JP2008185036A - 圧縮機システムの省エネルギー度診断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数台の空気圧縮機を並列に接続して同時に運転している顧客に、その顧客の省エネルギー度を診断して診断結果を提示することにより、省エネルギーによる大幅なランニングコストの低減を達成できる圧縮機システムの省エネルギー度診断方法を提供する。
【解決手段】顧客の保有する運転状態にある複数台の空気圧縮機1A〜1Eのそれぞれから少なくとも使用電気エネルギー量を含む運転情報の時間変化を検出し、検出した運転情報を用いて各空気圧縮機の現状における現状駆動電力量をコンピュータ8で算出すると共に、運転に用いる空気圧縮機1A〜1Eの制御方法を、空気消費量が多いときには吐出圧力を一定にできるような制御を行い、空気消費量が少ないときには省エネルギー度の高い制御を行うように変更した場合における変更後駆動電力量を前記運転情報を用いて算出し、現状駆動電力量と変更後駆動電力量とを出力して顧客に提示する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数台の空気圧縮機を並列に接続して同時に運転している顧客に対して、その複数台の圧縮機システムの駆動電力量を算出して顧客に提示することによって、複数台の圧縮機システムの省エネルギー度を診断する圧縮機システムの省エネルギー度診断方法に関する。
一般に、工場などにおいては、複数台の空気圧縮機を並列に接続し、これらの並列に接続した空気圧縮機を同時に運転することによって、必要とされる吐出圧力の空気量の消費を賄うようにしている。このうち、必要とされる吐出圧力は、空気圧縮機の運転中ほぼ一定に保たなければならない。一方、消費空気量は工場の操業状態によって季節/曜日/時間によって大きく変化する。すなわち、工場がフル操業している日中は消費空気量が多く、操業度の低い夜間は消費空気量が少ない。また、工場が操業していない休日は消費空気量がゼロであり、工場の操業度の低い土曜日は消費空気量が少ない。さらに、夏期か冬期かによっても消費空気量が異なる場合が多い。
ところで、並列に接続されて同時に運転されている空気圧縮機の種類・性能は必ずしも同一ではなく、むしろ異なる場合の方が多い。例えば、レシプロ、スクリュー、スクロール、ターボ圧縮機などが混在していることがある。また、同じタイプのスクリュー圧縮機であっても、その性能は旧式か新式かによる経年劣化によって異なるし、またインバータ制御を採用しているか、否かによっても異なる。さらに空気圧縮機の制御方法によっても、その消費電力量が大きく異なる。すなわち、省エネルギーを意識した制御を行っている場合は、その消費電力量は大きくダウンする。
このような複数台の空気圧縮機が並列に接続されている圧縮機システムが据付られている工場において重要になるのは、その消費する駆動電力量である。圧縮機システムのランニングコストは、消費する駆動電力量によって発生するコストに依るところが大きく、そのコストを抑えることが非常に重要である。
従来から、このような圧縮機システムのランニングコストを最小に抑えるべく、並列に接続されている各空気圧縮機の運転/停止の選択や制御方法の選択がなされていたが、その選択は工場管理者の長年の感によるところが大きかった。さらに、抜本的なランニングコストの低減を図るために、各空気圧縮機を新機種に入れ替えることが行われているが、その入れ替えの判断にあたっても、工場管理者の長年の感によるところが大きかった。
ところで、上記した従来の長年の感に頼ったやり方によると、ある面では非常に的確、かつ有効なランニングコストの低減が図れるといえるが、必ずしも的確、かつ有効なランニングコストの低減の提案ができるとはいえず、場合によっては大幅なエネルギーロスによるランニングコストの増大が発生していた。
例えば、空気圧縮機の種類がレシプロ、スクリュー、スクロール、ターボ圧縮機と混在している場合は、その性能がそれぞれ異なるため、その特性を完全に理解することは困難であった。また、空気圧縮機の制御方法を変更することによっても、その特性が大きく異なることとなり、工場管理者の長年の感だけでは、その特性を把握しきることは困難であった。
このことは、並列に接続されている台数の多い大規模システムの場合や、複数の系統を持っている複雑なシステムの場合に顕著であった。
省エネルギーによるランニングコストの削減は、単にコスト低減による利益率の向上を目的とした要請だけでなく、昨今クローズアップされてきた地球環境を考慮した省エネルギー化の要請からも非常に重要であり、早急に取り組むべき重要課題となっている。
そこで、本発明は、このような事情に鑑み、複数台の空気圧縮機を並列に接続して同時に運転している顧客に対して、その顧客の省エネルギー度を診断してその結果を提示することによって、省エネルギーによる大幅なランニングコストの低減を達成できる圧縮機システムの省エネルギー度診断方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明は、複数台の空気圧縮機を並列に接続して運転する圧縮機システムの省エネルギー度診断方法において、下記のような工夫を凝らしている。
すなわち、請求項1に係る本発明では、まず、顧客の保有する運転状態にある複数台の空気圧縮機のそれぞれから少なくとも使用電気エネルギー量を含む運転情報の時間変化をセンサーで検出する。次いで、このセンサーで検出した運転情報を用いて各空気圧縮機の現状における現状駆動電力量をコンピュータで算出すると共に、この運転情報を用いて、空気消費量が多いときには吐出圧力を一定にできるような制御を行い、空気消費量が少ないときには省エネルギー度の高い制御を行うように制御方法を変更した場合における空気圧縮機の変更後駆動電力量を算出する。その後、この算出した現状駆動電力量と変更後駆動電力量とを出力して顧客に提示するのである。
この請求項1に係る本発明によれば、複数台の空気圧縮機を並列に接続して同時に運転している顧客に対して、その顧客の省エネルギー度を診断してその結果を提示することによって、省エネルギーによる大幅なランニングコストの低減を行うことができる。すなわち、空気圧縮機の種類がターボ、スクリューなどと混在している場合であっても、各圧縮機の特性を把握した上で省エネルギー度を診断するので、その結果が長年の感に頼っていたものに比べて、根拠ある確実な診断結果として提案することができる。また、空気圧縮機の制御方法が変更可能な場合であっても、同様に根拠ある確実な診断結果として提案することができる。さらに、この省エネルギー度診断方法は、大規模なシステムや複雑なシステムへの適用に特に有効であり、ひいては省エネルギーを通じて環境の向上にも有益である。
また、請求項2に係る発明では、顧客の保有する運転状態にある複数台の空気圧縮機のそれぞれから少なくとも使用電気エネルギー量および容量制御信号を含む運転情報の時間変化をセンサーで検出する。次いで、このセンサーで検出した運転情報を用いて各空気圧縮機の現状における現状駆動電力量をコンピュータで算出すると共に、この運転情報を用いて、運転に用いる空気圧縮機の制御方法を変更した場合における運転に用いる空気圧縮機の変更後駆動電力量を算出する。その後、この算出した現状駆動電力量と変更後駆動電力量とを出力して顧客に提示するのである。
この請求項2に係る本発明によれば、空気圧縮機の制御機能として使用可能な様々な容量制御方法の中から、省エネルギー効果が最も高い制御方法を提示することができ、省エネルギー効果を高めることができる。なお、この場合は、既存の空気圧縮機の容量制御方法を変更するだけなので、顧客にとって新たな設備投資費用が必要とされず、確実にメリットのある省エネルギー案の提案を受けることができる。
請求項3に係る発明では、容量制御信号は、ON/OFF制御方法、使用空気量に追従した吸込絞り制御方法、一定時間以上無負荷運転が続くとパージを行う制御方法、短時間運転が続いたときに強制的にモータの空冷を行う制御方法、または使用空気量の検出により圧力変化を予想して最適運転を行う制御方法の少なくとも一つが行われていることを示す信号である。
この請求項3に係る本発明によれば、上記5制御方法の少なくとも一つが行われていることを示す信号により空気圧縮機の容量制御が適正に行われていることを知ることができる。従って、顧客に対して、空気圧縮機の根拠ある確実な省エネルギー度診断結果を提案することができる。
また、請求項4に係る発明のように、コンピュータにより現状駆動電力量と変更後駆動電力量とを出力して顧客に提示する際に、空気圧縮機の制御方法の変更に必要となる費用を併せて提示するようにしても良い。
この請求項4に係る本発明によれば、顧客は、現状駆動電力量と変更後駆動電力量との間で生じるランニングコストの低減額と、空気圧縮機の制御方法の変更に必要な投資額に関する情報を同時に入手することができるので、顧客にとって最も適切な設備投資を実行することができる。また、省エネルギーのための設備投資が活性化することによって、省エネルギーシステムの一層の発展と普及を加速することができ、環境の向上の面からも有益である。
また、請求項5に係る発明のように、吐出圧力も含め、吐出圧力の安定性を重視するか省エネルギー度を重視するかという顧客の要望に応じて、運転に用いる空気圧縮機の制御方法を変更するようにしても良い。
この請求項5に係る本発明によれば、各圧縮機の運転条件の変化による吐出圧力の変動を抑えた安定的な制御が可能になる。また、省エネルギー度と吐出圧力の安定を天秤にかけた制御も可能になるので、吐出圧力の安定性を重視する顧客には吐出圧力の安定性を重視した制御による診断結果を、また省エネルギー度を重視する顧客には省エネルギー度を重視した制御による診断結果を提示することができる。
また、請求項6に係る発明のように、運転情報の時間変化を検出する場所と、現状駆動電力量および変更後駆動電力量を算出する場所とが、互いに位置的に離れている場合に、この二つの場所の間を電気通信回線によって接続するようにしても良い。
この請求項6に係る本発明によれば、それぞれの顧客毎に診断システムを付随させることなく1台の診断システムで複数の顧客を診断することができるので、診断システム全体としての効率向上とコスト低減を図ることができる。また、インターネットなどの電気通信回線によって接続されているので、顧客の求めに応じて即座に省エネルギー度診断を行うことができる。
また、請求項7に係る発明のように、運転情報として、さらに容量制御信号も含めて、省エネルギー度診断の結果が容量制御方法の変更を行うことが好ましいとなった場合に、前記電気通信回線を介して顧客の保有する空気圧縮機の容量制御方法を変更するようにしても良い。
この請求項7に係る本発明によれば、省エネルギー度診断者が遠隔地から省エネルギー効果の高い制御方法に変更することができるので、常時省エネルギー度の高い運転をすることができ、顧客にとっての省エネルギー度が一層高くなる。
また、請求項8に係る発明のように、運転情報の時間変化を検出する場所における顧客の検出開始操作によって、現状駆動電力量と変更後駆動電力量とを出力して電気通信回線を通じて顧客に提示し、この提示を行った際に顧客に対してこの提示についての課金をするようにしても良い。
この請求項8に係る本発明によれば、顧客が自分の必要としているときに省エネルギー度診断の結果を得ることができ、即応性の高さによって顧客満足度を向上させることができる。顧客が省エネルギー度診断を必要としているときは、工場などの操業状態が変化した際や、工場のレイアウトを変更した際であり、これらの事情が発生した直後に圧縮機システムの省エネルギー度を高くすることができ、エネルギーロスを減少させて省エネルギー度をさらに向上させることができる。さらに、課金することにより省エネルギー度診断者にとっても、省エネルギー度診断が魅力的なものとなり、省エネルギーシステムの一層の発展と普及を加速させることができる。
上記のとおり、本発明によれば、複数台の空気圧縮機を並列に接続して同時に運転している顧客に対して、その顧客の省エネルギー度を診断してその結果を提示ことによって、省エネルギーによる大幅なランニングコストの低減を行うことができる。
本発明の好ましい実施の形態1を、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明が適用される圧縮機システムの一例を示すブロック図である。
図1において、符号1A〜1Eは空気圧縮機であり、これらの空気圧縮機1A〜1Eは、圧縮機の吐出側が互いに並列に接続されており、これら5台で一つの圧縮機システムを構成している。各圧縮機は工場動力源から電力の供給を受けて稼動し、要求されている消費空気量だけ空圧機器に供給する。
なお、この実施の形態1の場合、各空気圧縮機はスクリュー式の空気圧縮機であるが、スクロール式やレシプロ式などの他の容積形圧縮機や、ターボ式などの遠心式圧縮機を接続しても構わない。
また、各空気圧縮機1A〜1Eには、吸込圧力検出センサー2がそれぞれ取付けられており、吸込圧力検出センサー2で検出した各空気圧縮機の吸込圧力をデータ収集器7に出力する。また、各空気圧縮機1A〜1Eには、それぞれ使用電流検出センサー3、容量制御信号検出センサー4、制御圧力検出センサー5、吐出圧力検出センサー6が取付けられており、これらのセンサーで検出された使用電流、容量制御信号、制御圧力および吐出圧力もデータ収集器7に出力される。データ収集器7は、これらの運転情報に関するデータを一定時間毎(例えば、10分毎)に記録する。これによって、各運転情報の時間変化を収集することができる。
この実施の形態1の場合、検出すべき使用電気エネルギー量として、使用電流検出センサー3により各空気圧縮機の使用電流を検出したが、直接使用電力量を検出しても良い。
また、この実施の形態1の場合、容量制御信号検出センサー4によって容量制御信号を検出している。容量制御信号とは、スクリュー圧縮機の制御方法を示す信号であり、例えば、ON/OFF制御、使用空気量に追随した吸込絞り制御の何れの制御方法が行われているかを示す。さらに、一定時間以上無負荷運転が続くとパージ(圧縮空気の大気放出)を行う制御方法、短時間運転が続いたときに強制的にモータの空冷を行う制御方法、使用空気量を検出して圧力変化を予想して最適運転を行う制御方法が行われていることを示す信号として用いても良い。
この実施の形態1の場合、空気圧縮機として容積形圧縮機であるスクリュー圧縮機を使用しているため、負荷率の演算に必要な吸込圧力を検出しているが、ターボ圧縮機などの遠心式圧縮機の場合は、吸込圧力を検出する必要はない。また、スクリュー圧縮機の代わりに、スクロール式やレシプロ式などの他の容積形圧縮機や、ターボ圧縮機などの遠心式圧縮機を接続しても構わない。また、この実施の形態1の場合、容量制御信号検出センサー4によって、容量制御信号を検出しているが、この検出も必ずしも必要ではない。
さらに、この実施の形態1の場合、吐出圧力検出センサー6で吐出圧力を検出している。圧縮空気供給源としては、吐出圧力を常に一定に保つことが望ましいが、省エネルギー度を高めていくと能力的余裕がなくなるため、吐出圧力が変動し易くなる。吐出圧力の安定性を重視するか、省エネルギー度を重視するかによって、圧縮機の制御方法が異なってくる。この実施の形態1のように、吐出圧力を検出するようにすると、吐出圧力を監視することによって、顧客の要望に最も適した制御方法を選択することができる。
データ収集器7で収集された運転情報の時間変化は、ケーブルで接続されたコンピュータ8に送られ、このコンピュータ8で、各空気圧縮機の現状における現状駆動電力量の算出と、運転に用いる空気圧縮機の制御方法を変更した場合における変更後駆動電力量とが算出される。この算出された電力量は、コンピュータ8に接続されているプリンタ9に出力され、このプリンタ9のプリントアウトが提示される。
ここで、空気圧縮機の制御方法を変更する場合とは、上述したON/OFFと使用空気量に追随した吸込絞り制御などの制御方法を変更する場合である。例えば、空気消費量が多いときには、省エネルギー度を多少犠牲にしても吐出圧力を一定にできるような制御を行い、空気消費量が少ないときには、より省エネルギー度の高い制御を行うようにする場合である。また、空気圧縮機の制御方法を変更する場合には、特定の圧縮機を特定の時間に停止させる場合がある。この例としては、夜間に数台ある圧縮機の中で効率の悪い圧縮機を停止させる制御方法を行うことが考えられる。また、特定の圧縮機の負荷率を変更する場合もある。この例としては、50%負荷の2台の圧縮機を、100%の負荷で1台運転し、他の1台を停止させる場合がある。また、30%負荷の2台の圧縮機と、60%負荷の1台の圧縮機を、100%負荷の1台の圧縮機と20%負荷の1台の圧縮機とし、1台を停止させる場合もある。
なお、この実施の形態1の場合、データ収集器7とコンピュータ8とがケーブルで接続されているが、データ収集器7のデータをフロッピイディスクなどを用いてコンピュータ8に送っても良いし、データ収集器7とコンピュータ8とを常時接続してリアルタイムで運転情報をコンピュータ8に送るようにしても良い。
また、この実施の形態1の場合、プリンタ9のプリントアウトを顧客に提示しているが、顧客への提示方法は紙に限定されず、画像情報として顧客のパーソナルコンピュータに転送しても構わないし、フロッピイディスクなどの記録媒体に格納して提示しても構わない。
さらに、現状駆動電力量と変更後駆動電力量とを顧客に提示する際に、空気圧縮機の制御方法の変更に必要となる費用を併せて提示することもできる。例えば、負荷率を変更する場合は、制御盤の改造費用を提示することとなる。
次に、本発明の他の好ましい実施の形態2を、図面を参照しつつ説明する。図2は、本発明が適用される圧縮機システムの他の例を示すブロック図である。
図2において、11A〜11Dはパッケージ型のスクリュー式の空気圧縮機である。各空気圧縮機11A〜11Dには、各空気圧縮機11A〜11Dの運転情報(例えば、吸込圧力、吐出圧力、制御圧力、使用電流、容量制御信号など)を検出して送信する小型の情報検出器12A〜12Dがそれぞれ装着されている。各情報検出器12A〜12Dで検出された運転情報は、携帯電話、衛星通信、インターネットなどの電気通信回線13を通じて、遠隔地に設けられたコンピュータ14に送信される。コンピュータ14では、実施の形態1のコンピュータ8と同様に、各空気圧縮機11A〜11Dの現状における現状駆動電力量を算出し、運転に用いる空気圧縮機の制御方法を変更した場合における変更後駆動電力量を算出する。この算出された電力量が顧客に提示される。
この実施の形態2の場合、空気圧縮機を有する顧客とコンピュータ14を有する省エネルギー度診断者との間は位置的に離れており、両者の間が電気通信回線で結ばれている。
また、この実施の形態2の場合、情報検出器12A〜12Dと、省エネルギー度診断者のコンピュータ14とが直接接続されているが、一旦顧客の保有するコンピュータを介するようにしても構わない。この場合、顧客の保有するコンピュータに省エネルギー度診断者のコンピュータ14から省エネルギー度診断結果を直接送信できるので、顧客への提示を円滑、かつ迅速に行うことができる。また、顧客の保有するコンピュータから、顧客が診断の具体的な仕方をリクエストできるので、より緻密な省エネルギー度の診断を行うことができる。
さらに、この実施の形態2の場合、コンピュータ14から情報検出器12A〜12Dに制御信号を発信することによって、各空気圧縮機11A〜11Dの容量制御方法を遠隔操作し、より省エネルギー度の高い制御方法に自動的に変更することもできる。また、各空気圧縮機11A〜11D毎の省エネルギー度をコンピュータ14から情報検出器12A〜12Dに出力して表示することもできる。
また、この実施の形態2の場合、情報検出器12A〜12Dにキースイッチが備えられており、顧客が情報検出器12A〜12Dの検出開始スイッチを押した際に、現状駆動電力量と変更後駆動電力量とを出力して電気通信回線を通じて顧客に提示すると共に、この提示を行った際に顧客に対して課金することもできる。この課金にあたっては、インターネットプロバイダーの提供している課金サービスを用いると便利である。
次いで、本発明を適用して圧縮機システムの省エネルギー度を診断した結果の一例を、図3〜5を用いて説明する。
図3は、本発明に用いるために検出して記録した運転情報の時間変化の一例を示す表の一部を示す図である。この図に示されている表は、No.1〜No.3の3台のスクリュー式の空気圧縮機の、吐出圧力、吸込圧力、使用電流、制御圧力を10分毎に検出して記録したものである。
図4は、本発明を適用して算出した3台の空気圧縮機の現状駆動電力量を示す表の一部を示す図である。この図に示されている表では、検出した吐出圧力、吸込圧力、使用電流から、各圧縮機の吸込空気量、負荷率、駆動電力量を算出して表示すると共に、3台の空気圧縮機の空気量の合計と総合負荷率を算出して表示している。この図4に示す表から分かるように、No.3の空気圧縮機は夜間に停止されており、No.1とNo.2の空気圧縮機は終夜運転されているが夜間の負荷率が低い。なお、図4に示す表では、駆動電力量を使用電力に単価を乗算した価格表示としており、1年間220日使用したと仮定した年間電力費として表示している。
図5は、本発明を適用して算出した現状駆動電力量と変更後駆動電力量の一例を示す表の一部を示す図である。この図に示されている表では、左側に現状運転時の年間電力費が表示されており、右側に制御方法を自動運転に変更した場合の年間電力費が表示されている。この例の場合、年間電力費が約190万円削減できることが分かる。
なお、これら図3〜5に示す例の場合、1日の省エネルギー度診断で年間電力費を算出しているが、1週間診断して年間電力費を算出するようにしても良い。また、検出間隔を10分毎としているが、30分毎、1時間毎としても構わないものである。
本発明が適用される圧縮機システムの一例を示すブロック図である。 本発明が適用される圧縮機システムの他の例を示すブロック図である。 本発明に用いるために検出して記録した運転情報の時間変化の一例を示す表の一部を示す図である。 本発明を適用して算出した3台の空気圧縮機の現状における現状駆動電力量を示す表の一部を示す図である。 本発明を適用して算出した現状駆動電力量と変更後駆動電力量の一例を示す表の一部を示す図である。
符号の説明
1A〜1E…空気圧縮機,2…吸込圧力検出センサー,3…使用電流検出センサー,4…容量制御信号検出センサー,5…制御圧力検出センサー,6…吐出圧力検出センサー,7…データ収集器,8…コンピュータ,9…プリンタ
11A〜11D…空気圧縮機,12A〜12D…情報検出器,13…電気通信回線,14…コンピュータ

Claims (8)

  1. 複数台の空気圧縮機を並列に接続して運転する圧縮機システムの省エネルギー度診断方法において、上記空気圧縮機システムが顧客の保有する運転状態にある複数台の空気圧縮機のそれぞれから少なくとも使用電気エネルギー量を含む運転情報を検出するセンサーと上記センサーに接続されたコンピュータとを備え、上記センサーによって上記運転情報の時間変化を検出し、上記コンピュータはその検出した運転情報を用いて各空気圧縮機の現状における現状駆動電力量を算出すると共に、運転に用いる空気圧縮機の制御方法を、空気消費量が多いときには吐出圧力を一定にできるような制御を行い、空気消費量が少ないときには省エネルギー度の高い制御を行うように変更した場合における変更後駆動電力量を前記運転情報を用いて算出し、前記現状駆動電力量と変更後駆動電力量とを出力して顧客に提示することを特徴とする圧縮機システムの省エネルギー度診断方法。
  2. 複数台の空気圧縮機を並列に接続して運転する圧縮機システムの省エネルギー度診断方法において、上記空気圧縮機システムが顧客の保有する運転状態にある複数台の空気圧縮機のそれぞれから少なくとも使用電気エネルギー量および容量制御信号を含む運転情報を検出するセンサーと上記センサーに接続されたコンピュータとを備え、上記センサーによって上記運転情報の時間変化を検出し、上記コンピュータはその検出した運転情報を用いて各空気圧縮機の現状における現状駆動電力量を算出すると共に、運転に用いる空気圧縮機の制御方法を変更した場合における変更後駆動電力量を前記運転情報を用いて算出し、前記現状駆動電力量と変更後駆動電力量とを出力して顧客に提示することを特徴とする圧縮機システムの省エネルギー度診断方法。
  3. 上記容量制御信号は、ON/OFF制御方法、使用空気量に追従した吸込絞り制御方法、一定時間以上無負荷運転が続くとパージを行う制御方法、短時間運転が続いたときに強制的にモータの空冷を行う制御方法、または使用空気量の検出により圧力変化を予想して最適運転を行う制御方法の少なくとも一つが行われていることを示す信号であることを特徴とする請求項2に記載の圧縮機システムの省エネルギー度診断方法。
  4. 上記コンピュータにより現状駆動電力量と変更後駆動電力量とを出力して顧客に提示する際に、空気圧縮機の制御方法の変更に必要となる費用を併せて提示することを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の圧縮機システムの省エネルギー度診断方法。
  5. 運転情報として、さらに吸込圧力も含み、吐出圧力の安定性を重視するか省エネルギー度を重視するかという顧客の要望に応じて、運転に用いる空気圧縮機の制御方法を変更することを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一つの項に記載の圧縮機システムの省エネルギー度診断方法。
  6. 運転情報の時間変化を検出する場所と、現状駆動電力量および変更後駆動電力量を算出する場所とが位置的に離れており、この二つの場所の間が電気通信回線によって接続されていることを特徴とする請求項1乃至5のうちの何れか一つの項に記載の圧縮機システムの省エネルギー度診断方法。
  7. 運転情報として、さらに容量制御信号も含み、省エネルギー度診断の結果が容量制御方法の変更を行うことが好ましいとなった場合に、前記電気通信回線を介して顧客の保有する空気圧縮機の容量制御方法を変更することを特徴とする請求項6に記載の圧縮機システムの省エネルギー度診断方法。
  8. 運転情報の時間変化を検出する場所における顧客の検出開始操作によって、現状駆動電力量と変更後駆動電力量とを出力して電気通信回線を通じて顧客に提示し、この提示を行った際に顧客に対して上記提示についての課金をすることを特徴とする請求項6または7のうちの何れか一つの項に記載の圧縮機システムの省エネルギー度診断方法。
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