JP2008183756A - 流体噴射装置、及び流体噴射装置のクリーニング方法 - Google Patents

流体噴射装置、及び流体噴射装置のクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】流体貯留手段内の流体の残量に応じて、クリーニング時における流体噴射ヘッドからの流体の排出量を的確に安定化させることができる流体噴射装置及び流体噴射装置のクリーニング方法を提供する。
【解決手段】インクカートリッジから加圧ポンプの加圧力に基づきインク供給路を介して記録ヘッド側へ導かれたインクを記録ヘッドに形成されたノズルから吸引ポンプにより吸引して排出させるインクジェット式プリンタのクリーニング方法であって、加圧ポンプの加圧力によって昇圧した加圧空気の圧力値が予め設定された圧力閾値以上になるまでの経過時間を計測する計測段階(ステップS11)と、計測段階にて計測された経過時間に応じて、加圧ポンプの駆動速度VS1を設定する設定段階(ステップS14)と、設定段階にて設定された条件に基づき加圧ポンプを駆動させることにより、記録ヘッドからインクを排出させる排出段階(ステップS15)とを有する。
【選択図】図9

Description

本発明は、流体噴射装置、及び流体噴射装置のクリーニング方法に関する。
一般に、記録ヘッド(流体噴射ヘッド)のノズルからターゲットに対してインク(流体)を噴射する流体噴射装置として、インクジェット式プリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)が知られている。このようなプリンタには、インクを貯留するインクカートリッジ(流体貯留手段)が着脱可能に装着され、このインクカートリッジからインク供給路(流体供給路)を介して供給されたインクを記録ヘッドが用紙(ターゲット)に噴射することにより印刷が実行されるようになっている。また、印刷時における記録ヘッドのインクの噴射不良を低減するために、こうしたプリンタでは、記録ヘッドのノズルから増粘したインクや気泡などを強制的に排出させる、いわゆるチョーククリーニング等の強力なクリーニングが実行されるようになっている。
このチョーククリーニングでは、インク供給路上に設けられたチョークバルブ(差圧開閉弁)を閉弁し、記録ヘッドのノズル形成面側から吸引ポンプ(吸引手段)で吸引することにより記録ヘッド内に負圧を生じさせ、該記録ヘッド内に存在する気泡を膨張させる。そして、インクカートリッジ内を加圧させるための加圧ポンプ(加圧手段)を駆動させることにより、インク供給路上のチョークバルブを強制的に開弁し、インクカートリッジから記録ヘッド内にインクを一気に流入させる。その結果、記録ヘッドに形成された各ノズルから粘性の大きいインクや記録ヘッド内の膨張した気泡がインクと共に排出されるようになっている。
このようなチョーククリーニングにおいて、加圧ポンプを一定速度で駆動させた場合には、インクカートリッジ内に残留するインクの残量に応じて、記録ヘッドからのインクの排出量にばらつきが生じてしまうことがあった。この場合、必要以上に記録ヘッドからインクが排出されてしまったり、インクの排出量不足に起因して各ノズルから粘性の大きいインクや記録ヘッド内の膨張した気泡を排出できなかったり(即ち、クリーニングが失敗したり)することがあった。
そこで、近時では、チョーククリーニングを実行する前までにインクカートリッジ内のインクの残量を算出し、算出したインクの残量に応じた駆動速度にて加圧ポンプを駆動させてチョーククリーニングを実行するクリーニング方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載のクリーニング方法では、インクカートリッジ内のインクの残量に応じて加圧ポンプの駆動速度を設定しているため、チョーククリーニングの実行時におけるチョークバルブの開弁タイミングのばらつきが抑制されるようになっている。そのため、一回のチョーククリーニングにて記録ヘッドから排出されるインクの排出量のばらつきが抑制される結果、インクの無駄な消費やクリーニングの失敗が抑制されるようになっていた。
特開2006−218828号公報
ところで、特許文献1に記載のクリーニング方法において算出されたインクカートリッジ内のインクの残量は、実測に基づくものではなく、プリンタの使用条件(用紙への印刷枚数の総計やクリーニングの実行回数など)に基づいた推定値である。そのため、算出したインクの残量には、誤差が生じてしまうため、加圧ポンプの駆動速度が実際のインクカートリッジ内のインクの残量に対応した速度に設定されないおそれがあった。また、加圧ポンプの加圧効率の経年変化によって、チョークバルブの開弁タイミングが遅れてしまう結果、チョーククリーニングによって本来排出すべきインクの排出量を排出できないおそれもあった。したがって、特許文献1に記載のクリーニング方法では、一回のチョーククリーニング時に記録ヘッドから排出されるインクの排出量のばらつきを抑制させる点において改善の余地があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、流体貯留手段内の流体の残量に応じて、クリーニング時における流体噴射ヘッドからの流体の排出量を的確に安定化させることができる流体噴射装置及び流体噴射装置のクリーニング方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の流体噴射装置のクリーニング方法は、流体貯留手段から加圧手段の加圧力に基づき流体供給路を介して流体噴射ヘッド側へ導かれた流体を前記流体噴射ヘッドに形成されたノズルから吸引手段により吸引して排出させる流体噴射装置のクリーニング方法であって、前記加圧手段の加圧力によって昇圧した前記流体貯留手段内の圧力が予め設定された圧力閾値以上になるまでの経過時間を計測する計測段階と、該計測段階にて計測された経過時間に応じて、前記加圧手段の駆動速度及び前記加圧手段の駆動開始のタイミングのうち少なくとも一方を設定する設定段階と、該設定段階にて設定された条件に基づき前記加圧手段を駆動させることにより、前記流体噴射ヘッドから流体を排出させる排出段階とを有する。
この発明によれば、流体貯留手段内の圧力が圧力閾値以上になるまでの経過時間を計測することにより、流体貯留手段内に貯留されている流体の残量が推定される。すなわち、流体貯留手段内の流体の残量が多い場合には、流体貯留手段内の流体の残量が少ない場合に比して経過時間が短くなる。そして、その計測された経過時間に応じて、加圧手段の駆動速度及び加圧手段の駆動開始のタイミングのうち少なくとも一方が的確に設定され、その設定条件に基づき加圧手段が駆動することにより、流体噴射ヘッドから流体を排出させるクリーニングが実行される。また、経過時間は、クリーニング時に使用される加圧手段を駆動させることにより取得される。そのため、加圧手段の加圧効率の経年変化をも加味した加圧手段の駆動速度及び加圧手段の駆動開始のタイミングのうち少なくとも一方が的確に設定されることになる。したがって、流体貯留手段内の流体の残量に応じて、クリーニング時における流体噴射ヘッドからの流体の排出量を的確に安定化させることができる。
本発明の流体噴射装置のクリーニング方法は、流体貯留手段から加圧手段の加圧力に基づき流体供給路を介して流体噴射ヘッド側へ導かれた流体を前記流体噴射ヘッドに形成されたノズルから吸引手段により吸引して排出させるに際し、前記流体供給路に設けられた差圧開閉弁を前記吸引手段の吸引力によって閉弁し、前記流体供給路における前記差圧開閉弁よりも下流側を減圧した状態で、前記加圧手段の加圧力に基づき前記流体供給路を介して前記流体噴射ヘッド側へ送出される流体の圧力により前記差圧開閉弁を開弁させ、前記流体噴射ヘッドから流体を排出させる流体噴射装置のクリーニング方法であって、前記加圧手段の加圧力によって昇圧した前記流体貯留手段内の圧力が予め設定された圧力閾値以上になるまでの経過時間を計測する計測段階と、該計測段階にて計測された経過時間に応じて、前記加圧手段の駆動速度及び前記加圧手段の駆動開始のタイミングのうち少なくとも一方を設定する設定段階と、該設定段階にて設定された条件に基づき前記加圧手段を駆動させることにより、前記差圧開閉弁を開弁させて前記流体噴射ヘッドから流体を排出させる排出段階とを有する。
この発明によれば、流体貯留手段内の圧力が圧力閾値以上になるまでの経過時間を計測することにより、流体貯留手段内に貯留されている流体の残量が推定される。すなわち、流体貯留手段内の流体の残量が多い場合には、流体貯留手段内の流体の残量が少ない場合に比して経過時間が短くなる。そして、その計測された経過時間に応じて、加圧手段の駆動速度及び加圧手段の駆動開始のタイミングのうち少なくても一方が的確に設定される。また、経過時間は、クリーニング時に使用される加圧手段を駆動させることにより取得される。そのため、加圧手段の加圧効率の経年変化をも加味した加圧手段の駆動速度及び加圧手段の駆動開始のタイミングのうち少なくとも一方が的確に設定されることになる。そして、設定された設定条件に基づき加圧手段が駆動することにより、いわゆるチョーククリーニングが実行される。したがって、流体貯留手段内の流体の残量に応じて、チョーククリーニング時における流体噴射ヘッドからの流体の排出量を的確に安定化させることができる。
本発明の流体噴射装置のクリーニング方法では、前記設定段階において、前記加圧手段の駆動速度を設定する場合、前記加圧手段の駆動速度は、前記計測段階にて計測された経過時間が短いほど遅くなるように設定される。
この発明によれば、流体貯留手段内の流体の残量が少ないほど、加圧手段の駆動速度が速くなるように設定される一方で、流体貯留手段内の流体の残量が多いほど、加圧手段の駆動速度が遅くなるように設定される。そのため、流体貯留手段内の流体の残量が少なくても、クリーニング時における流体の排出量の減少に基づくクリーニングの失敗が抑制される。また、流体貯留手段内の流体の残量が多くても、クリーニング時におけるインクの排出過多が抑制される。
本発明の流体噴射装置のクリーニング方法では、前記設定段階において、前記加圧手段の駆動開始のタイミングを設定する場合、前記加圧手段の駆動開始のタイミングは、前記計測段階にて計測された経過時間が短いほど遅くなるように設定される。
この発明によれば、流体貯留手段内の流体の残量が少ないほど、加圧手段の駆動開始のタイミングが早くなるように設定される一方で、流体貯留手段内の流体の残量が多いほど、加圧手段の駆動開始のタイミングが遅くなるように設定される。そのため、流体貯留手段内の流体の残量が少なくても、クリーニング時における流体の排出量の減少に基づくクリーニングの失敗が抑制される。また、流体貯留手段内の流体の残量が多くても、クリーニング時におけるインクの排出過多が抑制される。
本発明の流体噴射装置のクリーニング方法は、前記計測段階の実行後に前記流体貯留手段内の圧力を減圧させる減圧段階を更に有し、前記排出段階は、前記減圧段階の実行後に実行される。
この発明によれば、排出段階の実行前に減圧段階が確実に実行されるため、計測段階の実行によって流体貯留手段内の圧力が上昇したとしても排出段階が実行される前に、流体貯留手段内が減圧される。したがって、排出段階の実行時の流体貯留手段内の圧力のばらつきが抑制されるため、クリーニング時における流体噴射ヘッドからの流体の排出量のばらつきの発生が良好に抑制される。
本発明の流体噴射装置は、流体を貯留する流体貯留手段と、該流体貯留手段から前記流体を加圧して流体供給路に送出する加圧手段と、該加圧手段の加圧力に基づき前記流体供給路を介して供給された前記流体をノズルから噴射する流体噴射ヘッドと、前記ノズルから流体を吸引可能な状態で前記流体噴射ヘッドに当接する流体受容手段と、該流体受容手段を前記流体噴射ヘッドに当接させた状態で吸引力を発揮することにより前記流体貯留手段から前記加圧手段の加圧力に基づき前記流体供給路を介して前記流体噴射ヘッド側へ導かれた流体を該流体噴射ヘッドの前記ノズルから吸引して前記流体受容手段内に排出させる吸引手段とを備える流体噴射装置において、前記流体貯留手段内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記加圧手段の駆動が開始してから前記圧力検出手段によって検出された圧力が予め設定された圧力閾値以上になるまでの経過時間を計測する計測手段と、該計測手段によって計測された経過時間に応じた前記加圧手段の駆動速度及び前記加圧手段の駆動開始のタイミングのうち少なくとも一方を設定する設定手段と、該設定手段によって設定された条件に基づき前記加圧手段の駆動を制御すると共に前記吸引手段の駆動を制御することにより、前記流体噴射ヘッドから流体を前記流体受容手段内に排出させる制御手段とを備えた。
この発明によれば、流体貯留手段内の圧力が圧力閾値以上になるまでの経過時間を計測することにより、流体貯留手段内に貯留されている流体の残量が推定される。すなわち、流体貯留手段内の流体の残量が多い場合には、流体貯留手段内の流体の残量が少ない場合に比して経過時間が短くなる。そして、その計測された経過時間に応じて、加圧手段の駆動速度及び加圧手段の駆動開始のタイミングのうち少なくとも一方が的確に設定され、その設定条件に基づき加圧手段が駆動することにより、流体噴射ヘッドから流体を排出させるクリーニングが実行される。また、経過時間は、クリーニング時に使用される加圧手段を駆動させることにより取得される。そのため、加圧手段の加圧効率の経年変化をも加味した加圧手段の駆動速度及び加圧手段の駆動開始のタイミングのうち少なくとも一方が的確に設定されることになる。したがって、流体貯留手段内の流体の残量に応じて、クリーニング時における流体噴射ヘッドからの流体の排出量を的確に安定化させることができる。
本発明の流体噴射装置は、流体を貯留する流体貯留手段と、該流体貯留手段から前記流体を加圧して流体供給路に送出する加圧手段と、該加圧手段の加圧力に基づき前記流体供給路を介して供給された前記流体をノズルから噴射する流体噴射ヘッドと、前記流体供給路の途中に設けられる差圧開閉弁と、前記ノズルから流体を吸引可能な状態で前記流体噴射ヘッドに当接する流体受容手段と、該流体受容手段を前記流体噴射ヘッドに当接させた状態で吸引力を発揮することにより前記流体噴射ヘッドの前記ノズルから流体を吸引して前記流体受容手段内に排出させる吸引手段とを備え、前記差圧開閉弁を前記吸引手段の吸引力によって閉弁させ、前記流体供給路における前記差圧開閉弁よりも下流側を減圧した状態で、前記加圧手段の加圧力に基づき前記流体供給路を介して前記流体噴射ヘッド側へ送出される流体の圧力により前記差圧開閉弁を開弁させ、その流体を前記流体受容手段内に排出させる流体噴射装置において、前記流体貯留手段内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記加圧手段の駆動が開始してから前記圧力検出手段によって検出された圧力が予め設定された圧力閾値以上になるまでの経過時間を計測する計測手段と、該計測手段によって計測された経過時間に応じた前記加圧手段の駆動速度及び前記加圧手段の駆動開始のタイミングのうち少なくとも一方を設定する設定手段と該設定手段によって設定された条件に基づき前記加圧手段の駆動を制御すると共に前記吸引手段の駆動を制御することにより、前記流体噴射ヘッドから流体を前記流体受容手段内に排出させる制御手段とを備えた。
この発明によれば、流体貯留手段内の圧力が圧力閾値以上になるまでの経過時間を計測することにより、流体貯留手段内に貯留されている流体の残量が推定される。すなわち、流体貯留手段内の流体の残量が多い場合には、流体貯留手段内の流体の残量が少ない場合に比して経過時間が短くなる。そして、その計測された経過時間に応じて、加圧手段の駆動速度及び加圧手段の駆動開始のタイミングのうち少なくても一方が的確に設定される。また、経過時間は、クリーニング時に使用される加圧手段を駆動させることにより取得される。そのため、加圧手段の加圧効率の経年変化をも加味した加圧手段の駆動速度及び加圧手段の駆動開始のタイミングのうち少なくとも一方が的確に設定されることになる。そして、設定された設定条件に基づき加圧手段が駆動することにより、いわゆるチョーククリーニングが実行される。したがって、流体貯留手段内の流体の残量に応じて、チョーククリーニング時における流体噴射ヘッドからの流体の排出量を的確に安定化させることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の流体噴射装置及び流体噴射装置のクリーニング方法を具体化した第1の実施形態を図1〜図11に従って説明する。なお、以下における本明細書中の説明において、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」をいう場合は図1及び図3に矢印で示す前後方向、左右方向、上下方向をそれぞれ示すものとする。
図1に示すように、流体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ10は、平面視矩形状をなす本体フレーム11を備えると共に、該本体フレーム11内にはプラテン12が主走査方向となる左右方向に沿って延びるように架設されている。このプラテン12上には、図示しない紙送り機構によりターゲットとしての用紙(図示略)が副走査方向となる前後方向に沿って給送されるようになっている。また、本体フレーム11内には、プラテン12の長手方向(左右方向)と平行に棒状のガイド軸13が架設されている。
このガイド軸13には、キャリッジ14が、該ガイド軸13の軸線方向(左右方向)への往復移動可能な状態で支持されている。キャリッジ14は、本体フレーム11の後壁内面に設けられた一対のプーリ15a間に張設された無端状のタイミングベルト15を介して本体フレーム11の背面に設けられたキャリッジモータ16に連結されている。したがって、キャリッジ14は、キャリッジモータ16の駆動により、ガイド軸13に沿って往復移動されるようになっている。
キャリッジ14のプラテン12に対向する下面側には、流体噴射ヘッドとしての記録ヘッド17が搭載されている。また、キャリッジ14上には、一時貯留した流体としてのインクを記録ヘッド17に供給する複数(本実施形態では4つ)のバルブユニット18が設けられている。また、記録ヘッド17の下面は、図3に示すように、複数のノズル19(図3では6つのみ図示)が開口するノズル形成面17aとされている。そして、各ノズル19からプラテン12上に給送された用紙(図示略)にインク滴が噴射されることにより、印刷が行われるようになっている。
本体フレーム11内の右端部には、図1に示すように、カートリッジホルダ20が設けられると共に、該カートリッジホルダ20には、流体貯留手段としてのインクカートリッジ21が着脱可能に複数個(本実施形態では4個)装着されている。各インクカートリッジ21は、図2に示すように、略直方体状をなすケース22をそれぞれ備え、これら各ケース22内に形成された空気室23内には、インクカートリッジ21毎に色の異なるインクを充填したインクパック24がそれぞれ収容されている。
これら各インクパック24は、袋状に形成された可撓性フィルムの内部に、各種インクをそれぞれ充填したものである。なお、図2においては、インクパック24内のインクが未消費状態(即ち、インク残量が最大量=初期量の状態)のインクパック24を2点鎖線で描き、インクパック24のインクが少し消費されて減った状態のインクパック24を実線で描いている。
また、各インクパック24と、各インクパック24(インクカートリッジ21)に個別に対応する各バルブユニット18とは、図1に示すように、流体供給路を構成するインク供給路25を介してそれぞれ接続されている。そのため、各インクカートリッジ21内のインクは、各インクカートリッジ21がカートリッジホルダ20に装着された状態において、インク供給路25内をバルブユニット18に向けてそれぞれ流動した後、バルブユニット18内に一時貯留されるようになっている。
本体フレーム11の右端部においてカートリッジホルダ20の近傍には、図1に示すように、加圧ユニット26が配設されている。この加圧ユニット26は、空気供給路27を介して加圧空気をインクカートリッジ21内に圧送する装置であって、加圧手段としての加圧ポンプ28、圧力センサ29及び大気開放弁30を備えている。
空気供給路27は、大気開放弁30の下流側の分配器31を境に複数本(本実施形態では4本)に分岐されている。そして、分岐された各空気供給路27は、それぞれの先端(下流端)が各々対応するインクカートリッジ21に接続されている。したがって、加圧ユニット26の加圧ポンプ28が駆動された場合には、加圧ポンプ28から圧送された空気が空気供給路27を介して各インクカートリッジ21のケース22内にそれぞれ導入されるようになっている。そして、各ケース22内に圧送された加圧空気の圧力によって各インクパック24がそれぞれ押し潰され、該各インクパック24内のインクがインク供給路25を介して各バルブユニット18内にそれぞれ圧送されるようになっている。
本体フレーム11内の右端部寄り位置であって、キャリッジ14のホームポジションには、メンテナンスユニット32が配設されている。図3に示すように、メンテナンスユニット32は、記録ヘッド17のノズル形成面17a(具体的には、各ノズル19の開口が形成された領域)に各ノズル19の開口を囲うようにして当接可能な上側が開口した有底四角箱状をなす合成樹脂製のキャップ(流体受容手段)33を備えている。
このキャップ33には、該キャップ33を昇降させるための昇降装置34が連結されている。そして、キャリッジ14を非印刷領域に移動させた状態で、キャップ33を昇降装置34によって上昇させることで、キャップ33は、その上端が記録ヘッド17のノズル形成面17aに密着し、各ノズル19の開口を囲んだ状態となって記録ヘッド17に当接するようになっている。なお、このように上端をノズル形成面17aに密着させるようにしてキャップ33が記録ヘッド17に当接した状態のことを以下では「当接状態」ともいう。
キャップ33の底壁部には吐出口35が貫通形成され、該吐出口35には排出チューブ36が接続されている。この排出チューブ36の中間部には、吸引手段としての吸引ポンプ37(例えばチューブポンプ)が設けられている。また、排出チューブ36の先端(下流端)は廃インクタンク38に接続されている。そして、メンテナンスユニット32は、キャリッジ14上のバルブユニット18を利用する、いわゆるチョーククリーニングを行うようになっている。
これら各バルブユニット18は、図4に示すように、合成樹脂からなる基材39をそれぞれ備え、該各基材39の一側面(図4では上面)には凹部40がそれぞれ形成されている。これら各凹部40の底面には、基材39に貫通形成された導入路41がそれぞれ開口しており、該各導入路41は、各インクカートリッジ21に接続された各インク供給路25とそれぞれ連通している。また、各凹部40の底面には、突部42がそれぞれ形成され、該各突部42の上面には、吐出路43がそれぞれ開口している。そして、これら各吐出路43は、基材39にそれぞれ貫通形成され、記録ヘッド17側とそれぞれ連通している。
また、各基材39の一側面には、可撓性を有するフィルム44が凹部40側に弛みを持たせた状態でそれぞれ固着されており、各フィルム44により各凹部40がそれぞれ封止されている。そして、各凹部40の内面と各フィルム44とで密閉状態に囲まれた圧力室45がそれぞれ形成されている。そのため、インク供給路25からインクが各バルブユニット18にそれぞれ供給された場合、インクは導入路41を介して各圧力室45内にそれぞれに流入するようになっている。
各圧力室45内に流入したインク量が増加した場合には、そのインクの圧力を受けて各フィルム44が、図4に示すように、各突部42からそれぞれ離間される。そして、各圧力室45内のインク量がさらに増加してインクから受ける圧力が大きくなった場合、各フィルム44はそれぞれ一方側(図4では上方側)にそれぞれ膨らんだ状態になる。したがって、本実施形態では、これら凹部40、突部42及びフィルム44等により、差圧開閉弁としてのチョークバルブ46が構成されている。また、導入路41、凹部40及び吐出路43が上記インク供給路25と共に流体供給路を構成している。
次に、チョーククリーニングについて図3〜図5に基づき以下説明する。
さて、チョーククリーニングの際には、図3に示すように、キャップ33を上昇させて記録ヘッド17に当接させることによって、記録ヘッド17の下面とキャップ33の内面とによりキャップ内空間47が形成される。この状態で吸引ポンプ37を駆動させると、キャップ内空間47の空気及びインクが排出チューブ36を介して吸引ポンプ37内に吸引される。その結果、キャップ内空間47は負圧状態になり、この負圧が記録ヘッド17の各ノズル19内に作用して、これら各ノズル19から記録ヘッド17内のインクがキャップ内空間47に排出される。
さらに吸引ポンプ37が駆動されると、記録ヘッド17内だけでなく各バルブユニット18内のインクも吸引される。その結果、各圧力室45内のインクが各吐出路43から下流側にそれぞれ排出されることにより、各圧力室45内のインクがそれぞれ減少する。吸引ポンプ37の駆動が継続されると、各圧力室45内のインクの減少にともなって各フィルム44が各突部42側(図4では下側)にそれぞれ変位し、図5に示すように、各フィルム44が各突部42に当接して各吐出路43がそれぞれ閉塞される。そして、吸引ポンプ37の駆動をさらに継続させると、各吐出路43の入口よりも下流側がさらに減圧される。
そして、各吐出路43の入口よりも下流側の負圧が蓄積されると、加圧ポンプ28が駆動される。すると、各インクカートリッジ21から各バルブユニット18内にインクがそれぞれ供給され、各圧力室45内にインクがそれぞれ導入される。その後、各圧力室45に送出されたインク量の増加にともない、該インクの圧力が前記負圧よりも大きくなると、各フィルム44が各突部42と離間する方向(図5では上方)に変位され、各吐出路43がそれぞれ開放される。
その結果、負圧が蓄積された各吐出路43内に一気にインクがそれぞれ流れ込み、各インク供給路25や各圧力室45よりも下流側に滞留する増粘したインク及び気泡等が流速の高められたインクとともに記録ヘッド17の各ノズル19から排出される。このようにして、いわゆるチョーククリーニングが行われる。なお、記録ヘッド17の各ノズル19から排出されたインクは、キャップ33及び排出チューブ36を介して廃インクタンク38に排出される。
次に、加圧ユニット26について図6に基づき以下説明する。
図6に示すように、加圧ユニット26は、取付板48の上面に、加圧ポンプ28、圧力センサ29及び大気開放弁30が取着されることでユニット化されており、加圧ポンプ28の駆動源であるポンプモータ49は、正逆転可能な電動モータで構成されている。取付板48の端縁(図6では右端縁)に立設された壁部48aには支軸50が支持され、該支軸50の先端(図6では左端)には、第1歯車51が回転可能に支持されている。ポンプモータ49の出力軸に取着されているピニオンギヤ52は第1歯車51と歯合しており、該第1歯車51は、加圧ポンプ28の入力歯車である第2歯車53と歯合している。したがって、第1歯車51、ピニオンギヤ52及び第2歯車53によって、ポンプモータ49の回転を加圧ポンプ28への回転入力として伝達する伝達機構54が構成されている。
加圧ポンプ28は、周壁が蛇腹状をなす有底筒形の合成樹脂からなる伸縮部材55を備えたベローズ式ポンプである。この伸縮部材55は、その開口端(図6では左端)が封止部56によって封止されることにより、その内部がポンプ室となっている。封止部56には、加圧ポンプ28から圧力センサ29に向けて加圧空気を圧送するための圧送チューブ57が接続されている。
また、伸縮部材55の基端部(図6における右端部)には、平板状の固定部58と作動ロッド59とが一体形成されてなる押圧部材60が固定されている。この作動ロッド59は、第2歯車53に設けられた円筒体53aに貫挿されており、第2歯車53は、作動ロッド59に対して相対回転可能に支持されている。
また、円筒体53aの外周面上には図示しない孔が形成されており、駆動子61が取着されている。作動ロッド59の外周面には、螺旋周回状のカム溝が形成されており、このカム溝に駆動子61は係合している。そして、第2歯車53が作動ロッド59を中心に回転すると、駆動子61が作動ロッド59を中心として公転するとともに、作動ロッド59のカム溝に沿って摺動するようになっている。すると、作動ロッド59がカム溝の形状に基づいて、図6におけるA矢印方向及びB矢印方向に往復直線運動を行うようになっている。つまり、作動ロッド59、円筒体53a及び駆動子61によって、第2歯車53の回転運動を作動ロッド59の往復直線運動に変換する動力変換機構62が構成されている。
したがって、ポンプモータ49から伝達機構54を介して動力変換機構62に入力された回転運動は、動力変換機構62によって作動ロッド59の往復直線運動に変換され、この作動ロッド59の往復直線運動に伴い、伸縮部材55が伸縮動作(変位動作)するようになっている。そして、伸縮部材55の伸縮動作によって、伸縮部材55内のポンプ室の容積が増減することにより、加圧ポンプ28は、ポンプ室の容積減少過程で圧送チューブ57へ空気を圧送するようになっている。
圧力センサ29は、加圧ポンプ28の圧送チューブ57に接続されている。この圧力センサ29は、加圧ポンプ28が圧送する加圧空気の圧力を検出し、その圧力に応じた圧力値を出力可能なセンサである。そして、圧力センサ29には、連通管63を介して大気開放弁30が接続されている。
大気開放弁30には、連通管63の他に空気供給路27が接続されている。大気開放弁30は、その近傍位置に配置された図示しない弁開放機構の押圧部材が押し込み操作可能な弁開放レバー64を有している。この弁開放レバー64が押し込まれた場合、大気開放弁30は、連通管63と空気供給路27とを連通する内部流路を大気に開放するように作用し、加圧ポンプ28から圧送される加圧空気が空気供給路27内に供給されないようになっている。一方、弁開放レバー64が押し込まれない状態では、大気開放弁30の前記内部流路が大気に開放されず、加圧ポンプ28から圧送される加圧空気が空気供給路27を介して各インクカートリッジ21に供給されるようになっている。なお、弁開放レバー64の押し込み操作を行う前述の弁開放機構は、ポンプモータ49と図示しない歯車機構を介して動力伝達可能に連結されており、ポンプモータ49が逆転した際に該弁開放機構の押圧部材が弁開放レバー64を押し込むように構成されている。
また、取付板48上において加圧ポンプ28の近傍には、伸縮部材55の原点位置(ホームポジション)を検出する位置検出器65が取着されている。この位置検出器65は、リミットスイッチやフォトセンサ等から構成され、検出レバー66を備えている。そして、伸縮部材55が最大に伸びきったときの位置である原点位置に配置された場合に、押圧部材60の固定部58が検出レバー66を押し込むことにより、位置検出器65が検出信号を後述する制御装置70(図7参照)に出力するようになっている。
次に、上記インクジェット式プリンタ10の電気的構成について図7に基づき以下説明する。
図7に示すように、インクジェット式プリンタ10は、制御手段としての制御装置70を備えている。この制御装置70の入力側インターフェースには、圧力センサ29、位置検出器65、及び上述したチョーククリーニングを実行させる際に操作される操作スイッチSWなどが電気的に接続されている。一方、制御装置70の出力側インターフェースには、キャリッジモータ16、昇降装置34、吸引ポンプ37及びポンプモータ49などが電気的に接続されている。そして、制御装置70は、入力した信号などに基づき、キャリッジモータ16、昇降装置34、吸引ポンプ37及びポンプモータ49などの駆動を個別に制御するようになっている。
また、制御装置70内には、CPU71、ROM72、RAM73、タイマ74、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)75などが設けられている。ROM72には、インクジェット式プリンタ10を制御するための各種制御プログラム(後述するチョーククリーニング処理等)、各種閾値(後述する圧力閾値、駆動時間閾値等)及び各種マップ(図8に詳述するマップ等)などが予め記憶されている。RAM73には、インクジェット式プリンタ10の駆動中に適宜書き換えられる各種の情報(後述する経過時間等)が記憶されるようになっている。また、タイマ74は、CPU71やASIC75からの制御信号を入力した際に時間の計測を開始するようになっている。
次に、ROM72に記憶されるマップについて図8に基づき以下説明する。
図8に示すマップは、後述する経過時間T1に応じて加圧ポンプ28の駆動速度VS1(即ち、ポンプモータ49の正転速度)を設定するためのマップである。具体的には、経過時間T1と加圧ポンプ28の駆動速度VS1とは比例関係にあり、経過時間T1が短いほど、加圧ポンプ28の駆動速度VS1は、遅くなるように設定されるようになっている。そして、経過時間T1が「0(零)」であった場合、加圧ポンプ28の駆動速度VS1は、最低速度VS0(>0「零」)に設定されるようになっている。
次に、本実施形態の制御装置70が実行する各種制御処理のうち、チョーククリーニングを実行する際に実行されるチョーククリーニング処理ルーチンについて図9及び図10に示すフローチャートと図11に示すタイミングチャートとに基づき以下説明する。
さて、制御装置70は、操作スイッチSWが操作されたことを契機にチョーククリーニング処理ルーチンを実行する。そして、チョーククリーニング処理ルーチンにおいて、制御装置70は、ポンプモータ49を逆転させることにより、加圧ユニット26の大気開放弁30を一時開放させる(ステップS10)。続いて、制御装置70は、ポンプモータ49の逆転を停止させた後、図10にて詳述する加圧完了時間測定処理を実行することにより、経過時間T1を取得する(ステップS11)。この経過時間T1は、各インクカートリッジ21内に貯留されているインクの残量と対応した値であって、各インクカートリッジ21内のインクの残量が少ないほど大きな値になる。したがって、本実施形態では、制御装置70が、経過時間T1を計測する計測手段としても機能する。また、ステップS11が、計測段階に相当する。
続いて、制御装置70は、ポンプモータ49を逆転させることにより、加圧ユニット26の大気開放弁30を再び開放させ、各インクカートリッジ21内の圧力を大気圧と同程度にする(ステップS12)。したがって、本実施形態では、ステップS12が、減圧段階に相当する。
そして、制御装置70は、ポンプモータ49の逆転を停止させた後、吸引ポンプ37の駆動を開始させ、各チョークバルブ46をそれぞれ閉弁させる(ステップS13)。続いて、制御装置70は、図8に示すマップをROM72から読み出し、ステップS11にて取得した経過時間T1に対応した加圧ポンプ28の駆動速度VS1を設定する(ステップS14)。したがって、本実施形態では、制御装置70が、経過時間T1に応じた加圧ポンプ28の駆動速度VS1(ポンプモータ49の正転速度)を設定する設定手段としても機能する。また、ステップS14が、設定段階に相当する。
続いて、制御装置70は、ステップS14にて設定した駆動速度VS1での加圧ポンプ28の駆動を開始させるべくポンプモータ49を正転させる(ステップS15)。すると、各インクカートリッジ21内に圧送される加圧空気の圧力値PA(即ち、圧力センサ29からの入力信号に基づき検出される圧力値)は、各インクカートリッジ21内のインクの残量に応じた駆動速度VS1で加圧ポンプ28が駆動するため、図11にて実線で示すように上昇する。そして、加圧ポンプ28の駆動時間が開弁時間TP1を経過すると、各インクカートリッジ21内に圧送される加圧空気の圧力値PA(即ち、各インクカートリッジ21内の圧力)が開放圧力値PA1以上になり、その結果、閉弁している各チョークバルブ46がそれぞれ開弁する。すると、各インクカートリッジ21内のインクが一気に記録ヘッド17内に供給されてキャップ33内に排出される、いわゆるチョーククリーニングが実行される。したがって、本実施形態では、ステップS15が、ステップS14にて設定した条件に基づき加圧ポンプ28を駆動させることにより、各チョークバルブ46を開弁させて記録ヘッド17からインクを排出させる排出段階に相当する。
続いて、制御装置70は、加圧ポンプ28の駆動が開始してからの駆動時間T2をタイマ74から読み出し、該駆動時間T2が上述した開弁時間TP1よりも長時間に設定された駆動時間閾値KT2を超えたか否かを判定する(ステップS16)。この駆動時間閾値KT2は、チョーククリーニングの実行期間に対応する時間であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。
そして、ステップS16の判定結果が否定判定(T2≦KT2)である場合、制御装置70は、ステップS16の判定結果が肯定判定になるまで該ステップS16の判定処理を繰り返し実行する。一方、ステップS16の判定結果が肯定判定(T2>KT2)である場合、制御装置70は、吸引ポンプ37の駆動を停止させ(ステップS17)、加圧ポンプ28の駆動を停止させる(ステップS18)。その後、制御装置70は、チョーククリーニング処理ルーチンを終了する。
ここで、各インクカートリッジ21内のインクの残量に対応しない駆動速度VS1で加圧ポンプ28を駆動させた場合(即ち、インクの残量に対応しない正転速度でポンプモータ49を正転させた場合)は、以下に示すようになる。すなわち、各インクカートリッジ21内のインクの残量に対応する適切な駆動速度VS1よりも速い駆動速度で加圧ポンプ28を駆動させた場合には、図11にて破線で示すように、各インクカートリッジ21内に圧送される加圧空気の圧力値PAの上昇速度が、図11にて実線で示す場合に比して速くなる。そのため、加圧ポンプ28の駆動時間が開弁時間TP1よりも短い短開弁時間TP2を経過した時点で、加圧空気の圧力値PAが開放圧力値PA1以上になってしまい、所望するタイミングよりも早く各チョークバルブ46が開弁してしまう。そのため、各ポンプ28,37の駆動が停止するまでに、必要以上に多くのインクが記録ヘッド17からキャップ33内に排出されてしまうことになる。
一方、各インクカートリッジ21内のインクの残量に対応する適切な駆動速度VS1よりも遅い駆動速度で加圧ポンプ28を駆動させた場合には、図11にて二点鎖線で示すように、各インクカートリッジ21内に圧送される加圧空気の圧力値PAの上昇速度が、図11にて実線で示す場合に比して遅くなる。そのため、加圧ポンプ28の駆動時間が開弁時間TP1を経過しても加圧空気の圧力値PAが開放圧力値PA1未満であり、各チョークバルブ46は閉弁したままである。そして、加圧ポンプ28の駆動時間が開弁時間TP1よりも長い長開弁時間TP3を経過すると、加圧空気の圧力値PAがやっと開放圧力値PA1以上になり、各チョークバルブ46が開弁することになる。すなわち、所望するタイミングよりも遅く各チョークバルブ46が開弁することになる。そのため、各ポンプ28,37の駆動が停止するまでに、記録ヘッド17からキャップ33内に排出されるインクの排出量が必要量未満になってしまう結果、記録ヘッド17内や流体供給路内の増粘したインクや気泡などをキャップ33内にインクと共に排出しきれず、チョーククリーニングが失敗するおそれがあった。
しかし、本実施形態では、各インクカートリッジ21内のインクの残量(即ち、経過時間T1)と対応関係にある駆動速度VS1で加圧ポンプ28が駆動することにより、図11に示すように、加圧ポンプ28の駆動が開始してから各チョークバルブ46が開弁するまでの時間が開弁時間TP1で安定する。そのため、各チョークバルブ46が開弁している期間が、毎回、ほぼ同じになるため、一回のチョーククリーニング時に記録ヘッド17からキャップ33内に排出されるインクの排出量が安定化する。
次に、上記ステップS11の加圧完了時間測定処理(加圧完了時間測定処理ルーチン)について図10に示すフローチャートに基づき詳述する。
さて、制御装置70は、予め設定された所定速度にてポンプモータ49を正転させることにより、加圧ポンプ28の駆動を開始させる(ステップS20)。続いて、制御装置70は、タイマ74によって経過時間T1の計測を開始させる(ステップS21)。そして、制御装置70は、圧力センサ29からの入力信号に基づき加圧ユニット26から各インクカートリッジ21内に圧送される加圧空気の圧力値PAを検出し、その圧力値PAが予め設定された圧力閾値KPA(例えば、「10」KPa(キロパスカル))以上であるか否かを判定する(ステップS22)。
なお、大気開放弁30が開放していない場合、加圧ポンプ28内と各インクカートリッジ21内とは、空気供給路27を介して連通している。そのため、各インクカートリッジ21内の圧力は、加圧空気の圧力値PAと同程度になっている。したがって、本実施形態では、圧力センサ29及び制御装置70が、インクカートリッジ21内の圧力(=加圧空気の圧力値PA)を検出する圧力検出手段としても機能する。
そして、ステップS22の判定結果が否定判定(PA<KPA)である場合、制御装置70は、ステップS22の判定結果が肯定判定になるまで該ステップS22の判定処理を繰り返し実行する。一方、ステップS22の判定結果が肯定判定(PA≧KPA)である場合、制御装置70は、タイマ74からその時点までの経過時間T1を取得し、RAM73に記憶させる(ステップS23)。続いて、制御装置70は、ポンプモータ49の正転を停止させることにより加圧ポンプ28の駆動を停止させ(ステップS24)、その後、加圧完了時間測定処理ルーチンを終了する。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)各インクカートリッジ(流体貯留手段)21内の圧力(加圧空気の圧力値PA)が圧力閾値KPA以上になるまでの経過時間T1を実測することにより、各インクカートリッジ21内に貯留されているインクの残量が推定される。すなわち、各インクカートリッジ21内のインクの残量が多い場合には、各インクカートリッジ21内のインクの残量が少ない場合に比して経過時間T1が短くなる。そして、その計測された経過時間T1に応じて、加圧ポンプ(加圧手段)28の駆動速度VS1が的確に設定され、その設定条件に基づき加圧ポンプ28が駆動することにより、記録ヘッド(流体噴射ヘッド)17からインクを排出させるチョーククリーニングが実行される。そのため、各インクカートリッジ21内のインクの残量と対応関係にある経過時間T1に基づき加圧ポンプ28の駆動速度VS1が設定され、閉弁している各チョークバルブ(差圧開閉弁)46を開弁させるタイミングの安定化を図っている。したがって、各インクカートリッジ21内のインクの残量に応じてチョーククリーニング時における記録ヘッド17からのインクの排出量を的確に安定化させることができる。
(2)また、本実施形態では、チョーククリーニングの実行時に使用される加圧ポンプ(加圧手段)28を駆動させることにより、各インクカートリッジ(流体貯留手段)21内のインク(流体)の残量と対応関係にある経過時間T1を取得する。そのため、この経過時間T1に基づき設定される加圧ポンプ28の駆動速度VS1は、加圧ポンプ28の加圧効率の経年変化をも加味した速度になる。したがって、加圧ポンプ28の加圧効率の経年変化に起因して、チョーククリーニング時における記録ヘッド17からのインクの排出量がばらつくことを抑制できる。
(3)各インクカートリッジ(流体貯留手段)21内のインク(流体)の残量が少ないほど、加圧ポンプ(加圧手段)28の駆動速度VS1を速くなるように設定することにより、閉弁している各チョークバルブ(差圧開閉弁)46が開弁するタイミングを早めている。一方、各インクカートリッジ21内のインクの残量が多いほど、加圧ポンプ28の駆動速度VS1を遅くなるように設定することにより、閉弁している各チョークバルブ46が開弁するタイミングを遅らせている。その結果、各インクカートリッジ21内のインクの残量に関係なく、ほぼ同じタイミングで閉弁している各チョークバルブ46を開弁させることが可能になる。したがって、各インクカートリッジ21内のインクの残量が少なくても、チョーククリーニング時におけるインクの排出量の減少に基づくチョーククリーニングの失敗を抑制できる。また、各インクカートリッジ21内のインクの残量が多くても、チョーククリーニング時におけるインクの排出過多を抑制できる。
(4)計測段階であるステップS11(加圧完了時間測定処理)の実行によって各インクカートリッジ(流体貯留手段)21内の圧力が上昇した状態であっても、減圧段階であるステップS12の実行によって各インクカートリッジ21内の圧力は大気圧と略同等まで減圧される。その後、排出段階に相当するステップS15が実行される。そのため、各インクカートリッジ21内の圧力が大気圧と略同等になってから排出段階が実行されるようになっているため、チョーククリーニング時における記録ヘッド(流体噴射ヘッド)17からのインク(流体)の排出量のばらつきの発生を良好に抑制できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図12〜図14に従って説明する。なお、第2の実施形態は、チョーククリーニング処理ルーチンの制御内容、チョーククリーニング時において加圧ポンプ28が予め設定された所定速度で駆動する点などが第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
本実施形態の制御装置70のROM72には、図12に示すマップが記憶されている。この図12に示すマップは、上述した経過時間T1に応じてチョーククリーニング時における加圧ポンプ28のウエイト時間TWを設定するためのマップである。具体的には、経過時間T1と加圧ポンプ28の駆動速度VS1とは比例関係にあり、経過時間T1が短いほど、加圧ポンプ28のウエイト時間TWは、長くなるように設定されており、経過時間T1が「0(零)」である場合、ウエイト時間TWは、最大値TW0に設定される。なお、ウエイト時間TWは、チョーククリーニング(即ち、吸引ポンプ37の駆動)が開始されてから開弁時間TP1を経過した場合に閉弁状態にある各チョークバルブ46が開弁するように、加圧ポンプ28の駆動開始タイミングを調整するための時間である。
次に、本実施形態の制御装置70が実行するチョーククリーニング処理ルーチンについて図13に示すフローチャート及び図14に示すタイミングチャートに基づき以下説明する。
さて、制御装置70は、操作スイッチSWが操作されたことを契機にチョーククリーニング処理ルーチンを実行する。そして、チョーククリーニング処理ルーチンにおいて、制御装置70は、上述したステップS10,S11,S12に相当するステップS30,S31,S32を順次実行する。したがって、本実施形態では、ステップS31が、計測段階に相当すると共に、ステップS32が、減圧段階に相当する。
そして、制御装置70は、ROM72から図12に示すマップを読み出し、ステップS31にて取得した経過時間T1に対応した加圧ポンプ28のウエイト時間TWを設定する(ステップS33)。したがって、本実施形態では、制御装置70が、経過時間T1に応じて加圧ポンプ28の駆動開始タイミングを設定する設定手段としても機能する。また、ステップS33が、設定段階に相当する。
続いて、制御装置70は、ポンプモータ49の逆転を停止させた後、吸引ポンプ37の駆動を開始させ、各チョークバルブ46をそれぞれ閉弁させる(ステップS34)。そして、制御装置70は、吸引ポンプ37の駆動が開始してからの経過時間がステップS33にて設定したウエイト時間TWを経過したか否かを判定する(ステップS35)。この判定結果が否定判定である場合、制御装置70は、ステップS35の判定結果が肯定判定になるまで該ステップS35の判定処理を繰り返し実行する。一方、ステップS35の判定結果が肯定判定である場合、制御装置70は、予め設定された回転速度でポンプモータ49を正転させることにより加圧ポンプ28を駆動させる(ステップS36)。
本実施形態では、加圧ポンプ28は、予め設定された駆動速度にて駆動するようになっている。そのため、図14に示すように、各インクカートリッジ21内のインクの残量が少ないほど、各インクカートリッジ21内の圧力(即ち、加圧空気の圧力値PA)の上昇速度は遅い。しかしながら、各インクカートリッジ21内のインクの残量が多いほど、ウエイト時間TWが長く設定されるため、各インクカートリッジ21内のインクの残量に関係なく、吸引ポンプ37の駆動が開始されてから開弁時間TP1が経過した場合に、各インクカートリッジ21内の圧力が開放圧力値PA1以上になる。そして、閉弁していた各チョークバルブ46が開弁する。
そして、制御装置70は、吸引ポンプ37の駆動時間T2が予め設定された駆動時間閾値KT2を超えたか否かを判定する(ステップS37)。この判定結果が否定判定(T2≦KT2)である場合、制御装置70は、ステップS37の判定結果が肯定判定になるまで該ステップS37の判定処理を繰り返し実行する。一方、ステップS37の判定結果が肯定判定(T2>KT2)である場合、制御装置70は、吸引ポンプ37の駆動を停止させ(ステップS38)、加圧ポンプ28の駆動を停止させる(ステップS39)。その後、制御装置70は、チョーククリーニング処理ルーチンを終了する。
したがって、本実施形態においても、閉弁していた各チョークバルブ46が開弁してから各ポンプ28,37の駆動が停止するまでの時間は、経過時間T1(即ち、各インクカートリッジ21内のインク残量)に関係なく略同一時間になる。そのため、チョーククリーニングの実行時には、毎回、略同等のインクが記録ヘッド17からキャップ33内に排出される。
したがって、本実施形態では、第1の実施形態の効果(4)に加え、さらに以下に示す効果を得ることができる。
(5)各インクカートリッジ(流体貯留手段)21内に貯留されているインクの残量と対応関係にある経過時間T1を計測し、該経過時間T1に応じたタイミングで加圧ポンプ(加圧手段)28の駆動を開始させるようになっている。その結果、チョーククリーニングが開始(即ち、吸引ポンプ37の駆動が開始)されてから閉弁していた各チョークバルブ(差圧開閉弁)46が開弁するまでの開弁時間TP1のばらつきが抑制される。そのため、チョーククリーニング時に加圧ポンプ28の駆動速度を一定にした場合であっても、加圧ポンプ28の駆動開始のタイミングを調整することにより、各インクカートリッジ21内のインクの残量に応じてチョーククリーニング時における記録ヘッド17からのインクの排出量を的確に安定化させることができる。
(6)また、本実施形態では、チョーククリーニングの実行時に使用される加圧ポンプ(加圧手段)28を駆動させることにより、各インクカートリッジ(流体貯留手段)21内のインク(流体)の残量と対応関係にある経過時間T1を取得する。そのため、この経過時間T1に基づき設定されるウエイト時間TWは、加圧ポンプ28の加圧効率の経年変化をも加味した値になる。したがって、加圧ポンプ28の加圧効率の経年変化に起因して、チョーククリーニング時における記録ヘッド17からのインクの排出量がばらつくことを抑制できる。
(7)各インクカートリッジ(流体貯留手段)21内のインク(流体)の残量が少ないほど加圧ポンプ(加圧手段)28の駆動開始のタイミングが早くなるようにウエイト時間TWを短時間に設定することにより、閉弁している各チョークバルブ(差圧開閉弁)46を開弁させるタイミングを早めている。一方、各インクカートリッジ21内のインクの残量が多いほど加圧ポンプ28の駆動開始のタイミングが遅くなるようにウエイト時間TWを長時間に設定することにより、閉弁している各チョークバルブ(差圧開閉弁)46を開弁させるタイミングを遅らせている。その結果、各インクカートリッジ21内のインクの残量に関係なく、ほぼ同じタイミングで閉弁している各チョークバルブ46を開弁させることが可能になる。したがって、各インクカートリッジ21内のインクの残量が少なくても、チョーククリーニング時におけるインクの排出量の減少に基づくチョーククリーニングの失敗を抑制できる。また、各インクカートリッジ21内のインクの残量が多くても、チョーククリーニング時におけるインクの排出過多を抑制できる。
なお、上記各実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記第1の実施形態において、減圧段階に相当するステップS12を、ステップS11とステップS14との間であれば、任意のタイミングで実行してもよい。すなわち、ステップS13の処理の実行後にステップS12を実行するようにしてもよい。
・また、第2の実施形態においても、減圧段階に相当するステップS32を、ステップS31とステップS34との間であれば、任意のタイミングで実行してもよい。すなわち、ステップS33の処理の実行後にステップS32を実行するようにしてもよい。
・上記第1の実施形態において、各バルブユニット18を省略し、インク供給路25から記録ヘッド17へインクを直接供給するようにしてもよい。この場合も、キャップ33を記録ヘッド17に対して当接状態にして吸引ポンプ37及び加圧ポンプ28を駆動させることにより、記録ヘッド17内からインクをキャップ33内に排出させるクリーニングを実行することになる。このように構成しても、経過時間T1に応じて加圧ポンプ28の駆動速度VS1を設定することにより、クリーニング時における記録ヘッド17からキャップ33内へのインクの排出量を安定化させることができる。
・上記第1の実施形態において、経過時間T1に応じて、加圧ポンプ28の駆動速度VS1だけではなく、加圧ポンプ28の駆動開始のタイミング(即ち、ウエイト時間TW)をも設定するようにしてもよい。
・上記各実施形態において、インクジェット式プリンタ10のクリーニング方法を、例えば複数ある各ノズル19のうち何れか一つのノズル19に対応したインクの吸引排出のみを選択的に行う選択クリーニングの場合に適用してもよい。
・上記各実施形態において、チョークバルブ46は、流体供給路上であれば、バルブユニット18内ではなく、例えばインク供給路25上に設けられてもよい。
・上記各実施形態において、流体供給路上には、チョークバルブ46ではなく、制御装置70からの制御信号により開閉動作する電磁弁であってもよい。この場合、制御装置70は、チョーククリーニングが開始されてから開弁時間TP1経過後に開弁させるべく電磁弁の駆動を制御することが望ましい。このように構成しても、各インクカートリッジ21内のインクの残量に関係なく、チョーククリーニング時に排出されるインクの排出量を安定化させることができる。
・上記各実施形態において、インクジェット式プリンタ10には、インクカートリッジ21を1個、あるいは4個以外の複数個設けるようにしてもよい。
・上記各実施形態において、流体噴射装置を、用紙の搬送方向(前後方向)と交差する方向において記録ヘッド17が用紙の幅方向(左右方向)の長さに対応した全体形状をなす、いわゆるフルラインタイプのプリンタに具体化してもよい。
・上記各実施形態では、流体噴射装置をインクジェット式プリンタ10に具体化したが、この限りではなく、インク以外の他の流体(液体や、機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体、ゲルのような流状体を含む)を噴射したり吐出したりする流体噴射装置に具体化することもできる。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射する液状体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置、ゲル(例えば物理ゲル)などの流状体を噴射する流状体噴射装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の流体噴射装置に本発明を適用することができる。なお、本明細書において「流体」とは、気体のみからなる流体及び粉粒体(粒体、粉体を含む)のみからなる流体を含まない概念であり、流体には、例えば液体(無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)等を含む)、液状体、流状体などが含まれる。
第1の実施形態のインクジェット式プリンタの概略平面図。 第1の実施形態のインクカートリッジの概略断面図。 第1の実施形態のメンテナンスユニットの模式図。 チョークバルブが開弁状態にあるバルブユニットの要部概略断面図。 チョークバルブが閉弁状態にあるバルブユニットの要部概略断面図。 加圧ユニットの平面図。 インクジェット式プリンタの電気的構成を示すブロック回路図。 加圧ポンプの駆動速度と経過時間との関係を示すマップ。 第1の実施形態のチョーククリーニング処理ルーチンを説明するフローチャート。 加圧完了時間測定処理ルーチンを説明するフローチャート。 加圧空気の圧力値の上昇とチョークバルブが開弁するタイミングを説明するタイミングチャート。 加圧ポンプのウエイト時間と経過時間との関係を示すマップ。 第2の実施形態のチョーククリーニング処理ルーチンを説明するフローチャート。 加圧空気の圧力値の上昇とチョークバルブが開弁するタイミングを説明するタイミングチャート。
符号の説明
10…インクジェット式プリンタ(流体噴射装置)、17…記録ヘッド(流体噴射ヘッド)、19…ノズル、21…インクカートリッジ(流体貯留手段)、25…インク供給路(流体供給路)、28…加圧ポンプ(加圧手段)、29…圧力センサ(圧力検出手段)、33…キャップ(流体受容手段)、37…吸引ポンプ(吸引手段)、40…凹部(流体供給路)、41…導入路(流体供給路)、43…吐出路(流体供給路)、46…チョークバルブ(差圧開閉弁)、70…制御装置(圧力検出手段、計測手段、設定手段、制御手段)、KPA…圧力閾値、PA…加圧空気の圧力値(流体貯留手段内の圧力)、T1…経過時間、VS1…駆動速度。

Claims (7)

  1. 流体貯留手段から加圧手段の加圧力に基づき流体供給路を介して流体噴射ヘッド側へ導かれた流体を前記流体噴射ヘッドに形成されたノズルから吸引手段により吸引して排出させる流体噴射装置のクリーニング方法であって、
    前記加圧手段の加圧力によって昇圧した前記流体貯留手段内の圧力が予め設定された圧力閾値以上になるまでの経過時間を計測する計測段階と、
    該計測段階にて計測された経過時間に応じて、前記加圧手段の駆動速度及び前記加圧手段の駆動開始のタイミングのうち少なくとも一方を設定する設定段階と、
    該設定段階にて設定された条件に基づき前記加圧手段を駆動させることにより、前記流体噴射ヘッドから流体を排出させる排出段階と
    を有する流体噴射装置のクリーニング方法。
  2. 流体貯留手段から加圧手段の加圧力に基づき流体供給路を介して流体噴射ヘッド側へ導かれた流体を前記流体噴射ヘッドに形成されたノズルから吸引手段により吸引して排出させるに際し、前記流体供給路に設けられた差圧開閉弁を前記吸引手段の吸引力によって閉弁し、前記流体供給路における前記差圧開閉弁よりも下流側を減圧した状態で、前記加圧手段の加圧力に基づき前記流体供給路を介して前記流体噴射ヘッド側へ送出される流体の圧力により前記差圧開閉弁を開弁させ、前記流体噴射ヘッドから流体を排出させる流体噴射装置のクリーニング方法であって、
    前記加圧手段の加圧力によって昇圧した前記流体貯留手段内の圧力が予め設定された圧力閾値以上になるまでの経過時間を計測する計測段階と、
    該計測段階にて計測された経過時間に応じて、前記加圧手段の駆動速度及び前記加圧手段の駆動開始のタイミングのうち少なくとも一方を設定する設定段階と、
    該設定段階にて設定された条件に基づき前記加圧手段を駆動させることにより、前記差圧開閉弁を開弁させて前記流体噴射ヘッドから流体を排出させる排出段階と
    を有する流体噴射装置のクリーニング方法。
  3. 前記設定段階において、前記加圧手段の駆動速度を設定する場合、前記加圧手段の駆動速度は、前記計測段階にて計測された経過時間が短いほど遅くなるように設定される請求項1又は請求項2に記載の流体噴射装置のクリーニング方法。
  4. 前記設定段階において、前記加圧手段の駆動開始のタイミングを設定する場合、前記加圧手段の駆動開始のタイミングは、前記計測段階にて計測された経過時間が短いほど遅くなるように設定される請求項1又は請求項2に記載の流体噴射装置のクリーニング方法。
  5. 前記計測段階の実行後に前記流体貯留手段内の圧力を減圧させる減圧段階を更に有し、前記排出段階は、前記減圧段階の実行後に実行される請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の流体噴射装置のクリーニング方法。
  6. 流体を貯留する流体貯留手段と、該流体貯留手段から前記流体を加圧して流体供給路に送出する加圧手段と、該加圧手段の加圧力に基づき前記流体供給路を介して供給された前記流体をノズルから噴射する流体噴射ヘッドと、前記ノズルから流体を吸引可能な状態で前記流体噴射ヘッドに当接する流体受容手段と、該流体受容手段を前記流体噴射ヘッドに当接させた状態で吸引力を発揮することにより前記流体貯留手段から前記加圧手段の加圧力に基づき前記流体供給路を介して前記流体噴射ヘッド側へ導かれた流体を該流体噴射ヘッドの前記ノズルから吸引して前記流体受容手段内に排出させる吸引手段とを備える流体噴射装置において、
    前記流体貯留手段内の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記加圧手段の駆動が開始してから前記圧力検出手段によって検出された圧力が予め設定された圧力閾値以上になるまでの経過時間を計測する計測手段と、
    該計測手段によって計測された経過時間に応じた前記加圧手段の駆動速度及び前記加圧手段の駆動開始のタイミングのうち少なくとも一方を設定する設定手段と、
    該設定手段によって設定された条件に基づき前記加圧手段の駆動を制御すると共に前記吸引手段の駆動を制御することにより、前記流体噴射ヘッドから流体を前記流体受容手段内に排出させる制御手段と
    を備えた流体噴射装置。
  7. 流体を貯留する流体貯留手段と、該流体貯留手段から前記流体を加圧して流体供給路に送出する加圧手段と、該加圧手段の加圧力に基づき前記流体供給路を介して供給された前記流体をノズルから噴射する流体噴射ヘッドと、前記流体供給路の途中に設けられる差圧開閉弁と、前記ノズルから流体を吸引可能な状態で前記流体噴射ヘッドに当接する流体受容手段と、該流体受容手段を前記流体噴射ヘッドに当接させた状態で吸引力を発揮することにより前記流体噴射ヘッドの前記ノズルから流体を吸引して前記流体受容手段内に排出させる吸引手段とを備え、前記差圧開閉弁を前記吸引手段の吸引力によって閉弁させ、前記流体供給路における前記差圧開閉弁よりも下流側を減圧した状態で、前記加圧手段の加圧力に基づき前記流体供給路を介して前記流体噴射ヘッド側へ送出される流体の圧力により前記差圧開閉弁を開弁させ、その流体を前記流体受容手段内に排出させる流体噴射装置において、
    前記流体貯留手段内の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記加圧手段の駆動が開始してから前記圧力検出手段によって検出された圧力が予め設定された圧力閾値以上になるまでの経過時間を計測する計測手段と、
    該計測手段によって計測された経過時間に応じた前記加圧手段の駆動速度及び前記加圧手段の駆動開始のタイミングのうち少なくとも一方を設定する設定手段と
    該設定手段によって設定された条件に基づき前記加圧手段の駆動を制御すると共に前記吸引手段の駆動を制御することにより、前記流体噴射ヘッドから流体を前記流体受容手段内に排出させる制御手段と
    を備えた流体噴射装置。
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