JP2008188231A - 血液分離装置及び血液分離方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】赤血球層及び血漿層に分離された血液が封入される第1バッグ(11)と、第1バッグ(11)からチューブを介して接続される複数の第2バッグ(12,13)と、第1バッグ(11)を装着して秤量を行う秤量部(43)と、秤量部(43)に装着されている第1バッグ(11)を押圧し前記血漿を前記チューブに圧送する収容室(40)と、第1バッグ(11)が秤量部(43)に装着されてから前記押圧が開始されるまでの期間に秤量部(43)の秤量データ(m)を複数の時点で取得する秤量データ取得手段(99)と、取得された複数の秤量データ(m)に基づいて第1バッグ(11)の重量を決定する重量決定手段(101)と、を備える。
【選択図】図5
Description
この血液成分製剤は、人体から採取された血液を遠心分離機にかけて、比重に応じて分離された各成分(赤血球、白血球、血小板、血漿等)毎に収集することにより製造される。
このような、血液成分の分離は、分離された血液(全血)が封入される親バッグ(第1バッグ)からチューブを介して子バッグ(第2バッグ)が接続されている血液バッグシステムを用いて行う。そして、この血液バッグシステムを血液分離装置に装着して、親バッグを押圧することにより比重の小さい層分離成分から順番にチューブを介して子バッグに収集する血液分離装置が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
この血液バッグシステムにより子バッグに収集された血液成分は、規定量に調整され、血液成分製剤としてこの規定量を単位として各医療機関に向けて提供される。
しかし、血液分離装置を用いた作業においては、作業の迅速性が求められるところ、親バッグを装着する際にチューブやバッグに誤って触れる等して、親バッグの秤量精度が低下する問題があった。
しかしながら、前記した期間中の複数の時点において秤量部から複数の秤量データを取得することができれば、これら複数の秤量データを処理することにより、誤差の寄与を低減し、より高精度の第1バッグの重量を導くことができる。
このような時点においては、誤ってチューブやバッグ等に触れる機会が低減するものと考えられ、より高精度の第1バッグの重量を導くことができる
このように発明が構成されることにより高精度な第1バッグの重量の決定が可能となる。
このように発明が構成されることによりさらに高精度な第1バッグの重量の決定が可能となる。
このように発明が構成されることによりさらに高精度な第1バッグの重量の決定が可能となる。
図1は本発明に適用される血液バッグシステムを示す構成図である。
このように構成される血液バッグシステム10は、後記する血液分離装置30(図3参照)に装着されて、分離した血液のうち比重の軽い成分(血漿層)を子バッグ12に圧送するとともに、比重の重い成分(赤血球層)を残留させて、両成分を分離して収集するものである。
白血球除去フィルタ14は、第4チューブ24の途中経路に設けられているものであって、採血バッグ15を押圧して全血が通過して親バッグ11に移送される過程において、白血球及び血小板を捕捉するものである。
なお、血液が親バッグ11に移送された後は、第4チューブ24は親バッグ11に近い部分で切り離されて、白血球除去フィルタ14、採血バッグ15、採血針16は廃棄されることになる。
親バッグ11(第1バッグ)は、白血球及び血小板が分離(除去)された血液が移送された後、子バッグ12、薬液バッグ13とともに図示しない遠心分離機に装着されることになる。
図2(a)に示されるように、遠心分離処理後の親バッグ11には、空気層、血漿層及び赤血球層に分離された血液が封入されている。この空気層は、全血が白血球除去フィルタ14を通過する際に発生したものが大部分であって、図2(b)に示されるように薬液バッグ13に移送される。
血液成分分離が実施された後、親バッグ11は、赤血球製剤として出荷されるものである。なお薬液バッグ13は、血液成分分離が実施された後、廃棄される場合もあるし、図示しない次の工程で子バッグ12に封入される血漿を規定値にあわせるために血漿の余剰分を移送して血漿分画製剤の原料として利用される。
この血液分離装置30は、第1バッグ11が収容される収容室40と、子バッグ12が設置される第1設置室50と、薬液バッグ13が配置される密閉室60と、チューブ21,22,23を操作するクランプ80と、を含んで構成されている。
このように構成される血液分離装置30は、血液バッグシステム10を装着して、親バッグ11に封入される血液の重量を測定するとともに、初期設定される分離モードの設定に応じて、規定量の血液成分製剤を製造するものである。
さらに密閉室60は、図5(a)に示されるように、その内部を減圧させる減圧弁35aと、その内部を加圧させる加圧弁35bと、その内部を大気圧に戻すリーク弁35cとからなる調圧手段35を有している。この調圧手段35の一端が接続して容積を自在に変化させる膨縮体54の作用により、密閉室60の内部の気圧が自在に制御されることになる。そして、この内部に配置される薬液バッグ13から薬液を第3チューブ23を介して圧送させたり、逆に親バッグ11又は子バッグ12の内容物を吸引させたりすることができる。
図4の側断面図を参照し、収容室40の構成と動作について説明する。ここで図4(a)は親バッグ11が搬入された直後を示す図であり、図4(b)は親バッグ11が押圧されている状態を示す図である。
これにより、界面検出部42は、図4(b)に示されるように、親バッグ11が押圧される段階において、上昇する血液成分の界面を検出するものである。このように界面検出部42により分離した血液成分の界面が検出されると低比重成分層(血漿)は、親バッグ11から移送されたと判断される。
このように構成される秤量部43は、第1バッグ11が装着された時点からこの第1バッグ11の重量に比例した強度の秤量信号A(適宜図5参照)を連続的に出力するものである。
このように構成される押圧部70は、ヒンジ71aを中心として押圧板71に任意量の回転変位を付与し、親バッグ11を押圧するものである。
クランプ80は、第1チューブ21が装着される第1クランプ81と、第2チューブ22が装着される第2クランプ82と、第3チューブ23が装着される第3クランプ83と、本実施形態では使用されない第2設置室34に配置されるバッグに接続するチューブが装着される第4クランプ84と、圧送する液体によりチューブ21,22,23が動かないよう適宜固定する支持部材86a,86bと、チューブ21,22,23の内部を圧送される空気を検出する気泡検出部87と、から構成される。
第1クランプ81は、第1チューブ21が着脱自在に装着されるような溝81cが設けられている。
さらに第1クランプ81は、エア弁81bが設けられ、第1チューブ21に対して圧接/退避する動作に伴って第1チューブ21の圧送状態の開閉切替を行うようになっている。さらに、第1クランプ81は、装着された第1チューブ21を圧接した状態で発熱することにより、第1チューブ21の内壁面を融着して封止する機能も有している。
他のクランプ82,83に設けられているエア弁82b、83bについても同様に、チューブ22,23の開閉切替を独立に行うことができ、封止することができるものである。
秤量制御部90は、第1装着信号受信手段91と、第2装着信号受信手段92と、第3装着信号受信手段93と、第4装着信号受信手段94と、第5装着信号受信手段95と、閉扉信号受信手段96と、押圧開始信号受信手段97と、秤量信号受信手段98と、秤量データ取得手段99と、記憶手段100と、重量決定手段101とから構成される。
第2装着信号受信手段92は、第2クランプ82に第2チューブ22が装着されたことを示す装着信号D2を装着検知手段82aから受信するものである。そしてこの装着信号D2を受信した時点でそのことを秤量データ取得手段99に認識させるものである。
第3装着信号受信手段93は、第3クランプ83に第3チューブ23が装着されたことを示す装着信号D3を装着検知手段83aから受信するものである。そしてこの装着信号D3を受信した時点でそのことを秤量データ取得手段99に認識させるものである。
第4装着信号受信手段94は、気泡検出部87に第1チューブ21が装着されたことを示す装着信号D4を装着検知手段87aから受信するものである。そしてこの装着信号D4を受信した時点でそのことを秤量データ取得手段99に認識させるものである。
第5装着信号受信手段95は、秤量部43に親バッグ11が装着されたことを示す押圧開始信号D5を装着検知手段43aから受信するものである。そしてこの押圧開始信号D5を受信した時点でそのことを秤量データ取得手段99に認識させるものである。
閉扉信号受信手段96は、開閉扉41が閉じたことを示す閉扉信号D6を閉扉検知手段41bから受信するものである。そしてこの閉扉信号D6を受信した時点でそのことを秤量データ取得手段99に認識させるものである。
押圧開始信号受信手段97は、押圧部70の作動を開始するスタートボタン(スイッチ)33aが押下されたことを示す押下開始信号D7を押下検知手段33bから受信するものである。そしてこの押圧開始信号D7を受信した時点でそのことを秤量データ取得手段99に認識させるものである。
秤量データ取得手段99は、図5(a)(b)に示されるように、装着信号受信手段91,92,93,94,95,閉扉信号受信手段96及び押圧開始信号受信手段97が信号D1,D2,D3,D4,D5,D6,D7を受信したことを認識した時点(t1、t2、t3…)を基準にして(適宜図5(b)参照)、秤量信号AをΔt間隔で離散的な秤量データmをk個取得するものである。
つまり、押圧開始信号受信手段97が押下開始信号D7を受信した時点から間をおかずに、親バッグ11の押圧が開始されることから、第1バッグ11が秤量部43に装着されてから押圧が開始されるまでの期間に、複数(本実施形態では7×k個)の秤量データmが取得されることになる。
ここで、図5(b)のグラフは、破線が連続な秤量信号Aを示し、縦矢印線が秤量部43から取得されて記憶手段100に蓄積される離散的な秤量データm及び時間データtnを示している。
具体的には、蓄積された秤量データmを、採血200mLの重量を中心に規定範囲とした第1区分、採血400mLの重量を中心に規定範囲とした第2区分、第1区分と第2区分とに挟まれる範囲の第3区分、第1区分に隣接し第3区分とは反対側の第4区分、第2区分に隣接し第3区分とは反対側の第5区分、の5つの区分に分類する。
そして、秤量データmが最も多く含まれる区分を母集団と認定し、この母集団の平均を第1バッグ11の重量と決定する。
この第1バッグ11の重量を決定する方法としては、特に限定されるものではなく、他に、単純に秤量データmの全体平均をとったり、特異点を除外した秤量データmの母集団の平均値を求めたり、秤量データm及び時間データtnの関係式から外挿することにより求めたりする方法等が考えられる。
図5及び図6を参照して血液分離方法の手順を説明する。
最初にステップS11(以下、単に「S11」のように記載する)において、オペレータが操作パネル33(図3参照)で分離モードを設定する。次に(S12)血液バッグシステム10の親バッグ11、子バッグ12及び薬液バッグ13を血液分離装置30の所定の位置に装着する。特に第1バッグ11は秤量部43に吊り下げるようにして装着すると、(S13)秤量部43における秤量データmが記憶手段100に蓄積される。
次に(S19)操作パネル33上のスタートボタン33aを押下すると、(S20)秤量部43における秤量データmが記憶手段100に蓄積される。
このようにして、(S21)記憶手段100に蓄積された複数の秤量データmに基づいて重量決定手段101により親バッグ11の重量が決定される。
もし(S22;No、S24)、決定された重量が不適正であれば、動作ランプ32などを点灯させてオペレータに知らせる。
そして(S27;Yes)、気泡検出部87が空気を検出状態から不検出状態に切り替わったところで、親バッグ11の空気が全て薬液バッグ13に移送されたとみなされる。
但し(S25)〜(S27)のフローは、本発明に係る血液分離方法にとって必須の構成要件ではない。
そして(S29;Yes)、界面検出部42(図4参照)が血漿層の検出状態から赤血球層の検出状態に切り替わったところで、親バッグ11の血漿成分が全て子バッグ12に移送されたとみなされ、(S30)親バッグ11を押圧する押圧部70の動作が停止する。
すると(S33;No)、薬液バッグ13が圧縮されて、薬液が親バッグ11に移送され、(S33;Yes、S34)移送しきったところで、加圧弁35bを閉じてリーク弁35cを開いて密閉室60の調圧を停止する。この段階で、親バッグ11において、赤血球成分と薬液(赤血球保存液)とが混合した赤血球製剤が得られたことになる。
すると(S37;No)、薬液バッグ13が膨張して、血漿が子バッグ12から薬液バッグ13に移送され、(S37;Yes、S38)秤量手段63の検出結果から子バッグ12の血漿の採取量がS21で定めた規定値になったところで、減圧弁35aを閉じてリーク弁35cを開いて密閉室60の調圧を停止する。この段階で、子バッグ12において、規定量に調整された血漿製剤が得られたことになる。
ここで、「バッグサイズ」とは、現行の日本の全血献血は、200mL又は400mLのいずれかであるのでこれに対応している。そして、分離モード(1)〜(6)は、オペレータによる操作パネル33(図3参照)上の設定項目を指す。
「取り切り」とは、親バッグ11で分離している血漿成分が全て子バッグ12に移された状態で封止した血漿製剤として出荷することをいう。この「取り切り」モードでは、図6のフロー中、S34が終了した時点でS39にジャンプするフローとなる。
「2:1量分割」とは、採取された血漿成分の全量のうち三分の二を子バッグ12に残し、三分の一を薬液バッグ13に移したものを血液成分製剤として出荷することをいう。この「2:1量分割」モードでは、図6のフロー中、S11からS40の全てのフローが実行されるとともに、規定値としてはS30における子バッグ12の重量を基準値としてその三分の二の値が適用される。
なお、「1単位」モード及び「2:1量分割」モードを選択した場合において、薬液バッグ13に密封された血漿成分は、血漿分画製剤の原料等として利用される。
本実施形態において適用される血液バッグシステムは本発明を説明するための一例であり、適用可能な血液バッグシステムは実施形態に限定されるものではない。
図8で例示される血液バッグシステム10´は、図1と同一又は相当する部分は同一符号で示されている。そしてこの同一又は相当する部分の説明については、すでにした説明を援用することとして記載を省略する。
血液バッグシステム10´の特徴点は、採血バッグ15をそのまま遠心分離機にかけたのち親バッグ11´として収容室40(図3)に装着する点である。そして、血液バッグシステム10´を採用した場合の白血球成分の分離は、その比重差を利用して専用のバッグ14´に圧送することにより行われる。そして、この血液バッグシステム10´を採用した場合は、親バッグ11´の空気を排出する必要がない。
しかし、これは、本発明を説明するための一例であって本発明はこれに限定されるものではない。例えば、取得される秤量データは、バッグ装着、チューブ装着、閉扉等の全ての時点で取得される必要はなく最低限2以上の時点で取得ものであればよい。さらに前記した時点とは無関係な最低限2以上の時点で秤量データを取得するものであってもよい。
11,11´ 親バッグ(第1バッグ)
12 子バッグ(第2バッグ)
13 薬液バッグ(第3バッグ)
21 第1チューブ(チューブ)
22 第2チューブ(チューブ)
23 第3チューブ(チューブ)
30 血液分離装置
40 収容室
41 開閉扉
42 界面検出部
43 秤量部
70 押圧部
81 第1クランプ(クランプ)
82 第2クランプ(クランプ)
83 第3クランプ(クランプ)
87 気泡検出部
90 秤量制御部
99 秤量データ取得手段
100 記憶手段
101 重量決定手段
A 秤量信号
m 秤量データ
tn 時間データ
Claims (6)
- 少なくとも赤血球層及び血漿層に分離された血液が封入された第1バッグと、
前記第1バッグにチューブを介して接続された第2バッグと、を有する血液バッグシステムを装着し、
血漿を前記第1バッグから前記第2バッグに移送する血液分離装置であって、
前記第1バッグが収容される収容室と、
前記第1バッグが装着され、この第1バッグ内の血液の重量を測定する秤量部と、
前記第1バッグを押圧して前記血漿を移送する押圧部と、
前記チューブ内の流路を開閉するクランプと、
前記第1バッグが前記秤量部に装着されてから前記第1バッグの押圧が開始されるまでの間に、前記秤量部により測定された秤量データを複数の時点で取得する秤量データ取得手段と、
前記秤量データ取得手段により取得された前記秤量データを蓄積する記憶手段と、
前記記憶手段で記憶された複数の前記秤量データに基づいて前記第1バッグ内の重量を決定する重量決定手段と、を備えることを特徴とする血液分離装置。 - さらに、前記収容室に設けられた開閉扉と、前記押圧部の作動を開始するスイッチと、を備え、
前記秤量データ取得手段は、前記第1バッグが秤量部に装着された時点、前記開閉扉を閉じた時点、前記クランプに前記チューブが装着された時点、前記スイッチを押下した時点のうちの2以上の時点で、前記秤量データを取得することを特徴とする請求項1に記載の血液分離装置。 - 前記記憶手段は、前記秤量データを取得した時点の時間データを蓄積することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の血液分離装置。
- 少なくとも赤血球層及び血漿層に分離された血液を封入した第1バッグ内の血漿を前記第1バッグにチューブを介して接続された第2バッグ内に移送する血液分離方法であって、
前記第1バッグを秤量部に装着する段階と、
前記第1バッグ内の血液の秤量データを複数の時点で取得する段階と、
複数の前記秤量データに基づいて前記第1バッグ内の血液の重量を決定する段階と、
前記第1バッグを押圧して前記血漿の移送を開始する段階と、を含むことを特徴とする血液分離方法。 - 前記複数の時点は、前記第1バッグが秤量部に装着された時点、前記開閉扉を閉じた時点、前記クランプに前記チューブが装着された時点、前記スイッチを押下した時点、のうち少なくとも2以上の時点であることを特徴とする請求項4に記載の血液分離方法。
- 前記第1バッグ内の血液の重量は、複数の前記秤量データに加え、さらに、これら秤量データを取得した時点の時間データに基づいて決定されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の血液分離方法。
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