JP2008185855A - 定着装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で、定着ベルトの折れ,シワ,亀裂等の損傷や、蛇行を防止し、また、シートの斜行を防止する。
【解決手段】定着ローラ36の外周面50を、端部50aの直径Daよりも中央部50bの直径Dbのほうが大きいクラウン形状に形成する。定着ベルト40を、中央部40bの厚さTbよりも端部40aの厚さTaのほうが厚くなるように形成する。肉厚差T(=Ta−Tb)の2倍が、クラウン量D(=Db−Da)を超えるようにすることで、定着ベルト40を定着ローラ36に張架したときに、定着ベルト40の表面40dに、中央部が凹んだ逆クラウン形状が形成されるようにする。
【選択図】図5
【解決手段】定着ローラ36の外周面50を、端部50aの直径Daよりも中央部50bの直径Dbのほうが大きいクラウン形状に形成する。定着ベルト40を、中央部40bの厚さTbよりも端部40aの厚さTaのほうが厚くなるように形成する。肉厚差T(=Ta−Tb)の2倍が、クラウン量D(=Db−Da)を超えるようにすることで、定着ベルト40を定着ローラ36に張架したときに、定着ベルト40の表面40dに、中央部が凹んだ逆クラウン形状が形成されるようにする。
【選択図】図5
Description
本発明は、定着ベルトを使用してトナー像を加熱・加圧することでシート上に定着させる定着装置及びこれを備えた画像形成装置に関する。
複写機,プリンタ等の画像形成装置に使用される定着装置において、未定着トナー像を、定着ベルトによって加熱・加圧して熱定着させるものが知られている。
その一例として、図8に、オンデマンドタイプの定着装置60を示す。下端にセラミックヒータ61を保持した馬蹄形のホルダ62の周囲に定着ベルト63を遊嵌し、この定着ベルト63を下方から加圧ローラ64によってセラミックヒータ61に押圧して、定着ニップ部Nを構成する。表面に未定着トナー像を担持したシートPを定着ニップ部Nに挿通し、加圧ローラ64とセラミックヒータ61とにより、シートPと定着ベルト63とを密着させた状態で挟持搬送する。これにより、未定着トナー像を加熱・加圧してシートP表面に定着させる。
この種の定着装置60においては、定着ベルト63の幅方向の両端部近傍にフランジ部材(不図示)を設け、これらフランジ部材に両端部を摺擦させることで、蛇行を防止して良好な定着を行うようにしている。このため、定着ベルト63は、端部の摩耗が促進されて強度が低下し、折れ,シワ,亀裂等の損傷が発生して長期間の耐熱耐久性を維持することが困難となる。
そこで、特許文献1では、定着ベルトを、金属層及び弾性層を有する層構成とし、さらに幅方向に沿っての金属層の端部を中央部よりも肉厚に構成している。これにより、定着ベルトの端部の強度が増すことで、定着ベルトの折れ,シワ,亀裂等の損傷を防止して、長期間の耐熱耐久性を維持することが可能となった。また、定着ベルトは、金属層の端部が中央部よりも肉厚であるために、表面が逆クラウン形状となり、シートのシワや斜行を防止することができる。
特開2004−302390号公報
しかしながら、上述の特許文献1によると、定着ベルトの蛇行を防止するためにフランジ部材を設けているため、その分、構成が複雑になる。また、定着ベルトは、金属層の端部を中央部よりも肉厚にすることで、端部の強度を確保することができるものの、フランジ部材との摺擦による摩耗をなくすことができるわけではなく、依然として端部は摩耗し、また、フランジ部材側の摩耗に起因する定着ベルトの蛇行を防止することはできない。
そこで、本発明は、フランジ部材が不要な簡単な構成であり、したがって、定着ベルトの端部の摩耗がない構成でありながら、定着ベルトの蛇行を確実に防止することができ、しかも、定着ベルトの表面に逆クラウン形状を形成して、シートのシワ及び斜行を防止することができる定着装置、及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る発明は、定着ローラと、前記定着ローラの外周面に張架された無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを前記定着ローラの外周面に押圧して前記定着ベルトとの間に定着ニップ部を形成する加圧ローラとを備え、シート表面に未定着トナー像を担持したシートを前記未定着トナー像が前記定着ベルトに接触するように前記定着ニップに挿通することで前記未定着トナー像を定着する定着装置に関する。この発明に係る定着装置は、前記定着ローラは、回転軸を基準とした外周面の直径が、前記回転軸方向に沿っての端部よりも中央部のほうが大きいクラウン形状に形成され、前記定着ベルトは、裏面が前記定着ローラの前記外周面に接触するように張設された状態において、前記回転軸を基準とした表面の直径が、前記回転軸方向に沿っての端部よりも中央部のほうが小さい逆クラウン形状となる、ことを特徴としている。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る定着装置において、前記定着ベルトは、前記回転軸方向に沿っての端部の厚さよりも中央部の厚さのほうが薄い、ことを特徴としている。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る定着装置において、前記定着ローラの外周面における、前記回転軸方向に沿っての中央部の直径と端部の直径との差をクラウン量とし、張架されない状態の前記定着ベルトにおける、前記回転軸方向に沿っての端部の厚さと中央部の厚さの差を肉厚差としたときに、前記定着ローラ及び前記定着ベルトは、前記肉厚差の2倍が、前記クラウン量を超えるように形成されている、ことを特徴としている。
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に係る定着装置において、前記定着ベルトは、厚さ方向に積層された金属層と弾性層とを有し、前記弾性層における端部の層厚を中央部の層厚よりも厚くすることで、前記逆クラウン形状を形成する、ことを特徴としている。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に係る定着装置において、定着に係るシートの搬送方向に沿っての前記定着ニップ部の下流側に、前記定着ローラのとの間に前記定着ベルトを張架する分離ローラを有する、ことを特徴としている。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に係る定着装置において、前記定着ローラは、円筒状に形成されていて、内側に前記定着ローラを加熱するヒータが配設されている、ことを特徴としている。
請求項7に係る発明は、シートを給紙搬送するシート給送部と、前記シート給送部から供給されたシートにトナー像を形成する画像形成部と、前記画像形成部においてシート上に形成された未定着トナー像をシート上に定着させる定着部とを備えが画像形成装置に関する。この発明に係る画像形成装置は、前記定着部に、請求項1乃至6のいずれか1項に係る定着装置が配設されている、ことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、定着ローラの外周面がクラウン形状に形成されているので、この外周面に張架された定着ベルトの蛇行を防止することができる。また、定着ベルトは、定着ローラに張架された状態において、その表面が逆クラウン形状に形成されるので、加圧ローラとの間の定着ニップ部に挿通されるシートの斜行を防止することができる。つまり、上述の従来例におけるフランジ部材等の、定着ベルトの蛇行を防止するための部材が不要な簡単な構成でありながら、定着ベルトの蛇行を確実に防止することができる。また、従来例とは異なり、定着ベルトの端部がフランジ部材に摺擦されることがないので、定着ベルトの寿命を延ばすことができる。
請求項2の発明によれば、定着ベルトは、回転軸方向(定着ベルトの回転方向に直交する幅方向:以下適宜「ベルト幅方向」という。)に沿っての端部の厚さよりも中央部の厚さを薄く構成することで、定着ローラに張架されたときに表面に逆クラウン形状が形成されるようにしている。つまり、定着ベルトの厚さをその中央部と端部とに差異をももたせる簡単な構成で、シートのシワ及び斜行を防止することができる。
請求項3の発明によれば、定着ローラのクラウン量と、定着ベルトの肉厚差との関係を、肉厚差の2倍が、クラウン量を超えるように形成するといった簡単な構成で、定着ベルトの表面に逆クラウンを形成することができる。
請求項4の発明によれば、定着ベルトは、金属層及び弾性層を有しているので、ベルト幅方向の中央部と端部とで厚さを変える場合、いずれの層の肉厚を変えることも可能ではあるが、本発明では、弾性層の層厚を変えるようにしている。その理由としては、金属層の層厚を変化させた場合には、弾性層の層厚を変化させた場合と比較して、定着ベルトの物理的性質を大きく変化させてしまうことになるので、本発明では、金属層よりも層厚を変更することについての自由度の高い弾性層の層厚を変化させることで、逆クラウン形状を実現するようにした。
請求項5の発明によれば、定着ニップ部におけるトナー像の定着により、シートは定着ベルトの表面に密着されるが、このシートを定着ニップ部の下流側に配設された分離ローラによって定着ベルトから分離することができる。なお、分離ローラは、定着ローラと比較してその大きさ(直径)についての設計の自由度が高いので、例えば、この分離ローラを小さめに設定した場合には、シートを円滑に曲率分離することができる。
請求項6の発明によれば、ヒータが、円筒状の定着ローラの内側に配設されているので、定着ローラの外部にヒータを配設するためのスペースを確保する必要がない。
請求項7の発明によれば、定着装置としての上述の効果を、画像形成装置として奏することができる。すなわち、例えば、画像形成装置の構成要素である定着装置の定着ベルトの折れ,シワ,亀裂等の損傷が低減されて寿命が延びることで、画像形成装置としては、これらに起因する画質の低下を防止することができるとともに、定着ベルトを交換するための画像形成装置のダウンタイムが短縮される。
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づき詳述する。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同じ構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
<実施形態1>
図1,図2を参照して、本発明に係る定着装置34及びこれを備えた画像形成装置1の概略について説明する。なお、画像形成装置1としては、複写機,プリンタ,ファクシミリ、及びこれらの複合機等が挙げられるが、本実施形態では、合成樹脂せいの粉体を主成分とするトナーを使用して画像を形成する電子写真方式の4色フルカラーのプリンタである場合を例に説明する。さらに、図1に示す画像形成装置1は、ロータリ現像方式,中間転写方式を採用している。
図1,図2を参照して、本発明に係る定着装置34及びこれを備えた画像形成装置1の概略について説明する。なお、画像形成装置1としては、複写機,プリンタ,ファクシミリ、及びこれらの複合機等が挙げられるが、本実施形態では、合成樹脂せいの粉体を主成分とするトナーを使用して画像を形成する電子写真方式の4色フルカラーのプリンタである場合を例に説明する。さらに、図1に示す画像形成装置1は、ロータリ現像方式,中間転写方式を採用している。
図1,図2のうち、図1は、画像形成装置1全体の構成を正面側から見た模式図である。図2は、正面側から見た定着装置34の拡大図である。
図1に示すように、画像形成装置1には、シート(コピー用紙、封筒、アート紙、透明フィルム等の記録媒体)Pを給紙して搬送するシート給送部10と、このシート給送部10から供給されたシートPにトナー像(画像)を形成する画像形成部11と、シートPにトナー像を定着させる定着部12と、トナー像が定着されたシートPを排出するシート排出部13とが設けてある。
シート搬送部10には、シート搬送方向に沿ってのほぼ上流側から順に、給紙カセット14、給送ローラ15、給送ガイド16、レジストローラ対17等が配設されている。給紙カセット14内には、シートPが積層状態で複数枚収納されていて、その最上位のものから順に、給送ローラ15により、搬送ガイド16に沿って搬送され、レジストローラ対17によって、斜行が矯正された後、画像形成部11に供給される。
画像形成部11には、矢印R20方向に回転する感光ドラム(ドラム形の電子写真感光体)20が配設されており、その周囲には、感光ドラム20の回転方向に沿ってほぼ順に、帯電ローラ21、露光装置22、現像装置23、2本の1次転写ローラ24、ドラムクリーナ25等が配設されている。また、上述の1次転写ローラ24、駆動ローラ26、テンションローラ27に掛け渡された中間転写ベルト28が配設されており、駆動ローラ26に対向するように2次転写ローラ30が配設されている。上述の現像装置23は、回転自在なロータリ31と、これに搭載された4色の現像器、すなわちイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナーによって現像を行う現像器32Y,32M,32C,32Kとを有している。また、上述の中間転写ベルト28における2本の1次転写ローラ24の間に位置する部分は、感光ドラム20の表面に当接されて、1次転写ニップ部T1を形成している。また、中間転写ベルト28と2次転写ローラ30との間には、2次転写ニップ部T2が形成されている。また、駆動ローラ26に対応する位置にベルトクリーナ33が配設されている。
画像形成部11においては、感光ドラム20は所定のプロセススピード(周速度)で矢印20方向に回転駆動され、その表面(外周面)が、帯電ローラ21によって所定の極性・電位に帯電される。帯電後の感光ドラム20の表面は、露光装置22によって画像情報に基づく露光が行われ、露光部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置23によって現像される。現像装置23は、ロータリ31の回転によって現像に供される第1色目(例えば、イエロー)の現像器32Yが感光ドラム20に対向する現像位置Dに配置され、静電潜像にトナーを付着させてイエローのトナー像として現像する。このトナー像は、1次転写部T1において、1次転写ローラ24により、矢印R28方向に回転する中間転写ベルト28上に1次転写される。トナー像転写後の感光ドラム20は、中間転写ベルト28に転写されないで表面に残ったトナー(1次転写残トナー)がドラムクリーナ25によって除去され、次の第2色目の画像形成に備えられる。上述の帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングからなる一連の画像形成プロセスが、残りの3色、すなわち第2色目(例えば、マゼンタM)、第3色目(例えばシアンC)、第4色目(例えば、ブラックK)についても繰り返され、これにより、中間転写ベルト28上に4色のトナー像が重ね合わされる。これら4色のトナー像は、上述のシート給送部10から供給されたシートPに、2次転写ローラ30によって一括で2次転写される。トナー像の2次転写後の中間転写ベルト28は、表面に残ったトナー(2次転写残トナー)がベルトクリーナ33によって除去され、次の1次転写に供される。
定着部12には、定着装置34が配設されている。定着装置34は、ヒータ35によって加熱される定着ローラ36と、分離ローラ37と、テンションローラ38と、これらのローラに張架された無端状の定着ベルト40と、加圧ローラ41とを有している。加圧ローラ41は、下方から定着ベルト40を定着ローラ36に押圧していて、加圧ローラ41と定着ベルト40との間には、定着ニップ部Nが形成されている。上述の画像形成部11において、表面にトナー像が転写されたシートPは、定着ニップ部Nを通過する際に加熱・加圧されて表面に4色のトナー像が溶融固着される。なお、定着装置34については後に詳述する。
シート排出部13には、搬送ローラ対42,43、排紙ローラ対44、排紙トレイ45等が配設されている。トナー像が定着されたシートPは、搬送ローラ対42,43によって搬送され、さらに、排出ローラ対44によって排紙トレイ45上に排出される。これにより、1枚のシートPの表面に対する4色フルカラーの画像形成が終了する。
図2に、正面側から見た定着装置34の拡大図を示す。上述のように、定着装置34は、ヒータ35と、定着ローラ36と、分離ローラ37と、テンションローラ38と、定着ベルト40と、加圧ローラ41とを有している。
図3に、定着ローラ36をその回転軸Aを含む平面で切ったときの断面形状を示す。ただし、同図では、定着ローラ36の外周面50がクラウン形状に形成されていることを説明するために、そのクラウン量(本実施形態では100μm)を誇張して図示している。
定着ローラ36は、剛体であるアルミニウムをほぼ円筒状に形成することによって形成されている。定着ローラ36は、外周面50の直径がほぼ40mmに設定されている。図3に示すように、定着ローラ36の外周面50には、回転軸Aに沿っての端部50aの直径Daよりも、中央部50bの直径Dbの方が大きくなるようなクラウン形状に形成されている。本実施形態では、同図に示すように、長さLのちょうど半分(=L/2)となる長手方向の中心が中央部50bに相当する。また、外周面50の直径は、回転軸A方向に沿って、中央部50bから端部50aに進むに連れて直線状に漸減するように設定されている。ここで、外周面50における中央部50bの直径Dbと端部50aの直径Daとの差(=Db−Da)をクラウン量Dとする。本実施形態では、一例として、このクラウン量Aが100μmとなるように、中央部50bの直径Db及び端部50aの直径50aが設定されている。ここで、半径で考えると、中央部50bの半径と端部50aの半径との差は、クラウン量Aの半分(=A/2)となり、これは、外周面50における端部50aを基準としたときの、中央部50bの突出高さに相当し、本実施形態では、50μmである。
分離ローラ37は、図2に示すように、シート搬送方向(矢印Kp方向)に沿っての定着ニップ部Nの下流側に配設されている。分離ローラ37は、定着ベルト40のうち、定着ローラ36との間に位置する部分がほぼシート搬送方向を向くような位置に配置されている。分離ローラ37は、定着ローラ36よりも小径(例えば、直径14.5mm)に形成されていて、シートPを曲率分離する。すなわち、定着ニップ部Nにおいてトナー像が定着されたシートPは、定着ベルト40に密着された状態で、下流側に向かって挟持搬送され、分離位置Sにおいて、分離ローラ37の曲率によって定着ベルト40にから分離され、さらに下流側の搬送ローラ対42に搬送されるようになっている。なお、定着ベルト40の回転方向(矢印R40方向)に沿っての、分離位置Sのすぐ下流には、分離部材51が配設されていて、分離ローラ37によって、分離されなかったシートPを分離ベルト40から分離するようになっている。
テンションローラ38は、分離ローラ37の上方、つまり定着ベルト40の回転方向に沿っての分離ローラ37の下流側に配設されていて、付勢部材(不図示)により定着ベルト40を外側に向かって付勢している。これにより、定着ベルト40に適度な張力を付与している。なお、定着ベルト40は、その張力によって、後述する逆クラウン量が多少増減することになるが、本実施例では、定着ベルト40は、張力によって定着ローラ36の外周面50の形状に倣って変形するが、厚さ自体の変化はないものとして説明する。
定着ベルト40は、上述の定着ローラ36、分離ローラ37、テンションローラ38に無端状に張架されている。図4に、定着ベルト40をそのベルト幅方向でかつ厚さ方向に切った断面を示す。同図に示すように、全体として、中央部40bの厚さTbが端部40aの厚さTaよりも薄く、見かけ上、逆クラウン形状となっている。定着ベルト40は、本実施形態では3層構造のものを採用して折り、内側(図4中の上側)から、金属層52、弾性層53、離型層54の順に積層されている。
金属層52は、例えば、ニッケルによって形成されていて、厚さt1は35μmである。この金属層52は、定着ベルト40の強度を担保する基層となるものである。この金属層52は、端部も中央部も同じ厚さ、つまり、全体にわたって均一に形成されている。金属層52は無端状の定着ベルト40の内側に位置していて、上述の定着ローラ36の外周面50や、分離ローラ37及びテンションローラ38の外周面に直接、接触することになる。
弾性層53は、例えば、シリコーンゴムによって形成されている。弾性層53は、中央部53bの厚さが端部53aの厚さよりも薄くなるように形成されていて、本実施形態では、後述するように、この弾性層53における中央部53bと端部53aとの厚さの差がそのまま、定着ベルト40全体としての中央部40bと端部40aとの厚さの差となる。
離型層54は、例えば、PFA(テロラフルオロエチレンパーフルオロアルキル)によって形成されていて、厚さt3は30μmである。この離型層54は、トナー像の定着時に、トナーが定着ベルト40側に付着するのを防止するためのものである。この離型層54は、端部も中央部も同じ厚さ、つまり、全体にわたって均一に形成されている。
定着ベルト40は、図4に示すように、金属層52と弾性層53と離型層54とが積層されて構成されており、ベルト幅方向の中央部40b、すなわち、上述の定着ローラ36の長手方向の中央部50bに対応する位置における厚さTbが、ベルト幅方向の端部40aにおける厚さTaよりも薄くなるように構成されている。本実施形態では、定着ベルト40の厚さは、ベルト幅方向の中央部40bから離れて端部40aに近づくほど厚さが漸増するようになっている。また、その変化の仕方も、上述の定着ローラ36のクラウン量Dの変化の仕方と同様に直線状となっている。ここで、定着ベルト40の端部40aにおける厚さTaと中央部40bにおける厚さTaとの差を肉厚差T(=Ta−Tb)とする。
上述構成の定着ベルト40は、全体としては、弾性を有しており、図2に示す定着ローラ36、分離ローラ37、テンションローラ38に掛け渡したときには、これらのローラの外周面に倣った形状に変形する。図5に、定着ローラ36の外周面50に張架された定着ベルト40の定着ニップ部Nにおける断面を示す。ただし、同図では、説明の便宜上、加圧ローラ41は、定着ベルト40の外周面50から離間させている。同図に示すように、定着ベルト40は、その裏面40cを定着ローラ36の外周面50に密着させるようにして、全体が定着ローラ36の外周面50に倣って変形する。本発明においては、この状態において、定着ベルト40の表面40dが、そのベルト幅方向に沿っての中央部40bが端部40aよりもくぼむ、いわゆる逆クラウン形状に形成されるようにしている。言い換えると、定着ローラ36に張架された状態における、定着ベルト40の表面40dの直径が、中央部40bよりも端部40aのほうが大きくなるような逆クラウン形状に形成されている。
本実施形態では、このような逆クラウン形状を形成する方法として、上述のように、定着ベルト40の厚さを、ベルト幅方向に沿っての中央部40bの厚さTbよりも端部40aの厚さ40bのほうが厚くなるようにしている。さらに、その肉厚差T(=Ta−Tb)が、定着ローラ36のクラウン量Dの半分(=D/2)を上回るように設定することで、上述の逆クラウン形状を形成するようにしている。以下、この点について説明する。
図5に示すように、逆クライン量をCとすると、回転軸Aを基準とした定着ベルト40の表面40dの端部40aにおける半径Raと中央部40bにおける半径Rbとの差は、逆クラウン量Cの半分(=C/2)となる。図5の右端側に示すように、定着ベルト40の端部40aの厚さTaと、中央部40bの厚さTbと、クラウン量Dと、逆クラウン量との間には、
C/2=Ta−Tb−D/2
=T−D/2
∴C =2T−D
の関係が成り立つ。
C/2=Ta−Tb−D/2
=T−D/2
∴C =2T−D
の関係が成り立つ。
ここで、逆クラウン形状が形成されるとは、
C=2T−D>0
となることである。
C=2T−D>0
となることである。
この式から、逆クラウン形状が形成されるためには、定着ベルト40の肉厚差Tの2倍が、定着ローラ36のクラウン量Dを超えることが条件となる。
本実施形態では、上述のように、例えば、クラウン量Dを100μm、定着ベルト40の肉厚差Tを100μmに設定することで、逆クラウン量Cが、
C=2×100−100=100(μm)
となるようにした。
C=2×100−100=100(μm)
となるようにした。
本実施形態によると、定着ローラ36の外周面50をクラウン形状に形成することで、定着ベルト40の蛇行の発生を防止するようにした。従来と異なり、蛇行を防止するためのフランジ部材が不要となり、したがって、簡単な構成で、定着ベルト40の両端部がフランジ部材に摺擦されて摩耗することによる定着ベルト40の折れ,シワ,亀裂等の損傷を防止することができ、定着ベルト40の寿命を延ばすことが出来る。さらに、本実施形態によると、定着ベルト40をその肉厚差Tが、定着ベルト40を定着ローラ36に張架したときに、定着ベルト40の表面40dに逆クラウン形状が形成されるように、定着ベルト40の端部40aと中央部40bとの厚さを設定した。これにより、定着時のシートPにシワが発生することを防止することができ、また、定着ベルト40の表面40dの逆クラウン形状に基づくエッジ効果により、シートPの斜行を防止することができる。
つまり、実施形態によると、簡単な構成で、定着ベルト40の折れ,シワ,亀裂等の損傷を防止して、寿命を延ばすとともに、定着ローラ36に対する定着ベルト40の蛇行を防止し、さらに、定着ベルト40によるシートPのシワや斜行を防止することができる。
上述の実施形態では、図4に示すように、定着ベルト40の断面形状が、表面40d側が窪んだ逆クラウン形状である場合を例に説明したが、これに代えて、裏面40c側が窪んだ逆クラウン形状であってもよく、さらには、表面40dと裏面40cとの双方が窪んだ逆クラウン形状であってもよい。また、表面40d側、又は裏面40c側が凸状に出っ張った「く」字形に形成されていてよい。ただし、いずれの場合も、定着ベルト40は、定着ローラ36の外周面50に張架した際に弾性変形して表面40d側に逆クラウン形状が形成されるものとする。
また、上述では、クラウン形状及び逆クラウン形状として、定着ローラ36の外周面50の直径が端部50aから中央部50bに向かうに連れて直線状に漸増し、また、定着ベルト40の厚さが端部40aから中央部40bに向かうに連れて直線状に漸減する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図6に示すように、定着ローラ36の外周面50Aを、端部50aに対して中央部50bが盛り上がった円弧状に形成し、また、これに対応させて、図7に示すように、定着ベルト40の表面40dを、端部40aに対して中央部40bが窪んだ円弧状に形成するようにしてもよい。さらには、このときの曲線は、円弧状に限らず滑らかに連続するものであれば他の曲線であってもよい。
本発明は、定着ローラに定着ベルトを張架して使用する定着装置に適応した場合を説明したが、本発明は、これに限定されず、例えば、一般的な搬送ローラに搬送ベルトを張架し、この搬送ベルトによってシートを搬送するような場合にも適用することができる。
1……画像形成装置、10……シート給送部、11……画像形成部、12……定着部、13……シート排出部、34……定着装置、35……ヒータ、36……定着ローラ、37……分離ローラ、40……定着ベルト、40a……定着ベルトの端部、40b……定着ベルトの中央部、40c……定着ローラの裏面、41……加圧ローラ、50……定着ローラの外周面、52……金属層、53……弾性層、A……回転軸、C……クラウン量、Da……定着ローラの外周面の中央部における直径、D……定着ローラの外周面の端部における直径、N……定着ニップ部、P……シート、T……肉厚差、Ta……定着ベルトの端部の厚さ、Tb……定着ベルトの中央部の厚さ
Claims (7)
- 定着ローラと、前記定着ローラの外周面に張架された無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを前記定着ローラの外周面に押圧して前記定着ベルトとの間に定着ニップ部を形成する加圧ローラとを備え、シート表面に未定着トナー像を担持したシートを前記未定着トナー像が前記定着ベルトに接触するように前記定着ニップに挿通することで前記未定着トナー像を定着する定着装置において、
前記定着ローラは、回転軸を基準とした外周面の直径が、前記回転軸方向に沿っての端部よりも中央部のほうが大きいクラウン形状に形成され、
前記定着ベルトは、裏面が前記定着ローラの前記外周面に接触するように張設された状態において、前記回転軸を基準とした表面の直径が、前記回転軸方向に沿っての端部よりも中央部のほうが小さい逆クラウン形状となる、
ことを特徴とする定着装置。 - 前記定着ベルトは、前記回転軸方向に沿っての端部の厚さよりも中央部の厚さのほうが薄い、
ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記定着ローラの外周面における、前記回転軸方向に沿っての中央部の直径と端部の直径との差をクラウン量とし、張架されない状態の前記定着ベルトにおける、前記回転軸方向に沿っての端部の厚さと中央部の厚さの差を肉厚差としたときに、
前記定着ローラ及び前記定着ベルトは、前記肉厚差の2倍が、前記クラウン量を超えるように形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の定着装置。 - 前記定着ベルトは、厚さ方向に積層された金属層と弾性層とを有し、前記弾性層における端部の層厚を中央部の層厚よりも厚くすることで、前記逆クラウン形状を形成する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の定着装置。 - 定着に係るシートの搬送方向に沿っての前記定着ニップ部の下流側に、前記定着ローラのとの間に前記定着ベルトを張架する分離ローラを有する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の定着装置。 - 前記定着ローラは、円筒状に形成されていて、内側に前記定着ローラを加熱するヒータが配設されている、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の定着装置。 - シートを給紙搬送するシート給送部と、前記シート給送部から供給されたシートにトナー像を形成する画像形成部と、前記画像形成部においてシート上に形成された未定着トナー像をシート上に定着させる定着部とを備えが画像形成装置において、
前記定着部に、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の定着装置が配設されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
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2007
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