JP2008185181A - 流体軸受装置およびスピンドルモータ - Google Patents

流体軸受装置およびスピンドルモータ Download PDF

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久明 矢野
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Abstract

【課題】連通孔を有する流体軸受に大きな衝撃が加わっても流体軸受の軸受開口部から潤滑流体が流出しない軸受構成とした流体軸受装置および、その流体軸受を搭載したスピンドルモータを提供する。
【解決手段】スピンドルモータ1は、記録ディスク駆動装置のベース5に流体軸受装置2が直接的に取り付けられるものであって、流体軸受装置2と、ステータ8と、マグネット9とを備えている。流体軸受装置2は、ロータ部3と、それを回転自在に支持するスリーブ13とを有する。マグネット9は、ステータ8に対向するようにロータ部3に固定され、ステータ8と協働して回転磁界を発生する。スリーブ13は、スリーブ本体22の段部24に形成され、スラストフランジ16と軸線方向にて対向する凸部27を備えており、流体軸受装置2の軸受隙間で衝撃などにより発生する生じる高圧力Pを軽減する。
【選択図】図1

Description

本発明は、小型化・薄型化を求められた場合、十分な軸受剛性を保ち、様々な環境下において潤滑剤漏れ防止が可能なスピンドルモータ用の流体軸受装置に関するものである。
近年、ハードディスク駆動装置(以下、HDDと記載する)に用いられているスピンドルモータには、玉軸受よりも静音性、振れ精度などに優れている流体軸受を用いることが主流となっている。流体軸受とは、固定体と回転体との間に潤滑流体(例えば、オイル、グリースなど)を介在させ、固定体もしくは回転体に形成された動圧発生溝により圧力を発生させ、その圧力により固定体と回転体を非接触に保持するというものである。
HDDの使用用途が、据え置き型のパソコンから携帯電話、モバイルプレーヤーなどの小型、薄型の製品に用いられてきているために、HDDに搭載されている流体軸受装置についても小型化、薄型化が求められてきている。流体軸受装置を小型化、薄型化するに伴い、流体軸受装置を設計するスペースも狭くなり、前述した据え置き型のパソコンなどに搭載されていた3.5インチ型HDDに搭載されていた流体軸受装置においては、十分な設計スペースが確保できていたが、携帯電話、モバイルプレーヤーなどの小型、薄型の製品に搭載される2.5インチ以下のHDDでは、十分な設計スペースを確保することが困難になってきている。
その小設計スペースの中において、流体軸受装置に必要な潤滑流体を軸受内部に確実に保持する設計を行うことは、最も重要な項目となってきている。潤滑流体が不足することにより、固定体と回転体との間の動圧発生溝により圧力を発生する軸受隙間の潤滑剤不足が発生してしまい、固定体に対して回転体が擦れて焼付いてしまい、回転しなくなる。その結果、HDDからのデータ読み出し、書き込みができなくなるという不具合が生じてしまう。
携帯電話、モバイルプレーヤーなどの製品を使うエンドユーザーは、フラッシュメモリーなどと同様にHDDは単なる製品を構成する1部品として考えている人が多く、また、HDDからのデータ読み出し、書き込みができなくなるという不具合が生じ易いと考えている人が少ない。そのため、一度、上述したような不具合が生じた場合、エンドユーザーがHDDに保存したデータを失うことで、製品そのものの信用を失い兼ねない。つまり、流体軸受装置に必要な潤滑流体を軸受内部に確実に保持することは、流体軸受装置にとって最も重要な項目でもあり、HDDにとっても重要な項目となってきている。
現在の流体軸受装置の多くは、一端側閉塞、他端側開口の袋構造の流体軸受なので、外的な衝撃により、軸受内部にて大きな圧力差が生じた場合、その圧力差を解消するために、軸受内部の潤滑流体が、外部に流出してしまう可能性がある。その潤滑流体が外部に流出することを防止し、流体軸受装置に必要な潤滑流体を軸受内部に確実に保持するために、キャピラリーシール構造に関する検討、動圧発生溝の検討などの様々な検討が行われてきている。その様々な検討の中でも、軸受内部(袋構造内部)の圧力差を均一にするために、流体軸受装置を構成している軸受部材(スリーブ)に連通孔を形成している構造の適用が多くなってきている。(特許文献1〜3を参照。)
特開2005−143227号公報 特開2005−257069号公報 特開2005−308057号公報
図5に図示されている従来のスピンドルモータ201および流体軸受装置202の構成は、シャフト214に連結されているスラストフランジ216の半径方向外周部分に位置する部分におけるスリーブ213に連通孔227の開口部が形成されている。この軸受構造では、連通孔227をスラストフランジ216より半径方向外側に設けているので、半径方向の軸受設計スペースに限界が生じてしまい、ステータコア206、マグネット209により形成される磁気回路部分の設計的な余裕度が小さくなり、小型化、薄型化に伴い、磁気回路設計の限界に近い状態で設計しなければならなく、小さな設計変更に対応することができないという課題がある。
一方、図6に図示されている従来のスピンドルモータ301および流体軸受装置302の構成においては、シャフト314に取付けられているスラストフランジ316の軸方向で対向している部分に位置するスリーブ313に連通孔327の開口部327aが設けられている。この構成では、連通孔327をスリーブ313に設けることによる半径方向の小型化は可能になるのではあるが、衝撃などにより潤滑流体319が外部に漏れるという課題を有する。以下、その説明を行う。
連通孔327の開口部327aが形成されているスリーブ313の段面324に対向するようにスラストフランジ316が配置されている。スラスト動圧軸受部318、ラジアル動圧軸受部317の動圧発生溝により生じる動圧により、回転体であるスラストフランジ316、シャフト314、ハブ312が浮上する。衝撃などが加わらない場合、浮上する力とマグネット309と軸方向に対向する磁性体329との間の吸引力のバランスで、連通孔327のフランジ側開口部327aは、スラストフランジ316と接触しないようになっている。
また、ハブ312の突出部312aの内周面312bとスリーブ313の外周面313aとの間にて形成されているキャピラリーシール部321における潤滑流体319の表面張力と外気の空気圧との釣り合いにて潤滑流体319が外部に流出することを防止する設計となっている。
しかしながら、スラストフランジ316は、回転体の抜け止め部材としての役割もあり、落下時などに大きな衝撃力がモータ(流体軸受)に加わった際には、その吸引力によるバランスが崩れてしまい、連通孔327のフランジ側開口部327aにてスラストフランジ316と段部324が面接触(面衝突)する。急激な面接触(面衝突)により、連通孔327に軸方向上側に向う高圧力部ΔPが生じる。その高圧力部ΔPは、連通孔327を経由してスリーブ上側端面へ伝わり、キャピラリーシール部321に伝わる。(軸受内部は、閉塞しているので、発生した高圧力部ΔPは、圧力を解消するために大気圧環境であるキャピラリーシール部321に伝わる)その結果、キャピラリーシール部321の潤滑流体319の表面張力と外気の空気圧との釣り合いが崩れて、潤滑流体319が外部に流出してしまうという課題を有する。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、連通孔を有する流体軸受に大きな衝撃が加わっても流体軸受の軸受開口部から潤滑流体が流出しない軸受構成とした流体軸受装置および、その流体軸受を搭載したスピンドルモータを提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の流体軸受装置は、一方側が開口され、他方側が閉塞された軸受穴を有するスリーブと、前記スリーブと相対的に回転自在に前記軸受穴に挿入されたシャフトと、前記スリーブの閉塞側に収納されて、前記シャフトの端部に形成されている前記シャフト外径よりも径大な環状フランジ部と、前記シャフトに締結され、前記スリーブの開口部側を覆うようなカップ状のハブと、前記ハブの閉塞側内面と前記スリーブの開口部側端面との間に、前記スリーブの開口部側端面を覆い、前記スリーブの開口部側端面との間で空間を形成するように配置された環状カバー部材とを有し、前記空間に対向している前記スリーブの開口部側の端面に形成された第1の開口部と、前記スリーブにおける前記フランジ部との対向面に形成された第2の開口部とを有する連通孔と、前記シャフトと前記スリーブと前記環状カバー部材の隙間および前記連通孔には潤滑流体が介在し、前記第2の開口部が形成されている面には、前記第2の開口部よりも半径方向内側に形成された前記フランジ部側に突出している凸部を形成したことを特徴としたものである。
また、本発明は、一方が開口され、他方が閉塞された軸受穴を有するスリーブと、前記スリーブと相対的に回転自在に前記軸受穴に挿入されたシャフトと、前記スリーブの閉塞側に収納されて、前記シャフトの端部に形成されている前記シャフトの外径よりも径大な環状フランジ部と、前記シャフトに締結され、前記スリーブの開口部側を覆うハブと、前記シャフトと前記スリーブと前記ハブとの隙間には潤滑流体が介在し、前記スリーブの開口部側の端面に形成された第1の開口部と、前記スリーブにおける前記フランジ部と対向している前記ハブ側の面に形成された第2の開口部を有する連通孔と、前記スリーブの第2の開口部よりも半径方向内側に形成された前記フランジ部側に突出している凸部を形成したことを特徴としたものである。
この流体軸受装置では、流体軸受に大きな衝撃が加わってもスリーブに形成されている環状の凸部とフランジ部との間で接触することにより、連通孔が形成されているスリーブの面とフランジ部が接触しなくなり、連通孔に対して大きな衝撃による急激な高圧力部は生じなくなり、連通孔を通じて軸受開口部から潤滑流体を外部へ流出することが生じなくなる。
さらに、本発明の流体軸受装置において、スリーブとフランジ部にて形成される隙間の関係が、式(1)を満足することを特徴としたものである。
D>C>A+B・・・(式1)
A:凸部とフランジ部の開口側面との軸線方向隙間
B:フランジ部の閉塞側面とスリーブの軸線方向隙間
C:フランジ部外周面とスリーブの内周面との軸線方向の隙間
D:スリーブの段部とフランジ部の開口側面との軸線方向隙間
この流体軸受装置では、隙間の広い部分から狭い部分へと潤滑流体が流れる毛細管力により、ラジアル軸受部に連結しているスリーブの凸部とフランジ部の隙間と、スラスト軸受部が形成されているフランジ部とスラストプレートの隙間に潤滑剤を供給することとなり、潤滑剤が蒸発などにより減少する軸受寿命が近づいた際に、軸受部(隙間)に潤滑流体が行渡ることとなり、軸受寿命近傍での回転体と固定体の磨耗を防止することが可能となり、信頼性の向上になる。
また、本発明のスピンドルモータは、上述した流体軸受装置を搭載したものであり、流体軸受装置の寿命を左右する潤滑流体を確実に流体軸受内部に保持することが可能となる。
本発明の流体軸受装置およびスピンドルモータによれば、従来のHDDの使用用途である据え置き型のパソコンとは異なる携帯電話、モバイルプレーヤーなどの小型、薄型の製品に用いられ、急激な衝撃が加わったとしても、流体軸受装置の潤滑流体を確実に保持することが可能となり、小型、薄型に適した流体軸受装置の設計が可能となる。
以下に、本発明の流体軸受装置およびスピンドルモータの実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1および、図2を用いて本発明の第1の実施例について説明する。
図1は、本発明の第1の実施例における流体軸受装置2およびそれを搭載しているスピンドルモータ1の断面図を示す。また、図2は、流体軸受装置2の拡大図を示す。
本実施形態の説明では、便宜上、図1、図2の上下方向を「軸線方向上下側方向」とするが、スピンドルモータ1の実際の取り付け状態における方向を限定するものではない。
スピンドルモータ1は、主に、ロータ部3と、ロータ部3を回転自在に支持するための流体軸受装置2と、ステータ部4とを備えている。ステータ部4は、ベース5に固定されたステータコア6及びそれに巻線されたコイル7とからなるステータ8を有する。また、ロータ部3は、ステータ8に半径方向隙間を介して位置するマグネット9を有する。ステータ8とマグネット9とは、協同して回転磁界を発生することが可能であり、これらがロータ部3に対して回転力を与えるための磁気回路部となっている。ベース5の略中央部には、軸線方向に開口している孔10が形成されている。孔10の縁には、軸線方向上側に延びる筒状部11が形成されている。
ロータ部3は、流体軸受装置2を介してベース5に回転自在に支持される部材である。ロータ部3は、外周部に記録ディスク(図示しない)が搭置されるハブ12と、ハブ12の内周側に位置し、流体軸受装置2を介してスリーブ13に軸支されるシャフト14とから主に形成されている。
ハブ12は、スリーブ13を上方から覆うように近接して配置されたカップ形状の部材である。ハブ12は、主に、円板状部12aと、その外周縁において軸線方向下側に伸びる外周側筒状部12bとを有している。円板状部12aの中心孔12cには後述のシャフト14が嵌合される。また、外周側筒状部12bの外周面には接着手段などによってマグネット9が固定されており、外周面には記録ディスク(図示しない)が嵌合される。
マグネット9は、ステータ8に半径方向に隙間を介して対向している。そして、ステータ8のコイル7に通電すると、ステータ8とマグネット9との電磁相互作用が発生する。これにより、ロータ部3にトルクが発生する。
シャフト14の軸線方向上側端部は、ハブ12の中心孔12c内に嵌合されている。シャフト14のシャフト本体15には、スラストフランジ16が固定されている。つまり、シャフト14は、円柱形状のシャフト本体15とスラストフランジ16とから構成されていることになる。
流体軸受装置2は、ロータ部3をステータ部4に対して、回転自在に支持するための軸受部分である。流体軸受装置2は、より具体的には、ロータ部3に固定されたシャフト14と、ベース5に固定されシャフト14を回転自在に支持するスリーブ13とから主に構成されている。
流体軸受装置2は、動圧発生部としてラジアル軸受部17と、スラスト軸受部18とを有している。さらに、各軸受部内の潤滑流体19は、シャフト本体15の外周面15aとスリーブ13の軸線方向上側端部にスリーブ13を覆うように配置されているカバー部材20の内周面20aとの間に形成されたキャピラリーシール部21によってシールされている。また、各軸受部17、18を構成する間隙は完全に潤滑剤19が満たされており、キャピラリーシール部21のみにて界面を形成し、外気に通じるいわゆるフルフィル構造となっている。
スリーブ13は、略中空円筒状のスリーブ本体22と、スリーブ本体22の下部を閉鎖する円板状のスラストプレート23とから構成されている。スリーブ本体22は、その中心を軸線方向に延びる貫通孔を有しており、そこには内周面22aが形成されている。スラストプレート23は、円形の板状部材であり、スリーブ本体22の下端に固定されることにより貫通孔の下端開口を閉鎖している。
スリーブ本体22の下端側には、内周面22aから連続する段部24が形成されている。段部24は、スリーブ本体22の内周面22aと、内周面22aより径大な内周面22bとの間に形成されており、後記するシャフト14のスラストフランジ16を収容するための環状の凹部空間を確保している。また、段部24の下方は、スラストプレート23によって閉ざされている。以上から、スリーブ13は、スリーブ本体22の内周面122aにより形成された柱状中空部と、スリーブ本体22の段部24とスラストプレート23とによって形成された円板状中空部とを形成していることになる。
シャフト14のシャフト本体15は、概ね、スリーブ13の貫通孔に沿って柱状中空部に配置される。シャフト本体15の外周面15aは、スリーブ本体22の内周面22aに対して半径方向に微少間隙を介して対向している。スラストフランジ16は、スリーブ13の円板状中空部に配置されている円板状の部分である。
スリーブ本体22の内周面22aには、シャフト14の回転に伴い潤滑油19中に動圧を発生するためのヘリングボーン状の動圧発生用溝25が形成されている。動圧発生用溝25は回転方向に並んだ複数の溝であり、各溝は回転方向に対して相反する方向に傾斜する一対のスパイラル溝を連結してなる略「く」の字状の溝である。このように、スリーブ13のスリーブ本体22の内周面22aと、シャフト14のシャフト本体15の外周面15aと、その間の潤滑油19とによって、ラジアル軸受部17が軸線方向に構成されている。このラジアル軸受部17では、流体動圧は動圧発生用溝の連結部において極大となるように(ジャーナル部中心側に向かう流動をオイルに促すように)、アンバランス形状になっている。
スラストフランジ16のスラスト軸受部18を形成しているスラスト面16aには、シャフト14の回転に伴い潤滑油19中に動圧を発生するためのスパイラル状の動圧発生用溝26が形成されている。動圧発生用溝26は回転方向に並んだ複数の溝であり、回転時にロータ部3をスラスト方向から支持する。このように、スラストフランジ16のスラスト軸受部18を形成している面16aと、スラストプレート23と、その間の潤滑油19によって、スラスト軸受部18が形成されている。また、動圧発生用溝26は、スラストフランジ16の表面に形成されていてもよい。
キャピラリーシール部21は、ラジアル軸受部17からの潤滑油19の漏れを防止するための構造であり、スリーブ本体22の上端部付近において、カバー部材20の内周面20aとシャフト本体15の外周周面15aとによって構成されている。より具体的に説明すると、キャピラリーシール部20は、カバー部材20の内周側面に設けられた傾斜面20bにより構成されている。傾斜面20bは、シャフト本体15の外周面15aとの間の空隙が軸線方向外側に向かって拡大するように形成されている。以上に述べた構造より、流体軸受装置2に保持された潤滑油19の表面張力と外気の空気圧等とが釣り合うことにより、潤滑油19が流体軸受装置2の外部に移動するのが抑制される。
このスピンドルモータ1のスリーブ本体22のスラストフランジ16と軸線方向にて対向する段部24には、スリーブ本体22の上端面22cとカバー部材20の内周部に設けられた凹部20cの内側面20dとにより形成されている空間に通じている連通孔27の開口部27aが形成されている。連通孔27の開口部27aより半径方向内側に位置する段部24には、環状の凸部28が形成されている。
このように、一端開口型の流体軸受装置2を備えたスピンドルモータ1にて、スリーブ13の段部24に凸部28を形成しているために、回転体であるロータ部3に、急激な外的衝撃が加わった際に軸受隙間に生じる高圧力部ΔPにより、キャピラリーシール部21から潤滑流体19が漏洩することを防止することが可能となる。
具体的に、凸部28を形成することで、急激な外的衝撃が加わった際に、潤滑流体19が漏洩することを防止する点に関して説明する。
回転体であるロータ部3に、急激な外的衝撃が加わった際に軸受隙間に生じることで、シャフト14つまり、スラストフランジ16が、軸線方向上側に移動する。スラストフランジ16が急激に移動することで、スラストフランジ16と段部24との間に高圧力部ΔPが生じる。従来の流体軸受装置では、段部24に凸部28が形成されていないので、高圧力部ΔPは、スラストフランジ16の外周面と内周面22bとの間、ラジアル軸受部隙間、または、連通孔27の開口部27aの3方向に分散しようとする。
しかしながら、ラジアル軸受部隙間では、動圧発生用溝25により動圧が発生しているために、圧力が高くなっており、高圧力部ΔPが分散した圧力が遮られてしまう。また、スラストフランジ16の外周面と内周面22bとの間に分散する高圧力部ΔPの分散した圧力は、スラストフランジ16とスラストプレート23との間に形成されたスラスト軸受部18の動圧発生用溝26により動圧が発生しているために、移動が遮られてしまう。その結果、高圧力部ΔPは、連通孔27の開口部27aに伝播することとなる。
流体軸受装置2では、動圧軸受部にて動圧(圧力)を発生しているために、軸受隙間全体が外気圧よりも高圧力となっているので、連通孔27を伝播してスリーブ13の上端面22cとカバー部材20の内側面20dで形成されている空間に向かった高圧力部ΔPは、圧力が低い外気圧側である軸受開口部であるキャピラリーシール部21に向かって伝播する。
また、スラストフランジ16が、軸線方向上側に移動することで、従来の流体軸受装置のへリングボーン形状の動圧発生溝が形成され、スラスト軸受部を形成しているスラストフランジ16とスラストプレート23との間に負圧部分が発生する。負圧部分が発生することで、軸受隙間に充填されていた潤滑流体19が押し出される。その結果、キャピラリーシール部21の液面が外気側に移動する。液面が外気側に移動すると、潤滑油19の表面張力と外気の空気圧との釣り合いが崩れてしまい、潤滑流体19をシールする力が低下してしまう。
その結果、シールする力が低下ししている状態であるキャピラリーシール部21に向かって伝播してきた高圧力部ΔPにより、潤滑流体19が押し出されて、軸受外部へと漏洩してしまう。
しかしながら、段部24に凸部28を形成することで、スラストフランジ16が急激に移動することで生じる高圧力部ΔP1は、スラストフランジ16と凸部28との間にて生じることとなる。高圧力部ΔP1は、連通孔27に伝播する前に、凸部28と段部24にて形成されているスラストフランジ16と凸部28との隙間よりも大きな凹空間を通過することにより、その圧力が緩和される。その結果、キャピラリーシール部21に向かって伝播する高圧力部ΔP1も緩和される。
また、スラスト軸受部18の動圧発生溝26がスパイラル形状となっているために、スラストフランジ16とスラストプレート23との間に負圧部分が発生したとしても、常に、回転軸中心方向に潤滑流体19を押し出すようになっているので、キャピラリーシール部21の液面が外気側に移動する前に、負圧部分は、直ぐに消滅してしまう。
以上より、段部24に段部24に凸部28を形成することで、潤滑流体19が、キャピラリーシール部21から漏洩することが可能となった。
更に、各軸受隙間の関係を(式1)を満足する寸法にすることで、急激な外的衝撃が加わった際に、潤滑流体19が漏洩することを防止でき、且つ、より高寿命である流体軸受装置および、その流体軸受装置を搭載したスピンドルモータを提供することが可能となる。
D>C>A+B・・・(式1)
A:凸部28とスラストフランジ16の軸線方向隙間
B:スラストフランジ16とスラストプレート23の軸線方向隙間
C:スラストフランジ16とスリーブ本体22の内周面22bとの軸線方向の隙間
D:段部24とスラストフランジ16の軸線方向隙間
具体的には、A+B=0.020mm、C=0.100mm、D=0.125mmとした。Dを最大隙間とする(式1)を満足している上述した寸法にすることで、急激な外的衝撃が加わった際に、潤滑流体19が隙間の広い箇所から狭い箇所へと移動する毛細管力が働くこととなり、スラストフランジ16とスラストプレート23との間に負圧部分が発生したとしても、その負圧部分に潤滑流体19が流れることとなり、負圧の発生を抑制」することとなり、キャピラリーシール部21の液面変動を防止することが可能となる。
更に、長時間モータを使用する(ライフエンド近傍になる)と潤滑流体19は、蒸発などによりその重量は減少する。しかしながら、(式1)を満足していることにより、流体軸受装置2の動圧を発生する部分に最後まで潤滑流体19が必ず充填されていることとなり、従来の軸受装置よりもより、高寿命化が可能となる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2のスピンドルモータの断面図を、図4は、実施の形態2のスピンドルモータに搭載されている流体軸受装置の断面図を示す。また、図3および図4において、実施の形態1と同様の効果を奏でる部分については、同様の番号を付与するものとし、図3への記載は省略するものとする。
図3において、流体軸受装置2は、動圧発生部としてラジアル軸受部17と、スラスト軸受部18とを有している。さらに、各軸受部内の潤滑剤19は、スリーブ13の外周面22dとハブ12の内周側円筒状部12dの内周面との間に形成されたキャピラリーシール部21によってシールされている。また、各動圧軸受部17、18を構成する間隙は完全に潤滑流体19が満たされており、キャピラリーシール部21のみにて界面を形成し、外気に通じるいわゆるフルフィル構造となっている。
キャピラリーシール部21は、軸受隙間からの潤滑流体19の漏れを防止するための構造であり、スリーブ本体22の上端部付近において、スリーブ本体22の外周面22dとハブ12の内周側筒状部12dの内周面12eとによって構成されている。より具体的に説明すると、キャピラリーシール部21は、スリーブ本体22の上端部外周面に設けられた傾斜部22eにより構成されている。傾斜部22eは、内周側筒状部12dの内周面12fとの間の空隙が軸線方向下側に向かって拡大するように形成されている。以上に述べた構造より、流体軸受装置2に保持された潤滑流体19の表面張力と外気の空気圧等とが釣り合うことにより、潤滑流体9が流体軸受装置2の外部に移動するのが抑制される。
以上のように、実施の形態1の構成と異なるところは、スリーブ13の外周面22dとハブ12の内周側円筒状部12dの内周面との間に形成されたキャピラリーシール部21によってシールされている点である。
(以下、実施の形態1と同様とする)
本発明にかかる流体軸受装置およびスピンドルモータは、携帯電話、モバイルプレーヤーなどの小型、薄型の製品に用いられ、急激な衝撃が加わったとしても、流体軸受装置の潤滑流体を確実に保持することが可能となり、小型、薄型に適した流体軸受装置の設計が可能となり、磁気記録ディスク装置などのスピンドルモータ等として有用である。
また、本発明にかかる流体軸受装置およびスピンドルモータ、流体軸受装置の潤滑流体を確実に保持することが必要な光磁気ディスク駆動装置などのスピンドルモータ等の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるスピンドルモータの断面図 本発明の実施の形態1における流体軸受装置の断面図 本発明の実施の形態2におけるスピンドルモータおよび流体軸受装置の断面図 従来のスピンドルモータの断面図 別の従来のスピンドルモータの断面図
符号の説明
1、201、301 スピンドルモータ
2、202、303 流体軸受装置
3、ロータ部
4 ステータ部
5 ベース
6、206 ステータコア
7 コイル
8 ステータ
9、209 マグネット
10 孔
11 筒状部
12、312 ハブ
12a、312a 円板状部
12b、312b 外周側筒状部
12c 中心孔
13、213、313 スリーブ
13a、313a 外周面
14、214、314 シャフト
15 シャフト本体
15a 外周面
16、216、316 スラストフランジ
16a スラスト面
17、317 ラジアル軸受部
18、318 スラスト軸受部
19、319 潤滑流体
20 カバー部材
20a 内周面
20b 傾斜面
20c 凹部
20d 内側面
21、321 キャピラリーシール部
22 スリーブ本体
22a、22b 内周面
22c 上端面
23 スラストプレート
24、324 段部
25、26 動圧発生用溝
27、227、327 連通孔
27a、327a 開口部
28 凸部
329 磁性体

Claims (4)

  1. 一方側が開口され、他方側が閉塞された軸受穴を有するスリーブと、
    前記スリーブと相対的に回転自在に前記軸受穴に挿入されたシャフトと、
    前記スリーブの閉塞側に収納されて、前記シャフトの端部に形成されている前記シャフト外径よりも径大な環状フランジ部と、
    前記シャフトに締結され、前記スリーブの開口部側を覆うようなカップ状のハブと、
    前記ハブの閉塞側内面と前記スリーブの開口部側端面との間に、前記スリーブの開口部側端面を覆い、前記スリーブの開口部側端面との間で空間を形成するように配置された環状カバー部材とを有し、
    前記空間に対向している前記スリーブの開口部側の端面に形成された第1の開口部と、前記スリーブにおける前記フランジ部との対向面に形成された第2の開口部とを有する連通孔と、
    前記シャフトと前記スリーブと前記環状カバー部材の隙間および前記連通孔には潤滑流体が介在し、
    前記第2の開口部が形成されている面には、前記第2の開口部よりも半径方向内側に形成された前記フランジ部側に突出している凸部を形成したことを特徴とする流体軸受装置。
  2. 一方が開口され、他方が閉塞された軸受穴を有するスリーブと、
    前記スリーブと相対的に回転自在に前記軸受穴に挿入されたシャフトと、
    前記スリーブの閉塞側に収納されて、前記シャフトの端部に形成されている前記シャフトの外径よりも径大な環状フランジ部と、
    前記シャフトに締結され、前記スリーブの開口部側を覆うハブと、
    前記シャフトと前記スリーブと前記ハブとの隙間には潤滑流体が介在し、
    前記スリーブの開口部側の端面に形成された第1の開口部と、前記スリーブにおける前記フランジ部と対向している前記ハブ側の面に形成された第2の開口部を有する連通孔と、
    前記スリーブの第2の開口部よりも半径方向内側に形成された前記フランジ部側に突出している凸部を形成したことを特徴とする流体軸受装置。
  3. 前記スリーブと前記フランジ部にて形成される隙間の関係が、式(1)を満足していることを特徴とする請求項1〜2記載の流体軸受装置。
    D>C>A+B・・・(式1)
    A:凸部とフランジ部の開口側面との軸線方向隙間
    B:フランジ部の閉塞側面とスリーブの軸線方向隙間
    C:フランジ部外周面とスリーブの内周面との軸線方向の隙間
    D:スリーブの段部とフランジ部の開口側面との軸線方向隙間
  4. 請求項1〜3のいずれかの請求項に記載の流体軸受装置を搭載したことを特徴とするスピンドルモータ。
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