しかし上述の構成の燃焼式釘打機では、粉塵が燃焼室内に侵入するという問題が生ずる。粉塵侵入現象については、以下のとおりである。
外気と燃焼室226とは、図12に示されるように、ヘッドカバー203の吸気口203aからヘッドプロテクタ244の掃気口244aを経て、シリンダヘッド211の開口部211aにおいて連通している。ヘッドカバー203とヘッドプロテクタ244との間にはフィルタ216が設置されており、この連通経路においてはフィルタ216の濾過効果により粉塵の侵入は僅かである。この連通経路以外に図9に示すハンドル204の吸気口204bにおいても外気と燃焼室226とが連通している。
また、ハウジング202とハンドル204は、図11に示されるようにねじ250により接合しており、ハウジング202の接合面にいくつかの開口部が存在する。これら開口部はハンドル部の部材と本体の部材を接合または連動させるために形成され、あるいは電気的に結合するために配線を通すために形成されたものである。代表的なものとしては、図11に示されるようなチャンバ210aを固定するためのチャンバロックバー251がスイングするための開口部202bや、ハンドル204の突起204cをハウジング202に嵌合して接合位置を決定するためにハウジングに形成された開口部202cがある。そして、シリンダ220とハウジング202との間には、燃焼室226に連通する隙間空間が形成されているのであるが、この隙間空間は、開口部202bおよび開口部202cからハンドル204の内部を経てハンドル204の吸気口204aで外気へと連通している。
また、ハンドル部内には燃料であるガスボンベ230を保持するボンベ室217があり、図9に示されるハンドル204の吸気口204bはガスボンベ230を空冷するためのものである。つまり吸気口204bによりボンベ室217と外気とは連通している。
ハウジング202の内部における空気の流れについては以下の通りである。掃気のためファン219が駆動し始めると、ヘッドカバー203の吸気口203aから外気が吸引される。さらにその他にもファン219の直上は回転により負圧となっているからシリンダ220とハウジング202の間の空気および燃焼室枠210とハウジング202の間の隙間空間内の空気が従来の矢印aのようにファン直上へ吸引される。
シリンダヘッド211の開口部211a直上に、図13に示される掃気口244aがある部分では、外気は鉛直下方へと吸引され燃焼室226に送られる。このため、シリンダ220とハウジング202の間の隙間空間内の空気は燃焼室226に引き込まれることはほとんどない。しかし開口部211a直上にガイド部244bがある部分では外気を吸気しないため空気の鉛直下方への流れが弱まる。また空気は流路抵抗の小さい箇所に多く流れるため、ヘッドカバー203の吸気口203aから吸気した空気の大半は図12の矢印aのように流路抵抗の少ないシリンダヘッド211の開口部211aから燃焼室226へ引き込まれ、残りの空気だけが矢印bのようにガイド部244bに導かれる。
この結果、ガイド部244b直下における空気の流量は低下し、この低下を補うようにシリンダ220とハウジング202の間の隙間空間内の空気が、ハウジング内の矢印cのように燃焼室226に引き込まれる。シリンダ220とハウジング202との間の隙間空間には外部から粉塵が侵入可能であるから、シリンダ220とハウジング202との間の隙間空間内の粉塵が燃焼室226へ引き込まれることになる。以上が粉塵侵入現象である。このような粉塵浸入現象が生ずる粉塵雰囲気内で釘打機を使用した場合には、粉塵が燃焼室226に侵入、蓄積することでチャンバ210aとシリンダ220の摺動が悪化し、動作に支障をきたすことがある。
これに対して、ガイド部244bを取り除いた場合には、鉛直下方向への流れが強まり、燃焼室226への粉塵侵入を抑制することができるが、モータ218に風が当たらなくなり冷却効率が低下する。
また、例えば上述の構成による燃焼式釘打機とは異なる構成の図14に示される燃焼式釘打機301では、ヘッドカバー303上面に吸気口303aが形成されており、矢印dに示されるように、主にシリンダヘッド211の開口部211a直上から直線的に燃焼室226に空気が流入してしまう。このため、モータ218に風が当たらず冷却効率が低下する。モータ218の温度上昇低減については、特許文献1で述べられているように高耐久性のモータを使用することでモータの温度耐性を向上することも可能であるが、高耐久性のモータは高価であるといった問題点がある。なお、図14において図12に示される燃焼式釘打機201の部材と同一の部材については、同一の符号を用いて示している。
そこで、本発明は、安価で冷却効率がよく、粉塵雰囲気中でも長期間使用可能な吸気構造を備えた燃焼式釘打機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、一端と他端とを有し外枠を構成するハウジングと、該ハウジングの一端近傍に設けられ該外枠を構成するヘッドカバーと、回転軸を有し該外枠内に配置され該回転軸に攪拌用ファンが設けられたモータと、該ヘッドカバー内に設けられ該モータを支持すると共に、該ヘッドカバー側空間と該攪拌用ファンが配置された燃焼室側空間とを区画するシリンダヘッドとを備え、該シリンダヘッドの該モータから離間した部分には、該シリンダヘッド側空間と該燃焼室側空間とを連通する開口部が形成され、該ヘッドカバーには該ヘッドカバー外部と該シリンダヘッド側空間とを連通する吸気口が形成された燃焼式釘打機であって、該吸気口と該開口部とを結ぶ直線上には、該吸気口から該開口部へと向かう略直線的な空気の流れを阻害し該モータの方向へ空気の流れを指向させるガイドが全ての該吸気口及び該開口部について設けられ、該吸気口に対して該開口部は該ガイドにより遮蔽されている燃焼式釘打機を提供している。
吸気口と開口部とを結ぶ直線上には、ガイドが全ての吸気口及び開口部について設けられ、吸気口に対して開口部はガイドにより遮蔽されているため、吸気口から開口部へと向かう略直線的な空気の流れを阻害しモータの方向へ空気の流れを指向させることができる。このため、外気が吸気口から燃焼室へ空気が直線的に流入せず、モータ近傍を通過してから燃焼室へ流入するので、モータの冷却効率を向上させることができる。
ここで、該吸気口は、該ガイドを介して該開口部に対向する該ヘッドカバーの位置に、略均一に分布して形成されていることが好ましい。吸気口は、ガイドを介して開口部に対向するヘッドカバーの位置に略均一に分布して形成されているため、ヘッドカバー外部からほぼ均等に吸気することができ、空気の滞留を抑制するとともに本体鉛直下方への流速が高まり、粉塵を含む空気が燃焼室へ流入するのを抑制することができる。
本発明によれば、安価で冷却効率がよく、粉塵雰囲気中でも長期間使用可能な吸気構造を備えた燃焼式釘打機を提供することができる。
本発明の実施の形態による燃焼式釘打機について図1乃至図5に基づき説明する。図1に示されるように、燃焼式釘打機1はハウジング2を有しており、ハウジング2の上部にはヘッドカバー3が取付けられている。ハウジング2とヘッドカバー3とは外枠を構成する。ハウジング2の側部にはハンドル4が延設されている。ハンドル4にはトリガスイッチ5が設けられており、電池4aが着脱自在に挿入される。ハンドル4内部にはボンベ室17が形成されており、ボンベ室17内には可燃性液化ガスを内含し噴射ロッド30aを有するガスボンベ30が着脱自在に収容される。ハンドル4の下方には、図示しない釘を装填したマガジン6が設けられている。
ハウジング2の下端付近には、後述のシリンダ20と一体成形されて、その先端部分が被打込材28に対向するノーズ7が延設されている。ノーズ7は、後述の摺動するドライバブレード23aと、被打込材28に打込まれる図示せぬ釘とを案内する。ノーズ7の下端7aには、被打込材28に当接するプッシュレバー9が往復摺動可能に突出して支持され、プッシュレバー9の上端部で後述の燃焼室枠10に固定されたアーム部8(図2)と連接されている。アーム部8と後述のシリンダ20との間には、付勢部材であるスプリング22が介装されている。このスプリング22により、アーム部8に連接されたプッシュレバー9が下方へ付勢される。
ハウジング2の上端には開口が形成されており、その上端開口を覆うシリンダヘッド11が固定されている。図1に示されるように、シリンダヘッド11の、後述する燃焼室26の反対側にはモータ18が位置しており、モータ18の近傍には、図3に示されるように点火位置が燃焼室26内に面している点火プラグ12が設けられている。シリンダヘッド11よりも上に位置するヘッドカバー3内の空間はヘッドカバー側空間に相当し、シリンダヘッド11よりも下に位置するハウジング内の空間は燃焼室側空間に相当し、シリンダヘッド11は、ハウジング2とヘッドカバー3とからなる外枠内をヘッドカバー側空間と燃焼室側空間とに区画する。シリンダヘッド11にはヘッドカバー側空間と燃焼室側空間とを連通する開口部11aが形成されている。開口部11aは、シリンダヘッド11のモータ18から離間した部分に複数形成されている。
モータ18はシリンダヘッド11に固定されたモータ保持筒13に保持されており、モータ保持筒13は中空円筒状をなしている。従って、モータ18はモータ保持筒13を介してシリンダヘッド11に支持され、その上部はヘッドカバー側空間内に配置されている。また、ハウジング2内には、釘打機1が被打込材28に押し付けられて、後述の燃焼室枠10がストローク上端にあることを検出するためのスイッチ33が設けられている。スイッチ33は、プッシュレバー9が所定位置まで上昇した時にオンとなりモータ18の回転が開始される。
シリンダヘッド11のハンドル4側内には燃料通路25が形成されている。燃料通路25の一端はシリンダヘッド11の下端面に開口し、他端側はガスボンベ30と接続されるガスボンベ接続部25aをなす。
ハウジング2内には、ハウジング2の長手方向に移動可能で、上端がシリンダヘッド11の下端面に当接可能な燃焼室枠10が設けられている。燃焼室枠10は、チャンバ10aとチャンバヘッド10bから構成され、図示しないボルトなどで一体に結合されている。燃焼室枠10には、アーム部8が連結固定されているため、プッシュレバー9の移動に伴って燃焼室枠10も移動する。燃焼室10内には、燃焼室枠10の内周面に当接して燃焼室枠10の移動を案内するシリンダ20が、ハウジング2に固定されて設けられている。シリンダ20の軸方向中央部付近には排気穴21が形成されており、排気穴21には図示しせぬ逆止弁が選択的に塞ぐように設けられている。
シリンダ20内には、シリンダ20に対して往復摺動可能なピストン23が設けられており、ピストン23はシリンダ20内をピストン23上室とピストン23下室に画成する。このピストン23の下面からドライバブレード23aがノーズ7位置まで延出され、ドライバブレード23aの先端が図示しない釘を打撃する。また、シリンダ20内の下面には、ゴム等の弾性体より構成されるバンパ24が配置されている。よって、ピストン23が下方に移動した場合に下死点でバンパ24に衝突することになる。
そして燃焼室枠10の上端がシリンダヘッド11に当接した時に、シリンダヘッド11と、燃焼室枠10と、ピストン23上面とにより燃焼室26が画成される。燃焼室枠10がシリンダヘッド11から離間した時には、シリンダヘッド11と燃焼室枠10の上端との間に外気と通じる第一の流路41が生じ、また燃焼室枠10の内周とシリンダ20の外周との間に第一の流路41に続く第二の流路42が生じる。これらの流路は、シリンダ20の外周面側に燃焼ガスや新たな空気を通過させ、通過した燃焼ガス等は、図1に示されるハウジング2の下端に形成された排気口2aから排出される。ヘッドカバー3には吸気口3aが形成されており、吸気口3aは、図10に示される前述した従来の燃焼式釘打機201のヘッドカバー203の吸気口203aと同様に、後述の開口部11aに対向する周縁に沿って放射状に、円弧の部分の全体に渡り均一に分布して形成されている。吸気口3aを通して燃焼室26内に新鮮な空気を供給し、排気穴21からは燃焼室26内の燃焼ガスを排出する。
モータ18の回転軸たる出力軸下方には攪拌用ファンを構成するファン19が取付けられており、ファン19は燃焼室26内に配置されている。ファン19はその回転により、燃焼室枠10がシリンダヘッド11と当接位置にある時に空気と可燃性ガスとを攪拌混合させ、点火後に乱流燃焼を生じさせて燃焼を促進させ、燃焼室枠10がシリンダヘッド11から離間して第一の流路41、第二の流路42が生じた時、燃焼室26内の燃焼ガスを掃気すると共にシリンダ20を冷却するという3つの機能を果たす。
ヘッドカバー3内には樹脂からなるヘッドプロテクタ44が設けられており、ヘッドプロテクタ44とヘッドカバー3との間には、図4に示されるように外気に含まれる粉塵等が燃焼室26に浸入することを防止するためのスポンジ状のフィルタ16が設けられている。ヘッドプロテクタ44は、図4に示されるように、ヘッドカバー3内であってヘッドカバー3の内周面とシリンダヘッド11との間の位置に配置されている。ヘッドプロテクタ44は、図5に示されるように、その外形が一部を切り欠かれたような略円形状をなしており、中央位置には円形の貫通孔44dが形成されている。
ヘッドプロテクタ44には掃気穴44aが形成されている。掃気穴44aは、ヘッドプロテクタ44の貫通孔44dを中心としてその近傍のみにおいてほぼ全周にわたり貫通孔44dの中心位置を中心として放射状に対称的に形成されている。このため図4に示されるように、ヘッドカバー3の吸気口3aとシリンダヘッド11の開口部11aを結んだ直線上には、ヘッドプロテクタ44の掃気穴44aが形成されていない部分により構成されるガイド部44bが、吸気口3aに対して開口部11aを遮蔽する壁として存在する。
ガイド部44bは、図5に示されるように、ヘッドプロテクタ44の周縁に沿って全周にわたり設けられており、このため、このガイド部44bは、全ての吸気口3a及び開口部11aについて設けられていることになる。ガイド部44bは、吸気口3aから開口部11aへと向かおうとする略直線的な空気の流れを阻害し、モータ18およびモータ保持筒13の方向へ空気の流れを指向させることができるように、図4に示されるように、その断面は上方に行くに従いモータ18の方向へ指向して湾曲している。ガイド部44bはガイドに相当する。なお図5においては、ガイド部44bの部分と掃気穴44aが形成されている領域の部分とが分かりやすいように、それぞれ破線で囲って図示している。
次に釘打機1の動作について説明する。非作動の状態では、図1に示されるように、スプリング22の付勢力によりプッシュレバー9は下方に付勢されてノーズ7下端より突出している。この時燃焼室枠10はアーム部8(図2)を介してプッシュレバー9に連接されているので、燃焼室枠10(図1)の上端はシリンダヘッド11と離間し、また燃焼室枠10の燃焼室26を画成する部分と、シリンダ20の上端部とも離間して、第一の流路41、第二の流路42が提供される。この時ピストン23は、シリンダ20内の上死点位置に停止している。
この状態でハンドル4を把持し、プッシュレバー9を被打込材28に押し付けると、プッシュレバー9がスプリング22の付勢力に抗して上昇し、同様にアーム部8を介してプッシュレバー9と連接した燃焼室枠10も上昇し燃焼室26が密封される。
またプッシュレバー9の移動に伴って、ガスボンベ30をシリンダヘッド11方向に傾斜させることにより、ガスボンベ30の噴射ロッド30aがシリンダヘッド11のガスボンベ接続部25aに押し付けられ、ガスボンベ30内の可燃性液化ガスが燃料通路25の噴射口より燃焼室26内に1回だけ噴射される。
更に、プッシュレバー9の移動に伴って燃焼室枠10がストローク端まで上昇すると、スイッチ33がオンとなってモータ18に電力が供給され、ファン19の回転が開始する。ファン19が密封空間となった燃焼室26内で回転することにより、噴射された可燃性ガスが燃焼室26内の空気と攪拌混合される。
かかる状態でハンドル4のトリガスイッチ5をオンすると、点火プラグ12(図3)がスパークし、混合ガスに着火して燃焼・膨張する。この燃焼・膨張した混合ガスはピストン23を下方へ移動させ、ピストン23がシリンダ20内のバンパ24に衝接するまでノーズ7内の釘はドライバブレード23aを介して被打込材28に打ち込まれる。
打ち込み後、ピストン23はバンパ24と接し、燃焼ガスは排気穴21よりシリンダ20外部へ放出される。燃焼ガスがシリンダ20外部へ放出され、シリンダ20及び燃焼室26内部が大気圧になった時点で排気穴21の図示せぬ逆止弁は閉じられる。
シリンダ20及び燃焼室26内部に残った燃焼ガスは燃焼後であるため高温であり、その燃焼熱がシリンダ20の内壁、燃焼室枠10の内壁から吸収され、シリンダ20等は高温になる。この吸収された熱は、シリンダ20、燃焼室枠10の外壁表面から大気中に放散される。
このシリンダ20等に燃焼ガスの燃焼熱が吸収されることにより燃焼ガスが急冷され、燃焼ガスの体積が減少してピストン23上部の閉じられた空間の圧力が低下し、大気圧以下になる熱真空の状態となり、ピストン23を初期の上死点位置に引き戻す。
その後、トリガスイッチ5をOFFし、本体を持ち上げ、プッシュレバー9を被打込材28から離すと、プッシュレバー9と燃焼室枠10がスプリング22の付勢により下方へ戻る。この時、ファン19はトリガスイッチ5をOFFしても一定時間回転を継続するように構成されており当該一定時間回転し続ける。このとき図1に示す状態では燃焼室枠10の上方に第一の流路41、第二の流路42を生じさせ、ファン19により流れを発生させることでヘッドカバー3に設けられた吸気口3aからきれいな空気を取り込み、排気口2aから燃焼後の空気を吐き出すことで、燃焼室26内の空気を掃気する。その後ファン19が停止し初期の静止状態となる。静止状態になった後、上記過程を再度繰り返すことにより、再び釘を打ち込むことが可能となる。
上述の動作中において、プッシュレバー9の移動に伴って燃焼室枠10がストローク端まで上昇してスイッチ33がオンとなってから、トリガスイッチ5をOFFした後一定時間経過後までモータ18が駆動してファン19が回転しているが、このときに、ファン19の回転により吸気口3aから吸気された空気は、図4の矢印Aで示されるように、直接開口部11aへ流入することがなく、ほぼ全ての流入空気がガイド部44bによってモータ18及びモータ支持筒13近傍へと導かれる。そしてモータ18を効率よく冷却した後、シリンダヘッド11の開口部11aへ流入し、釘打ち終了後であれば燃焼室26内の掃気が行われる。
このとき、掃気穴44aはヘッドプロテクタ44のほぼ全周にわたり放射状に対称的に形成されており、また、ガイド部44bは、ヘッドプロテクタ44の周縁に沿って全周にわたり設けられている。このため、流入した空気の流速が局所的に低下することがなく、鉛直下方向への流速を維持することができる。その結果、モータ18の冷却効率を向上させることができ、且つハウジング2とシリンダ20の間の粉塵を含有する空気が燃焼室26に流入する現象を抑制することができる。
更に、ヘッドカバー3に形成された吸気口3aは、開口部11aに対向する周縁に沿って放射状に、円弧の部分の全体に渡り均一に分布して形成されているため、ヘッドカバー3内に均一に新鮮な空気を吸気することができ、空気の滞留を抑制して流入した空気の流速が局所的に低下することを確実に防止し、鉛直下方向への流速をより確実に高く維持することができる。
本発明の燃焼式釘打機は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、ガイドは本実施の形態のガイド部44bの形状、構成に限定されない。図6に示されように、本実施の形態のガイド部44bに、更にモータ18方向に延出する追加ガイド44eを装着して、ガイド部44bと追加ガイド44eとでガイドを構成してもよいし、従来技術の図14に示されるような燃焼式釘打機301の場合には、図7に示されるような断面が略半球形状の追加ガイド344をヘッドキャップ303とシリンダヘッド211との間に設けてもよい。
図6に示される構成の場合には、吸気口から流入した空気は、図6の矢印Bに示されるように、よりモータ支持筒13及びモータ18の近傍の位置において、シリンダヘッド11の方へ向かって流れる。この流れる空気によりモータ18を効率よく冷却することができ、また、流入した空気の流速が局所的に低下することを防止できる。
また、図7に示される構成の場合には、より具体的には、略半球形状の追加ガイド344の直径をなす開口を上方に指向させて配置し、略半球形状の中央位置にモータ支持筒13の外径よりも大きな径の開口部344aを形成して、当該開口部344aにモータ支持筒213及びモータ218を挿通させる。開口部344aの径はモータ支持筒213の外径よりも大きいため、モータ支持筒213全周と開口部344aを画成する追加ガイド344の部分との間には空気が流れることができる隙間が形成されている。このような構成により、吸気口303aから流入した空気は、図8の矢印Cに示されるように、開口部344aを画成する追加ガイド344の部分とモータ支持筒213との間を、シリンダヘッド211の方へ向かって流れる。この流れる空気によりモータ218を効率よく冷却することができ、また、流入した空気の流速が局所的に低下することを防止できる。
更に、図7に示される略半球形状の追加ガイド344に変えて、図8に示されるような略円錐形状をなす追加ガイド345を用いてもよい。略円錐形状をなす追加ガイド345の場合であっても、中央位置に開口部345aを形成し、開口部345aを画成する追加ガイド345の部分とモータ支持筒213との間に隙間を形成した状態で、開口部345aにモータ支持部213及びモータ218を挿通させるようにする構成等については、図7に示される構成の場合と同様である。
1・・・燃焼式釘打機 2・・・ハウジング 3・・・ヘッドカバー 3a・・・吸気口 11・・・シリンダヘッド 11a・・・開口部 18・・・モータ 19・・・ファン 23・・・ピストン 44b・・・ガイド部