JP2008188743A - 研磨シート、研磨シートの製造方法、半導体ウエハの研磨方法、及び、散布装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
研磨シート20は、シート状の基材200の表面に、ラフ研磨用の粗粒研磨領域202と、仕上げ研磨用の微粒研磨領域204とを有する。粗粒研磨領域202における砥粒の平均粒子径は、微粒研磨領域204における平均粒子径よりも大きい。この研磨シート20によれば、同一の研磨モジュールでラフ研磨及び仕上げ研磨を一度に行うことができ、研磨工程の所要時間の短縮、及び、消耗品の削減が期待できる。
【選択図】図1
Description
また、研磨工程が2工程必要となることから、研磨速度の低下、並びに、水洗装置を含む設備費用及び研磨シートに関する消耗品の費用の増大、が問題となっていた。
また、特許文献2には、研磨テープを用いて、シリコンウエハのベベル部を研磨する基盤処理装置が記載されている。
また、特許文献3には、ベベルエッチングユニットを具備する半導体基板製造装置が記載されている。
また、特許文献4には、研磨シートが記載されている。
図1に例示するように、研磨シート20(又は研磨シート22)は、基材上に、砥粒の粒度分布が異なる複数の研磨領域を有する。本例では、シート状の基材200の表面に、ラフ研磨用の粗粒研磨領域202と、仕上げ研磨用の微粒研磨領域204とが設けられている。
なお、本明細書において、研磨剤とは砥粒の集合体を意味する。また、混合ペーストとは、研磨剤(すなわち、砥粒)と結合剤(後述)とを混合したペーストを意味する。また、研磨領域とは、砥粒の粒度分布が略均一な領域を意味する。
砥粒は、複数の粒度分布を有する無機粉末を用いる。
砥粒の材質は、アルミナ、ダイヤモンド、立方晶ボロンナイトライド、炭化ホウ素、窒化珪素、シリコンカーバイド、ボロンカーバイド、タングステンカーバイド、酸化鉄、酸化クロム、エメリー、ガーネット、スピネル、ケイソウ土、ドロマイト、又は浮石粉等である。これらの材質の中では、研削効率が高いダイヤモンド、エメリー、及びアルミナが好適に用いられる。
すべての砥粒の材質が同一であってもよく、複数の材質を用いてもよい。
結合剤とは、砥粒を基材上に固定させる材料である。結合剤としては、ポリエステル樹脂、塩ビ樹脂、酢ビ樹脂、塩ビ・酢ビ共重合樹脂、塩ピ・アクリル共重合樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ゴム、硝化綿、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられる。アクリル樹脂を主体とするバインダーが結合剤として好適に用いられる。
砥粒と結合剤を混合して混合ペーストを調製する方法としては、例えば、結合剤と砥粒を撹枠混合し、ニーダー等で混練する方法が挙げられる。砥粒は、溶剤及び分散剤と混合し、必要に応じて超音波、イオナイザー、又は回転ロール加圧等で分散処理しておくことが好ましい。
基材の厚み及び種類は、用途に応じて適宜選択される。基材としては、例えば、紙、布、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エチレンビニルアルコール、及びアイオノマー等が挙げられる。基材には、アルミナ繊維等、ガラス繊維、金属繊維等からなる布状物を用いてもよい。また、基材には、ガラスクロス、発泡フィルム、又は不織布等も使用可能である。さらに、四級アミン等の帯電防止剤や滑り剤を基材に添加してもよい。
結合剤用樹脂層と基材を積層する方法は、例えば、グラビアコーター、コンマコーター、バーコーター、ナイフコーター、キスロールコーター等の各種コーターで基材上に塗布する方法や、凸版印刷機、凹版印刷機、平板印刷機、フレキソ印刷機、オフセット印刷機、スクリーン印刷機等の各種印刷機で印刷する方法がある。形成された結合用樹脂層の厚みは、5〜100μmであることが好ましい。
また、図2に例示するように、研磨中のドレンを排出する目的で、塗工面に幅20〜500μmの溝206を複数設けてもよい。このような溝206を設けることにより、研磨領域202及び204における目詰まり抑制が期待できる。本例では、シートの短手方法に平行に設けられた溝206aと、シートの長手方向に平行に設けられた溝206bとが例示されているが、シートの短手方向又は長手方向のみに溝を設けてもよいし、シートに対して斜め方向に溝を設けてもよい。
図3(A)に例示するように、散布装置3は、チューブ状の中空筐体300と、粗粒(研磨剤)を供給する粗粒供給路302と、微粒(研磨剤)を供給する微粒供給路304と、中空筐体300の内部に設けられた仕切板306(調整手段)と、基材を巻き取るロール310a及び310bとを有する。
中空筐体300の内部は、図3(B)に例示するように、仕切板306によって仕切られており、中空筐体300の開口は、この仕切板306によって、粗粒を散布するための粗粒散布口300aと、微粒を散布するための微粒散布口300bとに分割される。仕切板306は、駆動装置(不図示)によって紙面左右方向に移動可能である。つまり、仕切板306の位置を調整することにより、粗粒を散布する範囲と、微粒を散布する範囲とを変更できる。
また、散布装置3は、図3(B)に例示するように、中空筐体300の下方に、シャッタ308を有する。シャッタ308は、駆動装置(不図示)によって紙面左右方向に移動可能であり、散布装置3は、このシャッタ308によって、粗粒散布口300a及び微粒散布口300bの開閉を行う。粗粒の研磨剤塗布面に微粒の研磨剤が混入しても影響が比較的小さいことから、散布装置3は、シャッタ308を制御して、まず粗粒散布口300aのみを開けて、粗粒供給路302から供給される粗粒を基材200の表面に散布し、次に、粗粒散布口300aを閉じ、微粒散布口300bを開けて、微粒供給路304から供給される微粒を機材200の表面に散布する。なお、研磨剤の散布は、上記のように高圧噴霧によってもよいし、自然落下によってもよい。
また、図1(B)に例示するように、研磨シート22は、シートの長手方向に対し垂直に、複数の研磨領域を有してもよい。この場合には、粗粒研磨領域202と微粒研磨領域204とがシートの長手方向に交互に配置される。
なお、粗粒研磨領域202と微粒研磨領域204とがそれぞれ表裏両面に配置されてもよい。
図4は、研磨装置4を模式的に例示する図である。
半導体ウエハのベベルを研磨する方法としては、例えば、シリコンウエハのベベルの研磨装置4による連続研磨法が挙げられる。研磨装置4は、研磨シート20のロール402(及びロール404)が取り付けられており、シート支持部406により支持された研磨シート20を、シリコンウエハのベベル部に押し当てながら、シリコンウエハを回転させて研磨することができる構成となっている。本例では、シリコンウエハがウエハ回転台42の上に固定されており、このウエハ回転台42がシリコンウエハを回転させる。
研磨シート22(図1(B))の製造に以下の材料を用いた。
結合剤:共重合ポリエステル樹脂、東洋紡バイロンUR8300。
基材:厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート製シート、市販品。
微粒:#4000相当の人造ダイヤモンド粉末粒径、レーザー散乱法によるD50値が3.0μm、市販品。
粗粒:#18000相当の人造ダイヤモンド粉末粒径、レーザー散乱法によるD50値が0.5μm、市販品。
また混合ペーストを作製する場合、微粒、粗粒をそれぞれ市販のアクリル樹脂バインダーと混合して混練し、微粒ペースト及び粗粒ペーストとした。
PET樹脂基材(20mm幅×100μm厚)に、グラビアロールを用いて10μmの厚みで結合剤用バインダーを塗布した。その直後に微粒用と粗粒用の2台の粉体散布装置により、微粒と粗粒を結合剤上に塗工長1m毎に交互に散布し、結合剤用樹脂を遠赤外線炉で加熱硬化させ、巻き取って研磨シートとした。
これにより、シートの長手方向に1m刻みで微粒研磨領域及び粗粒研磨領域が交互に切り替わる研磨シート22を得た。
上記のように作製された研磨シート22を使用してシリコンウエハのベベル研磨を実施した。研磨装置4は、装置本体内にウエハの研磨を行う研磨モジュール40が2台搭載されたものを使用した。
200・・・基材
202・・・粗粒研磨領域
204・・・微粒研磨領域
206・・・溝
4・・・研磨装置
40・・・研磨モジュール
Claims (10)
- 砥粒の粒度分布が異なる複数の研磨領域を有する研磨シート。
- 前記複数の研磨領域は、シートの長手方向に対し平行に配置されてなる
請求項1に記載の研磨シート。 - 前記複数の研磨領域は、シートの長手方向に対し垂直に配置されてなる
請求項1に記載の研磨シート。 - 前記研磨領域の少なくとも一部に、溝が形成されてなる
請求項1〜3のいずれかに記載の研磨シート。 - 砥粒と結合剤とを混合して、砥粒の粒度分布が異なる複数の混合ペーストを調製し、
調製された複数の混合ペーストそれぞれを基材表面の異なる領域に塗布する
研磨シートの製造方法。 - 基材表面に結合剤を塗布し、
結合剤が塗布された基材表面の複数の領域それぞれに、砥粒の粒度分布が異なる複数の研磨剤それぞれを散布する
研磨シートの製造方法。 - 基材表面に配置された研磨剤に対して、結合剤が硬化する前に加圧し、砥粒を結合剤中に埋め込む
請求項5又は6に記載の研磨シートの製造方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の研磨シートを、半導体ウエハのベベル部に当接させ、
前記ベベル部に前記研磨シートを当接させた状態で、前記研磨シート又は前記半導体ウエハを動かす
半導体ウエハの研磨方法。 - 複数の散布口と、
複数の前記散布口に対して、砥粒の粒度分布が異なる複数の研磨剤を供給する供給手段と
を有する散布装置。 - 前記散布口の大きさを調整する調整手段
をさらに有する請求項9に記載の散布装置。
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