JP2008182713A - マイクロ波アンテナ及びマイクロ波プラズマ処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マイクロ波を伝搬させる環状の第1管状部11aと、第1管状部11a内へマイクロ波を導入すべく第1管状部11aの側面に開設された1又は複数の導入口と、この導入口に接続され、第1管状部11a内へマイクロ波を供給する為の第2管状部16aと、第1管状部11aに開設され、第1管状部11a内からマイクロ波を取り出す為の複数の開口15aとを備えたマイクロ波アンテナ。第1管状部11a及び前記第2管状部16aの接続部に、この接続部及び第1管状部内11aで発生する反射波を抑制することが可能なマイクロ波整合器30を備える構成である。
【選択図】図2
Description
この要求を満たす為、本出願人は、特許文献1において、図16の側断面図及び図17の平面図に示すような環状導波管型アンテナを用いたマイクロ波プラズマ処理装置を提案している。
各開口15,15,…は、カバー部材17に略放射状に設けてある為、マイクロ波は反応器1内の全領域に均一に導入される。
以下に、このマイクロ波の反射について説明する。
マイクロ波導入(伝送)側からアンテナ(負荷)側を見込んだとき、マイクロ波導入(伝送)側の特性インピーダンスZO に対してアンテナ(負荷)側全体のインピーダンスZL が接続されているので、接続部における反射係数SO は、次式で表される。
SO=(ZL −ZO )/(ZL +ZO )
しかし、通常は、ZL ≠ZO であるので、反射が生じる。反射係数SO が高くなるほど、マイクロ波電力はアンテナ(負荷)側へ効率良く供給されず、電源側へ戻り、ロスとなってしまう。
環状導波管型アンテナを用いた従来の技術では、通常マイクロ波電源とアンテナ(負荷)との間の導波管21の部分に、マイクロ波整合器を設けており、接続部で反射された電力は、マイクロ波整合器で再びアンテナ(負荷)側へ送り返される。
その為、同じ密度のプラズマを得る為に、より高出力のマイクロ波発振器が必要になり、装置の部品コストが上昇する。さらに、接続部とマイクロ波整合器との間で電界強度が高くなる為、マイクロ波整合器の耐電力値を上げる必要が出て来る等の不都合も生じる。
一方、環状導波管型アンテナ部11のインピーダンスの変化は、接続部でのインピーダンスの不整合に影響する。特に、開口15付近のインピーダンスの変化は、プラズマに近いこともあり、不整合に大きく影響する。このインピーダンスの変化は、メンテナンス等の為に環状導波管型アンテナを取り外し、組立復旧する際に生じ易い。さらに、装置の温度変化等により、環状導波管型アンテナ部11が膨張/収縮することによっても、インピーダンスの変化が生じ易い。
第13,14発明では、より少ない入射マイクロ波電力でプラズマを効率良く生成することが出来るマイクロ波プラズマ処理装置を提供することを目的とする。
これにより、接続部でのマイクロ波の反射を抑制することが出来、複数の開口から効率良くマイクロ波を取り出すことが出来る。
これにより、接続部でのマイクロ波の反射を抑制することが出来、複数の開口から効率良くマイクロ波を取り出すことが出来る。
これにより、接続部でのマイクロ波の反射を抑制することが出来、複数の開口から効率良くマイクロ波を取り出すことが出来る。
これにより、短絡板の導波管内の位置を調節して、接続部でのインピーダンス不整合を広範囲に除去することが出来るので、接続部でのマイクロ波の反射を抑制することが出来、複数の開口部から効率良くマイクロ波を取り出すことが出来る。
これにより、導体棒の挿入量を調節して、接続部でのインピーダンス不整合を広範囲に除去することが出来るので、接続部でのマイクロ波の反射を抑制することが出来、複数の開口から効率良くマイクロ波を取り出すことが出来る。
これにより、マイクロ波プラズマ処理装置に使用された場合に、プラズマの負荷インピーダンスの変動に応じて、短絡板の導波管内の位置を調節し、マイクロ波の反射を抑制することが出来、複数の開口から効率良くマイクロ波を取り出すことが出来る。
これにより、マイクロ波プラズマ処理装置に使用された場合に、プラズマの負荷インピーダンスの変動に応じて、導体棒の挿入量を調節し、マイクロ波の反射を抑制することが出来、複数の開口から効率良くマイクロ波を取り出すことが出来る。
これにより、第1管状部の内部に誘電体を挿入した場合でも、第3側面を着脱することにより、誘電体の交換作業が可能になり、さらに誘電体と第1管状部との機械的精度の向上を図ることが出来る。また、開口が開設された第1側面と第2側面との組立誤差による第1管状部のインピーダンスのずれに起因する接続部のインピーダンス整合の不安定さを除去することが出来、接続部のインピーダンス整合を良好に取ることが出来る。
これにより、第3側面と第2側面をなす壁とを強固に接続出来るので、第3側面を着脱しても、また、環状導波管型アンテナの温度が変化しても、インピーダンスのずれが抑制され、接続部のインピーダンス整合の不安定さを除去することが出来、接続部のインピーダンス整合を良好に取ることが出来る。
これにより、第3側面と第2側面をなす壁とを強固に接続出来るので、第3側面を着脱しても、また、環状導波管型アンテナの温度が変化しても、インピーダンスのずれが抑制され、接続部のインピーダンス整合の不安定さを除去することが出来、接続部のインピーダンス整合を良好に取ることが出来る。
これにより、より少ない入射マイクロ波電力でプラズマを効率良く生成することが出来るマイクロ波プラズマ処理装置を実現することが出来る。
実施の形態1.
図1は本発明に係るマイクロ波アンテナ及びマイクロ波プラズマ処理装置の構造を示す側断面図であり、図2は図1に示したマイクロ波アンテナ及びマイクロ波プラズマ処理装置の平面図である。このマイクロ波プラズマ処理装置は、その全体がアルミニウムで形成された有底円筒形状の反応器1aの上部に、マイクロ波導入窓が開設してあり、このマイクロ波導入窓は封止板4(封止部材)で気密状態に封止されている。この封止板4は、耐熱性及びマイクロ波透過性を有すると共に誘電損失が小さい石英ガラス又はアルミナ等の誘電体で形成されている。
この内、カバー部17a、外側壁部12a及び内側壁部13aは、アルミニウムブロックから削り出されて一体として製作されている。
尚、カバー部17a、外側壁部12a及び内側壁部13aは、上述したように一体として製作する他、別々に製作し、溶接、ロウ付け、圧入等の容易に分離が出来ないような強固な方法で一体としても良い。
(1)ねじ36aの長さを短くすることが出来、アルミニウムとステンレスとの熱膨張率の差に起因する歪みを小さくすることが出来る。
(2)ねじ36a止め位置を、外側壁部12a及び内側壁部13aの各幅の各中心よりも、マイクロ波導波路側にすることが出来、外側壁部12a及び内側壁部13aと上蓋23aとの結合をマイクロ波導波路側でより強固にすることが出来、熱歪みによるインピーダンスの変化を防止することが出来る。
(4)カバー部17a、外側壁部12a,c及び内側壁部13a,cが一体であるので、熱歪み及びメンテナンス等によるインピーダンスの変化を防止することが出来る。
短絡板31の可動原点は、図5に示すように、誘電体14の表面から26mm(オフセット)であり、それより誘電体14の表面から離れる方向へ可動する。マイクロ波整合器30の内断面は、長辺96mm、短辺27mmであり、短絡板31の可動範囲は0〜80mmであり、長辺がマイクロ波進行方向に直交するように配置してある。
載置台3と上述した封止板4との距離は120mmである。また、反応器1aの底部壁には排気口8が開設してあり、排気口8から処理室2の内気を排出するように構成してある。
ここで、プラズマの生成条件は、図6において、ガス種はアルゴン、圧力は5.33Pa.マイクロ波電力は1kWであり、図7において、ガス種はC4 F8 /CO/O2 /Arの混合ガス、圧力は5.33Pa.マイクロ波電力は2kWである。
従って、マイクロ波の多重反射によるエネルギー損失を出来るだけ抑制して、アンテナ周方向へマイクロ波を伝搬させながら、開口を通じて効率良くマイクロ波をプラズマへ供給することが出来る。一方、従来のマイクロ波プラズマ装置では、マイクロ波整合器を調整しても、電圧反射係数を低くすることが困難であった。
図8(b)は、接続部からマイクロ波の1波長分(λg)離れた上蓋23aの2箇所にマイクロ波整合器30(Eチューナ)を設けたアンテナの例を示す平面図である。
これらのアンテナによっても、接続部からのマイクロ波の反射を効果的に抑制することが出来る。
図9は本発明に係るマイクロ波アンテナ及びマイクロ波プラズマ処理装置の構造を示す側断面図であり、図10は図9に示したマイクロ波アンテナ及びマイクロ波プラズマ処理装置の平面図である。このマイクロ波プラズマ処理装置は、封止板4にアンテナ10bが取り付けられている。アンテナ10bは、封止板4を覆うカバー部17b(第1側面)、外側壁部12b(第2側面)、内側壁部13b(第2側面)及び上蓋23b(第3側面)を有し、これらカバー部17b、外側壁部12b、内側壁部13b及び上蓋23bにより、内部にマイクロ波を伝搬可能な環状導波管型アンテナ部11b(第1管状部)を構成する。
カバー部17bには、環状導波管型アンテナ部11bからマイクロ波を取り出す為の複数の開口15a,15a,…が、環状導波管型アンテナ部11bの直径方向に短冊状に開設してある。
短絡板41の駆動原点は、図12に示すように、誘電体14の表面から53mm(オフセット)であり、それより誘電体14の表面から離れる方向へ可動する。マイクロ波整合器40の内断面は、長辺96mm、短辺27mmであり、短絡板41の可動範囲は0〜80mmである。
図13(b)は、接続部からマイクロ波の1波長分(λg)離れた内側壁13bの2箇所にマイクロ波整合器40(Hチューナ)を設けたアンテナの例を示す平面図である。
これらのアンテナによっても、接続部からのマイクロ波の反射を効果的に抑制することが出来る。
また、上述した実施の形態1,2では、マイクロ波整合器は、短絡板の位置を可変とするタイプを使用したが、導波管内への導体棒の挿入量を可変とするタイプを使用しても、同様の効果を得ることが出来る。
2a 処理室
3 載置台
4 封止板(封止部材)
10a,10b,10c アンテナ
11a,11b,11c,11d 環状導波管型アンテナ部(第1管状部)
12a,12b,12c 外側壁部(第2側面)
13a,13b,13c 内側壁部(第2側面)
14 誘電体
15a 開口
16a,16b,16c,16d 導入部(第2管状部)
17a,17b カバー部(第1側面)
20 マイクロ波発振器
21 導波管
22 ガス導入口
23a,23b 上蓋(第3側面)
30 マイクロ波整合器(Eチューナ)
31,41 短絡板
32,42 支持棒
33,43 駆動部
34,44 制御部
35 方向性結合器(検出器)
36a ねじ
40 マイクロ波整合器(Hチューナ)
50 マイクロ波整合器
W 試料
Claims (14)
- マイクロ波を伝搬させる環状の第1管状部と、該第1管状部内へマイクロ波を導入すべく前記第1管状部の側面に開設された1又は複数の導入口と、該導入口に接続され、前記第1管状部内へマイクロ波を供給する為の第2管状部と、前記第1管状部に開設され、該第1管状部内からマイクロ波を取り出す為の複数の開口とを備えたマイクロ波アンテナにおいて、
前記第1管状部及び前記第2管状部の接続部の導波管電界面上に、該第2管状部と直角に設けられ、断面形状が該第2管状部と同様の導波管構造であるマイクロ波整合器を備えることを特徴とするマイクロ波アンテナ。 - マイクロ波を伝搬させる環状の第1管状部と、該第1管状部内へマイクロ波を導入すべく前記第1管状部の側面に開設された1又は複数の導入口と、該導入口に接続され、前記第1管状部内へマイクロ波を供給する為の第2管状部と、前記第1管状部に開設され、該第1管状部内からマイクロ波を取り出す為の複数の開口とを備えたマイクロ波アンテナにおいて、
前記第1管状部及び前記第2管状部の接続部からマイクロ波の略1波長分の長さの範囲の前記第1管状部又は第2管状部の導波管電界面上に、該第2管状部と直角に設けられ、断面形状が該第2管状部と同様の導波管構造であるマイクロ波整合器を備えることを特徴とするマイクロ波アンテナ。 - マイクロ波を伝搬させる環状の第1管状部と、該第1管状部内へマイクロ波を導入すべく前記第1管状部の側面に開設された1又は複数の導入口と、該導入口に接続され、前記第1管状部内へマイクロ波を供給する為の第2管状部と、前記第1管状部に開設され、該第1管状部内からマイクロ波を取り出す為の複数の開口とを備えたマイクロ波アンテナにおいて、
前記第1管状部の、該第1管状部及び前記第2管状部の接続部と対向する側面の導波管磁界面に、前記第2管状部と直角に設けられ、断面形状が該第2管状部と同様の導波管構造であるマイクロ波整合器を備えることを特徴とするマイクロ波アンテナ。 - 前記マイクロ波整合器は、導波管と、該導波管の一端を短絡する為の短絡板とを有し、該短絡板の前記導波管内の位置を可変することが出来る請求項1〜3の何れかに記載のマイクロ波アンテナ。
- 前記マイクロ波整合器は、前記第1管状部内、前記第2管状部内、又は前記接続部内に挿入される導体棒を有し、該導体棒の挿入量を可変することが出来る請求項1〜3の何れかに記載のマイクロ波アンテナ。
- 反射波の量を検出する検出器と、前記マイクロ波整合器の前記短絡板を駆動する駆動部と、前記駆動部を制御する制御部とを更に備え、該制御部は、前記反射波の量を抑制するように制御することが可能な請求項4記載のマイクロ波アンテナ。
- 反射波の量を検出する検出器と、前記マイクロ波整合器の前記導体棒を駆動する駆動部と、前記駆動部を制御する制御部とを更に備え、該制御部は、前記反射波の量を抑制するように制御することが可能な請求項5記載のマイクロ波アンテナ。
- 前記第1管状部は、内部に誘電体を有する請求項1〜7の何れかに記載のマイクロ波アンテナ。
- 前記第1管状部は、前記開口が開設された第1側面と、該第1側面に直交し、互いに対向する2つの第2側面とが一体成形され、該第2側面に直交する第3側面が該第2側面に着脱可能に取り付けてある請求項1〜8記載のマイクロ波アンテナ。
- マイクロ波を伝搬させる環状の第1管状部と、該第1管状部内へマイクロ波を導入すべく前記第1管状部の側面に開設された1又は複数の導入口と、該導入口に接続され、前記第1管状部内へマイクロ波を供給する為の第2管状部と、前記第1管状部に開設され、該第1管状部内からマイクロ波を取り出す為の複数の開口とを備えたマイクロ波アンテナにおいて、
前記第1管状部は、前記開口が開設された第1側面と、該第1側面に直交し、互いに対向する2つの第2側面とが一体成形され、該第2側面に直交する第3側面が該第2側面に着脱可能に取り付けてあることを特徴とするマイクロ波アンテナ。 - 前記第3側面は、前記第2側面をなす壁に複数のねじにより取り付けられ、該ねじの取り付け位置は、前記壁の厚さの中心から前記第1管状部の内部寄りである請求項9又は10記載のマイクロ波アンテナ。
- 前記第2側面をなす壁と前記第3側面とは、前記第1管状部の外部方向に、接触しない為の空間を有している請求項9〜11の何れかに記載のマイクロ波アンテナ。
- 一部を封止部材で封止してなる容器内へ、前記封止部材を透過させてマイクロ波を導入し、該マイクロ波によりプラズマを生成し、生成したプラズマにより被処理物を処理するマイクロ波プラズマ処理装置において、
請求項1〜12の何れかに記載されたマイクロ波アンテナを備え、該マイクロ波アンテナの前記開口が前記封止部材に対向していることを特徴とするマイクロ波プラズマ処理装置。 - 前記マイクロ波アンテナの前記開口が開設された第1側面をなす部分は、マイクロ波が外部へ漏洩しないように、前記封止部材を覆うべくなしてある請求項13記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
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