JP2008185921A - 光学複合素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コレステリック規則性を有する樹脂層を有する反射型偏光素子と、正面方向のリターデーションReが略1/4波長である光学異方性層を備えた光学複合素子であって、前記反射型偏光素子と前記光学異方性層は、接着層を介して一体化され、前記接着層は、温度23℃における剪断貯蔵弾性率が1〜500MPaである組成物とフィラーを含む混合物であることを特徴とする、光学複合素子。
【選択図】なし
Description
また、特許文献3および4では、前記特許文献1と同様に加工性における問題点に加えて、粘接着層に必要な光拡散性を持たせるために、該層が厚くなる傾向がある。そのため、自己支持性がさらに不足しがちになる。
〔1〕 コレステリック規則性を有する樹脂層を有する反射型偏光素子と、正面方向のリターデーションReが略1/4波長である光学異方性層を備えた光学複合素子であって、
前記反射型偏光素子と前記光学異方性層は、接着層を介して一体化され、前記接着層は、温度23℃における剪断貯蔵弾性率が1〜500MPaである組成物とフィラーを含む混合物であることを特徴とする、光学複合素子。
〔2〕 前記光学異方性層の厚み方向のリターデーションRthが、0nm未満である、〔1〕記載の光学複合素子。
〔3〕 前記接着層に含まれるフィラーの平均粒径dと、接着層の厚みlの比は、0.05≦d/l≦0.6である、〔1〕または〔2〕に記載の光学複合素子。
〔4〕 前記コレステリック規則性を有する樹脂層は、重合性液晶化合物を含む液晶組成物を重合してなる非液晶性の樹脂層である、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の光学複合素子。
〔5〕 〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の光学複合素子の製造方法であって、前記反射型偏光素子と前記光学異方性層とを前記接着層を介して一体化する工程を含み、前記一体化する工程において、前記反射型偏光素子および前記光学異方性層を40℃〜110℃の範囲で加熱して一体化することを特徴とする、
光学複合素子の製造方法。
〔6〕 光源と、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の光学複合素子を備えた液晶表示装置であって、さらに前記光学複合素子に対して、光源側にプリズムシートを備えることを特徴とする液晶表示装置。
本発明の光学複合素子を構成する接着層は、前記反射型偏光素子と前記光学異方性層とを接着しており、本発明の光学複合素子の打ち抜き加工性を良好に維持し、かつ光拡散性を向上させるために重要な役目を果たしている部材である。その特徴は、フィラーと温度23℃における剪断貯蔵弾性率が1〜500MPaである組成物とを含む混合物から構成されている点にある。
無機フィラーとしては、ガラス、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、マグネシウムシリケート等からなるもの;
有機フィラーとしては、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリシロキサン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、またはこれらの架橋物等からなるものが挙げられる。
本発明の光学複合素子に用いる接着層を構成する組成物は、温度23℃における剪断貯蔵弾性率が1〜500MPaを示すものである。
主ポリマー組成については、共重合体において、ソフトセグメントとなるモノマーの比率をアップすることで、常温における剪断貯蔵弾性率が低下する傾向がある。逆にハードセグメントとなるモノマーの比率をアップすることで、常温における剪断貯蔵弾性率は上昇する傾向にある。また、同組成物においても、重合体の分子量を低下させることでゴム状平坦領域を示す温度幅が狭くなることにより、常温における剪断貯蔵弾性率が低下する傾向にある。逆に、重合体の分子量を上昇させることでゴム状平坦領域を示す温度幅が広くなり、常温における剪断貯蔵弾性率が上昇する傾向にある。粘着付与剤は一般に、軟化点が60度以上と高く、分子量が数千程度と低い。粘着付与剤を添加することで、接着剤組成物の凝集力が低下し、室温における剪断貯蔵弾性率の低下が見られる。また、架橋剤を混合することで、接着剤組成物の凝集力が上昇し、室温における剪断貯蔵弾性率の上昇が見られる。
R3−C3−D3−C5−M−C6−D4−C4−R4 (式1)
(式中、R3及びR4は反応性基であり、それぞれ独立して(メタ)アクリル基、(チオ)エポキシ基、オキセタン基、チエタニル基、アジリジニル基、ピロール基、ビニル基、アリル基、フマレート基、シンナモイル基、オキサゾリン基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、及びアルコキシシリル基からなる群より選択される基を表す。D3及びD4は単結合、炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、及び炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレンオキサイド基からなる群より選択される基を表す。C3〜C6は単結合、−O−、−S−、−S−S−、−CO−、−CS−、−OCO− 、−CH2−、−OCH2−、−C=N−N=C−、−NHCO−、−OCOO−、−CH2COO−、及び−CH2OCO−からなる群より選択される基を表す。Mはメソゲン基を表し、具体的には、非置換又はハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素原子数1〜10個の直鎖状又は分岐状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基で1つ以上置換されていてもよい、アゾメチン類、アゾキシ類、ビフェニル類、ターフェニル類、ナフタレン類、アントラセン類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類の群から選択された2〜4個の骨格を、−O−、−S−、−S−S−、−CO−、−CS−、−OCO− 、−CH2−、−OCH2−、−C=N−N=C−、−NHCO−、−OCOO−、−CH2COO−、及び−CH2OCO−等の結合基によって結合されて形成される。)
本発明において、上記重合性液晶化合物は非対称構造であることが好ましい。ここで非対称構造とは、一般式(1)において、メソゲン基Mを中心としてR3−C3−D3−C5−と−C6−D4−C4−R4が異なる構造のことをいう。該棒状液晶性化合物として、非対称構造のものを用いることにより、配向均一性をより高めることができる。
前記架橋剤の配合割合は、前記重合性液晶化合物を含む組成物を硬化して得られる硬化膜中に0.1〜15重量%となるようにすることが好ましい。該架橋剤の配合割合が0.1重量%より少ないと架橋密度向上の効果が得られず、逆に15重量%より多いと液晶層
の安定性を低下させてしまうため好ましくない。
該光重合開始剤の配合割合は前記重合性液晶化合物を含む組成物中0.03〜7重量%であることが好ましい。該光重合開始剤の配合量が0.03重量%より少ないと重合度が低くなってしまい膜強度が低下してしまう場合があるため好ましくない。逆に7重量%より多いと、液晶の配向を阻害してしまい液晶相が不安定になってしまう場合があるため好ましくない。
基材の厚みは、通常20〜300μm、好ましくは20〜200μm、より好ましくは30〜100μmである。
塗膜のコレステリック規則性の周期を変化させるとは、コレステリック規則性を有する樹脂層のピッチを深さ方向に変化させるということである。
硬化方法としては、前記塗膜が硬化してコレステリック規則性を有するものとなれば特に制限されないが、本硬化紫外線を積算光量が10mJ/cm2以上となるように照射することが好ましい。ここで、本硬化紫外線とは、塗膜を完全に硬化させることのできる波長範囲もしくは照度に設定した紫外線を意味する。
ここで、前記正面方向のリターデーションReは、式I:Re=(nx−ny)×d(式中、nxは厚み方向に垂直な方向(正面方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表し、nyは厚み方向に垂直な方向(面内方向)であってnxに直交する方向の屈折率を表し、dは膜厚を表す。)で表される値であり、厚み方向のリターデーションRthは、式II:Rth={(nx+ny)/2−nz}×d(式中、nxは厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表し、nyは厚み方向に垂直な方向(面内方向)であってnxに直交する方向の屈折率であり、nzは厚み方向の屈折率を表し、dは膜厚を表す。)で表される値である。
なお、前記正面方向のリターデーションRe及び厚み方向のリターデーションRthは、市販の位相差測定装置を用いて、光学異方性層を長手方向及び幅方向に100mm間隔(長手方向又は横方向の長さが200mmに満たない場合は、その方向へは等間隔に3点指定する)で、全面にわたり、格子点状に測定を行い、その平均値とする。
a層を構成するポリスチレン樹脂は、ガラス転移温度が120℃以上であることが好ましく、120〜200℃であることがより好ましく、120〜140℃であることがさらに好ましい。
当該延伸は、好ましくは一軸延伸又は斜め延伸により行うことができ、さらに好ましくはテンターによる一軸延伸又は斜め延伸により行うことができる。
光学異方性層の厚みは、好ましくは100〜1000μm、より好ましくは200〜600μmである。
プリズムシートは、光源から発せられた光を集光するものであり、例えば、プラスチックシート上に微細な多数のプリズムを形成したものが挙げられる。プリズムの配列パターンは、規則的でも不規則的でもよい。さらにプリズムの規則的/不規則的な周期は、面内の一方方向のみにあってもよく、複数方向にあってもよい。周期の大きさは、通常1μm〜1000μmである。プリズムの断面形状としては、鋸波状、波状、半円状等が挙げられ、さらに稜部分がR処理されていても良い。プリズムシートを液晶表示装置に配置する場合は、通常、プリズムが液晶セル側に向くように配置する。プリズムシートの厚みは、通常1mm以下、好ましくは5〜500μm、より好ましくは10〜200μmである。
反射型偏光素子と光学異方性層を、それぞれ以下のようにして作製した。
厚さ100μm、幅50mm、長さ200mmのゼオノアフィルム(株式会社オプテス製)の片面を、表面の濡れ指数が56dyne/cmになるように、コロナ放電処理を施した。これを基材フィルムとして用いた。
変性ポリアミド:
・FR105(株式会社鉛市製、ファインレジン、部分メトキシメチル化ポリアミド)
90重量部
・A90(東レ株式会社製、AQ−ナイロン、部分アルキルアミノ化ポリアミド)
10重量部
溶剤:
・1−プロパノール(溶解度パラメータ11.8) 3233重量部
架橋剤:
・エラストロン BN04 1.0重量部
固形分率:40重量%
液晶性化合物(Δn(=ne−no)=0.18を有する棒状液晶) 93.0重量部
光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 IRG907) 3.1重量部
界面活性剤(セイミケミカル(株)製 KH−40) 0.11重量部
カイラル剤(BASF社製 LC756) 6.7重量部
メチルエチルケトン(SP値:9.3) 154.8重量部
作製した円偏光分離シート2のコレステリック樹脂層側を、円偏光分離シート1の基材フィルム側と貼り合せ固着し、円偏光分離素子を得た。
メタクリル酸メチル97.8重量%とアクリル酸メチル2.2重量%とからなるモノマー組成物を、バルク重合法により重合させ、樹脂ペレットを得た。
・光拡散性有:ヘイズが5%を超える。
・光拡散性無:ヘイズが5%以下である。
・はがれ:積層時に両手で把持した際、端部よりのはがれが発生するかどうか。
・たわみ:観察した際、光学複合素子のたわみがシワとして観察されるかどうか。
・ギラツキ:プリズムシートのプリズム形状からギラツキが観察されるかどうか。
○:はがれは発生しなかった。たわみ、ギラツキは、観察されなかった。
△:たわみ、ギラツキが観察された。
×:はがれが発生した。たわみ、ギラツキが観察され、表示品位を著しく悪化させた。
各接着剤液を計量カップにとり、80℃で10時間、100℃で30分乾燥機に入れて、水分を除去し、厚み約1.5mmのサンプルを作製した。このサンプルを直径8mmにカットし、粘弾性測定装置(英弘精機製、RheoStress RS600)を使用して温度23℃、周波数1Hz、歪み量0.5%の条件にて測定した。
Claims (6)
- コレステリック規則性を有する樹脂層を有する反射型偏光素子と、正面方向のリターデーションReが略1/4波長である光学異方性層を備えた光学複合素子であって、
前記反射型偏光素子と前記光学異方性層は、接着層を介して一体化され、
前記接着層は、温度23℃における剪断貯蔵弾性率が1〜500MPaである組成物とフィラーを含む混合物であることを特徴とする、
光学複合素子。 - 前記光学異方性層の厚み方向のリターデーションRthが、0nm未満である、請求項1記載の光学複合素子。
- 前記接着層に含まれるフィラーの平均粒径dと、接着層の厚みlの比は、0.05≦d/l≦0.6である、請求項1または2に記載の光学複合素子。
- 前記コレステリック規則性を有する樹脂層は、重合性液晶化合物を含む液晶組成物を重合してなる非液晶性の樹脂層である、光学複合素子。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学複合素子の製造方法であって、
前記反射型偏光素子と前記光学異方性層とを前記接着層を介して一体化する工程を含み、
前記一体化する工程において、前記反射型偏光素子および前記光学異方性層を40℃〜110℃の範囲で加熱して一体化することを特徴とする、
光学複合素子の製造方法。 - 光源と、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学複合素子を備えた液晶表示装置であって、
さらに前記光学複合素子に対して、光源側にプリズムシートを備えることを特徴とする、
液晶表示装置。
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