JP2008187201A - 半導体レーザダイオード - Google Patents
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Abstract
高温におけるしきい値電流の上昇及びスロープ効率の低下の少ない半導体レーザダイオードを提供する。
【解決手段】
p型クラッド層とn型クラッド層の間に活性層を有し、p型クラッド層内に該p型クラッド層のバンドギャップエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する半導体層を有する半導体レーザダイオードにおいて、その半導体層の伝導帯の下端が、半導体レーザダイオードを動作させた時のエネルギーダイアグラムにおいて、n型クラッド層のフェルミレベルを延長したエネルギーレベルに実質的に一致、又は該エネルギーレベル以上とした。
【選択図】図1
Description
尚、この窓領域は、端面近傍における温度上昇を防止するために、レーザ光の吸収を抑えるように設けられた領域である。
先ずn−GaAs基板102上に表面保護層109の途中まで順次エピタキシャル成長し、一旦成長を止め、窓領域114を形成するためのZnあるいはSi等を拡散又は注入等を行った後、更に表面保護層109の残りからp−GaAsコンタクト層までを順次成長する。その後、プロトン注入を行って電流狭窄構造とし、更にp側及びn側電極を作製する。
このように作製される半導体レーザダイオードにおいて、表面保護層109の中には、再成長界面が存在することになる。
ここで、表面保護層109のAl組成比は、アンドープAlGaAsウエル層105(尚、本明細書ではこのウエル層のことを活性層とも呼ぶ)で発生した光を吸収しないように、活性層より大きく0.15としている。
上記半導体層の伝導帯の下端が、上記半導体レーザダイオードを動作させた時のエネルギーダイアグラムにおいて、上記n型クラッド層のフェルミレベルを延長したエネルギーレベルに実質的に一致、又は該エネルギーレベル以上であることを特徴とする。
このように構成すると、高温における電子のオーバーフローを抑制でき、高温におけるしきい値電流の上昇及びスロープ効率の低下を防止できる。
尚、上記n型クラッド層のフェルミレベルを延長したエネルギーレベルに実質的に一致とは、上記半導体層の伝導帯の下端が、上記n型クラッド層のフェルミレベルを延長したエネルギーレベルに±50meVの範囲内で一致していることをいう。
上記半導体層の価電子帯の上端が、上記半導体レーザダイオードを動作させた時のエネルギーダイアグラムにおいて、上記p型クラッド層のフェルミレベルを延長したエネルギーレベルに実質的に一致、又は該エネルギーレベル以下であることを特徴とする。
このように構成すると、高温におけるホール(正孔)のオーバーフローを抑制でき、高温におけるしきい値電流の上昇及びスロープ効率の低下を防止できる。
このように構成すると、高温における電子又はホール(正孔)のオーバーフローを抑制でき、高温におけるしきい値電流の上昇及びスロープ効率の低下を防止できる。
上記活性層はAlXaGa1-XaAs(但し、0≦Xa<1)からなりかつ上記半導体層がそれぞれAlXsGa1-XsAs(但し、0≦Xs<1)からなり、上記活性層と上記半導体層のAl組成比の差Xs−Xaが0.15以上に設定されていることを特徴とする。
このように構成すると、高温における電子又はホール(正孔)のオーバーフローを抑制でき、高温におけるしきい値電流の上昇及びスロープ効率の低下を防止できる。
これによって、高温における電子のオーバーフローを抑制できるので、高温におけるしきい値電流の上昇及びスロープ効率の低下を防止でき、高温におけるしきい値電流の上昇及びスロープ効率の低下の少ない半導体レーザダイオードを提供できる。
これによって、高温におけるホール(正孔)のオーバーフローを抑制できるので、高温におけるしきい値電流の上昇及びスロープ効率の低下を防止でき、高温におけるしきい値電流の上昇及びスロープ効率の低下の少ない半導体レーザダイオードを提供できる。
これによって、高温における電子又はホール(正孔)のオーバーフローを抑制できるので、高温におけるしきい値電流の上昇及びスロープ効率の低下を防止でき、高温におけるしきい値電流の上昇及びスロープ効率の低下の少ない半導体レーザダイオードを提供できる。
これによって、高温における電子又はホール(正孔)のオーバーフローを抑制できるので、高温におけるしきい値電流の上昇及びスロープ効率の低下を防止でき、高温におけるしきい値電流の上昇及びスロープ効率の低下の少ない半導体レーザダイオードを提供できる。
本実施の形態の半導体レーザダイオードは、図1に示すように、従来例の半導体レーザダイオードにおいて、表面保護層109に代えて半導体層としての表面保護層109aを用いて構成した以外は、図15の従来例と同様に構成される。尚、図1において、図15と同様のものには同様の符号を付して示している。また、半導体層として表面保護層109aではなく、エッチングストッパー層を介在させる場合もある。
ここで、特に本実施の形態における表面保護層109aは、その伝導帯の端が、n−AlGaAsクラッド層103のフェルミレベル以上になるように構成されていることを特徴とし、これにより、高温時における電子のオーバーフローにより第1p−AlGaAsクラッド層108を介して流れる電流を抑制することができ、しきい値電流上昇の防止、スロープ効率の低下の防止を図ったものである。
尚、上述の説明において、n−AlGaAsクラッド層103のフェルミレベルと表面保護層109aの伝導帯の端が実質的に同一とは、±50meVの範囲でn−AlGaAsクラッド層103のフェルミレベルと表面保護層109aの伝導帯の端が一致していることをいう。
以上の実施の形態では、表面保護層109aを第1p−AlGaAsクラッド層108と、第2p−AlGaAsクラッド層110の間に形成した場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、n−AlGaAsクラッド層103内に表面保護層109aを形成するようにした場合にも適用することができる。この場合、表面保護層の価電子帯の端(上端)が、p−AlGaAsクラッド層のフェルミレベル以下になるように構成する。このようにすると、高温時におけるホールのオーバーフローによりn−AlGaAsクラッド層を介して流れる電流を抑制することができ、しきい値電流上昇の防止、スロープ効率の低下の防止を図ることができる。
この場合、第1p−AlGaAsクラッド層108と第2p−AlGaAsクラッド層110の間に形成された表面保護層は、その伝導帯の端が、他方のn−AlGaAsクラッド層103のフェルミレベル以上になるように構成し、n−AlGaAsクラッド層103内に形成された表面保護層の価電子帯の端(上端)が、p−AlGaAsクラッド層のフェルミレベル以下になるように構成する。
このようにすると、高温時における電子とホールの双方のオーバーフローによる電流を抑制することができ、しきい値電流上昇の防止、スロープ効率の低下の防止を図ることができる。
実施例1.
本発明に係る実施例1の半導体レーザダイオードは、図1の半導体レーザダイオードにおいて、各層を以下のように形成したものである。
(1)p−AlGaAs表面保護層109aは、Al0.4Ga0.6Asで形成する。すなわち、p−AlGaAs表面保護層109aにおいて、Al組成比Xps=0.40である。
尚、本明細書において、AlGaAsのAl組成比とは、一般式AlxGa1-xAsにおけるxの値をいう。
(2)n−AlGaAsクラッド層103は、Al組成比Xnc=0.54のAlGaAsで形成し、層厚及びキャリア濃度を各々1.5μmおよび2×1017cm-3とする。
(3)アンドープn側AlGaAsガイド層104は、Al組成比Xng=0.40とし、層厚を90nmとする。
(4)アンドープAlGaAsウエル層105は、Al組成比Xa=0.10とし、層厚を8nmとする。
(5)アンドープAlGaAsバリア層106は、Al組成比Xb=0.40とし、層厚を8nmとする。
(6)アンドープp側AlGaAsガイド層107は、Al組成比Xpg=0.40とし、層厚を90nmとする。
(7)第1p−AlGaAsクラッド層108は、Al組成比Xpc1=0.54とし、層厚及びキャリア濃度を0.1μm及び5×1017cm-3とする。
(8)第2p−AlGaAsクラッド層110は、Al組成比Xpc2=0.54とし、層厚及びキャリア濃度を1.4μm及び5×1017cm-3とする。
そして、ストライプ幅を3.0μm、共振器長を1000μmとして、レーザ特性のシミュレーションを行った。
図2から明らかなように、実施例1の半導体レーザダイオードでは、表面保護層109aの伝導帯(コンダクションバンド)の端(下端)がn−AlGaAsクラッド層103のフェルミエネルギーレベルをそのエネルギーダイアグラム上で表面保護層109aの部分まで延長したエネルギーレベルの上に位置していることが分かる。
この図3に示すように、実施例1の半導体レーザダイオードは、周囲温度400Kの発振状態においても、オーバーフローによって第1p−AlGaAsクラッド層を流れる電子電流密度を実質的に無くすことができる。
この結果、比較例では、図7に示すようにしきい値電流が20.6mAと実施例1に比較して高くなり、スロープ効率が0.887W/Aと実施例1に比較して低くなる。すなわち、本発明に係る実施例1に比べて大きく特性が悪化する。
また、本実施例1では、AlGaAs系半導体レーザを例に説明を行ったが、本発明はこれに限られるものではなく、GaN系、ZnSe系、AlGAlnP系、InP系等でも有効である。
さらに、本実施例1では、nクラッド層のキャリア濃度を2×1017cm-3、pクラッド層のキャリア濃度を5×1017cm-3の場合を示したが、本発明はこれらに限られるものではなく、任意のキャリア濃度で、それによって決まるフェルミエネルギーレベルが実施の形態及び請求項1で特定した関係を満たしているならば有効である。
また、ガイド層、バリア層及びウエル層をアンドープとした例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、これらの層が、p型或はn型の不純物を含んでいても同様な効果が得られる。
以下、この本発明に係る実施例2について説明する。
この実施例2の半導体レーザダイオードは、図8に示すように、アンドープALGaAsウエル層105aとして、Al組成比0.10、バンドギャップエネルギー1.5487eVのものを用い、p−AlGaAs表面保護層109bとして、Al組成比0.30、バンドギャップエネルギー1.79815eVのものを用いて構成した以外は、実施例1と同様に構成される。
この実施例2の半導体レーザダイオードにおいて、活性層と表面保護層109bのバンドギャップエネルギー差は、249meVとなる。
本実施例2の半導体レーザダイオードでは、図9に示すように、表面保護層109bの伝導帯の下端がn−AlGaAsクラッド層103のフェルミエネルギーレベルの上に位置することがわかる。
従って、本実施例2の半導体レーザダイオードは、図11の光出力電流特性に示すように、しきい値電流14.5mA、スロープ効率0.925W/Aと良好な特性が得られる。
また、本実施例2では、AlGaAs系半導体レーザを例に説明を行ったが、これに限るものではなく、GAN系、ZnSe系、AlGaAInP系、InP系等でも有効である。
以下、本発明に係る実施例3の半導体レーザダイオード(図12)について説明する。本実施例3は、アンドープAlGaAsウエル層105bは、Al組成比0.10に固定し、p−AlGaAs表面保護層109cのAl組成比をパラメータ(変数)として検討したものである。
図13に、p−AlGaAs表面保護層109cのAl組成比を順次変化させた場合の、各Al組成比に対する400Kに於けるしきい値電流を示し、図14に、p−AlGaAs表面保護層109cのAl組成比を順次変化させた場合の、各Al組成比に対するスロープ効率を示す。
すなわち、本実施例3は、AlGaAs系半導体レーザダイオードにおいて、この表面保護層109cのバンドギャップエネルギーと活性層のバンドギャップエネルギーとの差が180meV以上に設定することにより、高温におけるしきい値電流の増加がなくしかもスロープ効率の低下のない温度特性の良好な半導体レーザダイオードを提供できることを示している。
また、本実施例3では、nクラッド層のキャリア濃度を2×1017cm-3、pクラッド層のキャリア濃度を5×1017cm-3の場合を示したが、本発明はこれらに限られるものではない。
さらに、ガイド層、バリア層及びウエル層をアンドープとした例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、p型或はn型にドーピングしても同様な効果が得られる。
Claims (4)
- p型クラッド層とn型クラッド層の間に活性層を有し、上記p型クラッド層内に該p型クラッド層のバンドギャップエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する半導体層を有する半導体レーザダイオードにおいて、
上記半導体層の伝導帯の下端が、上記半導体レーザダイオードを動作させた時のエネルギーダイアグラムにおいて、上記n型クラッド層のフェルミレベルを延長したエネルギーレベルに実質的に一致、又は該エネルギーレベル以上であることを特徴とする半導体レーザダイオード。 - p型クラッド層とn型クラッド層の間に活性層を有し、上記n型クラッド層内に該n型クラッド層のバンドギャップエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する半導体層を有する半導体レーザダイオードにおいて、
上記半導体層の価電子帯の上端が、上記半導体レーザダイオードを動作させた時のエネルギーダイアグラムにおいて、上記p型クラッド層のフェルミレベルを延長したエネルギーレベルに実質的に一致、又は該エネルギーレベル以下であることを特徴とする半導体レーザダイオード。 - 上記半導体層のバンドギャップエネルギーを上記活性層のバンドギャップエネルギーに比較して、180meV以上大きく設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体レーザダイオード。
- 互いに異なる導電型を有する2つのクラッド層の間に活性層を有し、上記2つのクラッド層のうちの少なくとも一方のクラッド層に該クラッド層のバンドギャップエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する半導体層を有するAlGaAs系の半導体レーザダイオードにおいて、
上記活性層はAlXaGa1-XaAs(但し、0≦Xa<1)からなりかつ上記半導体層がそれぞれAlXsGa1-XsAs(但し、0≦Xs<1)からなり、上記活性層と上記半導体層のAl組成比の差Xs−Xaが0.15以上に設定されていることを特徴とする半導体レーザダイオード。
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