JP2008185621A - 光偏向器 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動ミラーの回転振動に起因する配線の振動騒音を低減できる光偏向器を提供する。
【解決手段】光偏向器Lは、所定の回転振動軸Aを中心に回転振動する振動ミラー3と、振動ミラー3を保持するMEMSパッケージ10と、振動ミラー3に電力を供給するためにMEMSパッケージ10に電極7を介して接続される配線6とを備えている。そして、配線6の引出開始位置である電極7は、振動ミラー3の回転振動軸Aを含み、かつ静止状態における振動ミラー3と直交する面と交わるように配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザプリンタ等のスキャナ装置に使用される光偏向器に関する。
レーザプリンタ等のスキャナ装置に使用される光偏向器としては、ポリゴンミラーを備えたものが従来一般的であったが、近年、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーを備えたものも提案されている(例えば特許文献1参照)。
MEMSミラーは、半導体プロセス技術を応用して製造される微小電気機械システムの一つであって、一般に、平板状の基板に切り抜き形成された回転振動板を有し、その表面中央部には全反射型のミラー面が蒸着などの手段により形成されている。そして、この回転振動板からなる振動ミラーは、その中心線上に切り残された軸部を軸として基板に回転振動(揺動)可能に支持されている。
この種のMEMSミラーにおいて、電磁駆動型のMEMSミラーでは、振動ミラー上のミラー面の周囲に平面コイルが形成されており、振動ミラーを囲む基板には、振動ミラー上の平面コイルに磁界を作用させる永久磁石が配設されている。
そして、この種の電磁駆動型のMEMSミラーは、基板から引き出された配線を介して振動ミラー上の平面コイルに所定の駆動信号を供給し、この駆動信号に応じたローレンツ力を発生させて振動ミラーを回転振動させるように構成されている。
特開2004−198500号公報
ところで、前述のようなMEMSミラーを備えた光偏向器においては、振動ミラーが回転振動する際、その振動が基板などの振動ミラー保持部材から引き出された配線に伝わり、この配線が共振して騒音を発生する虞がある。ことに、振動ミラーの揺動端部の側方に位置する振動ミラー保持部材の縁部から配線が引き出されている場合にその傾向が顕著である。
本発明は、このような従来技術の問題点に対応してなされたものであり、振動ミラーの回転振動に起因する配線の振動騒音を低減できる光偏向器を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る光偏向器は、所定の軸を中心に回転振動することで、光源から出射された光の反射方向を変化させて走査を行う振動ミラーと、前記振動ミラーを保持する振動ミラー保持部材と、前記振動ミラーに電力を供給するために前記振動ミラー保持部材に接続される配線と、を備え、前記配線は、前記振動ミラー保持部材の表面から外側へ引き出され、前記配線の引き出し開始の位置が、前記振動ミラーの軸を含み、かつ静止状態における振動ミラーと直交する面と交わるように配置されていることを特徴とする。
本発明に係る光偏向器では、振動ミラーの軸を含み、かつ、静止状態における振動ミラーに直交する面と交わるように配線の引き出し開始の位置(以下、「引出開始位置」という。)が設定されているため、振動ミラーの回転振動に伴い配線の引出開始位置に伝わる振動は極めて小さいものとなり、配線の振動騒音が低減する。
本発明に係る光偏向器によれば、振動ミラーの軸を含み、かつ、静止状態における振動ミラーに直交する面と交わるように配線の引出開始位置が設定されているため、振動ミラーの回転振動に伴い配線の引出開始位置に伝わる振動は極めて小さいものなる。従って、振動ミラーの回転振動に起因する配線の振動騒音を低減することができる。
<第1の実施形態>
次に、本発明の第1の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は第1の実施形態に係る光偏向器を示す平面図、図2はMEMSミラーの平面図、図3は図1のII矢視側面図、図4は図1のIII矢視側面図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る光偏向器Lは、例えばレーザプリンタ等のスキャナ装置に使用される光偏向器であって、光源から出射された光の反射方向を変化させる電磁駆動型のMEMSミラー1を主に備えている。また、光偏向器Lは、振動ミラー保持部材の一例としてのMEMSパッケージ10と、一対の支持部材8,8とを備えて構成されている。
[MEMSミラー1]
MEMSミラー1は、半導体プロセス技術を応用して製造されたものであり、図2に示すように、例えば横長長方形の平板状に形成されたミラー支持体2の中央部に横長楕円形の平板状の振動ミラー3が切り抜き形成されている。
ミラー支持体2は、その中央部に切り残された上下の軸部4,4を介して振動ミラー3を回転振動可能に支持している。ここで、軸部4,4は、弾性変形可能に構成されている。
軸部4,4を回転振動軸Aとする振動ミラー3の表面中央部には、光源から出射された光の反射方向を変化させるための全反射型のミラー面5が蒸着などの適宜の手段によって例えば横長の長方形に形成されている。
なお、図示省略したが、ミラー支持体2には、振動ミラー3を取り囲む部分に永久磁石が配設されており、振動ミラー3のミラー面5の周囲には、ミラー支持体2側の永久磁石から磁界の作用を受ける平面コイルが形成されている。これにより、平面コイルに電流を流すと、電磁力と軸部4の弾性力とによって、振動ミラー3が回転振動軸Aを中心に所定範囲で回転振動(揺動)するようになっている。また、このように振動ミラー3が所定範囲で回転振動することで、この振動ミラー3によって図示せぬ光源から出射された光の反射方向が変化させられて走査が行われるようになっている。
[MEMSパッケージ10]
図1に示すように、MEMSパッケージ10は、MEMSミラー1を収容する中空の矩形のケース状に形成され、その内部の適所にMEMSミラー1のミラー支持体2が固定されることで、このミラー支持体2を介して振動ミラー3を回転振動可能に保持している。MEMSパッケージ10の表面10aには、振動ミラー3のミラー面5を外部に露出するための開口部10bが形成されている。
図3に示すように、MEMSパッケージ10の下側の側面10cの中央部のうちの表面10a側には、電極7が回転振動軸Aに沿って突設されている。この電極7には、図4に示すように、振動ミラー3の平面コイル(図示省略)に電力を供給するための配線6が接続されている。そして、この配線6は、MEMSパッケージ10の側面(表面)10cから外側へ、回転振動軸Aと平行に引き出されている。
すなわち、本実施形態においては、配線6の引出開始位置は、電極7が形成される位置であり、この位置は、振動ミラー3の回転振動軸Aを含み、かつ静止状態における振動ミラー3と直交する面と交わるように配置されている。
[支持部材8]
図1,3,4に示すように、支持部材8は、振動ミラー3の回転振動軸Aと平行な支持軸B回りにMEMSパッケージ10を傾動自在に支持するものであり、MEMSパッケージ10の表面10aの開口部10bを挟むように2つ配設されている。具体的には、一対の支持部材8,8は、振動ミラー3の回転振動軸Aを含み、かつ、静止状態における振動ミラー3と直交する面と交わるように配置されている。
ここで、支持部材8は、例えばMEMSパッケージ10を支持する図示せぬフレームなどに設けられ、この支持部材8に対してMEMSパッケージ10が図示せぬ板ばねにより押圧されることで、MEMSパッケージ10がフレームに傾動自在に固定される。これにより、MEMSパッケージ10内の振動ミラー3の静止状態における角度が調整可能となっている。なお、角度調整が可能な構造とするには、例えばMEMSパッケージ10の支持軸Bを挟んだ両側に板ばねを1つずつ設け、そのうちの1つをMEMSパッケージ10の長手方向に移動自在に構成すればよい。
以上のように構成された光偏向器Lでは、配線6の引出開始位置となる電極7が振動ミラー3の回転振動軸Aを含み、かつ、静止状態における振動ミラー3に直交する面と交わるように配置して突設されているため、振動ミラー3が回転振動する際に電極7に伝わる振動は極めて小さいものとなる。
また、電極7に接続された配線6が振動ミラー3の回転振動軸Aと平行に引き出されているため、振動ミラー3の回転振動に伴って配線6の引き出し部分に伝わる振動も極めて小さいものとなる。
加えて、MEMSパッケージ10を傾動自在に支持する一対の支持部材8,8も振動ミラー3の回転振動軸Aを含み、かつ、静止状態における振動ミラー3に直交する面と交わるように配置されているため、振動ミラー3からMEMSパッケージ10を介してフレーム等に伝わる振動を極力抑えることができる。
従って、第1の実施形態の光偏向器Lによれば、振動ミラー3の回転振動に起因する配線6の振動騒音を効果的に低減することができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前記した第1の実施形態に係る光偏向器Lの一部の構造を変更したものであるため、第1の実施形態と同様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略することとする。参照する図面において、図5は、第2の実施形態に係る光偏向器を示す平面図、図6は図5のV矢視側面図、図7は図5のVI矢視側面図である。
図5〜図7に示すように、第2実施形態に係る光偏向器L’には、第1の実施形態において配線6の引出開始位置となった電極7の代わりに、コネクタソケット9Aとコネクタプラグ9Bとで構成されたコネクタ9が配設されている。
コネクタソケット9Aは、図6に示すように、MEMSパッケージ10の下側の側面10cの中央部のうちの表面10a側に、回転振動軸Aに沿って突設されている。このコネクタソケット9Aには、図7に示すように、コネクタプラグ9Bを介して配線6が接続されている。そして、この配線6は、MEMSパッケージ10の側面(表面)10cから外側へ、回転振動軸Aと平行に引き出されている。
すなわち、第2実施形態に係る光偏向器L’においても、配線6の引出開始位置となるコネクタ9が振動ミラー3の回転振動軸Aを含み、かつ、静止状態における振動ミラー3に直交する面と交わるように配設されている。そのため、振動ミラー3が回転振動する際にコネクタ9に伝わる振動は極めて小さいものとなる。
また、コネクタ9に接続された配線6が振動ミラー3の回転振動軸Aと平行に引き出されているため、振動ミラー3の回転振動に伴って配線6の引き出し部分に伝わる振動も極めて小さいものとなる。
従って、第2実施形態の光偏向器L’によっても、振動ミラー3の回転振動に起因する配線6の振動騒音を効果的に低減することができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前記した第1の実施形態に係る光偏向器Lの一部の構造を変更したものであるため、第1の実施形態と同様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略することとする。参照する図面において、図8は第3実施形態に係る光偏向器を示す平面図、図9は図8のVIII矢視側面図、図10は図8に示した光偏向器の背面図である。
図8に示すように、第3の実施形態に係る光偏向器L”では、MEMSパッケージ10の右側の側面10dの両端部に、一対の配線6,6が接続される一対の電極20,20が突設されている。詳しくは、各電極20は、図9に示すように、MEMSパッケージ10の側面10dのうちの裏面10e側に配置される。そして、一対の電極20,20に接続された一対の配線6,6は、図9と図10に示すようにMEMSパッケージ10の裏面10e側に裏面10eに沿って引き回されており、その裏面10eの中央部(集約部6A)に集約されて固定されている。
すなわち、第3の実施形態において、配線6は、各電極20から集約部6Aまでの間においてはMEMSパッケージ10の表面から引き出されておらず、集約部6Aで固定された後に、引き出されるようになっている。そのため、本実施形態では、この集約部6Aが、配線6の引出開始位置となっている。そして、このような配線6の引出開始位置となる集約部6Aは、振動ミラー3の回転振動軸Aを含み、かつ、静止状態における振動ミラー3と直交する面と交わる部位に配置されている。
以上、第3実施形態に係る光偏向器L”によれば、一対の配線6,6の集約部6Aが振動ミラー3の回転振動軸Aを含み、かつ、静止状態における振動ミラー3と直交する面と交わる部位に配置されているため、振動ミラー3が回転振動する際に一対の配線6,6の集約部6Aに伝わる振動は極めて小さいものとなる。そのため、振動ミラー3の回転振動に起因する一対の配線6,6の集約部6Aの振動を抑制することができ、一対の配線6,6の振動騒音を効果的に低減することができる。
なお、本発明は前記各実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記した第1、第2の実施形態では、配線6を回転振動軸Aから所定距離ずらした位置で平行に引き出したが(図4,7参照)、本発明はこれに限定されず、配線を回転振動軸Aと一致した位置から回転振動軸Aの延長線上に沿うように引き出してもよい。これによれば、配線の振動をより抑えることができる。
前記した第3の実施形態では、MEMSパッケージ10に2つの電極20を設けたが、本発明はこれに限定されず、電極の数は3つ以上であってもよい。
前記各実施形態では、MEMSミラーとして電磁駆動方式のものを採用したが、本発明はこれに限定されず、例えば、静電力で振動ミラーを揺動させる静電駆動方式のものなどを採用してもよい。
前記各実施形態では、振動ミラーの形状を楕円状としたが、本発明はこれに限定されず、例えば四角形状、円状などであってもよい。
第1の実施形態に係る光偏向器を示す平面図である。 MEMSミラーの平面図である。 図1のII矢視側面図である。 図1のIII矢視側面図である。 第2実施形態に係る光偏向器を示す平面図である。 図5のV矢視側面図である。 図5のVI矢視側面図である。 第3実施形態に係る光偏向器を示す平面図である。 図8のVIII矢視側面図である。 図8に示した光偏向器の背面図である。
符号の説明
1 MEMSミラー
2 ミラー支持体
3 振動ミラー
4 軸部
5 ミラー面
6 配線
6A 集約部
7 電極
8 支持部材
9 コネクタ
10 MEMSパッケージ
20 電極
A 回転振動軸
B 支持軸
L,L’,L” 光偏向器

Claims (7)

  1. 所定の軸を中心に回転振動することで、光源から出射された光の反射方向を変化させて走査を行う振動ミラーと、
    前記振動ミラーを保持する振動ミラー保持部材と、
    前記振動ミラーに電力を供給するために前記振動ミラー保持部材に接続される配線と、を備え、
    前記配線は、前記振動ミラー保持部材の表面から外側へ引き出され、
    前記配線の引き出し開始の位置が、前記振動ミラーの軸を含み、かつ静止状態における振動ミラーと直交する面と交わるように配置されていることを特徴とする光偏向器。
  2. 前記配線が、前記振動ミラーの軸と平行に引き出されていることを特徴とする請求項1に記載の光偏向器。
  3. 前記配線が、前記振動ミラーの軸の延長線上に引き出されていることを特徴とする請求項2に記載の光偏向器。
  4. 前記振動ミラー保持部材を前記振動ミラーの軸と平行な軸で傾動自在に支持する支持部材が、前記振動ミラーの軸を含み、かつ静止状態における振動ミラーと直交する面と交わるように設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光偏向器。
  5. 前記配線が、電極を介して前記振動ミラー保持部材に接続されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光偏向器。
  6. 前記配線が、コネクタを介して前記振動ミラー保持部材に接続されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光偏向器。
  7. 前記配線が、複数の電極を介して前記振動ミラー保持部材に接続されるとともに、前記振動ミラー保持部材の表面の一部において集約されて固定され、
    前記配線の集約された部分が、前記振動ミラーの軸を含み、かつ静止状態における振動ミラーと直交する面と交わるように配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光偏向器。
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