JP2008183932A - 車両用ホイール - Google Patents
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Abstract
【課題】高い操縦安定性を確保しつつ車両への振動を抑制し、乗り心地がよく、車内騒音の低減を実現できるとともに、シール剤を使用せずにシール確保が可能で、分別回収の手間を省き、環境的に優れた車両用ホイールを提供する。
【解決手段】リム2の外周面4上に複数の副気室3を備えた車両用ホイール1である。全周に耳部16を備えた上蓋部材11と下蓋部材12とが、重ね合わされた状態で前記耳部16において気密にかしめ接合されて形成された隣接する複数の内部が中空の副気室部材10が、前記リム外周面上において環状に配設されてなる。
【選択図】図1
【解決手段】リム2の外周面4上に複数の副気室3を備えた車両用ホイール1である。全周に耳部16を備えた上蓋部材11と下蓋部材12とが、重ね合わされた状態で前記耳部16において気密にかしめ接合されて形成された隣接する複数の内部が中空の副気室部材10が、前記リム外周面上において環状に配設されてなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、高い操縦安定性を確保しつつ車両に伝達される振動を抑制し、乗り心地の向上、車内騒音の低減等を実現できる車両用ホイールを高い生産性で得ることができるとともに、溶接欠陥などによる故障が低減し、環境的に優れる車両用ホイールに関する。
近年、自動車、特に、高級車とされる自動車においては、操縦安定性と車内空間の快適さとが共に求められている。このため、いわゆる足回りと呼ばれるタイヤ、車両用ホイール、サスペンション等においては、例えば、サスペンションのアクティブ制御技術、防振ゴムやタイヤの構造の改良技術等が開発されてきている。
車両用ホイールに関しても種々の改良がなされており、例えば、車内騒音に対して、その大きな要因であるタイヤ空洞共鳴音を抑えるべく、副気室をリムホイール内に設け、この副気室とタイヤ内部主気室と連通させる連通孔の寸法を調整することによりヘルムホルツ共鳴吸音器として作用させる車両用ホイール等が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1に示すリムホイールは、リムとリムの径方向外側に配置される複数の蓋部材との間に形成され、周方向に間隔をあけて設けられた複数の隔壁により分割された複数の副気室と、リムまたは蓋部材の少なくとも一方に設けられ、底部位置がビードシートよりも径方向内側に位置する凹状のウエル部と、タイヤ主副気室と副気室と連通させる連通部とを備えたものであり、副気室と連通部とでヘルムホルツ共鳴吸音器を構成したものである。
特開2002−79802号公報
しかしながら、特許文献1に示すリムホイールは、副気室を構成する蓋部材と隔壁とが溶接等によって接合されたものであり、この接合部分において、自動車の走行時の振動に耐え得る機械的強度を確保することが困難であるという問題があった。また、蓋部材と隔壁を溶接等で接合する場合に十分な共鳴吸音効果を得るためには、副気室の気密性の確保が必要であり、極めて高度な溶接技術が必要となるため、実際に特許文献1に示すリムホイールを工業的に製造することは困難であるという問題があった。
副気室の気密性を確保するためには、一般にシール剤を使用するが、シール剤は通常樹脂製であり、副気室を構成するアルミニウムなどの金属製と相違するため、分別回収する必要がある。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高い操縦安定性を確保しつつ車両への振動を抑制し、乗り心地がよく、車内騒音の低減を実現できるとともに、シール剤を使用せずにシール確保が可能で、分別回収の手間を省き、環境的に優れた車両用ホイールを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、以下の構成を採用することにより上記課題を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、下記に示す通りである。
[1] リム外周面上に複数の副気室を備えた車両用ホイールであって、全周に耳部を備えた上蓋部材と下蓋部材とが、重ね合わされた状態で前記耳部において気密にかしめ接合されて形成された隣接する複数の内部が中空の副気室部材が、前記リム外周面上において環状に配設されてなる車両用ホイール。
[2] 副気室にタイヤ装着側の表面へ連通する連通孔を一つ以上備え、タイヤ主気室と副気室とが連通孔とによって共鳴吸収を可能とした[1]に記載の車両用ホイール。
本発明によれば、高い操縦安定性を確保しつつ車両に伝達される振動を抑制し、乗り心地の向上、車内騒音の低減等を実現でき、溶接欠陥などによる故障が低減し、しかもシール剤を使用しないでシール確保が可能となり、分別回収の手間が省かれ、環境的に優れた車両用ホイールを高い生産性で得ることが出来る。
以下、図面を参照して、本発明をその実施形態に基づいて説明するが、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
図1は、本発明に係る車両用ホイールを模式的に示す平面図、図2は、本発明の車両用ホイールを模式的に示す断面図である。図1、図2に示すように,本発明に係る車両用ホイール1は、ディスク6の外周端にリム2が環状に形成されたものであり、リム2の外周面4上に複数の副気室3を備えている。図4に示すように、全周に耳部16を備えた上蓋部材11と下蓋部材12とが、重ね合わされた状態で、図5に示すように耳部16において気密にかしめ接合されて副気室部材10が形成され、副気室3を得る。これら複数の副気室部材10が、レーザービーム溶接等により、副気室部材10の環状方向(ホイール周方向)の両端部において、例えば、図1及び図3に示す接合箇所18のように通常2箇所でリム2の外周面4と固定され、環状に配設される。
ここで、「ホイール周方向」とは、図1中の矢印で示されるホイール周方向24を示し、「ホイール軸方向」とは、図2中の矢印で示されるホイール軸方向19を示す。
次に、本発明に係る車両用ホイールの製造方法について説明する。まず、アルミニウム等の金属製材料から、図4に示されるような全周に耳部16を備えた上蓋部材11及び下蓋部材12を得る。次に、図5に示されるように、上蓋部材11と下蓋部材12を重ね合わせた状態で耳部16において全周を気密にかしめ接合し、図3のような内部が中空の副気室部材10を得る。ここで、上蓋部材11と下蓋部材12を気密にかしめ接合するために、図4に示されるように、かしめ接合する際に下蓋部材12の全周において、上蓋部材11の耳部16を覆うようにして内側に折り畳まれるような折り返し部17を形成しておくことが好ましい。
上記のようにして得られた複数の副気室部材10を、リム2の外周面4上に環状に配設し、副気室部材10の環状方向(ホイール周方向)の耳部16両端における中央個所14を、例えばレーザービーム溶接を行い、リム2の外周面4と固着することにより、本発明に係る車両用ホイールを製造することができる。
なお、副気室部材10には、連通孔5を所定間隔に一つ以上穿設し、タイヤ主気室と連通孔5とによって共鳴吸収が可能なものとすることが好ましい。この連通孔5は複数の副気室3すべてに対して一つ以上穿設することが、上記共鳴吸収の効果をさらに向上させることができることから好ましい。この連通孔5は、あらかじめ内部中空副気室部材10に設けておくことが好ましい。
本実施形態の車両用ホイールにおいては、ホイールを構成する材料について特に制限はないが、例えば、車両用ホイールとして必要な機械的強度を得ることができるとともに軽量であることから、軽合金を主成分とする金属であることが好ましく、具体的には、アルミニウム合金やマグネシウム合金を主成分とすることが好ましい。
また更に、本実施形態の車両用ホイールにおいては、副気室部材10を構成する上蓋部材11、下蓋部材12の材質について特に制限はないが、例えば、副気室部材10として必要な機械的強度を得ることができるとともに軽量であることから、熱可塑性樹脂、光可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、金属等が好ましい。成形性を考慮すると熱(光)可塑性樹脂が好ましく、成形後(装着後)ホイールの熱による影響を考慮すると熱(光)硬化性樹脂もまた好ましい。金属としては、軽合金を主成分とする金属であることが好ましく、具体的には、アルミニウム合金やマグネシウム合金を主成分とすることが好ましい。材質として可塑性樹脂を用いた場合は、成形が容易であるという点において好ましい。
以上のように、リム外周面上に複数の副気室を備えた車両用ホイールを、それぞれ別体で製造したリムホイール及び副気室部材10によって作製できるため、極めて生産性に優れるとともに、機械的強度に優れ、バランスが良いことから、安定した走行を実現することが出来る。さらに、樹脂製のシール剤を使用せずに副気室のシールが可能であるため、分別回収を必要とせず、環境上極めて好ましい。
さらに、本実施形態の車両用ホイールにおいては、図1及び図2の副気室3に連通する連通孔5が穿設され、この副気室3と連通孔5とによって良好な共鳴吸収の効果を得るためには、副気室3と連通孔5とが、下記式(1)の関係を満たすように構成されていることが好ましい。
(但し、Vは副気室3の総体積(cm3)、Sは連通孔5の総断面積(cm2)、Lは該連通孔5の長さ(cm)、Nは一つの副気室3に穿設する連通孔5の数(個)、及びCは音速(cm/sec)を示す)
図1及び図2において、本発明による副気室3と連通孔5とが、前記式(1)の関係を満たすように構成されることにより、本実施形態の車両用ホイールに装着したタイヤの空洞共鳴音と同程度の周波数となるように共鳴周波数を設定することが可能となり、タイヤの空洞共鳴音を減少させることができる。なお、本実施形態の車両用ホイールにおいて、副気室3の数が二つ以上であり、それぞれの副気室3に穿設された連通孔5の数が異なる場合には、前記式(1)におけるNは一つの副気室3に穿設する連通孔5の平均数(個)のことである。
また、本実施形態の車両用ホイールにおいては、図1において、副気室3の総体積が、車両用ホイールに実際にタイヤを装着した際のタイヤ主気室の体積に対して2〜25体積%に相当することが好ましく、3〜15体積%に相当することがさらに好ましい。なお、副気室3の総体積が2体積%未満であると、走行時の乗り心地の改良効果や共鳴吸収の効果が低下することがあり、25体積%を超えると、上述した共鳴吸収を行う場合には、低周波に対してバネ定数が下がり、減衰性が低下することがある。
本発明に係る車両用ホイールによれば、車両用ホイールを作業性よく、かつ簡便、高精度に製造することができ、しかも、得られる車両用ホイールは,機械的強度にも優れ安定した走行を実現することが出来るため、工業上極めて有益である。
1:車両用ホイール、2:リム、3:副気室、4:リム外周面、5:連通孔、6:ディスク、10:副気室部材、11:上蓋部材、12:下蓋部材、16:耳部、17:折返し部、18:接合箇所、19:ホイール軸方向、24:ホイール周方向。
Claims (2)
- リム外周面上に複数の副気室を備えた車両用ホイールであって、
全周に耳部を備えた上蓋部材と下蓋部材とが、重ね合わされた状態で前記耳部において気密にかしめ接合されて形成された隣接する複数の内部が中空の副気室部材が、前記リム外周面上において環状に配設されてなる車両用ホイール。 - 該副気室にタイヤ装着側の表面へ連通する連通孔を一つ以上備え、タイヤ主気室と該副気室とが連通孔とによって共鳴吸収を可能とした請求項1に記載の車両用ホイール。
Priority Applications (1)
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JP2007016681A JP2008183932A (ja) | 2007-01-26 | 2007-01-26 | 車両用ホイール |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2007016681A Withdrawn JP2008183932A (ja) | 2007-01-26 | 2007-01-26 | 車両用ホイール |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20170067951A (ko) * | 2015-12-08 | 2017-06-19 | 현대자동차주식회사 | 차량의 타이어휠 구조 |
US9802445B1 (en) | 2016-04-18 | 2017-10-31 | Hyundai Motor Company | Apparatus for noise reduction of tire of vehicle |
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2007
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KR101822273B1 (ko) * | 2016-04-18 | 2018-03-09 | 현대자동차주식회사 | 타이어의 소음 저감 장치 |
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