JP2008185479A - 加工面欠陥判定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加工面の濃淡画像からその加工面の欠陥を判定する加工面欠陥判定方法において、上記濃淡画像を原画像として、この原画像に、所定の閾値で2値化処理をして2値化画像Bを得ると共に、所定値以上の輝度値の傾きを抽出する輝度傾き抽出処理をして輝度傾き抽出画像Aを得る。そして、両画像A,Bを重ね合わせて欠陥検出用画像Cを得、この画像Cにおける画像A中の欠陥部画像A1と画像B中の注目部位画像B1との、形態に係る相互関係が予め決められた8種類のパターンI〜VIII中の何れに該当するかを判定
する。そして、その結果に応じて上記加工面の欠陥部を検出し、その欠陥部のサイズ等を正確に検出できるようにした。
【選択図】図2
Description
これは、被検査面の撮影画像と無欠陥面の画像との差の絶対値画像を求め、この絶対値画像に対して予め設定した閾値で2値化して2値化画像を得、この2値化画像の面積によって上記撮影画像(被検査面)内に欠陥が存在するか否かを判定する方法である(例えば、特許文献1参照)
すなわち、判定対象となる2値化画像の面積(欠陥部を含む注目画像のサイズ)は、設定される閾値(閾値レベル)によって大きく変化する。
いま、欠陥部及び加工痕を有する被検査面を撮像して得られた所定階調、ここでは256階調の濃淡画像(原画像)と、この原画像に対して、閾値を変えて各々2値化した2値化画像を図14〜図17に例示する。
図14は原画像、図15は閾値を50に設定して得られた2値化画像、図16は閾値を100に設定して得られた2値化画像、図17は閾値を160に設定して得られた2値化画像を示す。
図14に示す原画像中の1a(最も濃く表わされたほぼ三日月形状部分)は欠陥部(画像)、1b(欠陥部1aに比べて薄く広く表され、かつ比較的広い濃淡差を有する切削痕部分)は加工痕(画像)である。なお、欠陥部1a及び加工痕1bを含めて注目部位(画像)1cと総称する。
鋳巣や傷等の欠陥部分である欠陥部1aの判定に用いる画像には、切削工具等を用いて複雑に切削加工を施した痕である加工痕1bは欠陥部1aではないので本来無用、つまり消去されてよい部分である。しかしこの加工痕1bは、CCDカメラ等による撮像時における照明の角度や色等の影響で原画像から完全に消すことは難しい(図14参照)。
逆に、欠陥部1aのサイズを縮小させないために、閾値を100や160のように設定すると、図16,図17に示すように、加工痕1bは2値化画像中に残ってしまう。2値化処理後に黒く残る部位は、全て同じ明るさの黒で表われるため、加工痕1bと欠陥部1aとの区別は困難である。
以上のような理由から、閾値により2値化した2値化画像(注目部位1c)の面積によって欠陥を判定する方法では、欠陥部1aと加工痕1bとの識別や、欠陥部1aの正確なサイズの計測が困難、つまり欠陥部1aの正確な判定が困難であった。
各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴及びそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではなく、一部の事項のみを取り出して採用することも可能である。
(2)前記2値化画像及び輝度傾き抽出画像相互の関係は、前記輝度傾き抽出画像の形態に対する2値化画像の形態の相互関係を含むことを特徴とする(1)項に記載の加工面欠陥判定方法。
(3)前記形態は、大きさ、形状、及び/又は位置を含むことを特徴とする(2)項に記載の加工面欠陥判定方法。
(4)前記輝度傾き抽出処理は、平均化処理が行われた原画像に対して行うことを特徴とする(1)項、(2)項又は(3)項に記載の加工面欠陥判定方法。
輝度傾き抽出処理を、平均化処理が行われた原画像に対して行えば、以後の輝度傾き抽出処理の高速化が図れる。
(5)前記原画像は、加工面を複数回撮像して得られた複数枚の濃淡画像の平均値をなす濃淡画像であることを特徴とする(1)項、(2)項、(3)項又は(4)項に記載の加工面欠陥判定方法。
平均値の濃淡画像を原画像に用いれば、加工面撮像時の照明むらやノイズを抑制した原画像が得られる。
図1及び図2は、各々本発明による加工面欠陥判定方法の一実施形態を示すフローチャートであり、図1に示すフローチャートと図2に示すフローチャートとは、接続端子α部分でつながる。
図示実施形態においては、まず、ステップ101で被検査面である加工面をCCDカメラ等で撮像する。得られた画像は原画像(デジタル画像)としてメモリ等に保持される。図3は原画像の一例を示す。
原画像は、所定の階調、ここでは256(0〜255)階調の濃淡画像である。本実施形態では、この原画像に対して所定の閾値、ここでは図16と同様、閾値100で2値化処理をして2値化画像を得る(ステップ102,103参照)。また、同上原画像に対して所定値a以上の輝度値の傾きを抽出する輝度傾き抽出処理106をして輝度傾き抽出画像(フィルタ化画像)を得る。図4は上記2値化画像の一例(画像B)を、図5は輝度傾き抽出画像(画像A)の一例を示す。
なお、2値化処理時の閾値は100に限られず、最終的な判定に有効な閾値が実験等によって適宜選定される。またこの閾値は、検査される加工面が変わればその都度、適宜値が選定される。
平均化処理された原画像(平均化処理済み原画像)に対しては、輝度傾き抽出処理106が行われる。具体的には、上記平均化処理済み原画像の各画素について、輝度分布傾き出し処理、つまり横方向、縦方向、右斜め方向及び左斜め方向に、各々輝度の傾き出し処理を行い(ステップ107〜110)、各画素について、隣接する周辺画素の各々との間の輝度の傾き(輝度傾き)を得る。そして、各画素毎に得られた、隣接する周辺画素との間の各輝度傾き中から最大の輝度傾きをピックアップし、最大輝度傾き(値)の分布を得る(ステップ111)。そして、この最大輝度傾きの分布から、輝度傾き(値)a以上の領域を抽出して輝度傾き抽出画像(図5)を得る(ステップ112)。
なお、上記傾き出し処理は、本実施形態では平均化処理済み原画像の全画素について、1画素毎に1画素ずつずらして順次行われる。
また、上記輝度傾き(値)aは、実験等によって適宜選定される。また、判定する加工面が変わればその都度、適宜選定される。
画像A、Bの重ね合わせは、画像A、B間で位置ずれを生じさせることなく行われることは勿論である。
この際、パターンは、例えばI〜VIIIの8種類設定され、ステップ114では、欠陥検
出用画像CがパターンI〜VIIIのいずれに該当するかの判定(パターン分け)が行われる
。
パターン分けは、欠陥検出用画像Cにおける輝度傾き抽出画像A及び2値化画像B相互の関係を判定することによって行われる。詳しくは、欠陥検出用画像C中の2種類の画像、つまり画像A中の欠陥部画像A1と、画像B中の注目部位の画像(注目画像B1)の大きさ、形状、位置等の形態に係る相互関係を判定することによって、行われる。
なす画像A(画像A1)上に画像B中の注目部位画像B1の一部が重なる場合をパターンIIと、判定される。また、図8に示すように、線形状をなす画像A(画像A1)上に画
B中の注目部位画像B1の重なりがない場合をパターンIIIと、図9に示すように、線形状をなす画像A(画像A1)の全てが画像B中の注目部位画像B1内に包含される場合をパターンIVと、判定される。
更に、図10に示すように、ループ形状をなす画像A(画像A1)の全てが画像B中の注目部位画像B1内に包含される場合をパターンVと、図11に示すように、ループ形状をなす画像A(画像A1)内に画像B中の注目部位画像B1の一部が包含される場合をパターンVIと、判定される。また、図12に示すように、線形状をなす画像A(画像A1)内に画像B中の注目部位画像B1の全てが包含される場合をパターンVIIと、図13に示すように、ループ形状をなす画像A(画像A1)と画像B中の注目部位画像B1の重なりがない場合をパターンVIIIと、判定される。
の判定が済むと、ステップ115において加工面欠陥検出結果がディスプレイ(図示せず)等に表示される。すなわち、欠陥検出用画像CがパターンI,Vに該当すれば鋳巣(欠陥)ありと、パターンIVに該当すれば傷(欠陥)ありと、表示される。
パターンII,IIIに該当すれば、ここでの欠陥検出用画像Cは加工痕画像であると表示される。なお、パターンVI〜VIIIは、実際にはあり得ないパターンであり、存在しない(不存在)との表示が行われる。
パターンII,III、パターンVI〜VIIIに該当すると判定された加工面(原画像)については欠陥部を含まないので、ステップ116,117に示すように、最終的に欠陥ありと判定するための欠陥部サイズの大きさ等の計測は行われない(処理を終了する)。
パターンI,IV,Vに該当すると判定された加工面(原画像)については欠陥部(欠陥
部画像A1)を含むので、そのサイズや面積等の計測、図示例では画像A(欠陥部画像A1)の長手方向のサイズの計測が行われる(ステップ118)。そして、その計測結果に基づいて、欠陥の有無が判定され、その結果が上記ディスプレイ等に表示される(ステップ119)。
一方、加工痕では、原画像において一般的にグレー、つまり欠陥部画像A1に比べれば非欠陥部の白に近く、したがってその外周部における輝度分布の変化は急激ではない。つまり、輝度(値)の傾きは小さく、画像A中には表れず、表れてもループ形状にはならず、線形状となる。また、2値化処理した場合に、その位置は画像A中に表れた位置とは一致しない。
以上述べた欠陥部と加工痕の画像への表われ方の特徴を組み合わせてパターン化したのが、上記パターンI〜VIIIであり、上述したように、本実施形態ではステップ113で得
られた欠陥検出用画像Cに対してこのようなパターン分けを行い、欠陥部、ここでは鋳造欠陥部(鋳巣、傷)と加工痕とを識別するようにした。
なお、上記欠陥部のサイズや面積等の計測は、2値化画像B上では閾値の設定(閾値レベル)によりサイズ変化が生じてしまうので、閾値レベルによってサイズ変化の起こらない輝度傾き抽出画像A(欠陥部画像A1)を用いて行う。
また上述実施形態では、加工面として鋳造面を例にとって説明したが、これのみに限られず、本発明は、加工が施された種々の面に適用することができる。
Claims (3)
- 加工面を撮像して得られた濃淡画像からその加工面の欠陥を判定する加工面欠陥判定方法において、
前記濃淡画像を原画像として、この原画像に対し、所定の閾値で2値化処理をして2値化画像を得ると共に、所定値以上の輝度値の傾きを抽出する輝度傾き抽出処理をして輝度傾き抽出画像を得、これら2値化画像及び輝度傾き抽出画像を重ね合わせて欠陥検出用画像を得、この欠陥検出用画像における前記2値化画像及び輝度傾き抽出画像相互の関係が予め決められた複数種類のパターンの中の何れに該当するかを判定して、この欠陥検出用画像に係る加工面の欠陥を判定することを特徴とする加工面欠陥判定方法。 - 前記2値化画像及び輝度傾き抽出画像相互の関係は、前記輝度傾き抽出画像の形態に対する2値化画像の形態の相互関係を含むことを特徴とする請求項1に記載の加工面欠陥判定方法。
- 前記形態は、大きさ、形状、及び/又は位置を含むことを特徴とする請求項2に記載の加工面欠陥判定方法。
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