないのが原状である。
しかしながら、それらの有機溶剤対策各種試みにもかかわらず必ずしも満足な結果を得られていないのが原状である。
本願発明は上記現状に鑑みてなされたもので、抗紫外線剤ならびにこれによる紫外線劣化防止塗料において、環境汚染特性の強いトルエン、キシレン、酢酸ブチル等の有機溶剤を使用しないため有機溶剤の持つ異臭性もなく、製造過程、施工現場でクリーンな環境を実現するとともに化学的に安定していてストックも容易であり、施工現場でも取り扱い易い製品を低廉なコストで提供することを目的としている。
本願発明は、樹脂カプセルに包摂された紫外線吸収剤および/又は紫外線安定剤と分散剤と水とからなり、トルエン、キシレン等の有機溶剤をまったく含有しない抗紫外線剤を実現して上記従来の課題を解決しようとするものである。
また、上記の抗紫外線剤において、前記樹脂カプセルは粒径が0.35μmないし1.09μm であり、該微粒カプセルを水中に分散させたエマルジョンから構成することがある。
さらに、上記いずれかの抗紫外線剤において、カプセルはウレタン・ウレア系樹脂から形成することがある。
本願発明はまた、紫外線劣化防止塗料であって、上記いずれかの抗紫外線剤と、バインダーと、水とからなり、トルエン、キシレン等の有機溶剤をまったく含有せず、またこれら溶剤を希釈剤として使用する必要のない紫外線劣化防止塗料を提供する。
また、上記の紫外線劣化防止塗料において、バインダーはアクリル変成シリコンで構成することがある。
本願発明はさらに、 木材又は樹脂剤の表面に樹脂カプセルに包摂された紫外線吸収剤および/又は紫外線安定剤を重層して形成した紫外線劣化防止構造を提供する。
さらにまた、本願発明は、外殻が樹脂剤で形成される微粒カプセルのコア部分に紫外線吸収剤および/又は紫外線安定剤を包摂せしめ、この微粒カプセルを分散剤とともに水中に分散させてエマルジョン化してなる抗紫外線剤の製造方法を提供する。
上記構成により、本願発明によれば、環境に有害とされるトルエン・キシレンを使用することなくして施工性、耐久性、コストパーフォマンス性等において従来技術と同様の性能を有しながら、毒性や異臭性のない環境に優しい抗紫外線技術を実現できる。
本願発明において、紫外線吸収剤、光安定剤のカプセル封入は、マイクロカプセル化の常法すなわち、化学的方法による界面重合法、in-site重合法、あるいは物理化学的方法による液中乾燥法、コアセルベーション、あるいはまた機械的方法としての噴霧乾燥法、乾式混合法のいずれかにより実行する。 いずれの手法によりカプセル化をなすかは紫外線吸収剤、光安定剤の種類、カプセル壁剤により選択する。そして、カプセル壁剤は紫外線を透過する樹脂剤を選択する。
次に、本願発明に係る抗紫外線剤の製造方法に係る一実施例を説明する光安定剤(HALS)が添加された油性液状の紫外線吸収剤Aを界面重合法によりマイクロカプセル化した。カプセル壁剤としては透光性を有するウレタン・ウレア系樹脂によった。
重合の終了後、水、分散剤を添加してエマルジョン化して、外観が白色液状の抗紫外線剤を得た。この抗紫外線剤は、カプセルの平均粒子径が0.35(μm/LA−950)で、全体の組成は、以下の通りである。
重合の終了後、水、分散剤を添加してエマルジョン化して、外観が白色液状の抗紫外線剤を得た。この抗紫外線剤は、カプセルの平均粒子径が0.35(μm/LA−950)で、全体の組成は、以下の通りである。
上記のエマルジョンの組成
(1)コア: 紫外線吸収剤等(28重量%)
(2)シェル: ウレタン樹脂(11重量%)
(3)分散剤: 3重量%
(4)水: 58重量%
なお、上記でコア部分の紫外線吸収剤の比率は任意に変えることが可能である。
(1)コア: 紫外線吸収剤等(28重量%)
(2)シェル: ウレタン樹脂(11重量%)
(3)分散剤: 3重量%
(4)水: 58重量%
なお、上記でコア部分の紫外線吸収剤の比率は任意に変えることが可能である。
次に、上記抗紫外線剤により、紫外線劣化防止塗料を製造した。
原料(バインダー(アクリル変成シリコン)、上記マイクロカプセルエマルジョン、水)
を混合撹拌した。
配合:重量比
バインダー(アクリル変成シリコン) 20.0%
マイクロカプセルエマルジョン 3.6%
水 76.4%
当該実施例では、上記配合によっているが、各成分の配合比は使用条件、塗布対象によりさまざまに変えることになる。
原料(バインダー(アクリル変成シリコン)、上記マイクロカプセルエマルジョン、水)
を混合撹拌した。
配合:重量比
バインダー(アクリル変成シリコン) 20.0%
マイクロカプセルエマルジョン 3.6%
水 76.4%
当該実施例では、上記配合によっているが、各成分の配合比は使用条件、塗布対象によりさまざまに変えることになる。
上記エマルジョンの生成に使用した紫外線吸収剤は、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体であり、波長270nm-410nm(木材および各種樹脂の紫外線等の吸収領域)の範囲で紫外線を良好に吸収して熱変換する。
この紫外線吸収剤による従来の塗料と上記の紫外線劣化防止塗料との性能比較試験をそれぞれガラス板に塗布し測定したところ、上記の本願発明に係る紫外線劣化防止塗料の紫外線透過率は従来品を上回る効果を奏した。
また、従来の塗料の場合、紫外線吸収剤は溶媒中に分散しているのに対して、本願発明の塗料の場合は、紫外線吸収剤を包含するカプセルが重層構造となって塗膜が形成されるためと考えられる。また、このような構造が形成されるから、塗膜自体の耐久性も向上する。
この紫外線吸収剤による従来の塗料と上記の紫外線劣化防止塗料との性能比較試験をそれぞれガラス板に塗布し測定したところ、上記の本願発明に係る紫外線劣化防止塗料の紫外線透過率は従来品を上回る効果を奏した。
また、従来の塗料の場合、紫外線吸収剤は溶媒中に分散しているのに対して、本願発明の塗料の場合は、紫外線吸収剤を包含するカプセルが重層構造となって塗膜が形成されるためと考えられる。また、このような構造が形成されるから、塗膜自体の耐久性も向上する。
上記エマルジョンは水性剤に容易に混合されるから、その使用範囲は木材、樹脂に限らず紙、繊維等にも広く適用でき、また有機溶剤を一切使用しないから、有機溶剤による弊害をすべて排除できる。
Claims (7)
- 樹脂カプセルに包摂された紫外線吸収剤および/又は紫外線安定剤と分散剤と水とからなる抗紫外線剤。
- 請求項1記載の抗紫外線剤において、前記樹脂カプセルは粒径が0.35μm ないし1.09μmであり、該微粒カプセルを水中に分散させたエマルジョンからなる抗紫外線剤。
- 請求項1又は2記載の抗紫外線剤において、カプセルはウレタン・ウレア系樹脂からなることを特徴とする抗紫外線剤。
- 紫外線劣化防止塗料であって、請求項1ないし3いずれか記載の抗紫外線剤と、バインダーと、水とからなる紫外線劣化防止塗料。
- 請求項4記載の紫外線劣化防止塗料において、バインダーはアクリル変成シリコンであることを特徴とする紫外線劣化防止塗料。
- 木剤又は樹脂剤、その他の対象物の表面に樹脂カプセルに包摂された紫外線吸収剤および/又は紫外線安定剤を重層して形成した紫外線劣化防止構造。
- 外殻が樹脂剤で形成される微粒カプセルのコア部分に紫外線吸収剤および/又は紫外線安定剤を包摂せしめ、この微粒カプセルを分散剤とともに水中に分散させてエマルジョン化してなる抗紫外線剤の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007024024A JP2008189746A (ja) | 2007-02-02 | 2007-02-02 | 抗紫外線剤とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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- 2007-02-02 JP JP2007024024A patent/JP2008189746A/ja not_active Withdrawn
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