JP2008181817A - 多心ケーブル、コネクタ付き多心ケーブル及び多心ケーブルの接続構造 - Google Patents

多心ケーブル、コネクタ付き多心ケーブル及び多心ケーブルの接続構造 Download PDF

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Abstract

【課題】極細ケーブルであっても信号用ケーブルと電源用ケーブルの性能を満足し、端末部分のコネクタ端子等への接続を容易かつ正確に行なうことのできる多心ケーブル、コネクタ付き多心ケーブル及び多心ケーブルの接続構造を提供する。
【解決手段】多心ケーブル10は、中心導体15、内部絶縁体14、外部導体13、及び外被12を有する、複数の信号用同軸ケーブル11と、中心導体41及び外被42を有する、電源用絶縁ケーブル40と、が並列に配置されており、同軸ケーブル11の外部導体13の部分の径と絶縁ケーブル40の外被42の外径が略同等であり、同軸ケーブル11の外部導体13の露出部分及び絶縁ケーブル40の外被42が共通のグランドバー20,30に挟まれて固定され、外部導体13の露出部分がグランドバー20,30に導電接続されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、並列に配置した複数の信号用同軸ケーブルと電源用の絶縁ケーブルを有し、同軸ケーブルの外部導体がグランドされた多心ケーブル、コネクタ付き多心ケーブル及び多心ケーブルの接続構造に関する。
近年、携帯電話機、小型ビデオカメラなどの普及により、これら電子機器の小型・軽量化の他に、高速・高画質化が求められている。これらに対応するために、機器本体と液晶表示部との接続や機器内の配線などに、極めて細い同軸ケーブルが用いられ、また、配線の容易性から、複数本の同軸ケーブルを集合一体化させた多心ケーブルが用いられている。
多心ケーブルに使用される同軸ケーブルは、内側から中心導体、内部絶縁体、外部導体、外被を順次同軸状に配設して構成される。中心導体は、例えば銅合金線を7本撚って形成され、その外面を例えばテフロン(登録商標)樹脂などの絶縁材で被覆して内部絶縁体を形成する。
内部絶縁体の外周面に配設される外部導体は、例えば銅合金線を横巻きで螺旋状に巻き付けて形成し、その外面に例えばポリエステルテープを2枚重ね巻きして互いに融着して外被としている。なお、外部導体の外面に銅蒸着テープを銅蒸着面を内側にして巻き付けてもよく、また、外部導体は、銅合金線の巻方向を反対にして2層に巻き付けた構造であってもよく、この他、編組構造であっても良い。
このような多心ケーブルには種々の形態のものが提案されているが、例えば、複数の信号伝送用同軸ケーブルと複数の電力伝送用(電源用)ケーブルとを熱融着や接着剤によりリボン状に接着して形成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、例えば、信号用同軸ケーブルと電源用同軸ケーブルを所定のピッチで並列に並べ、これらの両面に接着層を有したテープを貼着することによって一体化した多心ケーブルも知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭62−86611号公報 特開2000−322943号公報
ところで、上記のように、携帯電話機、小型ビデオカメラなどの電子機器は、一層の高性能化が図られており、それにより処理する情報量も増大している。その一方で、小型・軽量化の要求もあるため、このような電子機器に用いられる多心ケーブルも高密度実装が要求され、極めて細い同軸ケーブル(極細同軸ケーブル)によって多心ケーブルを構成する傾向にある。同軸ケーブルは中心導体、内部絶縁体、外部導体、外被を有する構成であるため、中心導体の断面積が小さく、特許文献2のケーブルのように電源用ケーブルとして同軸ケーブルを用いると、何本もの同軸ケーブルを使用しないと電源用ケーブルとしての性能を満足しにくい。
また、多心ケーブルは、その端末部分が、所定ピッチのコネクタ端子や基板等へ半田付け等の導電接着で接続固定されて使用される。そのため、多心ケーブルを構成する全てのケーブルを所定のピッチで整列させて端子上に配置することが要求される。特に、ケーブルが極細径であると、各ケーブルの配列ピッチも小さく、サブミリ単位の位置ずれも問題となりやすい。
したがって、多心ケーブルを構成する各ケーブルが高精度に配列することが要求されることとなる。そこで、グランドバーに各ケーブルを所定のピッチで固定することが重要である。
また、上記特許文献1,2以外の多心ケーブルとして、信号用ケーブルと電源用ケーブルが分かれて配列され、信号用ケーブルのみがグランドバーに接続されて固定されているものもあるが、その場合、端末部分の接続作業を行う際に信号用ケーブルと電源用ケーブルでそれぞれ位置決めを行なう必要が生じ、作業性が良くなかった。
そこで本発明は、極細ケーブルであっても信号用ケーブルと電源用ケーブルの性能を満足し、端末部分のコネクタ端子等への接続を容易かつ正確に行なうことのできる多心ケーブル、コネクタ付き多心ケーブル及び多心ケーブルの接続構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決することのできる本発明に係る多心ケーブルは、中心導体、前記中心導体の外周に配設された内部絶縁体、前記内部絶縁体の外周に配設された外部導体、及び前記外部導体の外周に配設された外被を有する、複数の同軸ケーブルと、中心導体、前記中心導体の外周に配設された外被を有する、絶縁ケーブルと、が並列に配置されており、前記同軸ケーブルの外部導体の露出部分及び前記絶縁ケーブルの外被が共通のグランドバーに挟まれて固定され、前記露出部分が前記グランドバーに導電接続されていることを特徴とする。
本発明に係る多心ケーブルにおいて、前記絶縁ケーブルの中心導体の断面積が前記同軸ケーブルの中心導体の断面積より大きく、前記同軸ケーブルの外部導体部分の径と前記絶縁ケーブルの外被の外径が略同等であることが好ましい。
なお、本発明において、前記の略同等とは、外径差が±10%以内のことを指す。
また、上記課題を解決することのできる本発明に係るコネクタ付き多心ケーブルは、上記本発明に係る多心ケーブルを備え、前記同軸ケーブルの各中心導体と前記絶縁ケーブルの中心導体が、コネクタの接続端子に接続されていることを特徴とする。
また、上記課題を解決することのできる本発明に係る多心ケーブルの接続構造は、上記本発明に係る多心ケーブルを備え、前記同軸ケーブルの各中心導体と前記絶縁ケーブルの中心導体が、接続端子に接続されていることを特徴とする。
なお、この多心ケーブルの接続構造は、例えばプリント基板(FPC;Flexible Printed Circuit、PWB;Printed Wire Board 等)に対する接続構造である。
本発明の多心ケーブルは、中心導体、内部絶縁体、外部導体、外被を中心から外側に向かって順に備えた複数の同軸ケーブルと、中心導体とその外周に配設された外被を有する絶縁ケーブルとが並列に配置されている。絶縁ケーブルは中心導体と外被からなるため、中心導体の断面積を大きく確保し易い構造であり、極細径のケーブルであっても電源用ケーブルとしての性能を満足することができる。
また、同軸ケーブルの外部導体及び絶縁ケーブルの外被がグランドバーに挟まれ固定されているため、端末部分をコネクタ端子等へ接続するときに各ケーブルの配列状態を乱すことがない。
さらに、本発明の多心ケーブルを備えたコネクタ付き多心ケーブルは、同軸ケーブルの中心導体と絶縁ケーブルの各中心導体が、コネクタの接続端子に接続されており、信号用同軸ケーブル及び電源用絶縁ケーブルが高精度に接続され、信号伝送性能及び電源供給性能に優れた信頼性の高いコネクタ付き多心ケーブルとなっている。また、本発明の多心ケーブルとプリント基板などが接続された多心ケーブルの接続構造も同様の効果を奏する。
以下、本発明に係る多心ケーブル、コネクタ付き多心ケーブル及び多心ケーブルの接続構造の実施形態の例について説明する。
図1は本発明に係る多心ケーブルの例を示す図であり、(A)は多心ケーブルの平面図、(B)は(A)中F方向から見た端面図である。なお、図1(A)では、図面を簡明にするため、後述する第2グランドバー30の図示を省略している。また、図5は、図1の矢視V付近の拡大断面図を示すものである。
図1に示すように、多心ケーブル10は、複数本(本実施形態では37本)の信号用同軸ケーブル(以下、同軸ケーブルと呼ぶ)11と、少なくとも1本の電源用絶縁ケーブル(以下、絶縁ケーブルと呼ぶ)40を有しており、これらが並列に配置されている。
同軸ケーブル11は信号伝送用の信号ケーブルであり、本実施形態では37本設けられている。
図2に示すように、同軸ケーブル11は、中心導体15と、中心導体15の外周に配設された内部絶縁体14と、内部絶縁体14の外周に配設された外部導体13と、外部導体13の外周に配設された絶縁性の外被12と、を有しており、これらを同軸状に配設して構成される。
同軸ケーブル11は、例えば、AWG(American Wire Gage)の規格によるAWG44に該当するケーブルが用いられている。AWG44の同軸ケーブル11は、中心導体15が、例えば外径0.020mmの銀メッキ銅合金の素線15aを7本撚って形成されている。また、内部絶縁体14は、中心導体15の外周面を被覆する例えばPFA等のフッ素樹脂からなり押し出し被覆により厚さ0.04mmに形成されている。さらに、外部導体13は、例えば錫メッキ銅合金の素線13aを内部絶縁体14の外周面に横巻きで螺旋状に巻き付けることで外径0.21mmに形成されている。加えて、外被12は外部導体13の外周面を被覆する例えばPFA等のフッ素樹脂からなり、AWG44の場合は外径0.26mmに形成されている。
同軸ケーブル11の端部は、口出し処理されており、先端側から順に、中心導体15、内部絶縁体14及び外部導体13がそれぞれ段階的に所定長さ露出している。
また、絶縁ケーブル40は、本実施形態では3本設けられている。
絶縁ケーブル40は、図3に示すように、中心導体41及びその外周に配設された絶縁性の外被42を有しており、これらを同軸状に配設して構成される。
絶縁ケーブル40は、例えば、同軸ケーブル11がAWG44に該当する寸法のものである場合、AWGの規格によるAWG38に該当するケーブルが用いられており、中心導体41は、例えば錫メッキ銅合金の素線41aを7本撚って形成され、外被42は、中心導体41の外周面を被覆する例えばPFA等のフッ素樹脂からなり、外径0.21mmに形成されている。中心導体41の部分の径は0.11mmであり、外被42の厚さは0.05mmである。外被42の厚さは、AWG44の同軸ケーブル11の内部絶縁体14の厚さよりも厚い。
この絶縁ケーブル40は、電源供給用として用いられるケーブルであり、中心導体41の断面積が、同軸ケーブル11の中心導体15の断面積より大きいものである。絶縁ケーブル40は、中心導体41と外被42からなる構造である為、同軸ケーブル11より中心導体41の断面積を大きく確保し易い。
絶縁ケーブル40の外被42は、同軸ケーブル11の外部導体13とともに2つのグランドバー20,30により挟持されて固定されるため、同軸ケーブル11の外部導体13の層と同等の外径に形成されている。また、この外被42は、グランドバー20,30を同軸ケーブル11及び絶縁ケーブル40に固定する際の熱に対して、外被42が溶融して絶縁特性が維持できなくなることがないよう、十分な厚さを有している。
また、絶縁ケーブル40の端部も口出し処理されており、長さ方向において端側に中心導体41が所定長さ(例えば、同軸ケーブル11の中心導体15と同等の長さ)露出している。
図1に示すように、多心ケーブル10は、すべての同軸ケーブル11及び絶縁ケーブル40が、中心導体15及び中心導体41を所定のピッチで揃えて並列に配置された状態で、位置を合わせた外部導体13及び外被42が、それぞれに共通の2つのグランドバー20,30に挟持され、固定されている。
これらグランドバー20,30は、互いに接触するかまたは所定の間隔をあけて並列されたすべての同軸ケーブル11の外部導体15と絶縁ケーブル12の中心導体41とにわたって当接可能な長さであって一定厚さの四角板状に形成されたもので、例えば、銅板などの導電性の金属板から形成されている。
また、図4に示すように、グランドバー20,30の対向する面には、予め接合部材24が設けられており、この接合部材24によってグランドバー20,30と各ケーブル11,40とが固定される(図5参照)。接合部材24としては、例えば、板半田を用いることができるが、板半田の他に異方性導電フィルム(ACF)、非導電性フィルム(NCF)等を用いることもできる。これらの接合部材24により、グランドバー20,30と同軸ケーブル11の外部導体13とが固着されると同時に電気的に接続される。なお、接合部材24に非導電性フィルムを用いた場合でも、図5に示すように、接合部材24がグランドバー20,30と各ケーブル11,40の隙間を埋めるように移動するため、外部導体13の周方向の一部でグランドバー20,30に対して直接的に接触する箇所が生じ、グランドバー20,30と外部導体13の電気的導通が図られる。このように、各外部導体13は一括してグランドバー20,30に共通してグランドすることができる。
また、絶縁ケーブル40の外被42に対して接合部材24は固着しないが、接合部材24が外被42の周囲を埋めるように移動して固化するため、絶縁ケーブル40をその軸方向に直交する方向の移動を妨げることになる。すなわち、絶縁ケーブル40はグランドバー20,30及び接合部材24により、少なくとも軸方向に直交する方向において固定される。
なお、同軸ケーブル11及び絶縁ケーブル40の双方に対して半田を使用する形態、同軸ケーブル11に対して半田を使用し絶縁ケーブル40に対してACFまたはNCFを使用する形態、同軸ケーブル11及び絶縁ケーブル40の双方に対してACFまたはNCFを使用する形態、を採り得ることができるが、半田を使用する何れの形態であっても接合部材(半田)24を熱溶融させる際はグランドバー20,30をパルスヒート等で一度加熱すればよい。
また、同軸ケーブル11の外部導体13の部分の外径と絶縁ケーブル40の外被42の外径が略同等(±10%以内)であるのが好ましい。これにより、グランドバー20,30との隙間が揃うので接合しやすく、かつ、同軸ケーブル11、絶縁ケーブル40ともに正確なピッチでしっかり固定することができる。
次に、上記多心ケーブル10の製造方法について説明する。
まず、多心ケーブル10を構成する全てのケーブル11,40を並列に配置して治具あるいはラミネートテープ等で保持する。各ケーブル11,40の配置は、例えば、図1に示したように、1番心(図1の上端位置)から3番心を電源用絶縁ケーブル40とし、4番心から40番心(図1の下端位置)を信号用同軸ケーブル11とする。また、全てのケーブル11,40の端部の位置を合わせる。
そして、全てのケーブル11,40の端部を口出し処理する。この口出し処理は、YAGレーザあるいはCOレーザ等のレーザ加工機を用いて行うもので、まず、COレーザの波長や強度を調整して同軸ケーブル11の外被12を、端部から所定の距離離れた位置で切断し、端部側を引き抜いて除去する。なお、COレーザを当てる際には、絶縁ケーブル40に当たらないよう、端部から所定長さを湾曲させて退避させておく。
次に、YAGレーザの波長や強度を調整して同軸ケーブル11の外部導体13を外被切断位置より所定長さ端部に寄った位置で切断し、端部側の外部導体13を引き抜いて除去する。このときは、絶縁ケーブル40を退避させてもさせなくても良い。
さらに、COレーザの波長や強度を調整して同軸ケーブル11の内部絶縁体14と絶縁ケーブル40の外被42を、さらに端部寄りの位置で切断し、端部側の内部絶縁体14及び外被42を引き抜いて除去する。このように、全てのケーブル11,40を一緒に加工するため、口出し処理を効率的に行うことができる。
そして、上記口出し処理を行ったら、外部導体13及び外被42をグランドバー20,30間に挟み込んで所定ピッチに位置決めし、グランドバー20,30と外部導体13及び外被42を接合部材24で固定する。接合部材24が半田である場合は、グランドバー20,30をパルスヒート等で加熱して、半田を熱溶融させて固定する。なお、半田の代わりにACFまたはNCF等を用いた場合には、半田付けに比べて加熱温度が低いので、加熱による絶縁層への熱影響を少なくすることができる。外被42が、同軸ケーブル11の外部導体13の部分までの径とほぼ等しくされると、外被42の厚さは同軸ケーブル11の内部絶縁体14の厚さよりも厚いので、半田を溶融させる際の熱に対して十分な厚さを有しているため、絶縁ケーブル40の絶縁特性は良好に保たれる。
以上説明したように、上記実施形態の多心ケーブル10は、中心導体15、内部絶縁体14、外部導体13、外被12を中心から外側に向かって順に備えた複数の信号用同軸ケーブル11と、中心導体41とその外周に配設された外被42を有する電源用絶縁ケーブル40とが並列に配置されている。そして、絶縁ケーブル40は中心導体41と外被42からなるため、中心導体41の断面積を大きく確保し易い構造であり、上記のように極細ケーブルであっても電源用ケーブルとしての性能を満足することができる。
また、同軸ケーブル11の外部導体13及び絶縁ケーブル40の外被42がグランドバー20,30に挟まれ固定されているため、多心ケーブル10を構成する全てのケーブル11,40の整列を高精度に行なうことができ、またその配列状態を乱すことがない。したがって、多心ケーブル10の端末部分のコネクタ端子等への接続を正確に行なうことができる。また、絶縁ケーブル40の中心導体41の断面積を大きく確保するとともに絶縁特性も良好に維持されており、電源用ケーブルとしての性能が極めて良好である。
なお、上記実施形態における各種ケーブルの本数及び配置は一例を示したものであり、適宜変更可能である。
特に、同軸ケーブル11の外部導体13の部分の径と絶縁ケーブル40の外径が略同等であれば、グランドバー20,30に固定される箇所で両者が寸法上等価に扱うことができ、配線の自由度が高い。
上記実施形態の多心ケーブル10は、両端側にコネクタ付けされる場合や、一端側のみコネクタ付けで他端側は基板に接続される場合など、様々な形態を採り得る。次に、多心ケーブル10の端部にコネクタを取り付けたコネクタ付き多心ケーブルについて説明する。
図6に、コネクタ付き多心ケーブルの一端側の概略平面図を示す。また、図7に、グランドケーブルの接続位置に該当する図6中の矢視VII−VII位置の断面図を示す。
図6及び図7に示すように、コネクタ付き多心ケーブル50は、多心ケーブル10の端部の各中心導体15,41が、コネクタハウジング51に一体的に設けられている接続端子52に各々独立して接続されている。中心導体15,41は、例えばパルスヒートによる一括半田付けによって接続端子52に接続することができる。
図7に示すように、多心ケーブル10の端末部分では、コネクタハウジング51の上に載置された各ケーブル11,40(図7では同軸ケーブル11を図示)を覆うように、シェル53がコネクタハウジング51に取り付けられており、このシェル53は半田やACFを介してグランドバー30と電気的に接続されている。なお、シェル53とグランドバー30との接続は、例えば、シェル53のグランドバー30に面する箇所の一部に開口部53aを設けておき、グランドバー30の上にシェル53を被せた後、開口部53aから半田やACFを導入してシェル53の下面とグランドバー30の上面との間(符号54の箇所)に充填させ、相互の導電接着を図ることによって行なうことができる。
このように構成されたコネクタ付き多心ケーブル50は、レセプタクルに接続されると、シェル53の長手方向両端部付近でグランド回路に接続される。シェル53がグランド回路に接続されると、同軸ケーブル11の外部導体13はグランドバー20,30がシェル53を介してグランドされることになる。
また、接続端子52に接続する前の多心ケーブル10において、同軸ケーブル11の外部導体13及び絶縁ケーブル40の外被42がグランドバー20,30に挟まれ固定されているため、多心ケーブル10を構成する全てのケーブル11,40が高精度に整列されており、その配列を乱すことなく各接続端子52に対して高精度に位置決めすることができる。また、上記のように絶縁ケーブル40の電源用ケーブルとしての性能が極めて良好である。
したがって、本発明に係る多心ケーブル10を備えたコネクタ付き多心ケーブル50は、信号用同軸ケーブル11及び電源用絶縁ケーブル40が各接続端子52に対して高精度に接続され、信号伝送性能及び電源供給性能に優れた信頼性の高いものとなっている。
また、本発明に係る多心ケーブル10をFPCやPWBの接続端子に接続する構造も可能である。FPCを介してさらに機器本体の回路に接続することもできる。
本発明に係る多心ケーブルの例を示す図であり、(A)は多心ケーブルの平面図、(B)は(A)中F方向から見た端面図である。 図1に示した多心ケーブルに用いられる同軸ケーブルの例を示す断面図である。 図1に示した多心ケーブルに用いられる絶縁ケーブルの例を示す断面図である。 図1に示したグランドバーを各ケーブルに接合する例を示す分解斜視図である。 図1の矢視V付近の拡大断面図である。 本発明に係るコネクタ付き多心ケーブルの一端側の概略平面図である。 同軸ケーブルの接続位置に該当する図6中の矢視VII−VII位置の断面図を示す。
符号の説明
10 多心ケーブル
11 信号用同軸ケーブル
12 同軸ケーブルの外被
13 同軸ケーブルの外部導体
14 同軸ケーブルの内部絶縁体
15 同軸ケーブルの中心導体
20,30 グランドバー
40 電源用絶縁ケーブル
41 絶縁ケーブルの中心導体
42 絶縁ケーブルの外被
50 コネクタ付き多心ケーブル
51 コネクタハウジング
52 接続端子
53 シェル

Claims (4)

  1. 中心導体、前記中心導体の外周に配設された内部絶縁体、前記内部絶縁体の外周に配設された外部導体、及び前記外部導体の外周に配設された外被を有する、複数の同軸ケーブルと、
    中心導体、前記中心導体の外周に配設された外被を有する、絶縁ケーブルと、が並列に配置されており、
    前記同軸ケーブルの外部導体の露出部分及び前記絶縁ケーブルの外被が共通のグランドバーに挟まれて固定され、前記露出部分が前記グランドバーに導電接続されていることを特徴とする多心ケーブル。
  2. 請求項1に記載の多心ケーブルであって、
    前記絶縁ケーブルの中心導体の断面積が前記同軸ケーブルの中心導体の断面積より大きく、
    前記同軸ケーブルの外部導体部分の径と前記絶縁ケーブルの外被の外径が略同等であることを特徴とする多心ケーブル。
  3. 請求項1または2に記載の多心ケーブルを備え、
    前記同軸ケーブルの各中心導体と前記絶縁ケーブルの中心導体が、コネクタの接続端子に接続されていることを特徴とするコネクタ付き多心ケーブル。
  4. 請求項1または2に記載の多心ケーブルを備え、
    前記同軸ケーブルの各中心導体と前記絶縁ケーブルの中心導体が、接続端子に接続されていることを特徴とする多心ケーブルの接続構造。
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